JP2001316658A - 接着剤組成物、熱活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤 - Google Patents

接着剤組成物、熱活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤

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JP2001316658A JP2000189300A JP2000189300A JP2001316658A JP 2001316658 A JP2001316658 A JP 2001316658A JP 2000189300 A JP2000189300 A JP 2000189300A JP 2000189300 A JP2000189300 A JP 2000189300A JP 2001316658 A JP2001316658 A JP 2001316658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感圧性接着剤としても利用でき、追加成分を
加えて、熱活性接着剤として利用できる組成物であっ
て、耐熱性を効果的に高めることができる、接着剤組成
物を提供する。加えて、表面が実質的に粘着性を持たな
い接着フィルムの形成が可能で、高い接着力と耐熱性と
を併せ持つ熱活性接着剤を提供する。 【解決手段】 分子内にヒドロキシ基と、フェニル基
と、上記熱架橋成分と反応する架橋官能基とを有する粘
着性ポリマーと、熱架橋成分と、場合によりポリエステ
ルとを含んでなる接着剤組成物。または、分子内にヒド
ロキシ基と、フェニル基と、ラジカル光開始剤として機
能する開始剤官能基とを有する粘着性ポリマーを含んで
なる光架橋性熱活性接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物、熱
活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤に関し、とりわ
け粘着性ポリマーを含む接着剤組成物の改良に関する。
本発明の接着剤組成物は、粘着性ポリマーを含むので、
感圧性接着剤として利用できる。また、本発明の接着剤
組成物が、ポリエステルを含有する場合、加熱により粘
着性を発現または増大させる、いわゆる熱活性接着剤と
して利用できる。本発明による熱活性接着剤は、熱活性
され被着体に接着された後、架橋可能な接着剤である。
本発明の熱活性接着剤は、被着体どうしを固定するため
の接着材料、封止材、シール材等として有効に使用でき
る。
【0002】
【従来の技術】アクリル系ポリマー等の粘着性ポリマー
を含有する接着剤組成物は、感圧性接着剤(または粘着
剤)や、粘着フィルム(粘着剤または感圧性接着剤から
なる接着層を有するフィルム)として利用できる。感圧
性接着剤は、圧力を加えるだけで容易に、被着体どうし
を接着することができる。感圧性接着剤では、粘着性ポ
リマーの分子内にいろいろな官能基を導入して、接着性
を改良することが試みられている。たとえば、粘着性ポ
リマー分子内にフェニル基を導入し、凝集力を低下させ
ることなく、無極性被着体に対する接着力を向上させる
ことが提案されている。この様な粘着性ポリマーを含有
する感圧性接着剤としては、たとえば、特公平2−30
353号公報に開示のものがある。この公報に開示の接
着剤では、粘着性ポリマーが、分子内に、(i)炭素数
4〜10のアルキル基を有するアクリルレートモノマー
と、(ii)炭素数3以下のアルキル基を有するアクリル
レートモノマー、または/及び酢酸ビニルモノマーと、
(iii)不飽和カルボン酸モノマーと、(iv)フェノキ
シエチル(メタ)アクリレートモノマーとを含有する出
発モノマー混合物を共重合させて得たアクリル系ポリマ
ーであることを特徴としている。なお、この公報には、
接着剤中に熱架橋成分を配合して、粘着性ポリマーを架
橋することは開示されていない。
【0003】また、通常の感圧性接着剤では、粘着性ポ
リマー自体のTg(ガラス転移点)が比較的低い等の理
由から、耐熱性、特に熱間保持力を高めることは困難で
ある。そこで、接着剤に熱架橋成分を添加し、粘着性ポ
リマーを架橋することも知られている。しかしながら、
これまで知られている感圧性接着剤では、80℃の様な
比較的高温使用条件での、熱間保持力等の耐熱性の改良
がいまだ不十分であった。たとえば、従来の粘着性ポリ
マーを熱架橋成分で架橋して形成した感圧性接着剤で
は、10mm×10mmの接着面積でもって被着体の略鉛直
面に接着し、1.5Kgの荷重を鉛直方向にかけ続けた
時、60時間(3,600分)以上、接着を保持する様
なレベルの高い熱間保持力は得られなかった。
【0004】一方、上記の様な感圧性接着剤を粘着フィ
ルムとして利用する場合、粘着性があるので、打ち抜き
加工等の加工性が悪く、また位置合わせが困難である。
そこで、粘着フィルムの粘着性の制御について、多数の
技術が提案されている。たとえば、粘着面に凹凸を形成
し、見かけ上の粘着性を低下させ、加熱により平滑化し
て接着力を増大させる方法がある。その1例として、結
晶性の成分を含む粘着層を有する粘着フィルムが、国際
公開特許公報WO97/46633号に開示されてい
る。この粘着フィルムの粘着層では、粘着性ポリマー中
に、結晶性のアクリレート成分が連続相として導入され
る。この粘着フィルムの粘着面では、接着力を落とさず
に完全に粘着性をなくすことが比較的難しいので、通常
は、粘着フィルムの形状記憶性を生かし、2次形状とし
ての凹凸を有する粘着面を、記憶形状(1次形状)であ
る平滑粘着面へと変化させて使用する。すなわち、粘着
面の被着体に対する接触面積が小さな2次形状で、加工
性や位置合わせを行い、接着を完了する時に、記憶形状
(1次形状)である平滑粘着面へと変化させる。これに
より、加工性や位置合わせの容易性を高めている。
【0005】しかしながら、この様な粘着フィルムで
は、加工や位置合わせの段階(初期段階)から平滑な接
着面を有する接着フィルムを形成することはできない。
接着面が粘着性を有し、しかも凹凸構造を有する場合、
加工や位置合わせの際に付着したゴミの除去が困難であ
る。また、粘着性ポリマー自体のTg(ガラス転移点)
が比較的低いので、耐熱性を高めることは、通常の粘着
性ポリマーでは困難であった。
【0006】一方、加熱により粘着性を発現または増大
させる、いわゆる熱活性接着剤も知られている。熱活性
接着剤は、感熱型接着剤とも呼ばれる。また、熱活性接
着剤からなるフィルムは、ホットメルト接着フィルム、
熱接着フィルム(Heat Bonding Film )などとも呼ばれ
る。また、熱活性接着剤の接着力を高めるために、粘着
性ポリマーと熱可塑性樹脂とを組み合わせることも知ら
れている。
【0007】熱活性接着剤で用いられる熱可塑性樹脂は
多岐にわたるが、たとえば、ポリエステルが使用でき
る。たとえば、特表昭56−501131号公報には、
次の様な、改善された耐熱性を有する熱活性接着剤、す
なわち(I)約100重量部の熱可塑性ポリマーと、
(II)交差結合剤(架橋剤)と、(III)この交差結合
