JPH10140128A - 硬化型粘接着剤組成物、フレキシブルプリント基板と補強板との接着方法及びフレキシブルプリント基板の補強方法 - Google Patents

硬化型粘接着剤組成物、フレキシブルプリント基板と補強板との接着方法及びフレキシブルプリント基板の補強方法

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JPH10140128A
JPH10140128A JP29523796A JP29523796A JPH10140128A JP H10140128 A JPH10140128 A JP H10140128A JP 29523796 A JP29523796 A JP 29523796A JP 29523796 A JP29523796 A JP 29523796A JP H10140128 A JPH10140128 A JP H10140128A
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flexible printed
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adhesive composition
adhesive
light
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JP29523796A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Kazuhiro Shimomura
和弘 下村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期粘着性に優れ、光の照射により硬化させ
ることができ、光照射後、初期粘着力が失われるまでの
時間を十分な長さとし得る硬化型粘接着剤組成物を得
る。 【解決手段】 アクリル系ポリマーなどの粘着性ポリマ
ーと、エポキシ基を有する樹脂のような光カチオン重合
性化合物と、光を照射されることにより活性化する光カ
チオン重合開始剤とを含み、常態では十分な初期粘着力
を有し、光を照射されることにより硬化され、かつ光の
照射後直ちに初期粘着力を失わない硬化型粘接着組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常態では粘着性す
なわち感圧接着性を有し、光を照射することにより硬化
され得る硬化型粘接着剤組成物及び該硬化型粘接着剤組
成物を用いたフレキシブルプリント基板と補強板との接
着方法並びにフレキシブルプリント基板の補強方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】フレキシブルプリント基板は、ポリイミ
ドなどの合成樹脂からなるフィルムの少なくとも片面に
導体パターンを形成することにより構成されており、可
撓性を有するため種々の電子機器や光学機器に幅広く用
いられている。
【0003】フレキシブルプリント基板はその端部にお
いて電子機器等の接続部分に接合される。従って、フレ
キシブルプリント基板の接続部分である端部は、十分な
強度を有するように補強されている必要がある。そこ
で、従来のフレキシブルプリント基板では、この端部近
傍においてフレキシブルプリント基板に合成樹脂などか
らなる補強板を接着したり、端部に接着剤を塗布し硬化
させることにより補強する構造が採用されている。
【0004】従来、補強板の接着には、操作が簡便であ
るためアクリル系粘着剤が用いられていた。しかし、ア
クリル系粘着剤のような感圧性接着剤を用いた場合に
は、フレキシブルプリント基板の補強面などに補強板を
容易に接着し得るものの、感圧性接着剤を用いた場合に
は十分な接着強度が得られず、製品使用時に補強板が剥
離したりすることがあった。
【0005】例えば、特開昭61−211016号公報
には、補強板にレゾール型フェノール樹脂及びノボラッ
ク型エポキシ樹脂を主成分とする接着剤を塗布し、加熱
乾燥した後、フレキシブルプリント基板の補強すべき部
分に接着する方法が開示されている。この方法によれ
ば、上記特定の接着剤を用いているため、補強板のフレ
キシブルプリント基板への接合に際し、加熱を伴ったプ
レス工程を実施する必要がないとされている。
【0006】しかしながら、特開昭61−211016
号公報に開示されている方法では、接合に際しての熱プ
レスは必要でないものの、接合に先立ち、接着剤が塗布
された補強板を100℃程度に加熱しなければならなか
った。従って、耐熱性に優れた材料でしか補強板を構成
することができず、補強板の材料選択に制限があった。
加えて、加熱乾燥された接着剤は経時により強固な接着
硬化物を与えるが、接合に際して十分な初期粘着力を有
するものではなかった。
【0007】特公平2−25275号公報には、フレキ
シブルプリント基板の補強すべき部分にビスマレイミド
トリアジンに光硬化剤を混合してなる光硬化性樹脂組成
物を塗布し、硬化させることにより補強層を形成する方
法が開示されている。
【0008】特公平2−25275号公報に記載の光硬
化性樹脂組成物は、初期粘着力を有するものではないた
め、上記のようにフレキシブルプリント基板自体に塗布
し、硬化させねばならない。従って、フレキシブルプリ
ント基板に塗布するに際し、塗布作業を高精度に行わね
ばならず、場合によっては、補強すべき部分を超えて光
硬化性樹脂液が流延することがあった。
【0009】他方、特開平7−179572号公報に
は、エポキシ樹脂に特定の光カチオン重合開始剤と特定
の光ラジカル重合開始剤とを配合し、光と熱の双方を併
用して硬化させ得る接着剤組成物を用いて電子デバイス
及びモジュールを接着する方法が開示されている。
【0010】特開平7−179572号公報では、上記
光硬化系及び熱硬化系の双方を併用しているため、光が
行き渡らない部分においても加熱により硬化させること
ができる。しかしながら、この方法で用いられている上
記接着剤は、光及び熱により硬化され得るものである
が、やはり初期タックを有しないため、例えばフレキシ
ブルプリント基板の補強部分に簡便に補強板を貼付する
ことはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、前述し
