JP2000212540A - 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

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JP2000212540A
JP2000212540A JP11020204A JP2020499A JP2000212540A JP 2000212540 A JP2000212540 A JP 2000212540A JP 11020204 A JP11020204 A JP 11020204A JP 2020499 A JP2020499 A JP 2020499A JP 2000212540 A JP2000212540 A JP 2000212540A
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hot melt
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JP11020204A
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Motohiro Yagi
元裕 八木
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性エネルギー線の照射により硬化し、溶融
粘度が小さく、硬化後は優れた耐熱性を示し、且つ、特
殊な製造設備や包装材等の使用が不要な反応性ホットメ
ルト接着剤組成物、及びこの組成物を用いた接着方法を
提供すること。 【解決手段】 数平均分子量が 500〜6000であり100
℃での粘度が 10000cps以下であり脂肪族ヒドロキシ
ル基を含有するポリエステル樹脂、例えば数平均分子量
600〜5000のビスフェノル型エポキシ樹脂の様なエポキ
シ化合物、及び、活性エネルギー線の照射により本組成
物を硬化させ得る、例えば芳香族のヨードニウム錯塩、
スルホニウム錯塩又はメタロセン塩の少なくとも1種で
あるカチオン重合開始剤が含有された反応性ホットメル
ト接着剤組成物、及び、この組成物を加熱溶融し溶融状
態で被着体に塗工し、被着体同士の貼り合せの際に塗工
された組成物に活性エネルギー線を照射しその後に被着
体同士を圧着する接着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融状態で塗
布され、活性エネルギー線の照射により硬化が進行する
反応性ホットメルト接着剤組成物及びこれを用いた接着
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製本、包袋、繊維加工、木
工、弱電、輸送等の各種工業分野において、紙、繊維、
木材、ガラス、プラスチック、金属等の各種被着体を接
着するためにホットメルト接着剤組成物が広く用いられ
ている。ホットメルト接着剤組成物による接着に際して
は、アプリケーター内においてホットメルト接着剤組成
物を通常100〜200℃程度の温度で加熱溶融した
後、溶融状態にあるホットメルト接着剤組成物を被着体
に塗工し、被着体同士を貼り合わせる。次いで、ホット
メルト接着剤組成物の冷却固化により、被着体同士が接
着され、接着強度が発現する。
【0003】ホットメルト接着剤組成物の場合、冷却固
化により接着強度が速やかに高まるため、被着体を貼り
合わせてから十分な接着強度を発現するまでの時間が通
常1分以内と非常に短い。従って、短時間で接着作業を
完了することが出来るという利点がある。しかし、ホッ
トメルト接着剤組成物は、冷却固化によって接着強度を
発現する機構であるため、一旦被着体同士が接着されて
も、その接着物を高温雰囲気下に放置すると、ホットメ
ルト接着剤組成物が軟化もしくは溶融して接着強度が著
しく低下するという問題点、即ち耐熱性が乏しいという
問題点があった。
【0004】上記問題点に対応するため、種々の試みが
なされており、例えば、特公昭51−30898号公報
では、「ウレタンプレポリマー20〜73重量%、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体2〜25重量%及び特定の粘
着性付与物質25〜55重量%からなる反応性ホットメ
ルト接着剤組成物」が提案されている。この提案による
反応性ホットメルト接着剤は、空気中の湿気によってウ
レタンプレポリマーが化学的架橋を形成するため、高温
雰囲気下においても優れた接着強度、即ち優れた耐熱
性、を発現するという利点を有する。しかし、その反
面、空気中の湿気によってウレタンプレポリマーの化学
的架橋が進行するため、製造時や包装時等に湿気を遮断
する必要があり、特殊な製造設備や包装材料等を用いる
必要があるという問題点があった。
【0005】上記湿気硬化型ホットメルト接着剤の問題
点に対応するため、例えば、特開平6−306346号
公報では、「約2〜95部のエポキシ含有材料と約98
〜5部のポリエステル成分とからなる組成物に対し、こ
の組成物を放射線硬化させるための光開始剤及びヒドロ
キシル含有材料が含有されてなる反応性ホットメルト接
着剤組成物」が提案されている。かかる提案によるホッ
トメルト接着剤組成物は、湿気硬化型ではないので湿気
を遮断する必要がなく、又、放射線硬化型であるので架
橋を形成させるための加熱等が必要ないという利点を有
するものの、ポリエステル成分として分子量の大きいも
のを使用しているために、溶融粘度の大きいホットメル
ト接着剤組成物となる。
【0006】このため、ホットメルト接着剤組成物を溶
融状態で塗工しようとしても、被着体に対するヌレが悪
く、接着強度を発現することが難しく、塗工厚さの制御
も難しい。一方、溶融粘度を小さくするために溶融塗工
温度を上げると、熱に弱い材料には塗布できなくなった
り、ホットメルト接着剤組成物が熱劣化を起こし易くな
り、結局、耐熱性が不十分であり、実用性に乏しいとい
う問題点を抱えていた。上述したように、溶融粘度が小
さく、優れた耐熱性を発現し、且つ、特殊な製造設備や
包装材料等を用いる必要のないホットメルト接着剤組成
物は実用化されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ホットメルト接着剤組成物の問題点を解決するため、活
性エネルギー線の照射により硬化が進行し、溶融粘度が
小さく、硬化後は優れた耐熱性を発現し、且つ、特殊な
製造設備や包装材料等の使用を必要としない反応性ホッ
トメルト接着剤組成物、及び、この反応性ホットメルト
接着剤組成物を用いた接着方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明は、エポキシ化合物、数平均
分子量が500〜6,000であり100℃での粘度が
10,000cps以下であり脂肪族ヒドロキシル基を
含有するポリエステル樹脂、及び活性エネルギー線の照
射により本組成物を硬化させ得る有効量のカチオン重合
開始剤が含有されてなることを特徴とする反応性ホット
メルト接着剤組成物を提供する。
【0009】請求項2記載の本発明は、上記エポキシ化
合物が、数平均分子量600〜5,000のビスフェノ
ール型エポキシ樹脂またはその変成物であることを特徴
とする請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤組成
物を提供する。請求項3記載の本発明は、エポキシ当量
が100〜300のエポキシ化合物をさらに含むことを
特徴とする請求項2に記載の反応性ホットメルト接着剤
組成物を提供する。
【0010】請求項4記載の本発明は、上記カチオン重
合開始剤が、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族スルホニ
ウム錯塩及びメタロセン塩からなる群より選択されるも
のであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に
記載の反応性ホットメルト接着剤組成物を提供する。請
求項5記載の本発明は、100℃における粘度が50,
000cps以下であることを特徴とする請求項1〜4
に記載の反応性ホットメルト接着剤組成物を提供する。
【0011】請求項6記載の本発明は、請求項1〜5の
何れかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱
溶融し、溶融状態で被着体の一方又は両方に塗工し、被
着体同士を貼り合わせる前もしくは貼り合わせた後に、
塗工された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネ
ルギー線を照射し、その後に被着体同士を圧着すること
を特徴とする接着方法を提供する。以下、本発明の詳細
