JP3746928B2 - 反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱溶融塗工により適用され、活性エネルギー線の照射により硬化が進行する反応性ホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
製本、包袋、繊維加工、家具木工、弱電、輸送などの分野において、紙、繊維、木材、ガラス、プラスチック、金属などを接着するために幅広く利用されている接着剤としてホットメルト接着剤が知られている。ホットメルト接着剤はその使用に際し、アプリケーター内で通常100〜200℃程度の温度にて加熱溶融される。そして溶融状態で被着体に塗布されたホットメルト接着剤は、冷却固化することによって被着体を接着する。このようなホットメルト接着剤は、被着体を貼合わせてから接着強度を発現するまでの時間が通常1分以内と非常に短く、接着作業を非常に短時間で行うことが可能である。
【0003】
しかし、ホットメルト接着剤は加熱溶融する必要があるため、一般的に耐熱性に劣るという欠点を有している。そこで、ホットメルト接着剤の塗布、貼り合わせの際に、何らかの化学反応による硬化システムを導入することにより、耐熱性を向上させる検討が幅広く行われている。例えば、特開昭49‐98445号公報には湿気硬化型のホットメルト接着剤が開示されているが、空気中の水分によって硬化反応が進行するため、貯蔵安定性が悪く、硬化反応が遅い、更に、非透湿材料では硬化不十分となったり、イソシアネート系化合物を含有しているために作業環境が劣悪であるといった問題点が指摘されている。そこで、湿気硬化型以外の反応性ホットメルトとして、特開平6‐306346号公報にはエポキシ化合物とポリエステル化合物と光開始剤からなる、耐熱性に優れるホットメルト組成物が開示されている。
【0004】
一方、近年、環境問題等の視点から、塩化ビニルフィルムをポリエステル(PET)フィルムに置き換える検討が盛んに行われているが、PETは一般的に難被着体であり、上記特開平6‐306346号公報に開示されているホットメルト組成物では、PETを被着体とした場合に十分な接着強度が得られないといった問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、活性エネルギー線の照射により硬化反応が進行し、耐熱性に優れ、且つ、PETに対する接着性に優れた反応性ホットメルト接着剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、1 分子当たり、下記の式(1)の構造のカチオン重合反応性基を平均1 以上有するカチオン重合性化合物
(なお、式(1)において、m、nは、0、1または2、R1 、R2 、R3 、R4 はそれぞれ水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソアミル基、フェニル基を示す)、分子内に平均1以上の芳香族環を有する数平均分子量400〜5000未満のポリエステル化合物(A)、数平均分子量5000〜50000のポリエステル化合物(B)、及び光カチオン重合開始剤を含むことを特徴とする反応性ホットメルト接着剤組成物である。
【0007】
請求項2の発明は、カチオン重合性化合物のカチオン重合反応性基がエポキシ基である請求項第1項記載の反応性ホットメルト接着剤組成物である。
【0008】
本発明で用いられるカチオン重合性化合物は、上記の式(1)の構造のカチオン重合反応性基を平均1以上有する化合物で有れば特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマーであってもよく、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン原子等を構成原子として含んでもよく、カチオン重合反応性基は分子骨格の末端に有しても側鎖として有しても、分子骨格内に有してもよく、その構造や分子量も限定されるものではない。
カチオン重合性化合物は、それ自身がホットメルト型樹脂であってもよい。またカチオン重合性化合物は常温で液状であってもよく、この場合は液状カチオン重合性化合物と固形熱可塑性樹脂とが混合され、固形樹脂として提供される。
【0009】
このようなカチオン重合性化合物としては、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物等の環状エーテル化合物が挙げられ、中でも、カチオン重合性に優れているという理由で、エポキシ化合物が好適に用いられる。またこれらのカチオン重合性化合物を2 種以上併用してもよい。
ここで、1分子当たりの「平均」のカチオン重合反応性基の数は、カチオン重合性化合物中のカチオン重合反応性基の数を存在するカチオン重合性化合物の総数によって除算されて求められる。
【0010】
本発明におけるポリエステル化合物(A)としては、芳香族環を平均1以上有し、数平均分子量が400〜5000未満であれば特に限定されない。通常、ポリエステル化合物は、分子内に2個以上のカルボン酸基を有する多価カルボン酸のカルボン酸基と、分子内に2個以上の水酸基を有する多価アルコールの水酸基との縮合反応により合成されるため、原料として用いられる多価カルボン酸又は多価アルコールの少なくとも一方に芳香族環を有する必要がある。