た特開昭61−211016号公報、特公平2−252
75号公報及び特開平7−179572号公報に記載の
各先行技術では、硬化された後には強固な接着硬化物を
与えるが、いずれも初期タックを有しないため、フレキ
シブルプリント基板などの補強対象部分に簡便に付与す
ることが困難であった。
【0012】他方、特公表5−50646号公報には、
アクリル系粘着剤の問題点を解消するものとして、(メ
タ)アクリル酸モノマーと、エポキシモノマーと、光カ
チオン重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤を含有して
なる感圧性接着剤が開示されている。ここでは、上記感
圧性接着剤に光を照射することにより粘着性のアクリル
系ポリマーの形成と、エポキシモノマーの重合とが行わ
れ、粘着性(初期タック)が発現されるだけでなく、光
カチオン重合により硬化が進行する。
【0013】しかしながら、この感圧性接着剤では、初
期粘着性を発揮するアクリル系ポリマーの形成と上記エ
ポキシ樹脂モノマーの重合による硬化が同時に進行する
ため、光を照射して短時間で被着体に貼付しようとする
と初期タックが十分でないことがあり、光を照射後1時
間経過してから貼付しようとすると既に硬化しているた
め、被着体に確実に粘着することができなかった。すな
わち、光照射後、粘着力を失うまでの時間(可使時間)
が比較的短く、作業性の点で問題があった。
【0014】光ラジカル重合に際して酸素による反応阻
害があるので、製造方法が制約される。加えて、接着後
に光照射するので、シャドーゾーンでの接着には用いる
ことができなかった。
【0015】本発明の目的は、常態では被着体に対する
粘着性に優れており、光を照射することにより確実に硬
化させることができ、しかも光照射後、シャドーゾーン
における接着にも用いることができ、初期粘着力が失わ
れるまでの時間を十分な長さとし得る硬化型粘着接着剤
組成物を提供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、上記のような
硬化型粘着剤組成物を用いてフレキシブルプリント基板
と補強板とを容易にかつ確実に接着する方法を提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、上記硬化型粘
接着剤組成物を用いて、フレキシブルプリント基板を容
易にかつ確実に補強し得る方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、請求項1に記載の発
明は、粘着性ポリマーと、光カチオン重合性化合物と、
光カチオン重合開始剤とを含み、光の照射により硬化さ
れ得ることを特徴とする硬化型粘接着剤組成物である。
【0018】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の硬化型粘接着剤組成物をフレキシブルプリント
基板の少なくとも片面に積層し、該粘接着層に光を照射
した後に、補強板を貼付することを特徴とするフレキシ
ブルプリント基板と補強板との接着方法である。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の硬化型粘接着剤組成物をフレキシブルプリント基板の
少なくとも片面に積層する前または積層後に光を照射す
ることにより、積層された粘接着剤組成物を硬化させて
補強することを特徴とするフレキシブルプリント基板の
補強方法である。以下、本発明の詳細を説明する。
【0020】粘着性ポリマー 本発明において、上記粘着性ポリマーは、本発明にかか
る硬化型粘接着剤組成物に感圧接着性を与えるために用
いられている。この場合、感圧接着性を与えるために、
本発明にかかる硬化型粘着剤組成物は、120℃の雰囲
気下でボールタックが1以上あるように構成され、より
好ましくは室温で3以上となるように構成される。
【0021】感圧接着性を得るには、被着体に対する濡
れ性と凝集力とのバランスが適切であることが必要であ
る。そこで、凝集力を得るために、上記粘着性ポリマー
としては、従来の感圧性接着剤の主成分として幅広く用
いられているゴム系樹脂やアクリル系ポリマーが用いら
れる。
【0022】もっとも、粘着性ポリマーとしては、ポリ
ジメチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサンなどの
シリコーンゴムとトリメチルシリル基もしくはトリフェ
ニルシリル基を有するポリシロキサンなどのシリコーン
レジンとの混合物のようなシリコーン類、ポリエステル
類、ポタウレタン類、ポリエーテル類、ポリカーボネー
ト類、ポリビニルエーテル類、ポリ塩化ビニル類、ポリ
酢酸ビニル類、ポリイソブチレン類などの他のポリマー
やアクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム
(NBR)、ランダム型スチレン/ブタジエンゴム、ブ
チルゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム
(IR)、エチレン/プロピレンゴム(EPM)、エチ
レン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、ウレタン
ゴム、スチレン/イソプレン/スチレンブロックゴム
(SIS)、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレ
ンブロックゴム(SEBS)、スチレン/ブタジエンブ
ロックゴムなどの合成ゴム系ポリマーを用いてもよい。
また、粘着性ポリマーは、単独重合体であってもよく、
共重合体であってもよい。
【0023】特に、本発明においては、ガラス転移点が
低いアルキルアクリレートを主成分とするアクリル系ポ
リマーが、該ポリマー単体で適度な感圧接着性を発揮し
得るため好適に用いることができる。
【0024】好ましいアクリル系ポリマーとしては、例
えば、アルキル基の炭素数が1〜14であるアルキル
(メタ)アクリレートモノマーの単独重合体または共重
合体を挙げることができ、より好ましくは、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーと、該アルキル(メ
