JP2009155379A - 接着用樹脂組成物及びそれを用いたセラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面にパターン状の導電ペーストを有する第1のセラミックグリーンシートに第2のセラミックグリーンシートを、接着用樹脂組成物を介して接着した積層体を焼成する際に、導電ペーストが変形したり、周囲へ拡散したりするのを抑制することのできる接着用樹脂組成物およびそれを用いたセラミック基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の接着用樹脂組成物は、表面にパターン状の導電ペーストを被着して成る第1のセラミックグリーンシート1の表面に第2のセラミックグリーンシート2を接着するための接着用樹脂組成物3であって、熱分解性が異なる少なくとも2種の樹脂成分を含み、この樹脂成分の内、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、配線を形成して成るセラミック配線基板の製造の際に用いる接着用樹脂組成物と、それを用いたセラミック配線基板の製造方法に関するものである。
近年、半導体LSIやチップ部品等は小型化、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も小型化、軽量化が望まれている。このような要求に対して、高密度配線や薄型化が可能である基板内に内部電極等を配したセラミック多層配線基板は、今日のエレクトロニクス業界において要視されている。
これらセラミック多層配線基板は、一般的にアルミナ質焼結体から成り、表面または内部にタングステン、モリブデン等の高融点金属から成る配線層が形成された絶縁基板が従来から広く用いられている。
セラミック多層配線基板の製造方法としては、まず、適当な金属粉末にバインダー、溶剤、可塑剤を添加混合して得た金属ペーストをセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)に周知のスクリーン印刷法により、所定形状のパターンに印刷塗布するとともに、マイクロドリルやレーザで貫通孔(スルーホール)を形成し、この貫通孔内に金属ペーストを充填して貫通導体(ビア導体、ビアホール)を形成する。
さらに、複数枚のグリーンシートを複数積層し、得られたグリーンシート積層体を所定条件で焼成することによって、表面または内部にメタライズ配線層が配設されたセラミック多層配線基板が得られる。
セラミック多層配線基板の一例として半導体素子収納用パッケージが挙げられる。半導体素子は高集積化およびクロック周波数の向上に伴い、伝送特性の向上が要求されていることから、半導体素子収納用パッケージとの接続は、接続間距離を短くできるフリップチップ接続法が多用されている。
このため、半導体素子収納用パッケージ等のセラミック基板は高い平坦度が求められており、このためセラミック基板は、反りを低減し、半導体素子が載置されるフリップチップ接続部の平坦度を高めるための焼成方法が試みられている。
例えば、特許文献1によれば、まず、セラミック基板となるグリーンシート積層体を、バインダーと粉体とから成る焼成用保護シート(融着防止用シート)で狭持して磁器製さや上に載置し、次いで、この上に押板などの荷重体を置いて非拘束焼成する方法が採られている。荷重体を置くことにより焼成後のセラミック基板の反りを低減できる。また、最表層の導体パターンが直接荷重体や磁器製さやに触れないため、表面に傷が生じないメリットもある。
これら非拘束焼成時に使用される焼成用保護シートを用いたセラミック基板の製造方法では、磁器製さや、焼成用保護シート、グリーンシートの表面に導体パターンを設けてなるグリーンシート積層体、焼成用保護シートおよび荷重体を、下方から順に載置して焼成する。なお、引用文献1には、さらに上記焼成用保護シートとグリーンシート積層体との間に樹脂シートを介在させるのがより好ましい旨、記載されている。
特開平11−322445号公報
しかしながら、セラミック基板となるグリーンシート、樹脂シートおよび焼成用保護シートを積層させて焼成した場合、焼成工程において、樹脂シートの溶融した樹脂成分によってグリーンシート表面の導体パターンが変形したり、導体パターンの導体成分が周囲に拡散したりして、隣接する導体パターン同士が短絡するという不具合があった。
従って、本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、表面にパターン状の導電ペーストを有する第1のセラミックグリーンシートに第2のセラミックグリーンシートを、接着用樹脂組成物を介して接着した積層体を焼成する際に、導電ペーストが変形したり、周囲へ拡散したりするのを抑制することのできる接着用樹脂組成物およびそれを用いたセラミック基板の製造方法を提供することにある。
本発明の接着用樹脂組成物は、表面にパターン状の導電ペーストを被着して成る第1のセラミックグリーンシートの前記表面に第2のセラミックグリーンシートを接着するための接着用樹脂組成物であって、熱分解性が異なる少なくとも2種の樹脂成分を含み、該樹脂成分の内、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たすことを特徴とする。
本発明の接着用樹脂組成物において好ましくは、前記導電ペーストに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃、前記第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃としたときに、80%重量減少温度(T℃)がT≦TかつT≦Tを満たすことを特徴とする。
本発明の接着用樹脂組成物において好ましくは、樹脂スペーサーをさらに含むことを特徴とする。
本発明の接着用樹脂組成物において好ましくは、N雰囲気中、500℃において構成する有機成分の99重量%以上が熱分解することを特徴とする。
本発明の接着用樹脂組成物において好ましくは、前記第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度は前記第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも高いことを特徴とする。
本発明のセラミック基板の製造方法は、表面にパターン状の導電ペーストを被着して成る第1のセラミックグリーンシートの前記表面に接着用樹脂組成物を介して第2のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する積層工程と、該積層体を焼成する焼成工程とを具備するセラミック基板の製造方法であって、前記接着用樹脂組成物は、熱分解性が異なる少なくとも2種の樹脂成分を含み、該樹脂成分の内、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たすことを特徴とする。
本発明のセラミック基板の製造方法において好ましくは、前記接着用樹脂組成物の80%重量減少温度をT℃、前記導電ペーストに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃、前記第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃としたときに、T≦TかつT≦Tを満たすことを特徴とする。