芳香族環を有する多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、4,4’‐ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’‐ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’‐ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、4,4’‐ジフェニルアミンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
【0011】
芳香族環を有する多価アルコールとしては、例えば、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、2、5‐ジヒドロキシトルエン、2,6‐ジヒドロキシトルエン、3,4‐ジヒドロキシトルエン、1,3‐ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、2,2’‐ジヒドロキシジフェニル、2,3‐ジヒドロキシジフェニル、4、4’‐ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、4‐t‐ブチルカテコール、2‐t‐ブチルヒドロキノン、フロログリシノール等が挙げられる。
【0012】
上記芳香族環含有多価カルボン酸及び/又は芳香族環含有多価アルコールをポリエステル化合物の原料として用い、得られるポリエステル化合物の分子量から計算して、芳香族環を平均1以上有する量であれば、脂肪族の多価カルボン酸及び/または多価アルコールを、ポリエステル化合物の原料として用いることが可能である。
上記脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12‐ドデカンジカルボン酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3‐プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、2,2‐ジエチル‐1,3‐プロパンジオール、1,5‐ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6‐ヘキサンジオール、1,8‐オクタンジオール、2‐エチル‐1,3‐ヘキサンジオール、1,10‐デカンジオール、1,12‐ドデカンジオール、グリセリン等が挙げられる。
【0013】
本発明で用いられる・ポリエステル化合物(A)としては、原料として芳香族多価カルボン酸を用いたものが好ましい。
上記芳香族及び脂肪族多価カルボン酸、芳香族及び脂肪族多価アルコールはそれぞれについて、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
上記の原料から合成されるポリエステル化合物(A)の数平均分子量は400〜5000未満であることが必須であるが、更に好ましくは、400〜3000である。ポリエステル化合物(A)は芳香族環を有し、比較的低分子量なので接着性向上に寄与する。分子量が400未満になると、接着界面に偏在し易くなり接着性が低下する可能性があり、5000以上になると接着性向上の効果が弱くなってしまう可能性がある。
【0014】
本発明で用いられるポリエステル化合物(B)としては、数平均分子量が5000〜50000であれば特に限定されない。ポリエステル化合物(B)も多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応により合成される。ポリエステル化合物(B)に用いられる多価カルボン酸と多価アルコールとしては、特に限定されず、例えば、上記芳香族及び脂肪族多価カルボン酸、芳香族及び脂肪族多価アルコール等が挙げられ、それぞれについて、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。ポリエステル化合物(B)の数平均分子量は5000〜50000であることが必須であるが、好ましくは、7000〜30000である。
ポリエステル化合物(B)は接着剤の接着性と共にカチオン重合性化合物と相まって接着剤組成物の強度、特に耐熱性の発現に寄与する。分子量が5000未満の場合は十分な強度が得られ無い可能性があり、50000を越えると溶融時の粘度が高くなり、接着性、実用性等の低下等の可能性がある。
【0015】
上記光カチオン重合開始剤としては、カチオン重合性化合物の重合を開始するためのカチオンを活性エネルギー線の照射により生成し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、例えば、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩、アリールシラノール・アルミニウム錯体等が挙げられる。これら光カチオン重合開始剤の例としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩および芳香族スルホニウム塩は、米国特許第4, 256, 828号に開示されている。また、メタロセン塩については、米国特許第5, 089, 536号に開示されている。