を説明する。
【0012】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物に含有される上記エポキシ化合物とは、カチオン重
合によって重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を
有する有機化合物を言う。上記エポキシ化合物中のエポ
キシ基の数は、1分子当たり1個以上であることが好ま
しく、1分子当たり2個以上であることがより好まし
い。ここで1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキシ
化合物中のエポキシ基の総数をエポキシ化合物中の分子
の総数で除算して求められる。上記エポキシ化合物の構
造は、脂肪族、脂環族、芳香族等のいずれの構造であっ
ても良く、特に限定されるものではない。又、その形態
は、モノマー状、オリゴマー状、ポリマー状等のいずれ
の形態であっても良く、特に限定されるものではない。
【0013】上記エポキシ化合物の形状は、常温におい
て、液状、半固形状、固形状等のいずれの形状であって
も良いが、環球式測定法による軟化点が40〜150℃
であるものが好ましく、60〜130℃であるものがよ
り好ましい。エポキシ化合物の上記軟化点が40℃未満
であると、後述するポリエステル樹脂と配合した時に常
温で液状となり、ホットメルト接着剤組成物としての形
状を示さなくなることがあり、逆にエポキシ化合物の上
記軟化点が150℃を超えると、得られる反応性ホット
メルト接着剤組成物の溶融粘度が高くなり過ぎて、被着
体への塗工が困難となることがあるからである。
【0014】上記エポキシ化合物は、沸点が200℃以
上であるものが好ましい。沸点が200℃未満である
と、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶
融する時に揮発してしまう恐れがある。又、上記エポキ
シ化合物は、結晶性を有していても良いし、結晶性を有
していなくても良いが、得られる反応性ホットメルト接
着剤組成物を溶融塗工した後のタックフリータイムを短
くしたり、被着体同士を接着した後の初期強度の発現を
速くしたい場合には、40℃以上の融点を有する結晶性
のエポキシ化合物を用いることが好ましい。ここで結晶
性とは、示差走査熱量計(DSC)による測定で結晶融
点を示すものを言う。
【0015】さらに、上記エポキシ化合物は、請求項2
記載の如く数平均分子量が600〜5,000程度のも
のであることが好ましく、800〜4,000程度のも
のであることがより好ましい。数平均分子量が5,00
0より大きいと、得られる反応性ホットメルト接着剤組
成物の溶融粘度が高くなり過ぎて、被着体への塗工が困
難となることがあり、数平均分子量が600より小さい
と、後述するポリエステル樹脂と配合した時に常温で液
状となり、ホットメルト接着剤組成物としての形状を示
さなくなることがある。また常温で硬化し得る反応性ホ
ットメルト接着剤組成物を得たい場合には、エポキシ化
合物のガラス転移温度は20℃以下であることが好まし
い。
【0016】上記エポキシ化合物としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェ
ノールメタントリグリシジルエーテル等のようなビスフ
ェノール型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物や臭素
化物;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4
−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−
エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル3,4−エ
ポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート、2−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シク
ロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,3−エポ
キシシクロペンチル)エーテル、商品名「EHPE−3
150」(軟化点71℃、ダイセル化学工業社製)等の
ような脂環族エポキシ樹脂;1,4−ブタンジオールの
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジ
グリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエー
テル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、炭
素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のアルキレン基
を含むポリオキシアルキレングリコールやポリテトラメ
チレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリオールのポ
リグリシジルエーテル等のような脂肪族エポキシ樹脂;
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸
ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステル、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、サ
リチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、
ダイマー酸グリシジルエステル等のようなグリシジルエ
ステル型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化物;トリグ
リシジルイソシアヌレート、環状アルキレン尿素のN,
N’−ジグリシジル誘導体、p−アミノフェノールの
N,N,O−トリグリシジル誘導体、m−アミノフェノ
ールのN,N,O−トリグリシジル誘導体等のようなグ
リシジルアミン型エポキシ樹脂並びにこれらの水添化
物;グリシジル(メタ)アクリレートと、エチレン、酢
酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等のラジカル重
合性モノマーとの共重合体;エポキシ化ポリブタジエン
等のような、共役ジエン化合物を主体とする重合体また
はその部分水添物の重合体の不飽和炭素の二重結合をエ
ポキシ化したもの;エポキシ化SBS等のような、「ビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック」と「共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその
部分水添物の重合体ブロック」とを同一分子内にもつブ
ロック共重合体の、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二
重結合をエポキシ化したもの;1分子当たり1個以上
(好ましくは2個以上)のエポキシ基を有するポリエス
テル樹脂;上記各種エポキシ化合物の構造中にウレタン
結合やポリカプロラクトン結合を導入したウレタン変成
エポキシ樹脂やポリカプロラクトン変成エポキシ樹脂;
上記各種エポキシ化合物にNBR、CTBN、ポリブタ
ジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含有させたゴム変
成エポキシ樹脂;等、従来公知の各種エポキシ化合物が
挙げられる。
【0017】上記エポキシ化合物は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。本発明に係
る反応性ホットメルト接着剤組成物に含有されるエポキ
シ化合物としては、上記エポキシ化合物のなかでも、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポ
キシ樹脂、及びこれらの水添加物、臭素化物、ポリカプ
ロラクトン結合を導入したポリカプロラクトン変成物、
ウレタン結合を導入したウレタン変成物、NBR、CT
BN、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分を含
有させたゴム変成物等、従来公知の各種変成を施したも
のが好適に用いられる。このようなビスフェノール型エ
ポキシ樹脂またはその変成物を用いることにより、得ら
れる反応性ホットメルト接着剤組成物に特に優れた耐熱
性を付与することが可能となる。