本発明のセラミック基板の製造方法において好ましくは、前記接着用樹脂組成物は樹脂スペーサーをさらに含むことを特徴とする。
本発明のセラミック基板の製造方法において好ましくは、前記接着用樹脂組成物は、N雰囲気中、500℃において構成する有機成分の99重量%以上が熱分解することを特徴とする。
本発明のセラミック基板の製造方法において好ましくは、前記第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度は前記第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも高く、前記焼成工程における焼成温度が前記第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度以上であるとともに前記第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも低いことを特徴とする。
本発明のセラミック基板の製造方法において好ましくは、前記積層工程と前記焼成工程との間に、前記積層体を複数個に切断する切断工程を具備することを特徴とする。
本発明の接着用樹脂組成物およびそれを用いたセラミック基板の製造方法は、焼成の際、接着用樹脂組成物の熱分解を、比較的広範囲の温度領域において緩やかに進行させることにより、導体パターンが変形したり、周囲に拡散したりするのを抑制することができる。その結果、隣接する導体パターン同士の短絡を有効に抑制して高密度な導体パターンを形成することができる。
本発明の接着用樹脂組成物およびそれを用いたセラミック基板の製造方法について、以下に詳細に説明する。
本発明の接着用樹脂組成物は、表面にパターン状の導電ペーストを被着して成る第1のセラミックグリーンシートの表面に第2のセラミックグリーンシートを接着するための接着剤である。接着用樹脂組成物は第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとを全面で接着してもよいが、全面でなくとも、少なくとも第1のセラミックグリーンシートの表面に被着した導電ペーストと第2のセラミックグリーンシートとの界面に存在すればよい。
また、第2のセラミックグリーンシートは、例えば、焼成用シート部材としての機能を有するものとして使用される。焼成用シート部材とは、例えば、第1のセラミックグリーンシートを焼成する際の反りや寸法等の抑制、表面保護等の種々の目的に用いられ、焼成後は製品としての第1のセラミックグリーンシートの焼成体からは除去される。このような焼成用シート部材としては、単に第1のセラミックグリーンシートを保護するための非拘束焼成用(第1のセラミックグリーンシートを拘束して第1のセラミックグリーンシートの収縮抑制を行なうことを主目的とはしていないため、収縮抑制の効果が無いかあるいは非常に小さい点で非拘束焼成用という)の焼成用保護シートとして用いられることもでき、また、第1のセラミックグリーンシートの焼成による収縮を積極的に抑制する拘束焼成用の拘束シートとしても用いることができる。
第2のセラミックグリーンシートを、第1のセラミックグリーンシートの焼成による収縮を積極的に抑制する拘束焼成用の拘束シートとするか、第1のセラミックグリーンシートの収縮を抑制する効果が小さい非拘束焼成用の焼成用保護シートとするかは、第2のセラミックグリーンシートや接着用樹脂組成物に含まれる材料成分や厚み等に依存する。例えば、第2のセラミックグリーンシートを拘束シートとして用いる場合、第2のセラミックグリーンシートに含まれるセラミック成分を第1のセラミックグリーンシートに含まれるセラミック成分の焼成温度では焼結しないような成分を用いればよい。
また、第2のセラミックグリーンシートは、焼成により第1のセラミックグリーンシートと結合して最終製品の一部となるものでもよい。この場合、第2のセラミックグリーンシートは第1のセラミックグリーンシートと同じ材料でもよく、異なる材料でもよい。
本発明の接着用樹脂組成物は、熱分解温度領域の異なる2種以上の樹脂成分を含むことを特徴としており、該樹脂成分の組合せは同種もしくは異種の樹脂組成同士であっても構わない。即ち、熱分解性が異なる少なくとも2種の樹脂成分を含み、該樹脂成分の内、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たすものであれば種々の樹脂を使用できる。また、樹脂成分を熱分解させる際の雰囲気は酸化雰囲気、還元雰囲気のどちらであっても構わない。
なお、本発明において熱分解性とは温度を変化させたときの試料の重量変化の特性を示すものであり、公知の熱重量分析法によって測定可能である。そして、20%重量減少温度とは、試料を一定の昇温速度で加熱して熱分解し、初期の重量に対して20%の重量が減少したときの温度をいう。
例えば、本発明の接着用樹脂組成物を構成する樹脂成分としては、アクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルアセタール系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンカーボネート系等の単独重合体または共重合体が挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも2種を含有する。
アクリル系の具体例としては、メチルアクリレート,メチルメタクリレート,エチルアクリレート,エチルメタクリレート,n−プロピルアクリレート,n−プロピルメタアクリレート,イソプロピルアクリレート,イソプロピルメタクリレート,n−ブチルアクリレート,n−ブチルメタクリレート,イソブチルアクリレート,イソブチルメタクリレート,tert−ブチルアクリレート,tert−ブチルメタクリレート,ネオペンチルアクリレート,ネオペンチルメタクリレート,シクロヘキシルアクリレート,シクロヘキシルメタクリレート,オクチルアクリレート,オクチルメタクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,2−エチルヘキシルメタクリレート,イソノニルアクリレート,イソノニルメタクリレート,デシルアクリレート,デシルメタクリレート,イソデシルアクリレート,イソデシルメタクリレート,イソボルニルアクリレート,イソボルニルメタクリレート,ラウリルアクリレート,ラウリルメタクリレート,トリデシルアクリレート,トリデシルメタクリレート,トリシクロデシルアクリレート,トリシクロデシルメタクリレート等が挙げられ、これらアクリル酸エステルやメタクリル酸アルキルエステルを主鎖とする共重合体には、カルボン酸基,アルキレンオキサイド基,水酸基,グリシジル基,アミノ基またはアミド基を含有するモノマーが共重合成分として含まれていても良い。
