JP2004146701A - ガラスセラミック基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラスセラミック・グリーンシートの焼結収縮を確実に拘束して、ガラスセラミック基板の周辺部分の変形やクラック等の発生を抑えることにより、寸法精度が高くかつ高信頼性のガラスセラミック基板を得る方法を提供することである。
【解決手段】(i)表面に導体パターン2が形成されたガラスセラミック・グリーンシート積層体1を作製し(ii)積層体1の両面に、難焼結性無機材料とガラスとを含む、少なくとも一方が周辺部の厚みが中央部より厚い拘束グリーンシート3・3’を積層し、(iii)積層体1から有機成分を除去し、ついで焼成して、拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製し、(iv)基板から拘束シートを除去する工程からなり、(v)拘束グリーンシート3・3’のガラス含有量が、焼成時にガラスセラミック・グリーンシートと結合しかつ積層面内で実質的に収縮させない量である。
【選択図】 図2
【解決手段】(i)表面に導体パターン2が形成されたガラスセラミック・グリーンシート積層体1を作製し(ii)積層体1の両面に、難焼結性無機材料とガラスとを含む、少なくとも一方が周辺部の厚みが中央部より厚い拘束グリーンシート3・3’を積層し、(iii)積層体1から有機成分を除去し、ついで焼成して、拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製し、(iv)基板から拘束シートを除去する工程からなり、(v)拘束グリーンシート3・3’のガラス含有量が、焼成時にガラスセラミック・グリーンシートと結合しかつ積層面内で実質的に収縮させない量である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体LSI、チップ部品等を搭載し、それらを相互配線するためのガラスセラミック基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体LSI、チップ部品等は小型化、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も小型化、軽量化が望まれている。このような要求に対して、基板内に内部電極等を配した多層セラミック基板は、要求される高密度配線が可能となり、かつ薄型化が可能なことから、今日のエレクトロニクス業界において重要視されている。
【0003】
多層セラミック基板としては、アルミナ質焼結体からなり、表面または内部にタングステン、モリブデン等の高融点金属からなる配線層が形成された絶縁基板が従来より広く用いられている。
【0004】
一方、近年の高度情報化時代を迎え、使用される周波数帯域はますます高周波帯に移行しつつある。このような高周波の信号の伝送を行なう高周波配線基板においては、高周波信号を高速で伝送する上で、配線層を形成する導体の抵抗が小さいことが要求され、絶縁基板にもより低い誘電率が要求される。
【0005】
しかし、従来のタングステン、モリブデン等の高融点金属は導体抵抗が大きく、信号の伝播速度が遅く、また30GHz以上の高周波領域の信号伝播も困難であることから、タングステン、モリブデン等の金属に代えて銅、銀、金等の低抵抗金属を使用することが必要である。ところが、上記のような低抵抗金属は融点が低いため、800〜1000℃程度の低温で焼成することが必要であることから、該低抵抗金属からなる配線層は、高温焼成が必要なアルミナと同時焼成することができなかった。また、アルミナ基板は誘電率が高いため、高周波回路基板には不適切である。
【0006】
このため、最近では、ガラスとセラミックス(無機質フィラー)との混合物を焼成して得られるガラスセラミックスを絶縁基板として用いることが注目されている。すなわち、ガラスセラミックスは誘電率が低いため高周波用絶縁基板として好適であり、またガラスセラミックスは800〜1000℃の低温で焼成することができることから、銅、銀、金等の低抵抗金属を配線層として使用できるという利点がある。
【0007】
多層ガラスセラミック基板は、ガラスとフィラーとの混合物に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりガラスセラミック・グリーンシートを成形した後、銅、銀、金等の低抵抗金属の粉末を含有する導体ペーストを印刷するなどして前記グリーンシート上に導体パターンを形成し、ついで複数枚のグリーンシートを積層して800〜1000℃の温度で焼成して得られる。
【0008】
ところが、多層ガラスセラミック基板は、焼成過程において焼結に伴う収縮を生じるという問題がある。このような収縮の程度は一様ではなく、使用する基板用無機材料、グリーンシート組成、原料である粉体粒度のバラツキ、導体パターン、内部電極材料等により収縮率や収縮方向が異なってくる。このことは、多層ガラスセラミック基板の作製において、いくつかの問題をひき起こす。
【0009】
先ず、内部電極印刷用のスクリーン版を作製する際、基板の収縮率から逆算してスクリーン版の大きさを決定しなければならないが、上記のように基板の収縮率や収縮方向は一定でないため、スクリーン版は基板の製造ロット毎に作り直さなければならず不経済であり現実的ではない。さらに、上記のようなグリーンシート積層法によって作製される多層ガラスセラミック基板では、グリーンシートの造膜方向によって積層面内の縦方向と横方向の収縮率が異なるため、多層ガラスセラミック基板の作製がより一層困難なものになる。
【0010】
これに対して、収縮誤差を許容するように必要以上に大きい面積の電極を形成する場合には、高密度な配線ができなくなる。
【0011】
これらの収縮変化を小さくするためには、回路設計による基板の収縮率の傾向を調べたり、製造工程において基板材料およびグリーンシート組成の管理、粉体粒度のバラツキ、プレス圧や温度等の積層条件を充分管理する必要がある。しかし、それでも一般に収縮率の誤差として±0.5%程度はどうしても発生するといわれている。
【0012】
このことは多層ガラスセラミック基板にかかわらずセラミックスやガラスセラミックス等の焼結を伴うものに共通する課題である。このような課題を解決するために、特開平4−243978号公報、特開平5−28867号公報、特開平5−102666号公報では、以下の(1)〜(4)の工程を含む基板の製造方法が提案されている。
(1)ガラスセラミック成分とバインダ、可塑剤等の有機成分とを含むガラスセラミック・グリーンシートに導体パターンを形成したものを所望枚数積層し、
(2)得られたガラスセラミック・グリーンシートの積層体の両面または片面に、前記ガラスセラミック成分の焼成温度では焼結しない無機材料とバインダ、可塑剤等の有機成分とを含む拘束グリーンシートを積層し、
(3)これらガラスセラミック・グリーンシートの積層体と拘束グリーンシートとの積層体を加熱して、まず有機成分を除去し、ついで焼成して、それぞれガラスセラミック基板および拘束シートとなし、
(4)最後に、ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する。
【0013】
この方法によれば、前記拘束グリーンシートがガラスセラミック・グリーンシートの焼成時の収縮を拘束するため、積層体の厚さ方向のみに収縮が起こり、積層面の縦・横方向には収縮が起こらなくなり、ガラスセラミック基板の寸法精度が向上すると考えられている。
【0014】
【特許文献1】
特開平4−243978号公報
【特許文献2】
特開平5−28867号公報
【特許文献3】
特開平5−102666号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、ガラスセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートとの結合は、それらのグリーンシート内に含有されているバインダ等の有機成分により行なわれる。しかし、(3)の焼成工程において、バインダ、可塑剤等の有機成分が分解し揮散した後は、拘束グリーンシート中の粉体とガラスセラミック・グリーンシート中の粉体とが単に密着して接触しているだけであり、それらのシート間にはファンデルワールス力による弱い結合が働いているだけである。
【0016】
このような弱い結合は、(4)の工程における拘束シートの除去が簡単になるという利点があるものの、(3)の焼成工程でガラスセラミック・グリーンシート積層体から拘束グリーンシートがそれらの熱膨張差等により不用意に剥離するおそれがある。
【0017】
焼成途中で拘束グリーンシートが剥離すると、ガラスセラミック・グリーンシートの焼結収縮を防止できなくなる。また、拘束グリーンシートの剥離がたとえ一部であっても、当該部分において収縮が起こるためガラスセラミック基板の変形が発生することになる。
【0018】
また、ガラスセラミック・グリーンシート積層体と拘束グリーンシートとは結合力が小さいため、焼成前のそれらの密着状態や、ガラスセラミック成分の種類によるガラスセラミック・グリーンシート中のガラス成分の拘束グリーンシート内への浸透性によってはそれらの結合力にムラが生じやすい。結合力にムラがあると、ガラスセラミックの焼結収縮を拘束する力にムラができ、収縮ムラが起こり、ガラスセラミック基板の反り、変形等が発生することになる。その結果、寸法精度の高い基板が得られないという問題がある。
【0019】
さらに、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の側面は拘束グリーンシートが積層されていないため、焼成中にガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼結に伴う収縮応力により、拘束グリーンシートの周辺部にガラスセラミック・グリーンシート積層体からの剥離を生じることがある。
【0020】
