JPH11116905A - 粘着テープまたはシートの端面処理方法 - Google Patents

粘着テープまたはシートの端面処理方法

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JPH11116905A
JPH11116905A JP9281963A JP28196397A JPH11116905A JP H11116905 A JPH11116905 A JP H11116905A JP 9281963 A JP9281963 A JP 9281963A JP 28196397 A JP28196397 A JP 28196397A JP H11116905 A JPH11116905 A JP H11116905A
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JP
Japan
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pressure
sensitive adhesive
adhesive tape
face
sheet
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Application number
JP9281963A
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English (en)
Inventor
Makoto Miura
誠 三浦
Mitsuru Ozasa
満 小笹
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着テープもしくはシートの切断により生じ
た端面におけるサイドスティックを煩雑な工程を実施す
ることなく容易にかつ確実に防止することができる粘着
テープもしくはシートの端面処理方法を得る。 【解決手段】 粘着テープもしくはシートの粘着剤層と
して、カチオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤
を含む粘着剤層を形成しておき、粘着テープの切断によ
り生じた端面に光を照射し、端面近傍の粘着剤層部分を
重合・硬化させることによりサイドスティックを防止す
る粘着テープもしくはシートの端面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープまたは
シートを切断したり、型抜き加工したりした際の端面か
らの粘着剤の染み出し等を防止することを可能とする粘
着テープもしくはシートの端面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープまたはシートは、フィルム状
基材の少なくとも片面に粘着剤を塗布することにより形
成されている。これらの粘着テープもしくはシートで
は、適当な平面形状を有するように切断されて、粘着製
品とされている。例えば、帯状に切断し、包装用テープ
のように巻物とされたものは、粘着テープと一般的に称
されており、ラベルやシールのように適宜の平面形状を
有するように加工されたものが粘着シートと称されてい
る。
【0003】上記粘着テープもしくはシート類では、あ
る形状に切断された場合、切断により生じた端面に粘着
剤層が露出する。この露出している粘着剤が粘着性を有
するため、粘着テープもしくはシートの端面にタックが
生じる。この現象は「サイドスティック」と称されてい
る。サイドスティックが生じると、粘着テープもしくは
シート端面にゴミや埃が付着しがちとなり、外観を損な
うだけでなく、染み出した粘着剤同士が合着し、巻物の
場合には粘着テープを展開できなくなったり、複数枚の
粘着シートが積層されている場合には粘着シート同士が
合着し、剥離できなくなったりすることがある。
【0004】そこで、上記サイドスティックを防止する
ために様々な方法が試みられている。例えば、特公昭5
7−15772号公報には、非粘着性の重合体薄膜を粘
着テープの端面に形成し、サイドスティックを防止する
方法が開示されている。
【0005】また、特公平3−45114号公報には、
光架橋増感剤と湿潤性付与物質とを含む水分散体を粘着
テープの端面に塗布し、光照射することにより粘着テー
プ端面に高架橋度の非粘着性部分を構成し、それによっ
てサイドスティックを防止する方法が開示されている。
【0006】さらに、特開平5−65461号公報に
は、特定の離型剤を粘着剤に配合することにより、テー
プ側面のサイドスティックを防止する方法が開示されて
おり、特開平7−34045号公報には、粘着テープを
切断するカッターの刃に離型剤粒子を付着させておくこ
とにより、切断面の合着を防止する方法が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特公昭57−1577