カルボン酸基を有するものとしては、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,イタコン酸,フマル酸,クロトン酸,イソクロトン酸,シトラコン酸,メサコン酸等が挙げられ、アルキレンオキサイドを有するものとしては、メチレンオキサイド,エチレンオキサイド,プロピレンオキサイド等があり、水酸基を有するものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシブチルアクリレート,2−ヒドロキシブチルメタクリレート,ジエチレングリコールモノアクリレート,ジエチレングリコールモノメタクリレート,グリセリンモノアクリレート,グリセリンモノメタクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート等があり、グリシジル基を有するものとしては、グリシジルアクリレート,グリシジルメタクリレート等があり、アミノ基またはアミド基を有するものとしては、ジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレート,N−tert−ブチルアミノエチルアクリレート,N−tert−ブチルアミノエチルメタクリレート,アクリルアミド,メタクリルアミド,N−ジメチルアクリルアミド,N−ジメチルメタクリルアミド,シクロヘキシルアクリルアミド,シクロヘキシルメタクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,ジアセトンアクリルアミド等がある。
これらアクリル酸エステルやメタクリル酸アルキルエステルを主鎖とする共重合体には、他の共重合可能なアクリロニトリル,スチレン,α−メチルスチレン,ジビニルベンゼン,酢酸ビニル,n−ビニルピロリドン等を共重合させても良い。
ポリビニルアセタール系の具体例としては、ポリビニルブチラール,ポリビニルエチラール,ポリビニルプロピラール,ポリビニルオクチラール,ポリビニルフェニラール等やその誘導体等が挙げられる。
セルロース系の具体例としては、メチルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ニトロセルロース,酢酸セルロース等が挙げられる。
これらの内、良好な熱分解挙動が期待できるアクリル系を主成分として使用することが望ましい。
このように本発明の接着用樹脂組成物を、熱分解温度領域の異なる2種以上の樹脂成分を含むものとすることによって、接着用樹脂組成物の樹脂成分の熱分解を比較的広範囲の温度領域において緩やかに進行させることが可能となり、該接着用樹脂組成物と隣接した導体パターンの変形や導体成分の拡散を抑制できる。
なお、本発明の接着用樹脂組成物におけるバインダーの組成および組成比については、例えばGC−Mass,NMR等を用いることにより特定可能である。
また、本発明の接着用樹脂組成物は、第1のセラミックグリーンシートの表面に被着された導電ペーストに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃、第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃としたときに、80%重量減少温度(T℃)がT≦TかつT≦Tを満たすことが望ましい。
上記設計により、本発明の接着用樹脂組成物の熱分解温度領域を、製品であるセラミック基板と成る第1のセラミックグリーンシートに被着された導電ペーストに含まれる樹脂バインダーの熱分解温度領域と、製品であるセラミック基板となる第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの熱分解温度領域に対して、より温度差を設けることが可能となり、より効果的に接着用樹脂組成物と隣接する導体パターンの変形や導体成分の拡散を抑制できる。即ち、本発明の接着用樹脂組成物は、焼成の際に接着用樹脂組成物の大半が熱分解した後、接着用樹脂組成物に接触する導電ペーストや第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの熱分解が開始する。従って、接着用樹脂組成物の大半が熱分解している段階でも、導電ペーストや第1のセラミックグリーンシートには樹脂バインダーが充分存在しているため強度が比較的強く維持されており、導体パターンの変形や導体成分の拡散をより効果的に抑制することが可能となる。
更には、本発明の接着用樹脂組成物は、樹脂スペーサーをさらに含んでも良い。樹脂スペーサーを介在させることによって、第2のセラミックグリーンシートを焼成用保護シートとして良好に使用できるようになる。即ち、製品であるセラミック基板となる第1のセラミックグリーンシートと、焼成用保護シートとしての第2のセラミックグリーンシートとの間に焼成時に隙間を設けることが可能となり、焼成する際、製品であるセラミック基板と焼成用保護シートとの融着や焼結を抑制することが可能となる。
また、上記樹脂スペーサーは、本発明の接着用樹脂組成物の特徴である熱分解温度特性の異なる2種以上の構成樹脂成分の一つとして用いてもよい。即ち、接着剤としての機能を果たすための前述した樹脂成分に対して、樹脂スペーサーとなりうる樹脂ビーズ等を添加することによって樹脂成分の熱分解温度領域に差を設けて、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たすようにしても良い。
本発明に使用する樹脂スペーサーとしては、一般的な樹脂ビーズを使用可能であり、焼成時に良好な熱分解挙動を示すものであれば特に制限されない。特に、熱分解性がよいという観点からは、アクリル系,α−メチルスチレン系等が好ましい。また、樹脂ビーズの平均粒子径は5〜20μmが好ましい。製品であるセラミック基板と焼成用保護シートとの間に隙間を効果的に設けるという観点からは、平均粒子径が5μm以上であるのがよい。一方、接着用樹脂組成物の表面を平坦化するという観点からは、平均粒子径が20μm以下であるのがよい。なお、樹脂ビーズとして中空構造のものを使用しても良い。この場合、焼成工程の際に、接着用樹脂組成物の溶融物が少なくて済むので導電ペーストの変形や拡散をより有効に抑制できるという利点がある。また、樹脂ビーズは、耐溶剤性の観点から架橋反応が生じたものが好ましい。
樹脂スペーサーとなりうる樹脂ビーズの添加量は、本発明の接着用樹脂組成物の接着強度を低下させない配合比率であれば特に制限されないが、本発明の接着用樹脂組成物を構成する樹脂成分100重量部に対して50〜300重量部程度とすればよい。
本発明の接着用樹脂組成物に使用される溶剤としては、各種印刷手法に合せて適宜選択することが可能である。例えば、スクリーン印刷法を利用する場合は、テルピネオール,ジヒドロテルピネオール,エチルカルビトール,ブチルカルビトール,カルビトールアセテート,ブチルカルビトールアセテート,ジイソプロピルケトン,メチルセルソルブアセテート,セルソルブアセテート,ブチルセルソルブ,ブチルセルソルブアセテート,シクロヘキサノン,シクロヘキサノール,イソホロン,シプロピレングリコール,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート,ブチルカルビトールメチル−3−ヒドロキシヘキサノエート,トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート,パイン油,ミネラルスピリット等の高沸点溶剤が好適に使用できる。
これら溶剤の選択は重要であり、接着用樹脂組成物の塗布面となるセラミックグリーンシートや導体パターンに含まれるバインダーとの相溶性を考慮する必要がある。即ち、セラミックグリーンシートや導電ペーストに対する接着強度を高めるという観点からは、セラミックグリーンシートに対して変形や損傷(いわゆるアタック現象)を与えない範囲内である程度相溶性を高めることが好ましい。
