JP2010508026A - 食品のための改善された増粘組成物 - Google Patents

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Abstract

種子の胚乳から得られるガラクトマンナンヒドロコロイドを含む、改善された増粘組成物および方法が開示される。該増粘組成物は、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンの組合せを含み、食品および飼料製品を増粘するために利用することができる。カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンの組合せは、食品において、特に熱処理ヨーグルトなどの乳製品において相乗的なレオロジーおよび安定化作用を示す。

Description

本発明は、種子の胚乳から得られるヒドロコロイド(以下「ヒドロコロイド」)を含む改善された増粘組成物に関する。より具体的には、本発明は、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンの相乗的組合せを含む増粘組成物、ならびに食品および飼料における増粘剤としてのその使用に関する。相乗的組合せは、カッシアヒドロコロイドまたはペクチン単独のものよりも強化されたレオロジーおよび安定化効果を示す。
ヒドロコロイドは、マメ科(LeguminosaeおよびFabaceae)の草本、低木、および樹木の種子の胚乳から抽出することができる多糖類に由来する。タマリンドの木のTamarindus indica L.(タマリンドガム);グリークヘイ(Greek hay)のTrigonella foenum−graecum L.(フェヌグリークガム);草本類ツリハブソウ(wild senna)およびエビスグサ(sicklepod)のCassia toraおよびCassia obtusifolia(カッシアガム);イナゴマメの木のCeratonia siliqua L.(ローカストビーンガム;LBG);低木タラのCaesalpinia spinosa L.(タラガム)、ならびにグアーの草のCyamopsis tetragonoloba L.(グアーガム)の種子が、胚乳材料の一般的な供給源となる。これらの種子から得られる多糖類は、水性系中の増粘剤およびゲル化剤として作用することが知られている。フェヌグリークガム、カッシアガム、ローカストビーンガム、タラガム、およびグアーガムから得られる多糖類は、ポリガラクトマンナンとして知られている。ポリガラクトマンナンは、主鎖のマンノピラノース残基の6番炭素から分岐している反復1→6結合α−D−ガラクトシル側鎖基を有する1→4結合β−D−マンノピラノシル単位(複数)からなる。マメ科(LeguminosaeおよびFabraceae)の様々な種のガラクトマンナンポリマーは、ポリマンノピラノース主鎖から分岐しているガラクトシル側鎖単位の発生頻度が互いに異なっている。フェヌグリークガムに含有されるポリガラクトマンナンのD−マンノシル単位対D−ガラクトシル単位の平均比は約1:1であり、グアーガムでは約2:1、タラガムでは約3:1、ローカストビーンガムでは約4:1、およびカッシアガムでは約5:1である。例示的な目的では、カッシアガムから得られるポリガラクトマンナンは、以下の構造で概略的に表示される。
Figure 2010508026
ここで、nは、ガラクトマンナンポリマーの反復単位数を表す。一態様では、nは、約10〜約50の整数を表す。別の態様では、nは約15〜約35の整数を表し、さらに別の態様では約20〜約30の整数を表す。さらに別の態様では、ポリガラクトマンナンは、少なくとも100,000の数平均分子量を有する。別の態様では、数平均分子量は約150,000〜約500,000の範囲であり、さらに別の態様では約200,000〜約300,000である(ポリスチレン標準を使用するGPC法によって決定される分子量)。さらなる一態様では、数平均分子量は、500,000〜1,000,000超の範囲となり得る。
一般に、カッシア、ローカストビーン、タラ、およびグアーの種子から抽出した胚乳粉は、水を3〜12%、脂肪を最大2%、未加工タンパク質を最大7%、未加工繊維を最大4%、灰分を最大2%、および残りである多糖を少なくとも75%含有する。例えば、人間および動物が消費する食品および飼料における使用のためなどの広範な使用に合った改善された特性を有する、より純粋なガラクトマンナンの調製方法が知られている。例えば、公知の方法では、カッシア胚乳は、熟成種子を加熱し、その後破砕または磨砕などの機械的応力をかけることによって、Cassia toraまたはCassia obtusifoliaの種子から抽出される。この処理によって、胚および内胚乳の殻が微粉化される。そのままの種子胚乳を、篩にかけることにより、苗および殻の破片から分離し、次いでそれを特許文献1などに記載の微粉化法にかける。この方法で調製したカッシア胚乳粉は、望ましいゲル化特性を有するが、特有のフルーティな芳香およびわずかな苦味を保持している。さらにこの粉は、見た目が良くない黄色からわずかな褐色を有している。
特許文献2には、カッシアガラクトマンナンならびにカラギーナン、寒天および/またはキサンタンの混合物をベースとするゲル化剤および増粘剤が開示されている。
特許文献3には、Cassia toraの胚乳から得られるカッシア胚乳粉の製造方法が開示されている。得られる製品は、無色、無臭および無味である。開示内容の方法では、胚乳を少なくとも1回溶媒抽出して、アントラキノン誘導体などの不純物を低減する。抽出溶媒は、水ならびにアルカノールおよび/またはアセトンの混合物を含む。乾燥後、胚乳を所望の細度に変換する。
ゲル化剤は、味、匂い、および色特性に関して食品に影響を及ぼさずに、その食品にゼラチン質の稠度を付与すべきであるという事実とは別に、これらの前処理から得られる最終的なヒドロコロイドは、幾つかの植物化学物質、特にアントラキノン誘導体をなおも含有している。この部類の化合物は、人間の健康に潜在的に有害であると確認されている(非特許文献1)。
健康への望ましくない影響を生じる疑いがある典型的なアントラキノン誘導体は、次式で表されるフィスシオン(physcion)、クリソファノール、アロエ−エモジン、レインなどの1,8−ヒドロキシアントラキノンである。
Figure 2010508026
上記に考察したように、特許文献3は、かかる化合物によって生じる有害な匂い、色、および味の作用を低減する研究において、カッシアガムのアントラキノン量を低減する方法を対象としている。この特許の開示内容からは、ガム中のアントラキノンの存在に固有の毒性問題は認識されていない。しかし、食品、飼料、医療および個人ケアの目的で安全に使用することができるカッシアヒドロコロイドを提供するためには、ヒドロコロイドが潜在的に有害なアントラキノンを実質的に含まないことが必須である。
