JP2002009438A - ガラスセラミック基板の製造方法 - Google Patents
ガラスセラミック基板の製造方法Info
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Abstract
縮を確実に拘束して、寸法精度が極めて高い、良好な表
面状態のガラスセラミック基板を得る方法を提供するこ
とである。 【解決手段】 (i)表面に導体パターンが形成されたガ
ラスセラミック・グリーンシートの複数枚を積層して積
層体を作製し、(ii)積層体の両面に、ガラスと溶剤とを
含む密着剤層を介在させて、難焼結性無機材料と有機バ
インダーとを含む拘束グリーンシートを積層し、(iii)
積層体から有機成分を除去し、ついで焼成して拘束シー
トを保持したガラスセラミック基板を作製し、(iv)基板
から拘束シートを除去する工程からなり、(v)密着剤層
のガラス含有量が、焼成時に拘束グリーンシートをガラ
スセラミック・グリーンシートと結合させかつ焼成後に
拘束シートとともにガラスセラミック基板から除去され
る量である。
Description
ップ部品等を搭載し、それらを相互配線するための多層
ガラスセラミック基板の製造方法に関する。
型化、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板
も小型化、軽量化が望まれている。このような要求に対
して、基板内に内部電極等を配した多層セラミック基板
は、要求される高密度配線が可能となり、かつ薄型化が
可能なことから、今日のエレクトロニクス業界において
重要視されている。
焼結体からなり、表面または内部にタングステン、モリ
ブデン等の高融点金属からなる配線層が形成された絶縁
基板が従来より広く用いられている。
される周波数帯域はますます高周波化に移行しつつあ
る。このような高周波の信号の伝送を行なう高周波配線
基板においては、高周波信号を高速で伝送する上で、配
線層を形成する導体の抵抗が小さいことが要求され、絶
縁基板にもより低い誘電率が要求される。
ブデン(Mo)等の高融点金属は導体抵抗が大きく、信
号の伝播速度が遅く、また30GHz以上の高周波領域の
信号伝播も困難であることから、タングステン、モリブ
デン等の金属に代えて銅(Cu)、銀(Ag)、金(A
u)等の低抵抗金属を使用することが必要である。とこ
ろが、上記のような低抵抗金属は融点が低いため、800
〜1100℃程度の低温で焼成することが必要であることか
ら、該低抵抗金属からなる配線層は、高温焼成が必要な
アルミナと同時焼成することができなかった。また、ア
ルミナ基板は誘電率が高いため、高周波回路基板には不
適切である。
ス(無機質フィラー)との混合物を焼成して得られるガ
ラスセラミックスを絶縁基板として用いることが注目さ
れている。すなわち、ガラスセラミックスは誘電率が低
いため高周波用絶縁基板として好適であり、またガラス
セラミックスは800〜1100℃の低温で焼成することがで
きることから、銅、銀、金等の低抵抗金属を配線層とし
て使用できるという利点がある。
ィラーとの混合物に有機バインダー、可塑剤、溶剤等を
加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりガラス
セラミック・グリーンシートを成形した後、銅、銀、金
等の低抵抗金属の粉末を含有する導体ペーストを印刷す
るなどして前記グリーンシート上に導体パターンを形成
し、ついで複数枚のグリーンシートを積層して800〜110
0℃の温度で焼成して得られる。
焼成過程において焼結に伴う収縮を生じるという問題が
ある。このような収縮の程度は一様ではなく、使用する
基板用無機材料、グリーンシート組成、原料である粉体
粒度のバラツキ、導体パターン、内部電極材料等により
収縮率や収縮方向が異なってくる。このことは、多層ガ
ラスセラミック基板の作製において、いくつかの問題を
ひき起こす。
製する際、基板の収縮率から逆算してスクリーン版の大
きさを決定しなければならないが、上記のように基板の
収縮率や収縮方向は一定でないため、スクリーン版は基
板の製造ロット毎に作り直さなければならず不経済であ
り現実的ではない。さらに、上記のようなグリーンシー
ト積層法によって作製される多層ガラスセラミック基板
では、グリーンシートの造膜方向によって積層面内の縦
方向と横方向の収縮率が異なるため、多層ガラスセラミ
ック基板の作製がより一層困難なものになる。
必要以上に大きい面積の電極を形成する場合には、高密
度な配線ができなくなる。
回路設計による基板の収縮率の傾向を調べたり、製造工
程において基板材料およびグリーンシート組成の管理、
粉体粒度のバラツキ、プレス圧や温度等の積層条件を充
分管理する必要がある。しかし、一般に収縮率の誤差は
±0.5%程度は存在するといわれている。
かわらずセラミックスやガラスセラミックス等の焼結に
伴うものに共通する課題である。このような課題を解決
するために、特開平4−293978号公報、特開平5−2886
7号公報、特開平5−102666号公報では、以下の(1)
〜(4)の工程を含む基板の製造方法が提案されてい
る。
ー、可塑剤等の有機成分とを含むガラスセラミック・グ
リーンシートに導体パターンを形成したものを所望枚数
積層し、(2)得られたガラスセラミック・グリーンシ
ートの積層体の両面または片面に、前記ガラスセラミッ
ク成分の焼成温度では焼結しない無機材料とバインダ
ー、可塑剤等の有機成分とを含む拘束グリーンシートを
