JP2005272163A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デラミネーションがなく、高い信頼性と高い寸法精度を有する電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】 支持体1上に第1のセラミックスラリー2を塗布し、塗布された前記第1のセラミックスラリー2上に第2のセラミックスラリー3を塗布してセラミックグリーンシート4を形成する工程と、前記セラミックグリーンシート4上に導体層5を形成する工程と、前記導体層5が形成された前記セラミックグリーンシート4を複数枚積層して加熱することによってセラミックグリーンシート積層体6を作製する工程と、前記セラミックグリーンシート積層体6を焼成する工程とを具備しており、前記第1のセラミックスラリー2の溶解度パラメータと前記第2のセラミックスラリー3の溶解度パラメータとの差が2以上である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層コンデンサや積層セラミック配線基板等のような電子部品の製造方法に関するものである。
近年、電子機器の小型化に伴い、積層コンデンサや積層セラミック配線基板のような電子部品において、小型化および高性能化が望まれている。例えば、積層コンデンサにおいては小型化および高容量化のためにより薄い誘電体層および導体層を多層化したものが求められている。また、積層セラミック配線基板においては小型化および配線導体の高密度化のために、より薄い絶縁層および配線導体層を多層に形成し、配線導体層の幅および間隔もより微細なものが求められている。
このような電子部品は、セラミック粉末に有機バインダー、可塑剤、溶剤等を加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を成形した後、金属粉末を含有する導体ペーストを印刷するなどしてグリーンシート上に導体層を形成し、ついで複数枚の導体層が形成されたグリーンシートを積層して加圧することにより圧着して積層体を得て、この積層体を焼成することで得られる。
電子部品に対する要求に対応して導体層が形成されたグリーンシートを多数積層すると、導体層が形成された領域が重なる部分とそうでないない部分ではその厚み差が大きくなる。このため積層されたグリーンシートを厚み方向に加圧した場合、導体層が形成された領域が重なる部分においては加圧力が十分に加わるものの、そうでない部分においては加圧力が十分に加わりにくくなるので、不十分な圧着となってしまいやすい。その結果、そのような積層体を焼成すると、圧着が不十分な部分でデラミネーション(層間剥離)が発生するという問題があった。
このようなデラミネーションが電子部品の内部に存在すると、容量値の変化や絶縁破壊が起りやすくなるので電気的な特性が確保できないという問題があった。
この問題に対して、特許文献1では、加圧された際の流動性が高い高流動性部分を有する積層体を用いることが提案されている。積層体を厚み方向に加圧した際に、内部電極が積層されている領域に存在する高流動性部分が残りの部分に移動して残りの部分の厚みが増大しようとすることにより、加圧力が全体に均一に加わることとなるので、デラネーションが生じ難くなるものである。
また、グリーンシート上に形成された導体層の上に別のグリーンシートを積層する場合、この導体層の断面形状にグリーンシートが追従し難いために導体層の周辺に空隙が発生し、この空隙を起因とするデラミネーションが発生しやすいという問題があった。
この問題に対しては、特許文献2では、グリーンシートの少なくとも片面にセラミック粉に対して78体積%以上のバインダーを含むセラミック層を設け、この上面に内部導体層を形成することが提案されている。多くのバインダーを含むセラミック層は、バインダーが十分流動し、焼成時のデラミネーションが解消されるものである。
このように、積層体中に高流動性層を形成したり、通常のグリーンシート上に高流動性層が形成されたグリーンシートを積層することにより、デラミネーションの発生を解消していた。
特許第3344100号公報 特開昭61−229551号公報
しかしながら、従来の高流動性層の形成方法は、バインダー量や可塑剤量を増加させた高流動性のグリーンシートを通常のグリーンシート上に積層する方法(方法A)、乾燥後に高流動性のセラミック層となるようなスラリーを通常のグリーンシート上に塗布乾燥して形成する方法(方法B)であったので、次のような問題点があった。
方法Aでは、通常のグリーンシートのみを用いる場合に対して、高流動性のグリーンシートを成型する工程、高流動性のグリーンシートを穴あけする工程、高流動性のグリーンシートを積層する工程が加わることとなるので、工程数、積層数の増加による、工期の長期化、コストアップ、歩留まり低下、層間の導体接続信頼性の低下といった問題があった。また、高流動性のグリーンシートは厚みが薄く、バインダーや可塑剤を多く含むことから粘着性が高く、変形しやすいものであるので、ハンドリングが容易ではなく、積層時に空気を巻き込んでも抜けにくく、デラミネーションの原因になりやすいという問題があった。
方法Bでは、積層数の増加はないものの、通常のグリーンシートを成型した後にその上に乾燥後に高流動性のセラミック層となるようなスラリーを塗布乾燥する工程を追加することとなるので、上記と同様な工期の長期化、コストアップ、歩留まり低下といった問題があった。また、スラリー中の溶剤を十分検討しなければ、スラリー中の溶剤により下の通常のグリーンシートが溶解してしまったり、高流動性層と下のグリーンシートとの密着が不十分となり、剥離や空隙を発生させてしまうという問題があった。
また、従来の高流動性部分を有する積層体を用いる方法においては、高流動性部分を移動させてデラミネーションが発生しないような圧着を行なうためには、例えば厚み方向に180MPaという高い圧力を加える必要がある。このような高い圧力を導体層が形成されたグリーンシートに加えると、グリーンシートや導体パターンの形状が変形してしまうこととなる。その結果、基板の所望の寸法精度が得られないために基板上への部品実装が困難となったり、設計通りの導体パターンの形状が得られないために、特に高周波用配線基板等ではインピーダンス整合等の電気的特性が得られなくなるという問題があった。さらに、配線導体層の間隔が微細な場合の配線導体層間に発生する空隙の問題は解決されないままであった。
また、グリーンシートの少なくとも片面にセラミック粉に対して78体積%以上のバインダーを含むセラミック層を設ける方法においても、2MPaという圧力により圧着しているので、上記のようなグリーンシートや導体パターンの形状の変形という問題があった。特に、キャビティを有するパッケージでキャビティ底部の厚みが薄い場合は、キャビティ底部が変形しやすいものであった。また、30℃程度の温度で圧着するものであるので、78体積%以上のバインダーを含むセラミック層は常温で粘着性の高いものであるため、ハンドリングが容易ではなく、そのために積層時に空気を巻き込みやすいのでデラミネーションが発生してしまう場合があった。
さらには、キャビティを有するような電子部品を製造する場合、キャビティとなる貫通穴を形成したグリーンシートとキャビティの底部となる貫通穴が形成されていないグリーンシートとを積層して圧着すると、グリーンシート積層体のキャビティ底部が反るという問題があった。これは、圧着するための加圧によりキャビティの周囲だけに圧力が加わり、キャビティ周囲のリーンシートが加圧により伸びるのに対して、キャビティ底部には圧力が加わらないのでキャビティ底部のグリーンシートは周囲から押されることによる。これは、電子部品がより小型でキャビティ底部の厚みがより薄い場合により発生しやすいものであった。キャビティ底部が反ると、水晶振動子やICチップ等の電子素子を搭載することが困難となる。搭載できても搭載された部品が傾くので、CCDやC−MOS等の光半導体素子を搭載した場合、受光精度が悪くなるという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、デラミネーションがなく、高い信頼性と高い寸法精度を有する電子部品の製造方法を提供することである。
本発明の電子部品の製造方法は、支持体上に第1のセラミックスラリーを塗布し、塗布された前記第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを形成する工程と、前記セラミックグリーンシート上に導体層を形成する工程と、前記導体層が形成された前記セラミックグリーンシートを複数枚積層して加熱することによってセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、前記セラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備しており、前記第1のセラミックスラリーの溶解度パラメータと前記第2のセラミックスラリーの溶解度パラメータとの差が2以上であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、前記第1のセラミックスラリーは、前記セラミックグリーンシート積層体を作製する際の加熱時に溶融状態となる溶融成分を含有していることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは前記溶融成分の融点が35℃乃至100℃であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの添加量がセラミック粉末100質量部に対して19乃至40質量部であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの分子量が8万乃至30万であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの酸価が0.1乃至0.8KOHmg/gであることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの添加量がセラミック粉末100質量部に対して10乃至20質量部であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの分子量が5万乃至80万であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの酸価が0.1乃至5.0KOHmg/gであることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至−12℃であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの水酸基価が0.1乃至5KOHmg/gであることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは前記第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至20℃であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品の製造方法は、好ましくは前記第2のセラミックスラリーに含まれるバインダーの水酸基価が5乃至100KOHmg/gであることを特徴とする。