2号公報に記載の方法では、粘着テープ端面に非粘着性
重合体薄膜を形成することによりサイドスティックを防
止しているが、この重合体薄膜の厚みによってサイドス
ティック防止効果がばらついたり、テープ形態に切断し
た後に重合体薄膜を形成するための処理液を塗布する工
程が必要であり、作業性が低いという問題があった。
【0008】また、特公平3−45114号公報に記載
の方法においても、上記水分散体を塗布し、光照射する
ことにより非粘着性部分を粘着テープ端面に形成してい
るため、水分散体の塗布厚みによりサイドスティック効
果がばらつくこと、並びに粘着テープ形態に切断後に水
分散体を塗布し、光照射しなければならず、工程が煩雑
であった。
【0009】他方、特開平5−65461号公報に記載
の方法では、特定の離型剤を粘着剤層に配合しておけば
よいだけであるため、作業性は低下し難いものの、離型
剤が粘着剤表面にブリードし、粘着剤層の接着力が低下
しがちであった。
【0010】また、特開平7−34045号公報に記載
の方法では、カッターの刃に離型剤粒子を付着させてい
るため、粘着テープの切断面の合着が防止されるとされ
ているものの、離型剤粒子の粘着テープ切断面への付着
にばらつきが生じやすく、サイドスティック防止効果が
十分に得られないことがあった。
【0011】本発明の目的は、煩雑な工程を必要とする
ことなく、サイドスティックを確実にかつバラツキなく
防止することができ、また、粘着剤層の粘着特性の劣化
が生じ難い、粘着テープもしくはシートの端面処理方法
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る粘着テープ
もしくはシートの端面処理方法は、粘着剤層にカチオン
重合性化合物及び光カチオン重合開始剤を含有させてな
る粘着テープまたはシートの切断により生じた端面に光
を照射し、架橋させることを特徴とする。
【0013】すなわち、本発明に係る端面処理方法は、
上記カチオン重合性化合物及び光重合開始剤を粘着剤に
配合しておき、切断加工により生じた端面にのみ光照射
することにより、端面及びその近傍のみを硬化させ、粘
着剤の端面への染み出しを防止したことに特徴を有す
る。以下、本発明の詳細を説明する。
【0014】(粘着剤層)本発明に係る端面処理方法で
処理される粘着テープの粘着剤層を構成する粘着剤につ
いては、特に限定されず、ゴム系、アクリル系またはシ
リコーン系などの公知の粘着剤からなるものを用いるこ
とができる。
【0015】上記ゴム系粘着剤は、天然ゴムまたは合成
ゴムに粘着性付与剤及び可塑剤等を配合することにより
粘着性を得ているものである。上記合成ゴムとしては、
ポリイソブチレン、アクリルゴム、アクリロニトリル/
ブタジエンゴム(NBR)、ランダム型スチレン/ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム(IR)、ブ
タジエンゴム、エチレン/プロピレンゴム(EPM)、
エチレン/プロピレン/ジエンゴム(EPDM)、ウレ
タンゴム、スチレン/イソプレン/スチレンブロックゴ
ム(SIS)、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレ
ンブロックゴム(SEBS)、スチレン/ブタジエンブ
ロックゴムなどを挙げることができる。
【0016】また、上記アクリル系粘着剤は、アルキル
(メタ)アクリレートを主成分とする(共)重合体に、
粘着性付与剤や可塑剤等を配合することにより構成され
ている。上記アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、i−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基などを好適に用いることができる。また、上記アルキ
ル(メタ)アクリレートを主成分とする共重合体を構成
する場合のアルキル(メタ)アクリレートに共重合され
るモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸
等の不飽和カルボン酸や、アクリロニトリル、ウレタン
アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ε−(ポリ)カプロラクトンアクリレート、
テトラヒドロフラニルアクリレート等を提示することが
できる。
【0017】シリコーン系粘着剤は、ポリジメチルシロ
キサン、ポリジフェニルシロキサンなどのシリコーンゴ
ムと、トリメチルシリル基もしくはトリフェニルシリル
基などを有するポリシロキサンなどのシリコーンレジン
との混合物からなるものが一般的である。
【0018】上記粘着剤は、そのガラス転移温度(T
g)が20℃以下であることが好ましい。ガラス転移点
(Tg)が20℃を超えると、感圧接着性が低下し、常
温粘着性が低くなり、低温時に剥離などの接着不良を生
じることがある。
