JP2000144079A - 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

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JP2000144079A
JP2000144079A JP10328174A JP32817498A JP2000144079A JP 2000144079 A JP2000144079 A JP 2000144079A JP 10328174 A JP10328174 A JP 10328174A JP 32817498 A JP32817498 A JP 32817498A JP 2000144079 A JP2000144079 A JP 2000144079A
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Motohiro Yagi
元裕 八木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱溶融時の安定性に優れており、活性エネ
ルギー線の照射により硬化し、硬化後、優れた接着強度
耐熱性及び耐水性等を発現し、特殊な製造設備や包装材
料を必要としない反応性ホットメルト接着剤組成物を得
る。 【解決手段】 カチオン重合性化合物と、活性エネルギ
ー線の照射により本組成物を硬化させる得る有効量のカ
チオン重合開始剤として、6フッ化リンを対アニオンと
して有する芳香族スルホニウム塩が含有されている反応
性ホットメルト接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融状態で塗
布され、活性エネルギー線の照射により硬化が進行する
反応性ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いた接着
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製本、包袋、繊維加工、木
工、弱電、輸送等の各種工業分野において、紙、繊維、
木材、ガラス、プラスチック、金属等の各種被着体を接
着するためにホットメルト接着剤組成物が広く用いられ
ている。
【0003】ホットメルト接着剤組成物による接着に際
しては、アプリケーター内においてホットメルト接着剤
組成物を通常100〜200℃程度の温度で加熱溶融し
た後、溶融状態にあるホットメルト接着剤組成物を被着
体に塗工し、被着体同士を貼り合わせる。次いで、ホッ
トメルト接着剤組成物の冷却固化により、被着体同士が
接着され、接着強度が発現する。
【0004】ホットメルト接着剤組成物の場合、冷却固
化により接着強度が速やかに高まるため、被着体を貼り
合わせてから十分な接着強度を発現するまでの時間が通
常1分以内と非常に短い。従って、短時間で接着作業を
完了することができるという利点がある。
【0005】しかし、ホットメルト接着剤組成物は、冷
却固化によって接着強度を発現するため、一旦被着体同
士が接着されても、その接着物を高温雰囲気下に放置す
ると、ホットメルト接着剤組成物が軟化もしくは溶融し
て接着強度が著しく低下するという問題点、即ち耐熱性
が乏しいという問題点があった。
【0006】上記問題点に対応するため、種々の試みが
なされており、例えば、特公昭51−30898号公報
では、「ウレタンプレポリマー20〜73重量%、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体2〜25重量%及び特定の粘
着性付与物質25〜55重量%からなる反応性ホットメ
ルト接着剤組成物」が提案されている。
【0007】上記提案による反応性ホットメルト接着剤
は、空気中の湿気によってウレタンプレポリマーが化学
的架橋を形成するため、高温雰囲気下においても優れた
接着強度、即ち優れた耐熱性を発現する。
【0008】しかし、その反面、空気中の湿気によって
ウレタンプレポリマーの化学的架橋が進行するため、製
造時や包装時等に湿気を遮断する必要があり、特殊な製
造設備や包装材料を用いる必要があるという問題点があ
る。
【0009】上記湿気硬化型ホットメルト接着剤の問題
点に対応するため、例えば、特開平6−306346号
公報では、「約2〜95部のエポキシ含有材料と約98
〜5部のポリエステル成分とからなる組成物に対し、こ
の組成物を放射線硬化させるための光開始剤及びヒドロ
キシル含有材料が含有されてなる反応性ホットメルト接
着剤組成物」が提案されている。
【0010】上記提案によるホットメルト接着剤組成物
は、湿気硬化型ではないので湿気を遮断する必要がな
く、また、放射線硬化型であるので架橋を形成させるた
めの加熱等が必要ないという利点を有するものの、接着
強度や耐熱性や耐水性等が不十分であり、実用性に乏し
いという問題点がある。
【0011】上述したように、優れた接着強度や耐熱性
や耐水性等を発現し、且つ、特殊な製造設備や包装材料
等を用いる必要のないホットメルト接着剤組成物は実用
化されていないのが現状である。
【0012】また、ホットメルト接着剤では、その使用
に際して、アプリケーター内において通常100〜20
0℃程度の温度で加熱溶融される。従って、加熱溶融時
の安定性に優れていること、すなわち加熱溶融時に増粘
やゲル化などの性状変化が起こりにくく、長時間の加熱
溶融塗工作業が可能であることが強く望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するために、活性エネルギー線の照射によ
り硬化が進行し、硬化後は優れた接着強度や耐熱性や耐
水性等の諸物性を発現し、且つ、特殊な製造設備や包装
材料等の使用を必要とせず、さらに、加熱溶融時の安定
性に優れている反応性ホットメルト接着剤組成物、及
び、この反応性ホットメルト接着剤組成物を用いた接着
方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、カチオン重合
性化合物と、活性エネルギー線の照射により本組成物を
硬化させ得る有効量のカチオン重合開始剤として6フッ
化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩
とを含むことを特徴とする。
【0015】請求項2に記載の発明では、カチオン重合
性化合物としてエポキシ化合物が用いられる。請求項3
に記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物
は、ポリカーボネートをさらに含むことを特徴とする。
【0016】請求項4に記載の発明に係る接着方法は、
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶
融し、溶融状態で被着体の少なくとも一方に塗工し、被
着体同士の貼り合わせ前もしくは貼り合わせ後に、塗工
された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギ
ー線を照射し、被着体同士を圧着することを特徴とす
る。
【0017】以下、本発明の詳細を説明する。本発明に
係る反応性ホットメルト接着剤組成物に用いられている
上記カチオン重合性化合物については、カチオン重合に
より高分子量化し得る部分を有する任意の有機化合物を
いうものとし、特に限定されるものではない。
【0018】上記カチオン重合性化合物の構造は、脂肪
族、脂環族、芳香族等のいずれの構造であっても良く、
特に限定されるものではない。また、その形態は、モノ
マー状、オリゴマー状、ポリマー状等のいずれの形態で
あっても良く、特に限定されるものではない。
【0019】上記カチオン重合性化合物の形状は、常温
において、液状、半固形状、固形状等のいずれの形状で
あっても良いが、環球式測定法による軟化点が40〜2
00℃であるものが好ましい。
【0020】カチオン重合性化合物の上記軟化点が40
℃未満であると、得られる反応性ホットメルト接着剤組