本発明の電子部品の製造方法によれば、支持体上に第1のセラミックスラリーを塗布し、塗布された第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを形成することから、高流動性層と通常のセラミックグリーンシート層のような関係にある第1のセラミックグリーンシート層と第2のセラミックグリーンシート層を同時に成形することができるので、工程数、積層数の増加による、工期の長期化、コストアップ、歩留まり低下、層間の導体接続信頼性の低下、といった問題を発生させることなく高流動性層を形成することが可能となり、高流動性層の積層工程がないので高流動性層の積層時の空気の巻き込みがなく、デラミネーションのない高信頼性の電子部品を得ることが可能となる。
また、第1のセラミックスラリーの溶解度パラメータと第2のセラミックスラリーの溶解度パラメータとを2以上離すことによって、支持体に第1のセラミックスラリーを塗布し、塗布された第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗布した際、第1と第2のセラミックスラリーが互いに溶解することを抑制するので、第一のセラミックスラリーから形成される第1のセラミックグリーンシート層と、第2のセラミックスラリーから形成される第2のセラミックグリーンシート層が混合、同一化してしまうことを防ぐことができる。
また、本発明の電子部品の製造方法によれば、第1のセラミックスラリーはセラミックグリーンシート積層体を作製する際の加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、セラミックグリーンシートは溶融成分を含有する第1のセラミックグリーンシート層と溶融成分を含有しない第2のセラミックグリーンシート層とから成るものとなり、導体層が形成されたセラミックグリーンシートを積層して加熱した際に第1のセラミックグリーンシート層が軟化するので、第1のセラミックグリーンシート層はその下に位置するセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層およびその上に形成された導体パターンの形状に追従して変形することとなる。その結果、導体層周囲や導体層間に空隙が発生することなくセラミックグリーンシート同士が密着することとなり、セラミックグリーンシート積層体を焼成して得られる電子部品はデラミネーションの発生のないものとなる。
また、第1のセラミックグリーンシート層は、加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、加熱のみで第1のセラミックグリーンシート層が軟化して接着性を有するものとなるので、大きな加圧力によりセラミックグリーンシートを圧着させる必要がない。そして、導体パターンの形成される第2のセラミックグリーンシート層は加熱時に溶融する溶融成分を含有しないことから、第2のセラミックグリーンシート層は加熱時に変形することはなく、積層したセラミックグリーンシートが位置ずれしないように、また、軟化した第1のセラミックグリーンシート層を第2のセラミックグリーンシート層およびその上に形成された導体パターンの形状に追従して変形するのを補助するために押さえる程度では変形しないものである。よって、セラミックグリーンシートおよびその上に形成された導体パターン形状が変形することがなく、得られるセラミックグリーンシート積層体およびそれを焼成して得られる電子部品は高い寸法精度を有するものとなる。
さらに、加熱時に溶融する溶融成分の融点が35℃乃至100℃であるものを用いた場合は、常温では第1のセラミックグリーンシート層が軟化して変形することはないので、積層工程までのハンドリングが容易となり、加熱時にセラミックグリーンシート中のバインダーや可塑剤等の有機成分が分解することがないので、分解ガスによりデラミネーションが発生してしまうことがなく、より好ましいものとなる。
また、第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの添加量がセラミック粉末100質量部に対して19乃至40質量部であることによって、第1のセラミックグリーンシート層は、その下に位置する第2のセラミックグリーンシート層およびその上に形成された導体パターンの形状に追従して変形し、また焼成時の有機バインダーの分解ガスによる磁器上の泡状突起(ブク)やピンホールが発生することなくなり、より好ましいものとなる。
また、第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの分子量が8万乃至30万であることによって、第1のセラミックグリーンシート層の保形性を維持し、第1のセラミックグリーンシート層に含有される溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散し、セラミックグリーンシートを加熱して第1のセラミックグリーンシート層の溶融成分が十分な量を維持でき、加圧によるセラミックグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できるため、より好ましいものとなる。
また、第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの酸価が0.1乃至0.8KOHmg/gであることによって、第1のセラミックグリーンシート層に含有する溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散し、セラミックグリーンシートを加熱して第1のセラミックグリーンシート層の溶融成分が十分な量を維持でき、加圧によるセラミックグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できるため、より好ましいものとなる。
また、第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの添加量がセラミック粉末100質量部に対して10乃至20質量部であることによって、グリーンシート成形時に、セラミックスラリーの密度の差に起因する、第1のセラミックスラリーから第2のセラミックスラリーへの溶融成分の拡散量を減少させ、かつ第2のセラミックスラリーの溶剤成分による、溶融成分の拡散量を減少させることができ、より好ましいものとなる。
また、第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの分子量が5万乃至80万であることによって、セラミックグリーンシート加工時の、第2のセラミックグリーンシートの生変形による寸法ばらつきを抑え、かつ原料成分の不均一な分散による第2のセラミックグリーンシート内のピンホール等の外観不良の発生を抑えることができ、好ましいものとなる。
また、第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの酸価が0.1乃至5.0KOHmg/gであることによって、セラミックグリーンシートを加熱したときに、原料と有機バインダーの結合不足に起因する、第1のセラミックグリーンシートから第2のセラミックグリーンシートへの溶融成分の拡散を減少させ、かつ無機原料同士の凝集による第2のセラミックグリーンシート内のピンホール等の外観不良の発生を防ぐことができ、より好ましいものとなる。
また、第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至−12℃であることによって、加熱時の溶融成分の溶融による第1のセラミックグリーンシート層の軟化しやくなり第1のセラミックグリーンシート層を第2のセラミックグリーンシート層およびその上に形成された導体パターンの形状に良好に追従させることでき、より好ましいものとなる。
また、第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの水酸基価が0.1乃至5KOHmg/gであることによって、第1のセラミックグリーンシート層に含有される溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散され、セラミックグリーンシートを加熱した際に第1のセラミックグリーンシート層の溶融成分が十分な量を維持でき、加圧によるグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できるため、より好ましいものとなる。
また、第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至20℃であることによって、有機バインダーの硬い性質が強く現われるために第2のセラミックグリーンシート層が強固となり、加熱時に第1のセラミックグリーンシート層が軟化して第2のセラミックグリーンシート層およびその上に形成された導体パターンの形状に追従するのに伴う微小な寸法変形が発生しても第2のセラミックグリーンシート層によって抑制することができるため、より好ましいものとなる。
また、第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの水酸基価が5乃至100KOHmg/gであることによって、水酸基のもつ電荷が無機粉末表面に存在する電荷との引き寄せ合いによりセラミックスラリー中に溶媒和が形成され、そのことでセラミックグリーンシートが均一な状態で成形されるので第2のセラミックグリーンシート層に含有する無機粉末および有機バインダーが均一に分散され、加熱時の第1のセラミックグリーンシート層の溶融成分が第2のセラミックグリーンシート層およびその上に形成された導体パターンの形状に追従するのに伴う微小な寸法変形を抑制することができるため、より好ましいものとなる。
