JP4991158B2 - 電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4991158B2
JP4991158B2 JP2006019481A JP2006019481A JP4991158B2 JP 4991158 B2 JP4991158 B2 JP 4991158B2 JP 2006019481 A JP2006019481 A JP 2006019481A JP 2006019481 A JP2006019481 A JP 2006019481A JP 4991158 B2 JP4991158 B2 JP 4991158B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductor layer
ceramic
green sheet
conductor
ceramic green
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006019481A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007201273A (ja
Inventor
建壮 落合
山本  誠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2006019481A priority Critical patent/JP4991158B2/ja
Publication of JP2007201273A publication Critical patent/JP2007201273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4991158B2 publication Critical patent/JP4991158B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Description

本発明は、積層セラミック配線基板のような電子部品の製造に用いられる導体層付きセラミックグリーンシート用導体ペースト、ならびに電子部品の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、この電子機器に用いられる積層コンデンサや積層セラミック配線基板のような電子部品においても小型化及び高性能化が望まれている。例えば、積層コンデンサにおいては小型化及び高容量化のために、より薄い誘電体層及び導体層を多層化したものが求められている。また、積層セラミック配線基板においては小型化及び配線導体の高密度化のために、より薄い絶縁層及び配線導体層を多層に形成し、配線導体層の幅及び間隔もより微細なものが求められている。
このような電子部品は、セラミック粉末に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を成形した後、金属粉末を含有する導体ペーストを印刷するなどしてグリーンシート上に導体層を形成し、次に複数枚の導体層が形成されたグリーンシートを積層して加圧することにより圧着して積層体を得て、この積層体を焼成することで得られる。
ところが、電子部品に対する前述の要求に対応して導体層が形成されたグリーンシートを多数積層すると、導体層が形成された領域が重なる部分と他の部分ではその厚み差が大きくなる。このため、積層されたグリーンシートを厚み方向に加圧した場合、導体層が形成された領域が重なる部分においては圧力が十分に加わるものの、他の部分においては圧力が十分に加わりにくくなるので、不十分な圧着となり易い。その結果、そのような積層体を焼成すると、圧着が不十分な部分でデラミネーション(層間剥離)が発生するという問題があった。
それに対して、特許文献1に記載されているような、導体層が表面に形成された支持体上にセラミックスラリーを塗布し、乾燥後剥離することにより平坦な導体層付きセラミックグリーンシートを形成する製法が提案されている。
特開昭50−64768号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような製法においては、支持体から導体層付きセラミックグリーンシートを剥がす際、支持体と導体層との接着強度に比較してセラミックグリーンシートと導体層との接着強度が弱いため、導体層とセラミックグリーンシートとの接合状態に不具合がでる可能性があった。
仮に、このような導体層の接合状態に不具合のある導体層付きセラミックグリーンシート(以下、シートともいう)を積層して焼成することにより電子部品が製造されると、電気的な導通をとることが難しく、電気特性に不具合が生じる可能性がある。
本発明は、上記の問題点を解決するために完成されたものであり、導体層が表面に形成された支持体上にセラミックスラリーを塗布し、乾燥後剥離することにより平坦な導体層付きセラミックグリーンシートを形成してなる電子部品の製法において、セラミックスラリーを塗布する際や、導体層付きセラミックグリーンシートを剥離する際、導体層の接合状態に不具合がでる可能性を低減させ、接続信頼性が高い電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明の電子部品の製造方法は、支持体上に導体ペーストを塗布し乾燥することにより導体層を形成する工程と、前記導体層が形成された前記支持体上にセラミックスラリーを塗布し、熱処理を施すことにより乾燥し、導体層付きセラミックグリーンシートを形成する工程と、前記導体層付きセラミックグリーンシートを複数枚位置合わせして積み重ね、0.1〜1MPaの加圧を行い積層してセラミックグリーンシート積層体を形成する工程と、前記セラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを有しており、前記導体ペー