剤と交差結合反応するのに利用できる複数個の官能基を
もつ約1から100重量部の有機ポリマーとを含む、接
着剤が開示されている。上記熱可塑性ポリマーとして
は、ポリエステルやポリウレタン等が使用でき、上記有
機ポリマーとしては、ポリアルコール類やポリアミン類
が使用できる。また、上記交差結合剤には、ジイソシア
ネートやポリイソシアネートが使用できる。この様に架
橋された熱活性接着剤は、耐熱性を効果的に高めること
ができる。また、この様な熱活性接着剤は、通常、常温
で粘着性を持たないので、加工性や位置合わせ容易性を
高めることができる。しかしながら、上記公表公報に開
示の接着剤は粘着性ポリマーを含有していないので、接
着力を高めることは困難である。
【0008】一方、特開平8−134428号公報に
は、熱可塑性結合剤と、粘着性ポリマーとを含有するホ
ットメルト接着剤が開示されている。この公報には、熱
可塑性結合剤としてポリエステルが、粘着性ポリマーと
してイソオクチルアクリレートーアクリル酸系共重合体
が、それぞれ例示されている。この組成物では、粘着性
ポリマーと、熱可塑性結合剤とは相分離していることが
必要である。その理由は、ホットメルト接着剤を液状に
して塗布する際の塗工性を高め、かつ、塗工後に比較的
長い時間(冷えて、見かけ上固化した後も)、粘着性を
保持させるためである。すなわち、この組成物は、加熱
により接着面の粘着性が高められる接着フィルムとして
利用するよりも、液化させて使用するタイプの接着剤と
して利用するのに適したものである。
【0009】特開平6−256746号公報、特開平5
−339556号公報等には、粘着性アクリル系ポリマ
ーと、熱可塑性樹脂としてのフェノキシ樹脂、さらにエ
ポキシ樹脂と、その架橋剤とを含有する組成物から形成
された、熱活性接着フィルムが開示されている。上記粘
着性アクリル系ポリマーは、カルボキシル基、水酸基、
またはエポキシ基を分子内に有することが好適とされて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】通常、電気用途で用い
られる接着フィルム(フィルム状の接着剤)は、打ち抜
き加工後に位置合わせをし、電子部品等を接着するため
に使用されるので、粘着性(常温、約25℃での粘着
性)は可及的に低い方が良く、実質的に粘着性がないも
のが特に好適である。また、電気用途の接着剤は、耐熱
性(特に半田耐熱性)が要求される場合が多い。したが
って、粘着性ポリマーが架橋されない熱活性接着剤は、
この様な用途に最適ではない。また、通常の粘着性ポリ
マーと、熱可塑性樹脂とを組み合せた接着剤(たとえ
ば、前掲の特開平6−256746号公報等に開示のも
の)では、接着フィルムの接着面が粘着性を持つことは
避けられなかった。接着面が粘着性を持つ場合、前述の
粘着フィルムがかかえる問題を解決することはできな
い。さらに、粘着性ポリマーの性能を効果的に引き出さ
なければ、接着力と耐熱性とを高めることは困難であ
る。
【0011】一方、前述の様に、感圧性接着剤を比較的
高い温度環境で使用するためには、熱間保持力等の耐熱
性を改良する必要があった。耐熱性を高めることが感圧
性接着剤よりも一般に容易である熱活性接着剤は、前述
の様な用途において有用である。しかしながら、感圧性
接着剤は、加熱を必要とすることなく圧力を加えるだけ
で、容易かつ強力に接着することができるので、接着操
作が非常に簡単である。すなわち、用途によって、感圧
性接着剤としても利用でき、追加成分(ポリエステル
等)を加えるだけで、熱活性接着剤として利用できる接
着剤組成物は、広範囲の用途において利用できるので、
非常に便利である。
【0012】したがって、本発明の第1の目的は、感圧
性接着剤としても利用でき、追加成分を加えて、熱活性
接着剤として利用できる組成物であって、耐熱性を効果
的に高めることができる、接着剤組成物を提供すること
にある。また、本発明の第2の目的は、表面が実質的に
粘着性を持たない(いわゆる、「タックフリー」)接着
フィルムの形成が可能で、前述の粘着フィルムがかかえ
る問題を解決でき、かつ、高い接着力と耐熱性とを併せ
持つ熱活性接着剤を提供することにある。換言すれば、
本発明の目的は、電気用途等で用いられる接着フィルム
の構成材料として、最適な熱活性接着剤を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の第1の形態は、粘着性ポリマーと、
熱架橋成分とを含んでなる接着剤組成物において、前記
粘着性ポリマーが、分子内に (a)ヒドロキシ基と、(b)フェニル基と、(c)前
記熱架橋成分と反応する架橋官能基とを有するポリマー
を含んでなることを特徴とする、接着剤組成物を提供す
る。また、本発明の第2の形態は、上記第1の目的を達
成するために、粘着性ポリマーを含んでなる接着剤組成
物において、前記粘着性ポリマーが、分子内に (I)ヒドロキシ基と、(II)フェニル基と、(III)ラ
ジカル光開始剤として機能する開始剤官能基とを有する
ポリマーを含んでなり、光架橋性を有することを特徴と
する、接着剤組成物を提供する。
【0014】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の第3の形態は、上記課題を解決するために、上
記第1の形態の接着剤組成物と、ポリエステルとを含有
する、熱活性接着剤を提供する。また、本発明の第4形
態は、上記課題を解決するために、上記第2の形態の接
着剤組成物と、ポリエステルとを含有する、光架橋性熱
活性接着剤を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】(接着剤組成物)本発明の接着剤
組成物は、感圧性接着剤として利用できる。また、詳細
は後述する様に、熱可塑性樹脂としてのポリエステルを
加えて、熱活性接着剤としても利用できる。本発明の接
着剤組成物は、分子内に(I)ヒドロキシ基と、(II)
フェニル基とを基本必須官能基として有する粘着性ポリ
マーを含有する。また、粘着性ポリマーは、熱架橋成分
または/及び光架橋反応によって架橋される。したがっ
て、本発明の接着剤組成物を感圧性接着剤として利用す
る場合、上記基本必須官能基の効果と、上記架橋による
効果との相乗効果により、熱間保持力等の耐熱性を効果
的に高めることができる。本発明による感圧性接着剤で
は、通常ポリエステルを実質的に含まない。一方、本発
明の接着剤組成物は、詳細は後述する様に、所定量のポ
リエステルを添加することにより、熱活性接着剤として
有用に使用できる。したがって、接着剤組成物全体に占
める上記粘着性ポリマーの含有割合や、その他の追加成
分の含有割合は、接着剤の用途によって適宜決定でき
る。
【0016】(熱活性接着剤)本発明の熱活性接着剤
は、架橋可能な粘着性ポリマーおよびポリエステルを必
須成分として含む、接着剤である。まず、本発明の1形
態では、上記粘着性ポリマーが、分子内に、(a)ヒド
ロキシ基と、(b)フェニル基と、(c)熱架橋成分と
反応する架橋官能基とを有するポリマーを含んでなり、
かつ熱架橋成分を含有することを特徴とする。
【0017】分子内にヒドロキシ基とフェニル基とを有