また、キャビティを有する電子部品を製造する場合、大きな加圧力によりセラミックグリーンシートを圧着させる必要がないので、キャビティ周囲部とキャビティ底部との加圧によるグリーンシートの伸びの違いによるキャビティ底部の反りの発生を抑えることが可能となり、キャビティ底部に電子素子を精度よく確実に搭載することが可能な電子部品を得ることができる。
このように、本発明の製造方法によれば、セラミックグリーンシート層間に空隙を発生させることがなく、セラミックグリーンシートや導体層の変形を抑えたセラミックグリーンシート積層体を得ることが可能となり、本発明の製造方法により作製された電子部品はデラミネーションがなく、高い寸法精度を有する電子部品となる。
本発明の電子部品の製造方法について以下に詳細に説明する。
図1は本発明の電子部品の製造方法の実施の形態の一例を示す工程毎の断面図であり、1は支持体、2は第1のセラミックスラリー、3は第2のセラミックスラリー、4はセラミックグリーンシート、5は導体層、6はセラミックグリーンシート積層体である。
まず図1(a)に示すように、支持体1上に第1のセラミックスラリー2を塗布し、ついで図1(b)に示すように、塗布された第1のセラミックスラリー2上に第2のセラミックスラリー3を塗布して乾燥することにより、第1のセラミックグリーンシート層2’の上に第2のセラミックグリーンシート層3’が形成されたセラミックグリーンシート4を形成する。このとき第1のセラミックスラリー2の溶解度パラメータと第2のセラミックスラリー3の溶解度パラメータとの差が2以上であることが重要である。
支持体1上に第1のセラミックスラリー2を塗布し、塗布された第1のセラミックスラリー2上に第2のセラミックスラリー3を塗布してセラミックグリーンシート4を形成することから、高流動性層と通常のセラミックグリーンシート層のような第1のセラミックグリーンシート層2’と第2のセラミックグリーンシート層3’を同時に成形することができるので、工程数、積層数の増加による、工期の長期化、コストアップ、歩留まり低下、層間の導体接続信頼性の低下、といった問題を発生させることなく高流動性層を形成することが可能となる。その結果、高流動性層の積層工程がないので高流動性層の積層時の空気の巻き込みがなく、デラミネーションのない高信頼性の電子部品を得ることが可能となる。
また、第1のセラミックスラリー2の溶解度パラメータと第2のセラミックスラリー3の溶解度パラメータとを2以上離すことによって、支持体1に第1のセラミックスラリー2を塗布し、塗布された第1のセラミックスラリー2上に第2のセラミックスラリー3を塗布した際、第1と第2のセラミックスラリー2,3が互いに溶解することを抑制するので、第1のセラミックグリーンシート層2’と第2のセラミックグリーンシート層3’が混合、同一化してしまうことを防ぐことができる。
ここで、溶解度パラメータ(Solubility Parameter)とは、有機成分の性質が似通ったものは相溶けやすいという性質をもとに数値化したものであり、SP値とも呼ばれるものである。溶解度パラメータの値が近いもの同士は溶解しやすいことを示すものであるので、有機成分の溶解力を示す指標として用いられる。
本発明のセラミックスラリーの溶解度パラメータは、セラミックスラリー中の各有機成分の溶解度パラメータと各有機成分の体積分率から算出した。例えば、セラミックスラリー中に2つの有機成分が含まれ、それぞれの溶解度パラメータが5および7で、体積分率がそれぞれ70%および30%である場合のセラミックスラリーの溶解度パラメータは5×0.7+7×0.3=5.6とした。なお、本発明の有機成分の溶解度パラメータは、講談社出版「溶剤ハンドブック」(浅原昭三ほか編、1976年初版)による溶解度パラメータのデータを使用した。
本発明における第1のセラミックスラリー2および第2のセラミックスラリー3は、セラミック粉末、有機バインダー、溶剤等を混合したものが用いられ、セラミック粉末の分散性やセラミックグリーンシート4の硬度や強度を調整するために分散剤や可塑剤を添加してしてもよい。第1のセラミックグリーンシート層2’を従来のような高流動層とする場合は、第1のセラミックスラリー2は第2のセラミックスラリー3より有機バインダーまたは可塑剤の量を多く含有させればよい。また、第1のセラミックスラリー2は、後述するセラミックグリーンシート積層体6を作製する工程において加熱時に溶融状態となる溶融成分を含有していることが好ましい。これら、有機バインダー、溶剤、可塑剤および溶融成分が上述した溶解度パラメータを算出するときの各有機成分である。
セラミック粉末としては、例えばセラミック配線基板であれば、Al,AlN,ガラスセラミック粉末(ガラス粉末とフィラー粉末との混合物)等が挙げられ、積層コンデンサであればBaTiO系,PbTiO系等の複合ペロブスカイト系セラミック粉末が挙げられ、電子部品に要求される特性に合わせて適宜選択される。
ガラスセラミック粉末のガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(ただし、MはLi、NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(ただし、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
有機バインダーとしては、従来よりセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系バインダーがより好ましい。
溶剤としては、上記のセラミック粉末と有機バインダーとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、トルエン,ケトン類,アルコール類の有機溶媒や水等が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトン,イソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤はスラリー塗布後の乾燥工程が短時間で実施できるので好ましい。
第1のセラミックスラリー2に含有される溶融成分は、セラミックグリーンシート積層体6を作製する際の加熱時に溶融状態となるものであり、炭化水素,脂肪酸,エステル,脂肪アルコール,多価アルコール等が挙げられる。スラリーを調整する際の溶媒への溶解性を考慮すると、分子量が小さくかつ極性を有する炭化水素,エステル,脂肪アルコール,多価アルコールが好ましい。さらに、上述したアクリルバインダーとの相溶性を考慮すると、エステル,脂肪アルコール,多価アルコールがより好ましい。
溶融成分は上記のものの中でも、その融点が35乃至100℃であるものが好ましい。これは、この範囲の融点のものを用いると、常温では第1のセラミックグリーンシート層2’が軟化して変形することはないので、積層工程までのハンドリングが容易となり、セラミックグリーンシート積層体6を作製する工程における加熱時にセラミックグリーンシート4中のバインダーや可塑剤等の有機成分が分解することがないので、分解ガスによりデラミネーションが発生してしまうことがないからである。融点が35乃至100℃である溶融成分としては具体的には、ヘキサデカノール,ポリエチレングリコール,ポリグリセロール,ステアリルアミド,オレイルアミド,エチレングリコールモノステアレート,パラフィン,ステアリン酸,シリコーン等が挙げられる。
第1のセラミックスラリー2に含まれる溶融成分の含有量は、使用するバインダー成分およびその量や、使用する溶融成分により異なるが、溶融成分が溶融した状態で第1のセラミックグリーンシート層2’が軟化し、その下に位置するセラミックグリーンシート4の第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体層5の形状に追従して変形するような量であればよい。
また、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの添加量が19乃至40質量部であることが好ましい。ここでいう添加量とはセラミック粉末100質量部に対する第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの質量部である。すなわち、セラミック粉末100質量部に対する有機バインダーの質量部である。この範囲内の厚みであればセラミックグリーンシート積層体6を作製する工程において、その上に形成された導体パターンの形状に追従して変形し、かつその下に位置するセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層3’に対して十分な剥離強度を有しかつ焼成時の有機バインダーの分解ガスによるブクやピンホールの発生を抑制できる。
さらに、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの分子量は8万乃至30万であることが好ましい。第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの分子量が8万よりも低いと、バインダーの流動性が過剰となり、第1のセラミックグリーンシート層2’の保形性が得られない。また、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの分子量が30万を超えると、第1のセラミックグリーンシート層2’に含有される溶融成分が均一に分散されず、セラミックグリーンシート4を加熱して第1のセラミックグリーンシート層2’の溶融成分が十分な量を維持できず、加圧によるグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できない。
次に、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの酸価は0.1乃至0.8KOHmg/gであることが好ましい。
第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの酸価が0.1KOHmg/gよりも低いと、無機粉末とバインダーの結合性が弱くなり、第1のセラミックグリーンシート層2’の内部に無機粉末とバインダーが不均一な状態で存在する。そのため、第1のセラミックグリーンシート層2’に含有する溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散されず、セラミックグリーンシート4を加熱して第1のセラミックグリーンシート層2’の溶融成分が十分な量を維持できず、加圧によるグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できない。