特許文献4は、グアー、タラ、ローカストビーンなどのマメ科種子から得られる粘着性材料の製造方法を開示しており、該方法は、得られた胚乳をこねて含水量30〜60%にするステップ、および含水した胚乳をローラーの間に通過させることによって平坦化するステップを含む。その後のステップで、平坦化した胚乳を乾燥し磨砕する。この方法は、当技術分野では「薄片化(flaking)/磨砕(grinding)」法として知られている。この方法に従って調製されたガラクトマンナンは、紙、サラダドレッシング、アイスクリーム、ベーカリー製品、および他の食品の製造における添加剤として使用される。
特許文献5には、カッシア種子の胚乳粉が、その種子を簡易な製粉過程にかけて殻から胚乳を分離し、その後胚乳を磨砕して所望の粒経を生成することによって得られることが開示されている。カッシアガラクトマンナンのヒドロコロイドは、食品用途に適していることが開示されている。
特許文献6には、実質的に無色、無臭、および無味であり、かつアントラキノンを殆ど含まず、優れたゲル化特性を維持する、カッシア粉などのガラクトマンナン粉の製造方法が開示されている。開示されている方法は、タマリンドの木のTamarindus indica L.(タマリンドガム);グリークヘイ(Greek hay)のTrigonella foenum−graecum L.(フェヌグリークガム);草本類ツリハブソウ(wild senna)およびエビスグサ(sicklepod)のCassia toraおよびCassia obtusifolia(カッシアガム);イナゴマメの木のCeratonia siliqua L.(ローカストビーンガム);低木タラのCaesalpinia spinosa L.(タラガム)、ならびにグアーの草のCyamopsis tetragonoloba L.(グアーガム)の種子から分離した胚乳などの一般的な胚乳材料から得られる食品用のヒドロコロイドの製造に適している。分離されたヒドロコロイドは、高純度で感覚的に洗練された食品用の添加剤として使用することができる。特許文献6の開示内容は、参照によって本明細書に完全に組み込まれる。
ペクチンは、可溶性繊維として分類される。ペクチンは殆どの植物に見られるが、柑橘類の果物(オレンジ、レモン、グレープフルーツなど)およびリンゴにおいて最も濃度が高い。ペクチンは、弱酸性条件下、柑橘類の皮およびリンゴの果肉の水性抽出によって得られる。柑橘類の皮から得られたペクチンは、柑橘ペクチンと呼ばれる。ペクチンは、食品、主にジャムおよびゼリーなどの果実ベースの食品にゲル状の質感を付与するためのゲル化剤として食品業界では広く使用される。化学的には、ペクチンは約300〜約1,000の単糖単位を含有する多糖である。D−ガラクツロン酸は、ペクチンの主な単糖単位である。ペクチンの構造は複雑である。ペクチン分子は、1→4結合α−D−ガラクツロン酸およびそのメチルエステルの単位からなる直鎖の主鎖を有する。ガラクツロン酸単位は、ペクチンにアニオン性を与える塩形(ガラクツロン酸塩)でもよい。その構造の大部分は、ホモポリマーの部分メチル化ポリ−α−(1→4)−D−ガラクツロン酸残基からなるが、交互性のα−(1→2)−L−ラムノシル−α−(1→4)−D−ガラクツロノシル部分を含有することができ、この部分は、主にL−アラビノースおよびD−ガラクトースからなる、ほぼ中性の側鎖(1〜20個の残基)を伴う分岐点を含有する(ラムノガラクツロナンI)。ペクチンはまた、ポリ−α−(1→4)−D−ガラクツロン酸領域に結合したD−キシロース、L−フコース、D−グルクロン酸、D−アピオース、3−デオキシ−D−マンノ−2−オクツロソン酸(Kdo)、および3−デオキシ−D−リキソ−2−ヘプツロソン酸(Dha)などの他の残基を含有した側鎖も含有することができる。ペクチンの分子量は、50,000〜250,000ダルトンの範囲である。ペクチンのガラクツロン酸残基は、メチル基でエステル化されている場合もある。エステル化度(DE)は、市販ペクチンの機能性の多くに対する第1の決定要因である。ペクチンは、DE値に基づいて分類することができる。高メトキシ、即ちHMペクチンなどの、ガラクツロン酸残基の50%以上がエステル化されているペクチンは、高次エステル化(HE)ペクチンと呼ばれる。低メトキシ(LM)、即ちLMペクチンなどの、ガラクツロン酸残基の50%未満がエステル化されているペクチンは、低エステル化(LE)ペクチンと呼ばれる。例示的な目的では、ペクチンは、その主鎖に以下の直鎖構造単位を含む。
Figure 2010508026
上の例示的な構造上の表示には示されていないが、カルボン酸基は、メチル化することもでき、および/またはカルボン酸塩(例えば、アンモニウム、カリウム、およびナトリウム)の形態を取ることもできる。
以下は、ペクチンのカルボン酸基がエステル化(例えばメチル化)されている直鎖構造単位を表す。
Figure 2010508026
例示的な目的では、先の構造的反復単位は完全にエステル化されたものとして示されている。遊離カルボン酸基および/またはカルボン酸塩(例えば、アンモニウム、カリウム、およびナトリウム)は、ポリマーの主鎖に沿って存在できることを認識すべきである。
先の代表的なペクチンの式では、nは、ポリマー主鎖の反復単位の数を表している。一態様では、nは約20〜約250の整数を表す。別の態様では、nは約30〜約200の整数を表し、さらに別の態様では約35〜約150の整数を表す。
ペクチンは、主にゲル化剤として使用されるが、増粘剤および水性バインダーとして作用することもできる。低メトキシペクチン(<50%DE)は、カルシウムイオンの存在下、低pH(例えば3〜4.5)で熱可逆的ゲルを形成し、高メトキシペクチン(≧50%DE)は、十分な量の(例えば65重量%)ショ糖などの糖類の存在下、低pH(例えば<3.5)で熱不可逆的ゲルを急速に形成し、メトキシ含量が低いほどゆっくり固化する。エステル化度は、市販のペクチンメチルエステラーゼを使用して低下させ、Ca2+イオンの存在下で粘度およびゲル化硬度を増加させることができる。糖であるビートから得られる高(2−O−および/または3−O−ガラクツロン酸主鎖)アセチル化ペクチンは、ゲル化しにくいことが報告されているが、高疎水性のために相当な乳化能を有する。しかし、これは付随するタンパク質不純物によることも考えられる。したがって、ペクチンは、供給源および抽出方法に依存して、幅広く様々な特性を示すことができる。
精製した食品用のガラクトマンナンヒドロコロイドを取得し、利用する方法は、これまで記載されているが、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンの組合せが、特に添加剤が最小量で済む食品および飼料用途において、レオロジー(例えば粘度増加)および安定化特性を相乗的に強化できることを認識している教示は、文献中に存在しない。
米国特許第2,891,050号明細書 米国特許第4,826,700号明細書 米国特許第4,840,811号明細書 米国特許第2,891,050号明細書 独国特許出願公開第10047278号明細書 国際公開第2004/113390号パンフレット
S.O.Muellerら、「Food and Chemical Toxicology」37巻(1999年)、481〜491頁