このように拘束グリーンシートの周辺部の剥離が生じると、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の周辺部に対する拘束が不十分となってしまい、ガラスセラミック基板の周辺部分に変形やクラック等が発生することになる。このため、ガラスセラミック基板上に抵抗体パターンを形成するために抵抗体ペーストをスクリーン印刷したり、あるいは半導体素子等の部品実装用の半田ペーストを印刷したりする際に、位置ズレにより印刷精度が著しく劣化するという問題点がある。
【0021】
本発明の目的は、ガラスセラミック・グリーンシートの積層面内での焼結収縮を確実に拘束して、さらに、ガラスセラミック基板の周辺部分の変形やクラック等の発生を抑えることにより、寸法精度が高くかつ高信頼性のガラスセラミック基板を得る方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(I)拘束グリーンシート内にガラス成分を含有させておくと、該ガラス成分が焼成過程でガラスセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートとを結合する結合材として作用するため、それらの間の結合力が高まり、拘束グリーンシートが剥離するのを防止できること、(II)焼成時における拘束グリーンシート自体の焼結収縮はガラスの含有量を所定範囲内に設定することにより実質的に回避できること、その結果、(III)拘束グリーンシートによりガラスセラミック・グリーンシート積層体の収縮が確実に抑えられ、寸法精度の高いガラスセラミック基板を得ることができること、さらに(IV)拘束グリーンシートの少なくとも一方の周辺部の厚みを中央部より厚くすることにより、ガラスセラミック基板の周辺部の変形やクラックの発生を抑制することができ、寸法精度が高くかつ高信頼性のガラスセラミック基板を得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0023】
すなわち、本発明のガラスセラミック基板の製造方法は、(i)有機バインダを含有し表面に導体パターンが形成されたガラスセラミック・グリーンシートの複数枚を積層してガラスセラミック・グリーンシート積層体を作製する工程と、(ii)前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面に、難焼結性無機材料とガラスと有機バインダとを含む拘束グリーンシートを積層する工程と、(iii)前記拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との積層体から有機成分を除去し、ついで焼成して、拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製する工程と、(iv)前記ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する工程とを含み、(v)前記拘束グリーンシートのガラス含有量が、前記焼成時に拘束グリーンシートを前記ガラスセラミック・グリーンシートと結合させかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量であり、(vi)前記拘束グリーンシートの少なくとも一方が、周辺部の厚みが中央部に比べて厚いことを特徴とする。
【0024】
ここで、「実質的に収縮させない」とは、拘束グリーンシートの収縮が1%以下、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下に抑制されていることを意味する。また、前記「積層面内」とは、三次元座標において厚さ方向をZ方向としたときのX方向およびY方向によって規定される面内をいい、具体的にはシートの縦方向および横方向を意味する。
【0025】
本発明において、前記拘束グリーンシートは、板状シートと枠状シートとを積層した2層構造であるのがよい。これにより、板状シートによって拘束グリーンシートの均一な拘束性を維持しつつ、枠状シートによって周辺部分の厚みを所望の厚みで厚くすることができる。
【0026】
本発明において、前記拘束グリーンシート中に含有されるガラスの軟化点は、前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼成温度以下であるのがよい。これにより、焼成工程で拘束グリーンシート中のガラスが軟化し、結合力が高まる。
【0027】
また、前記拘束グリーンシート中に含有されるガラスの軟化点は、前記有機成分の除去温度よりも高いのがよい。前記ガラスの軟化点が有機成分の除去温度よりも低い場合には、分解・揮散した有機成分が通過するための除去経路が軟化したガラスによって閉塞されてしまうおそれがある。
【0028】
前記拘束グリーンシート中のガラス含有量は、該拘束グリーンシート中の全無機成分の0.5〜15重量%であるのがよい。通常は、この範囲が焼成時に前記ガラスセラミック・グリーンシートと結合しかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量となるが、必ずしもこの範囲に制限されるものではなく、使用するガラスの種類等によってガラス含有量は変化する。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明におけるガラスセラミック・グリーンシートは、ガラス粉末、フィラー粉末(セラミック粉末)、さらに有機バインダ、可塑剤、有機溶剤等を混合したものが用いられる。
【0030】
ガラス成分としては、例えばSiO2−B2O3系、SiO2−B2O3−Al2O3系、SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同一または異なってCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は前記と同じである)、SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi、NaまたはKを示す)、SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
【0031】
また、前記フィラーとしては、例えばAl2O3、SiO2、ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル、ムライト、コージェライト)等が挙げられる。
【0032】
上記ガラスとフィラーの混合割合は重量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
【0033】
ガラスセラミック・グリーンシートに配合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルブチラ−ル系、ポリビニルアルコール系、アクリル−スチレン系、ポリプロピレンカーボネート系、セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0034】
ガラスセラミック・グリーンシートは、上記ガラス粉末、フィラー粉末、有機バインダに必要に応じて所定量の可塑剤、溶剤(有機溶剤、水等)を加えてスラリーを得て、これをドクターブレード、圧延、カレンダーロール、金型ブレス等により厚さ約50〜500μmに成形することによって得られる。
【0035】
ガラスセラミック・グリーンシート表面に導体パターンを形成するには、例えば導体材料粉末をペースト化したものをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属箔を転写する等の方法が挙げられる。導体材料としては、例えばAu、Ag、Cu、Pd、Pt等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態であってもよい。
【0036】
なお、表面の導体パターンには、上下の層間の導体パターン同士を接続するためのビア導体やスルーホール導体等の貫通導体が表面に露出した部分も含まれる。これら貫通導体は、パンチング加工等によりガラスセラミック・グリーンシートに形成した貫通孔に、導体材料粉末をペースト化したもの(導体ペースト)を印刷により埋め込む等の手段によって形成される。
【0037】
ガラスセラミック・グリーンシートの積層には、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダ、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。
【0038】
本発明における拘束グリーンシートは、難焼結性無機材料とガラスとからなる無機成分に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーを成形して得られる。難焼結性無機材料としては、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0039】
拘束グリーンシートに加えられるガラスについても、特に制限されるものではなく、前記したガラスセラミック・グリーンシートに配合されるガラスと同様のものが使用可能である。また、拘束グリーンシート中のガラスは、ガラスセラミック・グリーンシート中のガラスと同一組成のものであってもよく、異なる組成のものであってもよい。
【0040】
拘束グリーンシート中のガラスの軟化点は、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼成温度以下で、かつ拘束グリーンシート中の有機成分の分解・揮散温度よりも高いのが好ましい。具体的には、拘束グリーンシート中のガラスの軟化点は450〜1100℃程度であるのが好ましい。ガラスの軟化点が450℃未満の場合には、ガラスセラミック・グリーンシートからの有機成分の除去時に、軟化したガラスが分解・揮散した有機成分の除去経路を塞ぐことになり有機成分を完全に除去できないおそれがある。一方、ガラスの軟化点が1100℃を超える場合には、通常のガラスセラミック・グリーンシートの焼成条件では該グリーンシートへの結合材として作用しなくなるおそれがある。
【0041】
拘束グリーンシートは、ガラスセラミック・グリーンシートの作製と同様にして、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を用いて成形することによって得られる。有機バインダ、可塑剤および溶剤としては、ガラスセラミック・グリーンシートで使用したのと同様な材料が使用可能である。ここで、可塑剤を添加するのは、拘束グリーンシートに可撓性を付与し、積層時にガラスセラミック・グリーンシートとの密着性を高めるためである。