また、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの酸価が0.8KOHmg/gを超えると、無機粉末とバインダーの結合性が過剰に強くなり、第1のセラミックグリーンシート層2’に含有する溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散されず、セラミックグリーンシート4を加熱して第1のセラミックグリーンシート層2’の溶融成分が十分な量を維持できず、加圧によるグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できない。
また、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至−12℃であることが好ましい。ガラス転移点が−20℃より低いと、常温下で有機バインダーの軟らかい性質が強く現われるために、グリーンシート層同士が互いの表面凹凸に容易にくい込み、グリーンシート同士の付着が発生する。ガラス転移点が−12℃より高いと、加熱時の溶融成分の溶融によるグリーンシートの軟化が不十分となり、第1のセラミックグリーンシート層2’を第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体パターン5の形状に良好に追従させることが難しくなる。
また、第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの水酸基価は0.1乃至5KOHmg/gであることが好ましい。第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの水酸基価が0.1KOHmg/gよりも低いと、無機粉末とバインダーの結合性が弱くなり、第1のセラミックグリーンシート層2’の内部に無機粉末とバインダーが不均一な状態で存在する。そのため、第1のセラミックグリーンシート層2’に含有される溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散されず、セラミックグリーンシート4を加熱した際に第1のセラミックグリーンシート層2の溶融成分が十分な量を維持できず、加圧によるグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できない。第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの水酸基価が5KOHmg/gを超えると、無機粉末と有機バインダーの結合性が過剰に強くなり、第1のセラミックグリーンシート層2’に含有される溶融成分が加熱により溶融した際に均一に分散されず、セラミックグリーンシート4を加熱した際に第1のセラミックグリーンシート層2’の溶融成分が十分な量を維持できず、加圧によるグリーンシートへの歪みが無いほどの低い加圧力で圧着できない。
また、第2のセラミックスラリー3に含まれる有機バインダーの添加量が10乃至20質量部であることが好ましい。ここでいう添加量とはセラミック粉末100質量部に対する第1のセラミックスラリー2に含まれる有機バインダーの質量部である。すなわち、セラミック粉末100質量部に対する有機バインダーの質量部である。添加量が10質量部未満であれば、第2のセラミックスラリー3より成るセラミックグリーンシート3’の密度が低く、第1のセラミックグリーンシート層3’内の溶融成分が拡散しやすくなる。20質量部より多ければ、第2のセラミックグリーンシート層3’の溶剤成分量が多くなることにより、セラミックグリーンシート成形時の乾燥時間が長くなるため、同様に溶融成分が拡散しやすくなる。従って、第1のセラミックグリーンシート層2’は、積層する際に第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体パターンの形状に追従して変形するために必要な溶融成分量を保持できず、セラミック層間のデラミネーションが発生する。
さらに、第2のセラミックスラリー3に含まれる有機バインダーの分子量は5万乃至80万であることが好ましい。この分子量が5万よりも低いと、生加工の際に第2のセラミックグリーンシート層3’が変形するため、寸法ばらつきが大きくなる。また、分子量が80万を超えると、有機バインダーとの結合力によりグリーンシートに含有される原料成分が均一に分散されないため、第2のセラミックグリーンシート層3’内にピンホール等の外観不良が発生し、製品での絶縁不良の要因となる。
次に、第2のセラミックスラリー3に加える有機バインダーの酸価は0.1乃至5.0KOHmg/gが好ましい。この酸価が0.1KOHmg/gよりも低いと、無機粉末と有機バインダーの結合性が弱くなり、生加工の際に第2のセラミックグリーンシート層3’が変形するため、寸法ばらつきが大きくなる。また、上記の酸価が5.0KOHmg/gを超えると、無機粉末と有機バインダーの結合性が過剰に強くなることにより、無機原料同士の結合による凝集が発生し、第2のセラミックグリーンシート層3’内にピンホール等の外観不良が発生し、製品での絶縁不良の要因となる。
また、第2のセラミックスラリー3に含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至20℃であることが好ましい。この場合、有機バインダーの硬い性質が強く現われるために第2のセラミックグリーンシート層3’が強固となり、加熱時に第1のセラミックグリーンシート層2’の溶融成分が第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体パターンの形状へ追従するのに伴う微小な寸法変形を抑制することができるため、より好ましいものとなる。上記ガラス転移点が−20℃より低いと、常温下で有機バインダーの軟らかい性質が強く現われるために、グリーンシート層同士が互いの表面凹凸に容易にくい込みグリーンシート同士の付着が発生する。上記ガラス転移点が20℃より高いと、グリーンシートの保形性が不十分となり取り扱う際に割れや欠けを生じやすくなる。
また、第2のセラミックスラリー3に含まれる有機バインダーの水酸基価は5乃至100KOHmg/gであることが好ましい。上記水酸基価が5KOHmg/gよりも低いと、無機粉末と有機バインダーの結合性が弱くなり、第2のセラミックグリーンシート層2’の内部に無機粉末とバインダーが不均一な状態で存在する。そのため、第2のセラミックグリーンシート層3’の粗な部分が加圧時に変形しやすく寸法変形を抑えることが難しくなる。上記水酸基価が100KOHmg/gを超えると、有機バインダーの結合性が過剰に強くなり、無機粉末と結合せずに有機バインダー同士で結合してしまう。そのため、第2のセラミックグリーンシート層3’内部に無機粉末と有機バインダーが不均一な状態で存在し、第2のセラミックグリーンシート層3’の粗な部分が加圧時に変形しやすく寸法変形を抑えることが難しくなる。
PETフィルム等の支持体1上に第1のセラミックスラリー2を塗布し、塗布された第1のセラミックスラリー2上に第2のセラミックスラリー3を塗布してセラミックグリーンシート4を形成する方法としては、ドクターブレード法,リップコーター法,ダイコーター法等が挙げられる。第1のセラミックスラリー2上に第2のセラミックスラリー3を塗布する方法としては、特にダイコーター法やスロットコーター法、カーテンコーター法等の押し出し式の方法を用いると、これらは非接触式の塗布方法なので、第1のセラミックスラリー2と第2のセラミックスラリー3とを物理的な力で混合させてしまうことなくセラミックグリーンシート4を形成することができるのでよい。
第1のセラミックグリーンシート層2’の厚さは、導体層5とセラミックグリーンシート4との段差を埋めるために、導体層5の厚みより厚くなるように形成される。
キャビティを有する電子部品を製造する場合、次の積層体を作製する工程より前に、キャビティ形状の貫通穴を金型による打ち抜き等によりセラミックグリーンシート4の一部に形成しておく。貫通穴の形成は、キャビティの内壁面への導体層5の形成の有無や形成方法に応じて、導体層5を形成する前でもよいし、形成した後でもよい。
次に図1(c)に示すように、セラミックグリーンシート4上に導体層5を形成する。セラミックグリーンシート4上に導体層5を形成する方法としては、例えば導体材料粉末をペースト化したものをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷したり、めっき法や蒸着法等により所定パターン形状の金属膜を形成するようなセラミックグリーンシート4上に直接形成する方法、あるいは印刷により所定パターン形状に形成した導体厚膜や所定パターン形状に加工した金属箔、めっき法や蒸着法等により形成した所定パターン形状の金属膜をセラミックグリーンシート4上に転写する方法がある。導体材料としては、例えばW,Mo,Mn,Au,Ag,Cu,Pd(パラジウム),Pt(白金)等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態であってもよい。
導体層5はセラミックグリーンシート4の第2のセラミックグリーンシート層3’上に形成するのが好ましい。これは、第2のセラミックグリーンシート層3’は加熱時に溶融する溶融成分を含有しないことから、第2のセラミックグリーンシート層3’は加熱時に変形することはないので、その上に導体層5を形成することにより導体層5を変形させないようにするためである。
なお、導体層5を形成する前に必要に応じて上下の層間の導体層5同士を接続するためのビアホール導体やスルーホール導体等の貫通導体を形成してもよい。これら貫通導体は、パンチング加工やレーザ加工等によりセラミックグリーンシート4に形成した貫通孔に、導体材料粉末をペースト化したもの(導体ペースト)を印刷やプレス充填により埋め込む等の手段によって形成される。
次に図1(d)に示すように、位置合わせして積み重ねたセラミックグリーンシート4を、加熱および加圧して圧着することでセラミックグリーンシート積層体6を作製する。加熱加圧の条件は用いる有機バインダー等の種類や量により異なるが、概ね30〜100℃、2〜20MPaである。このとき、セラミックグリーンシート4同士の接着性を向上させるために、溶剤と有機バインダーや可塑剤等を混合した接着剤を用いてもよい。