タ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和結合を
有するビニルモノマーとの共重合体を挙げることができ
る。
【0025】上記アルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチ
ル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレ
ート、イソミリスチル(メタ)アクリレートなどを例示
することができる。
【0026】上記ビニルモノマーとしては、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能な不飽和
結合を有する化合物であれば特に限定されず、メタクリ
ル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、塩化ビニル、エ
チレン、プロピレン、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレート、2−ア
クリロイルオキシエチル(プロピル)琥珀酸、(メタ)
アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、イソボルタ
ニル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルモルフォ
リン、ベンジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、N−ビニルカプロラクトン、N−ビ
ニルピペリジン、(メタ)アクリル酸、無水マレイン
酸、クロトン酸、イタコン酸などを挙げることができ
る。
【0027】光カチオン重合性化合物 本発明では、硬化型粘接着剤組成物に光を照射して硬化
させるために、光カチオン重合性化合物が配合されてい
る。この光カチオン重合性化合物については、分子内に
光カチオン重合性の官能基、例えば、水酸基、ビニルエ
ーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基及び/
またはエポキシ基を有する種々のモノマー、オリゴマー
またはポリマーを用いることができる。また、これらの
官能基を有するポリマーについても限定されず、アクリ
ル系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン
系、ポリエーテル系、天然ゴム、ブロック共重合体ゴ
ム、シリコーン系などの各ポリマーを用いることができ
る。
【0028】上記光カチオン重合性化合物は、単独で用
いられてもよく、2種以上併用されてもよい。上記光カ
チオン重合性化合物としては、好ましくは、エポキシ基
を有する化合物が用いられる。エポキシ基の開環重合は
反応性が高く、かつ硬化時間が短いため、接着工程の短
縮を図ることができる。さらに、凝集力及び弾性率も高
いため、耐熱性及び接着強度に優れた接着硬化物を得る
ことができ、例えばプリント回路基板やフレキシブルプ
リント基板の製造過程における半田付け等の高熱にさら
される工程において、剥離やズレなどの接着異常を効果
的に防止することができる。
【0029】上記エポキシ基を有する化合物としては、
エポキシ樹脂が好適に用いられる。このエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フ
ェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリ
シジルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹
脂を挙げることができる。
【0030】また、エポキシ基含有オリゴマーも好適に
用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シオリゴマー(例えば、油化シェルエポキシ社製、エピ
コート1001、1002等)を挙げることができる。
【0031】さらに、上記エポキシ基含有モノマーやオ
リゴマーの付加重合体を用いてもよく、例えば、グリシ
ジル化ポリエステル、グリシジル化ポリウレタン、グリ
シジル化アクリルなどを挙げることができる。
【0032】さらに、これらに他の樹脂成分などを配合
したり、付加したりして可撓性を高めたり、接着力や屈
曲力の向上は図ってもよく、このような変性体として
は、CTBN(末端カルボキシル基含有ブタジエン−ア
クリロニトリルゴム)変性エポキシ樹脂;アクリルゴ
ム、NBR、SBR、ブチルゴム、もしくはイソプレン
ゴムなどの各種ゴムを樹脂分散させたエポキシ樹脂;上
記のような液状ゴムで変性されたエポキシ樹脂;アクリ
ル、ウレタン、尿素、ポリエステル、スチレンなどの各
種樹脂を添加してなるエポキシ樹脂;キレート変性エポ
キシ樹脂;ポリオール変性エポキシ樹脂などを用いるこ
とができる。
【0033】上記光カチオン重合性化合物は、必要に応
じて、異種の樹脂で変性されていてもよく、官能基が変
性されていてもよく、ラジカル重合性不飽和結合を導入
したものなどの反応性官能基を有するものであってもよ
い。
【0034】また、光重カチオン合性化合物では、全て
の分子に上記光重合性官能基が存在する必要はないが、
官能基当量として硬化型粘接着剤組成物中1〜5000
g−regin/mol程度存在することが好ましい。
官能基がこれより少ないと、反応性が高まり、照射後に
被着体に貼付するまでの作業時間が制約されることがあ
り、多すぎると、反応速度が遅くなり、硬化までに長時
間を要することがある。もっとも、上記官能基の量が、
目的とする反応速度及び硬化物性によって定められるた
め、一義的には決定され得ない。
【0035】光カチオン重合開始剤 本発明において、上記光カチオン重合開始剤は、光を照
射されることにより活性化され、光カチオン重合開始物
質を発生するものであり、光の貼付により重合を開始し
得るので、比較的低エネルギーで重合を開始することが
できる。
【0036】上記光としては、マイクロ波、赤外線、可
視光、紫外線、X線、γ線などを用いることができる
が、一般的に取扱いが容易かつ簡便であり、比較的高エ
ネルギーを得ることができる紫外線が好適に用いられ