【0042】
ガラスセラミック・グリーンシートの両面に積層される拘束グリーンシートは、その少なくとも一方の周辺部の厚みを、中央部に比べて厚くすることが好ましい。中でも中央部の厚みおよび周辺部の厚みは、それぞれガラスセラミック・グリーンシート積層体の厚さに対して10%以上および30%以上であるのが好ましく、これよりも薄いと拘束グリーンシートの拘束性が低下するおそれがある。
【0043】
このとき、周辺部の厚みは、中央部の厚みに比べて20〜200%程度厚くすることが、拘束グリーンシートを熱圧着するときに均等圧を印加できる点や、ガラスセラミック・グリーンシート積層体への拘束性を十分に確保できる点で好ましい。周辺部の厚みが中央部の厚みに比べて200%を超えると、拘束グリーンシートを熱圧着するときに均等圧を印加しにくくなり、拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との密着性が劣化しやすくなりやすい。他方、20%未満では、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の周辺部分の焼結に伴う収縮応力を吸収しにくくなり、拘束グリーンシートが剥離しやすくなりやすい。
【0044】
また、積層される拘束グリーンシートは、板状シートと枠状シートとを積層した2層構造であることが、拘束グリーンシートの周辺部の厚みを均一に厚くすることができるため、均一な拘束性を維持することができるという点で好ましいものとなる。
【0045】
このような拘束グリーンシートをガラスセラミック・グリーンシート積層体に積層する際には、板状のシートの周辺部でその一方主面側に枠状に厚みが厚くなっている場合には、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の全面に対して良好な密着性を確保するために、他方主面側の平坦な面をガラスセラミック・グリーンシート積層体に向けて積層することが好ましい。
【0046】
さらに、ガラスセラミック・グリーンシート積層体からの有機成分の揮散を容易にし、かつガラスセラミック基板からの拘束シートの除去を容易にすることを考慮すると、拘束グリーンシートの厚さはガラスセラミック・グリーンシート積層体の厚さの約200%以下であるのがよい。
【0047】
成形された拘束グリーンシートをガラスセラミック・グリーンシートの両面に積層するには、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダ、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。シート間に接着剤層を介在させる場合には、該接着剤層に拘束グリーンシートと同じガラス成分を含有させてシート間の結合力を高めるようにしてもよい。
【0048】
拘束グリーンシートを積層後、有機成分の除去と焼成を行なう。有機成分の除去は100〜800℃の温度範囲で積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解・揮散させる。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約800〜1100℃の範囲内である。焼成は通常、大気中で行なうが、導体材料にCuを使用する場合には100〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、ついで窒素雰囲気中で焼成を行なう。
【0049】
また、焼成時には、反りを防止するために、積層体上面に重しを載せる等して荷重をかけてもよい。荷重は50Pa〜1MPa程度が適当である。荷重が50Pa未満である場合は、積層体の反り抑制作用が充分でないおそれがある。また、荷重が1MPaを超える場合は、使用する重しが大きくなるため焼成炉に入らなかったり、また焼成炉に入っても熱容量不足になり焼成できないなどの問題をひき起こすおそれがある。重しとしては、分解した有機成分の揮散を妨げないように、例えば多孔質のセラミックスや金属等を使用するのが好ましい。積層体の上面に多孔質の重しを置き、その上に非多孔質の重しを置いてもよい。
【0050】
焼成後、拘束シートを除去する。除去方法としては、ガラスセラミック基板の表面に結合した拘束シートを除去できる方法であれば特に制限はなく、例えば超音波洗浄、研磨、ウォータージェット、サンドブラスト、ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げられる。
【0051】
得られた多層ガラスセラミック基板は、焼成時の収縮が拘束グリーンシートによって厚さ方向だけに抑えられているので、その積層面内の収縮をおよそ0.5%以下にも抑えることが可能となり、しかもガラスセラミック・グリーンシートは拘束グリーンシートによって全面にわたって均一にかつ確実に拘束されているので、拘束グリーンシートの一部剥離等によって反りや変形が起こるのを防止することができる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明の方法を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
図2は、本発明の製造方法により得られる拘束シートとガラスセラミック積層体との積層体の例を示す断面図であり、1はガラスセラミック・グリーンシート積層体、2は導体パターン、3および3’は拘束グリーンシートである。なお、3は周辺部の厚みが中央部に比べて厚い拘束グリーンシートを示している。
【0054】
<実施例1>
ガラスセラミック成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60重量%、CaZrO3粉末20重量%、SrTiO3粉末17重量%およびAl2O3粉末3重量%を使用した。このガラスセラミック成分100重量部に有機バインダとしてアクリル樹脂12重量部、フタル酸系可塑剤6重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミック・グリーンシートを成形した。
【0055】
次いで、このグリーンシート上に銀−パラジウムペーストを用いて導体パターン2をスクリーン印刷にて形成した。導体ペーストとしては、Ag:Pdが重量比で85:15である合金粉末(平均粒径1.0μm)100重量部に対してAl2O3粉末2重量部および前記ガラスと同組成のガラス粉末2重量部、さらにビヒクル成分として所定量のエチルセルロース系樹脂、テルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合したものを用いた。
【0056】
一方、無機成分としてAl2O3粉末95重量%と軟化点720℃のSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末5重量%とを用いて、前記ガラスセラミック・グリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、ついで成形して厚さ250μmの拘束グリーンシートを得た。
【0057】
次に、表面に導体パターン2を形成したガラスセラミック・グリーンシートを5枚積み重ねて熱圧着した後に切断加工して、100mm□で厚みが1.5mmのガラスセラミック・グリーンシート積層体1を得た。
【0058】
次いで、拘束グリーンシートに打ち抜き孔加工を施すことによって、80mm□の開口部を有する枠状シートを得た。この枠状シートと打ち抜き孔加工を施していない板状シートとを熱圧着した後に切断加工して、100mm□で中央部の厚みが250μm、周辺部の厚みが500μmの拘束グリーンシート3を得た。
【0059】
そして、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1の下面に厚み250μmの板状シートの拘束グリーンシート3’を配置し、上面に拘束グリーンシート3を配置して熱圧着することによって、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1と拘束グリーンシート3および拘束グリーンシート3’との積層体を得た。
【0060】
得られた積層体をアルミナセッターに載置し、さらに積層体の上に重しとして空孔率75%のポーラスセラミック板を載置することにより積層体に平均的に100Paの荷重がかかるようにして、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、900℃で1時間焼成した。焼成後は、ガラスセラミック基板の両面に拘束シートが付着していた。この状態では、軽く叩いても拘束シートが剥がれることはなかった。
【0061】
ガラスセラミック基板の表面に付着した拘束シートを、球状Al2O3微粉末と水との混合物を高圧の空気圧で投射するウェットブラスト法により除去した。拘束シートを除去した後のガラスセラミック基板の表面は、表面粗さRaが1μm以下の平滑な面となり、導体の半田濡れ性も問題なかった。また、ガラスセラミック被覆層3に剥離やクラックは発生していなかった。
【0062】
また、得られたガラスセラミック基板の積層面内での収縮は0.5%以下であり、基板に反りや変形も認められなかった。
【0063】
<比較例1および2>
上面に積層する拘束グリーンシートを周辺部の厚みを厚くした拘束グリーンシート3に代えて250μmの板状シートからなる単層のものにして形成した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。また、Al2O3粉末とガラス粉末にエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合した拘束ペーストを、80mm□の開口部を有するパターン形状で20μmの厚みにスクリーン印刷することにより、100mm□で中央部の厚みが250μm、周辺部の厚みが270μmの拘束グリーンシート3を形成した以外は、実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0064】