【0018】ビスフェノール型エポキシ樹脂またはその
変成物が用いられる場合も、上記の理由により環球式測
定法による軟化点が40〜150℃であるものが好まし
く、60〜130℃であるものがより好ましい。またエ
ポキシ基の数も、上記の理由により1分子当たり1個以
上であることが好ましく、1分子当たり2個であること
がより好ましい。さらに数平均分子量も、上記の理由に
より600〜5,000程度のものであることが好まし
く、800〜4,000程度のものであることがより好
ましい。
【0019】ビスフェノール型エポキシ樹脂またはその
変成物が用いられる場合、請求項2記載の如く、エポキ
シ当量が100〜300のエポキシ化合物を、さらに含
有させることにより、得られる反応性ホットメルト接着
剤組成物に一層優れた耐熱性を付与することが可能とな
る。ここでエポキシ当量は、1g当量のエポキシ基を含
む樹脂の質量である。エポキシ当量が300より大きく
なると耐熱性を向上させる効果が小さくなることがあ
り、エポキシ当量が100より小さくなると接着強度が
小さくなることがある。
【0020】このようなエポキシ当量が100〜300
のエポキシ化合物としては、上記エポキシ化合物の何れ
を用いてもよいが、これらの中でも芳香族エポキシ樹脂
またはその変成物が好適に用いられる。これにより、得
られる反応性ホットメルト接着剤組成物に特に優れた耐
熱性を付与することが可能となる。このようなエポキシ
当量が100〜300のエポキシ化合物の配合量は、必
要とされる耐熱性に対応して適宜設定されれば良く特に
限定されるものではないが、一般的には、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂またはその変成物とポリエステル樹脂
との合計100重量部に対し、1〜30重量部であるこ
とが好ましい。1重量部より少ないと耐熱性を向上させ
る効果が小さくなることがあり、30重量部より多いと
接着強度が小さくなることがある。
【0021】また、エポキシ当量が100〜300のエ
ポキシ化合物として脂環族エポキシ樹脂を用いることに
より、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化
の進行を速めることがができ、活性エネルギー線を照射
してから耐熱性が発現するまでの時間を短くすることが
できるとともに、得られる反応性ホットメルト接着剤組
成物に一層優れた耐熱性を付与することも可能となる。
【0022】このような脂環族エポキシ樹脂の配合量
は、耐熱性が発現するまでの時間に対応して適宜設定さ
れれば良く特に限定されるものではないが、一般的に
は、ビスフェノール型エポキシ樹脂またはその変成物と
ポリエステル樹脂との合計100重量部に対し、1〜2
0重量部であることが好ましい。1重量部より少ないと
耐熱性が発現するまでの時間を短くする効果が小さくな
ることがあり、20重量部より多いと硬化の進行が速く
なりすぎて、被着体同士の貼り合わせを行うことができ
なくなることがある。
【0023】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物に含有されるポリエステル樹脂は、数平均分子量が
500〜6,000(好ましくは1,000〜5,00
0)であり、100℃での粘度が10,000cps以
下(好ましくは80℃での粘度が10,000cps以
下)であり、1分子当たり1個以上(好ましくは2個以
上)の脂肪族ヒドロキシル基を含有する。ここで1分子
当たりの脂肪族ヒドロキシル基の数は、ポリエステル樹
脂中の脂肪族ヒドロキシル基の総数をポリエステル樹脂
中の分子の総数で除算して求められる。
【0024】ポリエステル樹脂の数平均分子量が6,0
00より大きいと、得られる反応性ホットメルト接着剤
組成物の溶融粘度が高くなり過ぎて、被着体への塗工が
困難となることがあり、数平均分子量が500より小さ
いと、エポキシ化合物と配合した時に常温で液状とな
り、ホットメルト接着剤組成物としての形状を示さなく
なることがある。ポリエステル樹脂の100℃での粘度
が10,000cpsより大きいと、得られる反応性ホ
ットメルト接着剤組成物の溶融粘度が高くなり過ぎて、
被着体への塗工が困難となることがある。また1分子当
たり1個以上の脂肪族ヒドロキシル基を含有することに
より、接着強度や耐熱性を向上させることができる。
【0025】上記ポリエステル樹脂の形状は、常温にお
いて、液状、半固形状、固形状等のいずれの形状であっ
ても良い。又、上記ポリエステル樹脂は、結晶性を有し
ていても良いし、結晶性を有していなくても良いが、得
られる反応性ホットメルト接着剤組成物を溶融塗工した
後のタックフリータイムを短くしたり、被着体同士を接
着した後の初期強度の発現を速くしたい場合には、DS
Cで測定した融点が40℃以上である結晶性のポリエス
テル樹脂を用いることが好ましい。また常温で硬化し得
る反応性ホットメルト接着剤組成物を得たい場合には、
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は20℃以下である
ことが好ましい。
【0026】上記ポリエステル樹脂の構造は、脂肪族、
脂環族、芳香族等のいずれの構造であっても良く、特に
限定されるものではない。具体的には、ジカルボン酸
(またはそのジエステル等価物)およびジオールの反応
生成物を含む。ジカルボン酸(またはそのジエステル等
価物)は、4〜12個の炭素原子を含む飽和脂肪酸(非
分枝鎖、分枝鎖、または5員環もしくは6員環の環式材
料を含む)であるか、及び/又は8〜15個の炭素原子
を含む芳香族酸であってよい。
【0027】適切な脂肪酸の例は、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジ
カルボン酸、2−メチルコハク酸、2−メチルペンタン
二酸、3−メチルヘキサン二酸、などである。適切な芳
香族酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルチオエーテ
ルジカルボン酸、および4,4’−ジフェニルアミンジ
カルボン酸、を含む。これらのジカルボン酸において、
好ましくは、2つのカルボキシル基間の構造は炭素およ
び水素のみを含む。上記のジカルボン酸のいかなる混合
物も用いられ得る。
【0028】ジオールは、2〜12個の炭素原子を有す
る分枝鎖の、非分枝鎖の、および環式の脂肪族ジオール
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、α−メチルブタンジオール、α−ジメチルブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−
2,4−ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオ
ール、シクロブタン−1,3−ジ(2’−エタノー
ル)、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、シクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、1,10−デカンジオ
ール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリ
コール、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のア
ルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポ
リテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ジオ
ール、を含む。上記のジオールのいかなる混合物も用い
られ得る。
【0029】またポリエステル樹脂は、上記のポリエス
テル樹脂により、カルボン酸化合物のカルボキシル基を
エステル化したものでもよい。またポリエステル樹脂
は、上記のポリエステル樹脂とエステル化合物とをエス
テル交換反応させて得られるものでもよい。またポリエ
ステル樹脂は、上記のポリエステル樹脂により、ヒドロ
キシル基含有化合物のヒドロキシル基をエーテル化また
はエステル化したものでもよい。
【0030】またポリエステル樹脂は、上記のポリエス
テル樹脂とアルキレンオキサイドとの共重合ポリエーテ
ルでもよい。上記ポリエステル樹脂は、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。上記ポリ
エステル樹脂の配合量は、必要とされる接着強度や耐熱
性に対応して適宜設定されれば良く特に限定されるもの
ではないが、一般的には、前記エポキシ化合物100重
量部に対し、ポリエステル樹脂10〜500重量部であ