【0019】(カチオン重合性化合物及び光カチオン重
合開始剤)本発明に係る粘着テープもしくはシートの端
面処理方法では、上記粘着剤に、カチオン重合性化合物
と光カチオン重合開始剤とを配合する。カチオン重合性
化合物については、分子内にカチオン重合性の官能基、
例えば、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド
基、エチレンイミン基及び/またはエポキシ基を有する
種々のモノマー、オリゴマーまたはポリマーを用いるこ
とができる。また、これらの官能基を有するポリマーに
ついても限定されず、アクリル系、ウレタン系、ポリエ
ステル系、ポリオレフィン系、ポリエーテル系、天然ゴ
ム、ブロック共重合体ゴム、シリコーン系などの各種ポ
リマーを用いることができる。
【0020】また、上記粘着剤を構成する成分が上記カ
チオン重合性官能基を有するものであってもよい。すな
わち、粘着成分が上記カチオン重合性官能基を有し、カ
チオン重合性化合物としての機能を果たすものであって
もよい。このような粘着成分であって、カチオン重合性
化合物としても機能する材料としては、例えば、ゴム系
粘着剤ではエポキシ化SBS、アクリル系粘着剤ではグ
リシジルメタクリレート共重合体を例示することができ
る。粘着成分にカチオン重合性官能基を導入する場合、
その粘着特性を阻害しない範囲であることが好ましい。
【0021】上記カチオン重合性化合物としては、好ま
しくは、エポキシ基を有する化合物が用いられる。エポ
キシ基の開環重合は反応性が高く、かつ硬化時間が短い
ため、光端面処理工程の短縮を図ることができる。
【0022】上記エポキシ基を有する化合物としては、
エポキシ樹脂が好適に用いられる。このエポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フ
ェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリ
シジルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹
脂を挙げることができる。
【0023】また、エポキシ基含有オリゴマーも好適に
用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シオリゴマー(例えば、油化シェルエポキシ社製、エピ
コート1001、1002等)を例示することができ
る。
【0024】上記カチオン重合性化合物は、必要に応じ
て、異種の樹脂で変性されていてもよく、官能基が変性
されていてもよく、ラジカル重合性不飽和結合を導入し
たものなどの反応性官能基を有するものであってもよ
い。
【0025】また、本発明においては、粘着剤層に含ま
れる光カチオン重合性官能基当量が、好ましくは、50
000g−resin/mol以下であることが望まし
い。カチオン重合性官能基当量が50000g−res
in/molを超えると、組成物中の官能基濃度が低下
し、カチオン重合が不十分となり、粘着テープもしくは
シートの端面のサイドスティック防止効果が低くなるこ
とがある。従って、カチオン重合性官能基当量が上記範
囲となるように組成が決定されることが望ましい。
【0026】また、好ましくは、上記カチオン重合性化
合物を光カチオン重合開始剤により重合させる場合、カ
チオン重合性化合物の反応率が25%以上の部分が粘着
テープもしくはシートの端面から粘着剤塗布幅の20%
長さ以内になるように調整することが望ましい。カチオ
ン重合性化合物中のカチオン重合性官能基の反応率が最
終的に25%を下回るとサイドスティックや竹の子現象
などを防止する効果が不十分となることがある。また、
カチオン重合性官能基の反応率が最終的に25%以上に
なる部分が端面より粘着剤塗布幅の20%長さを超える
と、粘着性を発揮する部分の幅が狭くなり、被着体に粘
着テープもしくはシートを貼付した際に浮きや剥がれが
生じやすくなることがある。
【0027】上記光カチオン重合開始剤としては、特に
限定されず、イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性光
酸発生タイプのいずれであってもよい。
【0028】イオン性光酸発生タイプとしては、芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニ
ウム塩などのオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセ
ン錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの
有機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的
には、例えば、オプトマーSP−150(旭電化社
製)、オプトマーSP−170(旭電化社製)、UVE