する粘着性ポリマーは、ポリエステルとの相溶性が高
く、接着剤の常温での粘着性を実質的に無くすことがで
きる。一方、加熱によりポリエステルが溶融(または軟
化)した時には、上記粘着性ポリマーが高い粘着性を示
すので、加熱圧着操作により高接着力で被着体どうしを
接着することができる。また、分子内に熱架橋成分と反
応することができる架橋官能基(c)を含んでいるの
で、被着体に加熱圧着した後、粘着性ポリマーを熱架橋
させることができる。したがって、耐熱性を高めること
ができる。すなわち、粘着性ポリマーを熱可塑性樹脂
(ポリエステル)と十分に相溶させ、かつ、圧着後に
熱架橋させることにより、粘着性ポリマーの性能を効果
的に引き出すことができる。したがって、耐熱性を高め
ることが容易で、しかも、タックフリー(非活性時)
で、かつ高接着力を有する接着フィルムの形成が可能に
なる。
【0018】本発明の熱活性接着剤は、好適には架橋剤
を含有する。これにより、電気用途の接着剤として要求
される耐熱性、特に半田耐熱性を効果的に高めることが
できる。
【0019】本発明の熱活性接着剤は、加熱により液化
させて使用するタイプの接着剤として利用することも可
能であるが、加熱により接着面の粘着性が高められる接
着フィルムとして利用するのが好適である。すなわち、
本発明の1つの形態は、上記熱活性接着剤からなり、所
定の厚さを有する接着フィルムを提供する。この様な接
着フィルムでは、室温での粘着性を実質的に無くすこと
ができ、通常の感圧性接着剤に比べて高い耐熱性を有す
る。一方、加熱した時には高い粘着性を示すので、加熱
圧着操作により高接着力で被着体どうしを接着すること
ができる。本発明による接着フィルムを2つの被着体の
間に挟み、熱圧着させることにより、2つの被着体が互
いに固定される。接着フィルムを用いて被着体どうしを
圧着した後、加熱により接着フィルムを架橋させ、接着
を完了させることができる。接着フィルムの熱架橋は、
接着フィルムの耐熱性を効果的に高めることができる。
【0020】(光架橋性熱活性接着剤)一方、前記粘着
性ポリマーが、追加の官能基として、ラジカル光開始剤
として機能する開始剤官能基(d)をさらに含んでなる
場合、本発明の接着剤は、熱架橋性かつ光架橋性の熱活
性接着剤として使用できる。光架橋性の熱活性接着剤に
紫外線を照射すると、ポリマー分子に組み込まれた開始
剤官能基がラジカルを発生させる。そのラジカルが、ポ
リマー分子内の水素の引き抜き等のラジカル開始反応を
引き起こす。この開始反応を起点として、ラジカル的に
分子間架橋反応(光架橋反応)が進行する。水素引き抜
き反応において引き抜かれる水素は、たとえば、ヒドロ
キシ基、フェニル基、架橋官能基(たとえばカルボキシ
ル基)等の官能基のα(アルファ)位の水素などであ
る。また、官能基(d)(開始剤官能基)として好適に
は、ベンゾフェノン等の、芳香族カルボニルを含む光活
性基であって、活性化されてラジカルを生成するラジカ
ル生成基である。
【0021】この様な、開始剤官能基を有する粘着性ポ
リマーを含む熱活性接着剤は、接着フィルムとして好適
に利用できる。たとえば、熱活性接着剤を所定の厚さを
有するフィルム状に成形した後、光架橋させて接着フィ
ルムとして利用する。すなわち、成形されたフィルム
に、紫外線、またはその他の放射線を照射し、粘着性ポ
リマーどうしを架橋させ、接着フィルムを完成させる。
この時、熱架橋成分の反応が実質的に生じない様に、光
のエネルギー(強度や照射時間など)を制御するのが好
適である。この様にして形成された接着フィルムを、2
つの被着体の間に挟み、熱圧着させる。この圧着操作に
より、2つの被着体が互いに固定される。粘着性ポリマ
ーの光架橋は、接着剤の凝集力を効果的に高め、加熱圧
着時の接着剤のはみ出し(ウージング)を減少させるこ
とができる。一方、接着フィルムを用いて被着体どうし
を圧着した後、加熱により接着フィルムを架橋させ、接
着を完了させることができる。接着フィルムの熱架橋
は、接着フィルムの耐熱性を効果的に高めることができ
る。
【0022】また、開始剤官能基を有する粘着性ポリマ
ーは、以下に示すように、さらに有利な効果を生む。す
なわち、光を部分的に照射すれば、部分的に架橋させる
ことができるので、本発明の接着剤からなる層の上への
パターニング(架橋部分と、溶剤などで除去しやすい未
架橋部分との形成)が可能である。また、光架橋に必要
な光開始剤が、ポリマー分子中に結合しているので架橋
の効率が良く、アウトガス成分(ガス発生成分)とし
て、接着剤や接着フィルム中に残りにくい。
【0023】一方、耐熱性等の性能が光架橋で十分に高
められる場合、粘着性ポリマーは架橋性官能基(c)を
含む必要は無く、かつ接着剤は熱架橋成分を含む必要は
ない。したがって、本発明は、別の好適な形態として、
次の様な光架橋性熱活性接着剤を提供する。すなわち、
粘着性ポリマーと、ポリエステルとを含んでなる熱活性
接着剤において、前記粘着性ポリマーが、分子内に (I)ヒドロキシ基と、(II)フェニル基と、(III)ラ
ジカル光開始剤として機能する開始剤官能基とを有する
ポリマーを含んでなることを特徴とする、光架橋性の熱
活性接着剤である。
【0024】この様な光架橋性熱活性接着剤も、熱架橋
成分を含むものと同様の効果を有する。すなわち、粘
着性ポリマーを熱可塑性樹脂(ポリエステル)と十分に
相溶させ、かつ、圧着後に光架橋させることにより、
粘着性ポリマーの性能を効果的に引き出することができ
る。したがって、耐熱性を高めることが容易で、しか
も、タックフリー(非活性時)で、かつ高接着力を有す
る接着フィルムの形成を可能にする。
【0025】この様な光架橋性接着剤からなる接着フィ
ルムも、上記の熱架橋が可能なものと同様にして使用で
きる。すなわち、光架橋性接着フィルムを2つの被着体
の間に挟み、熱圧着させ、2つの被着体を互いに固定す
る。熱圧着後、接着フィルムを用いて被着体どうしを圧
着した後、光照射により接着フィルムを架橋させ、接着
を完了させることができる。接着フィルムの光架橋も、
接着フィルムの耐熱性を効果的に高めることができる。
また、光を照射しなければ、実質的に光架橋反応が起こ
らないため、接着剤の溶液や接着フィルムのライフを長
くすることができる。また、光を部分的に照射し、接着
剤からなる層の上へのパターニングが可能である。さら
に、光開始剤が、ポリマー分子中に結合しているので架
橋の効率が良く、アウトガス成分として、接着剤や接着
フィルム中に残りにくい。
【0026】(架橋官能基)粘着性ポリマーの架橋官能
基(c)は、ヒロドキシ基(a)とは異なる官能基であ
って、熱架橋成分と反応可能なものであれば良い。好適
には、架橋官能基が、カルボキシル基またはエポキシ基
の少なくともいずれか一方を含むのが良い。また、両方
を同時に含んでいても良い。後者の場合、熱架橋成分
が、カルボキシル基とエポキシ基とのいずれか一方と反
応する様にするのが好ましい。この様な場合、好適な熱
架橋成分としては、粘着性ポリマーの架橋官能基であ
る、カルボキシル基または/およびエポキシ基と反応可
能な、2以上の架橋用官能基を分子内に有する化合物で
あれば特に限定されない。この様な化合物は、通常モノ