また、本発明の接着用樹脂組成物には可塑剤を添加しても良い。例えば、ジメチルフタレート,ジブチルフタレート,ジ−2−エチルヘキシルフタレート,ジヘプチルフタレート,ジ−n−オクチルフタレート,ジイソノニルフタレート,ジイソデシルフタレート,ブチルベンジルフタレート,エチルフタリルエチルグリコレート,ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル系、ジ−2−エチルヘキシルアジペート,ジブチルジグリコールアジペート等の脂肪族エステル系、ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,ポリエチレングリコール,ジエチレングリコールメチルエーテル,トリエチレングリコールメチルエーテル,ジエチレングリコールエチルエーテル,ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル,トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル,エチレングリコールフェニルエーテル,エチレングリコール−n−アセテート,ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル,ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のエチレングリコール系、ジプロピレングリコール,トリプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,ジプロピレングリコールメチルエーテル,トリプロピレングリコールメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル,ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル,トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル,プロピレングリコールフェニルエーテル,エチレングリコールベンジルエーテル,エチレングリコールイソアミルエーテル等のプロピレングリコール系、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン等のグリセリン系等が挙げられる。
本発明の接着用樹脂組成物は、N雰囲気中、500℃において構成する有機成分の99重量%以上が熱分解することが望ましい。これにより、樹脂成分の熱分解が困難である還元雰囲気かつ低温焼成を必要とする、LTCC(low temperature co-fired ceramics)低温焼成セラミック基板においても良好に熱分解できる。即ち、製品中に残炭素等の残渣物を低減でき、導電性の低下や機械的強度の低下等の不具合を抑制することが可能である。
本発明の接着用樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して樹脂スペーサーとなりうる樹脂ビーズの添加量は50〜300重量部程度、溶剤は100〜300重量部、可塑剤は10〜100重量部の割合で混合されることが好ましい。
本発明の接着用樹脂組成物は前述した樹脂成分、樹脂スペーサーとなりうる樹脂ビーズ、溶剤や可塑剤等を配合して作製し、得られたペースト組成物を、例えば、スクリーン印刷法やグラビア印刷法等の公知の印刷手法を用いて第1または第2のセラミックグリーンシートに印刷塗布する。あるいは、接着用樹脂組成物をシート状に形成しておき、第1および第2のセラミックグリーンシート間に挟んでもよい。
尚、本発明の接着用樹脂組成物には必要に応じて、ガラス成分を添加しても良い。第2のセラミックグリーンシートを焼成用保護シートとして用いる場合、このガラス成分が導体パターンへコーティングされ、導体パターンに対する補強作用を有することとなる。また、第2のセラミックグリーンシートを拘束焼成用の拘束シートとして用いる場合、このガラス成分が第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとの結合力を高め、第1のセラミックグリーンシートに対する拘束力を高める作用を有することとなる。また、第2のセラミックグリーンシートを第1のセラミックグリーンシートとともに焼結させて製品としてのセラミック基板の一部として使用する場合、このガラス成分が第1のセラミックグリーンシートと第2のセラミックグリーンシートとの結合力を高め、層間密着性を高める作用を有することとなる。
このようなガラス成分としては、第2のセラミックグリーンシートを焼成用保護シートとして用いる場合は結晶性ガラスが好ましく、第2のセラミックグリーンシートを拘束シートとして用いる場合は少なくとも非晶性ガラスを含むことが好ましい。第2のセラミックグリーンシートを焼成用保護シートとして用いる場合に結晶性ガラスを用いると、製品となる第1のセラミックグリーンシートが焼結して成るセラミック基板と、焼成された焼成用保護シートとの融着を有効に抑制できる。逆に第2のセラミックグリーンシートを拘束焼成用の拘束シートとして用いる場合に非晶性ガラスを含むと、第1のセラミックグリーンシートに対する拘束結合強度が高められる。なお、本発明の接着用樹脂組成物にガラス成分を含有させる場合は、本発明の接着用樹脂組成物の樹脂成分100重量部に対して、30重量部以下が好ましい。
一方、本発明の接着用樹脂組成物の被着体となる、第1のセラミックグリーンシートは、セラミック粉末および樹脂バインダーを含み、必要に応じてガラス粉末や他の添加剤を含んでよい。
第1のセラミックグリーンシートに用いられるセラミック粉末としては、金属もしくは非金属の酸化物または非酸化物の粉末が挙げられる。また、これらの粉末の組成は単一組成、化合物の状態のものを単独または混合して使用してもよい。例えば、配線基板等の電子部品に用いる場合であれば、具体的には、Li,K,Mg,B,Al,Si,Cu,Ca,Br,Ba,Zn,Cd,Ga,In,ランタノイド,アクチノイド,Ti,Zr,Hf,Bi,V,Nb,Ta,W,Mn,Fe,Co,Ni等の酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、硫化物等が挙げられる。
さらに具体的には、SiO2,Al23,ZrO2,TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、ZnO,MgO,MgAl24,ZnAl24,MgSiO3,Mg2SiO4,Zn2SiO4,Zn2TiO4,SrTiO3,CaTiO3,MgTiO3,BaTiO3,CaMgSi26,SrAl2Si28,BaAl2Si28,CaAl2Si28,Mg2Al4Si518,Zn2Al4Si518,AlN,Si34,SiC、更には、Al23およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられ、用途に合わせて選択することができる。
また、ガラス粉末としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同一または異なってCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである)、SiO−B−M O系(但し、MはLi、NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス,アルカリ金属酸化物,アルカリ土類金属酸化物,希土類酸化物の群から選ばれる少なくとも1種を含有するガラスが好ましい。これらのガラスは焼成処理することによって非晶質ガラスとなるもの、また焼成処理によって、リチウムシリケート,クォーツ,クリストバライト,コージェライト,ムライト,アノーサイト,セルジアン,スピネル,ガーナイト,ウイレマイト,ドロマイト,ペタライトやその置換誘導体の結晶を少なくとも1種を析出する結晶化ガラスが用いられる。