−1014(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−
1012(サートマー社製)などの市販の化合物を用い
ることができる。
【0029】また、非イオン光酸発生タイプしては、ニ
トロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エス
テル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキ
ノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどを用いる
ことができる。光カチオン重合開始剤は単独で用いられ
てもよく、2種以上併用されてもよい。
【0030】上記光カチオン重合開始剤は、カチオン重
合性官能基1molに対し、カチオンが0.0001m
ol%以上発生するように配合することが望ましい。
0.0001mol%より少ない場合には、光カチオン
重合が十分に進行し難くなり、硬化速度が遅くなること
がある。
【0031】(光の照射)上記のような光カチオン重合
を生じさせる光としては、マイクロ波、赤外線、可視
光、紫外線、X線、γ線などを用いることができるが、
一般的に取扱いが容易かつ簡便であり、比較的高エネル
ギーを得ることができる紫外線が好適に用いられる。よ
り好ましくは、波長200〜400nmの紫外線が用い
られる。
【0032】上記紫外線は、高圧水銀灯、マイクロ波励
起型ランプ、ケミカルランプなどの適宜の光源を用いて
照射することができる。光の照射は、粘着テープもしく
はシートの端面に対して直交する方向から行うことが望
ましい。本発明では、粘着剤層の上記端面近傍におい
て、カチオン重合性化合物を硬化させ、サイドスティッ
クを防止する。従って、端面近傍以外の粘着剤層に含ま
れているカチオン重合性化合物の硬化を防止するには、
上記のように光の照射を端面と直交する方向から行うこ
とが望ましい。
【0033】本発明に係る端面処理方法で処理される粘
着テープもしくはシートの形態についても特に限定され
るものではなく、適当な支持体上に粘着剤層が形成され
たもの、あるいは離型紙に粘着剤層が支持されて、使用
に際して離型紙を除去し、粘着剤層のみで両面粘着テー
プの形態で粘着テープもしくはシートとして用いられる
ものなど、任意の形態のものが挙げられる。上記支持体
としては、離型性支持体及び非離型性支持体が挙げら
れ、粘着テープもしくはシートの要求特性に応じて様々
な支持体を用いることができる。
【0034】特に、ポリエステル、ポリオレフィン、ナ
イロン、塩化ビニル樹脂などからなるプラスチックフィ
ルムや、紙、不織布、金属箔等を好適に用いることがで
きる。離型性支持体については、これらのプラスチック
フィルムの表面にシリコーンや長鎖アルキル系離型剤な
どを塗布することにより構成することができる。
【0035】また、上記支持体については、粘着テープ
もしくはシートの端面近傍以外におけるカチオン重合性
化合物の重合硬化を防止するためには、光カチオン重合
開始剤の活性波長の光透過率が低いものであることが好
ましい。該活性波長における光透過率が高い支持体の場
合には、粘着テープもしくはシートに光が照射した際
に、支持体を媒体として光が粘着テープもしくはシート
の幅方向に進行し、幅方向中央の粘着剤を硬化させて粘
着力を低下させることがある。従って、好ましくは、支
持体については、上記活性波長の光透過率が30%以下
であることが望ましい。
【0036】また、粘着テープもしくはシートを切断
し、上記端面を切り出した場合、経時により粘着剤が端
面からはみ出しサイドスティック現象が生じる。従っ
て、上記サイドスティック現象が経時により増大し、粘
着剤のべたつきによる汚染やはみ出した粘着剤同士の接
着によるテープ展開時あるいは離型性支持体剥離時の端
面の糸引きなどの不良が生じることがある。よって、上
記光の照射は、粘着テープもしくはシートの切断処理
後、できるだけ速やかに実施することが望ましい。
【0037】また、上記粘着テープもしくはシートの端
面を切り出すための切断加工方法についても特に限定さ
れず、一般的なスリット加工や打抜き加工を用いること
ができる。また、刃の形状についても特に限定されず、
丸刃、レザーなどを用いることができる。
【0038】これらの切断方法を用いることにより、粘
着テープもしくはシートが任意の平面形状を有するよう
に加工されるが、ビク刃により粘着テープもしくはシー
トを全カットあるいはハーフカットしてもよい。ハーフ
カットは、少なくと片面に剥離性支持体が積層されてい
る粘着テープもしくはシートの剥離性支持体のみを残し
て切断する方法であり、粘着ラベル等を得るのに慣用さ
れている加工方法である。この場合、連続した剥離性支
持体上に任意の形状に打抜き加工された粘着テープもし
くはシートが配置されているため、運搬性及び作業性を