成物が常温で液状となり、ホットメルト接着剤組成物と
しての形状を示さなくなることがあり、逆にカチオン重
合性化合物の上記軟化点が200℃を超えると、得られ
る反応性ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度が高くな
り過ぎて、被着体への塗工が困難となることがあり、塗
工性を向上させるために溶融塗工温度を上げると、反応
性ホットメルト接着剤組成物が熱劣化を起こし易くなる
ことがある。
【0021】また、上記カチオン重合性化合物は、沸点
が200℃以上であるものが好ましい。沸点が200℃
未満であると、得られる反応性ホットメルト接着剤組成
物を加熱溶融する時に揮発してしまう恐れがある。
【0022】また、上記カチオン重合性化合物は、結晶
性を有していても良いし、結晶性を有していなくても良
いが、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物を溶融
塗工した後のタックフリータイムを短くしたり、被着体
同士を接着した後の初期強度の発現を速くしたい場合に
は、40℃以上の融点を有する結晶性のカチオン重合性
化合物を用いることが好ましい。ここで結晶性とは、示
差走査熱量計(DSC)による測定で結晶融点を示すも
のを言う。
【0023】さらに、常温で硬化し得る反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を得たい場合には、カチオン重合性化
合物のガラス転移温度は20℃以下であることが好まし
い。このようなカチオン重合性化合物としては、特に限
定されるものではないが、例えば、エポキシ化合物やオ
キセタン化合物やオキソラン化合物等のような環状エー
テル化合物、環状エステル化合物、ビニルエーテル化合
物、プロペニルエーテル化合物等が挙げられ、好適に用
いられる。
【0024】上記カチオン重合性化合物は単独で用いら
れてもよく、2種以上併用されてもよい。上記カチオン
重合性化合物としては、エポキシ化合物が好適に用いら
れる。エポキシ化合物を用いることにより、硬化後の接
着強度や耐熱性などの諸物性を効果的に高めることが可
能となる。
【0025】エポキシ化合物とは、カチオン重合によっ
て重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を有する有
機化合物を言う。上記エポキシ化合物中のエポキシ基の
数は、1分子当たり1個以上であることが好ましく、1
分子当たり2個以上であることがより好ましい。ここで
1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ化合物中の
エポキシ基の総数をエポキシ化合物中の分子の総数で除
算して求められる。
【0026】さらに、上記エポキシ化合物がポリマーの
場合には、その重量平均分子量は50〜100000程
度のものであることが好ましく、また、常温で硬化し得
る反応性ホットメルト接着剤組成物を得たい場合には、
エポキシ化合物のガラス転移温度は20℃以下であるこ
とが好ましい。
【0027】上記エポキシ化合物としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェ
ノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族
エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物や臭素化物;3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−
2−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エポキシ−2
−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,
4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス
(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル)アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサ
ノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポキシシク
ロペンチル)エーテル、商品名「EHPE−3150」
(軟化点71℃、ダイセル化学工業社製)等のような脂
環式エポキシ樹脂;1,4−ブタンジオールのジグリシ
ジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジ
ルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭素数が2
〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポ
リオキシアルキレングリコールやポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポリグリシ
ジルエーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂;フタル酸
ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエス
テル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サリチル酸
のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、ダイマー
酸グリシジルエステル等のようなグリシジルエステル型
エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;トリグリシジル
イソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,N′−ジ
グリシジル誘導体、p−アミノフェノールのN,N,O
−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノールのN,
N,O−トリグリシジル誘導体等のようなグリシジルア
ミン型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;グリシジ
ル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢酸ビニル、
(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重合性モノマ
ーとの共重合体;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ
化SBS等のような、共役ジエン化合物を主体とする重
合体またはその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重
結合をエポキシ化したもの;上記各種エポキシ化合物の
構造中にウレタン結合やポリカプロラクトン結合を導入
したウレタン変性エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変
性エポキシ樹脂;上記各種エポキシ化合物にNBR、C
TBN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を
含有させたゴム変性エポキシ樹脂等、従来公知の各種エ
ポキシ化合物が挙げられ、好適に用いられる。
【0028】上記エポキシ化合物は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。上記エポキ
シ化合物のなかでも、例えば2個以上の芳香族核を有す
る多価フェノールのポリグリシジルエーテル並びにその
水添化物や臭素化物のような芳香族エポキシ樹脂類、す
