JP4911811B2 - 熱活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤に関し、とりわけ粘着性ポリマーを含む熱活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤の改良に関する。
本発明による熱活性接着剤は、熱活性され被着体に接着された後、架橋可能な接着剤である。
本発明の熱活性接着剤は、被着体どうしを固定するための接着材料、封止材、シール材等として有効に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
アクリル系ポリマー等の粘着性ポリマーを含有する接着剤組成物は、感圧性接着剤(または粘着剤)や、粘着フィルム(粘着剤または感圧性接着剤からなる接着層を有するフィルム)として利用できる。感圧性接着剤は、圧力を加えるだけで容易に、被着体どうしを接着することができる。
感圧性接着剤では、粘着性ポリマーの分子内にいろいろな官能基を導入して、接着性を改良することが試みられている。たとえば、粘着性ポリマー分子内にフェニル基を導入し、凝集力を低下させることなく、無極性被着体に対する接着力を向上させることが提案されている。この様な粘着性ポリマーを含有する感圧性接着剤としては、たとえば、特公平2−30353号公報に開示のものがある。この公報に開示の接着剤では、粘着性ポリマーが、分子内に、(i)炭素数4〜10のアルキル基を有するアクリルレートモノマーと、(ii)炭素数3以下のアルキル基を有するアクリルレートモノマー、または/及び酢酸ビニルモノマーと、(iii)不飽和カルボン酸モノマーと、(iv)フェノキシエチル(メタ)アクリレートモノマーとを含有する出発モノマー混合物を共重合させて得たアクリル系ポリマーであることを特徴としている。なお、この公報には、接着剤中に熱架橋成分を配合して、粘着性ポリマーを架橋することは開示されていない。
【0003】
また、通常の感圧性接着剤では、粘着性ポリマー自体のTg(ガラス転移点)が比較的低い等の理由から、耐熱性、特に熱間保持力を高めることは困難である。そこで、接着剤に熱架橋成分を添加し、粘着性ポリマーを架橋することも知られている。
しかしながら、これまで知られている感圧性接着剤では、80℃の様な比較的高温使用条件での、熱間保持力等の耐熱性の改良がいまだ不十分であった。たとえば、従来の粘着性ポリマーを熱架橋成分で架橋して形成した感圧性接着剤では、10mm×10mmの接着面積でもって被着体の略鉛直面に接着し、1.5Kgの荷重を鉛直方向にかけ続けた時、60時間(3,600分)以上、接着を保持する様なレベルの高い熱間保持力は得られなかった。
【0004】
一方、上記の様な感圧性接着剤を粘着フィルムとして利用する場合、粘着性があるので、打ち抜き加工等の加工性が悪く、また位置合わせが困難である。そこで、粘着フィルムの粘着性の制御について、多数の技術が提案されている。たとえば、粘着面に凹凸を形成し、見かけ上の粘着性を低下させ、加熱により平滑化して接着力を増大させる方法がある。その1例として、結晶性の成分を含む粘着層を有する粘着フィルムが、国際公開特許公報WO97/46633号に開示されている。この粘着フィルムの粘着層では、粘着性ポリマー中に、結晶性のアクリレート成分が連続相として導入される。この粘着フィルムの粘着面では、接着力を落とさずに完全に粘着性をなくすことが比較的難しいので、通常は、粘着フィルムの形状記憶性を生かし、2次形状としての凹凸を有する粘着面を、記憶形状(1次形状)である平滑粘着面へと変化させて使用する。すなわち、粘着面の被着体に対する接触面積が小さな2次形状で、加工性や位置合わせを行い、接着を完了する時に、記憶形状(1次形状)である平滑粘着面へと変化させる。これにより、加工性や位置合わせの容易性を高めている。
【0005】
しかしながら、この様な粘着フィルムでは、加工や位置合わせの段階(初期段階)から平滑な接着面を有する接着フィルムを形成することはできない。接着面が粘着性を有し、しかも凹凸構造を有する場合、加工や位置合わせの際に付着したゴミの除去が困難である。また、粘着性ポリマー自体のTg(ガラス転移点)が比較的低いので、耐熱性を高めることは、通常の粘着性ポリマーでは困難であった。
【0006】
一方、加熱により粘着性を発現または増大させる、いわゆる熱活性接着剤も知られている。熱活性接着剤は、感熱型接着剤とも呼ばれる。また、熱活性接着剤からなるフィルムは、ホットメルト接着フィルム、熱接着フィルム(Heat Bonding Film )などとも呼ばれる。また、熱活性接着剤の接着力を高めるために、粘着性ポリマーと熱可塑性樹脂とを組み合わせることも知られている。
【0007】
熱活性接着剤で用いられる熱可塑性樹脂は多岐にわたるが、たとえば、ポリエステルが使用できる。たとえば、特表昭56−501131号公報には、次の様な、改善された耐熱性を有する熱活性接着剤、すなわち(I)約100重量部の熱可塑性ポリマーと、(II)交差結合剤(架橋剤)と、(III)この交差結合剤と交差結合反応するのに利用できる複数個の官能基をもつ約1から100重量部の有機ポリマーとを含む、接着剤が開示されている。
上記熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステルやポリウレタン等が使用でき、上記有機ポリマーとしては、ポリアルコール類やポリアミン類が使用できる。また、上記交差結合剤には、ジイソシアネートやポリイソシアネートが使用できる。この様に架橋された熱活性接着剤は、耐熱性を効果的に高めることができる。
また、この様な熱活性接着剤は、通常、常温で粘着性を持たないので、加工性や位置合わせ容易性を高めることができる。しかしながら、上記公表公報に開示の接着剤は粘着性ポリマーを含有していないので、接着力を高めることは困難である。
【0008】
一方、特開平8−134428号公報には、熱可塑性結合剤と、粘着性ポリマーとを含有するホットメルト接着剤が開示されている。この公報には、熱可塑性結合剤としてポリエステルが、粘着性ポリマーとしてイソオクチルアクリレートーアクリル酸系共重合体が、それぞれ例示されている。この組成物では、粘着性ポリマーと、熱可塑性結合剤とは相分離していることが必要である。その理由は、ホットメルト接着剤を液状にして塗布する際の塗工性を高め、かつ、塗工後に比較的長い時間(冷えて、見かけ上固化した後も)、粘着性を保持させるためである。すなわち、この組成物は、加熱により接着面の粘着性が高められる接着フィルムとして利用するよりも、液化させて使用するタイプの接着剤として利用するのに適したものである。
【0009】
特開平6−256746号公報、特開平5−339556号公報等には、粘着性アクリル系ポリマーと、熱可塑性樹脂としてのフェノキシ樹脂、さらにエポキシ樹脂と、その架橋剤とを含有する組成物から形成された、熱活性接着フィルムが開示されている。上記粘着性アクリル系ポリマーは、カルボキシル基、水酸基、またはエポキシ基を分子内に有することが好適とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