セラミック粉末とガラス粉末を混合させる場合の割合は、用途に応じて適宜調整すればよいが、例えば、第1のセラミックグリーンシートを電子部品等の誘電体として用いる場合であれば、重量比で60:40〜1:99であるのが好ましい。
ガラスセラミックスの焼成温度を比較的低くして、銅,銀,金等の低抵抗の金属を配線導体として使用するという観点からは、ガラス成分を40質量%以上とするのがよい。一方、焼成後に所望の形状のガラスセラミックスを得るという観点からは、ガラス成分を99質量%以下とするのがよい。
一方、第1のセラミックグリーンシートを圧電素子等の電子部品に用いる圧電体用に用いる場合であれば、セラミック粉末として、チタン酸バリウムやジルコン酸鉛−チタン酸鉛系固溶体などの灰チタン石型構造の結晶など、具体的にはチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)およびチタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)などのチタン酸ジルコン酸塩、またはチタン酸鉛などを用いることができる。
また、第1のセラミックグリーンシートの樹脂バインダーとしては、例えば、アクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルアセタール系、セルロース系、ポリビニルアルコール系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンカーボネート系等の単独重合体または共重合体が挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種を含有する。
これらの無機粒子を前述したバインダーと各種溶剤,可塑剤,分散剤等と混合することによりスラリーを作製し、たとえばPETフィルムなどの支持フィルム上に、ドクターブレード法、ダイコータ法、圧延法、プレス法等の成形法により所定の厚みのシート状に成形して第1のセラミックグリーンシートを製造する。
第2のセラミックグリーンシートは、第1のセラミックグリーンシートと焼結して製品としてのセラミック基板の一部として使用する場合、第1のセラミックグリーンシートで用いられる各種材料を用いることができる。第2のセラミックグリーンシートは第1のセラミックグリーンシートと同じ材料でもよく、第1のセラミックグリーンシートとは異なる材料であってもよい。
また、第2のセラミックグリーンシートを非拘束焼成用あるいは拘束焼成用としての各種焼成用シート部材として用いる場合、第2のセラミックグリーンシートは、例えば、難焼結性無機材料とガラスとから成る無機成分に後述する有機バインダー、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーを成形して得られる。難焼結性無機材料としては、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
第2のセラミックグリーンシートを非拘束焼成用あるいは拘束焼成用としての焼成用シート部材として使用する場合に、第2のセラミックグリーンシートに加えられるガラスについても、特に制限されるものではなく、前述した第1のセラミックグリーンシートに配合されるガラスと同様のものが使用可能である。即ち、ガラスは、前述した第1のセラミックグリーンシート中のガラスと同一組成のものであってもよく、異なる組成のものであってもよい。
第2のセラミックグリーンシートのガラス含有量は、非拘束焼成用あるいは拘束焼成用として使用する場合に関わらず、実質的に収縮させない量とすることが好ましい。実質的に収縮させない量とは、非拘束焼成に用いる焼成用保護シートの場合は収縮率5%以下、拘束焼成に用いる拘束シートの場合は収縮率1%以下が好ましい。また、拘束シートとして使用する場合は、焼成時に第2のセラミックグリーンシート(拘束シート)を第1のセラミックグリーンシートと結合させる必要があることから、第2のセラミックグリーンシートのガラス含有量は、第2のセラミックグリーンシートの全無機成分の0.5〜15重量%であるのがよい。この範囲が焼成時にガラスセラミックグリーンシート等の第1のセラミックグリーンシートと結合し、かつ、実質的に収縮させない量となるが、必ずしもこの範囲に制限されるものではなく、使用するガラスの種類等によってガラス含有量は変化させることができる。
また、第2のセラミックグリーンシートを非拘束焼成用あるいは拘束焼成用としての焼成用シート部材として使用する場合に加えられるガラスの軟化点は、第1のセラミックグリーンシートの積層体本体の焼成温度以下で、かつ、焼成用シート部材中の有機成分の分解、揮散温度よりも高いのが好ましい。具体的には焼成用シート部材中のガラスの軟化点は450〜900℃程度であるのが好ましい。焼成時に、軟化したガラスが分解、揮散した有機成分の除去経路を塞ぐのを抑制して、有機成分の除去を良好に行なうという観点からは、ガラスの軟化点が450℃以上であるのがよい。また、拘束焼成用として使用する場合、焼成過程において第1のセラミックグリーンシートへの結合を高め、第1のセラミックグリーンシートに対する拘束力を高めるという観点からは、ガラスの軟化点が900℃以下であるのがよい。
一方、第2のセラミックグリーンシートを非拘束焼成用あるいは拘束焼成用としての焼成用シート部材として使用する場合であっても、ガラスを含有せず、上記した難焼結性無機材料から成る無機成分に有機バインダー、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーを成形して得られるものを用いてもよい。このようなガラスを含有しない場合、焼成時にガラスの溶融が生じないため、難焼結性無機材料間に生じる隙間がガラスによって充填されず、その結果、第1のセラミックグリーシートまたは焼成用シート部材のバインダー成分の揮発、燃焼の径路が十分に確保され、空気の供給も滞らないことから、脱バインダー性が良好となる。ただし、このようなガラス成分を含有しない場合、拘束焼成に用いる拘束シートとして使用する場合は、焼成中における拘束シートと第1のセラミックグリーンシートとの密着力が小さくなるが、昇温速度を遅くすることにより、拘束シートの第1のセラミックグリーンシートからの剥離を抑制することができる。
第2のセラミックグリーンシートを非拘束焼成用あるいは拘束焼成用としての焼成用シート部材として使用する場合、第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度は第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも高いことが望ましい。具体的には、第1および第2のセラミックグリーンシートに含有されるセラミック粉末やガラス粉末の選定により第1および第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度に差を持たせるようにすれば良い。これにより、第2のセラミックグリーンシートを各種焼成用シート部材として効果的に使用できる。