なわちこれらの芳香族エポキシ樹脂の変成物が特に好適
に用いられる。このようなエポキシ化合物を用いること
により、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物に特
に優れた接着強度や耐熱性や耐水性等の諸物性を付与す
ることが可能となる。
【0029】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物では、好ましくは、ポリカーボネートが含有され
る。ポリカーボネートとは、下記一般式(1)で表され
る繰り返し単位を有する高分子化合物を言い、一般的に
は、ビスフェノールAとホスゲンとを溶液法で重縮合反
応させて得られる。
【0030】
【化1】
【0031】(式中、Rは直鎖状または分岐状の炭化水
素基を示し、nは正の整数を示す)上記ポリカーボネー
トの構造は、脂肪族、脂環族、芳香族等のいずもの構造
であっても良く、特に限定されるものではない。
【0032】また、上記ポリカーボネートの形状は、常
温において、液状、半固形状、固形状等のいずれの形態
であっても良いが、環球式測定法による軟化点が40〜
200℃であるものが好ましい。
【0033】ポリカーボネートの上記軟化点が40℃未
満であると、前述したエポキシ化合物と配合した時に常
温で液状となり、ホットメルト接着剤組成物としての形
状を示さなくなることがあり、逆にポリカーボネートの
上記軟化点が200℃を超えると、得られる反応性ホッ
トメルト接着剤組成物の溶融粘度が高くなり過ぎて、被
着体への塗工が困難となることがあり、塗工性を向上さ
せるために溶融塗工温度を上げると、反応性ホットメル
ト接着剤組成物が熱劣化を起こし易くなることがある。
【0034】また、上記ポリカーボネートは、結晶性を
有していても良いし、結晶性を有していなくても良い
が、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物を溶融塗
工した後のタックフリータイムを短くしたり、被着体同
士を接着した後の初期強度の発現を速くしたい場合に
は、DSCで測定した融点が40℃以上である結晶性の
ポリカーボネートを用いることが好ましい。
【0035】さらに、上記ポリカーボネートの重量平均
分子量は200〜100000程度のものであることが
好ましく、また、常温で硬化し得る反応性ホットメルト
接着剤組成物を得たい場合には、ポリカーボネートのガ
ラス転移温度は20℃以下であることが好ましい。
【0036】上記ポリカーボネートとしては、特に限定
されるものではないが、例えば、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、α−メチルブタンジ
オール、α−ジメチルブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、
3−メチルペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、シクロブタン−1,3
−ジ(2′−エタノール)、1,4−ジヒドロキシシク
ロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、炭素数が2〜9個(好ま
しくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキシアル
キレングリコールやポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール等を含む長鎖ジオール、フタリルアルコール、p−
キシレングリコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、
ジヒドロキシナフタレン、ビスフェーノルA並びにその
誘導体等のようなジオール類とホスゲンとを重縮合反応
させて得られるポリカーボネート;上記ジオール類と炭
酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジイ
ソプロピル、炭酸ジブチル、エチルブチル炭酸、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジフェ
ニル、炭酸ジベンジル等のような炭酸ジエステル類とを
エステル交換縮合させて得られるポリカーボネート;上
記ジオール類を2種以上併用して得られる共重合ポリカ
ーボネート;上記各種ポリカーボネートとカルボキシル
基含有化合物とをエステル化反応させて得られるポリカ
ーボネート;上記各種ポリカーボネートとヒドロキシル
基含有化合物とをエーテル化反応させて得られるポリカ
ーボネート;上記各種ポリカーボネートとエステル化合
物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネー
ト;上記各種ポリカーボネートとヒドロキシル基含有化
合物とをエステル交換反応させて得られるポリカーボネ
ート;上記各種ポリカーボネートとジカルボン酸化合物
とを重縮合反応させて得られる変成ポリエステル系ポリ
カーボネート;上記各種ポリカーボネートとアルキレン
オキサイドとを共重合させて得られる共重合ポリエーテ
ル系ポリカーボネート等、従来公知の各種ポリカーボネ
ートが挙げられ、好適に用いられる。
【0037】上記ポリカーボネートは、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。上記ポリ
カーボネートの配合量は、必要とされる硬化速度や接着
強度、耐熱性や耐水性等に対応して適宜設定されれば良
く特に限定されるものではないが、一般的には、前記カ
チオン重合性化合物100重量部に対し、ポリカーボネ
ート5〜1000重量部であることが好ましく、10〜
500重量部であることがより好ましい。
【0038】カチオン重合性化合物100重量部に対す
るポリカーボネートの配合量が5重量部未満であると、
接着強度や耐熱性や耐水性等の向上効果を十分に得られ
ないことがあり、逆にカチオン重合性化合物100重量
部に対するポリカーボネートの配合量が1000重量部
を超えると、接着強度や耐熱性や耐水性等が却って低下
する。
【0039】反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶
融状態で被着体の一方または両方に塗工し、被着体同士
の貼り合わせ前に、塗工された反応性ホットメルト接着
剤組成物に活性エネルギー線を照射し、被着体同士を圧
着する場合の作業性を向上させるために、活性エネルギ
ー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成物の硬
化の進行を上記接着作業が支障なく行える程度に遅延さ
せる必要がある場合や、接着強度や耐熱性や耐水性等を
向上させる必要がある場合には、1分子当たり1個以上
(好ましくは2個以上)の脂肪族ヒドロキシル基を有す
るポリカーボネートを用いても良い。ここで1分子当た
りの脂肪族ヒドロキシル基の数は、ポリカーボネート中
の脂肪族ヒドロキシル基の総数をポリカーボネート中の
分子の総数で除算して求められる。
【0040】上記のように、ポリカーボネートとして、
脂肪族ヒドロキシル基を有するポリカーボネートを用い
ることにより、被着体同士を圧着する場合の作業性の向
上、可使時間の延長、接着強度、耐熱性及び耐水性の向
上を図ることができる。このような脂肪族ヒドロキシル
基を有するポリカーボネートとしては、例えば、ポリカ
ーボネートの原料として用いられる脂肪族ジオールや長
鎖脂肪族ジオールなどとホスゲンとを重縮合させて得ら
れる脂肪族ヒドロキシル基含有ポリカーボネート;脂肪
ジオールや長鎖脂肪族ジオールなどと炭酸ジエステル類
とをエステル交換縮合させて得られる脂肪族ヒドロキシ
ル基含有ポリカーボネート;脂肪族ジオールや長鎖脂肪
族ジオールなどを2種以上併用して得られる共重合ポリ
カーボネート;ポリカーボネートと脂肪族ヒドロキシル