ストは、前記セラミックスラリーを乾燥させる際の熱処理により溶融状態となる溶融成分を含有しており、前記熱処理により、前記溶融成分を前記セラミックスラリー内へ拡散させ、前記導体層に含まれる有機バインダを前記導体層と前記セラミックスラリーとの界面へ移動させることを特徴とするものである。
また本発明の電子部品の製造方法は、前記溶融成分の融点が40乃至100℃であることを特徴とするものである。
本発明の電子部品の製造方法は、導体ペーストがセラミックスラリーを乾燥させる際の熱処理により溶融状態となる溶融成分を含有していることから、支持体から導体層付きセラミックグリーンシートを剥がす際、セラミックグリーンシートから導体層が剥がれにくくすることができる。つまり、セラミックスラリーを支持体に塗布し乾燥させる際の熱処理により、導体層に含まれる溶融成分は溶融状態となってセラミックスラリー内へ拡散し、導体層に含まれる有機バインダは導体層とセラミックスラリーとの界面へ移動するため、導体層とセラミックグリーンシートとの界面において導体層に含まれている有機バインダとセラミックスラリーに含まれている有機バインダとが強固に結合される。よって、導体層とセラミックグリーンシートとが十分な接着強度を持つ導体層付きセラミックグリーンシートを得ることができる。このような導体層付きセラミックグリーンシートを用いることにより、接続信頼性が高く、電気特性に優れた電子部品を製造することが可能となる。
また、導体ペーストに含まれる溶融成分の融点が40乃至100℃であるものが好ましい。これは、この範囲の融点のものを用いると、導体層を形成する際に、わずかな作業時の温度の変動に従って溶融成分の状態が変化し、それに伴い導体ペーストの粘度が変動することによる導体層のニジミや厚みのバラツキが発生せず、またセラミックスラリーを塗布し乾燥させる際に、セラミックスラリーに含まれる有機バインダや可塑剤等の有機成分が分解し有機ガスが発生することにより、導体層付きセラミックグリーンシート内に有機ガスによる気泡やブツなどの外観不良が発生することがない。
また本発明の導体層付きセラミックグリーンシート用導体ペーストは、セラミックスラリーを塗布して乾燥させる際の熱処理により溶融状態となる溶融成分を含有していることから、導体ペーストを塗布し乾燥することにより導体層が形成された支持体上にセラミックスラリーを塗布して熱処理を施すことにより乾燥する際に、導体層に含まれる溶融成分が溶融状態となりセラミックスラリー内へ拡散し、それに伴い、導体層に含まれる有機バインダが導体層とセラミックスラリーとの界面に移動しセラミックスラリーに含まれる有機バインダと結合することができるので、導体層とセラミックグリーンシートとの界面において十分な接着強度を持つこととなり、支持体から導体層付きセラミックグリーンシートを剥がす際に生じる導体層とセラミックグリーンシートとの接合状態に不具合がでる可能性を低減させることができる。
本発明の電子部品の製造方法について以下に詳細に説明する。
図1は本発明の電子部品の製造方法の実施の形態の一例を示す工程毎の断面図であり、1は支持体、2は導体層、2aは導体ペースト、3は導体層付きセラミックグリーンシート、3aはセラミックスラリー、4はセラミックグリーンシート積層体である。
まず、図1(a)に示すように、支持体1上に導体ペースト2aを塗布して乾燥することにより導体層2を形成する。次に、図1(b)のように、導体層2の形成された支持体1上にセラミックスラリー3aを塗布して乾燥することにより導体層付きセラミックグリーンシート3を形成する。
ここで、本発明の導体ペースト2aは、セラミックスラリー3aを塗布し乾燥させる際の熱処理により溶融状態となる溶融成分を含有していることが重要である。
導体ペースト2aは溶融成分を含むことにより、セラミックスラリー3aを支持体1に塗布し乾燥させる際の熱処理において、導体層2に含まれる溶融成分は溶融状態となってセラミックスラリー3a内へ拡散し、導体層2に含まれる有機バインダは導体層2とセラミックスラリー3aとの界面へ移動するため、導体層2とセラミックグリーンシート3との界面において導体層2に含まれている有機バインダとセラミックスラリー3aに含まれている有機バインダとが強固に結合される。なお、導体ペースト2aに含まれる溶融成分は、溶融時に導体層2と支持体1との界面にも移動し、それに伴い導体層2の有機バインダも移動するが、導体ペースト2a中の有機バインダは、溶剤等の液体を含み流動しているセラミックスラリー3a中には移動しやすいのに対して、樹脂のみ形成され固体状である支持体1中へは移動し難いことから、支持体1の極表面に拡散するのみで、導体層2とセラミックグリーンシートの界面ほど拡散しないので、導体層2と支持体1の接着強度は、導体層2とセラミックグリーンシートの接着強度ほど上がらない。また、支持体1の表面に剥離層等の表面処理層が形成されている場合は、表面処理層の種類により支持体1より拡散しやすい場合があるものの、表面処理層は固体状であり、かつその厚みは薄いものであることから、その表面処理層への拡散量は、上述のようなセラミックスラリー3a中への拡散量と比較すると小さいものであるため、導体層2とセラミックグリーンシートの接着強度ほど上がることはない。