る。より好ましくは、波長200〜400nmの紫外線
が用いられる。
【0037】上記紫外線は、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、ケミカルランプなどの適宜の光源を用いて照射する
ことができる。光カチオン重合開始剤は、イオン性光酸
発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプの何れでもよ
い。
【0038】上記イオン性光酸発光タイプとしては、芳
香族ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセ
ン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの
有機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的
には、例えば、オプトマーSP−150(旭電化工業社
製)、オプトマーSP−170(旭電化工業社製)、U
VE−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、C
D−1012(サートマー社製)などの市販の化合物を
用いることができる。
【0039】また、非イオン性光酸発生タイプとして
は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン
酸エステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェ
ノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−
ヒドロキシイミドスルホナートなどを用いることができ
る。
【0040】上記光カチオン重合開始剤については、単
独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよく、有
効活性波長の異なる複数の光カチオン重合開始剤を用い
2段階硬化させてもよい。
【0041】さらに、他の光重合開始剤、例えば光ラジ
カル重合開始剤または光アニオン重合開始剤を併用して
もよい。この場合、必ずしも、光ラジカル重合開始剤や
光アニオン重合開始剤を活性化する光の波長は、光カチ
オン重合開始剤を活性化する波長と同等である必要はな
い。
【0042】上記光カチオン重合開始剤は、本発明にか
かる硬化型粘接着剤組成物において、上記光重合性化合
物の官能基1molに対し、0.0001〜0.1mo
lの範囲で配合することが好ましい。0.0001mo
lよりも少ない場合には、十分に光カチオン重合が進行
せず、硬化速度が遅くなり、0.1molよりも多い
と、光照射による硬化が速く進みすぎ、被着体に貼付す
るまでの作業時間が制約されることがである。
【0043】また、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成
物では、上記粘着性ポリマー、光カチオン重合性化合物
及び光カチオン重合開始剤のほかに、本発明の目的を阻
害しない範囲で、公知の粘着付与樹脂や増量剤などを適
宜配合してもよい。
【0044】例えば、本発明の硬化型粘接着剤の粘着性
を向上させる目的で、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹
脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変
性テルペン樹脂、C5系またはC9系の石油樹脂、クロ
マン樹脂等の粘着付与樹脂を添加してもよい。
【0045】特に、被着体がポリオレフィン類の場合に
は、強い接着力を発現させることができるという点で、
ロジン系樹脂及び石油樹脂が好ましい。また、塗工性を
向上させる目的で、アクリルゴム、エピクロルヒドリン
ゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム等の増粘剤、コロイ
ダルシリカ、ポリビニルピロリドン等のチキソトロープ
剤、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー等の増量剤等
を添加してもよい。
【0046】架橋 本発明にかかる硬化型粘接着剤は、被着体と硬化型粘接
着剤の濡れ性及び凝集力のバランスをとるために、光照
射前の状態で適度に架橋されていてもよい(これを初期
架橋というものとする。)。
【0047】初期架橋の方法は特に限定されるものでは
ないが、硬化型粘接着剤組成物中の官能基と、多官能オ
リゴマー(例えば、ポリイソシアネート、ポリエポキ
シ、ポリオール、多官能アクリルオリゴマーなど)によ
る分子架橋や、金属酸化物もしくは金属キレートによる
イオン性架橋などが一般的である。
【0048】初期架橋は、硬化型粘接着剤組成物の不溶
解分(ゲル分)で70%以下であることが好ましい。初
期架橋度がこれより高いと、被着体に対する濡れ性が低
下し、十分な初期粘着力を得られないことがある。
【0049】形態 本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物は、使用場所に応
じて適宜の形態で用い得るが、好ましくは、シート状に
加工され、両面粘着テープと同様にして用いることがで
きる。この場合、シートの厚みは1〜500μmが好ま
しく、より好ましくは10〜200μmである。シート
厚みが1μmより薄いと、光照射後に硬化が急速に進
み、作業時間が制約されることになり、500μmを超
えると、硬化に長時間を要することになる。
【0050】硬化反応及び感圧接着性 本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物では、光照射後系
内で光カチオン重合反応が進行するため、徐々に硬化す
る。光カチオン重合反応は、活性種が酸素などの反応阻
害を受け難く、長期に渡り存在するため、光照射後の硬
化型粘接着剤組成物は暗反応にて硬化させることができ
る。従って、光を照射し続けずとも硬化反応が進行する
ため、光を照射した後被着体に貼付するにあたり、貼付
場所がシャドーゾーンであっても、確実に接着強度に優
れた接着硬化物を得ることができる。
