WO2016093296A1 - 水中油型組成物及びこれを用いた食品 - Google Patents

水中油型組成物及びこれを用いた食品 Download PDF

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Abstract

 加熱調理しない状態でも加熱時でも噛みごたえのある食感が得られ、水と油の分離も見られない水中油型組成物を提供する。具体的には、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度が4,000~11,000mPa・sであり、かつ65℃における1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)が2,500~4,500Paであるアルキルセルロースと、食用油脂と、水とを少なくとも含む水中油型組成物を提供する。また、前記アルキルセルロースを用いた食品を提供する。

Description

水中油型組成物及びこれを用いた食品
 本発明は、水中油型組成物及びこれを用いた食品に関する。
 メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等の熱可逆ゲル化特性を有するセルロースエーテルは、増粘性、冷凍及び解凍安定性、潤滑性、湿分保持性及び開放性、食感の改善、保水性、乳化性、結合性、又は形状保持性といった機能の付与を目的として、加工食品の添加剤に利用される。
 近年では、油脂、熱可逆ゲル化特性を有する高分子、水からなる食品用組成物も開発されており、食感の改善や油脂成分を含む肉汁が流出し難い製品が注目されている。
 例えば、ハンバーグの疑似肉組成物としては、食用油脂とメチルセルロース、乳化剤、水からなる加熱調理を必要とした畜肉加工食品用組成物がある(特許文献1)。油の分離を抑制するために乳化剤を必要とするが、加熱調理時にメチルセルロースの熱ゲル化を利用して油脂の流出を防止し、ゲルが粒状物として残ることにより畜産加工食品にジューシー感を付与している。
特開2009-183194号公報
 しかし、特許文献1では水と油の分離を抑制し食感を良くするために乳化剤の添加が必要であるが、乳化剤自体に苦味があるものもあり、添加することで組成物の味や風味を損なう。また、加熱調理時に油と水の損失は抑制できるが、メチルセルロースのゲル強度が弱いため、噛みごたえのある食感は得られない。
 本発明は、加熱調理しない状態でも、加熱調理した場合でも噛みごたえのある食感が得られ、水と油の分離も見られない水中油型組成物及びこれを用いた食品を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、加熱調理の有無に拘わらず噛みごたえのある食感が得られる水中油型組成物及びこれを用いた食品が得られることを見出し、本発明に成すに至った。
 本発明の一つの様態によれば、食用油脂と、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度が4,000~11,000mPa・sであり、かつ65℃における1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500~4,500Paであるアルキルセルロースと、水とを少なくとも含む水中油型組成物を提供する。また、別の態様として前記アルキルセルロースを用いた食品を提供する。
 本発明によれば、簡単な系で粘性が高く加熱調理しない状態でも噛みごたえのある食感が得られ、時間が経過しても形状が崩れず、乳化剤を含まなくても水と油の分離も見られない水中油型組成物が得られる。また、加熱調理時も噛みごたえのある食感を得ることができ、水と油の損失も少ないためジューシーで食感が良い水中油型組成物が得られる。
(1)アルキルセルロース
 本発明によれば、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度が4,000~11,000mPa・sであり、かつ65℃における1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500~4,500Paであるアルキルセルロースを用いることができる。
 このアルキルセルロースは、例えば、セルロースパルプと第一のアルカリ金属水酸化物溶液を撹拌混合してアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースとアルキル化剤を反応して第一の反応混合物を得る工程と、前記第一の反応混合物に、さらに前記アルキル化剤を配合することなく、第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合して撹拌混合により第二の反応混合物を得る工程と、前記第二の反応混合物を精製してアルキルセルロースを得る工程とを少なくとも含んでなるアルキルセルロースの製造方法であって、前記第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と、前記第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物との合計質量に対する前記第一のアルカリ金属水酸化物の質量の割合が、好ましくは50~86%となるようにするアルキルセルロースの製造方法によって得られる。
 セルロースパルプは、木材パルプ、リンターパルプ等、通常のセルロースエーテルの材料となるものである。また、セルロースパルプの重合度の指標である固有粘度は、目標とするセルロースエーテルの水溶液粘度に応じて適宜選択することができるが、好ましくは、25℃において、1,000~2,200ml/gであり、より好ましくは1,300~2000ml/gである。セルロースパルプの固有粘度は、JIS P8215のA法に準拠の方法で測定することができる。
 セルロースパルプ中には、セルロース及び水分が含まれ、本明細書において「セルロースパルプ中のセルロース」の量は、JIS P8215 A法準拠の方法で測定することができる。
 セルロースパルプは、粉砕機で粉砕した粉末セルロースパルプであることが好ましい。パルプ粉砕機は、セルロースパルプを粉末状とすることが可能であれば、特に制限されることはないが、ナイフミル、カッティングミル、ハンマーミル、ボールミル及び竪型ローラーミル等の粉砕機を利用することができる。粉末セルロースパルプの重量平均粒子径D50は、好ましくは30~400μmである。粉末セルロースパルプの重量平均粒子径D50は、ロータップ式篩しんとう機に、JIS Z8801に準拠する目開きの異なる複数の試験用篩を設置し、トップの篩の上に粉末パルプを入れ、振動もしくはタッピングさせることで篩い分けを行った後、各篩上及び篩下質量を測定し質量分布を求め、積算値50%での平均粒子径として測定して求める。
 セルロースパルプと第一のアルカリ金属水酸化物溶液を撹拌混合して、アルカリセルロースを得る工程について説明する。
 アルカリ金属水酸化物溶液は、第一のアルカリ金属水酸化物溶液及び第二のアルカリ金属水酸化物溶液のように二段階に分割して配合する。ここで、アルカリ金属水酸化物溶液に特に制限はなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の溶液が挙げられるが、経済的な観点から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と、第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物は、例えばいずれも水酸化ナトリウムを用いるように同一種類とすることが好ましいが、例えば前者として水酸化ナトリウムを用い後者として水酸化カリウムを用いるように異なる種類の組合せとすることも可能である。
 アルカリ金属水酸化物溶液の配合方法は、好ましくはアルカリ金属水酸化物溶液をセルロースパルプに添加するものであり、例えば、アルカリ金属水酸化物溶液を直接滴下する方法、アルカリ金属水酸化物溶液をスプレー状に噴霧する方法があるが、得られたアルカリセルロースの均一性が良い点で、スプレー状に噴霧する方法が好ましい。