積層し、(3)これらガラスセラミック・グリーンシー
トの積層体と拘束グリーンシーとの積層体を加熱して、
まず有機成分を除去し、ついで焼成して、それぞれガラ
スセラミック基板および拘束シートとなし、(4)最後
に、ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する。
トがガラスセラミック・グリーンシートの焼成時の収縮
を拘束するため、積層体の厚さ方向のみに収縮が起こ
り、積層面の縦・横方向には収縮が起こらなくなり、ガ
ラスセラミック基板の寸法精度が向上すると考えられて
いる。
スセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートと
の結合は、それらのグリーンシート内に含有されている
バインダー等の有機成分により行われる。しかし、
(3)の焼成工程において、バインダー、可塑剤等の有
機成分が分解し揮散した後は、拘束グリーンシート中の
粉体とガラスセラミック・グリーンシート中の粉体とが
単に密着して接触しているだけであり、それらのシート
間にはファンデルワールス力による弱い結合が働いてい
るだけである。
ける拘束シートの除去が簡単になるという利点があるも
のの、(3)の焼成工程でガラスセラミック・グリーン
シート積層体から拘束グリーンシートがそれらの熱膨張
差等により不用意に剥離するおそれがある。
と、ガラスセラミック・グリーンシートの焼結収縮を防
止できなくなる。また、拘束グリーンシートの剥離がた
とえ一部であっても、当該部分において収縮が起こるた
めガラスセラミック基板の変形が発生することになる。
積層体と拘束グリーンシートとは結合力が小さいため、
焼成前のそれらの密着状態や、ガラスセラミック成分の
種類によるガラスセラミック・グリーンシート中のガラ
ス成分の拘束グリーンシート内への浸透性によってはそ
れらの結合力にムラが生じやすい。結合力にムラがある
と、ガラスセラミックの焼結収縮を拘束する力にムラが
でき、収縮ムラが起こり、ガラスセラミック基板の反
り、変形等が発生することになる。その結果、寸法精度
の高い基板が得られないという問題がある。
ーンシートの積層面内での焼結収縮を確実に拘束して、
寸法精度の高いガラスセラミック基板を得る方法を提供
することである。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(I)拘束グリー
ンシートとガラスセラミック・グリーンシートとの間に
ガラス成分を含有させた密着剤層を介在させておくと、
そのガラス成分が焼成過程でガラスセラミック・グリー
ンシートと拘束グリーンシートとを結合する結合材とし
て作用するため、それらの間の結合力が高まり、拘束グ
リーンシートが剥離するのを防止できること、(II)密
着剤層中のガラス成分の含有量を焼成後に拘束シートと
ともにガラスセラミック基板から除去される量とするこ
とにより、ガラスセラミック基板の表面に悪影響を与え
ずに確実に拘束できること、その結果、(III)拘束グ
リーンシートによりガラスセラミック・グリーンシート
積層体の収縮が確実に抑えられ、寸法精度の高いガラス
セラミック基板を得ることができるという新たな事実を
見出し、本発明を完成するに到った。
の製造方法は、(i)有機バインダーを含有し表面に導
体パターンが形成されたガラスセラミック・グリーンシ
ートの複数枚を積層してガラスセラミック・グリーンシ
ート積層体を作製する工程と、(ii)前記ガラスセラミ
ック・グリーンシート積層体の両面に、ガラスと溶剤と
を含む密着剤層を介在させて、難焼結性無機材料と有機
バインダーとを含む拘束グリーンシートを積層する工程
と、(iii)前記拘束グリーンシートとガラスセラミッ
ク・グリーンシート積層体との積層体から有機成分を除
去し、ついで焼成して拘束シートを保持したガラスセラ
ミック基板を作製する工程と、(iv)前記ガラスセラミ
ック基板から拘束シートを除去する工程とを含み、
(v)前記密着剤層のガラス含有量が、焼成時に前記拘
束グリーンシートを前記ガラスセラミック・グリーンシ
ートと結合させかつ焼成後に拘束シートとともにガラス
セラミック基板から除去される量であることを特徴とす
る。
れるガラスの軟化点は、前記ガラスセラミック・グリー
ンシート積層体の焼成温度以下であるのがよい。これに
より、焼成工程で拘束グリーンシート中のガラスが軟化
し、結合力が高まる。
の軟化点は、前記有機成分の揮発温度よりも高いのがよ
い。前記ガラスの軟化点が有機成分の揮発温度よりも低
い場合には、分解・揮散した有機成分が通過するための
除去経路が軟化したガラスによって閉塞されてしまうお
それがある。
層成分のうち0.5〜50重量%であるのがよい。通常はこ
の範囲が積層時に前記ガラスセラミック・グリーンシー
トと拘束グリーンシートの密着性を損なわず、焼成時に
前記ガラスセラミック・グリーンシートと結合しかつ焼
成後に拘束シートとともにガラスセラミック基板から除
去される量となる。0.5重量%より少ない場合は焼成時
に結合剤として働くガラス量が少ないために拘束シート
とガラスセラミック・グリーンシートの結合が不十分と
なる。50重量%より多い場合はガラス量が多いために積
層時に拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリー
ンシートが密着する面積が小さくなり焼成前の密着性が
悪くなるおそれがある。また、焼成後に拘束シートを除
去する際にはガラスセラミック基板上に強固なガラス層