これにより、導体層2とセラミックグリーンシートの接着強度を十分に保つことができ、支持体1から導体層付きセラミックグリーンシート3を剥がす際に生じる導体層2の接合状態の不具合を低減させることができることから、導体層付きセラミックグリーンシート3を用いることにより、導体層2の剥がれのない導体接続信頼性の高い電子部品を製造することが可能となる。
ここで、導体ペースト2aは導体粉末に有機バインダと溶剤と溶融成分、また必要に応じて分散剤とを加えて混合したものをボールミル、三本ロールミル、プラネタリーミキサー等の混練手段により均質に分散した後、溶剤を必要量添加することにより粘度を調整することにより作製される。
導体ペースト2aに添加される溶融成分は、セラミックスラリー3aを乾燥する際の熱処理により溶融状態となるものであり、炭化水素,脂肪酸,エステル,脂肪アルコール,多価アルコール等が挙げられる。スラリーを調整する際の溶媒への溶解性を考慮すると、分子量が小さくかつ極性を有する炭化水素,エステル,脂肪アルコール,多価アルコールが好ましい。さらに上述したアクリルバインダーとの相溶性を考慮すると、エステル,脂肪アルコール,多価アルコールがより好ましい。
溶融成分は前記のものの中でも、その融点が40乃至100℃であるものが好ましい。溶融成分の融点が40℃より低いと、常温で導体層2を形成する際に微小な作業時の温度の変動により溶融成分の状態が変化し、それに伴い導体ペースト2aの粘度が大きく変動するため、導体層2のニジミや厚みのバラツキが発生する。また、溶融成分の融点が100℃より高いと、セラミックスラリー3aと塗布して乾燥する際の熱処理によりセラミックスラリー3a中の有機バインダや可塑剤等の有機成分が分解し、導体層付きセラミックグリーンシート3内に有機ガスによる気泡やブツなどの外観不良が発生してしまう。ここで、融点が40乃至100℃である溶融成分としては具体的には、ヘキサデカノール,ポリエチレングリコール,ポリグリセロール,ステアリルアミド,オレイルアミド,エチレングリコールモノステアレート,パラフィン,ステアリン酸,シリコーン等が挙げられる。
また溶融成分の添加量は導体層2に対して5乃至10質量%がよい。このような範囲とすることにより、一層導体層2とセラミックグリーンシートとを強固に接着できるとともに、導体層2に含まれる有機バインダが拡散することにより導体層が流動してにじみが発生することを低減できる。
支持体1はポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリイミド系、塩化ビニル系等の有機樹脂からなるフィルム状のものである。支持体1の表面とは、セラミックグリーンシートの剥離性を考慮して離型剤や帯電防止剤などの表面処理層を支持体1の表面に形成している場合はその表面処理層の表面である。支持体1からの剥離時にセラミックグリーンシートが伸び等で変形してしまうことを抑えるためには離型剤の表面処理層が形成されていることが好ましい。セラミックグリーンシートと支持体1の剥離強度と、導体層2と支持体1との剥離強度を比較すると、導体ペースト2aの有機バインダが支持体1の極表面に拡散するが、セラミックスラリーの有機バインダの分子量が大きく支持体1に拡散しないため、セラミックグリーンシートと支持体1との剥離強度の方が低くなる。
支持体1に形成される離型剤の種類としては、大別してシリコーン系と、フッ素系、長鎖アルキル基含有系、アルキッド樹脂系、ポリオレフィン樹脂系などを用いることができる。耐熱性、剥離性及びコストの観点から、シリコーン系が望ましい。また、商品形態別にいえば無溶剤型、エマルジョン型、溶剤型のいずれでも使用し得る。
導体粉末の導体材料としては、例えばW,Mo,Mn,Au,Ag,Cu,Pd(パラジウム),Pt(白金)等の1種または2種以上が挙げられ、その導体粉末はアトマイズ法、還元法等により製造されたものであり、必要により酸化防止、凝集防止等の処理をおこなってもよい。導体材料が2種以上の場合は2種類以上の粉末を混合してもよいし、合金、コーティング等により2種以上の材料が一体となった粉末であってもよい。また、分級等により微粉末または粗粉末を除去し粒度分布を調整したものであってもよい。
有機バインダとしては、従来より導体ペースト2aに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。有機バインダの選定に当たっては、溶解度パラメータの他、焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系、アルキド系の有機バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量としては、導体粉末により異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつ導体粒子を分散できる量であればよく、導体粉末に対して外添加で5乃至20質量%程度が望ましい。また有機バインダの分子量Mwは、導体ペースト2aを塗布した際に支持体1の極表面に拡散したときの接着強度が、セラミックスラリー3aを塗布した際に発生する応力で剥がれない程度であればよく、通常20000乃至100000程度であればよい。