第1のセラミックスラリー2が溶融成分を含む場合、すなわち第1のセラミックグリーンシート層2’が溶融成分を含む場合は、位置合わせして積み重ねたセラミックグリーンシート4を、溶融成分が溶融状態となり第1のセラミックグリーンシート層2’が軟化して変形する程度の温度、つまり溶融成分の融点程度の温度で加熱することで、セラミックグリーンシート積層体6を作製する。また、このとき、積層したセラミックグリーンシート4が位置ずれしないように、また、軟化した第1のセラミックグリーンシート層2’を第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体層5のパターン形状に追従して変形するのを補助するために押さえる程度の加圧(0.1〜1MPa)を行なうと、より精度よく確実な圧着が可能となる。
セラミックグリーンシート積層体6を作製する工程において、第1のセラミックグリーンシート層2’は加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、導体層5が形成されたセラミックグリーンシート4を積層して加熱した際に第1のセラミックグリーンシート層2’が軟化するので、第1のセラミックグリーンシート層2’は、その下に位置するセラミックグリーンシート4の第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体層5の形状に追従して変形することとなる。これにより、導体層5の周囲や導体層5間に空隙が発生することなくセラミックグリーンシート4同士が密着することとなり、セラミックグリーンシート積層体6を焼成して得られる電子部品はデラミネーションの発生のないものとなる。
また、第1のセラミックグリーンシート層2’は、加熱時に溶融する溶融成分を含有することから、加熱のみで第1のセラミックグリーンシート層2’が軟化して接着性を有するものとなるので、大きな加圧力によりセラミックグリーンシート4を圧着させる必要がない。そして、導体層5の形成される第2のセラミックグリーンシート層3’は加熱時に溶融する溶融成分を含有しないことから、第2のセラミックグリーンシート層3’は加熱時に変形することはなく、積層したセラミックグリーンシート4が位置ずれしないように、また、軟化した第1のセラミックグリーンシート層2’を第2のセラミックグリーンシート層3’およびその上に形成された導体層5のパターンの形状に追従して変形するのを補助するために押さえる程度では変形しないものである。よって、セラミックグリーンシート4およびその上に形成された導体層5の形状が変形することがなく、さらに加圧によるセラミックグリーンシート4への歪がなく得られるセラミックグリーンシート積層体6、およびそれを焼成して得られる電子部品は、高い寸法精度を有するものとなる。
例えば、加熱時に溶融する溶融成分を含有しない第1のセラミックグリーンシート層2’を用いた場合、セラミックグリーンシート積層体6および電子部品の寸法精度は±0.5%(寸法誤差)程度であったが、本発明の溶融成分を含有する第1のセラミックグリーンシート層2’を用いた場合、セラミックグリーンシート積層体6および電子部品の寸法精度は±0.3%程度となり、大幅に向上することが実験により判明した。
また、キャビティを有する電子部品を製造する場合、大きな加圧力によりグリーンシートを圧着させる必要がないので、キャビティ周囲部とキャビティ底部との加圧によるグリーンシートの伸びの違いによるキャビティ底部の反りの発生を抑えることが可能となり、キャビティ底部に電子素子を精度よく確実に搭載することが可能な電子部品を得ることができる。
図1(d)の最下部に位置するセラミックグリーンシートとしては、第2のセラミックグリーンシート層3’のみで構成されるセラミックグリーンシート4’を用いればよい。積層コンデンサのように表面に導体層5が露出しないような電子部品の場合、図1(d)の最上部に位置するセラミックグリーンシート4には導体層5が形成されていないセラミックグリーンシート4を用いればよく、積層セラミック配線基板のような両面に導体層5が露出するような電子部品の場合、最下部のセラミックグリーンシート4’の両面に導体層5を形成したものを用いればよい。
そして最後に、セラミックグリーンシート積層体6を焼成することにより、本発明の電子部品が作製される。焼成する工程は、有機成分の除去とセラミック粉末の焼結とから成る。有機成分の除去は、100〜800℃の温度範囲でセラミックグリーンシート積層体6を加熱することによって行い、有機成分を分解、揮発させるものである。また、焼結温度は、セラミック組成により異なり、約800〜1600℃の範囲内で行なう。焼成雰囲気は、セラミック粉末や導体材料により異なり、大気中、還元雰囲気中、非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために水蒸気等を含ませてもよい。
焼成後の電子部品は、その表面に露出した導体層5の表面に、導体層5の腐食防止のために、または半田や金属ワイヤ等の外部基板や電子部品との接続手段の良好な接続のために、NiやAuのめっきを施すとよい。
セラミック材料としてガラスセラミックスのような低温焼結材料を用いる場合、セラミックグリーンシート積層体6の上下面にさらに拘束グリーンシートを積層して焼成し、焼成後に拘束シートを除去するようにすれば、より高寸法精度のセラミック基板を得ることが可能となる。拘束グリーンシートは、Al等の難焼結性無機材料を主成分とするセラミックグリーンシートであり、焼成時に収縮しないものである。この拘束グリーンシートが積層された積層体は、収縮しない拘束グリーンシートにより積層平面方向(xy平面方向)の収縮が抑制され、積層方向(z方向)にのみ収縮するので、焼成収縮に伴う寸法ばらつきが抑制される。このときの拘束グリーンシートも本発明のセラミックグリーンシート4と同様の溶融成分を含む第1のセラミックグリーンシート層2’と第2のセラミックグリーンシート層3’とを有する構成にすると、拘束グリーンシートを積層して圧着する際にも大きな加圧力を必要とせず、得られる電子部品はより高寸法精度のものとなるのでよい。
また、拘束グリーンシートには難焼結性無機成分に加えて、焼成温度以下の軟化点を有するガラス成分、例えばセラミックグリーンシート4中のガラスと同じガラスを含有させるとよい。焼成中にこのガラスが軟化してセラミックグリーンシート4と結合することにより、セラミックグリーンシート4と拘束グリーンシートとの結合が強固なものとなり、より確実な拘束力が得られるからである。このときのガラス量は、難焼結性無機成分とガラス成分を合わせた無機成分100質量部に対して0.5〜15質量部とするとよく、拘束力が向上し、かつ拘束グリーンシートの焼成収縮が0.5%以下に抑えられる。
焼成後、拘束シートを除去する。除去方法としては、例えば研磨、ウォータージェット、ケミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げられる。
以上のような方法で作製された電子部品は、その内部にデラミネーションを有さず寸法精度の高いものであるので、電子部品として要求される優れた電気特性や気密性の高いものとなる。
本発明の実施例について以下に詳細に説明する。
まず、アルミナ粉末と表1に示すような有機成分を混合して第1のセラミックスラリーおよび第2のセラミックスラリーを作製した。PETフィルム上に第1のセラミックスラリーをリップコーター法により厚さ50μmで塗布し、続いて塗布された第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーをダイコーター法により厚さ100μmで塗布し、乾燥することによりセラミックグリーンシートを作製した。
なお、第1のセラミックグリーンシート層と第2のセラミックグリーンシート層が2層に形成させているかどうかを確認するため、第1のセラミックスラリーのアルミナ粉末に金属顔料として三酸化クロムを添加した。例4および比較例3のみ、その後セラミックグリーンシートを積層して、80℃、0.5MPaで加圧することで積層体を作製した。
Figure 2005272163
例1のセラミックグリーンシートの積層体の断面を観察すると、第1のセラミックグリーンシート層と第2のセラミックグリーンシート層の界面において、金属顔料の三酸化クロムの緑色が薄くなっており、若干の拡散が見られたものの、第2のセラミックグリーンシート層まで拡散しておらず、きちんと2層が形成されていた。
例2〜4のセラミックグリーンシートの積層体の断面は、拡散もなく剥離もしない第1のセラミックグリーンシート層と第2のセラミックグリーンシート層が形成されていた。また、実施例4のセラミックグリーンシートにおいては、積層体の断面まで観察したが、デラミネーションもなく積層できていることを確認した。
これに対して、比較例1,2では、第2のセラミックグリーンシートの表面にまで三酸化クロムの緑色で着色されており、第1のセラミックグリーンシート層と第2のセラミックグリーンシート層が混合し、同一化していた。
また、比較例3においては、積層体の断面を観察したところ、セラミックグリーンシート層間で剥離とデラミネーションが発生していた。
このように、第1のセラミックスラリーの溶解度パラメータと第2のセラミックスラリーの溶解度パラメータとを2以上離すことによって、第1のセラミックグリーンシート層と第2のセラミックグリーンシート層が混合、同一化してしまうことを防ぐことができる。
実施例1と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で18,19,20,25,30,35,40,42,45質量部にて各々調合し、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエンおよび酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエンおよび酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調製した。
これらのセラミックスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートを4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。その際の剥離強度は、セラミックグリーンシートを剥離した際の剥離発生箇所を双眼顕微鏡にて観察し、剥離箇所が第2のセラミックグリーンシート内である場合を良品とした。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面(クロスセクション)観察を行い、セラミック層間のデラミネーションおよびブクやピンホールの発生の有無を調査した。
第1のセラミックスラリー中の有機バインダー量別の評価の結果を表2に示す。
Figure 2005272163
表2における剥離強度の欄の「○」は積層体を剥離した際に、剥離箇所が第2のグリーンシート内であったことを示す。一方、「△」は第2のグリーンシート外であったことを示す。また内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体の内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にデラミネーションが見られたことを示す。ブク/ピンホール有無の欄の「○」は、焼結体の内部にブクやピンホールがないことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にブクやピンホールが見られたことを示す。
表2より、上記有機バインダーの添加量が19質量部未満の試料No.1は、剥離箇所は第2のグリーンシート外であり、かつ焼結体の内部にデラミネーションが発生した。
また、上記有機バインダーの添加量が40質量部より大きい試料No.8,9においては、内層にブクやピンホールが発生していた。
これに対して、上記有機バインダーの添加量が19乃至40質量部の試料No.2,3,4,5,6,7は、剥離箇所は第2のグリーンシート内でかつデラミネーションが無く、内層にブクやピンホールの発生しない優れたものであった。
実施例2と同様に、第1セラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で20質量部、メタクリル酸メチル樹脂の分子量を4万,8万,10万,20万,30万,36万,50万で各々調合し、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調製した。
これらのセラミックスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートを4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。その後、出来上がった積層体の寸法を3次元測定器で測定した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面(クロスセクション)観察を行い、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。
第1のセラミックスラリー中の有機バインダーの分子量別の評価結果を表3に示す。
Figure 2005272163
表3における内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体の内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にデラミネーションが見られたことを示す。また、積層寸法の欄の「○」は、積層後の寸法を3次元測定機で測定し、寸法ばらつきが±0.05%より小さいものであったことを示す。一方、「△」は製品寸法に問題は無いものの、寸法ばらつきが±0.05%以上であったことを示す。
表3より、上記有機バインダーの分子量が8万未満の試料No.1は、焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつ積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
また、上記有機バインダーの分子量が30万より大きい試料No.5,6は、焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつ積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
これに対して、上記有機バインダーの分子量が8万乃至30万の試料No.2,3,4は、内層デラミネーションが無く、寸法ばらつきの点でも優れたものであった。
実施例3と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、有機バインダーの酸価を0.0,0.1,0.5,0.8,0.9,1.5として各々調合し、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部を添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で20質量部、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2セラミックスラリーを調製した。
これらのセラミックスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件で第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートを4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。その後、出来上がった積層体の寸法を3次元測定器で測定した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面(クロスセクション)観察、及びセラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。
第1のセラミックグリーンシート層中の有機バインダーの酸価別の評価結果を表4に示す。
Figure 2005272163
表4における内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体の内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にデラミネーションが見られたことを示す。また、積層寸法の欄の「○」は、積層後の寸法を3次元測定機で測定し、寸法ばらつきが±0.05%より小さいものであったことを示す。一方、「△」は製品寸法に問題は無いものの、寸法ばらつきが±0.05%以上であったことを示す。
表4より、上記有機バインダーの酸価が0.1KOHmg/g未満の試料No.1は、焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつ積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
また、上記有機バインダーの酸価が0.8KOHmg/gより大きい試料No.5,6は、内層にブクやピンホールが発生していた。
これに対して、上記有機バインダーの酸価が0.1乃至0.8質量部の試料No.2,3,4は、内層デラミネーションが無く、かつ寸法ばらつきの点でも優れたものであった。
実施例4と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物(三酸化クロム)を合わせて10質量部の割合で調合したセラミック粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、融点が35乃至100℃である溶融成分としてヘキサデカノールを10質量部添加し、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物三酸化クロムとを合わせて10質量部の割合で調合したセラミック粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分で8,10,12,14,16,18,20,22,24質量部を各々調合し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調製した。
これらのスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで成形した上に、そのまま第2のセラミックグリーンシート層を50μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用い、スクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて、厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着して、セラミックグリーンシート積層体を作製した。それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面(クロスセクション)観察、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。第2のセラミックスラリー中の有機バインダー量別の評価結果を表5に示す。
Figure 2005272163
表5おける内層デラミネーション有無「○」は、焼結体の内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にデラミネーションが見られたことを示す。
表5より、上記有機バインダーの添加量が10質量部未満の試料No.1の焼結体の内部にデラミネーションが発生した。また、上記有機バインダーの添加量が20質量部より大きい試料No.8,9においても、同様に焼結体の内部にデラミネーションが発生した。
これに対して、上記有機バインダーの添加量が10乃至20質量部の試料No.2,3,4,5,6,7は内層デラミネーションがなく、優れたものであった。