本発明の例示的な実施形態を説明する。本明細書に記載のかかる例示的な実施形態の様々な改変、適応、または変形は、それ自体開示される通り当業者には明らかとなり得る。本発明の教示に依るかかる全ての改変、適応、または変形、およびそれらを介してこれらの教示が当技術分野で進展してきたかかる全ての改変、適応、または変形は、本発明の範囲および精神に含まれるとみなされることを理解されよう。
例示的な一実施形態は、カッシアヒドロコロイド(ガム)および高次エステル化ペクチンを含む増粘組成物に関する。
別の例示的な実施形態は、カッシアガムおよび高次エステル化ペクチンを含む食品組成物に関する。
さらなる例示的な一実施形態は、カッシアガムおよび高次エステル化ペクチンの組合せを含有する乳由来製品(例えば、ヨーグルトおよび熱処理ヨーグルト)などの乳製品食品組成物に関する。
またさらなる例示的な一実施形態は、カッシアガムおよび高次エステル化ペクチンの組合せを食品および飼料組成物の中に使用することによって、その食品および飼料組成物のレオロジーおよび安定性を改善する方法に関する。
別の例示的な実施形態は、本発明の増粘組成物(即ち、カッシアヒドロコロイドおよび上記の(外因性)高次エステル化ペクチン)を含む食品組成物に関する。
さらなる例示的な一実施形態は、乳製品などの食品のレオロジーおよび安定性を改善する方法に関する。
異なるポリガラクトマンナン増粘添加剤を含有し、異なる条件下で保存した熱処理ヨーグルト(3.9%脂肪;3.6%タンパク質;増粘剤濃度:0.5%)のブルックフィールド粘度(20rpm、7℃で測定した)を示すグラフである。 異なるポリガラクトマンナン増粘添加剤を含有し、異なる条件下で保存した熱処理ヨーグルト(3.9%脂肪;3.6%タンパク質;増粘剤濃度:0.5%)のブルックフィールド粘度(100rpm、7℃で測定した)を示すグラフである。 異なる比のカッシアヒドロコロイドおよび高度メチル化ペクチンを含有する熱処理ヨーグルト(3.5%脂肪;3.6%タンパク質;増粘剤濃度:0.5%)のブルックフィールド粘度(20rpm、7℃で測定した)を示すグラフである。ヨーグルトサンプルは、異なる条件下で保存する。
カッシアヒドロコロイド
カッシアヒドロコロイドは、食品および飼料用途に使用するのに適している限り特に制限されない。任意のカッシアガムは、それを食品用途に使用可能にする純度レベルのものである限り使用することができる。最も重要なことに、アントラキノンなどの望ましくない化合物は、使用されるカッシアヒドロコロイドから実質的に無くすべきである。「実質的に無い」とは、カッシアヒドロコロイド中の、フィスシオン、クリソファノール、エモジン、アロエ−エモジン、およびレインなどのアントラキノンの総量が、カッシアヒドロコロイド乾燥固体に対して、一態様では約10ppm以下、別の態様では2ppm未満、さらなる一態様では1ppm未満、またさらなる一態様では0.7ppm未満であることを意味する。
例示的な一実施形態では、適切なカッシアヒドロコロイドは、WO2004/113390の開示に従って製造することができ、例えばカッシアヒドロコロイドは、
(i)カッシア破片(split)を水で膨潤させて膨潤破片組成物を形成し、任意選択でその後、その膨潤破片組成物を水/有機溶媒混合物に分散させるステップ、および
(ii)(i)の下で得られた組成物を湿式ミンチにする少なくとも1つのステップ
を含む方法によって製造することができる。任意選択で、該方法は、追加の
(iii)ステップ(ii)で得られた、ミンチ済み膨潤破片組成物を、水および有機溶媒の混合物に添加するステップ、および
(iv)ミンチ済み破片組成物から水/有機溶媒混合物を分離して、ガラクトマンナンヒドロコロイドを得るステップ
を含む方法によって製造することができる。
一般にステップ(i)では、膨潤破片は、水または水/有機溶媒混合物に分散(懸濁)した粒子の形態である。一代替実施形態では、膨潤ステップ(i)は、ステップ(i)で示した任意の分散ステップのために、下記の水/有機溶媒混合物中で行うことができる。
一実施形態では、ステップ(i)における破片の膨潤に使用される水は、いかなる誘導体化剤も含まない。
先に言及した任意選択の実施形態では、ステップ(i)の前記水/有機溶媒混合物の有機溶媒の量は、少なくとも約30重量%である。
一代替実施形態において、前述の方法では、例えばカッシアおよびグアーの破片などの少なくとも2つの異なる胚乳破片を、胚乳源として利用することができる。
WO2004/113390に記載の方法に従うことによって、ヒドロコロイド中の不純物、即ちカッシアヒドロコロイドの量が著しく低減される。膨潤粒子に対して多量の有機溶媒を添加することによって、例えば、脂質、タンパク質、繊維、灰分、および植物化学物質)などのガラクトマンナンヒドロコロイドにおいて望ましくない化合物(例えば、アントラキノンおよびそれらの誘導体)は、ヒドロコロイドから水と一緒に除去される。有機溶媒対水の比を増大することによって、水およびガラクトマンナンヒドロコロイドからの望ましくない化合物の除去が容易になる。WO2004/113390の方法によって得られるカッシアヒドロコロイドは、無色、無臭、かつ無味である。一般に、ガラクトマンナンヒドロコロイド中の脂肪、タンパク質、および灰分の総量は約15重量%未満であり、別の態様では約12重量%未満である。しかし最も重要なことには、アントラキノンなどの望ましくない化合物は、上記のようにして得られるカッシアヒドロコロイドには実質的に含まれない。ヒドロコロイド中のアントラキノンの存在およびその量は、HPLCまたはGC/MSなどの従来の分析法によって決定することができる。詳細については、S.O.Muellerら、in Food and Chemical Toxicology、37巻(1999年)、481〜491頁を参照されたいが、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
WO2004/113390に記載のように、改善された美的特性(例えば、透明性、低濁度、低臭気、無味、および無色)、ならびに改善された物理特性(例えば、粘度、破壊強度、(外部ゲル強度とも呼ばれる)、ゲル強度(しばしば内部ゲル強度と呼ばれる)、および純度を備えたヒドロコロイド組成物が得られる。これらの特性によって、開示の方法によって製造されるヒドロコロイドを、食品および飼料用途に特に適したものにすることができる。
ここで、および本明細書を通して使用する場合、「破片」という用語は、さらなる処理にかけられていない、カッシア、ローカストビーン(LBG)、タラ、またはグアーの粗(未加工または未処理の)胚乳粉を示す。当技術分野で知られるように、破片という用語は、しばしば「胚乳」と同義に使用される。カッシア、ローカストビーン、タラ、およびグアーの破片は、市場で市販されている。一般に、カッシアは、Cassia tora、Cassia obtusifolia、またはそれらの組合せから得られる。実際、Cassia toraおよびCassia obtusifoliaは、同じ田畑に共存し、一般には同時に収穫される。
ここで、および本明細書を通して使用する場合、「ガラクトマンナン」という用語は、「ポリガラクトマンナン」という用語と同義に使用される。