その結果、比較例1および比較例2で得たガラスセラミック基板は、実施例1と同様に積層面内での収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)であり、基板に反りや変形は認められなかった。しかし、基板の周辺部にわずかに変形が生じて、抵抗体パターンを形成するための抵抗体ペーストの印刷がやや困難なものとなった。
【0065】
<実施例2および3>
軟化点が600℃および700℃のガラスをそれぞれ用いて拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0066】
<比較例3>
ガラスを含有しない拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0067】
<比較例4>
軟化点が920℃のガラスを用いて拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0068】
<比較例5>
軟化点が400℃のガラスを用いて拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0069】
その結果、実施例2および3で得たガラスセラミック基板は、実施例1と同様に積層面内での収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)であり、基板に反りや変形は認められなかった。また、基板の周辺部の変形やクラックは発生していなかった。
【0070】
これに対して、比較例3および4で得たガラスセラミック基板は、使用した拘束グリーンシートがガラスを含まないか、あるいは焼成温度よりも高い軟化点を有するガラスを含んでいるために、いずれも焼成後のガラスセラミック基板から拘束グリーンシートが簡単に剥がれてしまった。また、ガラスセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートとの間の結合力が弱いため、ガラスセラミック基板の積層面内での収縮率は85%程度になるか、基板の一部のみが拘束シートに結合されているためにガラスセラミック基板は大きく変形した。
【0071】
一方、比較例5では、拘束グリーンシートに含まれるガラスの軟化点が低いため、有機成分が完全に除去されず、このためガラスセラミック基板の積層面内での収縮は0.5%以下と良好であったが、ガラスセラミック基板の色調が灰色になった。
【0072】
<実施例4〜7>
ガラスセラミック成分として、SiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉末70重量%、Al2O3粉末30重量%を使用した。このガラスセラミック成分100重量部に有機バインダとしてアクリル樹脂9.0重量部、フタル酸系可塑剤4.5重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミック・グリーンシートを成形した。
【0073】
次いで、このグリーンシート上に実施例1と同じ銀−パラジウムペーストを用いて導体パターン2をスクリーン印刷にて形成した。
【0074】
一方、無機成分としてAl2O3粉末と軟化点720℃のSiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉末とをそれぞれ表1に示す割合で用いて、前記ガラスセラミック・グリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、ついで成形して厚さ250μmの拘束グリーンシートを得た。
【0075】
次に、表面に導体パターン2を形成したガラスセラミック・グリーンシートを5枚積み重ねて熱圧着した後に切断加工して、100mm□で厚みが1.5mmのガラスセラミック・グリーンシート積層体1を得た。
【0076】
次いで、拘束グリーンシートに打ち抜き孔加工を施すことによって、80mm□の開口部を有する枠状シートを得た。この枠状シートと打ち抜き孔加工を施していない板状シートとを熱圧着した後に切断加工して、100mm□で中央部の厚みが250μm、周辺部の厚みが500μmの拘束グリーンシート3を得た。
【0077】
そして、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1の下面に厚み250μmの板状シートの拘束グリーンシート3’を配置し、上面に拘束グリーンシート3を配置して熱圧着することによって、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1と拘束グリーンシート3および拘束グリーンシート3’との積層体を得た。
【0078】
得られた積層体をアルミナセッターに載置し、さらに積層体の上に空孔率50%のポーラスセラミック板を載置することにより積層体に平均的に50Paの荷重がかかるようにして、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、850℃で1時間焼成した。ついで、ガラスセラミック基板の表面に付着した拘束シートを除去した。得られたガラスセラミック基板の表面は、表面粗さRaが1μm以下の平滑な面となり、導体の半田濡れ性も問題なかった。また、基板の周辺部の変形やクラックは発生していなかった。
【0079】
また、得られたガラスセラミック基板の積層面内での収縮率を表1に併せて示す。なお、ガラスセラミック基板に反りや変形は認められなかった。
【0080】
【表1】
【0081】
表1から、実施例4〜7の各拘束グリーンシートを使用して得られたガラスセラミック基板は、焼成時の収縮および反りが抑制され、高い寸法精度を有していることがわかる。なお、表1に示す結果中、反りはレーザ光学式非接触3次元形状測定装置を用いて反り高さを測定したものである。
【0082】
<実施例8>
導体ペーストにAg−Pd合金粉末の代わりにCu粉末を用いて、100〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、ついで窒素雰囲気中で焼成を行なった以外は実施例4と同様にしてガラスセラミック基板を得た。実施例4と同様に積層面内での収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)であり、基板に反りや変形は認められなかった。また、基板の周辺部の変形やクラックは発生していなかった。
【0083】
<試験例1>
(拘束グリーンシートの収縮試験)
無機成分としてAl2O3粉末と軟化点720℃のSiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉末とをそれぞれ所定の割合で使用し、さらに有機バインダとしてアクリル樹脂9.0重量部、フタル酸系可塑剤4.5重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、これらをボールミルにて混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ250μmの拘束グリーンシートを成形した。
【0084】
この拘束グリーンシートを単独でアルミナセッターに載置し、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、850℃で1時間焼成した。
【0085】
得られた拘束シートの平面内での収縮率とガラス添加量との関係を図1に示す。なお、収縮率は拘束シートの厚さ方向を除く幅方向および流れ方向の各収縮率の平均値(n=5)とバラツキを示しており、式:(焼成後寸法)×100/(焼成前寸法)にて求めたものである。また、流れ方向はグリーンシートの造膜方向を、幅方向は造膜方向に直交する方向をそれぞれ意味する。
【0086】
図1に示すように、収縮率を99.5%以上とする、すなわち拘束シートの収縮を0.5%以下に抑えるには、拘束グリーンシート内へのガラス添加量は約15重量%以下とするのが望ましいことがわかる。また、ガラス添加量が15重量%を超えると、収縮率のバラツキも大きくなる傾向にある。ただし、ガラス添加量が少なくなると、拘束グリーンシートによるガラスセラミック・グリーンシートの拘束性が低下するので(前記の比較例3を参照)、拘束性が低下しないガラス添加量を決定する必要があり、本発明では0.5〜15重量%を好適範囲としている。
【0087】
<試験例2>
ガラスとしてSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉を用いた以外は試験例1と同様にして、ガラス添加量と収縮率との関係を調べたところ、ガラス添加量が15重量%以下では拘束グリーンシートの収縮率は99.5%以上であり、ガラス添加量が10重量%以下では約99.8%程度を維持していた。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面に、該積層体と結合しかつ焼成時に実質的に収縮しない拘束グリーンシートを積層して焼成するので、ガラスセラミック・グリーンシート基板の積層面内の収縮を確実に抑えることができ、しかも、拘束グリーンシートの周辺部の厚みが中央部に比べて厚いものとしているので、ガラスセラミック基板の周辺部分における変形やクラック等の発生を抑制することができ、反りや変形がない寸法精度の高い、高信頼性のガラスセラミック基板が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】拘束グリーンシートへのガラス添加量と収縮率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の製造方法により得られる拘束シートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との積層体の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ガラスセラミック・グリーンシート積層体
2・・・導体パターン
3・・・周辺部の厚みが中央部に比べて厚い拘束グリーンシート