【0051】なお、光を照射しても、硬化型粘接着剤組
成物の感圧接着性は直ちに喪失しないので、被着体貼付
時には、十分な感圧接着性を保持し得る。上記光カチオ
ン重合反応の阻害因子としては、水や塩基性物質が挙げ
られ、従って硬化型粘接着剤組成物あるいは被着体表面
にはこれらの物質が少ないことが望ましい。
【0052】硬化した硬化型粘接着剤組成物では、光カ
チオン重合性官能基の3次元架橋により凝集力が高めら
れる。従って、硬度及び耐熱性に優れた接着硬化物を与
える。よって、最終的には、上記感圧接着性を喪失する
ように硬度及び耐熱性が高められることが望ましい。
【0053】製造方法 本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物は、上述した各成
分を混練することにより得られる適宜の形態に加工する
ことができるが、その場合の具体的な方法については特
に限定されるものではない。例えば、シート状に加工す
る場合には、ロールコート法、グラビアコート法、押出
法などの各種成形方法を用いることができる。また、シ
ート状に加工した場合には、表面が剥離性を有するよう
に構成された剥離性支持体によって保護されていること
が好ましい。より好ましくは、両面が剥離性を有するよ
うに構成された表面剥離性支持体に硬化型粘接着剤組成
物を塗布し、ロール状に巻回しておくことがより望まし
い。
【0054】なお、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成
物を用いて硬化型粘接着シートもしくはテープを構成す
る場合、基材は必ずしも設けられずともよい。すなわ
ち、基材に支持された硬化型粘接着シートもしくはテー
プとしてもよく、基材を有しない両面接着型の硬化型粘
接着シートもしくはテープとしてもよい。基材が必要な
場合には、基材に硬化型粘接着剤組成物を塗布すること
により、あるいは剥離性支持体に塗布された硬化型粘接
着剤を転写することによって粘接着シートもしくはテー
プを形成し得る。
【0055】なお、加熱時の熱膨張係数あるいは収縮の
観点から、上記基材としては、実使用条件下における耐
久性に優れているものが好ましく、一般的には、ポリエ
ステル、ポリイミド、ポリプロピレン、紙、不織布、金
属箔などの耐熱性基材を好適に用いることができる。も
っとも、基材を構成する材料は、特に限定されるもので
はない。
【0056】また、硬化型粘接着剤組成物を上記基材の
片面に塗布するだけでなく、両面に塗布し、基材の両面
に硬化型粘接着剤層が形成された硬化型粘接着シートも
しくはテープとしてもよい。
【0057】フレキシブルプリント基板と補強板との接
着方法 請求項2に記載の発明は、上記硬化型粘接着剤組成物を
用いてフレキシブルプリント基板と補強板とを接着する
方法である。ここでは、先ずフレキシブル基板の補強を
すべき部分に硬化型粘接着剤を積層する。この積層は、
硬化型粘接着剤を塗布することにより行ってもよく、上
記硬化型粘接着剤組成物からなるシートを成形してから
該シートを積層してもよいが、予めシート形成する方が
積層が容易であり、好ましい。このシートの成形方法に
ついては前述した通り、特に限定されるものではなく、
公知のシート成形方法を用いて行うことができる。次
に、積層された粘接着層に光を照射した後に、補強板を
貼付する。
【0058】硬化型粘接着シートの形態で積層する場合
には、感圧接着性を利用し、指圧、ラミネート、プレス
などにより加圧しつつ貼付すればよい。これによって、
硬化型粘接着シートがフレキシブルプリント基板表面に
確実に密着される。貼り合わせ温度は、常温から120
℃程度の適宜の温度で行うことができる。120℃より
高い温度で貼付すると、シワが入ったり、ズレなどを生
じることがある。また、貼付時の温度が低すぎると、硬
化型粘接着剤の弾性率が低下し、感圧接着性が低下し、
接着不良となることがある。
【0059】また、光の照射は、上述した光カチオン重
合開始剤を活性化し得る波長の光を、上述した適宜の方
法で照射することにより行う。光照射された硬化型粘接
着剤では、重合開始種が発生するため、重合が開始し、
経時的に硬化が進行する。そして、この硬化反応が進行
し、感圧接着性が喪失する前に、補強板を圧着する。従
って、必ずしも熱プレスを要することなく、補強板を硬
化型粘接着層に粘着させることができ、かつ経時により
上記硬化反応が進行するため補強板をフレキシブルプリ
ント基板に強固に接着することができる。
【0060】なお、硬化型粘接着層に光を照射してか
ら、硬化型粘接着剤が感圧接着性を喪失するまでの時間
を可使時間というものとする。可使時間が長い方が作業
性がよいが、硬化速度が遅くなるため、目的とする硬化
物性が得られるまでに時間を要する。従って、可使時間
は10分〜半日程度とすることが好ましい。また、上記
感圧接着性の喪失については、貼付温度における初期接
着力の変化で確認することができる。目安としては、光
照射後、補強板を貼付する時点の接着力が照射前の0〜
50%まで低下するとき、感圧接着性が喪失したと判断
し得ることが多い。何れにせよ、必要な初期粘着力と硬
化後の接着強度とのバランスにより工程を定めるべきで
ある。
【0061】なお、請求項2に記載の発明において、上
記フレキシブルプリント基板としては、従来より公知の
適宜のフレキシブルプリント基板を用いることができ、
例えば、ポリエステルやポリイミドなどの絶縁性樹脂か
らなるフィルムに金属箔、金属の蒸着または導電性樹脂
などにより回路を形成してなるものを用いることができ
る。
【0062】また、上記補強板としては、従来よりフレ
キシブルプリント基板を補強するために用いられている
適宜の材料からなるものを用いることができ、例えばガ
ラス−エポキシ樹脂複合材料、紙フェノー複合材料、紙
ポリエステル複合材料、ポリエステル、ポリイミドなど
からなるものを用いることができる。
【0063】なお、フレキシブルプリント基板を含む機
器の製造工程においては、様々な他の部品や部材を接合
することがあり、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物
は、このような部分の接着にも好適に用い得る。例え
ば、熱可塑性樹脂からなるケース、支持体または電子部