通常、電気用途で用いられる接着フィルム(フィルム状の接着剤)は、打ち抜き加工後に位置合わせをし、電子部品等を接着するために使用されるので、粘着性(常温、約25℃での粘着性)は可及的に低い方が良く、実質的に粘着性がないものが特に好適である。また、電気用途の接着剤は、耐熱性(特に半田耐熱性)が要求される場合が多い。したがって、粘着性ポリマーが架橋されない熱活性接着剤は、この様な用途に最適ではない。
また、通常の粘着性ポリマーと、熱可塑性樹脂とを組み合せた接着剤(たとえば、前掲の特開平6−256746号公報等に開示のもの)では、接着フィルムの接着面が粘着性を持つことは避けられなかった。接着面が粘着性を持つ場合、前述の粘着フィルムがかかえる問題を解決することはできない。さらに、粘着性ポリマーの性能を効果的に引き出さなければ、接着力と耐熱性とを高めることは困難である。
【0011】
一方、前述の様に、感圧性接着剤を比較的高い温度環境で使用するためには、熱間保持力等の耐熱性を改良する必要があった。耐熱性を高めることが感圧性接着剤よりも一般に容易である熱活性接着剤は、前述の様な用途において有用である。しかしながら、感圧性接着剤は、加熱を必要とすることなく圧力を加えるだけで、容易かつ強力に接着することができるので、接着操作が非常に簡単である。すなわち、用途によって、感圧性接着剤としても利用でき、追加成分(ポリエステル等)を加えるだけで、熱活性接着剤として利用できる接着剤組成物は、広範囲の用途において利用できるので、非常に便利である。
【0012】
したがって、本発明の目的は、表面が実質的に粘着性を持たない(いわゆる、「タックフリー」)接着フィルムの形成が可能で、前述の粘着フィルムがかかえる問題を解決でき、かつ、高い接着力と耐熱性とを併せ持つ熱活性接着剤を提供することにある。換言すれば、本発明の目的は、電気用途等で用いられる接着フィルムの構成材料として、最適な熱活性接着剤を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の形態は、
(A)1または2以上のフェノキシアクリレート、(B)ヒドロキシル基を分子内に有するモノマー及び(C)不飽和酸を共重合させて得られるアクリル系粘着性ポリマーと、エポキシ樹脂とを含んでなる接着剤組成物、並びにポリカプロラクトンを含有し、前記エポキシ樹脂の含量が接着剤の総質量に対して1〜30質量%であり、前記カプロラクトンの含量が接着剤の総質量に対して5〜55質量%であり、前記粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、(A)成分および(B)成分に由来する単位の合計の割合(質量比)が40〜99.5重量%であり、(B)成分に由来する単位の割合が0.5モル%以上であり、(C)成分に由来する単位の割合(質量比)が、0.5〜15重量%である、熱活性接着剤を提供し、本発明の第2の形態は、
(A)1または2以上のフェノキシアクリレート、(B)ヒドロキシル基を分子内に有するモノマー及び(C)エポキシ基含有(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得られるアクリル系粘着性ポリマーと、カルボキシル基含有ロジンとを含んでなる接着剤組成物、並びにポリカプロラクトンを含有し、前記カルボキシル基含有ロジンの含量が接着剤の総質量に対して1〜30質量%であり、前記カプロラクトンの含量が接着剤の総質量に対して5〜55質量%であり、前記粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、(A)成分および(B)成分に由来する単位の合計の割合(質量比)が40〜99.5重量%であり、(B)成分に由来する単位の割合が0.5モル%以上であり、(C)成分に由来する単位の割合(質量比)が、0.5〜15重量%である、熱活性接着剤を提供する。
また、本発明の第3の形態は、上記の目的を達成するために、
(A)1または2以上のフェノキシアクリレート、(B)ヒドロキシル基を分子内に有するモノマー及び(C)不飽和性二重結合とベンゾフェノン基とを分子内に有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得られるアクリル系粘着性ポリマーを含んでなり、光架橋性を有する接着剤組成物、並びに接着剤の総質量に対して5〜55質量%のポリカプロラクトンを含有する、光架橋性熱活性接着剤を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
(接着剤組成物)
本発明で使用する接着剤組成物は、感圧性接着剤として利用できる接着剤組成物であり、熱可塑性樹脂としてのポリエステル、特にポリカプロラクトンを加えて、熱活性接着剤として利用できる。
本発明で用いる接着剤組成物は、分子内に(I)ヒドロキシ基と、(II)フェニル基とを基本必須官能基として有する粘着性ポリマーを含有する。この粘着性ポリマーは、熱架橋成分または/及び光架橋反応によって架橋される。したがって、この接着剤組成物を感圧性接着剤成分として利用すれば、上記基本必須官能基の効果と、上記架橋による効果との相乗効果により、熱間保持力等の耐熱性を効果的に高めることができる。
本発明で用いる接着剤組成物は、詳細は後述する様に、所定量のポリエステル、特にポリカプロラクトンを添加することにより、熱活性接着剤として有用に使用できる。したがって、接着剤組成物全体に占める上記粘着性ポリマーの含有割合や、その他の追加成分の含有割合は、接着剤の用途によって適宜決定できる。
【0016】
(熱活性接着剤)
本発明の熱活性接着剤は、架橋可能な粘着性ポリマーおよびポリカプロラクトンを必須成分として含む、接着剤である。
まず、本発明の1形態では、上記粘着性ポリマーが、分子内に、(a)ヒドロキシ基と、(b)フェニル基と、(c)カルボキシル基とを有するポリマーでああり、かつ接着剤組成物が熱架橋成分としてエポキシ樹脂を含有することを特徴とする。
また、本発明の別の形態では、上記粘着性ポリマーが、分子内に、(a)ヒドロキシ基と、(b)フェニル基と、(c)エポキシ基とを有するポリマーであり、かつ接着剤組成物が熱架橋成分としてカルボキシル基含有ロジンを含有することを特徴とする。
【0017】
分子内にヒドロキシ基とフェニル基とを有する粘着性ポリマーは、ポリカプロラクトンとの相溶性が高く、接着剤の常温での粘着性を実質的に無くすことができる。一方、加熱によりポリカプロラクトンが溶融(または軟化)した時には、上記粘着性ポリマーが高い粘着性を示すので、加熱圧着操作により高接着力で被着体どうしを接着することができる。また、分子内に熱架橋成分と反応することができる架橋官能基(c)を含んでいるので、被着体に加熱圧着した後、粘着性ポリマーを熱架橋させることができる。したがって、耐熱性を高めることができる。