導体ペースト2aに用いる溶剤としては、導体粉末と有機バインダとを良好に分散させて混合できるようなものであればよく、テルピネオールやブチルカルビトールアセテートなどが使用可能である。溶剤は導体粉末に対して4乃至15質量%加えることにより、導体ペースト2aが印刷により導体層2を形成でき、かつ導体層2を形成した後に導体ペースト2aの滲みが発生しない程度の粘度、3000乃至40000cps程度であることが望ましい。
また導体ペースト2aに添加する溶剤は、導体ペースト2aの塗布後の形成性、乾燥性を考慮し、低沸点溶剤を用いることが好ましく、塗布の作業性を考慮すると溶剤の沸点は作業時の温度(室温)より高い。さらに、乾燥時の温度による支持体1の寸法変動を抑制するためには、支持体1のガラス転移点か溶融成分の融点より低い。ここで支持体1のガラス転移点とは、支持体1を形成する樹脂の特性が変化する温度のことで、ガラス転移点以下ではガラス質、ガラス転移点以上では粘弾性性質を示すものであり、ガラス転移点以上になると樹脂が変形しやすくなる。また、溶融成分の融点以上であれば導体ペースト2aを塗布し乾燥する際に、溶剤が揮発する前に溶融成分が溶融し導体ペースト2aに含まれる有機バインダが移動する為、導体層2のニジミ等が発生する為である。これらを考慮すると、導体ペースト2aに使用する溶剤の沸点は、40℃から支持体1のガラス転移点か溶融成分の融点の低い方の範囲である。このようなものとしては、例えば支持体1としてガラス転移点70℃のPET(ポリエチレンテレフタレート)、溶融成分として融点が60℃のヘキサデカノールを用いた場合は、35℃から溶融成分の融点である60℃の範囲の沸点である、沸点57℃の酢酸メチル等の溶剤が挙げられる。
支持体1上に導体ペースト2aを塗布して乾燥する方法としては、従来より用いられているスクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法により塗布した後、温風乾燥機、真空乾燥機、または遠赤外線乾燥機等の乾燥機を用いることができる。
セラミックスラリー3aは、セラミック粉末に有機バインダおよび溶剤を加え、ボールミルやビーズミル等の混合装置を用いてセラミック粉末を解砕しながら混合することにより作製される。セラミック粉末の分散性やセラミックグリーンシート3の硬度や強度を調整するために分散剤や可塑剤を添加してしてもよい。
セラミックスラリー3aに用いられるセラミック粉末としては、例えばセラミック配線基板であれば、Al,AlN,ガラスセラミック粉末(ガラス粉末とフィラー粉末との混合物)等が挙げられ、積層コンデンサであればBaTiO系,PbTiO系等の複合ペロブスカイト系セラミック粉末が挙げられ、電子部品に要求される特性に合わせて適宜選択される。
ガラスセラミック粉末のガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系,SiO−B−Al−MO系(ただし、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは同じまたは異なってCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す),SiO−B−Al−MO−MO系(ただし、MおよびMは上記と同じである),SiO−B−M O系(ただし、MはLi、NaまたはKを示す),SiO−B−Al−M O系(ただし、Mは上記と同じである),Pb系ガラス,Bi系ガラス等が挙げられる。
また、ガラスセラミック粉末のフィラー粉末としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物,AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等のセラミック粉末が挙げられる。
セラミックスラリー3aに添加される有機バインダとしては、従来よりグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸,メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体,具体的にはアクリル酸エステル共重合体,メタクリル酸エステル共重合体,アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等),ポリビニルブチラ−ル系,ポリビニルアルコール系,アクリル−スチレン系,ポリプロピレンカーボネート系,セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。有機バインダの選定に当たっては、溶解度パラメータの他、焼成工程での分解、揮発性を考慮すると、アクリル系バインダがより好ましい。また、有機バインダの添加量はセラミック粉末により異なるが、焼成時に分解・除去されやすく、かつセラミック粉末が分散され、グリーンシートのハンドリング性や加工性が良好な量であればよく、セラミック粉末に対して10乃至20質量%程度が望ましい。また有機バインダの分子量Mwは、セラミックグリーンシートを支持体1から剥がす際にセラミックグリーンシートに伸び等が発生しない程度であればよく、通常300000乃至1000000程度であればよい。