次に、本発明の接着用樹脂組成物を用いてセラミック基板を製造した例について、図1〜4に基づいて以下に詳細に説明する。図1は本発明のセラミック基板の製造方法の一例における各工程を示す断面図であり、図2は図1のセラミック基板の製造方法の概略説明を示す工程図である。また、図3は本発明のセラミック基板の製造方法の他の例における中間体を示す断面図である。
先ず、セラミック配線基板を作製するための第1のセラミックグリーンシート1を作製する。図1では第1のセラミックグリーンシートを複数層用いてセラミック基板を製造する例を示す。次に、第1のセラミックグリーンシート1に打ち抜き加工を施すことにより、上下の配線導体層を接続するビアホールとなる貫通孔を形成する。
次に、第1のセラミックグリーンシート1の表面に配線導体のパターンを形成するために、例えば導体材料粉末をペースト化した導電ペースト4をスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷する(図1(a)参照)。導電ペーストの導体材料としては、例えばAu,Cu,Ag,Pd,W,Mo,Ni,Al,Pt等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態であってもよい。これら配線導体のパターンには、上下の層間のパターン同士を接続するためのビア導体やスルーホール導体等の貫通導体5が表面に露出した部分も含まれる。これら貫通導体5は、パンチング加工等によりセラミックグリーンシートに形成した貫通孔に、導体材料の粉末をペースト化した導電ペーストを印刷により埋め込む等の手段によって形成される。このようにして、第1のセラミックグリーンシート1の表面に配線パターン状の導電ペースト4を形成するとともに、貫通孔内に貫通導体5を充填する。そしてこれらの第1のセラミックグリーンシートを積層してセラミックグリーンシート積層体1’を得る(図1(b)参照)。
第1のセラミックグリーンシート1同士の積層には、積み重ねた第1のセラミックグリーンシート1に熱と圧力を加えて熱圧着する方法や、有機バインダー,可塑剤,溶剤等から成る接着剤を第1のセラミックグリーンシート1間に塗布して圧着もしくは熱圧着する方法等が採用可能である。勿論、本発明の接着用樹脂組成物を第1のセラミックグリーンシート1間に設けて圧着もしくは熱圧着してもよい。
一方、第2のセラミックグリーンシート2に本発明の接着用樹脂組成物3をスクリーン印刷法等で印刷塗布し(図1(c)参照)、前述したセラミックグリーンシート積層体1’に積層する(図1(d)参照)。その際、第2のセラミックグリーンシート2に本発明の接着用樹脂組成物3を印刷塗布した後、直ちに前述したセラミックグリーンシート積層体1’に積層する手法に対し、第2のセラミックグリーンシート2に本発明の接着用樹脂組成物3を印刷塗布した後、乾燥工程を経て接着用樹脂組成物3の固化層を形成した後、加熱積層等で接着用樹脂組成物3の固化層を軟化させて前述したセラミックグリーンシート積層体1’に積層する手法を採用しても良い。特に、接着用樹脂組成物3に隣接する第1のセラミックグリーンシート1上に形成されたパターン状の導電ペースト4が微細パターンである場合、接着用樹脂組成物3に含まれる溶剤、可塑剤等によって導電ペースト4のパターンが変形するのを有効に抑制するために、一旦、接着用樹脂組成物3の固化層を形成させる手法を採用すると良い。また、本手法では第2のセラミックグリーンシート2に本発明の接着用樹脂組成物3の固化層を形成した接着性グリーンシートを予め製造しておき、一定期間保管が可能である為、必要に応じて使用することが可能である。ここで、一定期間とは、本発明の接着用樹脂組成物3の固化層の接着強度が十分に維持できる期間であれば限定されるのもでは無い。
尚、第2のセラミックグリーンシート2は図1のようにセラミックグリーンシート積層体1’の片面のみに積層しても、図3のように両面に積層しても構わない。
得られたセラミックグリーンシート積層体1’と第2のセラミックグリーンシート2の複合体に、所望とする形状やサイズにする為、刃物や金型等で各種切断工程や面取り加工を施す(図1(e)参照)。さらに、焼成工程を行い、セラミック基板10を得る(図1(f)参照)。
本実施例においては、図1(e)に示すようにセラミックグリーンシート積層体1’を刃物や金型等で切断する際に、セラミックグリーンシート積層体1’に予め接着用樹脂組成物3および第2のセラミックグリーンシート2を積層した状態で、切断を行なっている。これにより、セラミックグリーンシート積層体1’を切断する際に第1のセラミックグリーンシート1に含まれるセラミック粒子の一部が脱離して、それが第1のセラミックグリーンシート1と第2のセラミックグリーンシート2との間に混入するのを有効に抑制できる。その結果、焼成後のセラミック基板10の表面におけるキズや異物の付着要因となる不具合が発生するのを有効に抑制できる。
次に、焼成工程について図1を用いて、第2のセラミックグリーンシート2を焼成用保護シートとして用いた場合と拘束シートとして用いた場合に分けて説明する。まず、第2のセラミックグリーンシート2を非拘束焼成における焼成用保護シートとして用いる場合、焼成することにより樹脂スペーサーを含む接着用樹脂組成物3が熱分解される段階で、第1のセラミックグリーンシート1から第2のセラミックグリーンシート2が剥離し、焼成工程後は第1のセラミックグリーンシート1の焼結体(セラミック基板10)と、第2のセラミックグリーンシート2の焼結体とが分離した状態で出炉する。
一方、第2のセラミックグリーンシート2を拘束焼成における拘束シートとして用いる場合、焼成することにより接着用樹脂組成物3は熱分解された後、第1のセラミックグリーンシート1の焼結体(セラミック基板10)と、第2のセラミックグリーンシート2の焼結体とが密着した状態となる。そして、この第2のセラミックグリーンシート2を除去することにより、製品としてのセラミック基板10と成る。焼結したセラミック基板10と第2のセラミックグリーンシート2の焼結体との密着強度は、接着用樹脂組成物3または第2のセラミックグリーンシート2の材料や厚みに依存する。第2のセラミックグリーンシート2の焼結体の除去は、擦ることによって、あるいは、研磨やウォータージェット、ケミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等を用いることにより、除去することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことは何等差し支えない。例えば、本発明の接着用樹脂組成物の被着体である第2のセラミックグリーンシート2は非拘束焼成または拘束焼成の焼成用シート部材に限らず、種々の用途のセラミックグリーンシート同士の接着にも好適に使用できる。
本発明の接着用樹脂組成物とそれを用いたセラミック基板の製造方法の実施例を以下に説明する。
I.非拘束焼成法でのセラミック基板の製造
<実施例1〜7>
1.接着用樹脂組成物の準備
樹脂成分として重量平均分子量15万に統一した表1に示す樹脂成分I;100重量部に対して、表1に示す樹脂成分IIとして平均粒子径10μmの架橋樹脂ビーズ200重量部、溶剤としてトリメチルペンタンジオールモノイソブチレート230重量部、可塑剤としてポリプロピレングリコール50重量部を加え、混合することで接着用樹脂組成物を作製した。尚、樹脂成分Bとして用いた架橋樹脂ビーズの大部分は未溶解であった。