 アルカリ金属水酸化物溶液中のアルカリ金属水酸化物の濃度は、エーテル化反応効率及び取扱いの観点から、好ましくは10~60質量%、より好ましくは30~50質量%である。第一のアルカリ金属水酸化物と第二のアルカリ金属水酸化物は、同一濃度であることが好ましいが、異なる濃度とすることも可能である。
 セルロースパルプとアルカリ金属水酸化物溶液を撹拌混合する工程は、内部撹拌構造を有する反応機内で行うことが好ましい。反応機は、内部の温度を測定できるような測定器具が装着されていることが好ましい。
 また、第一のアルカリ金属水酸化物溶液とセルロースパルプを撹拌混合する以前に、反応機内の酸素を真空ポンプ等で除去し、不活性ガス、好ましくは窒素で置換することで、アルカリ金属水酸化物と酸素が存在下で生じる解重合を抑制することが好ましい。
 第一のアルカリ金属水酸化物溶液の使用量は、好ましくは第一のアルカリ金属水酸化物とセルロープパルプ中のセルロースのモル比(第一のアルカリ金属水酸化物/セルロース)として2.0~4.0であり、より好ましくは2.7~3.5である。第一のアルカリ金属水酸化物とセルロースのモル比が2.0未満であると、ゲル化温度が過度に低下して粘性が発現されない場合があり、かつ高いゲル強度を有するアルキルセルロースは製造できない場合がある。一方、4.0を超えると、高いゲル強度を有するアルキルセルロースは製造できない場合がある。
 第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物と第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物の合計質量に対する第一のアルカリ金属水酸化物の質量の割合は、好ましくは50~86%であり、より好ましくは65~80%であり、更に好ましくは65~75%である。第一と第二のアルカリ金属水酸化物の合計質量に対する第一のアルカリ金属水酸化物の質量の割合が50%未満であると、ゲル化温度が低下してしまい粘性が発現されず、かつ高いゲル強度を有するアルキルセルロースは製造できない。一方、第一と第二のアルカリ金属水酸化物の合計質量に対する第一のアルカリ金属水酸化物の質量の割合が86%を超えると、高いゲル強度を有するアルキルセルロースは製造できない。
 セルロースパルプと第一のアルカリ金属水酸化物の配合時の反応機の内温、好ましくはセルロースパルプに第一のアルカリ金属水酸化物溶液を添加時の反応機の内温は、均一なアルカリセルロースを得る点から、好ましくは10~80℃、より好ましくは30~70℃である。
 第一のアルカリ金属水酸化物溶液中の第一のアルカリ金属水酸化物の配合速度は、セルロースパルプ1モルにつき単位時間に添加された第一のアルカリ金属水酸化物のモル量を示し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液が系内で均一に混合されるようにする観点から、好ましくは1.5~48[mol/mol・hr]であり、より好ましくは4.8~18.6[mol/mol・hr] 、更に好ましくは8~15[mol/mol・hr]である。
 第一のアルカリ金属水酸化物溶液添加後、更に5~30分間撹拌混合を続けて、アルカリセルロースをより均一な状態とすることも可能である。
 反応機内における局所的な発熱を抑制の目的で、第一のアルカリ金属水酸化物溶液の添加前、添加中、もしくは添加後に、アルキル化反応に供さない有機溶媒、例えばジメチルエーテルを系内に添加することができる。
 その後、得られたアルカリセルロースとアルキル化剤を反応させて、第一の反応混合物とする。
 アルキル化剤としては、例えば塩化メチル、硫酸ジメチル、ヨウ化メチル等のメチル化剤、塩化エチル、硫酸ジエチル、ヨウ化エチル等のエチル化剤が挙げられ、得られたアルキルセルロースの水への溶解性及び経済的な観点から、塩化メチル、塩化エチルが好ましい。
 アルキル化剤を反応させるときの反応機内温は、反応制御の観点から、好ましくは40~90℃、より好ましくは50~80℃である。
 アルキル化剤の配合モル量は、第一及び第二のアルカリ金属水酸化物の合計モル量に対するアルキル化剤のモル比(アルキル化剤/合計アルカリ金属水酸化物)として、好ましくは0.8~1.5であり、より好ましくは、1.0~1.3である。当該モル比(アルキル化剤/合計アルカリ金属水酸化物)が0.8未満であると、アルキル基が必要量置換されない場合がある。一方、1.5を超えて過剰にアルキル化剤を配合することは経済的に不利となる場合がある。
 アルキル化剤の配合方法は、好ましくはアルキル化剤をアルカリセルロースに添加する。アルキル化剤の添加時間は、反応制御及び生産性の観点から、好ましくは30~120分、より好ましくは40~90分である。
 得られた第一の反応混合物は、必要に応じて通常の粗アルキルセルロースの精製方法と同様に精製してアルキルセルロースとすることができる。
 第一の反応混合物中におけるアルキルセルロースのアルキル基の置換度(DS)は、所望の粘度又は貯蔵弾性率を得る観点から、好ましくは0.75~1.68であり、より好ましくは0.81~1.68であり、更に好ましくは、0.99~1.37である。ここで、DS(degree of substitution)は、セルロースのグルコース環単位当たり、アルキル基で置換された水酸基の平均個数を示す。
 続いて、アルキル化した第一の反応混合物に、更にアルキル化剤を配合することなく、第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合して撹拌混合により第二の反応混合物を得る。
 第一の反応混合物に第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合するとき、すなわち第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合を開始する時期は、好ましくは配合するアルキル化剤の全量の80質量%以上の添加が完了した後、より好ましくはアルキル化剤の添加が完了した後である。第二のアルカリ金属水酸化物溶液の添加を開始する時期が、配合するアルキル化剤の全体の80質量%添加が完了する前である場合、高いゲル強度を有するアルキルセルロースが製造できない場合がある。
 第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物の使用量は、セルロースパルプ中のセルロースに対するモル比(第二のアルカリ金属水酸化物/セルロース)として、好ましくは0.65~2.0であり、より好ましくは0.88~1.48である。当該モル比(アルカリ金属水酸化物/セルロース)が0.65未満であると、高いゲル強度を有するアルキルセルロースは製造できない場合があり、2.0を超えると、ゲル化温度が過度に低下して粘性が発現されない場合があり、かつ高いゲル強度を有するアルキルセルロースは製造できない場合がある。
 第一の反応混合物に第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合するときの配合開始時の反応機内温、好ましくは第一の反応混合物に第二のアルカリ金属水酸化物溶液を添加するときの添加開始時の反応機内温は、好ましくは65~90℃、より好ましくは75~85℃である。第二のアルカリ金属水酸化物溶液の添加開始時の反応機の内温が65℃未満であると、高いゲル強度を有するアルキルセルロースが製造できない場合がある。また、添加開始時の反応機の内温が90℃を超えると、アルカリ金属水酸化物によるマーセル化反応による発熱及びアルキル化による発熱反応を制御できなくなる場合がある。更に、高いゲル強度を有するアルキルセルロースを得る観点から、第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合が完了するときの反応機内温は、好ましくは80℃~100℃、より好ましくは85~95℃である。なお、好ましくは、添加開始時を添加完了時よりも低い温度とし、その温度差は好ましくは3~20℃、より好ましくは4~15℃である。