胚乳を膨潤するために使用される水は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性源;クエン酸、酢酸、およびアスコルビン酸などの酸性源;緩衝剤および緩衝系;プロテアーゼ、ニュートラーゼ、アルカラーゼ、ペプシンなどの酵素;塩化ナトリウムもしくは塩化カリウムなどのアルカリ金属塩;または塩化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、あるいは前記添加剤の組合せからなる群から選択される添加剤を含有することができる。
水対粉(破片)の重量比は、少なくとも約1.5対1であり、別の実施形態では少なくとも約2対1である。水対粉の重量比は、一実施形態では約5対1を超えず、別の実施形態では約4対1を超えるべきではない(この説明で利用される重量比は、水対乾燥粉の重量比を指す)。
膨潤ステップの水性相のpHは、一態様では約5および最大約13の間の範囲であり、別の態様では約6〜約8の間の範囲となり得る。
膨潤ステップは、本発明の一態様では約5分および約120分の間、別の態様では約10分および約80分の間である。本発明のさらなる一態様では、膨潤ステップは、約20分および約60分の間の範囲である。破片を膨潤するために使用される水は、一態様では約15℃〜100℃、別の態様では最大約50℃、またさらなる一態様では約20℃〜40℃の範囲の温度を有する。膨潤しながら塊を撹拌することができ、破片を膨潤するために使用される水は、そのステップの最初に全てを添加し、または撹拌する間に測量しながら添加することができる。理想的には、水はさらなる膨潤が生じなくなるまで添加される。
WO2004/113390に記載の一実施形態によれば、ステップ(i)で得られた膨潤胚乳は、乾燥されないが、そのまま湿式ミンチにするステップ(ii)にかけられる。一代替実施形態では、分散液を形成するために、膨潤胚乳を水/有機溶媒混合物に分散させる。前記水/有機溶媒混合物中の有機溶媒の量は、所与の順の態様では、少なくとも約30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、または60重量%である。別の態様では、水/有機溶媒混合物中の有機溶媒の量は、水/有機溶媒混合物に対して約70重量%〜約95重量%の範囲でもよく、さらなる一態様では少なくとも80重量%でもよい。
膨潤胚乳(破片)対水/有機溶媒混合物の重量比は、一態様では約1:3〜約1:10の間であり、別の態様では約1:5および約1:8の間である。
任意選択の分散ステップ(iii)で使用される水/有機溶媒混合物に存在する有機溶媒は、水混和性であり、かつ健康および安全に有害ではない溶媒の群から選択される。食品および飼料用途に関して、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、およびそれらの混合物が、本発明の一態様における溶媒として使用される。水対例えばイソプロパノールなどのアルコールの適切な比は、本発明の一態様では約15:85〜約85:15であり、別の態様では約25:75〜約50:50である(全ての比は重量対重量ベースである)。さらなる一態様では、水対イソプロパノールの比は、約30:70(重量/重量)でもよい。
ここで、および本明細書を通して使用する場合、「膨潤破片」という用語は、膨潤破片それ自体、または本発明の一代替実施形態として上述の水/有機溶媒混合物に分散した膨潤破片を包含することを意味する。
膨潤胚乳、あるいは水/有機溶媒混合物中の膨潤胚乳の分散物を湿式ミンチにすることに関して、粘着性または粘性材料をミンチにするのに適した任意のミンチ装置を使用することができる。例示的なミンチ装置は、肉挽き機またはマスティケーター、およびカッティングミルである。従来の肉挽き機を使用して、膨潤破片をミンチにし、または湿式ミンチにすることができる。これらの装置は、肉処理業界では周知である。一実施形態では、Jupiter Model 885肉挽き機(Jupiter Kuechenmaschinenfabrik GmbH+Co.、ドイツ)を利用して、膨潤破片をミンチにする。処理製品にこれらの機械によってかかる衝撃は、これらの装置によって発生するせん断力が低いために低くなる。一般に、ミンチにすることによって処理される製品の温度は、著しく上昇せず、一般には約5℃以下である。このことは、処理製品に高圧および高せん断力をかけ、それによって処理製品の温度を著しく上昇させる従来の押出機と肉挽き機とを区別するものである。したがって「ミンチにする」とは、その最も簡素な形態である肉挽き機によって代表され得るミンチ装置において、上述のミンチ条件下で行われる活動を指す。当然のことながら、上述のミンチ条件に備えられる任意のサイズおよび容量の類似の種類の装置も同様に適している。
「ミンチにする」という用語が使用され、「磨砕する」または「微粉化する」は使用されない。「磨砕する」という用語は、WO2004/112290では、胚乳粉にかけられる、強力な引き裂く作用を示すものと定義されている。したがって、本発明の定義、および例えばThe American Heritage Dictionary(1985年、Houghton Mifflin Company)の辞書で一般に許容されている定義によれば、「ミンチにする」とは、非常に小さい片部にカットするまたはたたき切る作用を示すと定義されている。このことは、WO2004/113390の優先日以前に慣例となっていた方法と共に使用される「磨砕する」または「微粉化する」という方法論とは著しい対照をなす。磨砕は、圧搾、微粉化、または摩擦による、特に2つの硬質表面間での摩擦による粉末化を指す。さらに「ミンチにする」は、例えば粒子を粉または粉末に磨砕する作用を指す「挽く」とも区別されるべきである。したがって、膨潤破片を挽くおよび磨砕するステップを含む方法は、WO2004/113390に記載の方法の範囲から特に排除される。
しかし最も重要なことには、WO2004/113390に記載の方法は、高純度であることに加えて、従来の方法で調製されてきたガラクトマンナンと比較して、粘度、ならびにゲル強度および破壊強度などのゲル化、ならびに熱安定性に関する改善された特性を保持するガラクトマンナンヒドロコロイド、特にカッシアヒドロコロイドをもたらす。
ここで、および本明細書を通して使用する場合、「ガム」という用語は、「ヒドロコロイド」と同義に使用される。これは、例えば上述のように処理することによってそれぞれの破片から得られるガラクトマンナンヒドロコロイドを指す。
ゲル化剤および増粘剤は、例えば所望の稠度または粘度を達成するために、製造および処理段階中に、水または水性処理液に、あるいは固体または液体食品もしくは飼料に添加される物質と理解される。特に食品の分野では、それぞれの胚乳から得られるヒドロコロイドは、他のヒドロコロイドとのそのゼラチン化相互作用、高度の効率性、および必要とされる特に低い濃度を特徴とする。
一般に、WO2004/113390に開示のカッシアヒドロコロイドなどのヒドロコロイドは、参照によって本明細書に組み込まれるFDA Food Categories、Code of Federal Regulations 21C.F.R.§170.3に特定されている様々な食品用途において、安定剤、質感付与剤(texturizer)、可溶性繊維源、乳化剤、担体、香味のための制御活性放出剤、および水分保持剤として、単一のヒドロコロイドとしてまたは他のヒドロコロイドと組み合わせて使用することができる。
