JP2001329242A - 光反応性ホットメルト接着剤組成物及びその製造方法並びに接着方法 - Google Patents
光反応性ホットメルト接着剤組成物及びその製造方法並びに接着方法Info
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- JP2001329242A JP2001329242A JP2000155086A JP2000155086A JP2001329242A JP 2001329242 A JP2001329242 A JP 2001329242A JP 2000155086 A JP2000155086 A JP 2000155086A JP 2000155086 A JP2000155086 A JP 2000155086A JP 2001329242 A JP2001329242 A JP 2001329242A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造、保管、塗工及び貼合わせ時において劣
化が生じ難く、最終的な硬化物における耐熱性が良好な
光反応性ホットメルト接着剤組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル末端のカルボキシル基と多
官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂と、光カチ
オン重合開始剤とからなる光反応性ホットメルト接着剤
組成物。
化が生じ難く、最終的な硬化物における耐熱性が良好な
光反応性ホットメルト接着剤組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル末端のカルボキシル基と多
官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂と、光カチ
オン重合開始剤とからなる光反応性ホットメルト接着剤
組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱溶融塗工によ
り適用され、光の照射により硬化が進行する反応性ホッ
トメルト接着剤組成物に関し、より詳細には、保管時、
加熱溶融塗工時、ホットメルトシート保管時、光照射後
の貼合わせ後の最終製品における劣化や変性を抑制する
ことができる光反応性ホットメルト接着剤組成物に関す
る。
り適用され、光の照射により硬化が進行する反応性ホッ
トメルト接着剤組成物に関し、より詳細には、保管時、
加熱溶融塗工時、ホットメルトシート保管時、光照射後
の貼合わせ後の最終製品における劣化や変性を抑制する
ことができる光反応性ホットメルト接着剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製本、包袋、繊維加工、木工、弱電また
は輸送などの種々の分野において、紙、繊維、木材、ガ
ラス、プラスチックまたは金属などを接着するのにホッ
トメルト接着剤が幅広く用いられている。
は輸送などの種々の分野において、紙、繊維、木材、ガ
ラス、プラスチックまたは金属などを接着するのにホッ
トメルト接着剤が幅広く用いられている。
【0003】ホットメルト接着剤の製造は、加熱溶融混
練により行われる場合が一般的であり、通常、70〜2
00℃程度の温度でホットメルト接着剤を構成する成分
を加熱溶融混練し、抜き出す。この際に、接着剤が強制
冷却により常温に戻される。あるいは、包装容器に抜き
出した後、強制冷却または自然放置により接着剤が常温
まで冷却される。
練により行われる場合が一般的であり、通常、70〜2
00℃程度の温度でホットメルト接着剤を構成する成分
を加熱溶融混練し、抜き出す。この際に、接着剤が強制
冷却により常温に戻される。あるいは、包装容器に抜き
出した後、強制冷却または自然放置により接着剤が常温
まで冷却される。
【0004】ホットメルト接着剤の保管及び運搬は、通
常の条件(−20〜60℃及び相対湿度95%以下)で
行われ、ホットメルト接着剤は包装容器中に収納されて
いる。包装容器の役割は、ゴミや埃がホットメルト接着
剤中に入らないようにするため、並びに照明や太陽光な
どによるホットメルト接着剤の変色や劣化を防止するこ
とにある。すなわち、包装容器は、塗工に至るまでにホ
ットメルト接着剤が変質するのを防止するために用いら
れている。
常の条件(−20〜60℃及び相対湿度95%以下)で
行われ、ホットメルト接着剤は包装容器中に収納されて
いる。包装容器の役割は、ゴミや埃がホットメルト接着
剤中に入らないようにするため、並びに照明や太陽光な
どによるホットメルト接着剤の変色や劣化を防止するこ
とにある。すなわち、包装容器は、塗工に至るまでにホ
ットメルト接着剤が変質するのを防止するために用いら
れている。
【0005】ホットメルト接着剤の塗工に際しては、ア
プリケーター内においてホットメルト接着剤を通常70
〜200℃程度の温度にて加熱溶融する。次に、溶融状
態のホットメルト接着剤を被着体に塗布し、被着体同士
を貼り合わせる。あるいは、ホットメルト接着剤を被着
体または離型フィルムなどに塗布し、巻き取ることによ
り、または押出塗布加工機により押し出すことにより、
フィルム状のホットメルト接着剤を得る。そして、この
フィルム状のホットメルト接着剤を、被着体同士の間に
挟んだり、あるいは被着体上に載置し、プレスもしくは
加熱プレスすることにより、被着体同士の貼合わせに用
いる。ホットメルト接着剤の冷却固化により被着体同士
が強固に接着される。
プリケーター内においてホットメルト接着剤を通常70
〜200℃程度の温度にて加熱溶融する。次に、溶融状
態のホットメルト接着剤を被着体に塗布し、被着体同士
を貼り合わせる。あるいは、ホットメルト接着剤を被着
体または離型フィルムなどに塗布し、巻き取ることによ
り、または押出塗布加工機により押し出すことにより、
フィルム状のホットメルト接着剤を得る。そして、この
フィルム状のホットメルト接着剤を、被着体同士の間に
挟んだり、あるいは被着体上に載置し、プレスもしくは
加熱プレスすることにより、被着体同士の貼合わせに用
いる。ホットメルト接着剤の冷却固化により被着体同士
が強固に接着される。
【0006】ホットメルト接着剤で接着された被着体
は、製品として様々な用途に用いられる。以上のよう
に、ホットメルト接着剤は、製造、保管、運搬、塗工、
フィルム状とされた場合の保管、貼合わせ及び接着後の
最終製品の様々な過程において、様々な温度や湿度条件
にさらされる。従って、ホットメルト接着剤は、これら
の様々な条件に耐え得るものであること、並びにその物
性が様々な条件にさらされた後においても良好に発現さ
れるものであることが求められる。
は、製品として様々な用途に用いられる。以上のよう
に、ホットメルト接着剤は、製造、保管、運搬、塗工、
フィルム状とされた場合の保管、貼合わせ及び接着後の
最終製品の様々な過程において、様々な温度や湿度条件
にさらされる。従って、ホットメルト接着剤は、これら
の様々な条件に耐え得るものであること、並びにその物
性が様々な条件にさらされた後においても良好に発現さ
れるものであることが求められる。
【0007】しかしながら、ホットメルト接着剤では、
最終硬化物に架橋が導入されていないので、自動車の車
内などの高温にさらされる用途に用いた場合、硬化した
ホットメルト接着剤が再度軟化するという問題があっ
た。
最終硬化物に架橋が導入されていないので、自動車の車
内などの高温にさらされる用途に用いた場合、硬化した
ホットメルト接着剤が再度軟化するという問題があっ
た。
【0008】他方、特公昭51−30898号公報に
は、この問題を解決した反応性ホットメルト接着剤が開
示されている。この反応性ホットメルト接着剤は、分子
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ー、エチレン酢酸ビニル共重合体、粘着付与物質からな
る。
は、この問題を解決した反応性ホットメルト接着剤が開
示されている。この反応性ホットメルト接着剤は、分子
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ー、エチレン酢酸ビニル共重合体、粘着付与物質からな
る。
【0009】この反応性ホットメルト接着剤では、最終
硬化物に架橋が導入されているので、硬化物の耐熱性が
高められる。しかしながら、空気中の湿気で架橋反応す
るので、製造時の容器として、金属管のような湿気を通
さない容器を用いる必要があった。また、塗工後の保管
に際しても、湿気を通さない容器を選択する必要があっ
た。すなわち、製造時及び保管時等における収納容器に
制約があった。
硬化物に架橋が導入されているので、硬化物の耐熱性が
高められる。しかしながら、空気中の湿気で架橋反応す
るので、製造時の容器として、金属管のような湿気を通
さない容器を用いる必要があった。また、塗工後の保管
に際しても、湿気を通さない容器を選択する必要があっ
た。すなわち、製造時及び保管時等における収納容器に
制約があった。
【0010】これらの問題を解決するものとして、特開
平6−306346号公報には、約2〜95部のエポキ
シ含有材料と、約98〜5部のポリエステル成分と、任
意成分である少なくとも1つのヒドロキシル官能基を有
するヒドロキシル含有材料とを含むホットメルト組成物
が開示されている。
平6−306346号公報には、約2〜95部のエポキ
シ含有材料と、約98〜5部のポリエステル成分と、任
意成分である少なくとも1つのヒドロキシル官能基を有
するヒドロキシル含有材料とを含むホットメルト組成物
が開示されている。
【0011】しかしながら、このホットメルト組成物で
は、ポリエステルを用いているので、温度及び湿気によ
る加水分解が生じ易い。従って、製造時、保管時、塗工
時及び例えばフィルム状とした後の保管時などにおいて
劣化し易く、ホットメルト組成物を用いて接着が完了さ
れている最終製品において該ホットメルト組成物の硬化
物の耐熱性が十分でないことが多かった。
は、ポリエステルを用いているので、温度及び湿気によ
る加水分解が生じ易い。従って、製造時、保管時、塗工
時及び例えばフィルム状とした後の保管時などにおいて
劣化し易く、ホットメルト組成物を用いて接着が完了さ
れている最終製品において該ホットメルト組成物の硬化
物の耐熱性が十分でないことが多かった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製造
時、保管時、塗工時及び貼合わせ時などの様々な過程に
おける劣化が生じ難く、接着完了後の最終製品における
硬化物の耐熱性が良好である反応性ホットメルト接着剤
を提供することにある。
時、保管時、塗工時及び貼合わせ時などの様々な過程に
おける劣化が生じ難く、接着完了後の最終製品における
硬化物の耐熱性が良好である反応性ホットメルト接着剤
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、本発明の広い局面に
