JP2007091798A - 発色剤、発色剤セット、接着剤、接着剤セット及び接着方法 - Google Patents

発色剤、発色剤セット、接着剤、接着剤セット及び接着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価で発色性の高い発色剤と、それを用いた接着剤を提供する。
【解決手段】本発明の発色剤65は、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とを含有しており、発色剤に紫外線が照射されると、芳香族スルホニウム塩はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と反応して発色する。その発色反応は早く、しかも発色が濃いので、発色剤は紫外線が照射されたかどうかを区別する検出手段に用いられる。また、発色剤を接着剤に使用すれば、接着剤に紫外線が照射されたか否かを容易に区別できるので、接着対象物を確実に貼り合わせることができる。
Figure 2007091798

【選択図】図4

Description

本発明は光照射によって色が変化する発色剤の技術分野に関する。
従来より、光硬化型接着剤は広く用いられている。
光硬化型接着剤は接着対象物を高温に加熱しなくても紫外線を照射するだけで硬化するので、接着対象物が熱損傷しないという利点がある。
しかし、接着剤に紫外線が照射されたかどうかの確認は難しく、光源にエラーが起こり、接着剤に紫外線が照射されないまま接着対象物同士を貼り合わせると、接着剤の粘着力で一見接着対象物が接着されたように見えるが、接着剤が硬化しないため、接着対象物が容易に剥離してしまう。
光の照射によって変色するフォトクロミック材料を光硬化型接着剤にすれば、紫外線の照射された部分は変色するので、光硬化型接着剤に紫外線照射されたかどうかを目視で判断する
しかしながら、従来のフォトクロミック材料は高価な上、高い発色性を有するものが少ない。
また、従来のフォトクロミック材料は光硬化性樹脂と相溶性が低く、また光重合性反応の重合にも組み込まれないため、硬化後の接着剤からフォトクロミック材料が滲み出ることがあり(ブルーミング現象)、滲み出たフォトクロミック材料が貼着対象物に悪影響を与えることがある。
特開平11−209603号公報 特開2004−263140号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は安価でしかも発色の濃い発色剤と、それを用いた接着剤を提供することである。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩が含有された発色剤である。
Figure 2007091798
(上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
請求項2記載の発明は、発色主剤が収容された第一の容器と、発色助剤が収容された第二の容器とを有し、前記発色主剤は下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有し、前記発色助剤はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有する発色剤セットである。
Figure 2007091798
(上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
請求項3記載の発明は、接着剤成分と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とが含有された接着剤である。
Figure 2007091798
(上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
請求項4記載の発明は、請求項3記載の接着剤であって、前記接着剤成分はカチオン重合性樹脂を含有する接着剤である。
請求項5記載の発明は、発色主剤が収容された第一の容器と、発色助剤と接着剤成分とが収容された第二の容器とを有し、前記発色主剤は下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有し、前記発色助剤はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有する接着剤セットである。
Figure 2007091798
(上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
請求項6記載の発明は、請求項5記載の接着剤セットであって、前記接着剤成分はカチオン重合性樹脂を含有する接着剤セットである。
請求項7記載の発明は、硬化した接着剤で接着対象物を貼り合わせる接着方法であって、前記接着剤に接着剤成分と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とが含有された接着剤を用い、前記接着剤に光を照射して、前記接着剤を硬化させると共に、前記接着剤を発光させ、前記接着剤の紫外線が照射された照射部分と、紫外線が照射されなかった未照射部分を区別する接着方法である。
Figure 2007091798
(上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
請求項8記載の発明は、請求項6記載の接着方法であって、前記接着剤は前記接着剤成分と、前記ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、前記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とを混合して作成する接着方法である。
請求項9記載の発明は、請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の接着方法であって、前記接着対象物として透明基材を用い、前記接着剤を前記透明基材の表面に塗布して塗布層を形成し、前記塗布層に他の接着対象物を接触させた後、前記透明基材の裏面側から前記光を照射する接着方法である。