3’・・・拘束グリーンシート
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体LSI、チップ部品等を搭載し、それらを相互配線するためのガラスセラミック基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体LSI、チップ部品等は小型化、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も小型化、軽量化が望まれている。このような要求に対して、基板内に内部電極等を配した多層セラミック基板は、要求される高密度配線が可能となり、かつ薄型化が可能なことから、今日のエレクトロニクス業界において重要視されている。
【0003】
多層セラミック基板としては、アルミナ質焼結体からなり、表面または内部にタングステン、モリブデン等の高融点金属からなる配線層が形成された絶縁基板が従来より広く用いられている。
【0004】
一方、近年の高度情報化時代を迎え、使用される周波数帯域はますます高周波帯に移行しつつある。このような高周波の信号の伝送を行なう高周波配線基板においては、高周波信号を高速で伝送する上で、配線層を形成する導体の抵抗が小さいことが要求され、絶縁基板にもより低い誘電率が要求される。
【0005】
しかし、従来のタングステン、モリブデン等の高融点金属は導体抵抗が大きく、信号の伝播速度が遅く、また30GHz以上の高周波領域の信号伝播も困難であることから、タングステン、モリブデン等の金属に代えて銅、銀、金等の低抵抗金属を使用することが必要である。ところが、上記のような低抵抗金属は融点が低いため、800〜1000℃程度の低温で焼成することが必要であることから、該低抵抗金属からなる配線層は、高温焼成が必要なアルミナと同時焼成することができなかった。また、アルミナ基板は誘電率が高いため、高周波回路基板には不適切である。
【0006】
このため、最近では、ガラスとセラミックス(無機質フィラー)との混合物を焼成して得られるガラスセラミックスを絶縁基板として用いることが注目されている。すなわち、ガラスセラミックスは誘電率が低いため高周波用絶縁基板として好適であり、またガラスセラミックスは800〜1000℃の低温で焼成することができることから、銅、銀、金等の低抵抗金属を配線層として使用できるという利点がある。
【0007】
多層ガラスセラミック基板は、ガラスとフィラーとの混合物に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を加えてスラリーとし、ドクターブレード等によりガラスセラミック・グリーンシートを成形した後、銅、銀、金等の低抵抗金属の粉末を含有する導体ペーストを印刷するなどして前記グリーンシート上に導体パターンを形成し、ついで複数枚のグリーンシートを積層して800〜1000℃の温度で焼成して得られる。
【0008】
ところが、多層ガラスセラミック基板は、焼成過程において焼結に伴う収縮を生じるという問題がある。このような収縮の程度は一様ではなく、使用する基板用無機材料、グリーンシート組成、原料である粉体粒度のバラツキ、導体パターン、内部電極材料等により収縮率や収縮方向が異なってくる。このことは、多層ガラスセラミック基板の作製において、いくつかの問題をひき起こす。
【0009】
先ず、内部電極印刷用のスクリーン版を作製する際、基板の収縮率から逆算してスクリーン版の大きさを決定しなければならないが、上記のように基板の収縮率や収縮方向は一定でないため、スクリーン版は基板の製造ロット毎に作り直さなければならず不経済であり現実的ではない。さらに、上記のようなグリーンシート積層法によって作製される多層ガラスセラミック基板では、グリーンシートの造膜方向によって積層面内の縦方向と横方向の収縮率が異なるため、多層ガラスセラミック基板の作製がより一層困難なものになる。
【0010】
これに対して、収縮誤差を許容するように必要以上に大きい面積の電極を形成する場合には、高密度な配線ができなくなる。
【0011】
これらの収縮変化を小さくするためには、回路設計による基板の収縮率の傾向を調べたり、製造工程において基板材料およびグリーンシート組成の管理、粉体粒度のバラツキ、プレス圧や温度等の積層条件を充分管理する必要がある。しかし、それでも一般に収縮率の誤差として±0.5%程度はどうしても発生するといわれている。
【0012】
このことは多層ガラスセラミック基板にかかわらずセラミックスやガラスセラミックス等の焼結を伴うものに共通する課題である。このような課題を解決するために、特開平4−243978号公報、特開平5−28867号公報、特開平5−102666号公報では、以下の(1)〜(4)の工程を含む基板の製造方法が提案されている。
(1)ガラスセラミック成分とバインダ、可塑剤等の有機成分とを含むガラスセラミック・グリーンシートに導体パターンを形成したものを所望枚数積層し、
(2)得られたガラスセラミック・グリーンシートの積層体の両面または片面に、前記ガラスセラミック成分の焼成温度では焼結しない無機材料とバインダ、可塑剤等の有機成分とを含む拘束グリーンシートを積層し、
(3)これらガラスセラミック・グリーンシートの積層体と拘束グリーンシートとの積層体を加熱して、まず有機成分を除去し、ついで焼成して、それぞれガラスセラミック基板および拘束シートとなし、
(4)最後に、ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する。
【0013】
この方法によれば、前記拘束グリーンシートがガラスセラミック・グリーンシートの焼成時の収縮を拘束するため、積層体の厚さ方向のみに収縮が起こり、積層面の縦・横方向には収縮が起こらなくなり、ガラスセラミック基板の寸法精度が向上すると考えられている。
【0014】
【特許文献1】
特開平4−243978号公報
【特許文献2】
特開平5−28867号公報
【特許文献3】
特開平5−102666号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、ガラスセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートとの結合は、それらのグリーンシート内に含有されているバインダ等の有機成分により行なわれる。しかし、(3)の焼成工程において、バインダ、可塑剤等の有機成分が分解し揮散した後は、拘束グリーンシート中の粉体とガラスセラミック・グリーンシート中の粉体とが単に密着して接触しているだけであり、それらのシート間にはファンデルワールス力による弱い結合が働いているだけである。
【0016】
このような弱い結合は、(4)の工程における拘束シートの除去が簡単になるという利点があるものの、(3)の焼成工程でガラスセラミック・グリーンシート積層体から拘束グリーンシートがそれらの熱膨張差等により不用意に剥離するおそれがある。
【0017】
焼成途中で拘束グリーンシートが剥離すると、ガラスセラミック・グリーンシートの焼結収縮を防止できなくなる。また、拘束グリーンシートの剥離がたとえ一部であっても、当該部分において収縮が起こるためガラスセラミック基板の変形が発生することになる。
【0018】
また、ガラスセラミック・グリーンシート積層体と拘束グリーンシートとは結合力が小さいため、焼成前のそれらの密着状態や、ガラスセラミック成分の種類によるガラスセラミック・グリーンシート中のガラス成分の拘束グリーンシート内への浸透性によってはそれらの結合力にムラが生じやすい。結合力にムラがあると、ガラスセラミックの焼結収縮を拘束する力にムラができ、収縮ムラが起こり、ガラスセラミック基板の反り、変形等が発生することになる。その結果、寸法精度の高い基板が得られないという問題がある。
【0019】
さらに、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の側面は拘束グリーンシートが積層されていないため、焼成中にガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼結に伴う収縮応力により、拘束グリーンシートの周辺部にガラスセラミック・グリーンシート積層体からの剥離を生じることがある。
【0020】
このように拘束グリーンシートの周辺部の剥離が生じると、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の周辺部に対する拘束が不十分となってしまい、ガラスセラミック基板の周辺部分に変形やクラック等が発生することになる。このため、ガラスセラミック基板上に抵抗体パターンを形成するために抵抗体ペーストをスクリーン印刷したり、あるいは半導体素子等の部品実装用の半田ペーストを印刷したりする際に、位置ズレにより印刷精度が著しく劣化するという問題点がある。
【0021】
本発明の目的は、ガラスセラミック・グリーンシートの積層面内での焼結収縮を確実に拘束して、さらに、ガラスセラミック基板の周辺部分の変形やクラック等の発生を抑えることにより、寸法精度が高くかつ高信頼性のガラスセラミック基板を得る方法を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(I)拘束グリーンシート内にガラス成分を含有させておくと、該ガラス成分が焼成過程でガラスセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートとを結合する結合材として作用するため、それらの間の結合力が高まり、拘束グリーンシートが剥離するのを防止できること、(II)焼成時における拘束グリーンシート自体の焼結収縮はガラスの含有量を所定範囲内に設定することにより実質的に回避できること、その結果、(III)拘束グリーンシートによりガラスセラミック・グリーンシート積層体の収縮が確実に抑えられ、寸法精度の高いガラスセラミック基板を得ることができること、さらに(IV)拘束グリーンシートの少なくとも一方の周辺部の厚みを中央部より厚くすることにより、ガラスセラミック基板の周辺部の変形やクラックの発生を抑制することができ、寸法精度が高くかつ高信頼性のガラスセラミック基板を得ることができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに到った。