品(半導体チップやコネクターなど)など、熱が加えら
れる工程を施すことが好ましくない部材や部品の接着
に、本発明にかかる硬化型粘接着剤組成物を好適に用い
ることができ、これらの部材の熱劣化を引き起こすこと
なく高い接着強度を得ることができる。
【0064】フレキシブルプリント基板の補強方法 請求項3に記載の発明は、上述した本発明にかかる硬化
型粘接着剤組成物を用いてフレキシブルプリント基板自
体を補強する方法である。すなわち、請求項3に記載の
発明では、フレキシブルプリント基板の補強すべき部分
に、硬化型粘接着剤組成物を積層する前または積層後に
光を照射することにより、積層された硬化型粘接着剤を
硬化させてフレキシブルプリント基板を補強する。この
場合、フレキシブルプリント基板としては、上述した適
宜の材料からなるものを用いることができる。
【0065】光照射についても、請求項2に記載の発明
と同様に、上述した適宜の光源を用いて行うことがで
き、光照射により光カチオン重合反応による硬化が進行
することになる。
【0066】硬化型粘接着剤の積層は、硬化型粘接着剤
を塗布することにより行ってもよく、あるいは表面が剥
離性の剥離性支持体で硬化型粘接着シートを支持してな
るものを用意し、該硬化型粘接着シートをフレキシブル
プリント基板の補強すべき面に貼付することにより行
う。このようにシート状の硬化型粘接着剤を貼付すれば
場合には、フレキシブルプリント基板に硬化型粘接着剤
組成物を直接塗布する場合に比べて作業性を高めること
ができる。
【0067】光の照射は、積層前でも積層後でもよい
が、もっとも、硬化型粘接着剤層の初期タックが失われ
ないように、上記フレキシブルプリント基板に積層した
後に光照射を行うことが好ましい。しかしながら、初期
接着力が喪失しない限り、積層前に光を照射してもよ
い。積層に際しての具体的な方法については、シートの
場合には、手貼り、あるいは常温もしくは加熱してラミ
ネートする方法等を用いればよい。
【0068】作用 請求項1に記載の発明にかかる硬化型粘接着剤組成物で
は、上記粘着性ポリマーにより常態では十分な初期粘着
力を有する。従って、硬化型粘接着剤組成物を例えばシ
ート状に成形した場合、被着体に対し容易に粘着性を利
用して貼付することができる。加えて、光を照射して、
光カチオン重合反応により硬化反応を進行させたとして
も、初期粘着力は直ぐには失われないため、光を照射し
て硬化反応を進行させた状態で被着体に容易に粘着させ
ることができる。
【0069】さらに、上記硬化反応は光照射を持続せず
とも進行するので、光ラジカル重合では硬化が不可能で
あった光が遮られているシャドーゾーンに配置された場
合であっても、硬化が確実に進行し、強固な接着硬化物
を与える。
【0070】請求項2に記載の発明では、上記硬化型粘
接着剤組成物をフレキシブルプリント基板に積層し、該
硬化型粘接着剤組成物層に光を照射した後に補強板を貼
付する。従って、光を照射した後でも、直ちには感圧接
着性が損なわれないため補強板を簡便にかつ確実に貼り
合わせることができ、上記硬化反応の進行により補強板
をフレキシブルプリント基板に強固に接合することがで
きる。
【0071】請求項3に記載の発明では、フレキシブル
プリント基板の少なくとも一方面に硬化型粘接着剤組成
物を積層するにあたり、積層前または後に光を照射する
ことにより硬化させて補強する。すなわち、上記硬化型
粘接着剤組成物は、光照射後でも感圧接着性を直ちに失
わないので、フレキシブルプリント基板の補強すべき面
に容易にかつ高精度に固定でき、上記光の照射による硬
化反応の進行によりフレキシブルプリント基板の補強す
べき部分が確実に補強される。
【0072】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0073】(実施例1) アクリル酸ブチル 90重量%とGMA 10重量%との共重合体 100重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#828)5 0重量部 CTBN変性エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポン#58901) 50重量部 光カチオン重合開始剤(アデカオプトマー SP170) 3重量部 酢酸エチル 100重量部 なお、GMAは、グリシジルメタクリレートである。
【0074】上記成分を混合し、硬化型粘接着剤溶液を
作製し、アプリケーターを用いて、表面がコロナ処理さ
れた厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(以
下、PET)シート上に、厚みが50μmとなるように
塗布し、硬化型粘接着剤層を形成し、該硬化型粘接着剤
層上に表面がシリコーンにより離型処理されたPETシ
ートをラミネートし、硬化型粘接着シートサンプルを得
た。
【0075】(実施例2) アクリル酸ブチル 90重量%とアクリル酸 10重量%との共重合体 100重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#1004) 50重量部 グリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱ガス化学社製、TETRAD X) 5重量部 光カチオン重合開始剤(アデカオプトマー SP170) 3重量部 酢酸エチル 100重量部 上記各成分を用いたことを除いては、実施例1と同様に
して硬化型粘接着シートサンプルを得た。
【0076】(実施例3) アクリル酸エチル 90重量%、アクリル酸 5重量%及びHEMA 5重量 %の共重合体 100重量部 NBRゴム粒子分散型エポキシ樹脂「アデカレジンEPR−21」 50重量部 光カチオン重合開始剤(アデカオプトマー SP170) 3重量部 酢酸エチル 100重量部 HEMAは、2−エチルヘキシルメタクリレートを意味
する。上記各成分を用いたことを除いては、実施例1と
同様にして硬化型粘接着シートサンプルを得た。