請求項10記載の発明は、請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の接着方法であって、前記接着対象物表面に前記接着剤を塗布して塗布層を形成し、前記塗布層に前記光を照射した後、前記塗布層に他の接着対象物を接触させる接着方法である。
本発明は上記のように構成されており、芳香族スルホニウム塩は紫外線等の光エネルギーによってポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と反応して発色する。
芳香族スルホニウム塩もポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂も、従来のフォトクロミック材料に比べて安価なだけでなく、その発色も濃いので、優れた発色剤及び接着剤を安価に製造することができる。
接着剤成分のカチオン重合性樹脂は、例えばエポキシ樹脂やビニルエーテル樹脂であって、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂や芳香族スルホニウム塩はこれらのカチオン重合性樹脂と相溶性が高い上、カチオン重合性樹脂がカチオン重合する時には、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂もその重合反応に組み込まれるので、硬化後の接着剤の強度は高く、発色助剤であるポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂が滲み出ない。
本発明によれば、安価で発色性の強い発色剤が得られる。本発明の接着剤は硬化後にブルーミングが起き難く、また硬化後の強度は高い。本発明の接着方法によれば、紫外線が照射されたか否かを容易に区別できるので、接着対象物を確実に接着剤で固定することができ、歩留まりが向上する
以下に本発明の接着剤と、その接着剤を用いた接着方法について詳細に説明する。図1(a)の符号30は接着対象物の一例である配線板を示しており、配線板30の表面には金属配線が引き回され、金属配線の一部でランド35が構成されている。
後述する本発明の接着剤は液状であって、基板31のランド35が形成された面に本発明の接着剤を塗布し、各ランド35を覆う塗布層20を形成する(図1(b))。
次に、配線板30の塗布層20が形成された側の面を光源に向け、光源から紫外線を放出して塗布層20に紫外線29を照射する。
本発明の接着剤は、接着成分と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、上記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とを含有しており、塗布層20に紫外線29が照射されると、芳香族スルホニウム塩はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と反応して発色する。
接着成分はカチオン重合性樹脂を有しており、芳香族スルホニウム塩は紫外線29の照射によってポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と反応するだけでなく、光分解され、接着剤中にカチオンを放出するので、カチオン重合性樹脂が重合し始める。
紫外線29を照射する時に紫外線の照射位置がずれたり、光源にトラブルが発生して塗布層20の一部又は全部に紫外線が照射されないと、紫外線が照射されなかった部分は発色もしないし、カチオン重合性樹脂の重合反応も開始しない。
図1(c)の符号22は塗布層20に紫外線が照射された照射部分を示しており、同図の符号21は塗布層20の紫外線が照射されなかった未照射部分を示している。
芳香族スルホニウム塩がポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と反応した時の発色は強いので、照射部分22は濃く着色されているが、未照射部分21は透明又は色が薄いので、容易に区別ができる。
未照射部分21の有無を目視又は不図示の観察手段で観察し、未照射部分21が確認された場合は、未照射部分21に再度紫外線を照射して発色させる。
図1(d)の符号40は他の接着対象物である半導体素子を示しており、塗布層20の少なくともランド35が形成された領域上の部分が全て発色したのを確認してから、各半導体素子40を、そのバンプ45がランド35と対向するように位置合わせして塗布層20上に載せる。
カチオン重合性樹脂の重合反応は、芳香族スルホニウム塩とポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂との発色反応に比べて進行が遅く、塗布層20が発色した時にはカチオン重合性樹脂は重合し終わっておらず、塗布層20は液状又はペースト状である。
従って、半導体素子40を塗布層20に載せた状態で押圧すると、半導体素子40のバンプ45が塗布層20を押し分け、バンプ45の先端が配線板30のランド35に当接する。
接着成分は粘着性を有しているので、配線板30と半導体素子40はバンプ45がランド35に当接した状態で塗布層20に密着した状態が維持される。
カチオン重合性樹脂の重合反応は紫外線照射を停止した後も連鎖的に進行するので、配線板30と半導体素子40が密着した状態で塗布層20が徐々に硬化する。
図1(e)の符号4は硬化した塗布層によって半導体素子40が配線板30に固定された電気装置を示している。上述したように、少なくともランド35が形成された領域では、全て接着剤に紫外線が照射されているので、各半導体素子40は確実に配線板30に固定されている。
尚、カチオン重合反応は加熱によってその反応速度が速くなるので、半導体素子40と配線板30を塗布層20に密着させてから、塗布層20を加熱すれば、塗布層20が短時間で硬化される。
配線板30に接続する電気部品は半導体素子40に限定されず、他の配線板や、抵抗素子の接続に本発明の接着剤を用いることができる。更に、本発明の接着剤には、接着剤の光透過性を損ねない範囲で導電性粒子を添加することもできる。