すなわち、(1)粘着性ポリマーを熱可塑性樹脂(ポリカプロラクトン)と十分に相溶させ、かつ、(2)圧着後に熱架橋させることにより、粘着性ポリマーの性能を効果的に引き出すことができる。したがって、耐熱性を高めることが容易で、しかも、タックフリー(非活性時)で、かつ高接着力を有する接着フィルムの形成が可能になる。
【0018】
本発明の熱活性接着剤は、好適には架橋剤を含有する。これにより、電気用途の接着剤として要求される耐熱性、特に半田耐熱性を効果的に高めることができる。
【0019】
本発明の熱活性接着剤は、加熱により液化させて使用するタイプの接着剤として利用することも可能であるが、加熱により接着面の粘着性が高められる接着フィルムとして利用するのが好適である。すなわち、本発明の1つの形態は、上記熱活性接着剤からなり、所定の厚さを有する接着フィルムを提供する。この様な接着フィルムでは、室温での粘着性を実質的に無くすことができ、通常の感圧性接着剤に比べて高い耐熱性を有する。一方、加熱した時には高い粘着性を示すので、加熱圧着操作により高接着力で被着体どうしを接着することができる。
本発明による接着フィルムを2つの被着体の間に挟み、熱圧着させることにより、2つの被着体が互いに固定される。接着フィルムを用いて被着体どうしを圧着した後、加熱により接着フィルムを架橋させ、接着を完了させることができる。接着フィルムの熱架橋は、接着フィルムの耐熱性を効果的に高めることができる。
【0020】
(光架橋性熱活性接着剤)
一方、前記粘着性ポリマーが、追加の官能基として、ラジカル光開始剤として機能する開始剤官能基(d)をさらに含んでなる場合、本発明の接着剤は、熱架橋性かつ光架橋性の熱活性接着剤として使用できる。
光架橋性の熱活性接着剤に紫外線を照射すると、ポリマー分子に組み込まれた開始剤官能基がラジカルを発生させる。そのラジカルが、ポリマー分子内の水素の引き抜き等のラジカル開始反応を引き起こす。この開始反応を起点として、ラジカル的に分子間架橋反応(光架橋反応)が進行する。水素引き抜き反応において引き抜かれる水素は、たとえば、ヒドロキシ基、フェニル基、架橋官能基(たとえばカルボキシル基)等の官能基のα(アルファ)位の水素などである。また、官能基(d)(開始剤官能基)として好適には、ベンゾフェノン等の、芳香族カルボニルを含む光活性基であって、活性化されてラジカルを生成するラジカル生成基である。
【0021】
この様な、開始剤官能基を有する粘着性ポリマーを含む熱活性接着剤は、接着フィルムとして好適に利用できる。たとえば、熱活性接着剤を所定の厚さを有するフィルム状に成形した後、光架橋させて接着フィルムとして利用する。すなわち、成形されたフィルムに、紫外線、またはその他の放射線を照射し、粘着性ポリマーどうしを架橋させ、接着フィルムを完成させる。この時、熱架橋成分の反応が実質的に生じない様に、光のエネルギー(強度や照射時間など)を制御するのが好適である。
この様にして形成された接着フィルムを、2つの被着体の間に挟み、熱圧着させる。この圧着操作により、2つの被着体が互いに固定される。粘着性ポリマーの光架橋は、接着剤の凝集力を効果的に高め、加熱圧着時の接着剤のはみ出し(ウージング)を減少させることができる。一方、接着フィルムを用いて被着体どうしを圧着した後、加熱により接着フィルムを架橋させ、接着を完了させることができる。接着フィルムの熱架橋は、接着フィルムの耐熱性を効果的に高めることができる。
【0022】
また、開始剤官能基を有する粘着性ポリマーは、以下に示すように、さらに有利な効果を生む。
すなわち、光を部分的に照射すれば、部分的に架橋させることができるので、本発明の接着剤からなる層の上へのパターニング(架橋部分と、溶剤などで除去しやすい未架橋部分との形成)が可能である。また、光架橋に必要な光開始剤が、ポリマー分子中に結合しているので架橋の効率が良く、アウトガス成分(ガス発生成分)として、接着剤や接着フィルム中に残りにくい。
【0023】
一方、耐熱性等の性能が光架橋で十分に高められる場合、粘着性ポリマーは架橋性官能基(c)を含む必要は無く、かつ接着剤は熱架橋成分を含む必要はない。したがって、本発明は、別の好適な形態として、次の様な光架橋性熱活性接着剤を提供する。すなわち、粘着性ポリマーと、ポリカプロラクトンとを含んでなる熱活性接着剤において、
前記粘着性ポリマーが、分子内に
(I)ヒドロキシ基と、
(II)フェニル基と、
(III)ラジカル光開始剤として機能する開始剤官能基であるベンゾフェノン基
とを有するポリマーを含んでなることを特徴とする、光架橋性の熱活性接着剤である。
【0024】
この様な光架橋性熱活性接着剤も、熱架橋成分を含むものと同様の効果を有する。すなわち、(1)粘着性ポリマーを熱可塑性樹脂(ポリカプロラクトン)と十分に相溶させ、かつ、(2)圧着後に光架橋させることにより、粘着性ポリマーの性能を効果的に引き出することができる。したがって、耐熱性を高めることが容易で、しかも、タックフリー(非活性時)で、かつ高接着力を有する接着フィルムの形成を可能にする。
【0025】
この様な光架橋性接着剤からなる接着フィルムも、上記の熱架橋が可能なものと同様にして使用できる。すなわち、光架橋性接着フィルムを2つの被着体の間に挟み、熱圧着させ、2つの被着体を互いに固定する。熱圧着後、接着フィルムを用いて被着体どうしを圧着した後、光照射により接着フィルムを架橋させ、接着を完了させることができる。接着フィルムの光架橋も、接着フィルムの耐熱性を効果的に高めることができる。
また、光を照射しなければ、実質的に光架橋反応が起こらないため、接着剤の溶液や接着フィルムのライフを長くすることができる。また、光を部分的に照射し、接着剤からなる層の上へのパターニングが可能である。さらに、光開始剤が、ポリマー分子中に結合しているので架橋の効率が良く、アウトガス成分として、接着剤や接着フィルム中に残りにくい。
【0026】
(架橋官能基)
粘着性ポリマーの架橋官能基(c)は、ヒロドキシ基(a)とは異なる官能基であって、熱架橋成分と反応可能なものであれば良い。好適には、架橋官能基が、カルボキシル基またはエポキシ基の少なくともいずれか一方を含むのが良い。また、両方を同時に含んでいても良い。後者の場合、熱架橋成分が、カルボキシル基とエポキシ基とのいずれか一方と反応する様にするのが好ましい。
この様な場合、好適な熱架橋成分としては、粘着性ポリマーの架橋官能基である、カルボキシル基または/およびエポキシ基と反応可能な、2以上の架橋用官能基を分子内に有する化合物であれば特に限定されない。この様な化合物は、通常モノマー又はオリゴマーである。
粘着性ポリマーの架橋官能基と、熱架橋成分との好適な組合せとして、次のものを挙げることができる。
A.架橋官能基がカルボキシル基の場合、熱架橋成分としては、エポキシ樹脂が好適である。
B.架橋官能基がエポキシ基の場合、熱架橋成分としては、分子内にカルボキシル基を有するロジン(カルボキシルロジン)が好適である。
【0027】