 第二のアルカリ金属水酸化物溶液中の第二のアルカリ金属水酸化物の配合速度は、第一の反応混合物に、セルロースパルプ中のセルロース1モルにつき単位時間に配合する第二のアルカリ金属水酸化物のモル量を示し、好ましくは0.5~9.6[mol/mol・hr]、より好ましくは1.0~6.5[mol/mol・hr]、更に好ましくは1.0~3.5[mol/mol・hr]である。第二のアルカリ金属水酸化物の配合速度が0.5[mol/mol・hr]未満であると、第二のアルカリ金属水酸化物の配合時間が長くなることから、反応時間の延長につながる場合があり、更に、高いゲル強度を有するアルキルセルロースが製造できない場合がある。一方、第二のアルカリ金属水酸化物の配合速度が9.6[mol/mol・hr]を超えても、高いゲル強度を有するアルキルセルロースが製造できない場合がある。
 第一の反応混合物に第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合する工程において、高いゲル強度を有するアルキルセルロースを得る観点から、第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合の開始から完了するまでの間、反応機内温を一定速度で昇温しながら配合することが好ましい。昇温速度は、好ましくは3.0~50℃/hr、より好ましくは、8.0~45℃/hr、更に好ましくは8.0~30℃/hrである。
 一般に、セルロースパルプとアルカリ金属水酸化物溶液と混合して得られるアルカリセルロースは、アルキル化剤とエーテル化反応することによりアルキルセルロースとなる。この場合、反応系内のアルキル化剤は、このエーテル化反応に伴い徐々に消費されていく。反応機内温が一定である場合、反応系内のアルキル化剤の消費に伴ってエーテル化反応の反応速度は徐々に低下する。そこで、反応機内温を一定速度で昇温しながら第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合を行うことにより、反応系内のアルキル化剤の消費の結果生じるエーテル化反応の反応速度の低下を抑えて、相対的に第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合に伴うエーテル化反応速度を高くする。これにより、高粘性で且つ、高いゲル強度のアルキルセルロースを得ることができる。
 第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合した後、エーテル化反応を完了させるために、撹拌混合を続けることが好ましい。
 第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合後に行う撹拌混合時の反応機内温は、反応制御性の点から、好ましくは80~120℃、より好ましくは85~100℃である。反応を終了させるためには、第二のアルカリ金属水酸化物溶液の配合後に加熱することが好ましい。
 第二のアルカリ金属水酸化物溶液を配合後の撹拌混合時間は、生産性の点から、好ましくは10~60分間、より好ましくは20~40分間である。
 得られた第二の反応混合物は、通常の粗アルキルセルロースの精製方法と同様に精製してアルキルセルロースとすることができる。精製方法は、例えば、第二の反応混合物と60~100℃の水を撹拌容器で混合し、撹拌容器中で反応の際に副反応物として発生した塩を溶解し、次いで所望の精製されたアルキルセルロースを得るため、撹拌容器から出る懸濁液を分離操作にかけ、塩を除去する方法で行われる。分離操作には、例えば加圧回転式フィルターを使用することができる。分離操作後は、乾燥機を用いて乾燥を行う。乾燥機には、例えば、伝導伝熱式溝型撹拌乾燥機を使用することができる。
 得られたアルキルセルロースは、必要であれば、例えばボールミル、ローラーミル、衝撃粉砕機のような通常の粉砕装置を用いて粉砕することができ、続いて篩で分級することで、粒度を調整することができる。
 このようにして得られるアルキルセルロースとしては、好ましくはメチルセルロース、エチルセルロースが挙げられる。
 アルキルセルロースのアルキル基の置換度(DS)は、好ましくは1.61~2.03であり、より好ましくは1.74~2.03である。DSが1.61未満であると、アルキルセルロースは高いゲル強度を有さない場合があり、一方、2.03を超える置換度のアルキルセルロースを製造する方法は、アルキル化剤及びアルカリ金属水酸化物の添加量が多くなってしまうため、経済的に不利となる場合がある。
 一般的に、DSは置換度を表し、セルロースのグルコース環単位当たり、メトキシ基又はエトキシ基で置換された水酸基の平均個数である。
 また、アルキルセルロースのアルキル基の置換度は、J.G.Gobler,E.P.Samscl,and G.H.Beaber,Talanta,9,474(1962)に記載された、Zeisel-GCによる手法によって測定することができる。
 アルキルセルロースの20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は、4,000~11,000mPa・s(2質量%水溶液のB型粘度計による粘度の場合は、60,000~150,000mPa・s)、好ましくは4,000~8,000mPa・s(2質量%水溶液のB型粘度計による粘度の場合は、60,000~110,000mPa・s)、より好ましくは4,000~7,500mPa・s(2質量%水溶液のB型粘度計による粘度の場合は、60,000~100,000mPa・s)である。1質量%水溶液粘度が4,000mPa・s未満であると、アルキルセルロースを含む食品の粘性が低く、食品の食感が悪くなる一方、1質量%水溶液粘度が11,000mPa・sを超えると水中油型組成物の流動性が失われて固形状の組成物となるため、食感が好ましくない。また、粘度が高くなると製造工程中の計量や具材混合タンクへの投入が困難になるなど操作性が悪くなり易い。
 B型粘度計による粘度は、第十六改正日本薬局方のメチルセルロースに関する分析方法によって測定することができる。
 アルキルセルロースのゲル強度は、65℃における1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)で表す。一般に貯蔵弾性率は、溶液の弾性成分、つまり物体に力を加えているときに生じた変形が、力を除くと元に戻る性質の成分を表し、ゲル強度の指標となる。
 65℃におけるアルキルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)は、好ましくは2,500~4,500Pa、より好ましくは2,700~4,500Pa、更に好ましくは3,000~4,300Pa、特に好ましくは3,000~4,000Paである。貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500Pa未満であると、アルキルセルロースを含む食品のゲル強度が低く、良好な食感を得られない。また、4500Paを超えてしまうと、アルキルセルロースを含む食品のゲル強度が高くなりすぎてしまい、固い食感となってしまう。
 アルキルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)は、例えばAnton Paar社のレオメータであるMCR500を用いて測定することができる。
 アルキルセルロース1.5質量%水溶液の調製は、以下のようにして行う。アルキルセルロースの換算した乾燥物4.50gに対応する量を広口瓶(直径65mm及び高さ120mmの体積350mlの容器)に正確に量り、熱湯(98℃)を加えて300.0gとし、容器に蓋をした後、かき混ぜ機を用いて均一な分散液となるまで毎分350~450回転で20分間かき混ぜる。その後、5℃以下の水浴中で40分間かき混ぜながら溶解し、試料溶液とする。