ることが好ましく、30〜300重量部であることがよ
り好ましい。
【0031】エポキシ化合物100重量部に対するポリ
エステル樹脂の配合量が10重量部未満であると、接着
強度が小さくなることがあり、逆にエポキシ化合物10
0重量部に対するポリエステル樹脂の配合量が500重
量部を超えると、耐熱性が不十分となることがある。
【0032】また本組成物中のエポキシ基の数に対する
脂肪族ヒドロキシル基の数の比が0.01/1〜10/
1となるような量であることが好ましく、0.1/1〜
3/1となるような量であることがより好ましい。上記
エポキシ基の数に対する脂肪族ヒドロキシル基の数の比
が10/1を超えると、耐熱性が不十分となることがあ
る。本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物に含
有されるカチオン重合開始剤としては、反応性ホットメ
ルト接着剤組成物をカチオン重合により硬化させるため
のカチオンを活性エネルギー線の照射により生成し得る
ものであれば良く、特に限定されるものではない。好ま
しくは、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族スルホニウム
錯塩、メタロセン塩、ジアゾニウム塩、アリールシラノ
ール・アルミニウム錯体等が挙げられ、さらに好ましく
は、芳香族ヨードニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯
塩、メタロセン塩が挙げられ、よりさらに好ましくは、
芳香族スルホニウム錯塩が挙げられる。上記カチオン重
合開始剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0033】これらのカチオン重合開始剤を含有させる
ことにより、反応性ホットメルト接着剤組成物は、20
0〜400nmの波長の光を含む活性エネルギー線の照
射により速やかに硬化が進行し得るものとなり、且つ、
反応性ホットメルト接着剤組成物を保存する際の貯蔵安
定性や反応性ホットメルト接着剤組成物を製造したり加
熱溶融塗工する際の加熱時安定性等に優れたものとな
る。カチオン重合開始剤として有効な上記芳香族ヨード
ニウム錯塩、芳香族スルホニウニム錯塩及びメタロセン
塩は、例えば、米国特許第4256828号明細書、米
国特許第5089536号明細書、特開平6−3063
46号公報等に開示されている。
【0034】上記カチオン重合開始剤のうち、芳香族ヨ
ードニウム錯塩と芳香族スルホニウム錯塩は、紫外領域
以外の光ではカチオンを生成しないが、芳香族アミンや
着色芳香族多環式炭化水素等の公知の増感剤を併用する
ことにより、近紫外領域や可視領域の光でもカチオンを
生成することが出来る。またメタロセン塩を用いる場合
には、ターシャリーアルコールのオキサレートエステル
のような反応促進剤を併用しても良い。カチオン重合開
始剤の有効な配合量は、活性エネルギー線の種類や強
度、エポキシ化合物とポリエステル樹脂の種類や配合
量、カチオン重合開始剤の種類等によって異なり、特に
限定されるものではないが、一般的には、エポキシ化合
物及びポリエステル樹脂の合計量100重量部に対し、
カチオン重合開始剤0.01〜10重量部であることが
好ましく、0.1〜4重量部であることがより好まし
い。
【0035】カチオン重合開始剤の配合量が0.01重
量部未満であると、反応性ホットメルト接着剤組成物に
活性エネルギー線を照射しても硬化が十分に進行しない
ことがあり、逆に配合量が10重量部を超えると、活性
エネルギー線を照射された反応性ホットメルト接着剤組
成物の硬化が速くなり過ぎて、タックフリータイムが短
くなり過ぎ、被着体同士を貼り合わせるのが困難となる
ことがある。また、耐熱性が却って低下することもあ
る。本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物に
は、活性エネルギー線照射後の硬化の進行をさらに促進
させる等の目的で、エポキシ化合物以外のカチオン重合
性化合物(以下、単に「カチオン重合性化合物」と記
す)が含有されていても良い。
【0036】上記カチオン重合性化合物は、カチオン重
合により高分子量化し得る部分を有する有機化合物から
なり、その構造は、エポキシ化合物の場合と同様に、脂
肪族、脂環族、芳香族等のいずれの構造であっても良
く、その形態は、エポキシ化合物の場合と同様に、モノ
マー状、オリゴマー状、ポリマー状等のいずれの形態で
あっても良い。又、カチオン重合により高分子量化し得
る部分は、分子骨格の末端、側鎖、分子骨格内のいずれ
の部位に存在しても良い。又、上記カチオン重合性化合
物の形状は、エポキシ化合物の場合と同様に、常温にお
いて、液状、半固形状、固形状等のいずれの形状であっ
ても良いが、沸点が200℃以上であり、環球式測定法
による軟化点が40〜150℃であるものが好ましい。
【0037】カチオン重合性化合物の沸点が200℃未
満であると、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物
を加熱溶融する時に揮発してしまう恐れがある。又、カ
チオン重合性化合物の環球式測定法による軟化点が40
℃未満であると、得られる反応性ホットメルト接着剤組
成物が常温で液状となり、ホットメルト接着剤組成物と
しての形状を示さなくなることがあり、逆にカチオン重
合性化合物の上記軟化点が150℃を超えると、得られ
る反応性ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度が高くな
り過ぎて、被着体への塗工が困難となることがあり、塗
工性を向上させるために溶融塗工温度を上げると、反応
性ホットメルト接着剤組成物が熱劣化を起こし易くなる
ことがある。又、上記カチオン重合性化合物は、結晶性
を有していても良いし、結晶性を有していなくても良い
が、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物を溶融塗
工した時のタックフリータイムを短くしたり、被着体同
士を接着した後の初期強度の発現を速くしたい場合に
は、DSCで測定した融点が40℃以上である結晶性の
カチオン重合性化合物を用いることが好ましい。さら
に、常温で硬化し得る反応性ホットメルト接着剤組成物
を得たい場合には、カチオン重合性化合物のガラス転移
温度は20℃以下であることが好ましい。
【0038】このようなカチオン重合性化合物として
は、特に限定されるものではないが、例えば、オキセタ
ン化合物やオキソラン化合物等のような環状エーテル化
合物、環状エステル化合物、ビニルエーテル化合物、プ
ロペニルエーテル化合物等が挙げられ、好適に用いられ
る。上記カチオン重合性化合物は、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0039】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に
応じて、活性エネルギー線を照射された後の硬化の進行
を遅延させたり、溶融粘度を低下させるための脂肪族ヒ
ドロキシル化合物、ホットメルト接着剤としての形状を
付与するための熱可塑性樹脂、各種被着体に対する接着
強度を向上させるための密着性向上剤、接着強度の向上
や溶融粘度の調整あるいは増量による低コスト化等のた
めの充填材、補強材、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、揺
変剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、脱水剤、難燃剤、
帯電防止剤、発泡剤、防黴剤等の各種添加剤の1種もし
くは2種以上が含有されていても良い。
【0040】上記溶融粘度の低下等のための脂肪族ヒド
ロキシル化合物としては、特に限定されるものではない
が、例えば、ポリヒドロキシアルカン、アルキレングリ
コール、炭素数が2〜9個(好ましくは2〜4個)のア
ルキレン基を含むポリオキシアルキレングリコールやポ
リテトラメチレンエーテルグリコール等を含む長鎖ポリ
オール、ヒドロキシル基末端ポリアルカジエン、本発明
のポリエステル樹脂に含まれないヒドロキシル基末端ポ
リエステル、ヒドロキシル基末端ポリカプロラクトン、
ヒドロキシル基末端ポリカーボネート、アクリルポリオ
ール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の(部分)鹸化
物、ポリビニルアルコール、ひまし油、ケトン樹脂、キ
シレン樹脂、並びに、これらの脂肪族ヒドロキシル化合
物の共重合体や変成物等が挙げられ、これらの1種もし
くは2種以上が好適に用いられる。上記ヒドロキシル化