架橋官能基がカルボキシル基およびエポキシ基のいずれの場合も、粘着性ポリマーのヒドロキシ基とフェニル基の持つ、ポリエステルとの相溶化作用を妨げることなく、熱架橋を可能にすることができる。一方、カルボキシル基−エポキシ樹脂、エポキシ基−カルボキシルロジンとの反応では、副生成物が発生することなく、かつ接着剤の耐熱性を高めるのに十分な程度(架橋密度)まで、熱架橋を行うことが特に容易である。副生成物が発生すると、被着体の破損や、接着力の低下を招くことがあるので、その発生を避ける様にするのが良い。
なお、上記Aの場合、カルボキシルロジンを併用することができ、また、上記Bの場合、エポキシ樹脂を併用することができる。
【0028】
(ポリカプロラクトン)
本発明では、常温(約25℃)で実質的に非粘着性であり、かつ加熱により溶融可能な結晶性を有するポリエステルとして、ポリカプロラクトンを用いる。ポリカプロラクトンとは、(i)カプロラクトンを含有する出発物質を重合して得られるポリエステル、または、(ii)カプロラクトンの開環重合により得られた重合単位(ユニット)を、分子内に含むポリエステルである。
上記粘着性ポリマーとポリカプロラクトンとを含む組成物では、ポリカプロラクトンの結晶化により、常温ではほとんど粘着性がないが、加熱によりポリカプロラクトンが溶融し、強い接着力を発現することができる。この様な効果は、上記の分子内にヒドロキシ基とフェニル基とを同時に有する粘着性ポリマーが、アクリル系ポリマーである場合に特に高められる。この様なアクリル系ポリマーと、ポリカプロラクトンとの相溶性が特異的に優れているからである。
【0029】
上記ポリカプロラクトンの分子量は、所定の接着力が発揮され、かつ組成物の常温での粘着性を実質的に無くせる範囲であれば良く、重量平均分子量が、通常500〜200,000、通常1,000〜100,000の範囲である。分子量が小さすぎると、接着力が低下するおそれがあり、反対に大きすぎると、粘着性ポリマーとの相溶性が低下し、組成物の常温での粘着性を無くすのが困難になるおそれがある。
接着剤全体(総質量)に占める、上記ポリカプロラクトンの含有割合は、通常5〜55質量%(Wt%)、好適には10〜50質量%である。ポリカプロラクトンが少なすぎると、接着剤の常温での粘着性を実質的に無くすことができず、反対に多すぎると、圧着直後から高い接着力を発揮することができないおそれがある。
【0030】
(粘着性ポリマー)
本発明で用いる粘着性ポリマーは、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマーであり、分子内にヒドロキシ基とフェニル基とを必須の官能基として有するポリマーを含んでなるものであれば特に限定されない。
また、熱架橋性を付与するためには、前述の架橋官能基(前記熱架橋成分と反応する官能基)を追加の官能基として有する。一方、光架橋性を付与するためには、前述の開始剤官能基(ラジカル光開始剤として機能する官能基)を追加の必須官能基として有する。
【0031】
粘着性ポリマーは、たとえば、アクリル系ポリマー、ニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR等)、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR等)、ポリウレタン、シリコーン系ポリマー等である。粘着性ポリマーは、これらのポリマー1種単独、または2種以上の混合物から構成される。
分子内に上記の必須官能基を含むポリマーは、出発モノマーとして、分子内にヒドロキシ基を有するモノマーと、分子内にフェニル基を有するモノマーと、分子内に追加必須官能基を有するモノマーとを含む原料を用いて重合して得ることができる。あるいは、重合後、分子内の別の官能基(たとえば、カルボキシル基)を反応させて、ヒドロキシ基およびフェニル基に変換しても良い。
【0032】
ここで、本発明で用いることができるアクリル系ポリマーの好適な1例について説明する。出発モノマーとして、(A)1または2以上のフェノキシアルキルアクリレートと、(B)ヒドロキシ基を分子内に有するモノマー、(C)追加必須官能基を分子内に有するモノマーと、必要に応じて(D)(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを含有する原料を、通常の方法、たとえば、溶液重合等により共重合させて調製することができる。
【0033】
上記(A)成分としては、たとえば、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリレート等が使用できる。
上記(B)成分としては、たとえば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシメチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等を挙げることができる。(B)成分としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の、分子内にヒドロキシ基とフェニル基との両方を含むモノマーが好適である。これにより、粘着性ポリマーのポリエステルに対する相溶性を特に効果的に高めることができ、また、熱間保持力を特に効果的に高めることができる。
上記(D)成分としては、たとえば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。
上記(D)成分は、接着剤の用途に応じて、最適なものを選ぶことができる。たとえば、本発明の接着剤組成物を感圧性接着剤として用いる場合、上記(D)成分として、炭素数4〜10のアルキル基を持つアルキルアクリレートの1種または2種以上からなるのが良い。なお、上記(D)成分は、分子内に前記(a)〜(c)の官能基を持たない。
【0034】
上記(C)成分としては、たとえば次のようなものが使用できる。
<1>熱架橋成分と反応する官能基を分子内に導入する場合、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー、
<2>開始剤官能基を分子内に導入する場合、アクリロイルベンゾフェノン等の、不飽和性二重結合と、前記開始剤官能基とを分子内に有する(メタ)アクリルモノマー。
上記(C)成分として、<1>および<2>の両方を含むこともできる。
【0035】
粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、必須基本官能基を含む単位(すなわち、(A)成分および(B)成分に由来する単位の合計)の割合(質量比)は、通常40〜99.5質量%、好適には50〜95質量%、特に好適には60〜90質量%である。
上記基本官能基を含む単位が少なすぎると、ポリエステルとの相溶性が低下するおそれがあり、また、熱間保持力が低下するおそれがある。一方、反対に多すぎて、他の官能基を有する成分が少なすぎると、架橋性が低下し、耐熱性等が効果的に高められないおそれがある。