基含有化合物とをエーテル化反応させて得られる脂肪族
ヒドロキシル基含有ポリカーボネート;ポリカーボネー
トと脂肪族ヒドロキシル基含有化合物とエステル交換反
応させて得られる脂肪族ヒドロキシル基含有ポリカーボ
ネート;ポリカーボネートとアルキレンオキサイドとの
共重合ポリエーテルなどを挙げることができる。
【0041】脂肪族ヒドロキシル基を有するポリカーボ
ネートの具体例としては、特に限定されるものではない
が、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ
(3−メチルペンテンカーボネート)ジオール、ポリプ
ロピレンカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールと3−メチルペンテンジオールとからなるポリカー
ボネートジオール、1,9−ノナンジオールと2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールとからなるポリカーボネ
ートジオール、並びにこれらの共重合物や混合物などが
挙げられる。
【0042】上記脂肪族ヒドロキシル基含有ポリカーボ
ネートは、単独で用いられてもよく、2種以上併用され
てもよい。上記脂肪族ヒドロキシル基含有ポリカーボネ
ートの配合割合は、必要とされる硬化速度、接着強度、
耐熱性、耐水性などに応じて適宜設定されればよく、特
に限定されるものではないが、上記一般的なポリカーボ
ネートの場合と同様の理由により、カチオン重合性化合
物100重量部に対し、5〜1000重量部が好まし
く、より好ましくは10〜500重量部される。
【0043】また、脂肪族ヒドロキシル基を有するポリ
カーボネートの配合量は、本発明に係る反応性ホットメ
ルト接着剤組成物中のカチオン重合性基の数に対する脂
肪族ヒドロキシル基の数の比が0.01/1〜10/1
となるような量であることが好ましく、より好ましくは
0.1/1〜3/1の割合とされる。上記カチオン重合
性基の数に対する脂肪族ヒドロキシル基の数の比が10
/1を超えると、反応性ホットメルト接着剤組成物の耐
熱性が不十分となることがある。
【0044】活性エネルギー線を照射された反応性ホッ
トメルト接着剤組成物の硬化の進行を遅延させる必要が
ない場合や、接着強度や耐熱性や耐水性等を向上させる
必要がない場合には、上記脂肪族ヒドロキシル基を有す
るポリカーボネート中のヒドロキシル基は置換フェノー
ル、脂肪族ヒドロキシル化合物、カルボン酸化合物等に
よりエステル化もしくはエーテル化され封止されていて
も良い。
【0045】また、活性エネルギー線を照射された反応
性ホットメルト接着剤組成物の硬化の進行を促進させる
必要がある場合や、接着強度や耐熱性や耐水性等を特に
向上させる必要がある場合には、1分子当たり1個以上
(好ましくは2個以上)のエポキシ基を有するポリカー
ボネートを用いても良い。ここで1分子当たりのエポキ
シ基の数は、前記エポキシ化合物の場合と同様の方法で
求められる。
【0046】さらに、上記ポリカーボネートは、反応性
ホットメルト接着剤組成物の貯蔵時や加熱溶融塗工時等
に、前記エポキシ化合物中のエポキシ基と反応を起こし
得るような、例えば芳香族ヒドロキシル基や(無水)カ
ルボキシル基等のような官能基を有さないものであるこ
とが好ましく、また、カチオン重合の進行を過度に抑制
して反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化を阻害する
ような、例えばアミノ基等のような官能基を有さないも
のであることが好ましい。
【0047】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物で用いられるカチオン重合開始剤は、6フッ化リン
を対アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩であ
る。上記芳香族スルホニウム塩をカチオン重合開始剤と
して含有させることにより、反応性ホットメルト接着剤
組成物は、200〜400nmの波長の光を含む活性エ
ネルギー線の照射により速やかに硬化が進行し得るもの
となり、かつ反応性ホットメルト接着剤組成物を保存す
る際の貯蔵安定性や反応性ホットメルト接着剤組成物を
製造したり加熱溶融塗工したりする際の加熱時安定性等
が高められる。
【0048】カチオン重合開始剤として有効な上記6フ
ッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム
塩は、例えば、米国特許第4,256,828号公報、
特開平6−306346号公報などに開示されている。
【0049】上記カチオン重合開始剤は、紫外領域以外
の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや着色
芳香族多環式炭化水素などの公知の増感剤を併用するこ
とにより、近視外領域や可視光領域の光でもカチオンを
生成する。
【0050】カチオン重合開始剤の有効な配合量は、活
性エネルギー線の種類や強度、カチオン重合性化合物及
び必要に応じて含有されるポリカーボネートの種類や配
合量、カチオン重合開始剤の種類等によって異なり、特
に限定されるものではないが、一般的には、カチオン重
合性化合物100重量部またはカチオン重合性化合物及
びポリカーボネートの合計量100重量部に対し、カチ
オン重合開始剤0.01〜10重量部であることが好ま
しく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。
【0051】カチオン重合開始剤の配合量が0.01重
量部未満であると、反応性ホットメルト接着剤組成物に
活性エネルギー線を照射しても硬化が十分に進行しない
ことがあり、逆にカチオン重合開始剤の添加量が10重
量部を超えると、活性エネルギー線を照射された反応性
ホットメルト接着剤組成物の硬化が速くなり過ぎて、タ
ックフリータイムが短くなり過ぎ、被着体同士を貼り合
わせるのが困難となることがある。
【0052】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、活性エネルギー線を照射された後の硬化の進行
を遅延させたり、溶融粘度を低下させるための脂肪族ヒ
ドロキシル化合物、ホットメルト接着剤としての形状を
付与するための熱可塑性樹脂、各種被着体に対する接着
強度を向上させるための密着性向上剤、接着強度の向上
や溶融粘度の調整あるいは増量による低コスト化等のた
めの充填材、補強材、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、揺
変剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、脱水剤、難燃剤、
帯電防止剤、発泡剤、防黴剤等の各種添加剤の1種もし
くは2種以上が含有されていても良い。
【0053】上記脂肪族ヒドロキシル化合物としては、
特に限定されるものではないが、例えば、ポリヒドロキ
シアルカン、アルキレングリコール、炭素数が2〜9個
(好ましくは2〜4個)のアルキレン基を含むポリオキ
シアルキレングリコールやポリテトラメチレンエーテル
グリコール等を含む長鎖ポリオール、ヒドロキシル基末
端ポリアルカジエン、ヒドロキシル基末端ポリエステ
ル、ヒドロキシル基末端ポリカプロラクトン、アクリル
ポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の(部分)
鹸化物、ポリビニルアルコール、ひまし油、ケトン樹
脂、キシレン樹脂、並びに、これらの脂肪族ヒドロキシ
ル化合物の共重合体や変性物等が挙げられ、これらの1
種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0054】上記ヒドロキシル化合物の配合量は、特に
限定されるものではないが、本組成物中のカチオン重合
性基の数に対する脂肪族ヒドロキシル基の数の比が0.