 レオメータの試料測定部を予め65℃に温調しておき、調製されたアルキルセルロース1.5質量%水溶液を、CC27測定カップ(直径30mm及び高さ80mmのアルミ製の円筒状容器)の標線(25ml)まで注ぎ入れ、角周波数を1rad/sとし、振幅10%のひずみをボブシリンダー(直径26.7mm及び高さ40.0mm:CC27)によりかけ測定を開始する。測定部は65℃一定に保持する。データは毎分1点収集する。測定開始から60分までの間の貯蔵弾性率の最大値を本発明の貯蔵弾性率G'(65℃)とした。
 アルキルセルロースのゲル化温度は、貯蔵弾性率G'(30→80℃)と損失弾性率G’’の関係を用いて評価する。一般に損失弾性率とは溶液の粘性成分、つまり流体の運動にともなって、流体が変形され抵抗を生じる性質の成分を表し、ゲル化温度の指標となる。
 アルキルセルロース1.5質量%水溶液のゲル化温度は、好ましくは40~55℃、より好ましくは44~53℃、更に好ましくは48~53℃である。ゲル化温度が40℃未満であると、アルキルセルロースの水への溶解温度が低くなりすぎ、アルキルセルロースが溶解せずに、粘性を十分に発現しない場合があり、55℃を超えると、アルキルセルロースを含む食品のゲル強度が低く、良好な食感を得られない場合がある。
 アルキルセルロース1.5質量%水溶液のゲル化温度は、例えばAnton Paar社のレオメータであるMCR500を用いて測定することができる。
 アルキルセルロース1.5質量%水溶液の調製は、上記貯蔵弾性率G'(65℃)の試料溶液と同様に調製する。
 レオメータの試料測定部を、予め30℃に温調しておき、アルキルセルロース1.5質量%水溶液をCC27測定カップ(直径30mm及び高さ80mmの円筒状容器)の標線(25ml)まで注ぎ入れ、周波数を1Hzとし、振幅0.5%のひずみをかけ測定を開始する。試料測定部は毎分2℃ずつ80℃まで昇温させる。データは毎分2点収集する。
 この測定で得られる貯蔵弾性率G'(30→80℃)及び損失弾性率G’’は、測定系の温度が上昇するに従い値が変化し、損失弾性率G’’と貯蔵弾性率G'(30→80℃)が等しい値、つまりG’’/G'(30→80℃)=1となるときの温度をゲル化温度とした。
(2)水中油性組成物及び食品
 水中油型組成物とは、ハンバーグ、ミートボール、肉団子、ミートローフ、ミートパテ、チキンナゲット、ミートコロッケ、メンチカツ、シュウマイの具、ギョウザの具、肉まんの具、つくね、ハム、ソーセージ等の加熱調理型加工食品の具材に、ジューシー感や食感の改良を目的として配合するものであり、更にこれらの代替品としてそれ自体も食品となり得るものである。また、水中油型組成物は加熱調理しない状態でも食感が良く噛みごたえが良いため、それ自体も食品となり得る。
 水中油型組成物は、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度が4,000~11,000mPa・sであり、かつ65℃おける1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500~4,500Paであるアルキルセルロースと、食用油脂と、水とを少なくとも含む。
 食用油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油及びカカオ脂等の食用植物油脂、牛脂、乳脂、豚脂、サル脂、魚油及び鯨油等の食用動物油脂、食用植物油脂又は食用動物油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される一または二以上の処理を施した加工油脂、並びに油脂を含有する乳製品又は乳製品類似食品が挙げられる。
 食用油脂の含有量は、水と食用油脂の組成物が分離せず安定して得る観点から、水中油型組成物中に好ましくは5~50質量%、更に好ましくは10~30質量%である。
 アルキルセルロースは、セルロースの水酸基の一部をメトキシ基等でエーテル置換したもので、分子内に親油基であるメトキシ基等と親水基である水酸基を有する水溶性多糖類である。上述したように、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度が4,000~11,000mPa・sであり、かつ65℃のおける1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500~4,500Paであるアルキルセルロースを用いる。アルキルセルロースのこのような特性を利用して噛みごたえのある食感を得ることができる。
 アルキルセルロースは、水中油型組成物中に、加熱調理しない状態でも加熱調理時でも噛みごたえのある食感を付与する観点から、好ましくは1~20質量%、更に好ましくは2~10質量%含まれる。
 水中油型組成物には、得られる組成物に十分な食感及びジューシー感を付与する観点から、水(氷水を含む)を水中油型組成物中に、好ましくは40~90質量%、更に好ましくは、50~70質量%含有する。添加する際の水の温度は、アルキルセルロースの溶解性の観点から、好ましくは-5~10℃、更に好ましくは0℃~5℃である。
 水は、イオン交換水、蒸留水、水道水、緩衝液等の他、それらによって作られる氷を使用できる。
 水中油型組成物は、更に糖類、甘味料、有機酸、増粘剤、調味料等の添加物を含有してもよい。これらの各添加物の含有量は、水中油型組成物の用途に応じて変動するが、加熱調理の有無に拘わらず噛みごたえのある食感を付与したり、水中油型組成物から食用油脂や水の分離を抑える観点から、好ましくは1~30質量%である。
 糖類は、特に限定されないが、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
 また、甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、アスパルテーム等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
 有機酸としては、クエン酸、乳酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、氷酢酸、フィチン酸、アジピン酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン、アスコルビン酸、柑橘類の果汁等の各種果汁等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
 増粘剤としては、アルギン酸、L M ペクチン、H M ペクチン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、カラギナン、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガントガム、アラビアガム、タマリンドガム、セルロース、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、コンニャクマンナン、グルコマンナン、寒天、ゼラチン、大豆蛋白質、食物繊維等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
 調味料としては、グリシン、グルタミン酸ナトリウム、アミノ酸調味料や食塩、酢酸等の有機酸類等が挙げられ、これらを単独で用いるか又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
 次に、水中油型組成物の製造方法について説明する。水中油型組成物は、食用油脂とアルキルセルロースを撹拌混合した後に、水を更に混合することにより得られる。食用油脂とアルキルセルロースの混合物に、水を配合する理由は、得られる組成物に十分な食感及びジューシー感を付与するためである。