【0036】
ポリマー全体の重合単位に占める、(B)成分に由来する単位の割合は、0.5モル%以上、好適には1モル%以上、特に好適には5〜25モル%である。
(B)成分に由来する単位が少なすぎると、ポリエステルとの相溶性が低下するおそれがあり、また、熱間保持力が低下するおそれがある。一方、(B)成分に由来する単位が多すぎると、圧着直後から十分に高い接着力(たとえば、0.5kg/cm以上)を発現させるのに不利になるおそれがある。
【0037】
粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、上記の追加必須官能基を含む単位(すなわち、(C)成分に由来する単位の合計)の割合(質量比)は、通常0.5〜15質量%、好適には0.7〜10質量%、特に好適には1〜7質量%である。
上記追加官能基を含む単位が多すぎて、上記基本官能基を有する成分が少なすぎると、ポリエステルとの相溶性が低下するおそれがあり、また、熱間保持力が低下するおそれがある。一方、反対に追加必須官能基を含む単位がが少なすぎると、架橋性が低下し、耐熱性等が効果的に高められないおそれがある。
【0038】
本発明で使用される粘着性ポリマーは、本発明の効果を損なわない限り、上記基本および追加の必須官能基(ヒドロキシ基、フェニル基、及び粘着性ポリマーに架橋性を付与する官能基)を含むポリマーに加えて、これらの官能基を持たないポリマーも含むことができる。この場合、粘着性ポリマー全体(総質量)に占める、これらの必須官能基を含むポリマーの割合は、通常50質量%以上、好適には60質量%以上、特に好適には70質量%以上である。
【0039】
粘着性ポリマーの分子量は、所定の接着力が発揮される範囲であれば良く、通常は重量平均分子量で10,000〜1,000,000の範囲である。また、従来の感圧性接着剤と同様に、粘着性ポリマーとともに粘着付与剤を使用することもできる。
なお、本発明の接着剤組成物を熱活性接着剤として用いる場合、粘着性ポリマーの接着剤全体(総質量)に占める割合は、通常30〜95質量%、好適には45〜80質量%である。
【0040】
(熱架橋成分)
前述の様に、粘着性ポリマーが分子内にカルボキシル基を有する場合、熱架橋成分としては、エポキシ樹脂が好適である。エポキシ樹脂は、粘着性ポリマーのカルボキシル基と反応し、粘着性ポリマーを熱架橋する様に作用する。エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が使用できる。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常100〜400、好適には120〜300である。
また、本発明の接着剤組成物を感圧性接着剤として用いる場合、熱架橋成分として、ビスアミド系架橋剤を好適に使用することができる。ビスアミド系架橋剤は、感圧性接着剤の熱間保持力を効果的に高めることができる。ビスアミド系架橋剤としては、たとえば、イソフタロイルビス(2−メチルアジリジン)等の二塩基酸のビスアジリジン誘導体が利用できる。
【0041】
一方、粘着性ポリマーが分子内にエポキシ基を有する場合、熱架橋成分としては、カルボキシルロジンが好適である。カルボキシルロジンは、分子内にカルボキシル基を有し、粘着性ポリマーと反応して、粘着性ポリマーを熱架橋する様に作用する。カルボキシルロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、またはそれらを化学変性したもの(たとえば、重合ロジン)が使用できる。 カルボキシルロジンの酸価は、好適には100〜300、特に好適には150〜250である。酸価が低すぎると、粘着性ポリマーとの反応性が低下し、接着剤の架橋性が低下するおそれがあり、反対に高すぎると、加熱成形時に粘性が上昇し、取り扱いが困難になるおそれがある。なお、ここで「酸価」とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表された値である。 また、ロジンの軟化点は、好適には50〜200℃、特に好適には70〜150℃である。軟化点が低すぎると、貯蔵中に粘着性ポリマーとの反応が生じ、貯蔵安定性が低下するおそれがあり、反対に高すぎると、粘着性ポリマーに対する反応性が低下し、接着剤の架橋性が低下するおそれがある。なお、ここで「軟化点」とは、JIS K 6730にしたがって測定した値である。 なお、カルボキシルロジンは、1種単独でまたは2種以上の混合物として使用することができ、また、本発明の効果を損なわない限り、カルボキシル基を実質的に持たないロジンを併用することもできる。
【0042】
本発明の接着剤組成物を熱活性接着剤として用いる場合、上記の様な熱架橋成分の接着剤全体(総質量)に占める割合は、通常1〜30質量%、好適には2〜25質量%である。
また、本発明の接着剤組成物を感圧性接着剤として利用する場合、熱架橋成分の接着剤全体に占める割合は、通常の感圧性接着剤の場合と同様の範囲に決定すれば良く、通常0.01〜3質量%の範囲であれば良い。
【0043】
また、本発明の接着剤には、エポキシ樹脂等の熱架橋成分の反応促進剤を添加することもできる。これにより、熱架橋条件をマイルドにすることもできる。
熱架橋成分は、上記のものに限定されず、架橋官能基の種類や、架橋条件にしたがって選択できる。たとえば、イソシアネート化合物、アミン化合物、ジシアンジアミド系架橋剤なども好適に使用できる。また、耐熱性をいっそう効果的に高めるためには、2種以上の熱架橋剤を組合せるのが好適である。たとえば、エポキシ樹脂と、カルボキシルロジン、イソシアネート化合物、アミン化合物、およびジシアンジアミド系架橋剤からなる群から選ばれた1または2種以上とを併用するのが好適である。
【0044】
(接着剤の製造方法)
本発明の熱活性接着剤は、通常の混合操作により、各原料を均一に混合して調製できる。たとえば、粘着性ポリマー、ポリエステル、溶剤、必要に応じて加えられる架橋剤等の添加剤を、ホモミキサ−、プラネタリーミキサー等の混合装置で混合し、各材料を均一に溶解または分散させ、液体の組成物を調製することができる。
この液体の組成物は、通常、前記粘着性ポリマーを溶解して含む第1溶液と、前記ポリエステルを溶解して含む第2溶液とを混合し、前記粘着性ポリマーと前記ポリエステルとを均一に溶解して含む前駆体溶液として調製でき、この前駆体溶液を乾燥し、その前駆体溶液の乾燥物からなる熱活性接着剤を形成することができる。この様にすれば、結晶性のポリエステルと、ヒドロキシ基とフェニル基とを有する粘着性ポリマーとの特異なモルフォロジー(相互連結構造)を形成でき、前述の性能(常温での非粘着性および高接着力)を、特に効果的に発揮させることができる。なお、熱架橋成分を添加する場合、通常、熱架橋成分を含む第3溶液を上記前駆体溶液に添加する。
【0045】