なお、表1のバインダー成分において、BMAはブチルメタクリレート、MMAはメチルメタクリレート、IBMAはイソブチルメタクリレート、LMAはラウリルメタクリレート、2EHMAは2−エチルヘキシルメタクリレート、MAAはメタクリル酸、2HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、MAはアクリル酸を示す。
2.第1のセラミックグリーンシートの準備
SiO−Al−MgO−B−ZnO系ガラス粉末60重量%,CaZrO粉末20重量%,SrTiO粉末17重量%およびAl粉末3重量%からなるガラスセラミック原料粉末100重量部に対して、有機バインダーとしてT=380℃のアクリル樹脂12重量部、フタル酸ジブチルを5重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmの第1のセラミックグリーンシートとしてのガラスセラミックグリーンシートを成形した。次に、このガラスセラミックグリーンシートに、直径が200μmのビアホールをパンチングで形成した。
次に、Cu粉末100重量部に対し、上記ガラスセラミックグリーンシートに使用したガラスセラミック原料粉末5重量部を秤量し、それに有機バインダーとしてT=385℃のアクリル樹脂を4重量部、さらに溶媒としてテルピネオールおよびフタル酸ジブチルを添加、Cu粉体およびバインダー類の凝集体がなくなるまで3本ロールミルで混練して、ビアホール導体用ペースト試料を作製した。このCuペーストを、ガラスセラミックグリーンシートの所定個所に形成されたビアホールに充填した。
さらに、Cu粉末100重量部に対し、上記ガラスセラミックグリーンシートに使用したガラスセラミック原料粉末3重量部を秤量し、それに有機バインダーとしてT=385℃のアクリル樹脂を6重量部、溶媒としてテルピネオールおよびフタル酸ジブチルを添加、Cu粉体およびバインダー類の凝集体がなくなるまで3本ロールミルで混練して、導体パターン用Cuペースト試料を作製した。得られたCuペーストを先のビアホール導体用ペーストを充填したガラスセラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法で所定の電極パターンを形成した。このときの電極パターンの印刷厚みは10〜30μmとした。
得られたガラスセラミックグリーンシート5枚にアクリル樹脂、溶剤、フタル酸エステル系の可塑剤より成る接着剤を塗布して4.9MPaの圧力で加圧し積層することにより一体化し、表層および内部に配線を有するガラスセラミックグリーンシート積層体1を作製した。
3.第2のセラミックグリーンシートの準備
Al−SiO系の無機粉末を用いて、上記第1のセラミックグリーンシートとしてのガラスセラミックグリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、次いで成形して厚さ150μmの第2のセラミックグリーンシートとしての焼成用保護シートを得た。さらに焼成用保護シートに実施例1〜7の接着用樹脂組成物をスクリーン印刷法で全面に塗布し乾燥を行なった。乾燥後の接着用樹脂組成物の膜厚は約10μmであった。
4.セラミック基板の作製
上記ガラスセラミックグリーンシート積層体の上下両面に上記焼成用保護シートを40℃、4MPaの圧力で加圧し積層することにより一体化した。さらに、得られたガラスセラミックグリーンシート積層体−焼成用保護シート複合体を、金型を用いて5×5cmに切断し、さらに刃物で面取り(C面カット)処理を実施した。
次に、ガラスセラミックグリーンシート積層体−焼成用保護シート複合体をアルミナセッターに載置し、その上に重しを載せて約0.8KPaの荷重をかけながら窒素−水素−水蒸気の混合雰囲気焼成炉内にて、所定の温度プロファイルにて脱バインダー工程を行った後、最高温度900℃にて焼成を行った。焼成工程後、焼成用保護シートと分離した形でセラミック基板を得た。
<実施例8>
実施例1〜7におけるセラミック基板の作製方法を下記手法に変更する以外は、実施例1〜7と同様にしてセラミック基板を作製した。
即ち、まず、ガラスセラミックグリーンシート積層体を金型で5×5cmに切断し、さらに刃物で面取り(C面カット)処理を実施した。得られた切断工程済のガラスセラミックグリーンシート積層体の上下両面に焼成用保護シートを40℃、4MPaの圧力で加圧し積層することにより一体化した。その後の焼成工程は実施例1〜7と同様にしてセラミック基板を作製した。
<比較例1〜2>
接着用樹脂組成物の樹脂成分を表1に示すものを使用する以外は、実施例1〜7と同様にしてセラミック基板を作製した。
II.拘束焼成法でのセラミック基板の製造
<実施例9〜15>
1.接着用樹脂組成物の準備
樹脂成分IIとして、架橋樹脂ビーズの代わりに表1の樹脂成分を用いる以外は実施例1〜7と同様にして接着用樹脂組成物を作製した。
2.第1のセラミックグリーンシートの準備
実施例1〜7で作製したものを用いた。
3.第2のセラミックグリーンシートの準備
無機成分としてAl粉末95重量%と軟化点720℃のSiO−Al−MgO−B−ZnO系ガラス粉末5重量%とを用いて、ガラスセラミックグリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、次いで成形して厚さ150μmの第2のセラミックグリーンシートとしての拘束シートを得た。さらに拘束シートに実施例9〜15の接着用樹脂組成物をスクリーン印刷法で全面に塗布し乾燥を行なった。乾燥後の接着用樹脂組成物の膜厚は約10μmであった。
4.セラミック基板の作製
ガラスセラミックグリーンシート積層体の上下両面に拘束シートを40℃、4MPaの圧力で加圧し積層することにより一体化した。さらに、得られたガラスセラミックグリーンシート積層体−拘束シート複合体を、金型を用いて5×5cmに切断し、さらに刃物で面取り(C面カット)処理を実施した。
次に、ガラスセラミックグリーンシート積層体−拘束シート複合体をアルミナセッターに載置し、その上に重しを載せて約0.8KPaの荷重をかけながら窒素−水素−水蒸気の混合雰囲気焼成炉内にて、所定の温度プロファイルにて脱バインダー工程を行った後、最高温度900℃にて焼成を行った。焼成工程後、セラミック基板の両面に拘束シートが付着していた。セラミック基板の表面に付着した拘束シートは、擦り取ることにより大部分は除去できたが、セラミック基板の表面に薄く残留していた。この残留した拘束シートを、球状Al微粉末と水との混合物を高圧の空気圧で投射するウェットブラスト法により除去し、セラミック基板を得た。
<実施例16>
実施例9〜15におけるセラミック基板の作製方法を下記手法に変更する以外は、実施例9〜15と同様にしてセラミック基板を作製した。
即ち、まず、ガラスセラミックグリーンシート積層体を金型で5×5cmに切断し、さらに刃物で面取り(C面カット)処理を実施した。得られた切断工程済のガラスセラミックグリーンシート積層体の上下両面に拘束シートを40℃、4MPaの圧力で加圧し積層することにより一体化した。その後の焼成工程は実施例9〜15と同様にしてセラミック基板を作製した。
<比較例3〜4>
接着用樹脂組成物の樹脂成分を表1に示すものを使用する以外は、実施例9〜15と同様にしてセラミック基板を作製した。
表1に実施例1〜16および比較例1〜4で使用した接着用樹脂組成物の各樹脂成分を示す。表1の総合評価において、◎は非常に良好、○は良好、×は良好でないことを示す。また、下記に示す方法(熱重量示差熱分析)で測定した熱分解残渣率結果を示す。