【0016】
これらの光カチオン重合開始剤を用いることにより、200〜400nmの波長を含む光を照射することにより、硬化を速やかに進行させることができ優れた耐熱接着高度を発現することができる。又、活性エネルギー線を遮断しておけば硬化反応が起こらないので、貯蔵安定性に優れた接着剤となる。光カチオン重合開始剤の配合量は、活性エネルギー線の種類や強度、カチオン重合性化合物の種類や量、カチオン重合開始剤の種類、などによって異なるが、好ましくはカチオン重合性化合物100重量部に対して0. 01〜10重量部配合される。
【0017】
本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じて熱可塑性樹脂類、ヒドロキシル化合物が含有されていても良い。前記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例えば、粘着付与樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系樹脂、アクリル系共重合樹脂等が挙げられ、これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0018】
また、上記ヒドロキシル化合物は液体であっても、固体であってもよいが、少なくとも1個、好ましくは2個のヒドロキシル基を有する化合物である。この場合、ヒドロキシル基は化合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもしくはコポリマーの側鎖に存在してもよい。
上記ヒドロキシル化合物としては、例えば、アルキレングリコール、ポリヒドロキシルアルカン、ポリオキシアルキレンポリオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ヒドロキシル化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上併用されてもよい。
【0019】
更に、上記反応性ホットメルト接着剤組成物には必要に応じて、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の密着性改良剤、増感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、粘度調整剤などの成分を添加することもできるが、添加できるものはこれらの成分に限定されるわけではない。またこれらの成分を2種以上併用してもよい。 またこれらの成分は先に述べた成分に予め添加されていても良いし、後から添加されても良い。
【0020】
本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法としては、配合する各成分を混合し、均一に分散し得る限り、如何なる方法を採用してもよいが、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で製造する必要がある。また、製造に際しての各成分の混合分散は無溶剤で行ってもよく、不活性溶媒中で混合した後、脱溶剤を行ってもよい。具体的混練設備としては、ダブルヘリカルリボン浴、ゲート浴、バタフライミキサー、プラネタリミキサー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機、エクストルーダー型混練押出機等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
上記いずれの製造方法も、カチオン重合を阻害する成分である水分の混入を少なくするために、無水条件下で行われるのが好ましい。またいずれの製造方法も大気圧下もしくは必要であれば大気圧以上か大気圧以下で行われる。またいずれの接着剤製造方法の場合も硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行うことが必要である。また、製造時の加熱温度範囲としては、50〜250℃が好ましく、80〜200℃が更に好ましい。またこれらの製造方法は2種以上併用してもよい。このようにして製造した組成物は、粘着性を有しても、非粘着性であってもよい。
【0022】
上記反応性ホットメルト組成物は、活性エネルギー線により反応が進行するので、貯蔵に関しては、硬化開始に有効な光を含む活性エネルギー線を遮断しうる方法であれば特に限定されないが、好ましい貯蔵容器としてはペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール、紙袋、プラスチック類等の、硬化開始に有効な活性エネルギー線に対して不透明な容器が挙げられるが、これらの容器に限定されるわけではない。またこれらの容器の材質は限定されない。また本発明における組成物は、これらの貯蔵方法を採用することなく、製造直後に使用されてもよい。
【0023】