高め得る。
【0039】また、光照射後に加熱してもよく、それに
よって硬化速度を向上でき、短時間で処理することがで
きる。加熱方法については、特に限定されず、一般的な
オーブンを用いることができ、また、熱伝導を用いる方
法以外に、赤外線、電磁波、誘導加熱等の非接触式加熱
方法を適宜用いることができる。
【0040】光源が発生する熱を用いれば、特別な装置
が不必要であるため、加熱を効率よくかつ経済的に行い
得る。この場合、光源からの距離を短くしたり、照射強
度を高めることにより、光源からの熱を有効に利用する
ことも可能である。
【0041】本発明に係る端面処理方法では、粘着テー
プもしくはシートの端面に、上記光源から上述した反応
率となるように光を照射することが望ましく、従って、
照射エネルギーについては、上記反応率範囲となるよう
に調整することが好ましい。
【0042】(作用)本発明に係る粘着テープもしくは
シートの端面処理方法では、粘着剤層に上記カチオン重
合性化合物及び光カチオン重合開始剤が含有されている
ため、切断により生じた端面に光を照射することによ
り、粘着剤層の該端面近傍部分においてカチオン重合性
化合物が重合し架橋することにより硬化する。従って、
切断により生じた端面近傍において粘着剤層が硬化する
ため、サイドスティックを効果的に防止することができ
る。また、粘着剤層に含有されているカチオン重合性化
合物を重合させるものであるため、サイドスティック防
止効果のばらつきも生じ難い。
【0043】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0044】(粘着剤組成物)以下の粘着剤1,2、カ
チオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤を下記の
表1に示すように配合し、粘着剤組成物1〜3をそれぞ
れ用意した。
【0045】粘着剤1…アクリル酸ブチル/アクリロニ
トリル共重合体(アクリル酸ブチルとアクリロニトルの
共重合比は重量比で85/15) 粘着剤2…アクリル酸ブチル/メタクリル酸グリシジル
共重合体(共重合比は重量比でアクリル酸ブチル/メタ
クリル酸グリシジル=80対20) カチオン重合性化合物…ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート#8
28) 光カチオン重合開始剤…芳香族スルホニウムアンチモネ
ート系重合開始剤(旭電化社製、商品名:アデカオプト
マーSP170)
【0046】
【表1】
【0047】上記粘着剤組成物を、それぞれ、片面にシ
リコーン離型処理された黒練り込みポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム(100μm厚×500m
m幅:波長365nmにおける光透過率0%)の離型面
に、塗布幅が480mm、最終厚みが50μmとなるよ
うに塗布・乾燥し、同じくシリコーン離型処理されたポ
リラミネート紙セパレーター(坪量110g/m2 ×5
00mm幅:波長365nmの光透過率6%)を粘着剤
層上にラミネートし、得られた積層体を巻回し、粘着テ
ープ太巻を得た。上記粘着テープ太巻を幅25mmとな
るようにスリットし、100mを巻き取り、粘着テープ
1〜3を得た。
【0048】実施例1〜4では、上記各粘着テープ1〜
3のスリットにより切り出された端面(すなわち側面)
に片面ずつ下記の表2に示す処理条件に従って超高圧水
銀灯を用いて光照射し、端面処理を施した。また、下記
の表2における比較例1,2においては、上記超高圧水
銀灯による光照射は行わなかった。
【0049】次に、実施例1〜4では、上記端面処理後
に、比較例1,2には端面処理を行わずに、粘着テープ
の端面が垂直となる方向に粘着テープを懸垂し、40℃
及び相対湿度90%の条件で1週間放置し、端面のサイ
ドスティックの程度を光学顕微鏡で観察し、端面からの
粘着剤はみ出し長さを測定した。
【0050】また、上記粘着テープの粘着特性を比較す
るために、粘着テープのバッキング材として25μmの
厚みのポリエステルフィルムを用い、JIS Z152
8に準じて180°SP粘着力を測定した。結果を下記
の表2に示す。
【0051】また、下記の表2に端面部分硬化率及び2
5%硬化長を併せて示す。端面部分硬化率とは、粘着テ
ープ端面のカチオン重合性化合物の反応率を意味し、2
5%硬化長は、反応率が25%以上の部分の端面から内
側に至っている部分の長さを示すものとする。端面部分
硬化率及び25%硬化長は、いずれも、顕微IRのエポ
キシ基の吸収ピーク面積を照射前と比較した減少率を測
定することにより評価した。
【0052】
【表2】
【0053】比較例1では、カチオン重合性化合物及び
光カチオン重合開始剤を配合してなる粘着剤組成物2を
用いたが、光照射を行わなかったため、端面近傍におい
て硬化せず、従って端面からの粘着剤はみ出し長さ1.