合物の配合量は、特に限定されるものではないが、本発
明組成物中のエポキシ基の数に対する脂肪族ヒドロキシ
ル基の数の比が0.01/1〜10/1となるような量
であることが好ましく、0.1/1〜3/1となるよう
な量であることがより好ましい。上記エポキシ基の数に
対する脂肪族ヒドロキシル基の数の比が10/1を超え
ると、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物の耐熱
性が不十分となることがある。
【0041】上記ホットメルト接着剤としての形状付与
のための熱可塑性樹脂としては、特に限定されるもので
はないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のよ
うなポリオレフィン系樹脂;スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体のようなブロックポリマー;ア
クリル系共重合体;本発明の反応性ホットメルト接着剤
組成物中に含有される、数平均分子量が500〜6,0
00であり100℃での粘度が10,000cps以下
であり脂肪族ヒドロキシル基を含有するポリエステル樹
脂に含まれないポリエステル樹脂;ポリカプロラクトン
樹脂;ポリカーボネート樹脂;ロジン系樹脂、テルペン
系樹脂、スチレン系樹脂、石油系樹脂等のような粘着付
与樹脂;ワックス類等、ホットメルト接着剤組成物用と
して一般的に用いられている各種熱可塑性樹脂が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0042】上記密着性向上剤としては、特に限定され
るものではないが、例えば、γ−クロロプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−
β−(アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン等のようなシランカップリング剤;イソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピ
ルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネー
ト、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイ
ト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホ
スファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオ
キシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホス
ファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)オキシアセテートチタネート、トリス(ジオクチ
ルパイロホスフェート)エチレンチタネート等のような
チタンカップリング剤;各種アルミニウムカップリング
剤等、従来公知の各種密着性向上剤が挙げられ、これら
の1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0043】充填材としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
クレー、タルク、アスベスト等のような無機充填材;レ
ーヨン、アクリル繊維、ナイロン繊維、ガラス繊維、炭
素繊維等のような繊維;ガラスバルーン、シラスバルー
ン等のような中空状充填材;尿素メラミン樹脂粉末、ア
クリル樹脂粉末、フェノール樹脂粉末等のような合成樹
脂粉末;木粉、果実殻粉等のような天然物粉末並びにこ
れらの表面処理物等、従来公知の各種充填材が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0044】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物に含有される上述の各種成分は、他の成分と均一に
相溶するものであることが好ましく、加熱溶融塗工時や
貯蔵時にエポキシ基との反応を起こし得るような、例え
ば芳香族ヒドロキシル基や(無水)カルボキシル基等の
ような官能基を有さないものであることが好ましい。
又、上記各種成分は、加熱溶融塗工時や活性エネルギー
線照射時に分解や揮発を起こさないものであることが好
ましく、硬化開始に必要な活性エネルギー線を十分に透
過し得るものであることが好ましい。
【0045】さらに、上記各種成分は、カチオン重合の
進行を過度に抑制して反応性ホットメルト接着剤組成物
の硬化を阻害するような、例えばアミノ基等のような官
能基を有さないものであることが好ましい。本発明によ
る反応性ホットメルト接着剤組成物は、環球式測定法に
よる軟化点が40〜80℃であるものが好ましい。軟化
点が80℃を超えると、反応性ホットメルト接着剤を溶
融塗工できる温度が高くなり、耐熱性に難のある被着体
に適用することが難しくなる。また軟化点が40℃より
小さいと、反応性ホットメルト接着剤を被着体に塗工し
てから貼り合わせる迄の塗り置き時間の間に、反応性ホ
ットメルト接着剤が流動してしまったり、不要部分に付
着してしまったりすることがある。また接着直後の接着
強度が不足してしまうことがある。
【0046】また本発明による反応性ホットメルト接着
剤組成物は、100℃における粘度が50,000cp
s以下であり、60℃における粘度が1,000cps
以上であるものが好ましい。100℃における粘度が5
0,000cpsを超えると、60〜100℃で反応性
ホットメルト接着剤を溶融塗工することがきわめて困難
になり、反応性ホットメルト接着剤を溶融塗工する温度
を高くすると耐熱性に難のある被着体に適用することが
難しくなる。
【0047】また60℃における粘度が1,000cp
sより小さいと、溶融塗工するときに反応性ホットメル
ト接着剤が不要部分にタレ落ちることがある。また本発
明による反応性ホットメルト接着剤組成物は、常温にて
硬化を行う場合には、ガラス転移温度が20℃以下であ
ることが好ましい。ガラス転移温度が20℃より高い
と、常温で硬化が進行しにくくなり、十分な耐熱性を得
られなくなることがある。
【0048】また本発明による反応性ホットメルト接着
剤組成物は、60〜100℃の温度で50時間以上溶融
されていてもゲル化が起こらないことが好ましい。60
〜100℃の温度で50時間までにゲル化が起こると、
反応性ホットメルト接着剤の溶融塗工の作業が難しくな
ることがある。
【0049】また本発明による反応性ホットメルト接着
剤組成物は、活性エネルギー線を照射してから接着がで
きなくなるまでの可使時間が10分以上であることが好
ましい。可使時間が10分より短いと、被着体同士を貼
合わせる前に硬化が進行してしまい、十分な接着強度を
得られなくなることがある。
【0050】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、配合
すべき各成分の所定量を均一に混練し得る限り、如何な
る方法を採用しても良いが、各成分が溶融し得る適度な
加熱条件下で製造する必要がある。又、製造に際しての
各成分の混練は無溶媒で行っても良く、例えば芳香族炭
化水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒中
で行っても良いが、不活性溶媒中で行った場合には、混
練後に減圧及び/又は加熱により不活性溶媒を除去する
必要がある。
【0051】具体的には、ダブルヘリカルリボン浴もし
くはゲート浴、バタフライミキサー、プラネタリミキサ
ー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機、エクスト
ルーダー型混練押出機等の1種もしくは2種以上を用い
て各成分の混練を行い得るが、各成分を混練する装置に
ついては、これらに限定されるものではない。
【0052】上記製造において、各成分の水分含有量が
多いと、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物に活
性エネルギー線を照射した後の硬化の進行が阻害される
ことがあるので、必要に応じて、各成分中の水分を予め
除去しておくことが好ましい。水分を除去する方法とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、モレキ
ュラーシーブ等の混合による脱水、オーブンやヒーター
等による加熱脱水、減圧脱水等の方法が挙げられ、いず
れも好適に採用されるが、これらの方法に限定されるも
のではない。又、各成分の混練は、通常、大気圧下で行