上記反応性ホットメルト接着剤組成物を用いて、被着体を接着する方法としては、特に限定されないが、例えば、反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融してから被着体の一方または両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体を貼合わせ、圧着又は加熱圧着することにより接着を行う方法、加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組成物から、ロールコーター、フローコーター、バーコーター等によりフィルムを作成し、得られたフィルム状反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体を貼合わせ、圧着又は加熱圧着することにより接着を行う方法等が挙げられる。また、被着体として活性エネルギー線を透過するものを用いる場合には、被着体を張り合わせた後、又は圧着したあとに、活性エネルギー線を照射する方法をとることも可能である。
【0024】
組成物を被着体に加熱溶融塗布する方法としては、通常のホットメルトアプリケーターやホットメルトコーターなどにより加熱溶融した組成物を被着体に塗布する方法、被着体を加熱溶融した組成物に浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどにより加熱溶融した組成物を被着体に噴霧する方法、押出機などにより加熱溶融した組成物を被着体に押出する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ペールアンローダー、カートリッジディスペンサーなどを使用してホットメルトアプリケーターに送られてもよいし、スティック、ペレット、スラッグ、ブロック、ピロー、ビレットなどの形で上記の各塗布装置に送られてもよい。また加熱は、組成物全体を加熱溶融してもよく、加熱体の近傍のみを加熱溶融してもよい。またいずれの溶融塗工方法の場合も硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行うことが必要である。
【0025】
本発明に用いられる活性エネルギー線としては、上記カチオン重合開始剤からカチオンを生成し得る限り、適宜の活性エネルギー線を用いることができ、活性エネルギー線の種類については、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択され、好ましくは紫外線が用いられる。好ましくは200〜600nmの波長を含む光が用いられ、特に、光カチオン重合開始剤として芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン塩などを用いる場合には、200〜400nmの波長を含む光を用いることが望ましい。活性エネルギー線の照射方法としては、直接、もしくは透明または半透明の被着体を通して活性エネルギー線を有効量照射する方法であれば特に限定されない。活性エネルギー線の照射量については、カチオン重合開始剤の種類や反応性ホットメルト接着剤組成物の塗布されている部分の厚みや量によっても異なるため、一義的には定め得ないが、0. 001J〜10Jの範囲とすることが望ましい。低照射エネルギーで硬化するため、200μ程度の厚みであれば60mJ以上であれば充分である。その照射源としては、紫外線を用いる場合には、紫外線の照射源として一般に使用されている蛍光ランプ、高圧水銀灯、などが例示される。
【0026】
本発明の組成物は通常の常態条件にて十分硬化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合は活性化エネルギー線照射時もしくは照射後、適度な加熱を行うこともできる。この場合の加熱方法は、組成物の種類、被着体の形状や性質、加熱条件、などによって適宜最適な方法をとればよく、例えば、温風を吹き付ける、加熱したオーブン中に置く、ヒーターにて加熱する、などが例示されるが、これらに限定されるものではない。なお、硬化時間を短縮する場合の加熱温度については、反応性ホットメルト接着剤組成物自体が軟化する温度よりも低い温度とすることが望ましい。さもないと、反応性ホットメルト接着剤組成物の軟化により接着部分のズレなどが生じるおそれがある。またこれらの硬化方法を2 種以上併用してもよい。
【0027】
本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物をを用いて張り合わせる被着体としては、PETが好適なものとして挙げられる。更に、その他のものとして、金属(鉄、アルミニウムなど)およびその合金、PET以外のプラスチックおよびその混合物、無機材(ガラス、コンクリート、石、モルタル、セラミックなど)、セルロース材料(木材、紙など)、皮革、なども例示されるが、これらに限定されるものではない。またこれらの被着体は、板、塊、棒、シート、紐、繊維、ハニカム、管、粒子、その他さまざまな形態でありうる。またこれらの異なる被着体の貼り合わせに使用してもよい。
【0028】