実施例5と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物(三酸化クロム)を合わせて10質量部の割合で調合したセラミック粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、有機バインダーの分子量を各々調合し、融点が35乃至100℃である溶融成分としてヘキサデカノールを10質量部添加し、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加した後、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物三酸化クロムとを合わせて10質量部の割合で調合したセラミック粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分で10質量部、有機バインダーの分子量として1万,5万,20万,40万,60万,80万,100万を各々調合し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調製した。
これらのスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで成形した上に、そのまま第2のセラミックグリーンシート層を50μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて、厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着して、セラミックグリーンシート積層体を作製した。その後、出来上がった積層体の寸法を3次元測定器で測定した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面(クロスセクション)観察、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。第2のセラミックスラリー中の有機バインダーの分子量別の評価結果を表6に示す。
Figure 2005272163
表6における内層デラミネーション有無「○」は、焼結体の内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にデラミネーションが見られたことを示す。また、積層寸法の「○」は、積層後の寸法を3次元測定機で測定し、寸法ばらつきが±0.05%より小さいものであったことを示す。一方、「△」は製品寸法に問題は無いものの、寸法ばらつきが±0.05%以上であったことを示す。
表6より、上記有機バインダーの分子量が5万未満の試料No.1は焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつ積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
また、上記有機バインダーの分子量が80万より大きい試料No.6,7においては焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつ積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
これに対して、上記有機バインダーの分子量が5万乃至80万の試料No.2,3,4,5は、内層デラミネーションが無く、寸法ばらつきにも優れたものであった。
実施例6と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物(三酸化クロム)を合わせて10質量部の割合で調合したセラミック粉末100質量部に対して、有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、融点が35乃至100℃である溶融成分としてヘキサデカノールを10質量部添加し、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調製した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物三酸化クロムとを合わせて10質量部の割合で調合したセラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸イソブチル樹脂を固形分で10質量部、有機バインダーの酸価として0.0,0.1,0.5,1,5,8KOHmg/gにて各々調合し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調製した。
これらのスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで成形した上に、そのまま第2のセラミックグリーンシート層を50μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。成形後のセラミックグリーンシートは、斜光による外観検査にて、セラミックグリーンシート内のピンホールの有無を評価した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて、厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着して、セラミックグリーンシート積層体を作製した。それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中で約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面(クロスセクション)観察、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。第2のセラミックスラリー中の有機バインダーの酸価別の評価結果を表7に示す。
Figure 2005272163
表7における内層デラミネーション有無「○」は、焼結体の内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体の内部にデラミネーションが見られたことを示す。また、シート内ピンホール有無の「○」は、成形後のセラミックグリーンシート内にピンホールが無く、優れたものであったことを示す。一方、「△」は製品内にピンホールは無いものの、セラミックグリーンシート内にピンホールを確認したことを示す。
表7より、上記有機バインダーの酸価が0.1KOHmg/g未満の試料No.1は焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつセラミックグリーンシート内にピンホールを確認した。
また、上記有機バインダーの酸価が5.0KOHmg/gより大きい試料No.6においては、焼結体の内部にデラミネーションが発生し、かつセラミックグリーンシート内にピンホールを確認した。
これに対して、上記有機バインダーの酸価が0.1乃至5.0KOHmg/gの試料No.2,3,4,5は、内層デラミネーションが無く、かつ寸法ばらつきにも優れたものであった。
実施例7と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体樹脂を固形分で20質量部、メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体樹脂のガラス転移点を−22,−20,−15,−12,−10,−7℃で各々調合し、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、スラリーを調整した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチルを固形分で10質量部で調合し、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、スラリーを調整した。
これらのスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面観察を行い、セラミック層間のデラミネーション発生の有無を調査した。
第1のセラミックスラリー中の有機バインダーのガラス転移点別の評価の結果を表8に示す。
Figure 2005272163
表8におけるシート付着の欄の「○」は、グリーンシートを常温で取り扱う際にグリーンシート同士が付着せずに取り扱いが容易であったことを示す。一方、「△」は常温で重ねるだけでグリーンシート同士が付着し取り扱いが難しいものであったことを示す。内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体内部にデラミネーションが見られたことを示す。
表8の結果から明らかなように、上記有機バインダーのガラス転移点が−20℃未満の試料No.1はシート付着が発生した。
また、上記有機バインダーのガラス転移点が−12℃より大きい試料No.5,6は、焼結体内部にデラミネーションが発生した。
これに対して、上記有機バインダーのガラス転移点が−20万乃至−12℃の試料No.2,3,4は、内層デラミネーションが無く、優れたものであった。
実施例8と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、有機バインダーの水酸基価を0.0,0.1,2,4,5,7KOHmg/gで各々調合し、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部を添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調整した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で20質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調整した。
これらのセラミックスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面観察を行い、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。
第1のセラミックスラリー中の有機バインダーの水酸基価別の評価の結果を表9に示す。
Figure 2005272163
表9における内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体内部にデラミネーションが見られたことを示す。
表9の結果から明らかなように、上記有機バインダーの水酸基価が0.1KOHmg/g未満の試料No.1は、焼結体内部にデラミネーションが発生した。
また、上記有機バインダーの水酸基価が5KOHmg/gより大きい試料No.6は、内層にブクやピンホールが発生していた。
これに対して、上記有機バインダーの水酸基価が0.1乃至5KOHmg/gの試料No.2,3,4,5は、内層デラミネーションが無く優れたものであった。