【0023】
すなわち、本発明のガラスセラミック基板の製造方法は、(i)有機バインダを含有し表面に導体パターンが形成されたガラスセラミック・グリーンシートの複数枚を積層してガラスセラミック・グリーンシート積層体を作製する工程と、(ii)前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面に、難焼結性無機材料とガラスと有機バインダとを含む拘束グリーンシートを積層する工程と、(iii)前記拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との積層体から有機成分を除去し、ついで焼成して、拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製する工程と、(iv)前記ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する工程とを含み、(v)前記拘束グリーンシートのガラス含有量が、前記焼成時に拘束グリーンシートを前記ガラスセラミック・グリーンシートと結合させかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量であり、(vi)前記拘束グリーンシートの少なくとも一方が、周辺部の厚みが中央部に比べて厚いことを特徴とする。
【0024】
ここで、「実質的に収縮させない」とは、拘束グリーンシートの収縮が1%以下、好ましくは0.8%以下、より好ましくは0.5%以下に抑制されていることを意味する。また、前記「積層面内」とは、三次元座標において厚さ方向をZ方向としたときのX方向およびY方向によって規定される面内をいい、具体的にはシートの縦方向および横方向を意味する。
【0025】
本発明において、前記拘束グリーンシートは、板状シートと枠状シートとを積層した2層構造であるのがよい。これにより、板状シートによって拘束グリーンシートの均一な拘束性を維持しつつ、枠状シートによって周辺部分の厚みを所望の厚みで厚くすることができる。
【0026】
本発明において、前記拘束グリーンシート中に含有されるガラスの軟化点は、前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼成温度以下であるのがよい。これにより、焼成工程で拘束グリーンシート中のガラスが軟化し、結合力が高まる。
【0027】
また、前記拘束グリーンシート中に含有されるガラスの軟化点は、前記有機成分の除去温度よりも高いのがよい。前記ガラスの軟化点が有機成分の除去温度よりも低い場合には、分解・揮散した有機成分が通過するための除去経路が軟化したガラスによって閉塞されてしまうおそれがある。
【0028】
前記拘束グリーンシート中のガラス含有量は、該拘束グリーンシート中の全無機成分の0.5〜15重量%であるのがよい。通常は、この範囲が焼成時に前記ガラスセラミック・グリーンシートと結合しかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量となるが、必ずしもこの範囲に制限されるものではなく、使用するガラスの種類等によってガラス含有量は変化する。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明におけるガラスセラミック・グリーンシートは、ガラス粉末、フィラー粉末(セラミック粉末)、さらに有機バインダ、可塑剤、有機溶剤等を混合したものが用いられる。
【0030】
ガラス成分としては、例えばSiO2−B2O3系、SiO2−B2O3−Al2O3系、SiO2−B2O3−Al2O3−MO系(但し、MはCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO2−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は同一または異なってCa、Sr、Mg、BaまたはZnを示す)、SiO2−B2O3−Al2O3−M1O−M2O系(但し、M1およびM2は前記と同じである)、SiO2−B2O3−M3 2O系(但し、M3はLi、NaまたはKを示す)、SiO2−B2O3−Al2O3−M3 2O系(但し、M3は前記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
【0031】
また、前記フィラーとしては、例えばAl2O3、SiO2、ZrO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiO2とアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル、ムライト、コージェライト)等が挙げられる。
【0032】
上記ガラスとフィラーの混合割合は重量比で40:60〜99:1であるのが好ましい。
【0033】
ガラスセラミック・グリーンシートに配合される有機バインダとしては、従来からセラミックグリーンシートに使用されているものが使用可能であり、例えばアクリル系(アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルの単独重合体または共重合体、具体的にはアクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体等)、ポリビニルブチラ−ル系、ポリビニルアルコール系、アクリル−スチレン系、ポリプロピレンカーボネート系、セルロース系等の単独重合体または共重合体が挙げられる。
【0034】
ガラスセラミック・グリーンシートは、上記ガラス粉末、フィラー粉末、有機バインダに必要に応じて所定量の可塑剤、溶剤(有機溶剤、水等)を加えてスラリーを得て、これをドクターブレード、圧延、カレンダーロール、金型ブレス等により厚さ約50〜500μmに成形することによって得られる。
【0035】
ガラスセラミック・グリーンシート表面に導体パターンを形成するには、例えば導体材料粉末をペースト化したものをスクリーン印刷法やグラビア印刷法等により印刷するか、あるいは所定パターン形状の金属箔を転写する等の方法が挙げられる。導体材料としては、例えばAu、Ag、Cu、Pd、Pt等の1種または2種以上が挙げられ、2種以上の場合は混合、合金、コーティング等のいずれの形態であってもよい。
【0036】
なお、表面の導体パターンには、上下の層間の導体パターン同士を接続するためのビア導体やスルーホール導体等の貫通導体が表面に露出した部分も含まれる。これら貫通導体は、パンチング加工等によりガラスセラミック・グリーンシートに形成した貫通孔に、導体材料粉末をペースト化したもの(導体ペースト)を印刷により埋め込む等の手段によって形成される。
【0037】
ガラスセラミック・グリーンシートの積層には、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダ、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。
【0038】
本発明における拘束グリーンシートは、難焼結性無機材料とガラスとからなる無機成分に有機バインダ、可塑剤、溶剤等を加えたスラリーを成形して得られる。難焼結性無機材料としては、Al2O3およびSiO2から選ばれる少なくとも1種が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
【0039】
拘束グリーンシートに加えられるガラスについても、特に制限されるものではなく、前記したガラスセラミック・グリーンシートに配合されるガラスと同様のものが使用可能である。また、拘束グリーンシート中のガラスは、ガラスセラミック・グリーンシート中のガラスと同一組成のものであってもよく、異なる組成のものであってもよい。
【0040】
拘束グリーンシート中のガラスの軟化点は、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼成温度以下で、かつ拘束グリーンシート中の有機成分の分解・揮散温度よりも高いのが好ましい。具体的には、拘束グリーンシート中のガラスの軟化点は450〜1100℃程度であるのが好ましい。ガラスの軟化点が450℃未満の場合には、ガラスセラミック・グリーンシートからの有機成分の除去時に、軟化したガラスが分解・揮散した有機成分の除去経路を塞ぐことになり有機成分を完全に除去できないおそれがある。一方、ガラスの軟化点が1100℃を超える場合には、通常のガラスセラミック・グリーンシートの焼成条件では該グリーンシートへの結合材として作用しなくなるおそれがある。
【0041】
拘束グリーンシートは、ガラスセラミック・グリーンシートの作製と同様にして、有機バインダ、可塑剤、溶剤等を用いて成形することによって得られる。有機バインダ、可塑剤および溶剤としては、ガラスセラミック・グリーンシートで使用したのと同様な材料が使用可能である。ここで、可塑剤を添加するのは、拘束グリーンシートに可撓性を付与し、積層時にガラスセラミック・グリーンシートとの密着性を高めるためである。
【0042】
ガラスセラミック・グリーンシートの両面に積層される拘束グリーンシートは、その少なくとも一方の周辺部の厚みを、中央部に比べて厚くすることが好ましい。中でも中央部の厚みおよび周辺部の厚みは、それぞれガラスセラミック・グリーンシート積層体の厚さに対して10%以上および30%以上であるのが好ましく、これよりも薄いと拘束グリーンシートの拘束性が低下するおそれがある。
【0043】
このとき、周辺部の厚みは、中央部の厚みに比べて20〜200%程度厚くすることが、拘束グリーンシートを熱圧着するときに均等圧を印加できる点や、ガラスセラミック・グリーンシート積層体への拘束性を十分に確保できる点で好ましい。周辺部の厚みが中央部の厚みに比べて200%を超えると、拘束グリーンシートを熱圧着するときに均等圧を印加しにくくなり、拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との密着性が劣化しやすくなりやすい。他方、20%未満では、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の周辺部分の焼結に伴う収縮応力を吸収しにくくなり、拘束グリーンシートが剥離しやすくなりやすい。