が形成されるために拘束シートの除去が困難になる。な
お、使用するガラスの種類等によってガラス含有量は変
化するが、0.5〜50重量%程度がよい。
製造方法について以下に詳細に説明する。
ンシートは、ガラス粉末、フィラー粉末(セラミック粉
末)、さらに有機バインダー、可塑剤、有機溶剤等を混
合したものが用いられる。
03系、SiO2−B2O3−Al2O3系、SiO2−B2O
3−Al2O3−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、
BaまたはZnを示す)、SiO2−Al2O3−M1O−
M2O系(但し、M1およびM 2は同一または異なってC
a、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO2−
B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1および
M2は前記と同じである)、SiO2−B2O3−M3 2O系
(但し、M3はLi、NaまたはKを示す)、SiO2−
B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じ
である)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられ
る。
2O3、SiO2、ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との
複合酸化物、TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複
合酸化物、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なく
とも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル、ムライ
ト、コージェライト)等が挙げられる。
ガラスセラミック基板材料に用いられる割合であり、重
量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
される有機バインダーとしては、従来よりセラミックグ
リーンシートに使用されているものが使用可能であり、
例えばアクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそ
れらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的に
はアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル
共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル
共重合体等)、ポリビニルブチラ−ル系、ポリビニルア
ルコール系、アクリル−スチレン系、ポリプロピレンカ
ーボネート系、セルロース系等の単独重合体または共重
合体が挙げられる。
記ガラス粉末、フィラー粉末、有機バインダーに必要に
応じて所定量の可塑剤、溶剤(有機溶剤、水等)を加え
てスラリーを得、これをドクターブレード、圧延、カレ
ンダーロール、金型プレス等により厚さ約50〜500μm
に成形することによって得られる。
導体パターンを形成するには、例えば導体材料粉末をペ
ースト化したものをスクリーン印刷法やグラビア印刷法
等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属
箔を転写する等の方法が挙げられる。導体材料として
は、例えばAu、Ag、Cu、Pd(パラジウム)、P
t(白金)等の1種または2種以上が挙げられ、2種以
上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態
であってもよい。
間の導体パターン同士を接続するためのビア導体やスル
ーホール導体等の貫通導体が表面に露出した部分も含ま
れる。これら貫通導体は、パンチング加工等によりガラ
スセラミック・グリーンシートに形成した貫通孔に、導
体材料粉末をペースト化したもの(導体ペースト)を印
刷により埋め込む等の手段によって形成される。
には、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱
圧着する方法、有機バインダー、可塑剤、溶剤等からな
る接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用
可能である。
焼結性無機材料からなる無機成分に有機バインダー、可
塑剤、溶剤等を加えたスラリーを成形して得られる。難
焼結性無機材料としては、Al2O3およびSiO2から
選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これらに制限
されるものではない。
同じガラス成分を含有させて拘束グリーンシートとガラ
スセラミック・グリーンシートの結合力をより高めるよ
うにしてもよい。その場合のガラス成分の量は、焼成時
に拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮さ
せない量であるのがよい。
に積層される拘束グリーンシートの厚さは、片面だけで
ガラスセラミック・グリーンシート積層体の厚さに対し
て10%以上であるのが好ましく、これよりも薄いと拘束
グリーンシートの拘束性が低下するおそれがある。ま