【0077】(比較例1) アクリル酸ブチル 90重量%とGMA 10重量%との共重合体 100重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#828) 50重量部 CTBN変性エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポン#58901) 50重量部 光ラジカル発生剤(BASF社製、LUCILIN TPO) 1重量部 酢酸エチル 100重量部 上記各成分を混合して用いたことを除いては、実施例1
と同様にして硬化型粘接着シートサンプルを得た。
【0078】(比較例2) アクリル酸エチル 90重量%、アクリル酸 5重量%及びHEMA 5重量 %の共重合体 100重量部 NBRゴム粒子分散型エポキシ樹脂(アデカレンジEPR−21)50重量部 酢酸エチル 100重量部 上記各成分を用いたことを除いては、実施例1と同様に
して硬化型粘接着シートサンプルを得た。
【0079】(比較例3) アクリル酸ブチル 90重量部 アクリル酸 10重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#1004) 50重量部 グリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱ガス化学社製、TETRAD X) 5重量部 潜在性熱硬化剤(味の素社製、アミキュア PN−23) 20重量部 光ラジカル発生剤(BASF社製、LUCILIN TPO) 1重量部 上記各成分を用い、硬化型粘接着剤前駆体を作製した。
次に、窒素バブリングし、溶存酸素を十分に除去した
後、窒素雰囲気下でロールコーターを用いて、表面が離
型処理されたPETシート上に、最終的な厚みが50μ
mとなるように硬化型粘接着剤前駆体を塗布し、波長3
65nmを中心とした紫外線を、高圧水銀灯を用いて5
00mJ照射し、重合し、さらに、重合により形成され
た感圧接着剤層上にシリコーン剥離紙をラミネートし
た。
【0080】上記のようにして得た実施例1〜3及び比
較例1,2の各粘接着シートについて、初期感圧性接
着力、光照射後感圧性接着力、ボールタック硬化
後耐熱性を以下の要領で評価した。
【0081】初期感圧性接着力…JIS Z−023
7に準じて、23℃×相対湿度65%でSP粘着力を測
定した。すなわち、表面が研磨されたステンレス板(S
US304)に10mm幅に剪断した粘接着シートサン
プルの一方のPETシートを剥離して貼付し、背面側か
ら2kgのローラーを300mm/分の速度で往復させ
圧着した。しかる後、30分後に速度300mm/分で
180°方向に粘接着シートを定速剥離し、剥離抵抗を
測定し、この剥離抵抗を初期感圧性接着力とした。
【0082】光照射後感圧性接着力…シリコーンで表
面が離型処理されたPETフィルムを貼り合わせたま
ま、中心波長365nmの紫外線を光強度が0.5J/
cm2となるように高圧水銀灯を用いて照射し、照射2
0分後にSP接着力を初期感圧性接着力評価と同様に
して測定した。
【0083】ボールタック…光照射後あるいは加熱後
に、シリコーンで表面が離型処理されたPETシートを
貼付したまま、サンプルを室温で1か月間エージング
し、感圧接着剤を完全に硬化させた。この処理前後のボ
ールタックをダウ法に準じて測定した。
【0084】硬化後耐熱性…各硬化型粘接着シートサ
ンプルを得るにあたり、支持体として、上記PETフィ
ルムに代えてポリイミドフィルムを用いてサンプルを作
製し、実施例1〜3及び比較例1,2について、の光
照射後感圧性接着力評価と同一の条件で光照射した後に
直ちにステンレス板に貼り合わせ、室温で1か月間エー
ジングした。硬化後のサンプルを250℃に加熱し、表
面状態が変化するまで、すなわち剥離や発泡が生じるま
での時間を測定した。
【0085】結果を下記の表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】また、上記実施例1〜3及び比較例1〜3
で得られた各硬化型粘接着シートを用い、下記の表2に
示す材料からなる接合体A及び接合体Bを接合し、評価
した。接合に際しては、硬化型粘接着シートサンプルの
シリコーンで離型処理されたPETシートを剥離し、2
〜3kg/cmの圧力を加えつつ常温で接合体Aにラミ
ネートし、さらに、他方のPETシートを剥離し接合体
Bを120℃で熱ラミネートした。
【0088】上記接合体Bを熱ラミネートした後、初期
粘着力及び紫外線照射後粘着力を評価する場合には、貼
り合わせ後常温で30分間放置してエージングを行っ
た。また、硬化後接着力及び耐熱性を評価する場合に
は、接合体Bを貼り合わせた後、常温で1日放置してエ
ージングを行った。もっとも、比較例3については、硬
化後接着力及び耐熱性を評価するに際しては、120℃
に1日放置してエージングを行った。
【0089】なお、上記接合体A及び接合体Bを用いた
接合実験の評価については、上述した表1に示した初期
感圧性接着力、光照射後感圧性接着力及び耐熱性と同様
にして、それぞれ、初期感圧性接着力、光照射後感圧性
接着力及び耐熱性を評価した。また、硬化後接着力を、
下記の要領で評価した。
【0090】硬化後接着力…貼り合わせ20分前に中心
波長365mmの紫外線を高圧水銀灯から500mJ照
射し、貼り合わせてから1日経過後に、23℃及び相対
湿度65%でJIS Z 0237に準じて180°剥
離粘着力(単位g/10mm)を測定した。もっとも、
比較例3については紫外線を照射せずに、接合体Bを貼
り合わせた後、120℃で1日放置した後、室温で硬化
後接着力を評価した。
【0091】
【表2】
【0092】(実施例4) アクリル酸ブチル 90重量%とGMA 10重量%の共重合体 100重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#828) 50重量部 CTBN変性エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポン#58901) 50重量部 光カチオン重合開始剤(アデカオプトマー SP170) 3重量部 酢酸エチル 100重量部 上記各成分を混合し、粘接着剤溶液を得た。この粘接着
剤溶液を用い、表面が離型処理されたPETシート上
に、塗布厚みが200μmとなるようにアプリケーター
で塗布し、乾燥し、硬化型粘接着剤シートを作製した。
この硬化型粘接着シートを、厚み50μmのポリイミド