【0044】
また、積層される拘束グリーンシートは、板状シートと枠状シートとを積層した2層構造であることが、拘束グリーンシートの周辺部の厚みを均一に厚くすることができるため、均一な拘束性を維持することができるという点で好ましいものとなる。
【0045】
このような拘束グリーンシートをガラスセラミック・グリーンシート積層体に積層する際には、板状のシートの周辺部でその一方主面側に枠状に厚みが厚くなっている場合には、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の全面に対して良好な密着性を確保するために、他方主面側の平坦な面をガラスセラミック・グリーンシート積層体に向けて積層することが好ましい。
【0046】
さらに、ガラスセラミック・グリーンシート積層体からの有機成分の揮散を容易にし、かつガラスセラミック基板からの拘束シートの除去を容易にすることを考慮すると、拘束グリーンシートの厚さはガラスセラミック・グリーンシート積層体の厚さの約200%以下であるのがよい。
【0047】
成形された拘束グリーンシートをガラスセラミック・グリーンシートの両面に積層するには、積み重ねたグリーンシートに熱と圧力を加えて熱圧着する方法、有機バインダ、可塑剤、溶剤等からなる接着剤をシート間に塗布して熱圧着する方法等が採用可能である。シート間に接着剤層を介在させる場合には、該接着剤層に拘束グリーンシートと同じガラス成分を含有させてシート間の結合力を高めるようにしてもよい。
【0048】
拘束グリーンシートを積層後、有機成分の除去と焼成を行なう。有機成分の除去は100〜800℃の温度範囲で積層体を加熱することによって行ない、有機成分を分解・揮散させる。また、焼成温度はガラスセラミック組成により異なるが、通常は約800〜1100℃の範囲内である。焼成は通常、大気中で行なうが、導体材料にCuを使用する場合には100〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、ついで窒素雰囲気中で焼成を行なう。
【0049】
また、焼成時には、反りを防止するために、積層体上面に重しを載せる等して荷重をかけてもよい。荷重は50Pa〜1MPa程度が適当である。荷重が50Pa未満である場合は、積層体の反り抑制作用が充分でないおそれがある。また、荷重が1MPaを超える場合は、使用する重しが大きくなるため焼成炉に入らなかったり、また焼成炉に入っても熱容量不足になり焼成できないなどの問題をひき起こすおそれがある。重しとしては、分解した有機成分の揮散を妨げないように、例えば多孔質のセラミックスや金属等を使用するのが好ましい。積層体の上面に多孔質の重しを置き、その上に非多孔質の重しを置いてもよい。
【0050】
焼成後、拘束シートを除去する。除去方法としては、ガラスセラミック基板の表面に結合した拘束シートを除去できる方法であれば特に制限はなく、例えば超音波洗浄、研磨、ウォータージェット、サンドブラスト、ウェットブラスト(砥粒と水とを空気圧により噴射させる方法)等が挙げられる。
【0051】
得られた多層ガラスセラミック基板は、焼成時の収縮が拘束グリーンシートによって厚さ方向だけに抑えられているので、その積層面内の収縮をおよそ0.5%以下にも抑えることが可能となり、しかもガラスセラミック・グリーンシートは拘束グリーンシートによって全面にわたって均一にかつ確実に拘束されているので、拘束グリーンシートの一部剥離等によって反りや変形が起こるのを防止することができる。
【0052】
【実施例】
以下、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明の方法を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0053】
図2は、本発明の製造方法により得られる拘束シートとガラスセラミック積層体との積層体の例を示す断面図であり、1はガラスセラミック・グリーンシート積層体、2は導体パターン、3および3’は拘束グリーンシートである。なお、3は周辺部の厚みが中央部に比べて厚い拘束グリーンシートを示している。
【0054】
<実施例1>
ガラスセラミック成分として、SiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末60重量%、CaZrO3粉末20重量%、SrTiO3粉末17重量%およびAl2O3粉末3重量%を使用した。このガラスセラミック成分100重量部に有機バインダとしてアクリル樹脂12重量部、フタル酸系可塑剤6重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミック・グリーンシートを成形した。
【0055】
次いで、このグリーンシート上に銀−パラジウムペーストを用いて導体パターン2をスクリーン印刷にて形成した。導体ペーストとしては、Ag:Pdが重量比で85:15である合金粉末(平均粒径1.0μm)100重量部に対してAl2O3粉末2重量部および前記ガラスと同組成のガラス粉末2重量部、さらにビヒクル成分として所定量のエチルセルロース系樹脂、テルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合したものを用いた。
【0056】
一方、無機成分としてAl2O3粉末95重量%と軟化点720℃のSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉末5重量%とを用いて、前記ガラスセラミック・グリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、ついで成形して厚さ250μmの拘束グリーンシートを得た。
【0057】
次に、表面に導体パターン2を形成したガラスセラミック・グリーンシートを5枚積み重ねて熱圧着した後に切断加工して、100mm□で厚みが1.5mmのガラスセラミック・グリーンシート積層体1を得た。
【0058】
次いで、拘束グリーンシートに打ち抜き孔加工を施すことによって、80mm□の開口部を有する枠状シートを得た。この枠状シートと打ち抜き孔加工を施していない板状シートとを熱圧着した後に切断加工して、100mm□で中央部の厚みが250μm、周辺部の厚みが500μmの拘束グリーンシート3を得た。
【0059】
そして、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1の下面に厚み250μmの板状シートの拘束グリーンシート3’を配置し、上面に拘束グリーンシート3を配置して熱圧着することによって、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1と拘束グリーンシート3および拘束グリーンシート3’との積層体を得た。
【0060】
得られた積層体をアルミナセッターに載置し、さらに積層体の上に重しとして空孔率75%のポーラスセラミック板を載置することにより積層体に平均的に100Paの荷重がかかるようにして、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、900℃で1時間焼成した。焼成後は、ガラスセラミック基板の両面に拘束シートが付着していた。この状態では、軽く叩いても拘束シートが剥がれることはなかった。
【0061】
ガラスセラミック基板の表面に付着した拘束シートを、球状Al2O3微粉末と水との混合物を高圧の空気圧で投射するウェットブラスト法により除去した。拘束シートを除去した後のガラスセラミック基板の表面は、表面粗さRaが1μm以下の平滑な面となり、導体の半田濡れ性も問題なかった。また、ガラスセラミック被覆層3に剥離やクラックは発生していなかった。
【0062】
また、得られたガラスセラミック基板の積層面内での収縮は0.5%以下であり、基板に反りや変形も認められなかった。
【0063】
<比較例1および2>
上面に積層する拘束グリーンシートを周辺部の厚みを厚くした拘束グリーンシート3に代えて250μmの板状シートからなる単層のものにして形成した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。また、Al2O3粉末とガラス粉末にエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを加え、3本ロールにより適度な粘度になるように混合した拘束ペーストを、80mm□の開口部を有するパターン形状で20μmの厚みにスクリーン印刷することにより、100mm□で中央部の厚みが250μm、周辺部の厚みが270μmの拘束グリーンシート3を形成した以外は、実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0064】
その結果、比較例1および比較例2で得たガラスセラミック基板は、実施例1と同様に積層面内での収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)であり、基板に反りや変形は認められなかった。しかし、基板の周辺部にわずかに変形が生じて、抵抗体パターンを形成するための抵抗体ペーストの印刷がやや困難なものとなった。
【0065】
<実施例2および3>
軟化点が600℃および700℃のガラスをそれぞれ用いて拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0066】
<比較例3>
ガラスを含有しない拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0067】
<比較例4>
軟化点が920℃のガラスを用いて拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0068】
<比較例5>
軟化点が400℃のガラスを用いて拘束グリーンシートを作製した以外は実施例1と同様にしてガラスセラミック基板を得た。
【0069】
その結果、実施例2および3で得たガラスセラミック基板は、実施例1と同様に積層面内での収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)であり、基板に反りや変形は認められなかった。また、基板の周辺部の変形やクラックは発生していなかった。