01/1〜10/1となるような量であることが好まし
く、0.1/1〜3/1となるような量であることがよ
り好ましい。上記カチオン重合性基の数に対する脂肪族
ヒドロキシル基の数の比が10/1を超えると、得られ
る反応性ホットメルト接着剤組成物の耐熱性が不十分と
なることがある。
【0055】熱可塑性樹脂としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のようなポリオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジエ
ン、スチレンブロック共重合体のようなブロックポリマ
ー;アクリル系共重合体;ポリエステル樹脂;ロジン系
樹脂、テルペン系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂等
のような粘着付与樹脂;ワックス類等、ホットメルト接
着剤組成物用として一般的に用いられている各種熱可塑
性樹脂が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好
適に用いられる。
【0056】密着性向上剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン等のようなシランカップリング剤;イソプロ
ピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピル
トリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、
テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チ
タネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファ
イト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメ
チル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイ
トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)
オキシアセテートチタネート、トリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)エチレンチタネート等のようなチタン
カップリング剤;各種アルミニウムカップリング剤等、
従来公知の各種密着性向上剤が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0057】充填材としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
クレー、タルク、アスベスト等のような無機充填材;レ
ーヨン、アクリル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維、炭
素繊維等のような繊維;ガラスバルーン、シラスバルー
ン等のような中空状充填材;尿素メラミン樹脂粉末、ア
クリル樹脂粉末、フェノール樹脂粉末等のような合成樹
脂粉末;木粉、果実穀粉等のような天然物粉末並びにこ
れらの表面処理物等、従来公知の各種充填材が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0058】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物に含有される上述の各種成分は、他の成分と均一に
相溶するものであることが好ましく、加熱溶融塗工時や
貯蔵時にエポキシ基のようなカチオン重合性基との反応
を起こし得るような、例えば芳香族ヒドロキシル基や
(無水)カルボキシル基等のような官能基を有さないも
のであることが好ましい。
【0059】また、上記各種成分は、加熱溶融塗工時や
活性エネルギー線照射時に分解や揮発を起こさないもの
であることが好ましく、硬化開始に必要な活性エネルギ
ー線を十分に透過し得るものであることが好ましい。
【0060】さらに、上記各種成分は、カチオン重合の
進行を過度に抑制して反応性ホットメルト接着剤組成物
の硬化を阻害するような、例えばアミノ基等のような官
能基を有さないものであることが好ましい。
【0061】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、配合
すべき各成分の所定量を均一に混練し得る限り、如何な
る方法を採用しても良いが、各成分が溶融し得る適度な
加熱条件下で製造する必要がある。また、製造に際して
の各成分の混練は無溶媒で行っても良く、例えば芳香族
炭化水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒
中で行っても良いが、不活性溶媒中で行った場合には、
混練後に減圧及び/または加熱により不活性溶媒を除去
する必要がある。具体的には、ダブルヘリカルリボン浴
もしくはゲート浴、バタフライミキサー、プラネタリミ
キサー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機、エク
ストルーダー型混練押出機等の1種もしくは2種以上を
用いて各成分の混練を行い得るが、各成分を混練する装
置については、これらに限定されるものではない。
【0062】上記製造において、各成分の水分含有量が
多いと、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物に活
性エネルギー線を照射した後の硬化の進行が阻害される
ことがあるので、必要に応じて、各成分中の水分を予め
除去しておくことが好ましい。水分を除去する方法とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、モレキ
ュラーシーブ等の混合による脱水、オーブンやヒーター
等による加熱脱水、減圧脱水等の方法が挙げられ、いず
れも好適に採用されるが、これらの方法に限定されるも
のではない。
【0063】また、各成分の混練は、通常、大気圧下で
行えば良いが、水分の混入を特に避けたい場合には、減
圧雰囲気下もしくは窒素ガスのような不活性ガス雰囲気
下で行うことが好ましい。
【0064】さらに、各成分の仕込み順序は、特に限定
されるものではないが、溶融時間を短縮したり、得られ
る反応性ホットメルト接着剤組成物の劣化を防止するた
めに、溶融し難い成分や溶融時の熱や機械的剪断力によ
り劣化を受け難いものから順に仕込むことが望ましい。
特に、カチオン重合開始剤は熱により分解もしくは劣化
し易いので、最後に仕込むことが望ましい。
【0065】尚、上記製造においては、硬化開始に有効
な活性エネルギー線を遮断した状態で行うことが必要で
ある。本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物の
貯蔵方法は、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断
し得る限り、特に限定されるものではないが、好ましい
貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カ
ートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール容器、紙
袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ箔をサンドイッ
チした複合フィルム)等のような硬化開始に有効な活性
エネルギー線に対して不透明な各種容器が挙げられ、好
適に用いられるが、これらの容器に限定されるものでは
なく、また、これらの容器の材質についても、活性エネ
ルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるものではな
い。
【0066】さらに、本発明による反応性ホットメルト
接着剤組成物は、貯蔵されることなく、製造直後に直ち
に使用されても勿論良い。次に、本発明による接着方法
は、上述した本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物
を加熱溶融し、溶融状態で被着体の一方または両方に塗
工し、被着体同士の貼り合わせ前もしくは貼り合わせ後