よれば、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と多官
能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂と、光カチオ
ン重合開始剤とを含むことを特徴とする光反応性ホット
メルト接着剤組成物が提供される。
成するためになされたものであり、本発明の広い局面に
よれば、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と多官
能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂と、光カチオ
ン重合開始剤とを含むことを特徴とする光反応性ホット
メルト接着剤組成物が提供される。
【0014】本発明の特定の局面では、前記ポリエステ
ル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物と
を反応させてなる樹脂の酸価は、元のポリエステル樹脂
の重量単位に換算して1mgKOH/g以下である。
ル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物と
を反応させてなる樹脂の酸価は、元のポリエステル樹脂
の重量単位に換算して1mgKOH/g以下である。
【0015】上記光カチオン重合開始剤としては、好ま
しくは、対アニオンとしてリン原子を含むスルホニウム
塩が用いられる。本発明に係る光反応性ホットメルト接
着剤組成物の製造方法は、ポリエステル樹脂末端のカル
ボキシル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる
樹脂を得る工程と、前記樹脂と光カチオン重合開始剤と
を混合する工程とを備える。
しくは、対アニオンとしてリン原子を含むスルホニウム
塩が用いられる。本発明に係る光反応性ホットメルト接
着剤組成物の製造方法は、ポリエステル樹脂末端のカル
ボキシル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる
樹脂を得る工程と、前記樹脂と光カチオン重合開始剤と
を混合する工程とを備える。
【0016】好ましくは、前記樹脂を得る工程が、反応
性ホットメルト接着剤組成物の製造工程において行われ
る。また、本発明に係る光反応性ホットメルト接着剤組
成物の製造方法においては、好ましくは、前記ポリエス
テル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物
とを反応させるに際し、触媒が用いられる。
性ホットメルト接着剤組成物の製造工程において行われ
る。また、本発明に係る光反応性ホットメルト接着剤組
成物の製造方法においては、好ましくは、前記ポリエス
テル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物
とを反応させるに際し、触媒が用いられる。
【0017】本発明に係る接着方法は、本発明の光反応
性ホットメルト接着剤組成物を用いて部材同士を接着す
るにあたり、貼合わせ時に光を照射することを特徴とす
る。以下、本発明の詳細を説明する。
性ホットメルト接着剤組成物を用いて部材同士を接着す
るにあたり、貼合わせ時に光を照射することを特徴とす
る。以下、本発明の詳細を説明する。
【0018】(ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基
と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂)本発
明で用いられる、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル
基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂は、
ポリエステル分子末端のカルボン酸残基と、2官能以上
のエポキシ基とを反応させて製造されたものである。
と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂)本発
明で用いられる、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル
基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂は、
ポリエステル分子末端のカルボン酸残基と、2官能以上
のエポキシ基とを反応させて製造されたものである。
【0019】上記ポリエステルとしては、特に限定され
ないが、ジカルボン酸(またはそのジエステル等価物)
及びジオールの反応生成物を含み、分子末端がヒドロキ
シル基及びカルボキシル基の双方を含むものである。こ
れらのポリエステルは、一般に入手することができるも
のを用いることができる。
ないが、ジカルボン酸(またはそのジエステル等価物)
及びジオールの反応生成物を含み、分子末端がヒドロキ
シル基及びカルボキシル基の双方を含むものである。こ
れらのポリエステルは、一般に入手することができるも
のを用いることができる。
【0020】適切なジカルボン酸としては、琥珀酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などが挙げ
られる。上記ジオールとしては、芳香族、脂肪族、また
は脂環族で、分枝鎖及び非分枝鎖の各種多価アルコール
を用いることができる。また、2個以上の炭素原子を含
むアルキレン基を有する長鎖ジオールを用いることもで
きる。
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸などが挙げ
られる。上記ジオールとしては、芳香族、脂肪族、また
は脂環族で、分枝鎖及び非分枝鎖の各種多価アルコール
を用いることができる。また、2個以上の炭素原子を含
むアルキレン基を有する長鎖ジオールを用いることもで
きる。
【0021】芳香族多価アルコールとしては、例えば、
カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、2,5−
ジヒドロキシトルエン、2,6−ジヒドロキシトルエ
ン、3,4−ジヒドロキシトルエン、1,3−ジヒドロ
キシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン、2,2′−ジヒドロキシ
ジフェニル、2,3−ジヒドロキシジフェニル、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、4
−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノ
ン、フロログリシノール等が挙げられる。
カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、2,5−
ジヒドロキシトルエン、2,6−ジヒドロキシトルエ
ン、3,4−ジヒドロキシトルエン、1,3−ジヒドロ
キシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン、2,2′−ジヒドロキシ
ジフェニル、2,3−ジヒドロキシジフェニル、4,
4′−ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、4
−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノ
ン、フロログリシノール等が挙げられる。
【0022】脂肪族多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロ
パンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジ
オール、グリセリン等が挙げられる。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロ
パンジオール、1,5−ペンタジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジ
オール、グリセリン等が挙げられる。
【0023】上記ジカルボン酸並びにジアルコールは、
それぞれ、単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。これらのジカルボン酸またはそのジエステ
ル等価物及びジオールの反応生成物の分子末端は、ヒド
ロキシル基及びカルボキシル基の両方を含むが、本発明
では、このカルボキシル基を多官能エポキシと反応させ
ることにより上記樹脂が得られ、この場合の反応の方法
については、特に限定されず、触媒を用いた、あるいは
無触媒での溶液重合や加熱溶融混合などが挙げられる。
それぞれ、単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。これらのジカルボン酸またはそのジエステ
ル等価物及びジオールの反応生成物の分子末端は、ヒド
ロキシル基及びカルボキシル基の両方を含むが、本発明
では、このカルボキシル基を多官能エポキシと反応させ
ることにより上記樹脂が得られ、この場合の反応の方法
については、特に限定されず、触媒を用いた、あるいは
無触媒での溶液重合や加熱溶融混合などが挙げられる。
【0024】上記多官能エポキシ化合物としては、カチ
オン重合により重合可能な少なくとも2個のオキシラン
環を有する有機化合物からなり、モノマー、オリゴマー
あるいはポリマーであってもよく、芳香族、脂肪族ある
いは脂環式のいずれの構造を有するものであってもよ
い。また、上記多官能エポキシ化合物は、炭素、水素、
酸素、窒素、硫黄、リンなどの有機化合物構成原子を適
宜含むものであり、その構造は特に限定されない。ここ
で、1分子当たりの「平均」のエポキシ基の数は、エポ
キシ化合物中のエポキシ基の数を存在するエポキシ分子
の総数により除算することにより求められる。
オン重合により重合可能な少なくとも2個のオキシラン
環を有する有機化合物からなり、モノマー、オリゴマー
あるいはポリマーであってもよく、芳香族、脂肪族ある
いは脂環式のいずれの構造を有するものであってもよ
い。また、上記多官能エポキシ化合物は、炭素、水素、
酸素、窒素、硫黄、リンなどの有機化合物構成原子を適
宜含むものであり、その構造は特に限定されない。ここ
で、1分子当たりの「平均」のエポキシ基の数は、エポ
キシ化合物中のエポキシ基の数を存在するエポキシ分子
の総数により除算することにより求められる。
【0025】上記多官能エポキシ化合物がポリマーの場
合には、特に限定されるわけではないが、末端エポキシ
基を有する直鎖状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキ
レングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格中にオ
キシラン単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエ
ンポリエポキシド)あるいは側鎖にエポキシ基を有する
ポリマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートポ
リマーまたはコポリマー)のいずれであってもよい。
合には、特に限定されるわけではないが、末端エポキシ
基を有する直鎖状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキ
レングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格中にオ
キシラン単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエ
ンポリエポキシド)あるいは側鎖にエポキシ基を有する
ポリマー(例えば、グリシジル(メタ)アクリレートポ
リマーまたはコポリマー)のいずれであってもよい。
【0026】多官能エポキシ化合物の分子量は、特に限
定されないが、58〜100000の範囲に渡り得る。
上記多官能エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂;ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2
−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘ
キシル〕プロパンなどの脂肪族エポキシ樹脂;グリシジ
ル(メタ)アクリレートのような分子中にオキシラン環
を有する(メタ)アクリレートの重合体もしくは共重合
体;エポキシ化ポリブタジエン及びブタジエンと他のモ
ノマーとの共重合体のエポキシ化物;これらのエポキシ
化合物の各種変成物などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。また、上記多官能エポキシ化合物
は2種以上併用されてもよい。上記多官能エポキシ化合
物は、公知の方法により製造されるものである。
定されないが、58〜100000の範囲に渡り得る。
上記多官能エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂などの芳香族エポキシ樹脂;ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2
−ビス〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘ
キシル〕プロパンなどの脂肪族エポキシ樹脂;グリシジ
ル(メタ)アクリレートのような分子中にオキシラン環
を有する(メタ)アクリレートの重合体もしくは共重合
体;エポキシ化ポリブタジエン及びブタジエンと他のモ
ノマーとの共重合体のエポキシ化物;これらのエポキシ
化合物の各種変成物などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。また、上記多官能エポキシ化合物
は2種以上併用されてもよい。上記多官能エポキシ化合
物は、公知の方法により製造されるものである。
【0027】(酸価の測定方法)本発明の特定の局面で
は、上記のように、ポリエステル樹脂末端のカルボキシ
ル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂の
酸価が、元のポリエステル樹脂の重量単位に換算して1
mgKOH/g以下である。酸価が1mgKOH/gを
超えると、このポリエステル樹脂末端酸を引き金にポリ
エステルが加水分解し易くなり、しいては、ホットメル
ト接着剤組成物の保管時の劣化が生じ易くなったり、接
着完了後の最終製品における硬化物の耐熱性が低くなる
ことがある。この酸価の測定は、本明細書においては、
JIS K 0070「化学製品の酸価」中和滴定法を
用いて測定された値である。
は、上記のように、ポリエステル樹脂末端のカルボキシ
ル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂の
酸価が、元のポリエステル樹脂の重量単位に換算して1
mgKOH/g以下である。酸価が1mgKOH/gを
超えると、このポリエステル樹脂末端酸を引き金にポリ
エステルが加水分解し易くなり、しいては、ホットメル
ト接着剤組成物の保管時の劣化が生じ易くなったり、接
着完了後の最終製品における硬化物の耐熱性が低くなる
ことがある。この酸価の測定は、本明細書においては、
JIS K 0070「化学製品の酸価」中和滴定法を
用いて測定された値である。
【0028】(触媒)本発明に係る光反応性ホットメル
ト接着剤組成物の製造に際しては、好ましくは、触媒が
用いられる。すなわち、上記ポリエステル樹脂末端のカ
ルボキシル基と、多官能エポキシ化合物のエポキシ基と
の反応は無触媒で行われてもよいが、無触媒下では、室
温では反応性がかなり低く、長時間を要する。また、加
熱条件下では、反応速度が幾分加速される。従って、好
ましくは、加熱下で上記反応が行われ、この場合、不活
性溶媒中で加熱してもよく、溶媒で加熱してもよい。時
間効率と収率とを考慮すると、加熱温度は少なくとも1
50℃以上が好ましい。
ト接着剤組成物の製造に際しては、好ましくは、触媒が
用いられる。すなわち、上記ポリエステル樹脂末端のカ
ルボキシル基と、多官能エポキシ化合物のエポキシ基と
の反応は無触媒で行われてもよいが、無触媒下では、室
温では反応性がかなり低く、長時間を要する。また、加
熱条件下では、反応速度が幾分加速される。従って、好
ましくは、加熱下で上記反応が行われ、この場合、不活
性溶媒中で加熱してもよく、溶媒で加熱してもよい。時
間効率と収率とを考慮すると、加熱温度は少なくとも1
50℃以上が好ましい。
【0029】また、好ましくは、上記ポリエステル樹脂
末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物とを反応
させるに際し触媒が用いられる。推奨される触媒として
は、トリフェニルフォスフィン、4級アンモニウム塩
(テトラメチルアンモニウムクロライド、ジメチルドデ
シルアンモニウムベンゾエートなど)、トリエチルアミ
ン、ピリジンなどが挙げられる。触媒を用いる場合、上
記カルボキシル基とエポキシ基との反応は不活性溶媒中
で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。この場合にお
いても、時間効率と収率とを考慮すると、加熱すること
が好ましく、少なくとも130℃以上に加熱することが
望ましい。
末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物とを反応
させるに際し触媒が用いられる。推奨される触媒として
は、トリフェニルフォスフィン、4級アンモニウム塩
(テトラメチルアンモニウムクロライド、ジメチルドデ
シルアンモニウムベンゾエートなど)、トリエチルアミ
ン、ピリジンなどが挙げられる。触媒を用いる場合、上
記カルボキシル基とエポキシ基との反応は不活性溶媒中
で行ってもよく、無溶媒で行ってもよい。この場合にお
いても、時間効率と収率とを考慮すると、加熱すること
が好ましく、少なくとも130℃以上に加熱することが
望ましい。
【0030】なお、好ましい触媒の量は、ポリエステル
と多官能エポキシ化合物の合計量100重量部に対し、
0.00001〜1重量部が好ましい。触媒の量が少な
過ぎると、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と多
官能エポキシ化合物との反応収率が落ち、触媒を添加し
た効果が得られないことがあり、多過ぎると、光照射時
に、光カチオン重合開始剤から発生される酸をトラップ
し、反応を阻害するため、光反応性ホットメルト接着剤
組成物としての効果を発現しないことがある。
と多官能エポキシ化合物の合計量100重量部に対し、
0.00001〜1重量部が好ましい。触媒の量が少な
過ぎると、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と多
官能エポキシ化合物との反応収率が落ち、触媒を添加し
た効果が得られないことがあり、多過ぎると、光照射時
に、光カチオン重合開始剤から発生される酸をトラップ
し、反応を阻害するため、光反応性ホットメルト接着剤
組成物としての効果を発現しないことがある。
【0031】(光カチオン重合開始剤)上記光カチオン
重合開始剤としては、光が照射された場合に、カチオン
重合性化合物の重合を開始するためのカチオンを生成し
得るものであれば特に限定されない。好ましくは、芳香
族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及び/または
メタロセン塩、アリールシラノール・アルミニウム錯体
などが挙げられる。
重合開始剤としては、光が照射された場合に、カチオン
重合性化合物の重合を開始するためのカチオンを生成し
得るものであれば特に限定されない。好ましくは、芳香
族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及び/または
メタロセン塩、アリールシラノール・アルミニウム錯体
などが挙げられる。
【0032】これらのカチオン重合性開始剤を用いるこ
とにより、200〜400nmの波長を含む光を照射す
ることにより、硬化を速やかに進行させることができ
る。また、上記光カチオン重合開始剤を用いることによ
り、貯蔵安定性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組
成物を得ることができる。
とにより、200〜400nmの波長を含む光を照射す
ることにより、硬化を速やかに進行させることができ
る。また、上記光カチオン重合開始剤を用いることによ
り、貯蔵安定性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組
成物を得ることができる。
【0033】有用な芳香族ヨードニウム塩及び芳香族ス
ルホニウム塩は、例えば、米国特許第4,256,82
8号に開示されている。また、有用なメタロセン塩につ
いては、米国特許第5,089,536号に開示されて
いる。
ルホニウム塩は、例えば、米国特許第4,256,82
8号に開示されている。また、有用なメタロセン塩につ
いては、米国特許第5,089,536号に開示されて
いる。
【0034】上記光カチオン重合開始剤の配合量につい
ては、光の種類、強度、カチオン重合性化合物の種類、
量、カチオン重合開始剤の種類などにより異なるが、ポ
リエステル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ
化合物とを反応させてなる樹脂100重量部に対し、
0.01〜10重量部の割合で配合される。
ては、光の種類、強度、カチオン重合性化合物の種類、
量、カチオン重合開始剤の種類などにより異なるが、ポ
リエステル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ
化合物とを反応させてなる樹脂100重量部に対し、
0.01〜10重量部の割合で配合される。
【0035】本発明において、上記光カチオン重合開始
剤として最も好適なものは、ホットメルト接着剤に用い
られることを考慮して、製造及び塗工時の加熱状態にお
いてカチオンを発生させず、200〜400nmの波長
を含む光を照射することによりカチオンを発生し、硬化
後速やかに進行させることができるものである。従っ
て、上記光カチオン重合開始剤として、好ましくはスル
ホニウム塩、最も好ましくは対アニオンとしてリン原子
を含むスルホニウム塩が用いられる。
剤として最も好適なものは、ホットメルト接着剤に用い
られることを考慮して、製造及び塗工時の加熱状態にお
いてカチオンを発生させず、200〜400nmの波長
を含む光を照射することによりカチオンを発生し、硬化
後速やかに進行させることができるものである。従っ
て、上記光カチオン重合開始剤として、好ましくはスル
ホニウム塩、最も好ましくは対アニオンとしてリン原子
を含むスルホニウム塩が用いられる。
【0036】(添加し得る他の成分)本発明における組
成物には、必要に応じて熱可塑性樹脂類が添加され得
る。上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例え
ば、粘着付与樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系樹
脂、アクリル系共重合樹脂などが挙げられる。また、こ
れらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種
以上併用されてもよい。
成物には、必要に応じて熱可塑性樹脂類が添加され得
る。上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、例え
ば、粘着付与樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ゴム系樹
脂、アクリル系共重合樹脂などが挙げられる。また、こ
れらの熱可塑性樹脂は、単独で用いられてもよく、2種
以上併用されてもよい。
【0037】また、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物には必要に応じて、ヒドロキシル化合物を含
有させてもよい。使用し得るヒドロキシル化合物は液体
であっても、固体であってもよいが、好ましく2個のヒ
ドロキシル基を有する。この場合、ヒドロキシル基は化
合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもしくはコ
ポリマーの側鎖に存在してもよい。
着剤組成物には必要に応じて、ヒドロキシル化合物を含
有させてもよい。使用し得るヒドロキシル化合物は液体
であっても、固体であってもよいが、好ましく2個のヒ
ドロキシル基を有する。この場合、ヒドロキシル基は化
合物の末端にあってもよく、また、ポリマーもしくはコ
ポリマーの側鎖に存在してもよい。
【0038】上記ヒドロキシル化合物としては、例え
ば、アルキレングリコール、ポリヒドロキシルアルカ
ン、ポリオキシアルキレンポリオールが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。また、ヒドロキシル
化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上併用され
てもよい。さらに、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物には必要に応じて、密着性向上剤(シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤等)、増感剤、脱
水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填
剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、粘度調整
剤などの成分を添加することもできるが、添加できるも
のはこれらの成分に限定されるわけではない。また、こ
れらの成分を2種以上併用してもよい。また、これらの
成分は先に述べた成分に予め添加されている場合もあ
り、その場合も含め添加してもよい。
ば、アルキレングリコール、ポリヒドロキシルアルカ
ン、ポリオキシアルキレンポリオールが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。また、ヒドロキシル
化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上併用され
てもよい。さらに、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物には必要に応じて、密着性向上剤(シランカ
ップリング剤、チタンカップリング剤等)、増感剤、脱
水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填
剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、粘度調整
剤などの成分を添加することもできるが、添加できるも
のはこれらの成分に限定されるわけではない。また、こ
れらの成分を2種以上併用してもよい。また、これらの
成分は先に述べた成分に予め添加されている場合もあ
り、その場合も含め添加してもよい。
【0039】(製造方法)本発明に係る反応性ホットメ
ルト接着剤組成物の製造方法としては、配合する各成分
を混合し、均一に分散し得る限り、如何なる方法を採用
してもよいが、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下
で製造する必要がある。また、製造に際しての各成分の
混合分散は無溶剤で行ってもよく、不活性溶媒中で混合
した後、脱溶剤を行ってもよい。
ルト接着剤組成物の製造方法としては、配合する各成分
を混合し、均一に分散し得る限り、如何なる方法を採用
してもよいが、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下
で製造する必要がある。また、製造に際しての各成分の
混合分散は無溶剤で行ってもよく、不活性溶媒中で混合
した後、脱溶剤を行ってもよい。
【0040】具体的には、 ●ダブルヘリカルリボン浴、ゲート浴などにより混練す
る、 ●バタフライミキサーなどにより混練する、 ●プラネタリミキサーにより混練する、 ●三本ロールにより混練する、 ●ニーダールーダー型混練機により混練する、 ●エクストルーダー型混練押出機により混練する、 などの設備が例示されるが、これらに限定されるもので
はない。いずれの製造方法も、カチオン重合を阻害する
成分である水分の混入を少なくするために、無水条件下
で行われるのが好ましい。またいずれの製造方法も、大
気圧下もしくは必要であれば大気圧以上か大気圧以下で
行われる。また、いずれの接着剤製造方法の場合も硬化
開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行う必
要がある。また、製造時の加熱温度範囲としては、50
〜250℃が好ましく、80〜200℃がさらに好まし
い。また、これらの製造方法は2種以上併用してもよ
い。
る、 ●バタフライミキサーなどにより混練する、 ●プラネタリミキサーにより混練する、 ●三本ロールにより混練する、 ●ニーダールーダー型混練機により混練する、 ●エクストルーダー型混練押出機により混練する、 などの設備が例示されるが、これらに限定されるもので
はない。いずれの製造方法も、カチオン重合を阻害する
成分である水分の混入を少なくするために、無水条件下
で行われるのが好ましい。またいずれの製造方法も、大
気圧下もしくは必要であれば大気圧以上か大気圧以下で
行われる。また、いずれの接着剤製造方法の場合も硬化
開始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行う必
要がある。また、製造時の加熱温度範囲としては、50
〜250℃が好ましく、80〜200℃がさらに好まし
い。また、これらの製造方法は2種以上併用してもよ
い。
【0041】このようにして製造した組成物は、粘着性
を有しても、非粘着性であってもよい。本発明の反応性
ホットメルト接着剤組成物の最も好適な製造方法は、ポ
リエステル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ
を反応させた樹脂を、反応性ホットメルト接着剤組成物
の製造工程で反応させることを特徴とする製造方法であ
る。
を有しても、非粘着性であってもよい。本発明の反応性
ホットメルト接着剤組成物の最も好適な製造方法は、ポ
リエステル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ
を反応させた樹脂を、反応性ホットメルト接着剤組成物
の製造工程で反応させることを特徴とする製造方法であ
る。
【0042】通常、ホットメルト接着組成物の一般的な
製造方法としては、上記製造方法が挙げられるが、本発
明の反応性ホットメルト接着剤組成物は、このような製
造方法の過程において、ポリエステル樹脂末端のカルボ
キシル基と多官能エポキシを反応することを特徴とす
る。具体的には、ポリエステル樹脂と多官能エポキシと
両者の反応触媒を撹拌しながら、高温で溶融混合する。
通常130〜200℃の温度で溶融混合するが、好まし
くは150〜190℃の温度で行うのがよい。溶融混合
時間は、製造量、撹拌形式、撹拌スピードにもよるが、
通常15分〜5時間程度であるが、好ましくは30分〜
2時間程度である。温度が130℃より低いとポリエス
テル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシの反応
が進むのに時間がかかり過ぎ、またポリエステル樹脂末
端のカルボキシル基が未反応のまま残存する量が多くな
り、目的とする効果が得られにくくなる。温度が200
℃より高くなると、原料の酸化劣化、熱分解、着色が起
こり好ましくない。また時間が長過ぎると、生産性が悪
く、不経済である。
製造方法としては、上記製造方法が挙げられるが、本発
明の反応性ホットメルト接着剤組成物は、このような製
造方法の過程において、ポリエステル樹脂末端のカルボ
キシル基と多官能エポキシを反応することを特徴とす
る。具体的には、ポリエステル樹脂と多官能エポキシと
両者の反応触媒を撹拌しながら、高温で溶融混合する。
通常130〜200℃の温度で溶融混合するが、好まし
くは150〜190℃の温度で行うのがよい。溶融混合
時間は、製造量、撹拌形式、撹拌スピードにもよるが、
通常15分〜5時間程度であるが、好ましくは30分〜
2時間程度である。温度が130℃より低いとポリエス
テル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシの反応