 混合装置としては、ハンドミキサー、ホモゲナイザー、コロイドミル、スタティックミキサー、インラインミキサー、ディスパーミル等を用いることができる。混合装置によるが、家庭用のハンドミキサーを利用する場合は、好ましくは、回転数500~1500回/分の条件で20秒間の撹拌で均一な水中油型組成物が得られる。得られた水中油型組成物に加熱殺菌処理や、可塑化のため冷却処理しても問題ない。また、加熱殺菌処理をした後、混合処理を行ない、更に必要に応じ冷却処理を行うことによっても得ることができる。加熱殺菌方法としては、UHT、HTST、LTLT等の他、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式又は掻き取り式等の間接加熱方式により、好ましくは70~180℃の加熱処理を行なえば良い。また、冷却方法としては、適当な容器に充填した後に、放冷、冷蔵庫による、充填前にパーフェクター、コンビネーター等の急冷可塑化機にて冷却しても良い。
 得られた水中油型組成物を含む組成物の硬さ、咀嚼性、粘着力については、テクスチャーアナライザーを用いて測定することができる。テクスチャーアナライザーにより得られる硬さは、食品の硬さの指標となる。また、咀嚼性は半固形状食品を飲み込める状態にまで咀嚼するのに必要なエネルギーと定義されており、咀嚼性=硬さ×凝集性×弾力性という計算式により求められ、硬さと咀嚼性が高い方が噛みごたえがある。
 テクスチャーアナライザーとしては、例えば、英弘精機社製のテクスチャーアナライザーTA-XTplus、島津製作所製の小型卓上試験機EZ TESTを用いることができる。
 加熱調理をしない状態で、人が十分な噛みごたえのある食感を得る観点から、硬さは好ましくは2.6~4.0Nであり、より好ましくは3.0~3.6Nであり、咀嚼性は好ましくは1.8~2.5Nであり、より好ましくは2.0~2.5Nである。水中油型組成物の保形性が安定している状態を保持する観点から、粘着力は好ましくは1.0~1.5Nであり、より好ましくは1.1~1.3Nである。
 一方、加熱調理をした状態で、人が十分な噛みごたえのある食感を得る観点から、硬さは好ましくは50~65Nであり、より好ましくは55~60Nであり、咀嚼性は好ましくは35~45Nであり、より好ましくは38~45Nである。
 加熱調理後の水中油型組成物をテクスチャーアナライザーにより圧縮することで、水中油型組成物の咀嚼時の食用油脂と水の分離量がわかる。加熱調理後の圧縮後の食用油脂と水の分離量は、咀嚼時にジューシー感を得る観点から、水を200g含有する水中油型組成物当たり、好ましくは1.0~3.5gであり、より好ましくは1.0~2.0gである。
 また、加熱調理した水中油型組成物は、加熱により食用油脂と水が分離する。これは、アルキルセルロースのゲル化時の強度や保水性により異なる。加熱調理後の食用油脂と水の分離量は、質量減少を少なくする観点から、好ましくは0.5~4.0gであり、より好ましくは1.0~3.5gである。
 加熱調理しない水中油型組成物を含む食品は、特に限定されないが水中油型組成物に添加物を加えたり、魚肉や肉と混合することで得られる。加熱調理しない食品中の水中油型組成物の含有量は、好ましくは1~30質量%である。魚肉や肉は加熱調理しないため細菌による食中毒のリスクがあることから、水中油型組成物を混合する前に加熱殺菌調理することが好ましい。室温下での水中油型組成物は、加熱調理後のゲル物の硬さとは違うが、噛みごたえと保形性がある。噛みごたえ及び保形性は、アルキルセルロースが食用油脂と水を安定した状態で保持し、アルキルセルロースの増粘効果が作用している。また、加熱調理しない場合の水中油型組成物は、時間が経過しても水と食用油脂の分離が見られず形状が変化することはなかった。
 一方、加熱調理する水中油型組成物を含む食品は特に限定されないが、上記と同様に水中油型組成物に添加物等を加えて得られた食品を電子レンジ、ガスレンジ、オーブン、乾燥機を用いて、焼き、フライ、蒸し等ほぼ全ての加熱形態により調理される。そして、具材の中心温度が、好ましくは55~90℃、より好ましくは65~80℃となるように加熱調理する。水中油型組成物に噛みごたえのある食感を付与するには、熱ゲル化温度以上の温度で十分な時間加熱する必要があり、具材の厚みに応じて加熱温度と加熱時間を調整することが望ましい。例えば、ゲル化特性の観点から乾燥機のような温調機で加熱調理する場合は、好ましい加熱温度は80~100℃ 、好ましい加熱時間は10分~60分である。
 加熱調理する食品中の水中油型組成物の含有量は、好ましくは1~80質量%である。
 以下に、アルキルセルロースの合成例及び比較合成例を記載し、更に、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、本発明は合成例及び実施例に限定されるものではない。
合成例1
 固有粘度が1,350ml/gであるウッドパルプを粉砕機で粉砕し、粉末セルロースパルプを得た。この粉末セルロースパルプのうち、セルロース分で6.0kgに相当する量のセルロースパルプを、ジャケット付き内部撹拌式耐圧反応機に仕込み、真空窒素置換を行い、十分に反応機内の酸素を除去した。
 次に、反応機内温を60℃となるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が2.62となるように、添加速度10.48[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
 続いて、ジメチルエーテルを2.4kg添加し、反応機内温が60℃を保持するように温調した。ジメチルエーテル添加後、反応機内温を60℃から80℃に昇温しながら、塩化メチル量と第一及び第二の水酸化ナトリウムの合計量とのモル比(塩化メチル/合計水酸化ナトリウム)が1.1となるように60分間かけて塩化メチルを添加し、第一の反応混合物とした。塩化メチルの添加に続いて、第二のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.60となるように、添加速度3.20[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、第二の反応混合物とした。第二の水酸化ナトリウム溶液の添加開始時の反応機内温は77℃、添加完了時の反応機内温は89℃であり、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から完了までの間、反応機内温を24℃/hrで昇温させた。第二の水酸化ナトリウム水溶液の仕込み完了後、撹拌を30分間継続して行ってエーテル化反応を完了させた。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は62.1%であった。
 得られた第二の反応混合物を95℃の熱水を添加してスラリー化した後、ロータリープレッシャーフィルターを用いて洗浄し、続いて、送風乾燥機で乾燥し、更にボールミルで粉砕し、篩で分級を行った後、メチルセルロースを得た。実験条件を表1に示す。
 得られたメチルセルロースのDSは1.81であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は4,300mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は59,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、3,000Paであり、ゲル化温度は48℃であった。得られた結果を表1に示す。
合成例2
 固有粘度が1,600ml/gであるウッドパルプを粉砕機で粉砕して得られた粉末セ
ルロースパルプを用いた以外は、合成例1と同様にしてメチルセルロースを得た。
 得られたメチルセルロースのDSは1.82であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は7,200mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は99,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、3,500Paであり、ゲル化温度は46℃であった。
