JP2007025276A - 熱収縮易剥離ラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス瓶等に貼着でき、かつ簡単に剥離することができるリサイクル性に優れた熱収縮易剥離ラベルを提供することである。
【解決手段】基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたラベルであって、前記基材フィルムが熱収縮フィルムであり、前記粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤であり、前記融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させるようにしたことを特徴とする熱収縮易剥離ラベル。
【選択図】 なし
【解決手段】基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたラベルであって、前記基材フィルムが熱収縮フィルムであり、前記粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤であり、前記融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させるようにしたことを特徴とする熱収縮易剥離ラベル。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ガラス瓶等に貼着でき、かつ簡単に剥離できるリサイクル性に優れた熱収縮易剥離ラベルに関する。
近年、一般家庭ではリサイクルに積極的に取り組んでおり、例えばラベルが貼着されたガラス瓶等もその対象となっている。該ガラス瓶をリサイクルする際には、貼着しているラベルを剥離する必要があるが、該ラベルは簡単に剥離することができない。
特許文献1には、熱可塑性樹脂延伸フィルムを基材とし、その裏面に電磁波感応性物質を含有する接着剤層を設けた熱収縮性ラベルが記載されている。この文献によると、ガラス瓶等に貼着した該熱収縮性ラベルに電磁波を照射すると、前記電磁波感応性物質が励起し、熱可塑性樹脂延伸フィルムが加熱されて熱収縮するので、該ラベルがガラス瓶等から簡単に剥がれると記載されている。
しかしながら、該フィルムを剥離するには電磁波を照射する装置が必要なので、該装置を保有してない一般家庭等では利用することができない。
特許文献2には、所定の高分子感圧性接着剤と、結晶性高分子(感温性ポリマー)とを含有した温度帯特異性感圧性接着剤組成物が記載されている。また、特許文献3には、支持体と、該支持体の片面に積層された粘着剤層を有し、該粘着剤層が、所定の温度範囲にわたって起こる第1次溶融転移を持つポリマー(感温性ポリマー)と、感圧性接着剤とを含有する易剥離性ラベルが記載されている。
特許文献2,3に記載されているような感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含む粘着剤層が設けられたラベルは、所定の温度に加温すると粘着力が低下するので、ガラス瓶等から剥離し易くなるとも考えられる。
しかしながら、このような粘着剤は、所定温度に加温して粘着力が低下しても、所定温度より低い温度になると再び粘着力が発現してしまうので、剥離は所定温度で行わなければならず、所定温度より低い温度では簡単に剥離できないという問題がある。
本発明の課題は、ガラス瓶等に貼着でき、かつ簡単に剥離することができるリサイクル性に優れた熱収縮易剥離ラベルを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたラベルにおいて、前記粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含む粘着剤である場合には、ガラス瓶等に貼着することができると共に、該粘着剤が前記感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤であり、前記基材フィルムが熱収縮フィルムである場合には、前記融点以上の温度に加温すると粘着力が低下し、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させることでラベルがガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれるという新たな事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の熱収縮易剥離ラベルは、以下の構成からなる。
(1)基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたラベルであって、前記基材フィルムが熱収縮フィルムであり、前記粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤であり、前記融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させるようにしたことを特徴とする熱収縮易剥離ラベル。
(2)前記感温性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示す前記(1)記載の熱収縮易剥離ラベル。
(3)60℃と23℃における粘着力の比(60℃の粘着力/23℃の粘着力)が0.2以下である前記(1)または(2)記載の熱収縮易剥離ラベル。
(4)前記感温性ポリマーを前記感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部の割合で含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
(5)前記感温性ポリマーの重量平均分子量が1,000〜30,000である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
(6)前記熱収縮フィルムが60℃以上で熱収縮する合成樹脂フィルムである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