が進むのに時間がかかり過ぎ、またポリエステル樹脂末
端のカルボキシル基が未反応のまま残存する量が多くな
り、目的とする効果が得られにくくなる。温度が200
℃より高くなると、原料の酸化劣化、熱分解、着色が起
こり好ましくない。また時間が長過ぎると、生産性が悪
く、不経済である。
【0043】このようにポリエステル樹脂末端のカルボ
キシル基と多官能エポキシの反応を通常のホットメルト
の製造工程で行うことができるため、予めポリエステル
樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシの反応を原
料の段階で行ったものを用いる必要もなく、また通常、
市販されているポリエステル樹脂、多官能エポキシを用
いることができるため、配合設計の幅を広げることがで
きる。
キシル基と多官能エポキシの反応を通常のホットメルト
の製造工程で行うことができるため、予めポリエステル
樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシの反応を原
料の段階で行ったものを用いる必要もなく、また通常、
市販されているポリエステル樹脂、多官能エポキシを用
いることができるため、配合設計の幅を広げることがで
きる。
【0044】以上のようにして、光カチオン重合開始剤
以外の原料を全て溶融混合し、混合によって巻き込んだ
空気泡も減圧等で極力抜き終わった後、130℃以下ま
で降温する。降温しながら、巻き込んだ空気泡を減圧等
で抜いてもよい。130℃以下まで降温できたところ
で、光カチオン重合開始剤を加え、完全に溶融混合する
ことで、光カチオン重合開始剤の熱による重合開始効果
を低減することが可能になる。
以外の原料を全て溶融混合し、混合によって巻き込んだ
空気泡も減圧等で極力抜き終わった後、130℃以下ま
で降温する。降温しながら、巻き込んだ空気泡を減圧等
で抜いてもよい。130℃以下まで降温できたところ
で、光カチオン重合開始剤を加え、完全に溶融混合する
ことで、光カチオン重合開始剤の熱による重合開始効果
を低減することが可能になる。
【0045】(貯蔵方法)組成物の貯蔵方法は、硬化開
始に有効な可視光を含む活性エネルギー線を遮断し得る
方法であれば特に限定されないが、好ましい貯蔵容器と
しては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カートリッ
ジ、離型箱、離型トレー、段ボール、紙袋、プラスチッ
ク類などの硬化開始に有効な活性エネルギー線に対して
不透明な容器などが挙げられるが、これらの容器に限定
されるわけではない。またこれらの容器の材質は限定さ
れない。また本発明における組成物は、これらの貯蔵方
法を採用することなく、製造直後に使用されてもよい。
始に有効な可視光を含む活性エネルギー線を遮断し得る
方法であれば特に限定されないが、好ましい貯蔵容器と
しては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、カートリッ
ジ、離型箱、離型トレー、段ボール、紙袋、プラスチッ
ク類などの硬化開始に有効な活性エネルギー線に対して
不透明な容器などが挙げられるが、これらの容器に限定
されるわけではない。またこれらの容器の材質は限定さ
れない。また本発明における組成物は、これらの貯蔵方
法を採用することなく、製造直後に使用されてもよい。
【0046】(接着方法)本発明に記載の反応性ホット
メルト接着剤組成物を用いて、被着体を接着する方法と
しては特に限定されないが、例えば、反応性ホットメル
ト接着剤組成物を加熱溶融してから被着体の一方または
両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメル
ト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着
体を貼合わせ、圧着または加熱圧着することにより接着
を行う方法、加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組
成物から、ロールコーター、フローコーター、バーコー
ター、エクストルーダーなどによりフィルムを作成し、
得られたフィルム状反応性ホットメルト接着剤組成物に
活性エネルギー線を照射してから被着体を貼合わせ、圧
着または加熱圧着することにより接着を行う方法などが
挙げられる。また、被着体として活性エネルギー線を透
過するものを用いる場合には、被着体を貼り合わせた
後、または圧着した後に、活性エネルギー線を照射する
方法をとることも可能である。
メルト接着剤組成物を用いて、被着体を接着する方法と
しては特に限定されないが、例えば、反応性ホットメル
ト接着剤組成物を加熱溶融してから被着体の一方または
両方に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメル
ト接着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着
体を貼合わせ、圧着または加熱圧着することにより接着
を行う方法、加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組
成物から、ロールコーター、フローコーター、バーコー
ター、エクストルーダーなどによりフィルムを作成し、
得られたフィルム状反応性ホットメルト接着剤組成物に
活性エネルギー線を照射してから被着体を貼合わせ、圧
着または加熱圧着することにより接着を行う方法などが
挙げられる。また、被着体として活性エネルギー線を透
過するものを用いる場合には、被着体を貼り合わせた
後、または圧着した後に、活性エネルギー線を照射する
方法をとることも可能である。
【0047】組成物を被着体に加熱溶融塗布する方法と
しては、 ●通常のホットメルトアプリケーターやホットメルトコ
ーターなどにより加熱溶融した組成物を被着体に塗布す
る、 ●被着体を加熱溶融した組成物に浸漬する、 ●ホットメルトエアーガンなどにより加熱溶融した組成
物を被着体に噴霧する、 ●エクストルーダー(押出機)などにより加熱溶融した
組成物を被着体に押出する、あるいは直接ホットメルト
フィルムを形成する、 などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。また、ペールアンローダー、カートリッジディスペ
ンサーなどを使用してホットメルトアプリケーターに送
られてもよいし、スティック、ペレット、スラッグ、ブ
ロック、ピロー、ビレットなどの形で上記の各塗布装置
に送られてもよい。
しては、 ●通常のホットメルトアプリケーターやホットメルトコ
ーターなどにより加熱溶融した組成物を被着体に塗布す
る、 ●被着体を加熱溶融した組成物に浸漬する、 ●ホットメルトエアーガンなどにより加熱溶融した組成
物を被着体に噴霧する、 ●エクストルーダー(押出機)などにより加熱溶融した
組成物を被着体に押出する、あるいは直接ホットメルト
フィルムを形成する、 などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。また、ペールアンローダー、カートリッジディスペ
ンサーなどを使用してホットメルトアプリケーターに送
られてもよいし、スティック、ペレット、スラッグ、ブ
ロック、ピロー、ビレットなどの形で上記の各塗布装置
に送られてもよい。
【0048】また、加熱は組成物全体を加熱溶融しても
よく、加熱体の近傍のみを加熱溶融してもよい。また、
いずれの溶融塗工方法の場合も硬化開始に光を遮断した
状態で行うことが必要である。
よく、加熱体の近傍のみを加熱溶融してもよい。また、
いずれの溶融塗工方法の場合も硬化開始に光を遮断した
状態で行うことが必要である。
【0049】光としては、上記カチオン重合開始剤から
カチオンを生成し得る限り、適宜の活性エネルギー線を
用いることができ、活性エネルギー線の種類について
は、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択され、
好ましくは紫外線が用いられる。好ましくは200〜6
00nmの波長を含む光が用いられ、特にカチオン重合
開始剤として芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウ
ム塩、メタロセン塩などを用いる場合には、200〜4
00nmの波長を含む光を用いることが望ましい。活性
エネルギー線の照射方法としては、直接、もしくは透明
または半透明の被着体を通して活性エネルギー線を有効
量照射する方法であれば特に限定されない。活性エネル
ギー線の照射量についても、カチオン重合開始剤の種類
や反応性ホットメルト接着剤組成物の塗布されている部
分の厚みや量によっても異なるため、一義的には定め得
ないが、0.001J/cm2 〜10J/cm2 の範囲
とすることが望ましい。低照射エネルギーで硬化するた
め、200μm程度の厚みであれば60mJ/cm2 以
上であれば十分である。その照射源としては、紫外線を
用いる場合には、紫外線の照射源として一般に使用され
ている低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイク
ロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリ
ウムランプ、蛍光灯などが例示される。さらに、太陽光
のような自然光を用いてもよい。
カチオンを生成し得る限り、適宜の活性エネルギー線を
用いることができ、活性エネルギー線の種類について
は、カチオン重合開始剤の種類に応じて適宜選択され、
好ましくは紫外線が用いられる。好ましくは200〜6
00nmの波長を含む光が用いられ、特にカチオン重合
開始剤として芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウ
ム塩、メタロセン塩などを用いる場合には、200〜4
00nmの波長を含む光を用いることが望ましい。活性
エネルギー線の照射方法としては、直接、もしくは透明
または半透明の被着体を通して活性エネルギー線を有効
量照射する方法であれば特に限定されない。活性エネル
ギー線の照射量についても、カチオン重合開始剤の種類
や反応性ホットメルト接着剤組成物の塗布されている部
分の厚みや量によっても異なるため、一義的には定め得
ないが、0.001J/cm2 〜10J/cm2 の範囲
とすることが望ましい。低照射エネルギーで硬化するた
め、200μm程度の厚みであれば60mJ/cm2 以
上であれば十分である。その照射源としては、紫外線を
用いる場合には、紫外線の照射源として一般に使用され
ている低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイク
ロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリ
ウムランプ、蛍光灯などが例示される。さらに、太陽光