上記の様にして調製された前駆体溶液を、基材上に塗布、乾燥し、接着剤からなる接着フィルムを形成することができる。塗布手段には、ナイフコーター、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター等の公知の手段が使用できる。
上記基材としては、ライナー等の剥離性を有するもの、接着すべき被着体、接着シートの支持体等が使用できる。接着フィルムを形成する際の乾燥は、通常60〜180℃の温度にて行われる。乾燥時間は、通常、数十秒から数分である。
接着フィルムの厚みは、5〜1,000μm、好適には10〜500μm、特に好適には15〜100μmである。
上述のように、本発明による接着フィルムは、たとえば得られた接着剤を含有する溶液をライナー上に塗布、乾燥して形成することができる。さらに、光架橋性接着剤を用いた場合、接着フィルムを紫外線等の放射線を照射して架橋させ、接着剤の凝集力を高め、熱圧着時の接着剤のはみ出しを減少させるのが良い。
【0046】
(接着フィルムの使用方法)
本発明による接着フィルムは、前述の様にしていろいろな方法で使用できるが、光架橋性接着フィルムの場合、以下のようにして使用するのが好適である。
光架橋させた接着フィルムを、保存したり、ユーザーの元へ運搬する。ユーザーが使用する時、エポキシ樹脂等の熱架橋成分を含む場合、加熱圧着後、熱架橋させることができる。
光架橋しない接着フィルムをそのまま保存したり、ユーザーの元へ運搬する。ユーザーが使用する時、接着フィルムを2つの被着体の間に挟み熱圧着した後、光照射して架橋させる。エポキシ樹脂等の熱架橋成分を含む場合、加熱圧着後、熱架橋させることもできる。
【0047】
また、接着フィルムは、それを適当な被着体に接着して使用する場合、たとえば、被着体に積層した後、たとえば80〜180℃、30秒〜5分間の加熱条件、1〜50kg/cm2(約0.09〜4.9MPa)の範囲の加圧条件で、圧着操作を用いて接着を完了させることができる。また、圧着後、必要に応じて、加熱または光照射により接着フィルムを架橋させる。
【0048】
一方、本発明の接着フィルムは、接着シートの接着層として使用することもできる。すなわち、本発明は、支持体と、その支持体の一方の主要面上に固着された熱活性接着剤からなる接着層とを有する、接着シートを提供する。
上記支持体は、特に限定されないが、通常は、従来の接着シートのベースフィルムとして使用されているものであって、可撓性を有するものが使用される。たとえば、紙、金属フィルム、プラスチックフィルム等が使用できる。プラスチックとしては、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、アクリル系ポリマー、フッ素系ポリマー、ポリエステル(PET等)、ポリウレタン等の合成ポリマーが使用できる。支持体の厚みは、通常5〜500μm、好適には10〜300でμmである。
支持体は、可視光や紫外線を透過するものであっても良い。また、着色されたものや、印刷等により装飾が施されたものであっても良い。その場合、本発明の接着剤からなる接着層に含む接着シートは、装飾シートやマーキングフィルムとして有用である。
【0049】
上記の様な接着シートは、シート全体を加熱し、接着層を熱活性(粘着性の発現または増大)させ、被着体の所定位置に配置して被着体に圧着することができる。圧着後、接着シート(接着層)が冷える様に放置冷却し、溶融したポリエステルを固化(結晶化)させ、接着操作を完了させることができる。
接着層の接着面は、通常ライナーで保護しておく。ライナーは、通常、紙、プラスチックフィルム、またはこれら両者を積層したフィルムから形成される。
【0050】
本発明の接着剤に、本発明の効果を損なわない限り、従来公知の添加剤を加えることができる。たとえば、粘度調製剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、防黴剤、ガラスビーズ等の無機粒子、粘着性ポリマーまたは非粘着性のゴム系ポリマーからなる弾性微小球、熱架橋反応を促進するための触媒等である。
【0051】
【実施例】
熱架橋性の熱活性接着剤の実施例
実施例1〜5
各例の接着剤組成は、下記表1に示すとおりであった。
まず、粘着性ポリマーを含む溶液(溶媒は、酢酸エチル=85質量%/メチルエチルケトン=15質量%の混合溶媒;不揮発分濃度=30質量%)と、ポリカプロラクトンを含むトルエン溶液(不揮発分濃度=20質量%)と、熱架橋成分を混合し、各例の接着剤溶液を形成した。この溶液を、剥離フィルム(PETフィルム)上に塗布、80℃オーブン中で20分間乾燥し、剥離フィルムの上に、40μmの厚さの熱活性接着剤からなる接着フィルムを形成した。
すべての実施例の接着フィルムでは、25℃では粘着性(フィンガータックテストによる)を持たないことが確認された。
【0052】
【表1】
【0053】
なお、表1中にPSA−1、PSA−2及びPSA−3の記号で示される、各例の粘着性ポリマーは、分子内にフェノキシ基を有するモノマー(記号PEA;フェノキシエチルアクリレート:大阪有機化学工業株式会社製「ビスコート(商標)#192」)と、分子内にフェノキシ基とヒドロキシ基とを有するモノマー(記号HPPA;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:東亜合成化学工業株式会社製「アロニクス(商標)M−5700」)を必須基本成分として含有し、以下に示す追加成分を含んでなる出発モノマーを、上記混合溶媒中にて溶液重合して調製した共重合体であった。また、各粘着性ポリマーの組成は以下のとおりであった。
・粘着性ポリマーの組成
PSA−1:PEA/HPPA/BA/AA(55:15:25:5質量比)
PSA−2:PEA/HPPA/BA/GMA(63:15:19:3質量比)
PSA−3:PEA/HPPA/BA/GMA(55:15:25:5質量比)
・追加成分:
BA: n-ブチルアクリレート(東亜合成化学工業株式会社製)
AA: アクリル酸(和光純薬工業株式会社製)
GMA: グリシジルメタクリレート(三菱化学工業株式会社製、「アクリエステル(商標)G」)
【0054】
また、ポリカプロラクトン、熱架橋成分および触媒の詳細は、以下のとおりであった。
・ポリカプロラクトン(記号PCL):
プラクセル(商標)H7(ダイセル化学株式会社製)、分子量=70,000〜100,000)
・熱架橋成分:
−エポキシ樹脂(記号DER332)
Dow Chemical社製(品番)DER332、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ当量=172〜176
−カルボキシルロジン(記号KE−604):
荒川化学工業株式会社製(品番)KE−604、酸価=238
−イソシアネート系架橋剤(記号L45:日本ポリウレタン株式会社製、コロネート(商標)L45
−イソシアネートの反応触媒(記号DBT):
ジラウリン酸ジブチルすず(4.5質量%のトルエン溶液として添加。)
【0055】