(1)基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたラベルであって、前記基材フィルムが熱収縮フィルムであり、前記粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤であり、前記融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させるようにしたことを特徴とする熱収縮易剥離ラベル。
(2)前記感温性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示す前記(1)記載の熱収縮易剥離ラベル。
(3)60℃と23℃における粘着力の比(60℃の粘着力/23℃の粘着力)が0.2以下である前記(1)または(2)記載の熱収縮易剥離ラベル。
(4)前記感温性ポリマーを前記感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部の割合で含む前記(1)〜(3)のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
(5)前記感温性ポリマーの重量平均分子量が1,000〜30,000である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
(6)前記熱収縮フィルムが60℃以上で熱収縮する合成樹脂フィルムである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
上記(1)によれば、本発明の熱収縮易剥離ラベルは、粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含む粘着剤であるので、ガラス瓶等に貼着することができ、該粘着剤は前記感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下し、かつ基材フィルムが熱収縮フィルムであるので、前記融点以上の温度に加温すると粘着力が低下し、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させるとラベルがガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれるので、剥離性やリサイクル性に優れるという効果が得られる。
上記(2),(6)によれば、本発明のラベルが貼着した製品の輸送中に、該ラベルが簡単に剥離することがない。上記(3)によれば、ガラス瓶等に貼着した本発明のラベルを60℃以上に加温すると、簡単かつ確実に剥離することができる。上記(4),(5)によれば、本発明にかかる粘着剤は、ガラス瓶等に貼着することができる粘着力を有すると共に、前記融点以上の温度で確実に粘着力が低下し、かつ凝集破壊することがない。
<熱収縮易剥離ラベル>
本発明の熱収縮易剥離ラベルは、基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたものである。
(基材フィルム)
本発明にかかる基材フィルムは熱収縮フィルムである。これにより、後述する粘着剤を、該粘着剤が含有する感温性ポリマーの融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ熱収縮フィルムを熱収縮させると、ラベルがガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれる。
本発明の熱収縮易剥離ラベルは、基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたものである。
(基材フィルム)
本発明にかかる基材フィルムは熱収縮フィルムである。これにより、後述する粘着剤を、該粘着剤が含有する感温性ポリマーの融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ熱収縮フィルムを熱収縮させると、ラベルがガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれる。
前記熱収縮フィルムは、ラベルの基材として使用でき、かつ所定の温度で熱収縮するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、例えばポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、環状オレフィン系コポリマー樹脂、その他のオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂フィルムが挙げられる。
また、該合成樹脂フィルムが熱収縮する温度は60℃以上、好ましくは60〜100℃であるのがよい。これにより、本発明のラベルが貼着した製品の輸送中に、該ラベルが簡単に剥離することがない。
熱収縮フィルムの厚みとしては、所定の温度で熱収縮できる厚みであればよく、例えば12〜250μm、好ましくは25〜100μmであるのがよい。また、熱収縮フィルムの表面は、粘着剤層の固定強度を向上させる上で、例えばコロナ放電、ブラスト処理、ケミカルエッチング処理、プライマー処理等が施されているのが好ましい。
熱収縮フィルムは、用途に応じて単層フィルムであってもよいし、多層フィルムであってもよく、透明、不透明は問わない。さらに、一軸延伸加工、二軸延伸加工等の各種の公知の方法で製造されたものが採用可能である。
熱収縮フィルムの熱収縮率は、粘着剤の粘着力を低下させ、かつ熱収縮フィルムを熱収縮させた際に、ラベルがガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれる程度の熱収縮率であればよく、具体的には、下記式(I)から算出される値が5〜70%程度であるのが好ましい。
(粘着剤層)
本発明にかかる粘着剤層は、感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤である。これにより、本発明のラベルはガラス瓶等に貼着することができ、前記融点以上の温度に加温すると粘着力が低下し、かつ上記で説明した熱収縮フィルムを熱収縮させるとガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれる。