マー又はオリゴマーである。粘着性ポリマーの架橋官能
基と、熱架橋成分との好適な組合せとして、次のものを
挙げることができる。 A.架橋官能基がカルボキシル基の場合、熱架橋成分と
しては、エポキシ樹脂が好適である。 B.架橋官能基がエポキシ基の場合、熱架橋成分として
は、分子内にカルボキシル基を有するロジン(カルボキ
シルロジン)が好適である。
【0027】架橋官能基がカルボキシル基およびエポキ
シ基のいずれの場合も、粘着性ポリマーのヒドロキシ基
とフェニル基の持つ、ポリエステルとの相溶化作用を妨
げることなく、熱架橋を可能にすることができる。一
方、カルボキシル基−エポキシ樹脂、エポキシ基−カル
ボキシルロジンとの反応では、副生成物が発生すること
なく、かつ接着剤の耐熱性を高めるのに十分な程度(架
橋密度)まで、熱架橋を行うことが特に容易である。副
生成物が発生すると、被着体の破損や、接着力の低下を
招くことがあるので、その発生を避ける様にするのが良
い。なお、上記Aの場合、カルボキシルロジンを併用す
ることができ、また、上記Bの場合、エポキシ樹脂を併
用することができる。
【0028】(ポリエステル)上記ポリエステルは、常
温(約25℃)で実質的に非粘着性であり、かつ加熱に
より溶融可能な結晶性を有するものであれば良い。しか
しながら、好適にはポリカプロラクトンである。ポリカ
プロラクトンとは、(i)カプロラクトンを含有する出
発物質を重合して得られるポリエステル、または、(i
i)カプロラクトンの開環重合により得られた重合単位
(ユニット)を、分子内に含むポリエステルである。上
記粘着性ポリマーとポリカプロラクトンとを含む組成物
では、ポリカプロラクトンの結晶化により、常温ではほ
とんど粘着性がないが、加熱によりポリカプロラクトン
が溶融し、強い接着力を発現することができる。この様
な効果は、上記の分子内にヒドロキシ基とフェニル基と
を同時に有する粘着性ポリマーが、アクリル系ポリマー
である場合に特に高められる。この様なアクリル系ポリ
マーと、ポリカプロラクトンとの相溶性が特異的に優れ
ているからである。
【0029】上記ポリエステルの分子量は、所定の接着
力が発揮され、かつ組成物の常温での粘着性を実質的に
無くせる範囲であれば良く、重量平均分子量が、通常5
00〜200,000、通常1,000〜100,000
の範囲である。分子量が小さすぎると、接着力が低下す
るおそれがあり、反対に大きすぎると、粘着性ポリマー
との相溶性が低下し、組成物の常温での粘着性を無くす
のが困難になるおそれがある。接着剤全体(総質量)に
占める、上記ポリエステルの含有割合は、通常5〜55
質量%(Wt%)、好適には10〜50質量%である。ポ
リエステルが少なすぎると、接着剤の常温での粘着性を
実質的に無くすことができず、反対に多すぎると、圧着
直後から高い接着力を発揮することができないおそれが
ある。
【0030】(粘着性ポリマー)本発明で用いる粘着性
ポリマーは、常温(約25℃)で粘着性を示すポリマー
であり、分子内にヒドロキシ基とフェニル基とを必須の
官能基として有するポリマーを含んでなるものであれば
特に限定されない。また、熱架橋性を付与するために
は、前述の架橋官能基(前記熱架橋成分と反応する官能
基)を追加の官能基として有する。一方、光架橋性を付
与するためには、前述の開始剤官能基(ラジカル光開始
剤として機能する官能基)を追加の必須官能基として有
する。
【0031】粘着性ポリマーは、たとえば、アクリル系
ポリマー、ニトリル−ブタジエン系共重合体(NBR
等)、スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR等)、
ポリウレタン、シリコーン系ポリマー等である。粘着性
ポリマーは、これらのポリマー1種単独、または2種以
上の混合物から構成される。分子内に上記の必須官能基
を含むポリマーは、出発モノマーとして、分子内にヒド
ロキシ基を有するモノマーと、分子内にフェニル基を有
するモノマーと、分子内に追加必須官能基を有するモノ
マーとを含む原料を用いて重合して得ることができる。
あるいは、重合後、分子内の別の官能基(たとえば、カ
ルボキシル基)を反応させて、ヒドロキシ基およびフェ
ニル基に変換しても良い。
【0032】ここで、本発明で用いることができるアク
リル系ポリマーの好適な1例について説明する。出発モ
ノマーとして、(A)1または2以上のフェノキシアル
キルアクリレートと、(B)ヒドロキシ基を分子内に有
するモノマー、(C)追加必須官能基を分子内に有する
モノマーと、必要に応じて(D)(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルとを含有する原料を、通常の方法、たと
えば、溶液重合等により共重合させて調製することがで
きる。
【0033】上記(A)成分としては、たとえば、フェ
ノキシエチルアクリレート、フェノキシプロピルアクリ
レート等が使用できる。上記(B)成分としては、たと
えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2
−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシメチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、ヒドロキシ−3−フェノキシ
プロピルアクリレート等を挙げることができる。(B)
成分としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ルアクリレート等の、分子内にヒドロキシ基とフェニル
基との両方を含むモノマーが好適である。これにより、
粘着性ポリマーのポリエステルに対する相溶性を特に効
果的に高めることができ、また、熱間保持力を特に効果
的に高めることができる。上記(D)成分としては、た
とえば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル等を挙げることができる。上記(D)成分は、接
着剤の用途に応じて、最適なものを選ぶことができる。
たとえば、本発明の接着剤組成物を感圧性接着剤として
用いる場合、上記(D)成分として、炭素数4〜10の
アルキル基を持つアルキルアクリレートの1種または2
種以上からなるのが良い。なお、上記(D)成分は、分
子内に前記(a)〜(c)の官能基を持たない。
【0034】上記(C)成分としては、たとえば次のよ
うなものが使用できる。 <1>熱架橋成分と反応する官能基を分子内に導入する
場合、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸、グリシジル
(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アク
リルモノマー、<2>開始剤官能基を分子内に導入する
場合、アクリロイルベンゾフェノン等の、不飽和性二重
結合と、前記開始剤官能基とを分子内に有する(メタ)
アクリルモノマー。上記(C)成分として、<1>およ
び<2>の両方を含むこともできる。
【0035】粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、