【0070】
これに対して、比較例3および4で得たガラスセラミック基板は、使用した拘束グリーンシートがガラスを含まないか、あるいは焼成温度よりも高い軟化点を有するガラスを含んでいるために、いずれも焼成後のガラスセラミック基板から拘束グリーンシートが簡単に剥がれてしまった。また、ガラスセラミック・グリーンシートと拘束グリーンシートとの間の結合力が弱いため、ガラスセラミック基板の積層面内での収縮率は85%程度になるか、基板の一部のみが拘束シートに結合されているためにガラスセラミック基板は大きく変形した。
【0071】
一方、比較例5では、拘束グリーンシートに含まれるガラスの軟化点が低いため、有機成分が完全に除去されず、このためガラスセラミック基板の積層面内での収縮は0.5%以下と良好であったが、ガラスセラミック基板の色調が灰色になった。
【0072】
<実施例4〜7>
ガラスセラミック成分として、SiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉末70重量%、Al2O3粉末30重量%を使用した。このガラスセラミック成分100重量部に有機バインダとしてアクリル樹脂9.0重量部、フタル酸系可塑剤4.5重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、ボールミル法により混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ300μmのガラスセラミック・グリーンシートを成形した。
【0073】
次いで、このグリーンシート上に実施例1と同じ銀−パラジウムペーストを用いて導体パターン2をスクリーン印刷にて形成した。
【0074】
一方、無機成分としてAl2O3粉末と軟化点720℃のSiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉末とをそれぞれ表1に示す割合で用いて、前記ガラスセラミック・グリーンシートと同様にしてスラリーを作製し、ついで成形して厚さ250μmの拘束グリーンシートを得た。
【0075】
次に、表面に導体パターン2を形成したガラスセラミック・グリーンシートを5枚積み重ねて熱圧着した後に切断加工して、100mm□で厚みが1.5mmのガラスセラミック・グリーンシート積層体1を得た。
【0076】
次いで、拘束グリーンシートに打ち抜き孔加工を施すことによって、80mm□の開口部を有する枠状シートを得た。この枠状シートと打ち抜き孔加工を施していない板状シートとを熱圧着した後に切断加工して、100mm□で中央部の厚みが250μm、周辺部の厚みが500μmの拘束グリーンシート3を得た。
【0077】
そして、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1の下面に厚み250μmの板状シートの拘束グリーンシート3’を配置し、上面に拘束グリーンシート3を配置して熱圧着することによって、ガラスセラミック・グリーンシート積層体1と拘束グリーンシート3および拘束グリーンシート3’との積層体を得た。
【0078】
得られた積層体をアルミナセッターに載置し、さらに積層体の上に空孔率50%のポーラスセラミック板を載置することにより積層体に平均的に50Paの荷重がかかるようにして、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、850℃で1時間焼成した。ついで、ガラスセラミック基板の表面に付着した拘束シートを除去した。得られたガラスセラミック基板の表面は、表面粗さRaが1μm以下の平滑な面となり、導体の半田濡れ性も問題なかった。また、基板の周辺部の変形やクラックは発生していなかった。
【0079】
また、得られたガラスセラミック基板の積層面内での収縮率を表1に併せて示す。なお、ガラスセラミック基板に反りや変形は認められなかった。
【0080】
【表1】
【0081】
表1から、実施例4〜7の各拘束グリーンシートを使用して得られたガラスセラミック基板は、焼成時の収縮および反りが抑制され、高い寸法精度を有していることがわかる。なお、表1に示す結果中、反りはレーザ光学式非接触3次元形状測定装置を用いて反り高さを測定したものである。
【0082】
<実施例8>
導体ペーストにAg−Pd合金粉末の代わりにCu粉末を用いて、100〜700℃の水蒸気を含む窒素雰囲気中で有機成分の除去を行ない、ついで窒素雰囲気中で焼成を行なった以外は実施例4と同様にしてガラスセラミック基板を得た。実施例4と同様に積層面内での収縮が0.5%以下(すなわち、収縮率99.5%以上)であり、基板に反りや変形は認められなかった。また、基板の周辺部の変形やクラックは発生していなかった。
【0083】
<試験例1>
(拘束グリーンシートの収縮試験)
無機成分としてAl2O3粉末と軟化点720℃のSiO2−MgO−CaO−Al2O3系ガラス粉末とをそれぞれ所定の割合で使用し、さらに有機バインダとしてアクリル樹脂9.0重量部、フタル酸系可塑剤4.5重量部および溶剤としてトルエン30重量部を加え、これらをボールミルにて混合しスラリーとした。このスラリーを用いてドクターブレード法により厚さ250μmの拘束グリーンシートを成形した。
【0084】
この拘束グリーンシートを単独でアルミナセッターに載置し、大気中500℃で2時間加熱して有機成分を除去した後、850℃で1時間焼成した。
【0085】
得られた拘束シートの平面内での収縮率とガラス添加量との関係を図1に示す。なお、収縮率は拘束シートの厚さ方向を除く幅方向および流れ方向の各収縮率の平均値(n=5)とバラツキを示しており、式:(焼成後寸法)×100/(焼成前寸法)にて求めたものである。また、流れ方向はグリーンシートの造膜方向を、幅方向は造膜方向に直交する方向をそれぞれ意味する。
【0086】
図1に示すように、収縮率を99.5%以上とする、すなわち拘束シートの収縮を0.5%以下に抑えるには、拘束グリーンシート内へのガラス添加量は約15重量%以下とするのが望ましいことがわかる。また、ガラス添加量が15重量%を超えると、収縮率のバラツキも大きくなる傾向にある。ただし、ガラス添加量が少なくなると、拘束グリーンシートによるガラスセラミック・グリーンシートの拘束性が低下するので(前記の比較例3を参照)、拘束性が低下しないガラス添加量を決定する必要があり、本発明では0.5〜15重量%を好適範囲としている。
【0087】
<試験例2>
ガラスとしてSiO2−Al2O3−MgO−B2O3−ZnO系ガラス粉を用いた以外は試験例1と同様にして、ガラス添加量と収縮率との関係を調べたところ、ガラス添加量が15重量%以下では拘束グリーンシートの収縮率は99.5%以上であり、ガラス添加量が10重量%以下では約99.8%程度を維持していた。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面に、該積層体と結合しかつ焼成時に実質的に収縮しない拘束グリーンシートを積層して焼成するので、ガラスセラミック・グリーンシート基板の積層面内の収縮を確実に抑えることができ、しかも、拘束グリーンシートの周辺部の厚みが中央部に比べて厚いものとしているので、ガラスセラミック基板の周辺部分における変形やクラック等の発生を抑制することができ、反りや変形がない寸法精度の高い、高信頼性のガラスセラミック基板が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】拘束グリーンシートへのガラス添加量と収縮率との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の製造方法により得られる拘束シートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との積層体の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ガラスセラミック・グリーンシート積層体
2・・・導体パターン
3・・・周辺部の厚みが中央部に比べて厚い拘束グリーンシート
3’・・・拘束グリーンシート
Claims (5)
- 有機バインダを含有し表面に導体パターンが形成されたガラスセラミック・グリーンシートの複数枚を積層してガラスセラミック・グリーンシート積層体を作製する工程と、
前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の両面に、難焼結性無機材料とガラスと有機バインダとを含む拘束グリーンシートを積層する工程と、
前記拘束グリーンシートとガラスセラミック・グリーンシート積層体との積層体から有機成分を除去し、ついで焼成して拘束シートを保持したガラスセラミック基板を作製する工程と、
前記ガラスセラミック基板から拘束シートを除去する工程とを含み、
前記拘束グリーンシートのガラス含有量が、前記焼成時に拘束グリーンシートを前記ガラスセラミック・グリーンシートと結合させかつ拘束グリーンシートをその積層面内で実質的に収縮させない量であり、
前記拘束グリーンシートの少なくとも一方が、周辺部の厚みが中央部に比べて厚いことを特徴とするガラスセラミック基板の製造方法。 - 前記拘束グリーンシートが、板状シートと枠状シートとを積層した2層構造であることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック基板の製造方法。
- 前記拘束グリーンシート中に含有されるガラスの軟化点が、前記ガラスセラミック・グリーンシート積層体の焼成温度以下であることを特徴とする請求項1記載のガラスセラミック基板の製造方法。
- 前記拘束グリーンシート中に含有されるガラスの軟化点が、前記有機成分の揮発温度よりも高い請求項1乃至請求項3のいずれか記載のガラスセラミック基板の製造方法。
- 前記拘束グリーンシート中のガラス含有量が、該拘束グリーンシート中の全無機成分の0.5〜15重量%である請求項1記載のガラスセラミック基板の製造方法。
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