高次エステル化ペクチン
一般に、一実施形態では、本発明の増粘組成物に存在する高次エステル化ペクチン(「HEペクチン」)は、約50,000ダルトン〜約250,000ダルトン、他の実施形態では約50,000〜約200,000ダルトン、または約50,000〜約150,000ダルトンの分子量を有する。「高次エステル化」とは、一態様ではペクチン分子の全てのカルボン酸基の少なくとも約50%、別の態様では少なくとも約60%、またさらなる一態様では少なくとも約65%、別の態様では少なくとも約68%がエステル化されていることを意味する。一実施形態では、カルボン酸基はメチル基によってエステル化される。例示的な一実施形態では、ペクチンは、オレンジ、レモン、ライム、またはグレープフルーツ由来のものなどの柑橘ペクチンの群から選択される。別の実施形態では、増粘剤の組合せは、カルボキシル基のエステル化レベルが、一態様では少なくとも約60%、別の態様では少なくとも約65%、さらなる一態様では少なくとも約68%であり、ペクチン分子に含有されるカルボキシル基がメチル基でエステル化されている柑橘ペクチンを含む。高度メチル化ペクチン(「HMペクチン」)は、例えばドイツのHerbstreith&Foxから市販されている。
増粘組成物
本発明の増粘組成物は、カッシアヒドロコロイド成分および高次エステル化ペクチン成分を含む。増粘組成物は、水および水を含有する任意の組成物を効率的に増粘する(即ち、該組成物は、少量で使用される場合にも水性系の粘度を著しく増大する)。増粘された水性組成物は一般に、該組成物の重量に対して、一態様では本発明の増粘組成物を約0.1重量%〜約10重量%、別の態様では約0.2重量%〜約7重量%、さらなる一態様では約0.2重量%〜約5重量%含む。
あるいは、増粘組成物(即ち、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチン)を構成する個々の増粘剤成分の量は、個々に、増粘された組成物の重量に対して一態様では約0.1重量%〜約8重量%、別の態様では約0.2重量%〜約5重量%、さらなる一態様では約0.2重量%〜約3重量%の範囲でもよく、但しカッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンの総量は、増粘組成物について先に述べた量を超えない(即ち、一態様では最大約10重量%、別の態様では最大約7重量%、さらなる一態様では最大5重量%の総量)。
一般に、本発明の増粘組成物は、カッシア対高次エステル化ペクチンの重量対重量比が、一態様では約90:10〜約10:90の間、別の態様では約80:20〜約20:80の間、さらなる一態様では約70:30〜約30:70の間、またさらなる一態様では50:50で、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンを含む。食品および飼料組成物において所望の粘度レベルは、増粘組成物中、カッシアヒドロコロイド対高次エステル化ペクチンの重量比が、一態様では約80:20〜約20:80の間、別の態様では約70:30〜約30:70の間、さらに別の態様では約50:50である場合に実現することができる。
増粘組成物(カッシアおよび高次エステル化ペクチン)を、プレブレンド混合物として食品または飼料組成物に添加することができ、あるいは増粘組成物の個々の成分(即ち、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチン)を、増粘される食品または飼料製品に、先に特定した量で個別に添加することができる。所望ならば、カッシアヒドロコロイド成分およびペクチン成分を、増粘する食品または飼料製品に添加する前に、個々にまたはプレブレンド混合物として水に溶解することができる。カッシアヒドロコロイドおよびペクチン成分が個別に添加される場合、先に示した個々の成分の総量および比を、それに応じて適用する。
食品用途
カッシアヒドロコロイド、および例えば高度にメチル化した柑橘ペクチンなどの高次エステル化ペクチンを含む本発明の増粘組成物を、単独で、またはローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタン、もしくはタラガムなどの他のガム、デンプン、またはゼラチンと組み合わせて、含湿ペットフードなどのペットフードを含む広範な食品に使用することができる。該組成物には、一価、二価、もしくは三価のカチオンの食品として許容される塩、安息香酸ナトリウム、クエン酸、もしくはソルビン酸などの保存剤、またはクエン酸、酒石酸、もしくはオルトリン酸などのイオン封鎖剤を使用することができる。製品は乾燥し、次いで保存することができ、冷却水または温水系中での水和によってゲルまたはソルに変換される場合には、こうして形成されたチキソトロピック粘性コロイド分散液を、食品組成物中に直接使用することができる。生じる粘性は、低濃度では幾らかせん断感受性があり、かつ温度、濃度、pH、イオン強度、ならびに誘発撹拌に依存する。粘度は、低濃度では回転せん断型粘度計、毛細管粘度計によって、より高い濃度では押出式レオメーターによって測定することができる。一般に粘度は、Brookfield RVT Viscometer(Brookfield Engineering Laboratories、マサチューセッツ州ストートン)によって、粘度に応じて20rpmまたは100rpmで、スピンドル3、4、または5を使用して測定される。
本発明の増粘組成物は、全てのすぐに食べられる製品および焼くだけで食べられる製品、粉、ならびに食前に調製が必要なミックスを含む、焼いた製品および焼くためのミックス;麦芽酒、ワイン、蒸留酒、およびカクテルミックスを含むアルコール飲料;特製茶またはスパイスティー、ソフトドリンク、コーヒー代用品、ならびに果物および野菜風味のゼラチンドリンクのみを含む、ノンアルコール飲料および飲料ベース;すぐに食べられるおよびインスタントおよびレギュラーホットシリアルを含む朝食用シリアル;凝乳および乳清チーズ、クリームチーズ、ナチュラルチーズ、粉チーズ、プロセスチーズ、スプレッドチーズ、ディップチーズ、および混合チーズを含むチーズ;あらゆる形態のものを含むチューイングガム;レギュラー、脱カフェイン、およびインスタントタイプのものを含むコーヒーおよび茶;プレーンな味付けのソースおよびスプレッド、オリーブ、ピクルス、およびレリッシュを含む、スパイスまたはハーブではない香味料および薬味;キャンディおよび香味付け砂糖衣、マシュマロ、焼きチョコレート、ならびにブラウンシュガー、角砂糖、氷砂糖、メープルシュガー、粉末砂糖、および粗糖を含む砂糖菓子および砂糖衣;乳製品ではないミルク、冷凍または液体のクリーム、コーヒー用クリーム、トッピング、および他の乳製品ではない製品を含む乳製品類似品;液体、冷凍、または乾燥卵、ならびにそれらから製造された卵料理、即ちエッグロール、エッグフーヤン、エッグサラダ、および複数コースの冷凍卵料理を含むが、新鮮卵を含まない卵製品;マーガリン、サラダ用ドレッシング、バター、サラダ油、ショートニング