必須基本官能基を含む単位(すなわち、(A)成分およ
び(B)成分に由来する単位の合計)の割合(質量比)
は、通常40〜99.5質量%、好適には50〜95質
量%、特に好適には60〜90質量%である。上記基本
官能基を含む単位が少なすぎると、ポリエステルとの相
溶性が低下するおそれがあり、また、熱間保持力が低下
するおそれがある。一方、反対に多すぎて、他の官能基
を有する成分が少なすぎると、架橋性が低下し、耐熱性
等が効果的に高められないおそれがある。
【0036】ポリマー全体の重合単位に占める、(B)
成分に由来する単位の割合は、0.5モル%以上、好適
には1モル%以上、特に好適には5〜25モル%であ
る。(B)成分に由来する単位が少なすぎると、ポリエ
ステルとの相溶性が低下するおそれがあり、また、熱間
保持力が低下するおそれがある。一方、(B)成分に由
来する単位が多すぎると、圧着直後から十分に高い接着
力(たとえば、0.5kg/cm以上)を発現させるの
に不利になるおそれがある。
【0037】粘着性ポリマー全体の重合単位に占める、
上記の追加必須官能基を含む単位(すなわち、(C)成
分に由来する単位の合計)の割合(質量比)は、通常
0.5〜15質量%、好適には0.7〜10質量%、特
に好適には1〜7質量%である。上記追加官能基を含む
単位が多すぎて、上記基本官能基を有する成分が少なす
ぎると、ポリエステルとの相溶性が低下するおそれがあ
り、また、熱間保持力が低下するおそれがある。一方、
反対に追加必須官能基を含む単位がが少なすぎると、架
橋性が低下し、耐熱性等が効果的に高められないおそれ
がある。
【0038】本発明で使用される粘着性ポリマーは、本
発明の効果を損なわない限り、上記基本および追加の必
須官能基(ヒドロキシ基、フェニル基、及び粘着性ポリ
マーに架橋性を付与する官能基)を含むポリマーに加え
て、これらの官能基を持たないポリマーも含むことがで
きる。この場合、粘着性ポリマー全体(総質量)に占め
る、これらの必須官能基を含むポリマーの割合は、通常
50質量%以上、好適には60質量%以上、特に好適に
は70質量%以上である。
【0039】粘着性ポリマーの分子量は、所定の接着力
が発揮される範囲であれば良く、通常は重量平均分子量
で10,000〜1,000,000の範囲である。ま
た、従来の感圧性接着剤と同様に、粘着性ポリマーとと
もに粘着付与剤を使用することもできる。なお、本発明
の接着剤組成物を熱活性接着剤として用いる場合、粘着
性ポリマーの接着剤全体(総質量)に占める割合は、通
常30〜95質量%、好適には45〜80質量%であ
る。
【0040】(熱架橋成分)前述の様に、粘着性ポリマ
ーが分子内にカルボキシル基を有する場合、熱架橋成分
としては、エポキシ樹脂が好適である。エポキシ樹脂
は、粘着性ポリマーのカルボキシル基と反応し、粘着性
ポリマーを熱架橋する様に作用する。エポキシ樹脂とし
ては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂
等が使用できる。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常
100〜400、好適には120〜300である。ま
た、本発明の接着剤組成物を感圧性接着剤として用いる
場合、熱架橋成分として、ビスアミド系架橋剤を好適に
使用することができる。ビスアミド系架橋剤は、感圧性
接着剤の熱間保持力を効果的に高めることができる。ビ
スアミド系架橋剤としては、たとえば、イソフタロイル
ビス(2−メチルアジリジン)等の二塩基酸のビスアジ
リジン誘導体が利用できる。
【0041】一方、粘着性ポリマーが分子内にエポキシ
基を有する場合、熱架橋成分としては、カルボキシルロ
ジンが好適である。カルボキシルロジンは、分子内にカ
ルボキシル基を有し、粘着性ポリマーと反応して、粘着
性ポリマーを熱架橋する様に作用する。カルボキシルロ
ジンとしては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロ
ジン、またはそれらを化学変性したもの(たとえば、重
合ロジン)が使用できる。 カルボキシルロジンの酸価
は、好適には100〜300、特に好適には150〜2
50である。酸価が低すぎると、粘着性ポリマーとの反
応性が低下し、接着剤の架橋性が低下するおそれがあ
り、反対に高すぎると、加熱成形時に粘性が上昇し、取
り扱いが困難になるおそれがある。なお、ここで「酸
価」とは、試料1gを中和するのに要する水酸化カリウ
ムのmg数で表された値である。 また、ロジンの軟化
点は、好適には50〜200℃、特に好適には70〜1
50℃である。軟化点が低すぎると、貯蔵中に粘着性ポ
リマーとの反応が生じ、貯蔵安定性が低下するおそれが
あり、反対に高すぎると、粘着性ポリマーに対する反応
性が低下し、接着剤の架橋性が低下するおそれがある。
なお、ここで「軟化点」とは、JIS K 6730にし
たがって測定した値である。 なお、カルボキシルロジ
ンは、1種単独でまたは2種以上の混合物として使用す
ることができ、また、本発明の効果を損なわない限り、
カルボキシル基を実質的に持たないロジンを併用するこ
ともできる。
【0042】本発明の接着剤組成物を熱活性接着剤とし
て用いる場合、上記の様な熱架橋成分の接着剤全体(総
質量)に占める割合は、通常1〜30質量%、好適には
2〜25質量%である。また、本発明の接着剤組成物を
感圧性接着剤として利用する場合、熱架橋成分の接着剤
全体に占める割合は、通常の感圧性接着剤の場合と同様
の範囲に決定すれば良く、通常0.01〜3質量%の範
囲であれば良い。
【0043】また、本発明の接着剤には、エポキシ樹脂
等の熱架橋成分の反応促進剤を添加することもできる。
これにより、熱架橋条件をマイルドにすることもでき
る。熱架橋成分は、上記のものに限定されず、架橋官能
基の種類や、架橋条件にしたがって選択できる。たとえ
ば、イソシアネート化合物、アミン化合物、ジシアンジ
アミド系架橋剤なども好適に使用できる。また、耐熱性
をいっそう効果的に高めるためには、2種以上の熱架橋
剤を組合せるのが好適である。たとえば、エポキシ樹脂
と、カルボキシルロジン、イソシアネート化合物、アミ
ン化合物、およびジシアンジアミド系架橋剤からなる群
から選ばれた1または2種以上とを併用するのが好適で
ある。
【0044】(接着剤の製造方法)本発明の熱活性接着
剤は、通常の混合操作により、各原料を均一に混合して
調製できる。たとえば、粘着性ポリマー、ポリエステ
ル、溶剤、必要に応じて加えられる架橋剤等の添加剤
を、ホモミキサ−、プラネタリーミキサー等の混合装置
で混合し、各材料を均一に溶解または分散させ、液体の
組成物を調製することができる。この液体の組成物は、
通常、前記粘着性ポリマーを溶解して含む第1溶液と、
前記ポリエステルを溶解して含む第2溶液とを混合し、
前記粘着性ポリマーと前記ポリエステルとを均一に溶解
して含む前駆体溶液として調製でき、この前駆体溶液を
乾燥し、その前駆体溶液の乾燥物からなる熱活性接着剤
を形成することができる。この様にすれば、結晶性のポ
リエステルと、ヒドロキシ基とフェニル基とを有する粘