本発明にかかる粘着剤層は、感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤である。これにより、本発明のラベルはガラス瓶等に貼着することができ、前記融点以上の温度に加温すると粘着力が低下し、かつ上記で説明した熱収縮フィルムを熱収縮させるとガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれる。
前記感圧性接着剤(PSA)は、例えば炭素数1〜12のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル[以下、(メタ)アクリレートという]を主成分とする共重合体であるのがよく、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を重合させるのが好ましい。
感圧性接着剤の重量平均分子量は20万〜100万、好ましくは30万〜70万であるのがよい。これにより、本発明のラベルを所定の粘着力でガラス瓶等に貼着することができ、かつ前記感温性ポリマーの融点以上の温度に加温すると粘着力が低下する。これに対し、前記ポリマーの重量平均分子量が20万より小さいと、粘着剤の凝集力が不足し、貼着したラベルがズレるおそれがあり、100万より大きいと、塗工時に気泡の入るおそれがある。前記重量平均分子量は、前記ポリマーをゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
本発明にかかる感温性ポリマーとは、温度変化に対応して結晶状態と流動状態とを可逆的に起こすポリマーのことを意味する。特に、本発明の感温性ポリマーは、該感温性ポリマーの融点以上の温度で流動性を示し、粘着剤の粘着力を低下させる必要がある。具体的には、前記感温性ポリマーの融点は50℃以上、好ましくは50〜70℃であり、融点未満で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示すのがよい。これにより、粘着剤を上記融点以上の温度に加温すると、感温性ポリマーが溶融し剥離性を良好に発揮する。
一方、前記感温性ポリマーの融点が50℃より低いと、本発明のラベルが貼着した製品の輸送中に、該ラベルが剥離するおそれがある。ここで、本発明において融点とは、ある平衡プロセスにより、最初は秩序ある配列に整合されていたポリマーの特定部分が無秩序状態となる温度を意味するものであり、前記感温性ポリマーを示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られる値である。
感温性ポリマーは前記感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部の割合で含むのがよい。1重量部より少ないと、粘着剤を感温性ポリマーの融点以上の温度に加温しても粘着力が低下しにくくなり、30重量部より多いと、ガラス瓶等に貼着する際の粘着力が低下し、さらに、ラベルを剥離する際に粘着剤が凝集破壊しやすくなるので好ましくない。
感温性ポリマーの具体例としては、炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル30〜100重量部と、炭素数1〜12のアルキル基を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル0〜70重量部と、極性モノマー0〜10重量部とを重合させて得られる重合体であるのがよい。
前記炭素数16以上の直鎖状アルキル基を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル[以下、(メタ)アクリレートという]としては、例えばステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等の炭素数16〜22の線状アルキル基を有する(メタ)アクリレートの1種又は2種以上を用いることができる。前記炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上を用いることができる。前記極性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有エチレン不飽和単量体や;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するエチレン不飽和単量体等の1種又は2種以上を用いることができるが、このうち特に好適なものはアクリル酸である。
感温性ポリマーの重量平均分子量は1,000〜30,000、好ましくは3,000〜25,000であるのがよい。これにより、粘着剤を前記融点以上の温度に加温すると粘着力が低下する。これに対し、前記重量平均分子量が1,000より小さいと、初期強度が低下するおそれと、該ラベルを剥離する際にガラス面に該感温性ポリマーが残るおそれがある。また、前記重量平均分子量が30,000より上であると、粘着剤を感温性ポリマーの融点以上の温度に加温しても粘着力が低下しにくくなるので好ましくない。なお、前記重量平均分子量は、上記した感圧性接着剤と同様にして測定して得られた値である。
上記したような本発明の熱収縮易剥離ラベルは、60℃と23℃における粘着力の比(60℃の粘着力/23℃の粘着力)が0.2以下であるのがよい。これにより、該ラベルを60℃程度まで加温すると、粘着剤の粘着力が十分に低下するので、確実にガラス瓶等から剥離することができる。
ここで、60℃の粘着力は0〜100g/25mm、好ましくは0〜50g/25mmであり、23℃の粘着力は500〜3000g/25mm、好ましくは600〜2500g/25mmであるのがよく、これらの範囲内で上記粘着力の比が所定の値以下となるようにすればよい。本発明の粘着力は、例えば後述のように、本発明の熱収縮易剥離ラベルをガラス板等に貼着し、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記ラベルを180°剥離した時の剥離強度を測定して得られる値である。
本発明の熱収縮易剥離ラベルの製造方法は、例えば基材フィルムである熱収縮フィルムの片面に、感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含む粘着剤塗布液を塗布し、乾燥させることにより作製することができる。ここで、形成された粘着剤層の厚みは5〜70μm、好ましくは10〜50μmであるのがよい。これにより、該ラベルをガラス瓶等に所定の粘着力で貼着することができる。これに対し、前記厚みが5μmより薄いと粘着力が不足して貼着安定性が低下するおそれがあり、70μmより厚いと、熱収縮フィルムに塗工する際に気泡が入りやすく、塗工された粘着剤層の乾燥性が低下するので好ましくない。