、および調理油を含む脂肪および油;魚、貝、および他の水生動物を含むが、新鮮魚は含まない全ての調理済みのメインディッシュ、サラダ、前菜、複数コースの冷凍食事、およびスプレッドを含む、魚製品;新鮮な殻付き卵だけから製造された調理済み卵および卵料理を含む新鮮卵;新鮮な冷凍した魚、貝および他の水生動物だけを含む新鮮魚;生の果物、柑橘類、メロン、およびベリーのみを含む新鮮果物、フルーツゼリー、およびフルーツジュース、ならびにそれらから製造される家庭で調理された「エード(ade)」およびパンチ;新鮮な、または家庭冷凍した牛肉または子牛肉、豚肉、子羊肉または羊だけを含む新鮮肉、および新鮮肉を含む家庭調理の食事、サラダ、前菜、またはそれらから作ったサンドイッチスプレッド;新鮮な、または家庭冷凍した鶏肉および狩猟鳥だけを含む新鮮鶏肉、ならびに新鮮鶏肉を含む家庭調理の食事、サラダ、前菜、またはそれらから作ったサンドイッチスプレッド;新鮮な、および家庭調理の野菜だけを含む新鮮な野菜、トマト、およびジャガイモ;アイスクリーム、アイスミルク、シャーベット、および他の冷凍乳製品デザートおよび特製品を含む、冷凍の乳製品デザートおよびミックス;全ての冷凍した果物および水氷を含む果物および水氷;香味付けゼラチンデザート、プディング、カスタード、パフェ、パイ詰め物、およびゼラチンベースのサラダを含むゼラチン、プディング、および詰め物;マカロニおよび麺製品、米の食事、ならびに肉または野菜を含まない複数コースの冷凍食事を含む、穀物製品およびパスタ;全ての肉ソースおよびグレイビー、ならびにトマト、乳、バター、および特製のソースを含むグレイビーおよびソース;全ての硬質タイプのキャンディを含む硬質キャンディおよび咳止めドロップ;全ての天然および人工スパイス、ブレンド、および香味を含むハーブ、種、スパイス、調味料、ブレンド、抽出物、および香味料;家庭で調理されたジャム、ゼリー、フルーツバター、砂糖煮、およびスイートスプレッドみを含む家庭で調理されたジャムおよびゼリー;ケーキ用トッピング;商業的に処理されたジャム、ゼリー、フルーツバター、砂糖煮、およびスイートスプレッドのみを含む市販のジャムおよびゼリー;全ての肉および肉を含有する食事、サラダ、前菜、複数コースの冷凍肉料理、ならびに商業的処理によって調理された、または商業的に処理された肉を使用して家庭で調理されたサンドイッチ材料を含む肉製品;全乳、低脂肪、および液体脱脂乳を含む乳、全乳および脱脂粉乳;香味付け乳および乳飲料、乾燥乳、トッピング、スナックディップ、スプレッド、体重管理用の乳ベース飲料、および他の乳を供給源とする製品を含む乳製品;まるごとのまたは殻をむいた樹木ナッツ、ピーナッツ、ココナッツ、およびナッツ・ピーナッツスプレッドを含むナッツおよびナッツ製品;National Academy of Sciences/National Research Council「再構成(reconstituted)野菜タンパク質」カテゴリーのもの、ならびに植物タンパク質から製造された肉、鶏肉および魚肉代用品、類似品、および増量用製品を含む植物タンパク質製品;全ての鶏肉および鶏肉含有食、サラダ、前菜、複数コースの冷凍鶏肉料理、ならびに商業的処理によって調理された、または商業的に処理された鶏肉を使用して家庭で調理されたサンドイッチ材料を含む鶏肉製品;商業的に処理された全ての果物、柑橘類、ベリー、および混合物を含む処理済み果物およびフルーツジュース;サラダ、ジュース、およびジュースパンチ、濃縮物、希釈物、「エード」、ならびにそれらから製造されたドリンク代用品;商業的に処理された全ての野菜、野菜の食事、複数コースの冷凍野菜料理、ならびに野菜ジュースおよびブレンドを含む処理済み野菜および野菜ジュース;チップス、プレッツェル、および他の新しいスナックを含むスナックフード;キャンディバー、チョコレート、ファッジ、ミント、および他の噛みごたえあるまたはヌガー性のキャンディを含む軟性キャンディ;肉、魚、鶏肉、野菜、および組合せの家庭調理スープを含む家庭で調理されたスープ;商業的に調理された肉、魚、鶏肉、野菜、および組合せのスープおよびスープミックスを含むスープおよびスープミックス;グラニュー糖、液糖、およびタブレット(tablet)砂糖の代用品を含む糖代用品;ならびにチョコレート、ベリー、フルーツ、コーンシロップ、およびメープルのスイートソースおよびトッピングを含むスイートソース、トッピング、およびシロップの群から選択される食品を増粘するために使用することができる。前述のように、本発明の増粘組成物は、味および口当たりに悪影響を及ぼさずに、ソーセージ、ならびに例えば肉製品およびハンバーガーのパティ用のアスピックを製造するなどのために、肉および挽き肉に添加することができる。
先に論じたように、本発明はまた、本発明の増粘組成物を含む食品および飼料組成物を対象とする。食品/飼料組成物中の増粘組成物の量は、一般に食品/飼料の種類に依存する。
さらなる一態様では、例示的な一実施形態は、本発明の増粘組成物で増粘したヨーグルトおよび熱処理ヨーグルトなどの酪農製品および乳製品に関する。「乳」という用語は、全乳、脱脂乳、低脂肪乳、および液体脱脂乳;香味付け乳および乳飲料、乾燥乳を含む乳製品を含むことを意味する。一般的な乳製品は、低脂肪のヨーグルトおよび高脂肪含量のヨーグルトの両方である。乳およびヨーグルトの脂肪含量は、一態様では約0重量%または約0.1重量%〜約4.2重量%、別の態様では約0.2重量%〜約3.9重量%、さらに別の態様では約0.3重量%〜約3.8重量%の範囲でもよい。一般的な乳およびヨーグルトは、最大約3.8重量%または3.9重量%の脂肪含量を有する。さらに、全脂肪含量が0%である脂肪を含まないヨーグルトも存在し、それも同様に本発明の増粘組成物を使用して増粘することができる。それぞれ乳およびヨーグルトの種類に応じて、乳の一般的なタンパク質含量は約3重量%〜約4重量%であり、ヨーグルトのタンパク質含量は約3重量%および6重量%の間である。
一態様では、本発明の例示的な一実施形態は、上述の量の相乗的増粘組成物を含む熱処理ヨーグルト組成物に関する。かかる熱処理ヨーグルトは、一般に、増粘組成物を混合しながら(Ultra Turrax(登録商標)ミキサー、10,000rpmで40秒間)ヨーグルト組成物に分散させることによって調製される。カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンは、予めブレンドし、その後混合物としてヨーグルト組成物に添加することができる。あるいは、カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンは、ヨーグルトに別々の成分として順に添加することができる。添加順は重要ではない。カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチン(例えば、高度メチル化ペクチン)は、ヨーグルト組成物に添加する前に、混合物として水に溶解または分散させ、あるいは個別に水に分散させることができる。ヨーグルト組成物は、一態様では約5℃および約15℃の間、別の態様では約7℃および約12℃の間などの低温で、約1時間および約25時間の間の膨潤時間後、例えば水浴中、一態様では約70℃〜約90℃の間、別の態様では約83℃〜約90℃の間、さらなる一態様では約86℃の温度に加熱することができる。その後水浴を約70℃に冷却する。次いで、ヨーグルト組成物を、例えば約60秒間、約10,000rpm(Ultra Turraxミキサー)で激しく撹拌する。次いでヨーグルト組成物を約20℃の温度に冷却し、約4℃および8℃の間の温度で保存する。約7℃の温度で保存されるサンプルで、製造の5日および12日後に粘度測定を実施する。貯蔵寿命(最短10週)の最後にヨーグルトの品質をシミュレートするために、21日間、20℃の温度で保存したサンプルで別の粘度測定を実施する。