1mmと大きく、サイドスティックを防止することがで
きなかった。
【0054】また、比較例2では、カチオン重合性化合
物を含有しない粘着剤組成物3を用い、かつ光照射を行
わなかったため、同様に粘着剤の端面からのはみ出し長
さが1.2mmと大きく、サイドスティックを防止する
ことができなかった。
【0055】これに対して、実施例1〜4では、カチオ
ン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤を含む粘着剤
組成物1,2を用い、365nmの波長の光を表2に示
す条件で照射したため、端面近傍が架橋により硬化し、
端面からの粘着剤のはみ出し長さが0mmとなり、サイ
ドスティックを確実に防止し得ることが確かめられた。
【0056】また、実施例4に比べ、実施例1〜3で
は、光照射に際し、25%硬化長を10.0%以下とし
たため、実施例4に比べて大きなSP粘着力を示した。
【0057】
【発明の効果】本発明に係る粘着テープもしくはシート
の端面処理方法では、粘着剤層にカチオン重合性化合物
及び光カチオン重合開始剤を含有させ、粘着テープもし
くはシートを切断することにより形成された端面に光を
照射するため、該端面近傍において粘着剤層が重合・硬
化する。従って、上記サイドスティック現象を確実に抑
制することができ、かつ端面からの粘着剤のはみ出し等
を効果的に抑制することができる。
【0058】また、端面近傍の粘着剤層の組成は、粘着
テープもしくはシートの長さ方向に沿って均一となるた
め、サイドスティック防止効果のばらつきも生じ難い。
加えて、端面に光照射を行い、端面近傍の粘着剤層部分
を硬化してサイドスティックを防止するものであるた
め、粘着剤層の幅方向中央部分においては、従来の粘着
テープもしくはシートと同様に十分な粘着特性を発揮す
る。
【0059】また、サイドスティックを防止するため
に、特別な処理液を粘着剤層を形成した後に塗布する必
要はないため、サイドスティックを防止するために煩雑
な工程を実施する必要がない。
【0060】従って、サイドスティックが生じ難く、か
つ十分な粘着性能を発揮し得る粘着テープもしくはシー
トを安定にかつ作業性を低下させることなく提供するこ
とが可能となる。
【0061】よって、本発明に係る端面処理方法は、マ
スキングテープ、再剥離テープなどのテープ端面のサイ
ドスティックの抑制が強く求められる粘着テープや、打
抜き加工もしくはハーフカット加工されるラベルや部品
固定用両面テープなどの形状加工性が要求される粘着テ
ープもしくはシートに好適に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤層にカチオン重合性化合物及び光
    カチオン重合開始剤を含有させてなる粘着テープまたは
    シートの切断により生じた端面に光を照射し、架橋させ
    ることを特徴とする粘着テープまたはシートの端面処理
    方法。
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