のような自然光を用いてもよい。
【0050】本発明の組成物は通常の常態条件にて十分
硬化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合は活性
エネルギー線照射時もしくは照射後、適度な加熱を行う
こともできる。この場合の加熱方法は、組成物の種類、
被着体の形状や性質、加熱条件などによって適宜最適な
方法をとればよく、例えば、 ●温風を吹き付ける、 ●加熱したオーブン中に置く、 ●ヒーターにて加熱する、 ●加熱プレスにより、加熱圧着する、 などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。また、これらの硬化方法を2種以上併用してもよ
い。
硬化し得るが、さらに硬化時間を短縮したい場合は活性
エネルギー線照射時もしくは照射後、適度な加熱を行う
こともできる。この場合の加熱方法は、組成物の種類、
被着体の形状や性質、加熱条件などによって適宜最適な
方法をとればよく、例えば、 ●温風を吹き付ける、 ●加熱したオーブン中に置く、 ●ヒーターにて加熱する、 ●加熱プレスにより、加熱圧着する、 などが例示されるが、これらに限定されるものではな
い。また、これらの硬化方法を2種以上併用してもよ
い。
【0051】本発明に係る光反応性ホットメルト接着剤
組成物を用いた接着は、上記のように様々な態様で行わ
れ得るが、本発明に係る接着方法では、光反応性ホット
メルト接着剤組成物を用いて部材同士を接着するにあた
り、貼合わせ時に光が照射される。ここで、「貼合わせ
時に」とは、部材同士を貼り合わせる前、貼合わせ直後
のいずれをも含む意味で用いられている。
組成物を用いた接着は、上記のように様々な態様で行わ
れ得るが、本発明に係る接着方法では、光反応性ホット
メルト接着剤組成物を用いて部材同士を接着するにあた
り、貼合わせ時に光が照射される。ここで、「貼合わせ
時に」とは、部材同士を貼り合わせる前、貼合わせ直後
のいずれをも含む意味で用いられている。
【0052】最も好ましくは、光反応性ホットメルト接
着剤組成物を、基材もしくは離型材の上にホットメルト
コーティングし、シート状もしくはフィルム状に加工す
る。しかる後、部材同士を貼り合わせるに際し、シート
もしくはフィルム状の光反応性ホットメルト接着剤に光
を照射した後少なくとも一方の部材上に載置し、あるい
は接合すべき双方の部材間に挟んだ状態で、接合すべき
部材を加圧もしくは加熱加圧することにより、貼り合わ
せることにより接着を果たす。この方法を用いることに
より、光が遮断された状態(例えば、段ボール箱などの
簡易な包装等)中において、光反応性ホットメルト接着
剤からなるシートもしくはフィルムを安定にかつ長期間
保存することができる。そして、必要な場合に、簡易な
包装を容器から取り出し、適用前に光を照射し、上記の
ように接合すべき部材に適用し、接合すべき部材同士を
加圧することにより、接合すべき部材同士を強固に接着
することができる。上記加圧に際し、加熱することによ
り接合すべき部材に光反応性ホットメルト接着剤組成物
からなるシートもしくはフィルムをより強固に密着させ
ることができ、かつ硬化時間を短縮することができる。
着剤組成物を、基材もしくは離型材の上にホットメルト
コーティングし、シート状もしくはフィルム状に加工す
る。しかる後、部材同士を貼り合わせるに際し、シート
もしくはフィルム状の光反応性ホットメルト接着剤に光
を照射した後少なくとも一方の部材上に載置し、あるい
は接合すべき双方の部材間に挟んだ状態で、接合すべき
部材を加圧もしくは加熱加圧することにより、貼り合わ
せることにより接着を果たす。この方法を用いることに
より、光が遮断された状態(例えば、段ボール箱などの
簡易な包装等)中において、光反応性ホットメルト接着
剤からなるシートもしくはフィルムを安定にかつ長期間
保存することができる。そして、必要な場合に、簡易な
包装を容器から取り出し、適用前に光を照射し、上記の
ように接合すべき部材に適用し、接合すべき部材同士を
加圧することにより、接合すべき部材同士を強固に接着
することができる。上記加圧に際し、加熱することによ
り接合すべき部材に光反応性ホットメルト接着剤組成物
からなるシートもしくはフィルムをより強固に密着させ
ることができ、かつ硬化時間を短縮することができる。
【0053】通常、シート状もしくはフィルム状の光反
応性ホットメルト接着剤は、片面もしくは両面が離型ラ
イナーで保護された製品とされる。光反応性ホットメル
ト接着剤からなるシートもしくはフィルムの厚みについ
ては、特に限定されないが、好ましくは0.001〜5
mm、より好ましくは0.005〜0.5mmである。
厚みが薄過ぎると、圧着フィルムとしての取扱いが困難
となることがあり、厚過ぎると、厚さ方向で硬化が不均
一となり、接着剤としての信頼性が低下することがあ
る。
応性ホットメルト接着剤は、片面もしくは両面が離型ラ
イナーで保護された製品とされる。光反応性ホットメル
ト接着剤からなるシートもしくはフィルムの厚みについ
ては、特に限定されないが、好ましくは0.001〜5
mm、より好ましくは0.005〜0.5mmである。
厚みが薄過ぎると、圧着フィルムとしての取扱いが困難
となることがあり、厚過ぎると、厚さ方向で硬化が不均
一となり、接着剤としての信頼性が低下することがあ
る。
【0054】(適用される被着体)本発明に係る光反応
性ホットメルト接着剤組成物を用いて貼り合わされる部
材、すなわち被着体については、特に限定されないが、
本発明に係る光反応性ホットメルト接着剤は、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)からなる部材の接着に好
適に用いられる。また、その他、鉄、アルミニウムなど
の金属もしくは合金;PET以外のプラスチック及びそ
の混合物;ガラス、コンクリート、石、モルタルもしく
はセラミックスなどの無機材料;木材や紙などのセルロ
ース系材料;皮革などからなる部材の接着にも適用する
ことができ、またこれらの材料からなる部材に限定され
るものではない。
性ホットメルト接着剤組成物を用いて貼り合わされる部
材、すなわち被着体については、特に限定されないが、
本発明に係る光反応性ホットメルト接着剤は、ポリエチ
レンテレフタレート(PET)からなる部材の接着に好
適に用いられる。また、その他、鉄、アルミニウムなど
の金属もしくは合金;PET以外のプラスチック及びそ
の混合物;ガラス、コンクリート、石、モルタルもしく
はセラミックスなどの無機材料;木材や紙などのセルロ
ース系材料;皮革などからなる部材の接着にも適用する
ことができ、またこれらの材料からなる部材に限定され
るものではない。
【0055】さらに、接合すべき部材の形状についても
限定されず、板、塊、棒、シート、フィルム、紐、繊
維、ハニカム、管、粒子など様々な形態が挙げられる。
また、形態が異なる部材同士の貼合わせにも用いること
ができる。
限定されず、板、塊、棒、シート、フィルム、紐、繊
維、ハニカム、管、粒子など様々な形態が挙げられる。
また、形態が異なる部材同士の貼合わせにも用いること
ができる。
【0056】(用途)本発明の組成物は、反応性ホット
メルト接着剤として特に、弾性接着剤、構造用接着剤、
シーリング材などとして使用することが可能である。
メルト接着剤として特に、弾性接着剤、構造用接着剤、
シーリング材などとして使用することが可能である。
【0057】特に、好適な用途としては、PETフィル
ムからなるカード類の接着、PETの成型品の接着など
PETを被着体とする用途が挙げられる。また、その他
にドアパネル、間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事
務機器のハウジング用パネルなどのサンドイッチパネル
の心材と表面材との接着、家具、パーティション、自動
車内装材用のドアパネルや天井材などの心材と表面材と
の接着などの用途に好ましく使用されるが、これらの用
途に限定されて使用されるわけではない。
ムからなるカード類の接着、PETの成型品の接着など
PETを被着体とする用途が挙げられる。また、その他
にドアパネル、間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事
務機器のハウジング用パネルなどのサンドイッチパネル
の心材と表面材との接着、家具、パーティション、自動
車内装材用のドアパネルや天井材などの心材と表面材と
の接着などの用途に好ましく使用されるが、これらの用
途に限定されて使用されるわけではない。
【0058】(作用)本発明に係る光反応性ホットメル
ト接着剤組成物は、加熱により溶融し軟化するため、通
常のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用する
ことができる。また、光の照射により、ポリエステル樹
脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物と反応
させてなる樹脂のカチオン重合性反応基、すなわちエポ
キシ基が反応し、架橋・硬化する。従って、最終的に高
い接着強度及び硬化物の高い耐熱性が実現される。すな
わち、光の照射により架橋・硬化を進行させることがで
きるので、必ずしも加熱を必要としない。よって、比較
的低温で、被着体への塗布あるいはフィルム化と、貼合
わせ時及び硬化後の高耐熱性とを両立することができ
る。
ト接着剤組成物は、加熱により溶融し軟化するため、通
常のホットメルト接着剤と同様にして被着体に適用する
ことができる。また、光の照射により、ポリエステル樹
脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物と反応
させてなる樹脂のカチオン重合性反応基、すなわちエポ
キシ基が反応し、架橋・硬化する。従って、最終的に高
い接着強度及び硬化物の高い耐熱性が実現される。すな
わち、光の照射により架橋・硬化を進行させることがで
きるので、必ずしも加熱を必要としない。よって、比較
的低温で、被着体への塗布あるいはフィルム化と、貼合
わせ時及び硬化後の高耐熱性とを両立することができ
る。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非限定的な実施例
を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
【0060】(使用した材料) ポリエステル…ユニチカ社製、ポリエステル、品番:U
E3400、酸価=ポリエステルの重量単位に換算して
2mgKOH/g 多官能エポキシ化合物…油化シェルエポキシ社製、品
番:エピコート1001、ビスフェノールAのジグリシ
ジルエーテル 多官能エポキシ化合物2…新日本理化社製、品番:リカ
レンジBEO−60E、ビス(トリエチレングリコール
グリシジルエーテル)エーテル トリフェニルホスフィン…和光純薬社製試薬 テトラメチルアンモニウムクロライド…和光純薬社製試
薬 光重合開始剤…ユニオンカーバイド社製、商品名:サイ