このようにして形成した増粘熱処理ヨーグルトは、一般に、ヨーグルト組成物の全重量あるいは上述の濃度の組成物の個々の構成成分の量に対して、一態様では本発明の増粘組成物を約0.1重量%〜約10重量%、別の態様では約0.2重量%〜約5重量%、さらなる一態様では約0.2重量%〜約3重量%含む。本発明の全ての実施形態では、熱処理ヨーグルトは、スプーンで食べられる(spoonable)ゲル様の稠度から飲用可能な液体の稠度まで稠度を変えて得ることができる。
前記熱処理ヨーグルトの脂肪含量は、ヨーグルトの重量に対して一態様では約0.1重量%〜4.2重量%、別の態様では約0.2重量%〜約3.9重量%、さらに別の態様では約0.3重量%〜3.8重量%の範囲でもよい。一般的なヨーグルトは、ヨーグルトの重量に対して最大約3.8重量%または3.9重量%の脂肪含量を有する。しかし、最大10重量%の脂肪含量を有する高脂肪含量ヨーグルトが存在する。
一般に、ヨーグルトはまた、ヨーグルト組成物の重量に対して一態様では約3重量%〜約6重量%、別の態様では約3.2重量%〜4.8重量%、さらなる一態様では約3.2重量%〜約3.8重量%の量のタンパク質を含有する。脂肪含量は、ヨーグルトの種類に応じて変わることになる。一般に、特定の種類のヨーグルトのpHは、一態様では約4.0〜4.5、別の態様では約4.2〜約4.4である。
高次エステル化ペクチンの量は、乳製品、例えば熱処理ヨーグルトなどのヨーグルト中のタンパク質の量に対して、一態様では約5重量%〜20重量%、別の態様では約5重量%〜15重量%、さらなる一態様では約7重量%〜約13重量%となるように選択することができる。
別の例示的な実施形態は、カッシアヒドロコロイドおよびペクチンを含む本発明の相乗的増粘組成物のヨーグルト組成物を約0.2重量%〜約1.0重量%含む熱処理ヨーグルトに関し、ペクチン分子の全てのカルボキシル基の少なくとも65%は、C〜Cアルキル基によってエステル化されている。例示的アルキル基はメチルである。別の態様では、ペクチンは柑橘ペクチンであり、ペクチン分子のカルボキシル基の少なくとも65%は、C〜Cアルキル基によってエステル化されている。例示的アルキル基はメチルである。さらに例示的な一実施形態では、前記ヨーグルト組成物はさらに、ヨーグルト組成物の重量に対して脂肪約0.1重量%〜約4.2重量%およびタンパク質約3.0重量%〜約4.0重量%を含む。
飲用可能な熱処理ヨーグルト組成物は、一般に、重量比が1以下のカッシアヒドロコロイド対ペクチンを含有する増粘組成物で増粘される。別の態様では、カッシアヒドロコロイド対ペクチンの重量対重量比は、約20:80〜約50:50の範囲である。
増粘剤およびヨーグルトの一般的な構成成分に加えて、ヨーグルトは、ヨーグルト組成物の約2重量%および4重量%の間の量の糖(ショ糖)を含有することもできる。
ヨーグルトはさらに、ソルビン酸カリウムなどのカルシウム系およびナトリウム系の保存剤、ならびにバニラ、チョコレート、および/または果物などの香味剤を従来の量で含有することができる。
一態様では、乳製品と共に先に説明したものの全ては熱処理ヨーグルトに適用され、さらなる一態様では、前述の高度にメチル化した柑橘ペクチンを含む増粘組成物を含有するヨーグルトに適用される。
驚くべきことに、カッシアヒドロコロイド、および例えば高度にメチル化した柑橘ペクチンなどの高次エステル化ペクチンの組合せは、それぞれの高次エステル化ペクチンとローカストビーンガム、グアーガム、およびタラガムなどの他のポリガラクトマンナンとの組合せと比較して、改善された増粘作用、改善された口当たり性(例えば、ザラザラしない)、および改善された経時的な沈殿耐性をもたらすことが見出されている。カッシアヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンの組合せは、上述の他のポリガラクトマンナンと比較して、はるかに良好な保水能を示すことが発見された。さらに、本発明の増粘組成物は、高い粘度を示すだけでなく、長期保存条件下、高い保存温度でも粘度特性を保持することが見出された。これらの組成物は、長期間それらの稠度および質感を保持すべき食品および飼料組成物の貯蔵寿命を延長する。
貯蔵寿命の安定性に関する乳製品の短命な性質がゆえに、本発明の増粘組成物は、乳製品およびヨーグルト用途に特に有用である。例示的な一実施形態では、未加工のヨーグルトは、本発明の増粘組成物を添加し、その後一態様では約70℃〜約90℃で、別の態様では約83℃〜約90℃の温度でヨーグルトを熱処理した後、優れた増粘および安定性作用を示すが、これらの温度範囲は、カッシアヒドロコロイドなどのポリガラクトマンナンの完全な水和を実現するために必要な温度に相当する。したがって、以下の実施例は、一般に食品用途の代表例としてのヨーグルト用途に焦点を当てるものである。
以下の実施例は例示目的のためであり、いかなる方法でも本発明を制限するものではない。本発明は様々な装置およびデバイスで実施することができ、出発材料、装置の詳細、および操作手順のいずれについての様々な改変も、特許請求する本発明の真の精神および範囲から逸脱せずに達成できることを理解されたい。
材料および方法
出発材料(別段の指定が無い限り):
(a)カッシア:Noveon Inc.から商品名RheoRanger(商標)SRで市販されているcassia tora/obtusifolia
(b)ローカストビーン:デンマークDaniscoから商品名L147で市販されているローカストビーンガム
(c)タラ:インドGlobeから市販されているタラ破片ガム
(d)グアー:スイスUnipektinから商品名Vidogum GH200で市販されているグアー破片ガム
(e)高次エステル化ペクチン:ドイツHerbstreith&Foxから商品名Classic CM203で市販されている、エステル化度68%を有するメチル化した柑橘ペクチン
(f)ヨーグルト:市販されているヨーグルト。脂肪含量およびタンパク質含量は、個々の実施例で特定される。使用される全てのヨーグルトは、ヒドロコロイドを分散させるために約4重量%の糖を含有し、保存剤としてソルビン酸カリウム約0.33重量%を含有する。ヨーグルトは、約4.2および4.4の間のpH値を有する。
粘度測定法