なお、前記塗布液は、基材フィルムの片面に塗布される粘着剤として所定のポリマーからなる粘着剤の他に、必要に応じてタッキファイヤー、架橋剤、可塑剤、老化防止剤等の各種の添加剤を添加してもよい。各添加剤としては、各種の公知のものが採用可能である。
次に、本発明の熱収縮易剥離ラベルの使用方法について説明する。まず、熱収縮易剥離ラベルの粘着剤層をガラス瓶等の被着体の所定位置に配置し、基材フィルム側から押圧して貼着する。ここで、前記被着体としては、貼着されたラベルを剥離してリサイクルする必要がある被着体であれば特に限定されるものではなく、例えばビールや飲料水用のガラス瓶、ガラス製トレー、陶磁器製瓶等の他、ポリエチレンテレフタレート製のボトル、ラベルが貼着した各種の包装容器等が挙げられる。
ラベルを剥離する際には、ラベルの表面を、お湯、温風器(例えばドライヤー)、蒸気等で加温し、粘着剤層を感温性ポリマーの融点より高い温度に加温し、かつ熱収縮フィルムを熱収縮させる。これにより、粘着剤層は感温性ポリマーが流動性を示すことで粘着力が低下し、かつ熱収縮フィルムが熱収縮するので、ラベルがガラス瓶等から自然に浮き上がって剥がれる。
なお、ラベルが自然に浮き上がって剥がれない場合であって、粘着剤層の温度が前記融点よりも低い温度に低下し、再び粘着力が発現した場合であっても、基材フィルムが熱収縮していることにより、ラベルがガラス瓶等から浮き上がっているので、簡単に剥離することができる。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明の熱収縮易剥離ラベルについて詳細に説明するが、本発明は以下の合成例および実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明で「部」は重量部を意味する。
以下の合成例で調製した共重合体の重量平均分子量および融点は、以下のようにして測定した。
(共重合体の重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
(共重合体の融点)
示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られた値である
(共重合体の重量平均分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定し、得られた測定値をポリスチレン換算した値である。
(共重合体の融点)
示差熱走査熱量計(DSC)で、10℃/分の測定条件で測定して得られた値である
以下の実施例および比較例で使用した共重合体は、以下の3種類である。
(合成例1)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を40部、ステアリルアクリレート(日本油脂社製)を35部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を20部、アクリル酸を5部、ドデシルメルカプタン(花王社製)を6部およびパーヘキシルPV(日本油脂社製)を1部の割合で、それぞれ溶媒のトルエン100部に加えて混合し、80℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は7900、融点は51℃であった。
(合成例1)
ベヘニルアクリレート(日本油脂社製)を40部、ステアリルアクリレート(日本油脂社製)を35部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を20部、アクリル酸を5部、ドデシルメルカプタン(花王社製)を6部およびパーヘキシルPV(日本油脂社製)を1部の割合で、それぞれ溶媒のトルエン100部に加えて混合し、80℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は7900、融点は51℃であった。
(合成例2)
ステアリルアクリレートを95部、アクリル酸を5部、ドデシルメルカプタン(花王社製)を5部およびパーヘキシルPV(日本油脂社製)を1部の割合で、それぞれ溶媒のトルエン100部に加えて混合し、80℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は8900、融点は51℃であった。
ステアリルアクリレートを95部、アクリル酸を5部、ドデシルメルカプタン(花王社製)を5部およびパーヘキシルPV(日本油脂社製)を1部の割合で、それぞれ溶媒のトルエン100部に加えて混合し、80℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は8900、融点は51℃であった。
(合成例3)
エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製)を52部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を40部、ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒社製)を8部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ溶媒の酢酸エチル/n−ヘプタン(70/30)230部に加えて混合し、60℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は47万であった。
エチルヘキシルアクリレート(日本触媒社製)を52部、メチルアクリレート(日本触媒社製)を40部、ヒドロキシエチルアクリレート(日本触媒社製)を8部およびパーブチルND(日本油脂社製)を0.5部の割合で、それぞれ溶媒の酢酸エチル/n−ヘプタン(70/30)230部に加えて混合し、60℃で5時間撹拌して、これらのモノマーを重合させた。得られた共重合体の重量平均分子量は47万であった。