以上は、接着剤の塗布層20に紫外線を照射してから半導体素子のような接着対象物を塗布層に接触させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2の符号11と、15と、17はそれぞれ接着対象物であるベースフィルム11とワイヤ15とカバーフィルム17を示しており、ベースフィルム11と複数本のワイヤ15とカバーフィルム17とをそれぞれロール状に巻き回して第一〜第三のロール5a〜5cを形成する。
第一〜第三のロール5a〜5cからベースフィルム11とワイヤ15とカバーフィルム17とを引き出し、押圧ローラ2a、2bの間を通してから巻取軸3に固定する。
巻取軸3を回転させて、ベースフィルム11とワイヤ15とカバーフィルム17を巻取軸3に向かって走行させながら、押圧ローラ2a、2b間に送られる前のベースフィルム11に塗布手段6によって本発明の接着剤を塗布すると、押圧ローラ2a、2bには接着剤の塗布層20が形成されたベースフィルム11が送られる。
各ワイヤ15は互いに平行にされた状態で同一平面内を走行して押圧ローラ2a、2b間に送られ、各ワイヤ15の表面がベースフィルム11上の塗布層20に接触し、裏面がカバーフィルム17に接触する。
ワイヤ15とワイヤ15は互いに離間しており、ワイヤ15とワイヤ15の間には塗布層20が露出し、カバーフィルム17は露出する塗布層20と面する。その状態で、押圧ローラ2a、2bで押圧すると、ワイヤ15とワイヤ15の間に露出する塗布層20が押し出され、カバーフィルム17と密着する。従って、カバーフィルム17とベースフィルム11はワイヤ15を挟み込んだ状態で塗布層20と密着する。
ベースフィルム11は透明樹脂フィルムやガラス基板等の透明基材で構成されており、カバーフィルム17とベースフィルム11を塗布層20に密着させた後、押圧ローラ2a、2bの下流側に配置された光源7から紫外線を放出し、ベースフィルム11の塗布層20とは反対側の面に紫外線を照射すると、紫外線がベースフィルム11を透過して塗布層20に照射される。
図2の符号10は紫外線照射によって塗布層20が発色して硬化し、ベースフィルム11とカバーフィルム17がワイヤ15を挟み込んだ状態で固定されたフラットケーブルを示している。
上述したように、紫外線が照射されると塗布層20を構成する接着剤が発色し、重合反応が開始されるが、紫外線が照射されない部分は発色しない。例えば、光源7にトラブルがあって瞬間的に紫外線照射が停止した時には、紫外線照射が停止した時に光源7上を通過した部分が発色しない。
図3の符号Eは塗布層20が発色しなかった不良部分を示しており、不良部分Eの有無を目視又は観察手段8で観察し、不良部分Eが確認された場合には、不良部分Eに紫外線を照射し直すか、その部分を後で切断すれば、フラットケーブル10から不良部分Eが無くなるので、フラットケーブル10の歩留まりが向上する。
尚、芳香族スルホニウム塩と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂とが混合された接着剤は、自然光が照射されると徐々に発色してしまうため、貯蔵性が劣る。
接着剤の貯蔵性を高めるためには、例えば、芳香族スルホニウム塩を主成分とする発色主剤と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有する発色助剤を別々の容器に収容し、2液型(接着剤セット)とすることが好ましい。
接着成分に含まれるカチオン重合性樹脂は芳香族スルホニウム塩が供与するカチオンと反応するので、接着成分は発色主剤に含有させずに、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と一緒に発色助剤に含有させるか、重合剤として発色主剤や発色助剤と別の容器に収容することが好ましい。
接着剤の発色主剤と発色助剤と、後述する発色剤の発色主剤と発色助剤を収容する容器は特に限定されず、チューブ、瓶等種々の容器を用いることができる。
本発明の接着剤セットは、使用する直前に発色主剤と発色助剤、必要があれば他の成分(例えば重合剤)を混ぜ合わせ、一つの接着剤としてから塗布する。その塗布方法は特に限定されず、混ぜ合わせてから塗布手段で塗布しても良いし、各成分が均一に混合された塗布層が形成されるのであれば、別々の塗布手段で塗布してもよい。
本発明の接着剤を塗布する塗布手段も特に限定されず、バーコータ、ロールコータ、ディスペンサ等、一般に接着剤塗布に用いられているものを広く用いることができる。
本発明に用いる接着対象物は上述した電気部品や、ワイヤ15に限定されず、紙、ガラス、セラミック、金属板等種々の物を用いることができる。
次に、本発明の発色剤について説明する。
図4(a)の符号60は本発明の発色剤を用いた検出手段を示しており、検出手段60は容器61と、容器61の中に収容された本発明の発色剤65とを有している。
容器61の少なくとも一部分は透明にされており、検出手段60に紫外線が照射されると、紫外線は容器61の透明にされた部分を通って発色剤65に入射される。
本発明の発色剤は、芳香族スルホニウム塩と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有しているので、紫外線が発色剤65に照射されると、発色剤65が発色する。図4(b)の符号66は発色した発色剤を示しており、発色剤65、66の発色したか否かを観察することで、紫外線が検出手段60に照射されたかどうかを判断することができる。
検出手段60は紫外線の照射位置の確認や、紫外線が照射された形跡があるか否かの確認に用いることができる。例えば、紫外線を照射によって薬品や食品等の対象物を殺菌する時に、対象物の近傍に検出手段60を設置しておけば、対象物に紫外線が照射されたか否かを判断できる。
また、検出手段60を作業環境に置けば、作業環境に危険量の紫外線が照射されているか否かの判断もできる。