ラキュアーUVI−6990、6フッ化リンを対アニオ
ンとして有する芳香族スルホニウム塩 なお、以下の実験は、特定波長の紫外線をカットした蛍
光灯(松下電器産業社製、ラピッド白色、品番:FLR
40S・W−SDL.NU./.M.40W)のみで照
明を施している部屋で行った。また、酸価の測定方法
は、JIS K0070に準じて行なった。
E3400、酸価=ポリエステルの重量単位に換算して
2mgKOH/g 多官能エポキシ化合物…油化シェルエポキシ社製、品
番:エピコート1001、ビスフェノールAのジグリシ
ジルエーテル 多官能エポキシ化合物2…新日本理化社製、品番:リカ
レンジBEO−60E、ビス(トリエチレングリコール
グリシジルエーテル)エーテル トリフェニルホスフィン…和光純薬社製試薬 テトラメチルアンモニウムクロライド…和光純薬社製試
薬 光重合開始剤…ユニオンカーバイド社製、商品名:サイ
ラキュアーUVI−6990、6フッ化リンを対アニオ
ンとして有する芳香族スルホニウム塩 なお、以下の実験は、特定波長の紫外線をカットした蛍
光灯(松下電器産業社製、ラピッド白色、品番:FLR
40S・W−SDL.NU./.M.40W)のみで照
明を施している部屋で行った。また、酸価の測定方法
は、JIS K0070に準じて行なった。
【0061】(実施例1)上記ポリエステル(UE34
00)を2800gと、多官能エポキシ化合物1(エピ
コート1001)を1200gと、トリフェニルホスフ
ィン1.6gと、加熱オイルを循環させ得るジャケット
を備えたプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔で覆
った後、170℃で30rpmにて60分間混合し、し
かる後混合物1gを酸価を測定するために抜き取った
後、減圧脱泡し、内容物の温度が130℃となるまで撹
拌しながら降温し、光カチオン重合開始剤UVI−69
90を80g加え、10分程度撹拌した後、ミキサーか
ら内容物を抜き出し、反応性ホットメルト接着剤組成物
を得た。なお、途中で抜き取られた内容物を用いて測定
された酸価は、0.05mgKOH/gであった。
00)を2800gと、多官能エポキシ化合物1(エピ
コート1001)を1200gと、トリフェニルホスフ
ィン1.6gと、加熱オイルを循環させ得るジャケット
を備えたプラネタリーミキサーに投入し、アルミ箔で覆
った後、170℃で30rpmにて60分間混合し、し
かる後混合物1gを酸価を測定するために抜き取った
後、減圧脱泡し、内容物の温度が130℃となるまで撹
拌しながら降温し、光カチオン重合開始剤UVI−69
90を80g加え、10分程度撹拌した後、ミキサーか
ら内容物を抜き出し、反応性ホットメルト接着剤組成物
を得た。なお、途中で抜き取られた内容物を用いて測定
された酸価は、0.05mgKOH/gであった。
【0062】(実施例2)実施例1において、多官能エ
ポキシ化合物を、エピコート1001に代えて、リカレ
ジンBEO−60Eを用いたことを除いては、実施例1
と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
酸価測定のための抜き取られた内容物の酸価は、0.0
4mgKOH/gであった。
ポキシ化合物を、エピコート1001に代えて、リカレ
ジンBEO−60Eを用いたことを除いては、実施例1
と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
酸価測定のための抜き取られた内容物の酸価は、0.0
4mgKOH/gであった。
【0063】(実施例3)トリフェニルホスフィンに代
えて、テトラメチルアンモニウムクロライドを用いたこ
とを除いては実施例1と同様にして、反応性ホットメル
ト接着剤組成物を得た。酸価測定のために抜き取られた
内容物の酸価は、0.06mgKOH/gであった。
えて、テトラメチルアンモニウムクロライドを用いたこ
とを除いては実施例1と同様にして、反応性ホットメル
ト接着剤組成物を得た。酸価測定のために抜き取られた
内容物の酸価は、0.06mgKOH/gであった。
【0064】(実施例4)実施例2において、トリフェ
ニルホスフィンをテトラメチルアンモニウムクロライド
に置き換えたことを除いては同様にして、反応性ホット
メルト接着剤組成物を得た。酸価測定のために抜き取ら
れた内容物の酸価は、0.05mgKOH/gであっ
た。
ニルホスフィンをテトラメチルアンモニウムクロライド
に置き換えたことを除いては同様にして、反応性ホット
メルト接着剤組成物を得た。酸価測定のために抜き取ら
れた内容物の酸価は、0.05mgKOH/gであっ
た。
【0065】(実施例5)UE3400 2800g
と、エピコート1001 1200gとを、加熱オイル
を循環させ得るジャケットを備えたプラネタリーミキサ
ーに投入し、アルミ箔で覆った後、170℃にて30r
pmで180分混合し、1g程、酸価を測定するために
抜き取った後、減圧脱泡し、内容物の温度が130℃に
なるまで撹拌しながら降温し、UVI−6990 80
gを加え10分程度撹拌した後、抜き出し、反応性ホッ
トメルト接着剤組成物を得た。酸価測定のための抜き取
り品の酸価は、0.09mgKOH/gであった。
と、エピコート1001 1200gとを、加熱オイル
を循環させ得るジャケットを備えたプラネタリーミキサ
ーに投入し、アルミ箔で覆った後、170℃にて30r
pmで180分混合し、1g程、酸価を測定するために
抜き取った後、減圧脱泡し、内容物の温度が130℃に
なるまで撹拌しながら降温し、UVI−6990 80
gを加え10分程度撹拌した後、抜き出し、反応性ホッ
トメルト接着剤組成物を得た。酸価測定のための抜き取
り品の酸価は、0.09mgKOH/gであった。
【0066】(実施例6)実施例1において、エピコー
ト1001 1200gをリカレジンBEO−60Eに
置き換えた他は同じにして、反応性ホットメルト接着剤
組成物を得た。酸価測定のための抜き取り品の酸価は、
0.08mgKOH/gであった。
ト1001 1200gをリカレジンBEO−60Eに
置き換えた他は同じにして、反応性ホットメルト接着剤
組成物を得た。酸価測定のための抜き取り品の酸価は、
0.08mgKOH/gであった。
【0067】(比較例1)実施例1において、トリフェ
ニルホスフィン1.6gを加えなかったことを除いて
は、同様にして、反応性ホットメルト接着剤組成物を得
た。酸価測定のために抜き取られた内容物の酸価は、
1.9mgKOH/gであった。
ニルホスフィン1.6gを加えなかったことを除いて
は、同様にして、反応性ホットメルト接着剤組成物を得
た。酸価測定のために抜き取られた内容物の酸価は、
1.9mgKOH/gであった。
【0068】(比較例2)実施例2において、トリフェ
ニルホスフィン1.6gを加えなかったことを除いて
は、同様にして、反応性ホットメルト接着剤組成物を得
た。酸価測定のために抜き取られた内容物の酸価は、
1.8mgKOH/gであった。
ニルホスフィン1.6gを加えなかったことを除いて
は、同様にして、反応性ホットメルト接着剤組成物を得
た。酸価測定のために抜き取られた内容物の酸価は、
1.8mgKOH/gであった。
【0069】(実施例及び比較例の評価)実施例1〜4
及び比較例1,2で得られた各反応性ホットメルト接着
剤組成物について、ホットメルトコーター(松下工業社
製、品番:CL200)を用い、表面が離型処理された
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(リンテック社製、品番:5011)の離型面に300
μmの厚みとなるように130℃で塗工し、別の離型P
ETフィルム(リンテック社製、品番:5011)の離
型面を被せ圧着することにより、両面が離型PETフィ
ルムで覆われた反応性ホットメルト接着剤シートを得
た。このホットメルト接着剤シートを製造直後に、並び
に40℃及び相対湿度95%の加熱加湿条件で1週間保
管した後、接着性、破壊形態及び耐熱性を以下の
要領で評価した。なお、製造直後の評価を「初期」と
し、40℃及び相対湿度95%の条件に1週間保管した
後の評価は「保管後」とする。
及び比較例1,2で得られた各反応性ホットメルト接着
剤組成物について、ホットメルトコーター(松下工業社
製、品番:CL200)を用い、表面が離型処理された
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(リンテック社製、品番:5011)の離型面に300
μmの厚みとなるように130℃で塗工し、別の離型P
ETフィルム(リンテック社製、品番:5011)の離
型面を被せ圧着することにより、両面が離型PETフィ
ルムで覆われた反応性ホットメルト接着剤シートを得
た。このホットメルト接着剤シートを製造直後に、並び
に40℃及び相対湿度95%の加熱加湿条件で1週間保
管した後、接着性、破壊形態及び耐熱性を以下の
要領で評価した。なお、製造直後の評価を「初期」と
し、40℃及び相対湿度95%の条件に1週間保管した
後の評価は「保管後」とする。
【0070】接着強度…ホットメルト接着剤シートの
片側の離型PETフィルムを剥離した後、露出した面
に、超高圧水銀灯(ORK製作所社製、ジェットライト
JL2300)を用い、365nmの波長が照度25m
W/cm2 となるように紫外線を60秒間照射した。し
かる後、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東
レ社製、品番:E20)からなる部材に照射面側から被
せた。しかる後、反対側に残存していた離型PETフィ
ルムを剥離し、同じく白色PET(東レ社製、E20)
からなる別の部材を載せた後、70℃、1分間及び1k
g/cm2 の圧力でプレスし、剥離試験片を得た。この
剥離試験片を、1cm幅の短冊状に切り取り、JIS
K 6854に準じて23℃において浮動ローラー法剥
離試験を行い、剥離強度を測定した。この剥離強度を接
着強度とした。
片側の離型PETフィルムを剥離した後、露出した面
に、超高圧水銀灯(ORK製作所社製、ジェットライト
JL2300)を用い、365nmの波長が照度25m
W/cm2 となるように紫外線を60秒間照射した。し
かる後、白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(東
レ社製、品番:E20)からなる部材に照射面側から被
せた。しかる後、反対側に残存していた離型PETフィ
ルムを剥離し、同じく白色PET(東レ社製、E20)
からなる別の部材を載せた後、70℃、1分間及び1k
g/cm2 の圧力でプレスし、剥離試験片を得た。この
剥離試験片を、1cm幅の短冊状に切り取り、JIS
K 6854に準じて23℃において浮動ローラー法剥
離試験を行い、剥離強度を測定した。この剥離強度を接
着強度とした。
【0071】破壊形態…の接着強度の評価に際して
の剥離試験の際の破壊状態を目視により観察した。 耐熱性…の接着強度の評価に際して用意した剥離試