前記合成例1および合成例3で得られた各共重合体を表2に示す割合で配合した。すなわち、前記合成例3で得られた共重合体100部に対して、前記合成例1で得られた共重合体を3部の割合で配合した粘着剤溶液を、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さが20μmになるように塗布し、乾燥させた。ついで、熱収縮フィルム(熱収縮ポリエチレンテレフタレートフィルム、グンゼ社製の商品名「TAS−60」)に転写し、熱収縮易剥離ラベルを作製した。
合成例1で得られた共重合体に代えて合成例2で得られた共重合体を用い、合成例3で得られた共重合体100部に対して、合成例2で得られた共重合体を3部の割合で配合した粘着剤溶液を調製した以外は、実施例1と同様にして熱収縮易剥離ラベルを作製した。
[比較例1]
前記合成例3で得られた共重合体の粘着剤溶液を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さが20μmになるように塗布し、乾燥させた。ついで、熱収縮フィルム(熱収縮ポリエチレンテレフタレートフィルム、グンゼ社製の商品名「TAS−60」)に転写し、ラベルを作製した。
前記合成例3で得られた共重合体の粘着剤溶液を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さが20μmになるように塗布し、乾燥させた。ついで、熱収縮フィルム(熱収縮ポリエチレンテレフタレートフィルム、グンゼ社製の商品名「TAS−60」)に転写し、ラベルを作製した。
[比較例2]
ポリマーA(市販のアクリル系感圧性接着剤)を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さが20μmになるように塗布し、乾燥させた。ついで、熱収縮フィルム(熱収縮ポリエチレンテレフタレートフィルム、グンゼ社製の商品名「TAS−60」)に転写し、ラベルを作製した。
ポリマーA(市販のアクリル系感圧性接着剤)を離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに厚さが20μmになるように塗布し、乾燥させた。ついで、熱収縮フィルム(熱収縮ポリエチレンテレフタレートフィルム、グンゼ社製の商品名「TAS−60」)に転写し、ラベルを作製した。
上記実施例1,2および比較例1,2の各ラベルについて、剥離強度、粘着力の比および剥離性の評価を実施した。各特性の評価方法を以下に示すと共に、その評価結果を表2に併せて示す。
(剥離強度)
上記で得られた各ラベルの粘着剤層が形成された面を、表面温度が60℃および23℃のガラス板に押し当て、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記ラベルを180°剥離し、60℃および23℃の剥離強度を測定した。
上記で得られた各ラベルの粘着剤層が形成された面を、表面温度が60℃および23℃のガラス板に押し当て、ロードセルを用いて300mm/分の速度で前記ラベルを180°剥離し、60℃および23℃の剥離強度を測定した。
(粘着力の比)
60℃と23℃における粘着力の比(60℃の粘着力/23℃の粘着力)は、上記剥離強度で測定した60℃および23℃の剥離強度の比(60℃の剥離強度/23℃の剥離強度)から算出した。
60℃と23℃における粘着力の比(60℃の粘着力/23℃の粘着力)は、上記剥離強度で測定した60℃および23℃の剥離強度の比(60℃の剥離強度/23℃の剥離強度)から算出した。
(剥離性)
上記で得られた各ラベルの粘着剤層が形成された面を、表面温度が23℃のガラス板に押し当て、ついで、このガラス板を90〜100℃の熱湯に浸漬した際の状態を目視にて観察した。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:自然にラベルが剥がれる
×:自然にラベルが剥がれない
上記で得られた各ラベルの粘着剤層が形成された面を、表面温度が23℃のガラス板に押し当て、ついで、このガラス板を90〜100℃の熱湯に浸漬した際の状態を目視にて観察した。なお、評価基準は以下のように設定した。
評価基準
○:自然にラベルが剥がれる
×:自然にラベルが剥がれない
表2から明らかなように、実施例1および実施例2の熱収縮易剥離ラベルは、剥離性に優れているのがわかる。これに対し、比較例1,2は、60℃の剥離強度が高く、剥離性に劣る結果を示した。
Claims (6)
- 基材フィルムと、この基材フィルムの片面に粘着剤層を設けたラベルであって、前記基材フィルムが熱収縮フィルムであり、前記粘着剤層が感圧性接着剤と感温性ポリマーとを含み該感温性ポリマーの融点以上の温度で粘着力が低下する粘着剤であり、前記融点以上の温度に加温して粘着力を低下させ、かつ前記熱収縮フィルムを熱収縮させるようにしたことを特徴とする熱収縮易剥離ラベル。
- 前記感温性ポリマーは、融点が50℃以上であり、融点未満の温度で結晶化しかつ融点以上の温度で流動性を示す請求項1記載の熱収縮易剥離ラベル。
- 60℃と23℃における粘着力の比(60℃の粘着力/23℃の粘着力)が0.2以下である請求項1または2記載の熱収縮易剥離ラベル。
- 前記感温性ポリマーを前記感圧性接着剤100重量部に対して1〜30重量部の割合で含む請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
- 前記感温性ポリマーの重量平均分子量が1,000〜30,000である請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
- 前記熱収縮フィルムが60℃以上で熱収縮する合成樹脂フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮易剥離ラベル。
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Cited By (2)
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KR102058512B1 (ko) | 2012-07-26 | 2019-12-23 | 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 | 열 접합해제성 광학 물품 |
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