芳香族スルホニウム塩とポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂が混合された発色剤は、反応速度は遅いが自然光でも発光するので、芳香族スルホニウム塩を含有する発色主剤と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂に発色助剤とを別々の容器に収容しておき、使用の直前に発色主剤と発色助剤を混合して同じ容器61に収容することが好ましい。
本発明の発色剤の用途は、紫外線の検出手段60に限定されず、例えば表示装置等のカラーフィルターの原料、インクジェットのインクに用いることもできる。
<実施例1>
下記表1に示す配合で芳香族スルホニウム塩と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、接着成分を混合し、実施例1の接着剤を得た。
Figure 2007091798
<実施例2>
実施例1で用いた日本化薬社製の商品名「GAN」に変え、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「EP604」を3重量部添加した以外は実施例1と同じ条件で実施例2の接着剤を作成した。
<比較例1>
実施例1で用いた日本化薬社製の商品名「GAN」に変え、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「EP828」を3重量部添加した以外は実施例1と同じ条件で比較例1の接着剤を作成した。
尚、実施例2で用いた商品名「EP604」はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂であり、比較例1で用いた商品名「EP828」はビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
<UV照射後色、表面状態>
上記実施例1〜3の接着剤をそれぞれ厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム表面に塗布し、厚さ50μmの接着剤の塗布層を形成した後紫外線(光量70mJ、波長350nm)を塗布層に照射し、塗布層の色と表面状態を観察した。
<エージング試験>
紫外線照射後の塗布層にアルミニウム箔を密着させ、PETフィルムとアルミニウム箔を貼り合わせて試験片を作成した。この試験片を40℃の温度条件で、12時間放置してエージングを行い、エージング後の色と、塗布層表面のタック性(べとつき)を調べ、更にアルミニウム箔を塗布層から剥離する時の接着強度を測定した。
その結果を下記表2に記載する。
Figure 2007091798
実施例1、2の接着剤は紫外線照射によって発色したのに対し、比較例1の接着剤は発色せず透明なままであった。
また、比較例1の接着剤は紫外線照射後に塗布層表面が流動性を失い、フィルム状であったのに対し、本発明の接着剤は液状であったが、エージング後では完全に硬化してタック性も無かった。
また、実施例1、2はエージング後の色の変化が無く、本発明の接着剤は発色後の退色が少ないことがわかる。
次に、本発明の発色剤の実施例について説明する。
6種類のエポキシ樹脂と、2種類の芳香族スルホニウム塩を、組み合わせと配合比率を変えて混合して36種類の発色剤を作成した。各発色剤の配合と、紫外線照射との色を下記表3に記載し、芳香族スルホニウム塩の化学式を下記表4に記載し、エポキシ樹脂の化学式を下記表5に記載する。
Figure 2007091798
Figure 2007091798
Figure 2007091798
尚、上記発色剤を作成した直後の色はそれぞれ微黄色であった。
上記表3から明らかなように、ポリグシリジルアミン型エポキシ樹脂を用いた発色剤は紫外線照射によって発色したが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、脂環式エポキシ樹脂を用いた場合には、接着剤は紫外線照射されても発色せず、無色であった。更に、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂に変え、オキセタン樹脂と、上記各芳香族スルホニウム塩とを含有する発色剤を作成したが、この発色剤も紫外線照射後に色の変化が無く、発色が見られなかった。
また、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂の種類や、芳香族スルホニウム塩の種類が異なると、紫外線照射後の色が異なるので、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、芳香族スルホニウム塩の組み合わせを変えることで所望の色になる発色剤が得られる。
発色後の発色剤を40℃の温度条件で12時間放置(エージング)したが、発色は消失しなかった。また、芳香族スルホニウム塩の量が多い程発色が濃い傾向があるので、芳香族スルホニウム塩が発色団、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂が助色団であると思われる。
尚、上記表4に記載した芳香族スルホニウム塩のうち、「アデカオプトマーSP170」のように、化学構造中にアンチモンを有するものは発色反応が早いが、アンチモンに毒性があるので環境に悪影響を与える恐れがある。
また、アンチモンの代わりにリンを有するもの(商品名「アデカオプトマーSP150」)は発色反応が遅いが、毒性が無く、環境に悪影響を与えない。
本発明に用いるポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂は上記表5に記載したものに限定されず、例えば下記表6に記載したポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂は、上記表5に記載したものと同じ基本骨格を有するので、本発明の接着剤及び発色剤に使用できると予想される。
Figure 2007091798