着性ポリマーとの特異なモルフォロジー(相互連結構
造)を形成でき、前述の性能(常温での非粘着性および
高接着力)を、特に効果的に発揮させることができる。
なお、熱架橋成分を添加する場合、通常、熱架橋成分を
含む第3溶液を上記前駆体溶液に添加する。
【0045】上記の様にして調製された前駆体溶液を、
基材上に塗布、乾燥し、接着剤からなる接着フィルムを
形成することができる。塗布手段には、ナイフコータ
ー、ロールコーター、ダイコーター、バーコーター等の
公知の手段が使用できる。上記基材としては、ライナー
等の剥離性を有するもの、接着すべき被着体、接着シー
トの支持体等が使用できる。接着フィルムを形成する際
の乾燥は、通常60〜180℃の温度にて行われる。乾
燥時間は、通常、数十秒から数分である。接着フィルム
の厚みは、5〜1,000μm、好適には10〜500
μm、特に好適には15〜100μmである。上述のよ
うに、本発明による接着フィルムは、たとえば得られた
接着剤を含有する溶液をライナー上に塗布、乾燥して形
成することができる。さらに、光架橋性接着剤を用いた
場合、接着フィルムを紫外線等の放射線を照射して架橋
させ、接着剤の凝集力を高め、熱圧着時の接着剤のはみ
出しを減少させるのが良い。
【0046】(接着フィルムの使用方法)本発明による
接着フィルムは、前述の様にしていろいろな方法で使用
できるが、光架橋性接着フィルムの場合、以下のように
して使用するのが好適である。光架橋させた接着フィル
ムを、保存したり、ユーザーの元へ運搬する。ユーザー
が使用する時、エポキシ樹脂等の熱架橋成分を含む場
合、加熱圧着後、熱架橋させることができる。光架橋し
ない接着フィルムをそのまま保存したり、ユーザーの元
へ運搬する。ユーザーが使用する時、接着フィルムを2
つの被着体の間に挟み熱圧着した後、光照射して架橋さ
せる。エポキシ樹脂等の熱架橋成分を含む場合、加熱圧
着後、熱架橋させることもできる。
【0047】また、接着フィルムは、それを適当な被着
体に接着して使用する場合、たとえば、被着体に積層し
た後、たとえば80〜180℃、30秒〜5分間の加熱
条件、1〜50kg/cm2(約0.09〜4.9MP
a)の範囲の加圧条件で、圧着操作を用いて接着を完了
させることができる。また、圧着後、必要に応じて、加
熱または光照射により接着フィルムを架橋させる。
【0048】一方、本発明の接着フィルムは、接着シー
トの接着層として使用することもできる。すなわち、本
発明は、支持体と、その支持体の一方の主要面上に固着
された熱活性接着剤からなる接着層とを有する、接着シ
ートを提供する。上記支持体は、特に限定されないが、
通常は、従来の接着シートのベースフィルムとして使用
されているものであって、可撓性を有するものが使用さ
れる。たとえば、紙、金属フィルム、プラスチックフィ
ルム等が使用できる。プラスチックとしては、ポリイミ
ド、ポリ塩化ビニル、アクリル系ポリマー、フッ素系ポ
リマー、ポリエステル(PET等)、ポリウレタン等の
合成ポリマーが使用できる。支持体の厚みは、通常5〜
500μm、好適には10〜300でμmである。支持
体は、可視光や紫外線を透過するものであっても良い。
また、着色されたものや、印刷等ににより装飾が施され
たものであっても良い。その場合、本発明の接着剤から
なる接着層に含む接着シートは、装飾シートやマーキン
グフィルムとして有用である。
【0049】上記の様な接着シートは、シート全体を加
熱し、接着層を熱活性(粘着性の発現または増大)さ
せ、被着体の所定位置に配置して被着体に圧着すること
ができる。圧着後、接着シート(接着層)が冷える様に
放置冷却し、溶融したポリエステルを固化(結晶化)さ
せ、接着操作を完了させることができる。接着層の接着
面は、通常ライナーで保護しておく。ライナーは、通
常、紙、プラスチックフィルム、またはこれら両者を積
層したフィルムから形成される。
【0050】本発明の接着剤に、本発明の効果を損なわ
ない限り、従来公知の添加剤を加えることができる。た
とえば、粘度調製剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、顔料、防黴剤、ガラスビーズ等の無
機粒子、粘着性ポリマーまたは非粘着性のゴム系ポリマ
ーからなる弾性微小球、熱架橋反応を促進するための触
媒等である。
【0051】
【実施例】熱架橋性の熱活性接着剤の実施例 実施例1〜5 各例の接着剤組成は、下記表1に示すとおりであった。
まず、粘着性ポリマーを含む溶液(溶媒は、酢酸エチル
=85質量%/メチルエチルケトン=15質量%の混合
溶媒;不揮発分濃度=30質量%)と、ポリカプロラク
トンを含むトルエン溶液(不揮発分濃度=20質量%)
と、熱架橋成分を混合し、各例の接着剤溶液を形成し
た。この溶液を、剥離フィルム(PETフィルム)上に
塗布、80℃オーブン中で20分間乾燥し、剥離フィル
ムの上に、40μmの厚さの熱活性接着剤からなる接着
フィルムを形成した。すべての実施例の接着フィルムで
は、25℃では粘着性(フィンガータックテストによ
る)を持たないことが確認された。
【0052】
【表1】
【0053】なお、表1中にPSA−1、PSA−2及
びPSA−3の記号で示される、各例の粘着性ポリマー
は、分子内にフェノキシ基を有するモノマー(記号PE
A;フェノキシエチルアクリレート:大阪有機化学工業
株式会社製「ビスコート(商標)#192」)と、分子
内にフェノキシ基とヒドロキシ基とを有するモノマー
(記号HPPA;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロ
ピルアクリレート:東亜合成化学工業株式会社製「アロ
ニクス(商標)M−5700」)を必須基本成分として
含有し、以下に示す追加成分を含んでなる出発モノマー
を、上記混合溶媒中にて溶液重合して調製した共重合体
であった。また、各粘着性ポリマーの組成は以下のとお
りであった。 ・粘着性ポリマーの組成 PSA−1:PEA/HPPA/BA/AA(55:1
5:25:5質量比) PSA−2:PEA/HPPA/BA/GMA(63:1
5:19:3質量比) PSA−3:PEA/HPPA/BA/GMA(55:1
5:25:5質量比) ・追加成分: BA: n-ブチルアクリレート(東亜合成化学工業株式
会社製) AA: アクリル酸(和光純薬工業株式会社製) GMA: グリシジルメタクリレート(三菱化学工業株式
会社製、「アクリエステル(商標)G」)
【0054】また、ポリカプロラクトン、熱架橋成分お
よび触媒の詳細は、以下のとおりであった。 ・ポリカプロラクトン(記号PCL):プラクセル(商
標)H7(ダイセル化学株式会社製)、分子量=70,
000〜100,000) ・熱架橋成分: −エポキシ樹脂(記号DER332) Dow Chemical社製(品番)DER332、ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、エポキシ当量=172〜1
76 −カルボキシルロジン(記号KE−604):荒川化学
工業株式会社製(品番)KE−604、酸価=238 −イソシアネート系架橋剤(記号L45:日本ポリウレ