本発明の組成物は、反応性ホットメルト接着剤として特に、弾性接着剤、構造用接着剤、感圧接着剤、シーリング材などとして使用することが可能である。
特に好適な用途としては、PETフィルムからなるカード類の接着、PETの成型品の接着等PETを被着体とする用途が挙げられる。また、その他にドアパネル、間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジング用パネルなどのサンドイッチパネルの心材と表面材との接着、家具、パーティション、自動車内装材用のドアパネルや天井材などの心材と表面材との接着、などの用途に好ましく使用されるが、これらの用途に限定されて使用されるわけではない。
【0029】
(作用)
本発明の反応性ホットメルト接着剤組成物は、加熱により溶融し、軟化するため、通常のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用することができる。また、活性エネルギー線の照射により、カチオン重合性化合物中のカチオン重合反応性基を反応させるため、比較的低温での被着体への塗布又はフィルム化、及び、貼り合わせと硬化後の高耐熱性を両立することが可能である。
更に、ポリエステル成分として、高分子量のものと芳香族骨格を有する低分子量のものを用いることにより、PETに対する高い接着性を発現することが可能となる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の非限定的な実施例を挙げることにより、本発明を説明する。
実施例1
〔組成物の調整〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名;エピコート1001)50重量部、芳香族ポリエステル化合物(A)[分子量500、クラレ社製、商品名;クラレポリオールP‐530]10重量部、ポリエステル化合物(B)[数平均分子量25000、東洋紡社製、商品名;バイロン200]40重量部、光カチオン重合開始剤(UCC社製、商品名;UVI‐6990)1重量部からなる組成物を加熱したオイルを循環させることのできるジャケット付きプラネタリーミキサーで150℃にて混練して調整し、反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
〔複合シート の作成〕
得られた反応性ホットメルト接着剤組成物を120℃で厚さ0. 1mmの白色PETシート(東レ社製、商品名;ルミラーE20)に塗布した後、超高圧水銀灯を用いて1500mJ/ cm2 の紫外線を照射し、反応性ホットメルト組成物を塗布していない白色PETシートと積層し、70℃にて熱ラミネートして複合シートを得た。
【0031】
実施例2
実施例1において、ポリエステル化合物(A)[芳香族ポリエステル樹脂、数平均分子量2500、東洋紡社製、商品名;バイロン220]30重量部、ポリエステル化合物(B)[数平均分子量25000、東洋紡社製、商品名;バイロン200]20重量部とする以外は、実施例1と同様に行って複合シートを得た。
【0032】
実施例3
実施例2で得られた反応性ホットメルト接着剤組成物を120℃で厚さ0. 05mmの透明離型PETフィルムの離型面に塗布した後、1500mJ/cm2 の紫外線を照射し、反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布していない白色PETシート2枚の間に、離型PETから剥がしたフィルム状反応性ホットメルト接着剤組成物を積層し、70℃にて熱ラミネートして複合シートを得た。
【0033】
比較例1
実施例2において、ポリエステル化合物(A)[芳香族ポリエステル樹脂、数平均分子量2500、東洋紡社製、商品名;バイロン220]を使用しない以外は、実施例2と同様にして複合シートを得た。
【0034】
比較例2
実施例2において、ポリエステル化合物(B)[数平均分子量25000、東洋紡社製、商品名;バイロン200]を使用しない以外は、実施例2と同様にして複合シートを得た。
【0035】
〔評価〕
実施例1〜3、比較例1〜2で得られた複合シートを以下の要領で評価した。結果を表1に示す。
(常態接着性)
得られた複合シートを引張試験器を用いて、温度:23℃、剥離速度:50mm/minの条件でT剥離試験を行い、接着強度、破壊形態を観察した。破壊形態がPETシートの材破の場合には材破した時の強度を、その他の場合は、接着強度の平均値を接着強度とした。
(耐熱接着性)
得られた複合シートを引張試験器を用いて、温度:80℃、剥離速度:50mm/minの条件でT剥離試験を行い、接着強度、破壊形態を観察した。接着強度の平均値を接着強度とした。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の反応性ホットメルト接着剤は、カチオン重合性化合物、特定化されたポリエステル化合物、光カチオン重合開始剤とからなっているので、難被着体であるPETに対する接着性が優れており、活性エネルギー線の照射により硬化反応が進行するので、耐熱性が優れた反応性ホットメルト接着剤である。
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