合成例3
 固有粘度が2,000ml/gであるウッドパルプを粉砕機で粉砕して得られた粉末セルロースパルプを用いた以外は、合成例1と同様にしてメチルセルロースを得た。
 得られたメチルセルロースのDSは1.83であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は1,1000mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は150,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、4,500Paであり、ゲル化温度は50℃であった。
合成例4
 固有粘度が1,400ml/gであるウッドパルプを粉砕機で粉砕して得られた粉末セルロースパルプを用いた以外は、合成例1と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を55℃となるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が2.26となるように、添加速度9.04[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
 続いて、合成例1と同様にして第一の反応混合物を得た後、第二の水酸化ナトリウム溶液の添加開始時の反応機内温を80℃、添加完了時の反応機内温は92℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から添加が完了するまでの間、反応機内温を36℃/hrで昇温させ、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.84となるように、添加速度5.52[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加して第二の反応混合物とする以外は、合成例1と同様に行った。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は55.1%であった。
 その後、得られた第二の反応混合物を合成例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。実験条件を表1に示す。
 得られたメチルセルロースのDSは1.85であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は5,820mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は79,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ2,750Paであり、ゲル化温度は43℃であった。得られた結果を表1に示す。
合成例5
 アルカリセルロースにジメチルエーテル添加後、反応機内温を60℃から85℃に昇温しながら、塩化メチルと第一及び第二の水酸化ナトリウムの合計量とのモル比(塩化メチル/合計水酸化ナトリウム)が1.1となるように60分間かけて塩化メチルを添加し、第一の反応混合物を得た。その後、第二の水酸化ナトリウム溶液の添加開始時の反応機内温を85℃、添加完了時の反応機内温は89.5℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から添加が完了するまでの間、反応機内温を9.0℃/hrで昇温させた以外は、合成例1と同様の操作を行い、メチルセルロースを得た。実験条件を表1に示す。
 得られたメチルセルロースのDSは1.83であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は6,250mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は84,750mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ3700Paであり、ゲル化温度は43℃であった。
合成例6
 合成例4と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を55℃になるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースの質量比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が3.01となるように、添加速度12.04[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
 続いて、合成例1と同様にして、第一の反応混合物を得た後、第二の水酸化ナトリウム水溶液の添加開始時の反応機内温を81℃、添加完了時の反応機内温は89℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から添加が完了するまでの間、反応機内温を16.4℃/hrで昇温させ、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.26となるように、添加速度2.58[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加して第二の反応混合物とする以外は、合成例1と同様に行った。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は70.5%であった。
 その後、得られた第二の反応混合物を合成例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。実験条件を表1に示す。
 得られたメチルセルロースのDSは1.85であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は6,000mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は82,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、3,300Paであり、ゲル化温度は53℃であった。得られた結果を表1に示す。
合成例7
 合成例4と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を55℃になるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースの質量比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が2.85となるように、添加速度11.39[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
 続いて、合成例1と同様にして第一の反応混合物を得た後、第二の水酸化ナトリウム溶液の添加開始時の反応機内温を79℃、添加完了時の反応機内温は91℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から添加が完了するまで反応機内温を24℃/hrで昇温させ、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.40となるように、添加速度2.80[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加して第二の反応混合物とする以外は、合成例1と同様に行った。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は67.0%であった。