さらに、作製したセラミック基板の外観検査(N=1000)を実施した結果を示す。尚、各不良モードの判断は以下の通り行った。まず、焼成過程において生じたと考えられる、導体パターンの凹み,カケ,表面荒れ等の変形不良、または導体パターン中の金属等の導体成分が周囲に拡散されている不良を、導体不良としてカウントした。表1では、このような導体不良のあるものは総合評価を×とした。
さらに、焼結したセラミック基板のセラミック部分または導体パターンの表面に、セラミック粒子の脱離屑やその他コンタミ起因と考えられる異物が付着している不良を異物付着不良としてカウントした。
更には、焼結したセラミック基板のセラミック部分の表面に対して、異物等の付着は無いが、異物が原因と考えられる凹み、カケ等の変形不良、および焼成過程で有機物が急激に熱分解したと見られる表面荒れをシート不良としてカウントした。
熱重量示差熱分析
樹脂等の有機成分の熱重量示差熱分析は、N雰囲気中、昇温速度10℃/分で500℃まで熱重量示差熱分析(TG/DTA)を差動型高温熱天秤(理学電機(株)製「TG8120」)で行った。また、500℃での熱分解残渣率は、次式:100×(500℃での残渣重量)/(測定前試料重量)で算出した。
Figure 2009155379
表1に示したように、実施例1〜16に示すとおり、本発明の接着用樹脂組成物を用いて作製したセラミック基板では、非拘束焼成法もしくは拘束焼成法に関わらず、全て導体不良がなく良好な品質であった。特にT≦TかつT≦Tを満たす実施例1〜6,9〜14は異物付着不良もシート不良もなく、非常に良好であった。
なお、実施例8,16は本発明の接着用樹脂組成物を用いており、T≦TかつT≦Tをも満たしているが、実施例1〜7,9〜15の製造方法とは異なる順序で製造を実施した。即ち、予めガラスセラミックグリーンシートの表面に導体パターンを設けてなるガラスセラミックグリーンシート積層体を準備し、その後、所望とする形状やサイズにする為、刃物や金型等で各種切断工程と面取り加工を施した後に、焼成用保護シートもしくは拘束シートと、荷重体とを、下方から順に載置して焼成した。そのため、ガラスセラミックグリーンシート積層体を刃物や金型等で切断する際にガラスセラミックグリーンシートに含まれるセラミック粒子の一部が脱離し、それが製品であるセラミック基板となるガラスセラミックグリーンシートと、焼成用保護シートもしくは拘束グリーンシートとの間に混入したか、もしくは、焼成工程前に焼成用保護シートもしくは拘束グリーンシートを載置する際に、ガラスセラミックグリーンシートと、焼成用保護シートもしくは拘束グリーンシートとの間にコンタミ等の異物が混入したため、焼成後のセラミック基板の表面にキズや異物の付着が見られた。しかし、接着用樹脂組成物の熱分解に起因するような、導体不良やシート不良は見られなかった。
本発明のセラミック基板の製造方法の一例における各工程を示す断面図である。 図1のセラミック基板の製造方法の概略説明を示す工程図である。 本発明のセラミック基板の製造方法の他の例における中間体を示す断面図である。
符号の説明
1:第1のセラミックグリーンシート
2:第2のセラミックグリーンシート
3:接着用樹脂組成物
4:導電ペースト
4’:配線導体
10:セラミック基板

Claims (11)

  1. 表面にパターン状の導電ペーストを被着して成る第1のセラミックグリーンシートの前記表面に第2のセラミックグリーンシートを接着するための接着用樹脂組成物であって、熱分解性が異なる少なくとも2種の樹脂成分を含み、該樹脂成分の内、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たすことを特徴とした接着用樹脂組成物。
  2. 前記導電ペーストに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃、前記第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃としたときに、80%重量減少温度(T℃)がT≦TかつT≦Tを満たすことを特徴とする請求項1記載の接着用樹脂組成物。
  3. 樹脂スペーサーをさらに含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の接着用樹脂組成物。
  4. 雰囲気中、500℃において構成する有機成分の99重量%以上が熱分解することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の接着用樹脂組成物。
  5. 前記第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度は前記第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の接着用樹脂組成物。
  6. 表面にパターン状の導電ペーストを被着して成る第1のセラミックグリーンシートの前記表面に接着用樹脂組成物を介して第2のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成する積層工程と、該積層体を焼成する焼成工程とを具備するセラミック基板の製造方法であって、前記接着用樹脂組成物は、熱分解性が異なる少なくとも2種の樹脂成分を含み、該樹脂成分の内、最も低温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃、最も高温側で熱分解する樹脂成分の20%重量減少温度をT℃としたときに、(T+30)≦Tを満たすことを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  7. 前記接着用樹脂組成物の80%重量減少温度をT℃、前記導電ペーストに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃、前記第1のセラミックグリーンシートに含まれる樹脂バインダーの20%重量減少温度をT℃としたときに、T≦TかつT≦Tを満たすことを特徴とする請求項6記載のセラミック基板の製造方法。
  8. 前記接着用樹脂組成物は樹脂スペーサーをさらに含むことを特徴とする請求項6または請求項7記載のセラミック基板の製造方法。
  9. 前記接着用樹脂組成物は、N雰囲気中、500℃において構成する有機成分の99重量%以上が熱分解することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  10. 前記第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度は前記第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも高く、前記焼成工程における焼成温度が前記第1のセラミックグリーンシートの焼結開始温度以上であるとともに前記第2のセラミックグリーンシートの焼結開始温度よりも低いことを特徴とする請求項6乃至請求項9のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
  11. 前記積層工程と前記焼成工程との間に、前記積層体を複数個に切断する切断工程を具備することを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれかに記載のセラミック基板の製造方法。
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