この様にして得られた各例の接着フィルムについて、接着力(剥離強度)および半田耐熱性を以下の様にして評価した。評価結果を表1に示す。
<接着力>
各例の接着フィルムを25μmポリイミドフィルムに、80℃、約0.2MPaでニップしてラミネートし、10mm×50mmの試験片を作成した。各例の試験片を、ガラスエポキシ板(表1の記号GE)、及びステンレス板(表1の記号SUS-304)に、100℃、20kg/cm2で(約2MPa)、1分間圧着した時の接着力(初期接着力)を測定した。測定条件は、50mm/分の剥離速度、180°の剥離方向であった。また、各例同様にして圧着した後、150℃、1時間加熱して架橋させた時の接着力(架橋接着力)も同様にして測定した。
いずれの例でも、初期接着力、架橋接着力ともに500g/cm以上の高接着力を示した。
【0056】
<半田耐熱性>
接着力の評価の時と同様にして、試験片を作成し、ガラスエポキシ(GE)板及びステンレス(SUS−304)板に圧着した。ただし、試験片寸法は、20mm×25mmであった。
板付き試験片を100℃、1時間加熱して熱架橋させた後、260℃の半田浴の上に1分間置き、接着フィルムからの発泡の有無を観察し、半田耐熱性を評価した。まったく発泡が見られなかった場合を「合格」とし、発泡が観察された場合には「NG」とした。各例ともに、熱架橋させることにより、高い半田耐熱性を示すことが分かった。
【0057】
比較例1
粘着性ポリマーとして、PEA:HPPA=90:10[モル比]の組成の共重合体を用い、粘着性ポリマー70重量部(不揮発分)と、ポリカプロラクトン30重量部(不揮発分)とを混合して接着剤を調製した以外は、実施例1と同様にして本例の接着フィルムを作製した。
実施例1と同様にして半田耐熱性を評価したところ、対SUS、対GEともにNGであった。これは、粘着性ポリマーが架橋していなかったためである。
【0058】
光架橋性の熱活性接着剤の実施例
実施例6及び7
粘着性ポリマーの種類と、接着剤組成(配合)を変えた以外は、実施例1と同様にして各例の接着フィルムを作製した。各例の接着剤組成は、表2に示すとおりであった。
【表2】
【0059】
なお、粘着性ポリマー(Polymer1〜5)は、表3に示すモノマー組成を用い、アクリル共重合体からなる粘着性ポリマーを、通常の溶液重合法で調製した。
重合方法の詳細は次のとおりであった。
モノマー混合物150質量部、酢酸エチル297.5質量部、MEK52.5質量部を攪拌機、還流冷却管、温度計及び窒素ガス吹き込み口が取り付けられた反応容器に投入し、重合開始剤の2,2'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.75質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下45℃で5時間重合反応を行い、不揮発分30質量%のアクリル共重合体溶液を調製した。なお、表3中の記号ABPおよびIOAは、それぞれ「アクリロイルベンゾフェノン」および「イソオクチルアクリレート」であり、他の記号の意味は上記と同じである。
【0060】
【表3】
【0061】
上記の様にして調製したアクリル系ポリマー溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして接着フィルムを作製した。
各例の接着フィルムを、次の様にして光架橋した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製した。接着剤フィルムを、25μm厚のPETフィルムと2.5mm厚のポリエーテルイミド板の間に、実施例1と同様にして加熱ラミネートし、得られた積層体に、PETフィルム側から、80W/cmの高圧水銀灯を用いて、照射積算量2,000mj/cm2の紫外線を照射し、各例の試験片を作製した。
各例の接着フィルムとも、25℃では粘着性(フィンガータックテストによる)を持たないことが確認された。
【0062】
耐熱性は、試験片を100℃のオーブンに1時間放置した後、接着フィルムからの発泡の有無を観察して評価した。比較として、紫外線を照射しなかったものを同様に評価した。
その結果、各例ともに、光架橋させることにより発泡が抑えられることが分かった。これは、紫外線照射により、接着剤の凝集力が増すためである。なお、比較的吸湿性の高いポリエーテルイミド板で被覆された積層体の状態であっても発泡しないことは、耐熱性が非常に高いと判定できる。
また、実施例1と同様にして、初期接着力(ポリエーテルイミド板と接着フィルムとの界面での剥離強度)を測定した。各評価結果を表2に示す。
【0063】
実施例8〜15
粘着性ポリマーの種類と、接着剤組成(配合)を変えた以外は、実施例6と同様にして各例の接着フィルムを作製した。ただし、紫外線照射は、剥離フィルム上の接着フィルムに対して行った。
各例の接着剤組成は、表4〜5に示すとおりであった。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
また、各例で用いた粘着性ポリマーは、実施例6と同様にして調製した。粘着性ポリマー「Polymer2〜4」の組成は上記表3に示すとおりである。なお、実施例8〜15で初めて使用した成分の詳細は、以下のとおりである。
・記号DYCY:
Dicyandiamide(Type-2000、日本カーバイド工業株式会社製)、5質量%メタノール溶液として入手し、使用した。
・記号DDS:
4,4'-diaminodiphenyl sulfone (Merck Co.製)、20質量%メチルエチルケトン溶液として入手し、使用した。
・記号UR-2T:
エポキシ樹脂硬化促進剤 (商標:Amicure UR-2T、Omicron Chemical Inc.製)、1.25wt% メタノール溶液として入手し、使用した。
・記号IOA:
イソオクチルアクリレート
【0067】
実施例16
開始剤官能基を持たないアクリル共重合体(Polymer5)を用いた以外は、実施例6と同様にして本例の接着フィルムを作製した。接着剤組成は、表6に示すとおりであった。
実施例17
紫外線を照射しなかった以外は、実施例9と同様にして本例の接着フィルムを作製した。接着剤組成は、表6に示すとおりであった。
比較例2
紫外線を照射しなかった以外は、実施例2と同様にして本例の接着フィルムを作製した。接着剤組成は、表6に示すとおりであり、本例の接着剤には、熱架橋成分が含まれない。
【0068】
接着フィルムの評価
実施例8〜17、及び比較例2で得られた各例の接着フィルムについて、接着剤はみだし、接着力(剥離強度)および半田耐熱性を評価した。評価結果を表4〜6に示す。なお、接着剤はみだしの評価は以下に示す方法で行い、それ以外の評価は、実施例1と同様にして行った。
接着剤はみだしの評価は、半田耐熱性評価の場合と同様にして、試験片を作製し、SUS−304板に圧着した際に、試験片の4辺からはみ出した接着剤の幅を測定し、それらの平均を求めた。実施例8〜15において、紫外線照射による光架橋により、加熱圧着時の接着剤のはみ出しを0.2mm以下に抑えることができた。これは、実用上まったく問題の無いレベルまで、接着剤はみだしを減少させることができることを示している。