 その後、得られた第二の反応混合物を合成例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。実験条件を表1に示す。
 得られたメチルセルロースのDSは1.82であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は6,050mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は82,500mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、3,300Paであり、ゲル化温度は51℃であった。得られた結果を表1に示す。
比較合成例1
 合成例1と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を40℃となるように温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が1.87となるように、添加速度7.48[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、添加終了後、更に10分間撹拌を続けた。
 続いて、ジメチルエーテルを2.4kg添加し、反応機内温は40℃を保持するように温調した。ジメチルエーテル添加後、塩化メチルを水酸化ナトリウム溶液と同様に2段階に分割して添加した。第一の塩化メチルは、第一の塩化メチルと第一の水酸化ナトリウムのとのモル比(第一の塩化メチル/第一の水酸化ナトリウム)が1.1となるように25分間かけて添加し、第一の反応混合物とした。第一の塩化メチルの添加完了後、反応機内温を40℃から80℃まで40分間かけて昇温し、80℃に達した後、更に30分間撹拌混合を継続した。
 続いて、反応機の内温を80℃に保ちながら、第二のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が2.42となるように、添加速度14.54[mol/mol・hr]で49質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、第二の反応混合物とした。第二の水酸化ナトリウム水溶液添加時の反応機内温は80℃、添加完了時の反応機内温も80℃であった。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は、43.6%であった。
 続いて、反応機の内温を80℃に保ちながら、第二の塩化メチルを、第二の塩化メチルと第二の水酸化ナトリウムとのモル比(第二の塩化メチル/第二の水酸化ナトリウム)が1.1となるように30分間かけて添加した。第二の塩化メチル添加後、更に反応機の内温を80℃に保ちながら30分間撹拌混合した。その後、反応機を80℃から95℃に15分間かけて昇温し、粗メチルセルロースとした。
 その後、得られた粗メチルセルロースを合成例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。
 得られたメチルセルロースのDSは1.82であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は3,600mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は50,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、3,500Paであり、ゲル化温度は46℃であった。
比較合成例2
 合成例4と同様に反応機内にセルロースパルプを仕込み、反応機内温を60℃となるように、温調しながら内部を撹拌し、第一のアルカリ金属水酸化物溶液として49質量%水酸化ナトリウム水溶液を用い、第一の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第一の水酸化ナトリウム/セルロース)が4.11となるように、添加速度16.44[mol/mol・hr]で第一の水酸化ナトリウム水溶液を添加して、アルカリセルロースとした。
 続いて、合成例4と同様にして第一の反応混合物を得た後、第二の水酸化ナトリウム水溶液の添加開始時の反応機内温を80℃、添加完了時の反応機内温は91℃とし、第二の水酸化ナトリウム水溶液添加開始から添加が完了するまで反応機内温を22℃/hrで昇温させ、第二の水酸化ナトリウムとセルロースのモル比(第二の水酸化ナトリウム/セルロース)が0.46となるように、添加速度0.92[mol/mol・hr]で第二の水酸化ナトリウム水溶液を添加して第二の反応混合物とする以外は、合成例1と同様に行った。第一と第二の水酸化ナトリウム水溶液中の第一と第二の水酸化ナトリウムの合計質量に対する第一の水酸化ナトリウムの質量の割合は89.9%であった。
 その後、得られた第二の反応混合物を合成例1と同様に精製、粉砕してメチルセルロースを得た。実験条件を表1に示す。
 得られたメチルセルロースのDSは1.82であり、20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度は5,750mPa・s(20℃における2質量%水溶液のB型粘度計による粘度は78,000mPa・s)であった。65℃におけるメチルセルロース1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G'(65℃)を測定したところ、1,950Paであり、ゲル化温度は62℃であった。得られた結果を表1に示す。


Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
実施例1
 食用油脂(日清オイリオ社製)80gと合成例1で得られたメチルセルロース10gをハンドミキサー(貝印社製 DL-2392)のボール容器に入れ軽くまぜ、この中に0℃の水を200g投入し、ハンドミキサーで回転数1000回/分の条件で20秒間撹拌した。ハンドミキサーのブレードの撹拌を均一にするために、ハンドミキサーのボールを20秒間で時計回りに2回転させて水中油型組成物を得た。
<テクスチャーアナライザーによる定量評価>
 得られた水中油型組成物を直径45mm、深さ55mmの円柱型のステンレス容器に60g入れ、3時間室温下で静置した後に、テクスチャーアナライザーTA-XTplus(英弘精機社製)を用いて水中油型組成物の硬さ、咀嚼性及び粘着力を測定した。25℃の水中油型組成物の各種物性を測定したところ、硬さは3.1N、咀嚼性は2.0N、粘着力は1.1Nであった。また、ステンレス容器に入れた水中油型組成物から浸み出した食用油脂と水の分離量は0.1gであった。食用油脂と水の分離は3日後も変化しなかった。
 水中油型組成物60gをステンレス容器に入れた水中油型組成物を送風乾燥機により80℃で40分間加熱した。加熱後の水中油型組成物から浸み出した食用油脂と水の分離量(油の分離量)は、水中油型組成物60gが入っているステンレス容器を傾けた時に表面に浸み出した油の量に相当し、2.8gであった。加熱後の水中油型組成物の各種物性を測定したところ、硬さ55N、咀嚼性38Nであった。また、加熱後の水中油型組成物にテクスチャーアナライザーTA-XTplusにより圧縮を加えた後の食用油脂と水の分離量は水中油型組成物60gが入っているステンレス容器を傾けた時に浸み出した油の量であり1.8gであった。
 なお、テクスチャーアナライザー測定条件は以下の通りである。
   測定機器: テクスチャーアナライザーTA-XTplus
                 (英弘精機社製)
   測定器具: 円形型直径25mmシリンダープローブ
                  (型番P/25P)
   測定モード: TPA
   テストスピード: 5.0mm/秒
   ターゲットモード: 距離
   プローブ進入深さ: 20mm (25℃測定時)
             10mm (80℃測定時)
   時間: 5.0秒
   測定強度: 5g