た、有機成分の揮散を容易にしかつガラスセラミック基
板からの拘束シートの除去を考慮すると、拘束グリーン
シートの厚さはガラスセラミック・グリーンシート積層
体の厚さの約200%以下であるのがよい。また、積層さ
れる拘束シートは1枚のものであってもよく、あるいは
所定の厚みになるように複数枚を積層したものであって
もよい。
・グリーンシートの作製と同様にして、有機バインダ
ー、可塑剤、溶剤等を用いて成形することによって得ら
れる。有機バインダー、可塑剤および溶剤としては、ガ
ラスセラミック・グリーンシートで使用したのと同様な
材料が使用可能である。ここで、可塑剤を添加するの
は、拘束グリーンシートに可撓性を付与し、積層時にガ
ラスセラミック・グリーンシートとの密着性を高めるた
めである。
有機溶剤等を混合したものが用いられる。さらに、有機
バインダー成分を含有させて焼成前のグリーンシート間
の結合力を高めたり、塗布しやすい粘度に調整したりす
ることもできる。また、分散剤等を添加して密着剤中の
ガラスの分散性をよくすることもできる。
れるものではなく、前記したガラスセラミック・グリー
ンシートに配合されるガラスと同様のものが使用可能で
ある。また、密着剤中のガラスは、ガラスセラミック・
グリーンシート中のガラスと同一組成のものであっても
よく、異なる組成のものであってもよい。
ミック・グリーンシート積層体の焼成温度以下で、かつ
グリーンシート中の有機成分の分解・揮散温度よりも高
いのが好ましい。具体的には、密着剤中のガラスの軟化
点は450〜1100℃程度であるのが好ましい。ガラスの軟
化点が450℃未満の場合には、ガラスセラミック・グリ
ーンシートからの有機成分の除去時に、軟化したガラス
が分解・揮散した有機成分の除去経路を塞ぐことになり
有機成分を完全に除去できないおそれがある。一方、ガ
ラスの軟化点が1100℃を超える場合には、通常のガラス
セラミック・グリーンシートの焼成条件では該グリーン
シートへの結合材として作用しなくなるおそれがある。
ることが望ましい。これより大きいと、グリーンシート
積層時にガラス粒子がガラスセラミック・グリーンシー
ト上の導体パターンに食い込むことがあり、それにより
焼成後の導体の表面粗さが大きくなったり、導体中に欠
陥が発生したりするおそれがあるからである。なお、拘
束グリーンシートが導体パターンより軟らかく、ガラス
が拘束グリーンシートの方に食い込む場合はこのような
制限を受けるものではない。
せ、グリーンシート間の結合性を阻害しないものであれ
ば特に制限されるものではない。また、複数の溶剤を混
合して用いることもできる。グリーンシートに可撓性を
付与したり、グリーンシート表面を膨潤させたり、溶解
させたりしてグリーンシート間の結合力を高めるような
ものを用いるとよいが、具体的にはジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテート(BCA)、フタル酸
ジ−n−ブチル(dibutyl phthalate:DBP)、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル(di-sec-octyl phthalat
e:DOP)、テルピネオール、トルエン、酢酸ブチ
ル、酢酸エチル等が挙げられるが、グリーンシートによ
り適当な溶剤として異なるものを使用してもよい。
ラミック・グリーンシートの両面に積層するには、密着
剤層をシート間に形成して例えば圧着する方法を採用す
る。例えば、密着剤をスクリーン印刷で拘束グリーンシ
ートに塗布し、ガラスセラミック・グリーンシート積層
体に積層して熱圧着する方法である。
を作製した後、有機成分の除去と焼成を行なう。有機成
分の除去は100〜800℃の温度範囲でこの積層体を加熱す
ることによって行い、有機成分を分解・揮散させる。ま
た、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、
通常は約800〜1100℃の範囲内である。焼成は通常、大
気中で行なうが、導体材料にCuを使用する場合には10
0〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去
を行い、ついで窒素雰囲気中で焼成を行なう。
に、積層体上面に重しを載せる等して荷重をかけてもよ
い。荷重は50Pa〜1MPa程度が適当である。荷重が
50Pa未満である場合は、積層体の反り抑制作用が充分
でないおそれがある。また、荷重が1MPaを超える場
合は、使用する重しが大きくなるため焼成炉に入らなか
ったり、また焼成炉に入っても熱容量不足になり焼成で
きないなどの問題をひき起こすおそれがある。重しとし
ては、分解した有機成分の揮散を妨げないように、例え
ば多孔質のセラミックスや金属等を使用するのが好まし
い。積層体の上面に多孔質の重しを置き、その上に非多
孔質の重しを置いてもよい。
密着剤層はそのガラス含有量を上記所定の量としたこと
から拘束シートとともに除去できる。除去方法として
は、ガラスセラミック基板の表面に結合した拘束シート
および密着剤層を除去できる方法であれば特に制限はな
く、例えば超音波洗浄、研磨、ウォータージェット、ケ
ミカルブラスト、サンドブラスト、ウェットブラスト
(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げ
られる。
成時の収縮が拘束グリーンシートによって厚さ方向だけ
に抑えられているので、その積層面内の収縮をおよそ0.