験片の一方の白色PETからなる部材を固定、他方の白
色PETからなる部材に300gの荷重をかけ、JAI
(日本接着剤工業規格)−7に準じて、昇温クリープ試
験を行った時の荷重が落下する温度を測定した。結果を
下記の表1に示す。
の剥離試験の際の破壊状態を目視により観察した。 耐熱性…の接着強度の評価に際して用意した剥離試
験片の一方の白色PETからなる部材を固定、他方の白
色PETからなる部材に300gの荷重をかけ、JAI
(日本接着剤工業規格)−7に準じて、昇温クリープ試
験を行った時の荷重が落下する温度を測定した。結果を
下記の表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明に係る光反応性ホットメルト接着
剤組成物では、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基
と多官能エポキシ化合物と反応させてなる樹脂と、光カ
チオン重合開始剤とを含むので、光が照射された際に、
光カチオン重合開始剤をカチオンを発生し、該カチオン
により多官能エポキシ化合物のエポキシ基が反応し、架
橋が導入される。従って、硬化物の耐熱性が高められ
る。しかも、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と
多官能エポキシ化合物とが反応させてなる樹脂を用いて
いるので、温度や湿度による変質が生じ難く、製造時、
保管時、塗工時における光反応性ホットメルト接着剤組
成物の劣化が生じ難い。
剤組成物では、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基
と多官能エポキシ化合物と反応させてなる樹脂と、光カ
チオン重合開始剤とを含むので、光が照射された際に、
光カチオン重合開始剤をカチオンを発生し、該カチオン
により多官能エポキシ化合物のエポキシ基が反応し、架
橋が導入される。従って、硬化物の耐熱性が高められ
る。しかも、ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と
多官能エポキシ化合物とが反応させてなる樹脂を用いて
いるので、温度や湿度による変質が生じ難く、製造時、
保管時、塗工時における光反応性ホットメルト接着剤組
成物の劣化が生じ難い。
【0074】上記ポリエステルの末端のカルボキシル基
と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂の酸価
が、元のポリエステルの重量単位に換算して1mgKO
H/g以下である場合には、ポリエステル末端のカルボ
ン酸の残存量が極めて少なく、このカルボン酸と空気中
の湿気起因によるポリエステルの加水分解を抑制するこ
とができ、保管時の安定性を高めることができる。
と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂の酸価
が、元のポリエステルの重量単位に換算して1mgKO
H/g以下である場合には、ポリエステル末端のカルボ
ン酸の残存量が極めて少なく、このカルボン酸と空気中
の湿気起因によるポリエステルの加水分解を抑制するこ
とができ、保管時の安定性を高めることができる。
【0075】光カチオン重合開始剤として、対アニオン
としてリン原子を含むスルホニウム塩を用いた場合、製
造及び塗工時の加熱状態においてカチオンが発生し難
く、かつ光の照射によりカチオンが効率よく発生し、硬
化が速やかに進行する。
としてリン原子を含むスルホニウム塩を用いた場合、製
造及び塗工時の加熱状態においてカチオンが発生し難
く、かつ光の照射によりカチオンが効率よく発生し、硬
化が速やかに進行する。
【0076】本発明に係る光反応性ホットメルト接着剤
組成物の製造方法では、上記ポリエステル樹脂末端のカ
ルボキシル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてな
る樹脂を得、該樹脂と光カチオン重合開始剤とを混合す
るだけで、本発明に従って、製造時や保管時及び塗工時
などの加熱による劣化が生じ難く、かつ貼合わせ後の硬
化物の耐熱性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組成
物を容易に得ることができる。
組成物の製造方法では、上記ポリエステル樹脂末端のカ
ルボキシル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてな
る樹脂を得、該樹脂と光カチオン重合開始剤とを混合す
るだけで、本発明に従って、製造時や保管時及び塗工時
などの加熱による劣化が生じ難く、かつ貼合わせ後の硬
化物の耐熱性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組成
物を容易に得ることができる。
【0077】上記樹脂を得る工程を、反応性ホットメル
ト接着剤組成物の製造工程において行う場合には、上記
樹脂を得る工程から反応性ホットメルト接着剤組成物製
品を得るまでの工程を効率よく行うことができる。
ト接着剤組成物の製造工程において行う場合には、上記
樹脂を得る工程から反応性ホットメルト接着剤組成物製
品を得るまでの工程を効率よく行うことができる。
【0078】ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基と
多官能エポキシ化合物とを反応させる際に、触媒を用い
た場合には、上記樹脂を効率よくかつ差程加熱せず得る
ことができ、それによって光反応性ホットメルト接着剤
組成物の劣化も生じ難い。
多官能エポキシ化合物とを反応させる際に、触媒を用い
た場合には、上記樹脂を効率よくかつ差程加熱せず得る
ことができ、それによって光反応性ホットメルト接着剤
組成物の劣化も生じ難い。
【0079】本発明に係る接着方法では、本発明に係る
光反応性ホットメルト接着剤組成物を用いて部材同士を
接着するにあたり、貼合わせ時に光が照射される。従っ
て、上記光カチオン重合開始剤が活性化され、ポリエス
テル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物
とを反応させてなる樹脂において、エポキシ基が反応
し、架橋・硬化が確実に進行し、高い接着強度及び硬化
物の高い耐熱性を発現する。加えて、光の照射により硬
化が進行し、硬化に必ずしも加熱を必要としないので、
耐熱性が難がある部材の接合にも用いることかできる。
光反応性ホットメルト接着剤組成物を用いて部材同士を
接着するにあたり、貼合わせ時に光が照射される。従っ
て、上記光カチオン重合開始剤が活性化され、ポリエス
テル樹脂末端のカルボキシル基と多官能エポキシ化合物
とを反応させてなる樹脂において、エポキシ基が反応
し、架橋・硬化が確実に進行し、高い接着強度及び硬化
物の高い耐熱性を発現する。加えて、光の照射により硬
化が進行し、硬化に必ずしも加熱を必要としないので、
耐熱性が難がある部材の接合にも用いることかできる。
フロントページの続き (72)発明者 松田 正則 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 EC411 ED161 GA05 GA07 GA11 GA13 GA23 GA26 HC01 HC03 HC20 HD13 HD27 HD33 HD41 JA06 KA12 KA13 KA15 LA05 LA08 LA11 MA02 MA05 MA09 MA10 NA06 NA07 NA10 NA12 NA15 NA19 PA30 PA32
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基
と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂と、光
カチオン重合開始剤とを含むことを特徴とする光反応性
ホットメルト接着剤組成物。 - 【請求項2】 前記ポリエステル樹脂末端のカルボキシ
ル基と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂の
酸価は、元のポリエステル樹脂の重量単位に換算して1
mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に
記載の光反応性ホットメルト接着剤組成物。 - 【請求項3】 前記光カチオン重合開始剤が、対アニオ
ンとしてリン原子を含むスルホニウム塩であることを特
徴とする請求項1または2に記載の光反応性ホットメル
ト接着剤組成物。 - 【請求項4】 ポリエステル樹脂末端のカルボキシル基
と多官能エポキシ化合物とを反応させてなる樹脂を得る
工程と、前記樹脂と光カチオン重合開始剤とを混合する
工程とを備える光反応性ホットメルト接着剤組成物の製
造方法。 - 【請求項5】 前記ポリエステル樹脂末端のカルボキシ
ル基と多官能エポキシ化合物とを反応させるに際し、触
媒を用いることを特徴とする請求項4に記載の光反応性
ホットメルト接着剤組成物の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の光反応
性ホットメルト接着剤組成物を用いて部材同士を接着す
るにあたり、貼合わせ時に光を照射することを特徴とす
る接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000155086A JP2001329242A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 光反応性ホットメルト接着剤組成物及びその製造方法並びに接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000155086A JP2001329242A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 光反応性ホットメルト接着剤組成物及びその製造方法並びに接着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001329242A true JP2001329242A (ja) | 2001-11-27 |
Family
ID=18660084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000155086A Withdrawn JP2001329242A (ja) | 2000-05-25 | 2000-05-25 | 光反応性ホットメルト接着剤組成物及びその製造方法並びに接着方法 |
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2000
- 2000-05-25 JP JP2000155086A patent/JP2001329242A/ja not_active Withdrawn
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