例えば、三菱ガス化学(株)社製の商品名「TETRAD X」と、「TETRAD C」はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂の1種であり、「TETRAD X」と「TETRAD C」をそれぞれ芳香族スルホニウム塩と混合して紫外線を照射したところ、それぞれ黄色に発色した。
接着成分に含有されるカチオン重合性樹脂は特に限定されるものではないが、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、オキセタン樹脂等を用いることができる。また、カチオン重合性樹脂としては、エポキシ樹脂以外にもビニルエーテル樹脂等他の樹脂を用いることもできる。更に、接着成分にカチオン重合性樹脂以外の樹脂、例えば熱可塑性樹脂等を添加することもできる。
本発明の接着剤に用いる芳香族スルホニウム塩と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂は常温で液体であるので、接着成分に液状のものを用いれば、溶剤を添加しないでも液状の接着剤を作成することができる。
接着剤に溶剤を添加することも可能であるが、溶剤を添加すると紫外線照射とは別に溶剤を蒸発させる工程が必要となってしまうので、溶剤を添加しない方が好ましい。
本発明の接着剤や、発色剤には、透光性を損ねない範囲で、顔料、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を添加することもできる。接着剤や発色剤が二液型の場合は、これら添加剤は発色主剤と発色助剤のいずれか一方又は両方に添加することができる。
尚、本発明の接着剤や発色剤は紫外線領域以外の波長の光でも発色するが、紫外線のようにエネルギーの高い電子線を照射すれば、接着剤や発色剤を瞬間的に発色させることができる。本発明で紫外線とは、波長400nm未満の光のことである。
(a)〜(e):本発明の接着方法の一例を説明する断面図 本発明の接着方法の他の例を説明する断面図 接着剤の発色の有無を説明する平面図 (a):発色前の発色剤と、(b):発色後の発色剤を説明する平面図
符号の説明
20……塗布層 21……未照射部分 22……照射部分 29……紫外線 11、15、17、30、40……接着対象物 65……発色剤

Claims (10)

  1. ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩が含有された発色剤。
    Figure 2007091798
    (上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
  2. 発色主剤が収容された第一の容器と、発色助剤が収容された第二の容器とを有し、
    前記発色主剤は下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有し、
    前記発色助剤はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有する発色剤セット。
    Figure 2007091798
    (上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
  3. 接着剤成分と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とが含有された接着剤。
    Figure 2007091798
    (上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
  4. 前記接着剤成分はカチオン重合性樹脂を含有する請求項3記載の接着剤。
  5. 発色主剤が収容された第一の容器と、
    発色助剤と接着剤成分とが収容された第二の容器とを有し、
    前記発色主剤は下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩を含有し、
    前記発色助剤はポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂を含有する接着剤セット。
    Figure 2007091798
    (上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
  6. 前記接着剤成分はカチオン重合性樹脂を含有する請求項5記載の接着剤セット。
  7. 硬化した接着剤で接着対象物を貼り合わせる接着方法であって、
    前記接着剤に接着剤成分と、ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とが含有された接着剤を用い、
    前記接着剤に光を照射して、前記接着剤を硬化させると共に、前記接着剤を発光させ、前記接着剤の紫外線が照射された照射部分と、紫外線が照射されなかった未照射部分を区別する接着方法。
    Figure 2007091798
    (上記一般式(1)中のXはアンチモン又はリンであり、R1〜R3はそれぞれアルキルである。)
  8. 前記接着剤は前記接着剤成分と、前記ポリグリシジルアミン型エポキシ樹脂と、前記一般式(1)で表される芳香族スルホニウム塩とを混合して作成する請求項7記載の接着方法。
  9. 前記接着対象物として透明基材を用い、
    前記接着剤を前記透明基材の表面に塗布して塗布層を形成し、
    前記塗布層に他の接着対象物を接触させた後、
    前記透明基材の裏面側から前記光を照射する請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の接着方法。
  10. 前記接着対象物表面に前記接着剤を塗布して塗布層を形成し、前記塗布層に前記光を照射した後、
    前記塗布層に他の接着対象物を接触させる請求項7又は請求項8のいずれか1項記載の接着方法。
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