に、塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性
エネルギー線を照射し、被着体同士を圧着することによ
り接着を行う。
【0067】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融して塗工する方法としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケータ
ーやホットメルトコーター等を用いて、加熱溶融状態に
ある反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体の一方も
しくは両方に塗布する方法、加熱溶融状態にある反応性
ホットメルト接着剤組成物中に被着体の一方もしくは両
方を浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどを用い
て、加熱溶融状態にあるホットメルト接着剤組成物を被
着体の一方もしくは両方に噴霧する方法、押出機などを
用いて、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤
組成物を被着体の一方もしくは両方の表面に押出塗工す
る方法等が挙げられ、いずれの方法も好適に採用され
る。
【0068】また、接着層に柔軟性や遮音性等を付与す
るために、加熱溶融された反応性ホットメルト接着剤組
成物中に空気、窒素ガス、炭酸ガス等を混入して発泡さ
せ、所謂「フォームメルト」の状態で塗工しても良い。
上記フォームメルト用アプリケーターとしては、特に限
定されるものではないが、例えば、ノードソン社製の
「フォーメルトアプリケーター」が挙げられ、好適に用
いられる。
【0069】さらに、反応性ホットメルト接着剤組成物
は、ペールアンローダーやカートリッジディスペンサー
等を用いてホットメルトアプリケーター等の塗布装置へ
供給しても良いし、スティック、ペレット、スラッグ、
ブロック、ピロー、ビレット等の各種形状でホットメル
トアプリケーター等の塗布装置へ供給しても良い。
【0070】さらにまた、加熱溶融については、反応性
ホットメルト接着剤組成物全体を加熱溶融しても良い
し、加熱体の近傍のみで部分的に加熱溶融しても良い。
上記反応性ホットメルト接着剤組成物の塗工厚みは、所
望の接着強度が得られる厚みであれば良く、被着体の種
類や塗工方法等によって適宜設定されれば良いが、照射
した活性エネルギー線が接着剤層の内部まで十分に到達
し得る厚みであることが好ましい。
【0071】上記いずれの溶融塗工方法を用いる場合で
も、反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体に塗工し
た後、被着体同士を貼り合わせる迄の塗り置き時間を十
分に長く設定したい時には、硬化開始に有効な活性エネ
ルギー線を遮断した状態で溶融塗工を行い、貼り合わせ
直前に活性エネルギー線の照射を行うことが望ましい。
また、活性エネルギー線の照射は、塗工された反応性ホ
ットメルト接着剤組成物が溶融状態にある時に行っても
良いし、塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物が
冷却固化した後に行っても良い。
【0072】さらに、反応性ホットメルト接着剤組成物
を被着体に塗工した後の塗り置き時間を特に設定する必
要がない場合や塗工を行った後では活性エネルギー線の
照射が困難な場合には、先に反応性ホットメルト接着剤
組成物に活性エネルギー線を照射し、次いで加熱溶融塗
工を行う方法、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト
接着剤組成物に活性エネルギー線を照射した後、塗工を
行う方法、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着
剤組成物を塗工すると同時に活性エネルギー線を照射す
る方法等のいずれの方法を採っても良い。
【0073】反応性ホットメルト接着剤組成物を硬化さ
せるための活性エネルギー線としては、前記カチオン重
合開始剤からカチオンを生成し得るものであれば良く、
特に限定されるものではない。活性エネルギー線の種類
は、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択されれ
ば良いが、好ましくは紫外線が用いられ、特に、200
〜400nmの波長の光を含む活性エネルギー線を用い
ることが望ましい。
【0074】上記活性エネルギー線の照射方法として
は、反応性ホットメルト接着剤組成物に対し直接照射し
ても勿論良いし、透明もしくは半透明の被着体または保
護フィルムを通して反応性ホットメルト接着剤組成物に
対し間接的に照射しても良い。
【0075】また、活性エネルギー線の照射源として
は、特に限定されるものではないが、炭素アーク、水銀
蒸気アーク、蛍光ランプ、アルゴングローランプ、ハロ
ゲンランプ、白熱ランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、フラッシュUVランプ、ディープUVラン
プ、キセノンランプ、タングステンフィラメントラン
プ、太陽光等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。
【0076】上記活性エネルギー線の照射量は、反応性
ホットメルト接着剤組成物を構成する各成分の種類や
量、塗工厚み、活性エネルギー線の照射源等によっても
異なるため、一義的には定め得ないが、カチオン重合開
始剤からカチオンを生成するのに有効な波長の照射量を
0.001〜10J/cm2 の範囲とすることが望まし
い。
【0077】被着体同士の貼り合わせと圧着は、活性エ
ネルギー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成
物が溶融状態にある時に行っても良いし、活性エネルギ
ー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組成物が冷
却固化した後に行っても良い。この時、反応性ホットメ
ルト接着剤組成物は粘着性を有する状態であっても良い
し、非粘着性の状態であっても良い。
【0078】被着体同士の貼り合わせ方法及び圧着方法
としては、例えば、一方の被着体に反応性ホットメルト
接着剤組成物を塗工した後、他方の被着体を貼り合わ
せ、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法や、
両方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗工
した後、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法
等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものでは
ない。上記方法において、熱プレスや熱ラミネーター等
を用いても良いし、貼り合わせ及び圧着時に、十分に加
熱を行い、反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化を完
了させても良い。
【0079】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物は、常温常圧下において上記活性エネルギー線を照
射することにより十分硬化し得るが、さらに硬化時間を
短縮したい場合には、適度な温度に加熱しても良い。こ
の場合、加熱方法としては、反応性ホットメルト接着剤
組成物を構成する各成分の種類や量、被着体の種類や形
状、加熱条件等によっても異なるため一義的には定め得
ないが、例えば、温風を吹き付ける方法、加熱したオー
ブン中に置く方法、ヒーターにて加熱する方法等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上の方法が好適に採
用されるが、これらの方法に限定されるものではない。
尚、硬化時間を短縮する場合の加熱温度については、反
応性ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温度より
も低い温度とすることが望ましい。さもないと、反応性
ホットメルト接着剤組成物の軟化により接着部分のズレ