タン株式会社製、コロネート(商標)L45 −イソシアネートの反応触媒(記号DBT):ジラウリ
ン酸ジブチルすず(4.5質量%のトルエン溶液として
添加。)
【0055】この様にして得られた各例の接着フィルム
について、接着力(剥離強度)および半田耐熱性を以下
の様にして評価した。評価結果を表1に示す。 <接着力>各例の接着フィルムを25μmポリイミドフ
ィルムに、80℃、約0.2MPaでニップしてラミネ
ートし、10mm×50mmの試験片を作成した。各例
の試験片を、ガラスエポキシ板(表1の記号GE)、及
びステンレス板(表1の記号SUS-304)に、10
0℃、20kg/cm2で(約2MPa)、1分間圧着し
た時の接着力(初期接着力)を測定した。測定条件は、
50mm/分の剥離速度、180°の剥離方向であっ
た。また、各例同様にして圧着した後、150℃、1時
間加熱して架橋させた時の接着力(架橋接着力)も同様
にして測定した。いずれの例でも、初期接着力、架橋接
着力ともに500g/cm以上の高接着力を示した。
【0056】<半田耐熱性>接着力の評価の時と同様に
して、試験片を作成し、ガラスエポキシ(GE)板及び
ステンレス(SUS−304)板に圧着した。ただし、
試験片寸法は、20mm×25mmであった。板付き試
験片を100℃、1時間加熱して熱架橋させた後、26
0℃の半田浴の上に1分間置き、接着フィルムからの発
泡の有無を観察し、半田耐熱性を評価した。まったく発
泡が見られなかった場合を「合格」とし、発泡が観察さ
れた場合には「NG」とした。各例ともに、熱架橋させ
ることにより、高い半田耐熱性を示すことが分かった。
【0057】比較例1 粘着性ポリマーとして、PEA:HPPA=90:10
[モル比]の組成の共重合体を用い、粘着性ポリマー7
0重量部(不揮発分)と、ポリカプロラクトン30重量
部(不揮発分)とを混合して接着剤を調製した以外は、
実施例1と同様にして本例の接着フィルムを作製した。
実施例1と同様にして半田耐熱性を評価したところ、対
SUS、対GEともにNGであった。これは、粘着性ポ
リマーが架橋していなかったためである。
【0058】光架橋性の熱活性接着剤の実施例 実施例6及び7 粘着性ポリマーの種類と、接着剤組成(配合)を変えた
以外は、実施例1と同様にして各例の接着フィルムを作
製した。各例の接着剤組成は、表2に示すとおりであっ
た。
【表2】
【0059】なお、粘着性ポリマー(Polymer1〜5)
は、表3に示すモノマー組成を用い、アクリル共重合体
からなる粘着性ポリマーを、通常の溶液重合法で調製し
た。重合方法の詳細は次のとおりであった。モノマー混
合物150質量部、酢酸エチル297.5質量部、ME
K52.5質量部を攪拌機、還流冷却管、温度計及び窒
素ガス吹き込み口が取り付けられた反応容器に投入し、
重合開始剤の2,2'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)0.75質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下
45℃で5時間重合反応を行い、不揮発分30質量%の
アクリル共重合体溶液を調製した。なお、表3中の記号
ABPおよびIOAは、それぞれ「アクリロイルベンゾ
フェノン」および「イソオクチルアクリレート」であ
り、他の記号の意味は上記と同じである。
【0060】
【表3】
【0061】上記の様にして調製したアクリル系ポリマ
ー溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして接着フィ
ルムを作製した。各例の接着フィルムを、次の様にして
光架橋した以外は、実施例1と同様にして試験片を作製
した。接着剤フィルムを、25μm厚のPETフィルム
と2.5mm厚のポリエーテルイミド板の間に、実施例1
と同様にして加熱ラミネートし、得られた積層体に、P
ETフィルム側から、80W/cmの高圧水銀灯を用い
て、照射積算量2,000mj/cm2の紫外線を照射し、各
例の試験片を作製した。各例の接着フィルムとも、25
℃では粘着性(フィンガータックテストによる)を持た
ないことが確認された。
【0062】耐熱性は、試験片を100℃のオーブンに
1時間放置した後、接着フィルムからの発泡の有無を観
察して評価した。比較として、紫外線を照射しなかった
ものを同様に評価した。その結果、各例ともに、光架橋
させることにより発泡が抑えられることが分かった。こ
れは、紫外線照射により、接着剤の凝集力が増すためで
ある。なお、比較的吸湿性の高いポリエーテルイミド板
で被覆された積層体の状態であっても発泡しないこと
は、耐熱性が非常に高いと判定できる。また、実施例1
と同様にして、初期接着力(ポリエーテルイミド板と接
着フィルムとの界面での剥離強度)を測定した。各評価
結果を表2に示す。
【0063】実施例8〜15 粘着性ポリマーの種類と、接着剤組成(配合)を変えた
以外は、実施例6と同様にして各例の接着フィルムを作
製した。ただし、紫外線照射は、剥離フィルム上の接着
フィルムに対して行った。各例の接着剤組成は、表4〜
5に示すとおりであった。
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】また、各例で用いた粘着性ポリマーは、実
施例6と同様にして調製した。粘着性ポリマー「Polyme
r2〜4」の組成は上記表3に示すとおりである。な
お、実施例8〜15で初めて使用した成分の詳細は、以
下のとおりである。 ・記号DYCY:Dicyandiamide(Type-2000、日本カー
バイド工業株式会社製)、5質量%メタノール溶液とし
て入手し、使用した。 ・記号DDS:4,4'-diaminodiphenyl sulfone (Merc
k Co.製)、20質量%メチルエチルケトン溶液として
入手し、使用した。 ・記号UR-2T:エポキシ樹脂硬化促進剤 (商標:Ami
cure UR-2T、Omicron Chemical Inc.製)、1.25wt% メ
タノール溶液として入手し、使用した。 ・記号IOA:イソオクチルアクリレート
【0067】実施例16 開始剤官能基を持たないアクリル共重合体(Polymer
5)を用いた以外は、実施例6と同様にして本例の接着
フィルムを作製した。接着剤組成は、表6に示すとおり
であった。 実施例17 紫外線を照射しなかった以外は、実施例9と同様にして
本例の接着フィルムを作製した。接着剤組成は、表6に
示すとおりであった。 比較例2 紫外線を照射しなかった以外は、実施例2と同様にして
本例の接着フィルムを作製した。接着剤組成は、表6に
示すとおりであり、本例の接着剤には、熱架橋成分が含
まれない。
【0068】接着フィルムの評価 実施例8〜17、及び比較例2で得られた各例の接着フ
ィルムについて、接着剤はみだし、接着力(剥離強度)
および半田耐熱性を評価した。評価結果を表4〜6に示
す。なお、接着剤はみだしの評価は以下に示す方法で行
い、それ以外の評価は、実施例1と同様にして行った。
接着剤はみだしの評価は、半田耐熱性評価の場合と同様
にして、試験片を作製し、SUS−304板に圧着した際に、
試験片の4辺からはみ出した接着剤の幅を測定し、それ
らの平均を求めた。実施例8〜15において、紫外線照