個々の実施例と共に特定される量のガラクトマンナンヒドロコロイドおよび高次エステル化ペクチンを、水に予め分散させ、次いでヨーグルトに添加する。IKA製Ultra Turrax(登録商標)T25を使用して、ヨーグルト組成物を、10,000rpmで40秒間完全に混合する。9℃における19時間の膨潤時間後、ヨーグルト組成物を水浴中で86℃の温度に加熱する。その後水浴を約70℃に冷却する。次いでヨーグルト組成物を、10,000rpm(Ultra Turrax T25)で60秒間激しく撹拌する。最後に、ヨーグルト組成物を約20℃の温度に冷却し、7℃または20℃の温度で、特定された時間保存する。粘度測定は、7℃での製品貯蔵の5日後および12日後に実施した。他のサンプルについては、それらの貯蔵寿命サイクル(最短10週)の最後にヨーグルトの品質をシミュレートするために、20℃で21日間保存した後に測定を行う。次いで粘度を、Brookfield RVT Digital Viscometerを使用し、20rpmまたは100rpm(実施例参照)の速度で、RVT Brookfieldスピンドル(20rpm:スピンドルサイズ3または4;100rpm:スピンドルサイズ3、4、または5;製品の粘度レベルに依存する)を使用することによって測定する。時間および温度は、それぞれの実施例と共に特定される通りである。
一般手順
高度メチル化ペクチンの10%溶液を調製し、90℃に加熱し、その後室温(20℃)に冷却する。次いで算出量のヒドロコロイドをこの溶液に添加する。ガラクトマンナンヒドロコロイドおよびペクチンの量は、個々の実施例と共に特定される。得られたプレブレンドを、熱処理されていない(未加工)ヨーグルトに添加する。ヨーグルト組成物を、Ultra Turrax(登録商標)T25を使用して、10,000rpmで40秒間完全に混合する。9℃における19時間の膨潤時間の後、ヨーグルト組成物を水浴で86℃の温度に加熱する。その後、水浴を約70℃に冷却する。次いでヨーグルト組成物を、10,000rpm(Ultra Turrax T25)で60秒間激しく撹拌する。最後に、ヨーグルト組成物を約20℃の温度に冷却し、7℃または20℃の温度で保存する。次いで、それぞれの実施例と共に特定された温度において、特定された時間の後、粘度測定を実施する。サンプルのサイズは約180gである。各実験および得られた結果を以下の表および対応する図にまとめる。
結果
Figure 2010508026
熱処理ヨーグルトにおいて高次エステル化した柑橘ペクチンと一緒に使用されるカッシアヒドロコロイドは、その粘度を、同じ濃度で使用されるLBG/ペクチン、グアー/ペクチン、またはタラ/ペクチン系よりも著しく高める。図1は、先の表1に示した結果のグラフである。
Figure 2010508026
100rpmのせん断速度は、特定のヨーグルトの触感(口当たり)をシミュレートし、「クリーミーさ」、「濃厚さ/薄さ」に関してサンプル間の感覚差を良好に示す。図2は、先の表2に示した結果のグラフである。
Figure 2010508026
結果は、カッシアヒドロコロイド60%:ペクチン40%の明らかに最適な比が適用されていなかったものの、カッシアヒドロコロイドと高次エステル化ペクチンとの比を変更した後にも質感を付与する高い潜在可能性を示していると同時に、全ブレンドの濃度を0.5%から0.4%に低減することによる費用節減の一例を示している。図3は、先の表3に示した結果のグラフである。

Claims (25)

  1. a)カッシアヒドロコロイド、および
    b)高次エステル化ペクチン
    を含む増粘組成物。
  2. カッシアヒドロコロイド対高次エステル化ペクチンの重量比が、約90:10〜約10:90である、請求項1に記載の増粘組成物。
  3. カッシアヒドロコロイド対高次エステル化ペクチンの重量比が、約80:20〜約40:60である、請求項1に記載の増粘組成物。
  4. カッシアヒドロコロイド対高次エステル化ペクチンの重量比が、約70:30〜約50:50である、請求項1に記載の増粘組成物。
  5. 前記カッシアヒドロコロイドが、cassia tora、cassia obtusifolia、およびそれらの組合せから得られる、請求項1に記載の増粘組成物。
  6. 前記ペクチン分子の全カルボン酸基のうち、少なくとも約60%がエステル化されている、請求項1に記載の増粘組成物。
  7. 前記カルボン酸基がメチル基でエステル化されている、請求項6のいずれかに記載の増粘組成物。
  8. 前記ペクチンが柑橘ペクチンである、請求項1に記載の増粘組成物。
  9. 前記ペクチンが、約50,000ダルトン〜約250,000ダルトンの分子量を有する、請求項1に記載の増粘組成物。
  10. a)カッシアヒドロコロイド、および
    b)高次エステル化ペクチン
    を含んだ増粘組成物を含む食品組成物。
  11. カッシアヒドロコロイド対高次エステル化ペクチンの重量比が約90:10〜約10:90である、請求項10に記載の食品組成物。
  12. 脂肪およびタンパク質をさらに含む、請求項11に記載の食品組成物。
  13. 乳、全乳、脱脂粉乳、低脂肪乳、脱脂乳液、ヨーグルト、および熱処理ヨーグルトから選択される乳製品成分を含む、請求項12に記載の食品組成物。
  14. 前記乳製品成分が、組成物中の乳製品の全重量に対して約0.1重量パーセント〜約4.2重量パーセントの脂肪を含む、請求項13に記載の食品組成物。
  15. 前記乳製品成分が、組成物中の乳製品の全重量に対して約3.0重量パーセント〜約4.0重量パーセントのタンパク質を含む、請求項14に記載の食品組成物。
  16. 前記乳製品成分がヨーグルトから選択される、請求項15に記載の食品組成物。
  17. 前記ヨーグルトが熱処理されている、請求項16に記載の食品組成物。
  18. 前記ペクチンが柑橘ペクチンであり、前記ペクチン分子の全カルボキシル基のうち、少なくとも65%がメチル基でエステル化されている、請求項17に記載の食品組成物。
  19. 前記ヨーグルトが、前記ヨーグルトの重量に対して約0.1〜約4.2重量パーセントの脂肪および約3.0〜約4.0重量パーセントのタンパク質を含む、請求項18に記載の乳製品食品組成物。
  20. カッシアヒドロコロイド対メチル化柑橘ペクチンの重量比が、カッシアヒドロコロイドおよびメチル化柑橘ペクチンの量に対して約65:35〜約55:45である、請求項19に記載の熱処理ヨーグルト。
  21. 前記増粘組成物が全組成物の重量に対して約0.1〜約10重量パーセントの量で存在する、請求項20に記載の食品組成物。
  22. a)カッシアヒドロコロイド、および
    b)高次エステル化ペクチン
    を含む増粘組成物を添加するステップを含む、食品または飼料組成物を増粘する方法。
  23. カッシアヒドロコロイド対高次エステル化ペクチンの重量比が約90:10〜約10:90である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ペクチンが、柑橘ペクチンから選択され、前記ペクチン分子の全てのカルボン酸基のうち、少なくとも約60%がエステル化されている、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ペクチンがメチル基でエステル化されている、請求項24に記載の方法。
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