実施例2
 合成例2で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について、実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例3
 合成例3で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物(加熱調理なし)と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物(加熱調理あり)の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例4
 合成例4で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物(加熱調理なし)と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物(加熱調理あり)の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例5
 合成例5で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物(加熱調理なし)と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物(加熱調理あり)の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例6
 合成例6で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物(加熱調理なし)と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物(加熱調理あり)の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
実施例7
 合成例7で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物(加熱調理なし)と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物(加熱調理あり)の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例1
 比較合成例1で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物(加熱調理なし)と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物(加熱調理あり)の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
 比較例1で得られた水中油型組成物の各種物性は、アルキルセルロースの1質量%粘度が、好ましい範囲である4,000mPa・s以下であるため、水中油型組成物の粘性が十分発現されず、実施例1と比較して保形性が得られなかった。保形性に関しては、テクスチャーアナライザーの粘着力によっても評価でき、好ましい範囲である1.0N以下であった。
比較例2
 比較合成例2で得られたメチルセルロースを用いた以外は、実施例1と同様に水中油型組成物を製造した。得られた水中油型組成物について実施例1と同様にテクスチャーアナライザーを用いて25℃の水中油型組成物と80℃で40分間加熱後の水中油型組成物の各種物性を測定した。結果を表2に示す。
 比較例2で得られた水中油型組成物の各種物性は、アルキルセルロースの1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500Pa以下であるため実施例1と比較して水中油型組成物の硬さ及び咀嚼性が十分得られなかった。
 実施例1~7及び比較例1~2で得られた水中油型組成物は、上述のテクスチャーアナライザーによる評価だけでなく、評価者による官能評価も行った。具体的には、10名の評価者によって、以下に示す、加熱調理の有無で保形性、噛みごたえについての評価を行った。結果を表2に示す。
 加熱前の水中油型組成物の保形性として、60gの水中油型組成物を円形に手で成形し、25℃の条件下で3日間静置した後の水中油型組成物の円形の形状変化について評価者10名が観察を行い評価した。
 また、加熱前の水中油型組成物の噛みごたえとして、実施例1~7及び比較例1~2記載の60gの水中油型組成物を円形に手で成形したものを評価者に食べて貰うことで評価した。加熱後の水中油型組成物の保形性として60gの水中油型組成物を円形に手で成形したものを80℃で40分間加熱直後の水中油型組成物の形態観察を行い評価した。更に、加熱後の水中油型組成物の噛みごたえとジューシー感は、60gの水中油型組成物を円形に手で成形したものを80℃で40分間加熱した水中油型組成物を評価者に食べて貰うことで評価した。
 各評価は、○、△、×の3段階で行われ、評価基準は以下の通りである。
   ○:8割以上が良好と評価
   △:5割以上8割未満が良好と評価
   ×:5割未満が良好と評価
 テクスチャーアナライザー値と10名による官能評価を比較すると、テクスチャーアナライザーの硬さと咀嚼性の値が高い方が、評価者も噛みごたえもあると評価しており、テクスチャーアナライザーにより定量的に噛みごたえを評価できる。また、テクスチャーアナライザーにより得られる粘着力が1.1N以上になると、水中油型組成物の保形性が高くなり、評価者も水中油型組成物の形状が崩れず保形性があると評価している。また、水中油型組成物60gをステンレス溶液に入れたものをテクスチャーアナライザーにより圧縮した後の液の分離量が1.0~3.5gになると、評価者の官能評価においてもジューシー感が得られると評価している。
 このように評価者10人による官能評価の結果をテクスチャーアナライザーから得られる硬さ、咀嚼性、粘着力、圧縮後の液の分離量によって定量的に判断することが可能である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
実施例4(食品:疑似ハンバーグ:加熱調理なし)
 実施例1で得られた水中油型組成物に塩及びガーリック粉末を加えて、疑似ハンバーグの種を作り、この疑似ハンバーグの種60gを成形して疑似ハンバーグとした。成形した水中油型組成物の形状は、崩れにくく、噛みごたえと食感があった。
実施例5(食品:ソーセージ:加熱調理あり)
 実施例1で得られた水中油型組成物に塩及びガーリック粉末を加えて食用ソーセージケーシング中に詰めた後、水中油型組成物の中心部の温度が80~100℃になるように加熱した。ジューシーで食感が良い水中油型組成物のソーセージが得られた。
 
 

Claims (6)

  1.  20℃における1質量%水溶液のB型粘度計による粘度が4,000~11,000mPa・sであり、かつ65℃のおける1.5質量%水溶液の貯蔵弾性率G’(65℃)が2,500~4,500Paであるアルキルセルロースと、
     食用油脂と、
     水と
    を少なくとも含む水中油型組成物。
  2.  前記アルキルセルロースの1.5質量%水溶液のゲル化温度が、40~55℃である請求項1に記載の水中油型組成物。
  3.  前記アルキルセルロースが、メチルセルロース及びエチルセルロースからなる群から選ばれる請求項1又は請求項2に記載の水中油型組成物。
  4.  前記アルキルセルロースが、アルキル基の置換度(DS)が1.61~2.03のメチルセルロースである請求項1~3のいずれか1項に記載の水中油型組成物。
  5.  前記請求項1~4のいずれか1項に記載の水中油型組成物を加熱調理せずに得られる食品。
  6.  前記請求項1~4のいずれか1項に記載の水中油型組成物を加熱調理して得られる食品。
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