等が生じる恐れがある。
【0080】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物が適用される被着体は、特に限定されるものではな
いが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、鉛、錫、亜鉛、
ニッケル、マグネシウム、チタン、金、銀、白金等の金
属もしくは合金またはこれらの塗装体、各種プラスチッ
クまたはプラスチック混合物、ガラス、コンクリート、
石、モルタル、セラミック、陶磁器等の無機材料、木材
や紙等のセルロース系材料、皮革等の広範な材料からな
る各種被着体が挙げられ、好適に適用することができ
る。また、上記各種被着体は、同一材料の被着体が接着
されても良いし、異種材料の被着体が接着されても良
い。
【0081】上記被着体の形状は、板、塊、棒、シー
ト、紐、繊維、ハニカム、管、粒子等のいずれの形状で
あっても良く、また、同一形状の被着体が接着されても
良いし、異なる形状の被着体が接着されても良い。
【0082】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物は、通常広く一般に使用されている反応性ホットメ
ルト接着剤としてだけでなく、構造用接着剤や弾性接着
剤としても、また、感圧接着剤、シーリング剤、コーテ
ィング剤等としても、好適に使用することが出来る。こ
のような反応性ホットメルト接着剤組成物の具体的用途
としては、例えば、ドアパネル、間仕切り、雨戸、家
具、黒板、白板、事務機器のハウジング用パネル等のサ
ンドイッチパネルの芯材と表面材との接着;家具、パー
ティション、自動車内装材としてのドアパネルや天井材
等の芯材と表面材との接着;自動車、建材、電気製品等
に緩衝材、遮音材、断熱材等として使用されるポリオレ
フィン樹脂発泡体と各種基材との接着;ランプ用レンズ
の接着;スポンジ研磨材、研磨布紙、タワシ、発泡マッ
トレス、建具、包装材料、座席シート、電気カーペッ
ト、テーブル、デスク、システムキッチン、テレビ、ス
ピーカー等の製作;合板、化粧板等の貼り合わせ;テー
プボンディングやフレキシブルボンディング等への適
用;光学式オーディオ・ビデオディスクや光磁気ディス
ク等の貼り合わせ;自動車のサイドモール、ボディーパ
ネルシーラー、ドア、インパネ周辺部、ヘッドランプ、
テールランプ、窓周辺部等の接着やシーリング等の広範
な用途が挙げられるが、勿論これらの用途に限定される
ものではない。
【0083】また、本発明による反応性ホットメルト接
着剤組成物は、固形状のホットメルト接着剤組成物とし
てのみならず、サポート型またはノンサポート型のフィ
ルム状もしくはテープ状接着剤組成物として用いること
もできる。
【0084】(作用)本発明による反応性ホットメルト
接着剤組成物では、カチオン重合性化合物と、及びカチ
オン重合開始剤としての6フッ化リンを対アニオンとし
て有する芳香族スルホニウム塩とが含有されているの
で、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合で硬化
が進行する。この場合、上記芳香族スルホニウム塩を重
合開始剤として用いているので、カチオン重合による硬
化が適正な速度で進行するとともに、加熱溶融時の安定
性が著しく高められる。
【0085】また、硬化後は、カチオン重合性化合物の
重合により優れた接着強度が発現する。また、活性エネ
ルギー線硬化型であり、湿気硬化型ではないので、湿気
を遮断する必要がなく、従って、特殊な製造設備や包装
材料などを必要としない。
【0086】また、請求項2に記載の発明のように、カ
チオン重合性化合物としてエポキシ化合物を用いた場合
には、エポキシ化合物のエポキシ基の開環重合により硬
化が進行し、最終的に得られた接着硬化物が、優れた接
着強度や耐熱性、耐水性などの諸物性を発現する。
【0087】さらに、請求項3に記載のように、ポリカ
ーボネートをさらに含有させた場合には、硬化後には、
カチオン重合性化合物とポリカーボネートとの相乗作用
により、より一層優れた接着強度、耐熱性及び耐水性な
どの諸物性を発現する。
【0088】特に、ポリカーボネートとして、脂肪族ヒ
ドロキシル基含有ポリカーボネートを用いた場合には、
活性エネルギー線照射後のカチオン重合による硬化が適
度に遅延し、タックフリータイムを長くすることができ
る。従って、被着体同士を貼り合わせ、圧着する際の作
業性をより一層高め得る。のみならず、接着強度、耐熱
性及び耐水性などの諸物性がより一層高められる。
【0089】また、上記カチオン重合性化合物として、
芳香族エポキシ樹脂類を用いた場合には、硬化後におけ
る接着強度、耐熱性及び耐水性を効果的に高めることが
できる。
【0090】本発明による接着方法は、上記本発明の反
応性ホットメルト接着剤組成物を用いて、活性エネルギ
ー線照射による硬化方式で行うので、加熱溶融安定性に
優れているため容易に塗工でき、短時間で接着作業を完
了することが可能であり、且つ、優れた接着強度や耐熱
性、耐水性等の諸物性を有する接合体を得ることができ
る。
【0091】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0092】以下に挙げる実施例及び比較例では、下記
の諸原料を用いて反応性ホットメルト接着剤組成物を製
造した。 〔エポキシ化合物〕 エポキシ化合物(A):商品名「エピコート1007」
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、軟化点128℃、
エポキシ当量1750〜2200、油化シェルエポキシ
社製) エポキシ化合物(B):商品名「エピコート1001」
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、軟化点64℃、エ
ポキシ当量450〜500、油化シェルエポキシ社製) エポキシ化合物(C):商品名「ERL−4221」
(脂環式エポキシ樹脂、常温液状、エポキシ当量13
7、ユニオンカーバイド社製) 〔ポリカーボネート〕 ポリカーボネート(a):商品名「ポリライトCD20
01」(融点46℃、水酸基価56KOHmg/g、大
日本インキ化学工業社製) ポリカーボネート(b):商品名「プラクセルCD22
0PL」(常温液状、水酸基価56KOHmg/g、ダ
イセル化学工業社製) 〔カチオン重合開始剤〕 カチオン重合開始剤(1):商品名「UVI−699
0」(芳香族スルホニウム6フッ化リン塩、常温で液
状、ユニオンカーバイド社製) カチオン重合開始剤(2):商品名「アデカオプトマー
SP−151」(芳香族スルホニウム6フッ化リン塩、
常温で液状、旭電化工業社製) カチオン重合開始剤(3):旭電化工業社製、商品名:
「アデカオプトマーSP−170」(カチオン重合触
媒、芳香族スルホニウム6フッ化アンチモン塩化合物、
常温液状)を用いた。 カチオン重合開始剤(4):商品名「MPI−103」
(芳香族ヨードニウム6フッ化アンチモン塩、常温で液
状、みどり化学社製) 〔脂肪族ヒドロキシル化合物〕 商品名:「G−700」(ポリエーテルポリオール、常
温液状、水酸基価205〜245KOHmg/g、旭電
化工業社製) 〔熱可塑性樹脂〕 商品名:「ダイナポールS−1402」(結晶性ポリエ
ステル樹脂、軟化点102℃、ヒュルス社製)
【0093】(実施例1) (1)反応性ホットメルト接着剤組成物の製造 エポキシ化合物(A)55部、エポキシ化合物(C)5
部及びポリカーボネート(a)40部を加熱オイルを循
環させ得るジャケットを備えたプラネタリーミキサーに
投入して、温度150℃、回転速度30rpmで30分
間混合した。次いで、アルミ箔で全体を覆った後、カチ
オン重合開始剤(1)1部を投入し、温度150℃、回
転速度30rpmで10分間混合して、反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を得た。
【0094】(2)評価 上記で得られた反応性ホットメルト接着剤組成物の性能
(加熱時安定性、剥離接着強度、耐熱性、耐水
性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すと
おりであった。
【0095】加熱時安定性…反応性ホットメルト接着
剤組成物100gをガラス瓶に入れ、120℃に設定さ