5%以下にも抑えることが可能となり、しかもガラスセ
ラミック・グリーンシートは拘束グリーンシートによっ
て全面にわたって均一にかつ確実に結合されているの
で、拘束グリーンシートの一部剥離等によって反りや変
形が起こるのを防止することができる。
を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定
されるものではない。
て、SiO2−Al203−MgO−B203−ZnO系ガ
ラス粉末60重量%、CaZrO3粉末20重量%、SrT
iO3粉末17重量%およびAl2O3粉末3重量%を使用
した。このガラスセラミック成分100重量部に有機バイ
ンダーとしてアクリル樹脂12重量部、フタル酸系可塑剤
6重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボ
ールミル法により混合しスラリーとした。このスラリー
を用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラ
スセラミック・グリーンシートを成形した。
ジウムペーストを用いて導体パターンをスクリーン印刷
にて形成した。導体ペーストとしては、Ag:Pdが重
量比で85:15である合金粉末(平均粒径1.0μm)100重
量部に対してAl2O3粉末2重量部および前記ガラスと
同組成のガラス粉末2重量部、さらにビヒクル成分とし
て所定量のエチルセルロース系樹脂、テルピネオールを
加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合し
たものを用いた。
て、ガラスセラミック・グリーンシートと同様にしてス
ラリーを作製し、ついで成形して厚さ250μmの拘束グ
リーンシートを得た。
O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末25重量%と
DBP39重量%、BCA31.2重量%、アクリル系バイン
ダー4.8重量%を混合したものを用いた。
ック・グリーンシートの所定枚数を積み重ねてガラスセ
ラミック・グリーンシート積層体を得、さらにその両面
に密着剤を塗布した拘束グリーンシートを重ね合わせ、
温度55℃、圧力20MPaで圧着して積層体を得た。
し、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した
後、900℃で1時間焼成した。焼成後は、ガラスセラミ
ック基板の両面に拘束シートが付着していた。この状態
では、軽く叩いても拘束シートが剥がれることはなかっ
た。
束シートは、擦り取ることにより大部分は除去できた
が、ガラスセラミック基板表面に密着剤層とともに薄く
残留していた。この残留した拘束シートおよび密着剤層
を、球状Al2O3微粉未と水との混合物を高圧の空気圧
で投射するウェットブラスト法により除去した。拘束シ
ートおよび密着剤層を除去した後のガラスセラミック基
板の表面は、表面祖さRaが1μm以下の平滑な面とな
り、導体の半田濡れ性も問題なかった。
層面内での収縮は0.5%以下であり、基板に反りや変形
も認められなかった。
℃および700℃のガラスをそれぞれ用いて密着剤を作製
した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板
を得た。
作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック
基板を得た。
いて密着剤を作製した以外は実施例1と同様にしてガラ
スセラミック基板を得た。
いて密着剤を作製した以外は実施例1と同様にしてガラ
スセラミック基板を得た。
ガラスセラミック基板は、実施例1と同様に積層面内で
の収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)で
あり、基板に反りや変形は認められなかった。
得たガラスセラミック基板は、使用した密着剤層がガラ
スを含まないか、あるいは焼成温度よりも高い軟化点を
有するガラスを含んでいるために、いずれも焼成後のガ
ラスセラミック基板から拘束グリーンシートが簡単に剥
がれてしまった。また、ガラスセラミック・グリーンシ
ートと拘束グリーンシートとの間の結合力が弱いため、
ガラスセラミック基板の積層面内での収縮率は85%程度
になるか、基板の一部のみが拘束シートに結合されてい
るためにガラスセラミック基板は大きく変形した。
ガラスの軟化点が低いため、有機成分が完全に除去され
ず、このためガラスセラミック基板の積層面内での収縮
は0.5%以下と良好であったが、ガラスセラミック基板
の色調が灰色になった。
して、SiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉
末70重量%、Al2O3粉末30重量%を使用した。このガ
ラスセラミック成分100重量部に有機バインダーとして
アクリル樹脂9.0重量部、フタル酸系可塑剤4.5重量部お