射による光架橋により、加熱圧着時の接着剤のはみ出し
を0.2mm以下に抑えることができた。これは、実用
上まったく問題の無いレベルまで、接着剤はみだしを減
少させることができることを示している。
【0069】
【表6】
【0070】半田耐熱性の評価において、光架橋されな
い実施例16および17では、比較的吸湿性の低いSU
S−304板に接着した場合には十分な耐熱性を示した
が、比較的吸湿性の高いガラスエポキシ板に接着した場
合には、耐熱性評価はNG(不合格)となった。一方、
光架橋された実施例8〜15の接着フィルムでは、ガラ
スエポキシ板に接着した場合でも、耐熱性評価は合格で
あった。これは、前架橋(被着体に圧着する前の架橋)
が、半田耐熱性を高めるのに有利であることを示してい
る。また、実施例16および17の場合も、実施例1や
2の場合と同様に、イソシアネート架橋剤を併用する等
の改良により、耐熱性を効果的に高めることができる。
【0071】実施例18および比較例3 (実施例18)実施例1と同様にして、以下に示す成分
を含んでなる出発モノマー溶液を用い、溶液重合し、粘
着性ポリマーを含有する溶液を得た。このポリマー溶液
に、架橋剤としてイソフタロイルビス(2−メチルアジ
リジン)を添加した後、50μm厚の剥離フィルム(剥
離面を有するPETフィルム)上に塗布し、100℃の
オーブン中で20分間乾燥し、本例の接着剤組成物から
なる接着層(厚さ30μm)を得た。その接着層に13
5μmのアルミ箔を加熱せずに常温で圧着し、支持体と
してのアルミ箔に接着層を転写、固定し、本例の接着剤
組成物からなる接着層(感圧性接着剤の層)を有する、
感圧接着フィルムを形成した。 ・粘着性ポリマーの組成(記号は前掲のものと同じ) PEA/HPPA/BA/AA (30:15:50:
5質量比) 架橋剤:粘着性ポリマー=0.2:100(質量比) 本例の感圧接着フィルムから、30mm×10mmの試
験片を作成し、下記の様にして熱間保持力を評価した。 (比較例3)ソオクチルアクリレート−アクリル酸共重
合体(組成;IOA:AA=90:10 質量比)から
なる粘着性ポリマーを用いた以外は、実施例18と同様
にして感圧接着フィルムを形成し、この感圧接着フィル
ムから実施例18と同様にして試験片を作成し、下記の
様にして熱間保持力を評価した。
【0072】<熱間保持力>まず、各試験片から剥離フ
ィルムを除去し、接着面に、135μmのアルミ箔から
なる被着体を加熱せずに常温で圧着(2kgのローラー
2往復)して形成した積層体を用意した。なお、接着面
積は、10mm×10mmとした。次に、上記試験片の
未接着部分が、接着部分よりも鉛直方向下側になる様に
し、この未接着部分にクリップで1.5Kgの質量のお
もりを取り付け、上記積層板を80℃のオーブン中に吊
るした。この状態で、被着体から接着フィルムが完全に
剥がれ落ちるまでの時間を測定し、その時間(分)をも
って熱間保持力の評価値とした。実施例18の接着フィ
ルムの熱間保持力は、25,000分以上であった(2
5,000分経過しても剥がれ落ちなかった)。これに
対し、比較例3の接着フィルムでは、粘着性ポリマーが
架橋されているのにもかかわらず、80℃のオーブン中
に吊るした後196分で、被着体から接着フィルムが剥
がれ落ちた。
【0073】実施例19 出発モノマーの組成を以下に示すように変更した以外
は、実施例18と同様にして、粘着性ポリマーを調製
し、本例の接着剤組成物からなる接着層を有する感圧接
着フィルムを形成した。 ・粘着性ポリマーの組成(記号は前掲のものと同じ) PEA/HPPA/BA/AA (55:15:25:
5質量比) 本例の感圧接着フィルムについて、実施例18と同様に
して熱間保持力を評価した。本例の接着フィルムの熱間
保持力は、25,000分以上であった。
【0074】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解できる様に、
本発明の接着剤組成物は、感圧性接着剤としても利用で
き、ポリエステル等の追加成分を加えるだけで、熱活性
接着剤としても利用できるので、非常に便利である。ま
た、本発明による感圧性接着剤は、従来のものに比べて
耐熱性を改良でき、熱間保持力を効果的に高めることが
できる。さらに、本発明によれば、タックフリーの接着
フィルムの形成が可能で、従来の粘着フィルムがかかえ
る問題を解決でき、かつ、高い接着力と耐熱性とを併せ
持つ、熱活性接着剤を提供することができる。したがっ
て、本発明の接着剤は、電気用途で用いられる接着フィ
ルムの構成材料として、最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川手 恒一郎 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 今村 健吾 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 4J040 BA202 CA071 CA072 CA081 CA082 DF041 DF042 DF061 DF062 EC062 EC072 ED011 ED012 EF001 EF002 EF152 EK031 EK032 GA05 GA07 GA11 GA32 HB19 HC01 HC12 HC18 HC22 JA09 JB01 JB02 JB07 JB08 JB09 KA13 KA16 KA17 LA01 LA06 LA08 NA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着性ポリマーと、熱架橋成分とを含ん
    でなる接着剤組成物において、 前記粘着性ポリマーが、分子内に(a)ヒドロキシ基
    と、(b)フェニル基と、(c)前記熱架橋成分と反応
    する架橋官能基とを有するポリマーを含んでなることを
    特徴とする、接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の接着剤組成物と、ポリ
    エステルとを含有する、熱活性接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルがポリカプロラクトン
    である、請求項2に記載の熱活性接着剤。
  4. 【請求項4】 前記粘着性ポリマーが、さらに、d)ラ
    ジカル光開始剤として機能する開始剤官能基をさらに含
    んでなる、請求項2に記載の熱活性接着剤。
  5. 【請求項5】 粘着性ポリマーを含んでなる接着剤組成
    物において、 前記粘着性ポリマーが、分子内に(I)ヒドロキシ基
    と、(II)フェニル基と、(III)ラジカル光開始剤と
    して機能する開始剤官能基とを有するポリマーを含んで
    なり、光架橋性を有することを特徴とする、接着剤組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の接着剤組成物と、ポリ
    エステルとを含有する、光架橋性熱活性接着剤。
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