【0069】
【表6】
【0070】
半田耐熱性の評価において、光架橋されない実施例16および17では、比較的吸湿性の低いSUS−304板に接着した場合には十分な耐熱性を示したが、比較的吸湿性の高いガラスエポキシ板に接着した場合には、耐熱性評価はNG(不合格)となった。一方、光架橋された実施例8〜15の接着フィルムでは、ガラスエポキシ板に接着した場合でも、耐熱性評価は合格であった。これは、前架橋(被着体に圧着する前の架橋)が、半田耐熱性を高めるのに有利であることを示している。また、実施例16および17の場合も、実施例1や2の場合と同様に、イソシアネート架橋剤を併用する等の改良により、耐熱性を効果的に高めることができる。
【0071】
実施例18および比較例3
(実施例18)
実施例1と同様にして、以下に示す成分を含んでなる出発モノマー溶液を用い、溶液重合し、粘着性ポリマーを含有する溶液を得た。このポリマー溶液に、架橋剤としてイソフタロイルビス(2−メチルアジリジン)を添加した後、50μm厚の剥離フィルム(剥離面を有するPETフィルム)上に塗布し、100℃のオーブン中で20分間乾燥し、本例の接着剤組成物からなる接着層(厚さ30μm)を得た。その接着層に135μmのアルミ箔を加熱せずに常温で圧着し、支持体としてのアルミ箔に接着層を転写、固定し、本例の接着剤組成物からなる接着層(感圧性接着剤の層)を有する、感圧接着フィルムを形成した。
・粘着性ポリマーの組成(記号は前掲のものと同じ)
PEA/HPPA/BA/AA (30:15:50:5質量比)
架橋剤:粘着性ポリマー=0.2:100(質量比)
本例の感圧接着フィルムから、30mm×10mmの試験片を作成し、下記の様にして熱間保持力を評価した。
(比較例3)
ソオクチルアクリレート−アクリル酸共重合体(組成;IOA:AA=90:10 質量比)からなる粘着性ポリマーを用いた以外は、実施例18と同様にして感圧接着フィルムを形成し、この感圧接着フィルムから実施例18と同様にして試験片を作成し、下記の様にして熱間保持力を評価した。
【0072】
<熱間保持力>
まず、各試験片から剥離フィルムを除去し、接着面に、135μmのアルミ箔からなる被着体を加熱せずに常温で圧着(2kgのローラー2往復)して形成した積層体を用意した。なお、接着面積は、10mm×10mmとした。次に、上記試験片の未接着部分が、接着部分よりも鉛直方向下側になる様にし、この未接着部分にクリップで1.5Kgの質量のおもりを取り付け、上記積層板を80℃のオーブン中に吊るした。この状態で、被着体から接着フィルムが完全に剥がれ落ちるまでの時間を測定し、その時間(分)をもって熱間保持力の評価値とした。
実施例18の接着フィルムの熱間保持力は、25,000分以上であった(25,000分経過しても剥がれ落ちなかった)。これに対し、比較例3の接着フィルムでは、粘着性ポリマーが架橋されているのにもかかわらず、80℃のオーブン中に吊るした後196分で、被着体から接着フィルムが剥がれ落ちた。
【0073】
実施例19
出発モノマーの組成を以下に示すように変更した以外は、実施例18と同様にして、粘着性ポリマーを調製し、本例の接着剤組成物からなる接着層を有する感圧接着フィルムを形成した。
・粘着性ポリマーの組成(記号は前掲のものと同じ)
PEA/HPPA/BA/AA (55:15:25:5質量比)
本例の感圧接着フィルムについて、実施例18と同様にして熱間保持力を評価した。本例の接着フィルムの熱間保持力は、25,000分以上であった。
【0074】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解できる様に、本発明の接着剤組成物は、感圧性接着剤としても利用でき、ポリエステル等の追加成分を加えるだけで、熱活性接着剤としても利用できるので、非常に便利である。
また、本発明による感圧性接着剤は、従来のものに比べて耐熱性を改良でき、熱間保持力を効果的に高めることができる。
さらに、本発明によれば、タックフリーの接着フィルムの形成が可能で、従来の粘着フィルムがかかえる問題を解決でき、かつ、高い接着力と耐熱性とを併せ持つ、熱活性接着剤を提供することができる。したがって、本発明の接着剤は、電気用途で用いられる接着フィルムの構成材料として、最適である。
Claims (4)
- (A)1または2以上のフェノキシアクリレート、(B)ヒドロキシル基を分子内に有するモノマー及び(C)不飽和酸を共重合させて得られるアクリル系粘着性ポリマーと、エポキシ樹脂とを含んでなる接着剤組成物、並びにポリカプロラクトンを含有し、前記エポキシ樹脂の含量が接着剤の総質量に対して1〜30質量%であり、前記カプロラクトンの含量が接着剤の総質量に対して5〜55質量%であり、前記粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、(A)成分および(B)成分に由来する単位の合計の割合(質量比)が40〜99.5重量%であり、(B)成分に由来する単位の割合が0.5モル%以上であり、(C)成分に由来する単位の割合(質量比)が、0.5〜15重量%である、熱活性接着剤。
- (A)1または2以上のフェノキシアクリレート、(B)ヒドロキシル基を分子内に有するモノマー及び(C)エポキシ基含有(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得られるアクリル系粘着性ポリマーと、カルボキシル基含有ロジンとを含んでなる接着剤組成物、並びにポリカプロラクトンを含有し、前記カルボキシル基含有ロジンの含量が接着剤の総質量に対して1〜30質量%であり、前記カプロラクトンの含量が接着剤の総質量に対して5〜55質量%であり、前記粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、(A)成分および(B)成分に由来する単位の合計の割合(質量比)が40〜99.5重量%であり、(B)成分に由来する単位の割合が0.5モル%以上であり、(C)成分に由来する単位の割合(質量比)が、0.5〜15重量%である、熱活性接着剤。
- 前記アクリル系粘着性ポリマーが、さらにベンゾフェノン基を含む、請求項1または2に記載の熱活性接着剤。
- (A)1または2以上のフェノキシアクリレート、(B)ヒドロキシル基を分子内に有するモノマー及び(C)不飽和性二重結合とベンゾフェノン基とを分子内に有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させて得られるアクリル系粘着性ポリマーを含んでなり、光架橋性を有する接着剤組成物、並びに接着剤の総質量に対して5〜55質量%のポリカプロラクトンを含有する、光架橋性熱活性接着剤。
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