よび溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法
により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてド
クターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミッ
ク・グリーンシートを成形した。
と同じ銀−パラジウムペーストを用いて導体パターンを
スクリーン印刷にて形成した。
準備した。
gO−CaO−Al2O3系ガラス粉末とDBP、BC
A、アクリル系バインダーをそれぞれ表1に示す割合で
混合したものを用いて作製した。
ミック・グリーンシートの所定枚数を積み重ねてガラス
セラミック・グリーンシート積層体を得、さらにその両
面に、積層体との被着面にスクリーン印刷により塗布し
て密着剤層を形成した拘束グリーンシートを重ね合わ
せ、温度55℃、圧力20MPaで圧着して積層体を得た。
し、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した
後、850℃で1時間焼成した。ついで、ガラスセラミッ
ク基板の表面に付着した拘束シートを除去した。得られ
たガラスセラミック基板の表面は、表面粗さ(算術平均
粗さ)Raが1μm以下の平滑な面となり、導体の半田
濡れ性も問題なかった。
層面内での収縮率を表1に併せて示す。なお、ガラスセ
ラミック基板に反りや変形は認められなかった。
して得られたガラスセラミック基板は焼成時の収縮が抑
制され、高い寸法精度を有していることがわかる。
リーンシート積層体の両面に、焼成時に結合剤として働
くガラスを含む密着剤層を介してこの積層体と結合し、
かつ焼成時に実質的に収縮しない拘束グリーンシートを
積層して焼成するので、ガラスセラミック・グリーンシ
ート基板の積層面内の収縮を確実に抑えることができ、
また密着剤層は拘束シートとともに除去されることか
ら、反りや変形のないより寸法精度の高いガラスセラミ
ック基板が得られるという効果がある。
Claims (5)
- 【請求項1】有機バインダーを含有し表面に導体パター
ンが形成されたガラスセラミック・グリーンシートの複
数枚を積層してガラスセラミック・グリーンシート積層
体を作製する工程と、 前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面
に、ガラスと溶剤とを含む密着剤層を介在させて、難焼
結性無機材料と有機バインダーとを含む拘束グリーンシ
ートを積層する工程と、 前記拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリーン
シート積層体との積層体から有機成分を除去し、ついで
焼成して拘束シートを保持したガラスセラミック基板を
作製する工程と、 前記ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する工
程とを含み、 前記密着剤層のガラス含有量が、焼成時に前記拘束グリ
ーンシートを前記ガラスセラミック・グリーンシートと
結合させかつ焼成後に拘束シートとともにガラスセラミ
ック基板から除去される量であることを特徴とするガラ
スセラミック基板の製造方法。 - 【請求項2】前記密着剤層中に含有されるガラスの軟化
点が、前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の
焼成温度以下である請求項1記載のガラスセラミック基
板の製造方法。 - 【請求項3】前記密着剤層中に含有されるガラスの軟化
点が、前記有機成分の揮発温度よりも高い請求項1また
は2記載のガラスセラミック基板の製造方法。 - 【請求項4】前記密着剤層中のガラス含有量が、前記密
着剤層成分のうち5〜50重量%である請求項1記載のガ
ラスセラミック基板の製造方法。 - 【請求項5】前記拘束グリーンシートの厚さが片面で前
記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の厚さに対
して10%以上である請求項1記載のガラスセラミック基
板の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2011204847A (ja) * | 2010-03-25 | 2011-10-13 | Murata Mfg Co Ltd | 多層セラミック基板の製造方法 |
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- 2000-06-19 JP JP2000182823A patent/JP3909196B2/ja not_active Expired - Fee Related
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