フィルムに常温で貼付し、評価用サンプルとした。
【0093】(実施例5) アクリル酸ブチル 90重量%とアクリル酸 10重量%の共重合体 100重量部 ヘキサメチレンジアクリレート 10重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#1004) 50重量部 グリシジルアミン型エポキシ樹脂(三菱ガス化学社製、TETRAD X)」 5重量部 光カチオン重合開始剤(アデカオプトマー SP170) 3重量部 光ラジカル発生剤(BASF社製、LUCILIN TPO) 1重量部 上記各成分を用いたことを除いては、実施例4と同様に
して評価用サンプルを作製した。
【0094】(比較例4) アクリル酸エチル 90重量%及びGMA 10重量%の共重合体 100重量部 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エピコート#828) 50重量部 CTBN変性エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポン#58901 50重量部 潜在性熱硬化剤(味の素社製、アミキュア PN−23) 20重量部 上記各成分を用いたことを除いては、実施例4と同様に
して、硬化型粘接着剤シートサンプルを作製した。この
硬化型粘接着剤シートを、厚み50μmのポリイミドフ
ィルムに常温で貼り合わせ、120℃に1時間維持し、
硬化させ、評価用サンプルとした。
【0095】(実施例4,5及び比較例1,4の評価)
上記のようにして得た各評価用サンプルについて、硬
化時間及び耐熱性を以下の要領で評価した。
【0096】硬化時間…実施例4,5及び比較例4の
各サンプルにおいて、硬化型粘接着シートが硬化するの
に要した時間を測定した。ただし、硬化とは、20℃で
酢酸エチルに溶解する成分をゲル分率としたときに、ゲ
ル分率が90重量%を超えた時点とした。硬化条件は、
実施例4,5では、波長200〜400nmの紫外線を
高圧水銀灯により照射強度100mW/cm2 とし、比
較例4については180℃のオーブンで加熱硬化させ
た。なお、比較例1については、表1の場合と同じ条件
で硬化させた。
【0097】耐熱性…各評価サンプルを180℃のオ
ーブンに1時間放置し、それぞれの1時間後の外観を観
察した。 評価結果を下記の表3に示す。
【0098】
【表3】
【0099】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、粘着性
ポリマーにより十分な初期粘着力が発揮されており、か
つ光が照射されたとしても光カチオン重合性化合物の光
カチオン重合による硬化の進行が完了するまで上記初期
粘着力が喪失しない。従って、光を照射し硬化反応の進
行を開始した段階であっても、被着体に対し容易に粘着
させることができる。また、光が照射された上記硬化反
応が開始した後には、硬化反応の進行により強固な接着
硬化物を与えるため、熱プレスなどを必要とせずに被着
体を強固に接着することができる。
【0100】加えて、光照射により硬化反応が開始され
た後には、光をもはや必要としないため、光が遮られて
いるシャドーゾーンにおける接合にも、本発明にかかる
硬化型粘接着剤組成物を好適に用いることができる。
【0101】よって、本発明にかかる硬化型粘接着剤組
成物を用いることにより、例えばフレキシブルプリント
基板の補強部分のように、接着領域が限られていに非常
に小さな部位に対しても、補強板を容易にかつ強固に接
着することが可能となる。
【0102】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明にかかる硬化型粘接着剤組成物をフレキシ
ブルプリント基板の少なくとも片面に積層し光を照射し
た後に、補強板を貼付するため、上記粘接着シートの積
層を初期粘着力を利用して容易にかつ確実に行うことが
でき、かつ光を照射した後においても初期粘着力が直ち
には失われないため、粘接着層に対し補強板を容易に密
着させることができる。加えて、光照射後の硬化の進行
により、補強板とフレキシブルプリント基板とが強固に
接着され得る。
【0103】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明にかかる硬化型粘接着剤組成物を、フレキ
シブルプリント基板の補強対象部分に積層する前または
積層後に、光を照射する。従って、積層に際しては、光
照射後であっても、粘接着層の初期粘着性が直ちに損な
われないため、フレキシブルプリント基板の補強対象部
分に容易にかつ確実に粘着接着シートを積層することが
できる。加えて、光の照射により、粘接着層の硬化が進
行するため、最終的に得られた強固な接着硬化物によ
り、フレキシブルプリント基板が確実に補強され得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性ポリマーと、光カチオン重合性化
    合物と、光カチオン重合開始剤とを含み、光の照射によ
    り硬化され得ることを特徴とする硬化型粘接着剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬化型粘接着剤組成物
    をフレキシブルプリント基板の少なくとも片面に積層
    し、該粘接着層に光を照射した後に、補強板を貼付する
    ことを特徴とするフレキシブルプリント基板と補強板と
    の接着方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の硬化型粘接着剤組成物
    を、フレキシブルプリント基板の少なくとも片面に積層
    する前または積層後に光を照射することにより、積層さ
    れた粘接着剤組成物を硬化させて補強することを特徴と
    するフレキシブルプリント基板の補強方法。
JP29523796A 1996-11-07 1996-11-07 硬化型粘接着剤組成物、フレキシブルプリント基板と補強板との接着方法及びフレキシブルプリント基板の補強方法 Pending JPH10140128A (ja)

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