セラミックスラリー3aに含まれる溶剤は、セラミック粉末に対して30乃至100質量%加えることにより、セラミックスラリー3aを良好に支持体1上に塗布することができるような粘度、3cps乃至100cps程度となるようにすることが望ましい。溶剤の種類としては、上記のセラミック粉末と有機バインダとを良好に分散させて混合できるようなもので、具体的にはトルエン,ケトン類,アルコール類等の有機溶媒や水が挙げられる。これらの中で、トルエン,メチルエチルケトン,イソプロピルアルコール等の蒸発係数の高い溶剤はスラリー塗布後の乾燥工程が短時間で実施できるので好ましい。
セラミックスラリー3aを塗布する方法としては、ドクターブレード法,リップコーター法,ダイコーター法等が挙げられる。特にダイコーター法やスロットコーター法、カーテンコーター法等の押し出し式の方法を用いると、これらは非接触式の塗布方法なので、導体層2を物理的な力で混合させてしまうことなく導体層付きセラミックグリーンシート3を形成することができるのでよい。また、導体層付きセラミックグリーンシート3の厚さは、導体層2の厚みより厚くなるように形成される。
支持体1上に塗布したセラミックスラリー3aを乾燥するための熱処理は、導体ペースト2aの乾燥方法と同様に、従来より用いられている温風乾燥機や遠赤外線乾燥機等のような輻射熱や伝熱を利用した乾燥機を用いて行なわれ、熱処理に加えて減圧することにより溶剤の蒸気圧を下げて蒸発速度を上げるようにした真空乾燥機等の乾燥機を用いてもよい。また乾燥するための熱処理の温度は、導体ペースト2aに含まれる溶融成分が溶融し、上述したように、支持体1のガラス転移点以下であることが望ましい。例えば支持体1としてガラス転移点70℃のPET(ポリエチレンテレフタレート)、溶融成分として融点が45℃のヘキサデカノールを用いた場合は、セラミックスラリー3aを乾燥する際の温度は45乃至70℃が挙げられる。
なお、必要に応じて上下の層間の導体層2同士を接続するためのビアホール導体やスルーホール導体等の貫通導体を形成してもよい。これら貫通導体は、金型によるパンチング加工やレーザ加工等により導体層付きセラミックグリーンシート3に形成した貫通孔に、貫通導体用導体ペーストを印刷やプレス充填等の埋め込み手段によって形成される。貫通穴加工は、導体層付きセラミックグリーンシート3が厚い場合、パンチング加工が導体層付きセラミックグリーンシート3の表裏の貫通穴径に差異がなく、また、ギャング金型による多数個の一括形成が可能であり好ましい。また、貫通穴を加工する際、導体層付きセラミックグリーンシート3は支持体1から剥がして行なってもよいが、支持体1上に保持したまま行なうと導体層付きセラミックグリーンシート3の変形を防止できるのでより好ましい。貫通導体用導体ペーストは導体ペースト2a同様にして作製され、溶剤や有機バインダの量により15000cps乃至40000cps程度に調整される。
次に、図1(c)に示すように、導体層付きセラミックグリーンシート3同士を位置合わせして積み重ね、加熱及び加圧して圧着することでセラミックグリーンシート積層体4を作製する。圧着の際の加熱加圧の条件は用いる有機バインダ等の種類や量により異なるが、概ね30〜100℃、2〜20MPaである。このとき、導体層付きセラミックグリーンシート3同士の接着性を向上させるために、溶剤と有機バインダや可塑剤等を混合した接着剤を用いることも可能である。また、支持体1から導体層付きセラミックグリーンシート3を剥がす時は、圧着前でも後でも構わない。圧着後であれば、特に導体層付きセラミックグリーンシートが薄い場合、支持体1に拘束されるため、圧着する際の温度、圧力による導体層付きセラミックグリーンシート3の寸法変動が抑制でき、より好ましい。また剥がす際に、必要に応じて導体層付きセラミックグリーンシート3が寸法変動しない程度に加熱等の処理を施すことも可能である。
圧着する前の、導体層付きセラミックグリーンシート3を位置合わせして積み重ねた時点で、導体層付きセラミックグリーンシート3が位置ずれしないように、導体層付きセラミックグリーンシート3が変形しない程度の加圧(0.1〜1MPa)を行なうと、導体層付きセラミックグリーンシート3間にデラミネーションが発生することなく密着することとなり、セラミックグリーンシート積層体4を焼成して得られる電子部品は絶縁基体内に空隙の発生のないものとなる。また、導体層付きセラミックグリーンシート3を位置合わせして積み重ねた際に真空吸引を行うと、積み重ねられた導体層付きセラミックグリーンシート3間に取り込まれた空気が除去されることからデラミネーションの発生がより抑えられ、また、吸引力によりより密着することから導体層付きセラミックグリーンシート3同士の位置ずれが発生しにくくなるのでより好ましい。
積層コンデンサのように表面に導体層2が露出しないような電子部品の場合、図1(c’)に示すように、最上部に位置する導体層付きセラミックグリーンシート3には導体層2が形成されていないセラミックグリーンシート3bを用いればよい。
そして最後に、セラミックグリーンシート積層体4を焼成することにより、本発明の電子部品が作製される。焼成する工程は、有機成分の除去とセラミック粉末の焼結とから成る。有機成分の除去は、100〜800℃の温度範囲でセラミックグリーンシート積層体4を加熱することによって行い、有機成分を分解、揮発させるものである。また、焼結温度は、セラミック組成により異なり、約800〜1600℃の範囲内で行なう。焼成雰囲気は、セラミック粉末や導体材料により異なり、大気中、還元雰囲気中、非酸化性雰囲気中等で行なわれ、有機成分の除去を効果的に行なうために水蒸気等を含ませてもよい。