えば良いが、水分の混入を特に避けたい場合には、減圧
雰囲気下もしくは窒素ガスのような不活性ガス雰囲気下
で行うことが好ましい。
【0053】さらに、各成分の仕込み順序は、特に限定
されるものではないが、溶融時間を短縮したり、得られ
る反応性ホットメルト接着剤組成物の劣化を防止するた
めに、溶融し難い成分や溶融時の熱や機械的剪断力によ
り劣化を受け難いものから順に仕込むことが望ましい。
特に、カチオン重合開始剤は熱により分解もしくは劣化
し易いので、最後に仕込むことが望ましい。尚、上記製
造においては、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮
断した状態で行うことが必要である。
【0054】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物の貯蔵方法は、硬化開始に有効な活性エネルギー線
を遮断し得る限り、特に限定されるものではないが、好
ましい貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム
缶、カートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール容
器、紙袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ箔をサン
ドイッチした複合フィルム)等のような硬化開始に有効
な活性エネルギー線に対して不透明な各種容器が挙げら
れ、好適に用いられるが、これらの容器に限定されるも
のではなく、又、これらの容器の材質についても、活性
エネルギー線を遮断し得る限り、特に限定されるもので
はない。さらに、本発明による反応性ホットメルト接着
剤組成物は、貯蔵されることなく、製造直後に直ちに使
用されても勿論良い。
【0055】次に、請求項6記載の本発明に係る接着方
法は、請求項1〜5記載の何れかに記載の反応性ホット
メルト接着剤組成物を加熱溶融し、溶融状態で被着体の
一方又は両方に塗工し、被着体同士の貼り合わせ前もし
くは貼り合わせ後に、塗工された反応性ホットメルト接
着剤組成物に活性エネルギー線を照射し、その後に被着
体同士を圧着することにより接着を行う。
【0056】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融して塗工する方法としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケータ
ーやホットメルトコーター等を用いて、加熱溶融状態に
ある反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体の一方も
しくは両方に塗布する方法、加熱溶融状態にある反応性
ホットメルト接着剤組成物中に被着体の一方又は両方を
浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどを用いて、
加熱溶融状態にあるホットメルト接着剤組成物を被着体
の一方又は両方に噴霧する方法、押出機などを用いて、
加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着剤組成物を
被着体の一方又は両方の表面に押出塗工する方法等が挙
げられ、いずれの方法も好適に採用され得る。
【0057】又、接着層に柔軟性や遮音性等を付与する
ために、加熱溶融された反応性ホットメルト接着剤組成
物中に空気、窒素ガス、炭酸ガス等を混入して発泡さ
せ、所謂「フォームメルト」の状態で塗工しても良い。
上記フォームメルト用アプリケーターとしては、特に限
定されるものではないが、例えば、ノードソン社製の
「フォーメルトアプリケーター」が挙げられ、好適に用
いられる。さらに、反応性ホットメルト接着剤組成物
は、ペールアンローダーやカートリッジディスペンサー
等を用いてホットメルトアプリケーター等の塗布装置へ
供給しても良いし、スティック、ペレット、スラッグ、
ブロック、ピロー、ビレット等の各種形状でホットメル
トアプリケーター等の塗布装置へ供給しても良い。
【0058】さらに又、加熱溶融については、反応性ホ
ットメルト接着剤組成物全体を加熱溶融しても良いし、
加熱体の近傍のみで部分的に加熱溶融しても良い。上記
反応性ホットメルト接着剤組成物の塗工厚みは、所望の
接着強度が得られる厚みであれば良く、被着体の種類や
塗工方法等によって適宜設定されれば良いが、照射した
活性エネルギー線が接着剤層の内部まで十分に到達し得
る厚みであることが好ましい。上記いずれの溶融塗工方
法を用いる場合でも、反応性ホットメルト接着剤組成物
を被着体に塗工した後、被着体同士を貼り合わせる迄の
塗り置き時間を十分に長く設定したい時には、硬化開始
に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で溶融塗工を
行い、貼り合わせ直前に活性エネルギー線の照射を行う
ことが望ましい。又、活性エネルギー線の照射は、塗工
された反応性ホットメルト接着剤組成物が溶融状態にあ
る時に行っても良いし、塗工された反応性ホットメルト
接着剤組成物が冷却固化した後に行っても良い。
【0059】さらに、反応性ホットメルト接着剤組成物
を被着体に塗工した後の塗り置き時間を特に設定する必
要がない場合や塗工を行った後では活性エネルギー線の
照射が困難な場合には、先に反応性ホットメルト接着剤
組成物に活性エネルギー線を照射し、次いで加熱溶融塗
工を行う方法、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト
接着剤組成物に活性エネルギー線を照射した後、塗工を
行う方法、加熱溶融状態にある反応性ホットメルト接着
剤組成物を塗工すると同時に活性エネルギー線を照射す
る方法等のいずれの方法を採っても良い。
【0060】反応性ホットメルト接着剤組成物を硬化さ
せるための活性エネルギー線としては、前記カチオン重
合開始剤からカチオンを生成し得るものであれば良く、
特に限定されるものではない。活性エネルギー線の種類
は、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択されれ
ば良いが、好ましくは光線、特に紫外線が用いられる。
より好ましくは200〜600nmの波長の光を含む活
性エネルギー線が用いられ、特に、カチオン重合開始剤
として芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、
メタロセン塩等を用いる場合には、200〜400nm
の波長の光を含む活性エネルギー線を用いることが望ま
しい。尚、活性エネルギー線としては、他に電子線、等
の使用が可能である。上記活性エネルギー線の照射方法
としては、反応性ホットメルト接着剤組成物に対し直接
照射しても勿論良いし、透明もしくは半透明の被着体又
は保護フィルムを通して反応性ホットメルト接着剤組成
物に対し間接的に照射しても良い。
【0061】又、活性エネルギー線の照射源としては、
特に限定されるものではないが、活性エネルギー線が光
線の場合は、炭素アーク、水銀蒸気アーク、蛍光ラン
プ、アルゴングローランプ、ハロゲンランプ、白熱ラン
プ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、フラッシ
ュUVランプ、ディープUVランプ、キセノンランプ、
タングステンフィラメントランプ、太陽光等が挙げら
れ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。上記活性エネルギー線の照射量は、反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を構成する各成分の種類や量、塗工厚
み、活性エネルギー線の照射源等によっても異なるた
め、一義的には定め得ないが、カチオン重合開始剤から
カチオンを生成するのに有効な波長の照射量を0.00
1〜10J/cm2 の範囲とすることが望ましい。被着
体同士の貼り合わせと圧着は、活性エネルギー線を照射
された反応性ホットメルト接着剤組成物が溶融状態にあ
るときに行っても良いし、活性エネルギー線を照射され
た反応性ホットメルト接着剤組成物が冷却固化した後に
行っても良い。この時、反応性ホットメルト接着剤組成
物は粘着性を有する状態であっても良いし、非粘着性の
状態であっても良い。
【0062】被着体同士の貼り合わせ方法及び圧着方法
としては、例えば、一方の被着体に反応性ホットメルト
接着剤組成物を塗工した後、他方の被着体を貼り合わ
せ、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法や、