れたギアーオーブン中にてそのまま48時間加熱し、取
り出した直後の外観を目視により観察した。反応性ホッ
トメルト接着剤組成物全体が液状であったものを○、一
部ゲル化していたものを△、全体が硬化していたものを
×として評価した。
【0096】剥離接着強度:120℃に設定したロー
ルコーターを用いて、上記で得られた反応性ホットメル
ト接着剤組成物を9号綿帆布(25mm×150mm)
に塗工面積が25mm×100mm、塗工厚みが100
〜200μm(塗工量10〜20mg/cm2 )となる
ように塗工した後、23℃−60%RHの暗所で7日間
養生した。次に、高圧水銀灯(商品名「ジェットライト
JL2300」、ORK製作所社製)を用いて、上記塗
工物の反応性ホットメルト接着剤組成物面に365nm
の波長の光を照度25mW/cm2 で30秒間照射した
後、23℃−60%RHの暗所で10分間養生した。次
いで、光照射された塗工面に亜鉛鋼板(25mm×12
5mm×0.8mm)を重ね合わせ、温度80℃、圧力
0.5kg/cm2 、時間10分間の条件で加熱プレス
を行い、90度角剥離試験片を作成した。上記で得られ
た90度角剥離試験片を23℃−60%RHの雰囲気下
で12時間養生した後、JIS K−6854「接着剤
のはく離接着強さ試験方法」準拠して、90度角剥離試
験を行い、剥離接着強度(kg/25mm)を求めた。
【0097】耐熱性:の場合と同様の条件で作成さ
れ、光照射された9号綿帆布上の塗工面同士を重ね合わ
せ、温度80℃、圧力0.5kg/cm2 、時間10分
間の条件で加熱プレスを行い、T型剥離試験片を作成し
た。上記で得られたT型剥離試験片を23℃−60%R
Hの雰囲気下で12時間養生した後、T型剥離試験片の
一方の綿帆布の端部に200gの錘を付け、他方の綿帆
布の端部を100℃に設定されたギアーオーブンの天井
面に固定し、T型剥離タイプの熱クリープ試験を行い、
試験片の接着部分が全て剥離するまでの時間を求めた。
【0098】耐水性:の場合と同様の条件で作製さ
れた90°角剥離試験片を、23℃及び相対湿度60%
の雰囲気下で24時間養生した後、ガラス瓶に入れたイ
オン交換水に浸漬し、100℃に設定されたギアオーブ
ン中にて3日間維持し、しかる後イオン交換水から取り
出し、23℃及び相対湿度60%の雰囲気下で24時間
養生した。養生後、JIS K−6854「接着剤の剥
離接着強さ試験方法」に準拠して、90°角剥離試験を
行い、剥離接着強度(kg/25mm)を求めた。
【0099】(実施例2)下記の表1に示すように、反
応性ホットメルト接着剤組成物の配合組成において、ポ
リカーボネート(a)に代えて、ポリカーボネート
(b)を用いたことを、並びにカチオン重合開始剤
(1)に代えてカチオン重合開始剤(2)を用いたこと
を除いては、実施例1と同様にして、反応性ホットメル
ト接着剤組成物を得た。
【0100】(実施例3)下記の表1に示すように、反
応性ホットメルト接着剤組成物の配合組成において、エ
ポキシ化合物(B)を100部と、カチオン重合開始剤
(1)を1部とを用いたことを除いては、実施例1と同
様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0101】(比較例1〜4)下記の表1に示すように
ホットメルト接着剤組成物の配合を変更したことを除い
ては、実施例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤
組成物を得た。
【0102】また、上記実施例2及び比較例1〜4の各
反応性ホットメルト接着剤組成物についても実施例1と
同様にして評価した。結果を下記の表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】なお、表1における耐熱性の「>12」
は、12時間後も剥離しなかったことを示す。また、耐
水性の「×」は、イオン交換水浸漬中に自然に剥離した
ことを示す。
【0105】表1から明らかなように、本発明による実
施例1,2の反応性ホットメルト接着剤組成物は、活性
エネルギー線を照射した後も容易に被着体を貼り合わせ
ることが可能であり、かつ、硬化後は優れた剥離接着強
度、耐熱性及び耐水性を発現した。
【0106】また、本発明による実施例3の反応性ホッ
トメルト接着剤組成物においても、活性エネルギー線を
照射した後も容易に被着体を貼り合わせることができ、
かつ加熱時安定性に優れており、硬化後優れた耐熱性を
示した。
【0107】これに対して、カチオン重合開始剤を6フ
ッ化リンを対アニオンとして有する芳香族スルホニウム
塩以外のものとした比較例1〜4では、加熱時安定性が
極端に低下した。
【0108】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による反応性
ホットメルト接着剤組成物では、溶融温度以上の加熱や
2成分の混合等を必要とせず、活性エネルギー線の照射
により硬化速度、塗り置き時間、タックフリータイム等
を幅広く調節可能な状態で硬化し得るので、接着時の作
業性が良い。特に、重合開始剤として6フッ化リンを対
アニオンとして有する芳香族スルホニウム塩を用いてい
るため、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤が加熱
時安定性に優れており、従って溶融塗工作業を容易にか
つ安定に行い得る。
【0109】また、活性エネルギー線を透過しない被着
体や非透湿性の被着体にも適用できるので被着体選択性
が少なく、且つ、硬化後は優れた接着強度、耐熱性、耐
水性等の諸物性を発現するので、自動車用、電気製品
用、建材用等を初め、各種工業製品用の反応性ホットメ
ルト接着剤として好適に用いられる。
【0110】さらに、本発明による反応性ホットメルト
接着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型であり、湿気
硬化型ではないので、湿気を厳密に遮断する必要がな
く、従って、特殊な製造設備や包装材料等を用いる必要
がなく経済的である。
【0111】また、上記反応性ホットメルト接着剤組成
物を用いる本発明の接着方法は、優れた接着強度や耐熱
性、耐水性等の諸物性を有する接合体を作業性良く簡便
に得ることが可能なので、各種工業用途に好適に活用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 169/00 C09J 169/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン重合性化合物と、活性エネルギ
    ー線の照射により本組成物を硬化させ得る有効量のカチ
    オン重合開始剤としての6フッ化リンを対アニオンとし
    て有する芳香族スルホニウム塩とを含むことを特徴とす
    る反応性ホットメルト接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記カチオン重合性化合物がエポキシ化
    合物であることを特徴とする請求項1に記載の反応性ホ
    ットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 ポリカーボネートをさらに含むことを特
    徴とする請求項1または2に記載の反応性ホットメルト
    接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の反応性
    ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、溶融状態で被
    着体の一方または両方に塗工し、被着体同士の貼り合わ
    せ前もしくは貼り合わせ後に、塗工された反応性ホット
    メルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射し、被着
    体同士を圧着することを特徴とする接着方法。
JP10328174A 1998-11-18 1998-11-18 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 Withdrawn JP2000144079A (ja)

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