セラミック材料としてガラスセラミックスのような低温焼結材料を用いる場合、グリーンシート積層体4の上下面にさらに拘束グリーンシートを積層して焼成し、焼成後に拘束シートを除去するようにすれば、より高寸法精度のセラミック基板を得ることが可能となる。拘束グリーンシートは、Al等の難焼結性無機材料を主成分とするグリーンシートであり、焼成時に収縮しないものである。この拘束グリーンシートが積層された積層体は、収縮しない拘束グリーンシートにより積層平面方向(xy平面方向)の収縮が抑制され、積層方向(z方向)にのみ収縮するので、焼成収縮に伴う寸法ばらつきが抑制される。
また、拘束グリーンシートには難焼結性無機成分に加えて、焼成温度以下の軟化点を有するガラス成分、例えばセラミックグリーンシート3中のガラスと同じガラスを含有させるとよい。焼成中にこのガラスが軟化してセラミックグリーンシート3と結合することにより、セラミックグリーンシート3と拘束グリーンシートとの結合が強固となり、より確実な拘束力が得られる。このときのガラス量は、難焼結性無機成分とガラス成分を合わせた無機成分に対して外添加で、0.5乃至15質量%とするとよく、拘束力が向上し、かつ拘束グリーンシートの焼成収縮が0.5%以下に抑えられる。
焼成後の拘束グリーンシートの除去方法としては、例えば研磨、ウォータージェット、ケミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げられる。
焼成後の電子部品は、その表面に露出した導体層2の表面に、導体層2の腐食防止のために、または半田や金属ワイヤ等の外部基板や電子部品との接続手段の良好な接続のために、NiやAuのめっきを施すとよい。
以上のような方法で作製された電子部品は、その内部にデラミネーションを有さず寸法精度が高く、かつ高精度な導体を有しており、電子部品として要求される優れた電気特性や気密性の高いものとなる。
(a)〜(d)は、本発明の電子部品の製造方法の実施の形態の一例を示す工程毎の断面図である。
符号の説明
1・・・支持体
2・・・導体層
2a・・導体ペースト
3・・・導体層付きセラミックグリーンシート
3a・・セラミックスラリー
4・・・セラミックグリーンシート積層体

Claims (2)

  1. 支持体上に導体ペーストを塗布し乾燥することにより導体層を形成する工程と、
    該導体層が形成された該支持体上にセラミックスラリーを塗布し、熱処理を施すことにより乾燥し、導体層付きセラミックグリーンシートを形成する工程と、
    該導体層付きセラミックグリーンシートを複数枚位置合わせして積み重ね、0.1〜1MPaの加圧を行い積層してセラミックグリーンシート積層体を形成する工程と、
    該セラミックグリーンシート積層体を焼成する工程とを有しており、
    前記導体ペーストは、前記セラミックスラリーを乾燥させる際の熱処理により溶融状態となる溶融成分を含有しており、前記熱処理により、前記溶融成分を前記セラミックスラリー内へ拡散させ、前記導体層に含まれる有機バインダを前記導体層と前記セラミックスラリーとの界面へ移動させることを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記溶融成分の融点が40乃至100℃であることを特徴とする請求項1記載の電子部品の製造方法。
JP2006019481A 2006-01-27 2006-01-27 電子部品の製造方法 Expired - Fee Related JP4991158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006019481A JP4991158B2 (ja) 2006-01-27 2006-01-27 電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006019481A JP4991158B2 (ja) 2006-01-27 2006-01-27 電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007201273A JP2007201273A (ja) 2007-08-09
JP4991158B2 true JP4991158B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=38455530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006019481A Expired - Fee Related JP4991158B2 (ja) 2006-01-27 2006-01-27 電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4991158B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009054832A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Daiken Kagaku Kogyo Kk 積層パターン形成方法とその形成装置、積層体、電子回路部品及び多層回路基板の製造方法