実施例9と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で20質量部で調合し、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部を添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調整した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体樹脂を固形分で10質量部、メタクリル酸メチル−アクリル酸エチル共重合体樹脂のガラス転移点を−22,−20,−15,−12,−10,−7℃で各々調合し、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調整した。
これらのセラミックスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックグリーンシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面観察を行い、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。
第2のセラミックスラリー中の有機バインダーのガラス転移点別の評価の結果を表10に示す。
Figure 2005272163
表10におけるシート付着の欄の「○」は、グリーンシートを常温で取り扱う際にグリーンシート同士が付着せずに取り扱いが容易であったことを示す。一方、「△」は常温で重ねるだけでグリーンシート同士が付着し取り扱いが難しいものであったことを示す。シート割れ欠けの欄の「○」は、常温で取り扱う際にグリーンシートに割れや欠けが起こらずに取り扱いが容易であったことを示す。一方、「△」は常温で取り扱う際にグリーンシートに割れや欠けが起こり取り扱いが難しいものであったことを示す。内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体内部にデラミネーションが見られたことを示す。
表10の結果から明らかなように、上記有機バインダーのガラス転移点が−20℃未満の試料No.1はシート付着が発生した。
また、上記有機バインダーのガラス転移点が20℃より大きい試料No.5,6は、シート割れや欠けが発生した。
これに対して、上記有機バインダーのガラス転移点が−20乃至20℃の試料No.2,3,4は、グリーンシートが付着せず、割れや欠けが起こらずに内層デラミネーションが無く優れたものであった。
実施例10と同様に、第1のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で20質量部、低融点成分としてヘキサデカノールを固形分で10質量部、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第1のセラミックスラリーを調整した。
次に、第2のセラミックグリーンシート層用に、平均粒径1μmのアルミナを90質量部、焼結助剤としてシリカ、マグネシア、カルシアと、着色顔料として遷移金属の酸化物を合わせて10質量部の割合で調合し、セラミック粉末100質量部に対して有機バインダーとしてメタクリル酸メチル樹脂を固形分で10質量部、有機バインダーの水酸基価を0.0,3,5,10,20,40,60,80,100,104,110KOHmg/gで各々調合し、可塑剤としてフタル酸ジブチルを1質量部添加し、トルエン及び酢酸エチルを溶媒としてボールミルにより40時間混合し、第2のセラミックスラリーを調整した。
これらのスラリーからダイコーターシート成形機を用いて、成形速度2m/分、成形シート幅が250mmの条件にて第1のセラミックグリーンシート層を厚み50μmで各々成形した上にそのまま第2のセラミックグリーンシート層を100μmの厚みで成形し、セラミックグリーンシートを成形した。
このセラミックシートの第2のセラミックグリーンシート層上に、タングステンを主成分とする導体ペーストを用いスクリーン印刷法により10〜20μmの厚みで所定パターンに印刷し、導体層を形成した。
導体層を形成したセラミックグリーンシートをそれぞれ4層重ねあわせて厚み方向に0.5MPaの圧力および80℃の温度で加熱圧着してセラミックグリーンシート積層体を作製した。その後、出来上がったセラミックグリーンシート積層体の寸法を3次元測定器で測定した。
それから、得られたセラミックグリーンシート積層体中の有機バインダー等の有機成分や、有機成分が分解した後に残留するカーボンを除去するため、7.33×10Paの水蒸気を含んだ窒素雰囲気中に約1000℃の温度で1時間保持する熱処理を行った後、還元雰囲気中にて約1600℃の温度で1時間保持して評価用のセラミック焼結体を作製した。
この焼結体の断面観察を行い、セラミック層間のデラミネーションの有無を調査した。
第2のセラミックスラリー中の有機バインダーの水酸基価別の評価の結果を表11に示す。
Figure 2005272163
表11における内層デラミネーション有無の欄の「○」は、焼結体内部にデラミネーションが見られず優れていたことを示す。一方、「△」は積層体の形成に問題は無いものの、焼結体内部にデラミネーションが見られたことを示す。また、積層寸法の欄の「○」は、積層後の寸法を3次元測定機で測定し、寸法ばらつきが±0.05%より小さいものであったことを示す。一方、「△」は製品寸法に問題は無いものの、寸法ばらつきが±0.05%以上であったことを示す。
表11の結果から明らかなように、上記有機バインダーの水酸基価が5KOHmg/g未満の試料No.1,2は、焼結体内部にデラミネーションが発生しないものの、積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
また、上記有機バインダーの水酸基価が100KOHmg/gより大きい試料No.11も、同様に焼結体内部にデラミネーションはないものの積層寸法の寸法ばらつきが0.05%以上であった。
これに対して、上記有機バインダーの水酸基価が5乃至100KOHmg/gの試料No.3,4,5,6,7,8,9,10は、内層デラミネーションが無く、かつ寸法ばらつきの点でも優れたものであった。
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の例では、無機粉末と有機バインダーと溶媒とを添加混合してセラミックスラリーを作製したが、セラミックグリーンシートに柔軟性を付与するために可塑剤を添加してもよく、また無機粉末の分散性を高めるために分散剤を添加してもよい。
(a)〜(d)は、本発明の電子部品の製造方法の実施の形態の一例を示す工程毎の断面図である。
符号の説明
1・・・支持体
2・・・第1のセラミックスラリー
3・・・第2のセラミックスラリー
4・・・セラミックグリーンシート
5・・・導体層
6・・・セラミックグリーンシート積層体

Claims (13)

  1. 支持体上に第1のセラミックスラリーを塗布し、塗布された前記第1のセラミックスラリー上に第2のセラミックスラリーを塗布してセラミックグリーンシートを形成する工程と、前記セラミックグリーンシート上に導体層を形成する工程と、前記導体層が形成された前記セラミックグリーンシートを複数枚積層して加熱することによってセラミックグリーンシート積層体を作製する工程と、前記セラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを具備しており、前記第1のセラミックスラリーの溶解度パラメータと前記第2のセラミックスラリーの溶解度パラメータとの差が2以上であることを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記第2のセラミックスラリーは、前記セラミックグリーンシート積層体を作製する際の加熱時に溶融状態となる溶融成分を含有していることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記溶融成分の融点が35乃至100℃であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの添加量がセラミック粉末100質量部に対して19乃至40質量部であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  5. 前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの分子量が8万乃至30万であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  6. 前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの酸価が0.1乃至0.8KOHmg/gであることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの添加量がセラミック粉末100質量部に対して10乃至20質量部であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの分子量が5万乃至80万であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの酸価が0.1乃至5KOHmg/gであることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至−12℃であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記第1のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの水酸基価が0.1乃至5KOHmg/gであることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  12. 前記第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーのガラス転移点が−20乃至20℃であることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
  13. 前記第2のセラミックスラリーに含まれる有機バインダーの水酸基価が5乃至100KOHmg/gであることを特徴とする請求項2記載の電子部品の製造方法。
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