両方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物を塗工
した後、適宜の圧力及び温度で必要な時間加圧する方法
等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものでは
ない。上記方法において、熱プレスや熱ラミネーター等
を用いても良いし、貼り合わせ及び圧着時に、十分に加
熱を行い、反応性ホットメルト接着剤組成物の硬化を完
了させても良い。本発明による反応性ホットメルト接着
剤組成物は、常温常圧下において上記活性エネルギー線
を照射することにより十分硬化し得るが、さらに硬化時
間を短縮したい場合には、適当な温度に加熱してもよ
い。この場合、加熱方法としては、反応性ホットメルト
接着剤組成物を構成する各成分の種類や量、被着体の種
類や形状、加熱条件等によっても異なるため一義的には
定め得ないが、例えば、温風を吹き付ける方法、加熱し
たオーブン中に置く方法、ヒーターにて加熱する方法等
が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上の方法が好
適に採用されるが、これらの方法に限定されるものでは
ない。尚、硬化時間を短縮する場合の加熱温度について
は、反応性ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温
度よりも低い温度とすることが望ましい。さもないと、
反応性ホットメルト接着剤組成物の軟化により接着部分
のズレ等が生じる恐れがある。
【0063】本発明による反応性ホットメルト接着剤組
成物が適用される被着体、並びに、本発明による接着方
法で用いる被着体としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、鉄、アルミニウム、銅、鉛、錫、亜鉛、
ニッケル、マグネシウム、チタン、金、銀、白金等の金
属もしくは合金又はそれらの塗装体、各種プラスチック
又はプラスチック混合物、ガラス、コンクリート、石、
モルタル、セラミック、陶磁器等の無機材料、木材や紙
等のセルロース系材料、皮革等の広範な材質からなる各
種被着体が挙げられ、好適に適用することが出来る。
又、上記各種被着体は、同一材料の被着体が接着されて
も良いし、異種材料の被着体が接着されても良い。
【0064】上記被着体の形状は、板、塊、棒、シー
ト、紐、繊維、ハニカム、管、粒子等のいずれの形状で
あっても良く、又、同一形状の被着体が接着されても良
いし、異なる形状の被着体が接着されても良い。本発明
による反応性ホットメルト接着剤組成物は、通常広く一
般に使用されている反応性ホットメルト接着剤としてだ
けでなく、構造用接着剤や弾性接着剤としても、又、感
圧接着剤、シーリング剤、コーティング剤等としても、
好適に使用することが出来る。又、固形状のホットメル
ト接着剤組成物としてのみならず、サポート型又はノン
サポート型のフィルム状もしくはテープ状接着剤組成物
として用いることも出来る。
【0065】このような反応性ホットメルト接着剤組成
物の具体的用途としては、例えば、ドアパネル、間仕切
り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジング用
パネル等のサンドイッチパネルの芯材と表面材との接
着;家具、パーティション、自動車内装材としてのドア
パネルや天井材等の芯材と表面材との接着;自動車、建
材、電気製品等に緩衝材、遮音材、断熱材等として使用
されるポリオレフィン樹脂発泡体と各種基材との接着;
ランプ用レンズの接着;スポンジ研磨材、研磨布紙、タ
ワシ、発泡マットレス、建具、包装材料、座席シート、
電気カーペット、テーブル、デスク、システムキッチ
ン、テレビ、スピーカー等の製作;合板、化粧板等の貼
り合わせ;テープボンディングやフレキシブルボンディ
ング等への適用;光学式オーディオ・ビデオディスクや
光磁気ディスク等の貼り合わせ;自動車のサイドモー
ル、ボディーパネルシーラー、ドア、インパネ周辺部、
ヘッドランプ、テールランプ、窓周辺部等の接着やシー
リング等の広範な用途が挙げられるが、勿論これらの用
途に限定されるものではない。
【0066】(作用)請求項1記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物は、エポキシ化合物、脂肪族
ヒドロキシル基を含有するポリエステル樹脂、及び上記
カチオン重合開始剤が含有されてなるので、活性エネル
ギー線の照射によりカチオン重合で硬化が進行し、硬化
後は、エポキシ化合物とポリエステル樹脂との相乗効果
により、優れた接着強度と耐熱性を発現する。又、活性
エネルギー線硬化型であり、湿気硬化型ではないので湿
気を遮断する必要がなく、従って、特殊な製造設備や包
装材料等を必要としない。さらにポリエステル樹脂の数
平均分子量が500〜6000であり、100℃での粘
度が10000cps以下であるので、反応性ホットメ
ルト接着剤組成物の溶融粘度が小さくなり、熱に弱い材
料への塗布が容易になる。
【0067】請求項2記載の発明に係る接着剤組成物
は、エポキシ化合物として、芳香族エポキシ樹脂または
その変成物を用いるので、得られる反応性ホットメルト
接着剤組成物に特に優れた耐熱性を付与することが可能
となる。さらに芳香族エポキシ樹脂の数平均分子量が5
00〜5000であるので、反応性ホットメルト接着剤
組成物の溶融粘度が小さくなり、熱に弱い材料への塗布
が容易になる。又、請求項3記載の発明に係る反応性ホ
ットメルト接着剤組成物は、エポキシ化合物として、エ
ポキシ当量が100〜300のエポキシ化合物をさらに
含むので、得られる反応性ホットメルト接着剤組成物に
一層優れた耐熱性を付与することが可能となる。又、請
求項4記載の発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成
物は、カチオン重合開始剤として、芳香族ヨードニウム
塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩からなる群
より選択されるものを用いるので、活性エネルギー線を
照射された後のカチオン重合による硬化が適正な速度で
進行し、且つ、反応性ホットメルト接着剤組成物を保存
する際の貯蔵安定性や反応性ホットメルト接着剤組成物
を製造したり加熱溶融塗工する際の加熱時安定性等に優
れたものとなる。又、請求項5記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物は、100℃における粘度が
50,000cps以下であるので、熱に弱い材料への
塗布が容易である。又、請求項6記載の発明に係る接着
方法は、請求項1〜5の何れかに記載の反応性ホットメ
ルト接着剤組成物を用いるので、熱に弱い材料の接合も
容易に行うことが出来、且つ優れた接着強度と耐熱性を
有する接合体を得ることができ、更に、活性エネルギー
線の照射により接着剤組成物を硬化させるので、接着作
業を短時間で行うことが可能である。
【0068】
【実施例】
【0069】本発明をさらに詳しく説明するため以下に
実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」
を意味する。以下に挙げる実施例及び比較例では、下記
の諸原料を用いて反応性ホットメルト接着剤組成物を製
造した。
【0070】〔エポキシ化合物〕 エポキシ化合物(A):商品名「エピコート100
7」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、軟化点128
℃、エポキシ当量1750〜2200、油化シェルエポ
キシ社製 エポキシ化合物(B):商品名「エピコート100
1」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、軟化点64
℃、エポキシ当量450〜500、油化シェルエポキシ
社製 エポキシ化合物(C):商品名「エピコート828」、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、常温液状、エポキシ
当量184〜194、油化シェルエポキシ社製 エポキシ化合物(D):商品名「ERL−4221」、
脂環式エポキシ樹脂、常温液状、エポキシ当量137、
ユニオンカーバイド社製
【0071】〔ポリエステル樹脂〕 ポリエステル樹脂(a):商品名「クラレポリオールP
−2010」、常温液状、水酸基価56KOHmg/
g、クラレ社製、粘度(25℃)5,700cps ポリエステル樹脂(b):商品名「クラレポリオールP
−5010」、常温液状、水酸基価22KOHmg/
g、クラレ社製粘度(60℃)6200cps ポリエステル樹脂(c):商品名「ニッポラン401
8」、融点55℃、分子量約4,000、日本ポリウレ
タン社製、粘度(70℃)4000cps ポリエステル樹脂(d):商品名「ダイナポールS−1
402」、軟化点102℃、ヒュルス社製、粘度(16
0℃)115000cps
【0072】〔カチオン重合開始剤〕商品名「UVI−
6990」、芳香族スルホニウム塩、常温液状、ユニオ
ンカーバイド社製 〔脂肪族ヒドロキシル化合物〕商品名「G−700」、
ポリエーテルポリオール、常温液状、水酸基価205〜
245KOHmg/g、旭電化工業社製
【0073】(実施例1) (1)反応性ホットメルト接着剤組成物の製造 エポキシ化合物(A)60部、エポキシ化合物(C)5
部及びポリエステル樹脂(a)40部を加熱オイルを循
環させ得るジャケットを備えたプラネタリーミキサーに
投入して、温度150℃、回転速度30rpmで30分
間混合した。次いで、アルミ箔で全体を覆った後、カチ
オン重合開始剤1部を投入し、温度150℃、回転速度
30rpmで10分間混合して、反応性ホットメルト接
着剤組成物を得た。
【0074】(2)評価 上記で得られた反応性ホットメルト接着剤組成物の性能
(100℃溶融粘度、剥離接着強度、耐熱性)を以下の
方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであっ
た。 〔100℃溶融粘度〕JIS K6862「ホットメル
ト接着剤の溶融粘度試験方法」のB法に準じて、上記で
得られた反応性ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度を
100℃にて測定した。
【0075】〔剥離接着強度〕100℃(比較例1の場
合のみ120℃)に設定したロールコーターを用いて、
上記で得られた反応性ホットメルト接着剤組成物を9号
綿帆布(25mm×150mm)に塗工面積が25mm
×100mm、塗工厚さが100〜200μm(塗工量
10〜20mg/cm2 )となるように塗工した後、2
3℃−60%RH(相対湿度)の暗所で7日間養生し
た。次に、高圧水銀灯(商品名「ジェットライトJL2
300」、ORK製作所社製)を用いて、上記塗工物の
反応性ホットメルト接着剤組成物面に365nmの波長
の光を照度25mW/cm2 で30秒間照射した後、2
3℃−60%RHの暗所で10分間養生した。次いで、
光照射された塗工面に亜鉛鋼板(25mm×125mm
×0.8mm)を重ね合わせ、温度80℃、圧力0.5
kg/cm2、時間10分間の条件で加熱プレスを行
い、90度角剥離試験片を作成した。上記で得られた9
0度角剥離試験片を23℃−60%RHの雰囲気下で1
2時間養生した後、JIS K−6854「接着剤のは
く離接着強さ試験方法」に準拠して、90度角剥離試験
を行い、剥離接着強度(kg/25mm)を求めた。
【0076】〔耐熱性〕剥離接着強度の場合と同様の条
件で作成され、光照射されて養生された9号綿帆布上の
塗工面同士を重ね合わせ、温度80℃、圧力0.5kg
/cm2 、時間10分間の条件で加熱プレスを行い、T
型剥離試験片を作成した。このようにして得られたT型
剥離試験片を23℃−60%RHの雰囲気下で12時間
養生した後、T型剥離試験片の一方の綿帆布の端部に2
00gの錘を付け、他方の綿帆布の端部を100℃に設
定されたギアーオーブンの天井面に固定し、T型剥離タ
イプの熱クリープ試験を行い、試験片の接着部分が全て
剥離する迄の時間を求めた。 (実施例2〜4、及び比較例1)表1に記載の配合組成
とした以外は、実施例1と同様にして反応性ホットメル
ト接着剤組成物を得て、その性能(100℃溶融粘度、
剥離接着強度、耐熱性)を実施例1の場合と同様にして
評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0077】
【表1】
【0078】表1から明らかなように、本発明に係る実
施例1〜4の反応性ホットメルト接着剤組成物は、溶融
粘度が小さく、活性エネルギー線を照射した後も容易に
被着体を貼り合わせることが可能であり、かつ、硬化後
は優れた耐熱性を発現した。これに対し、溶融粘度の大
きなポリエステル樹脂を使用した比較例1の反応性ホッ
トメルト接着剤組成物は、接着剤組成物全体としての溶
融粘度が大きく、かつ、耐熱性が極端に悪かった。
【0079】
【発明の効果】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤
組成物は、上述の通り、エポキシ化合物、数平均分子量
及び粘度が特定された脂肪族ヒドロキシル基を含有する
ポリエステル樹脂、及び、カチオン重合開始剤が含有さ
れてなるので、溶融粘度が小さく、かつ硬化後はエポキ
シ化合物とポリエステル樹脂とが相俟って優れた耐熱性
を発現するため、熱に弱い材料の接合が容易であり、か
つ優れた接着強度と耐熱性を有する接合体を得ることが
でき、自動車用、電気製品用、建材用等を始め、各種工
業製品用の反応性ホットメルト接着剤として好適に用い
られる。又、本発明に係る接着方法は、上記反応性ホッ
トメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してカ
チオン重合により硬化を進行せしめるので、本発明によ
れば、優れた耐熱性を有する接合体を作業性良く簡便に
得ることが可能であり、各種工業用途に好適に活用出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 EC031 EC061 EC071 EC081 EC091 EC101 EC121 EC151 EC171 EC211 EC231 EC261 EC371 EC401 ED001 ED041 ED051 ED071 HB06 HC14 HD18 HD33 HD43 JA08 JA09 JB01 JB07 JB09 KA11 KA13 LA01 LA05 LA06 LA08 MA02 MA04 MA05 MA06 MA08 MA09 MA10 MA13 NA05 NA12 NA13 NA16 NA18 NA19 NA21 PA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ化合物、数平均分子量が500
    〜6,000であり100℃での粘度が10,000c
    ps以下であり脂肪族ヒドロキシル基を含有するポリエ
    ステル樹脂、及び活性エネルギー線の照射により本組成
    物を硬化させ得る有効量のカチオン重合開始剤が含有さ
    れてなることを特徴とする反応性ホットメルト接着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 上記エポキシ化合物が、数平均分子量6
    00〜5,000のビスフェノール型エポキシ樹脂また
    はその変成物であることを特徴とする請求項1に記載の
    反応性ホットメルト接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ当量が100〜300のエポキ
    シ化合物をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載
    の反応性ホットメルト接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 上記カチオン重合開始剤が、芳香族ヨー
    ドニウム錯塩、芳香族スルホニウム錯塩及びメタロセン
    塩からなる群より選択されるものであることを特徴とす
    る請求項1〜3の何れか1項に記載の反応性ホットメル
    ト接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 100℃における粘度が50,000c
    ps以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の
    反応性ホットメルト接着剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の反応性ホ
    ットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、溶融状態で被着
    体の一方又は両方に塗工し、被着体同士を貼り合わせる
    前もしくは貼り合わせた後に、塗工された反応性ホット
    メルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射し、その
    後に被着体同士を圧着することを特徴とする接着方法。
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