JP5159229B2 (ja) * 2007-09-27 2013-03-06 京セラ株式会社 配線基板の製造方法
JP4483929B2 (ja) * 2007-10-30 2010-06-16 セイコーエプソン株式会社 導体パターン形成用インク、導体パターンおよび配線基板
JP5052380B2 (ja) * 2008-03-27 2012-10-17 京セラ株式会社 セラミック配線基板の製造方法
JP5213494B2 (ja) * 2008-03-27 2013-06-19 京セラ株式会社 セラミック基板の製造方法
JP6077224B2 (ja) * 2012-05-18 2017-02-08 日本特殊陶業株式会社 セラミック多層基板の製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6029209B2 (ja) * 1976-11-30 1985-07-09 日本電気株式会社 積層セラミツクコンデンサの製造方法
JPH0236512A (ja) * 1988-07-27 1990-02-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH0268806A (ja) * 1988-09-02 1990-03-08 Alps Electric Co Ltd 導電ペースト
JPH09283360A (ja) * 1996-04-16 1997-10-31 Fuji Elelctrochem Co Ltd 積層部品用グリーンシートの製造方法
JP2003347150A (ja) * 2002-05-29 2003-12-05 Kyocera Corp 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4302456B2 (ja) * 2003-07-24 2009-07-29 サカタインクス株式会社 金属粉末の分散方法及びその方法によって得られる金属粉末分散体
JP2005228610A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Murata Mfg Co Ltd 導電性ペースト及びセラミック電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007201273A (ja) 2007-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4991158B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4849846B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP5409117B2 (ja) セラミックグリーンシートおよびセラミック多層基板の製造方法
JP5213494B2 (ja) セラミック基板の製造方法
JP4953626B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP2012129447A (ja) 電子部品の製造方法
JP4562409B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4721742B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4726566B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4651519B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4683891B2 (ja) 導体形成用シートおよび導体の形成方法ならびに電子部品の製造方法
JP4771819B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP4471924B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP2007266042A (ja) 積層構造体の製造方法
JP2006100448A (ja) 電子部品の製造方法
JP2006310805A (ja) 電子部品の製造方法
JP4095468B2 (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JP5052380B2 (ja) セラミック配線基板の製造方法
JP4804110B2 (ja) 配線基板の製造方法
JP2005277167A (ja) 電子部品の製造方法
JP3811381B2 (ja) ガラスセラミック基板の製造方法
JP4646537B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP2006066627A (ja) 電子部品の製造方法
JP2006185955A (ja) 電子部品の製造方法
JP4638169B2 (ja) 電子部品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees