JP5029602B2 - 麺用澱粉老化抑制剤,それを用いた麺類およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、うどんや中華麺、パスタ等の麺類加工食品の分野に関し、特に麺類加工食品のほぐれ性や食感などの品質の改良剤および改良された麺類に関する。詳しくは、マルトシルトレハロースによる麺用澱粉老化抑制剤、および、マルトシルトレハロースと水溶性大豆多糖類の併用による、麺用品質改良剤に関する。
近年、コンビニエンスストアを中心とした中食産業に於て、調理麺やチルド麺,冷凍麺等の麺類加工食品の利用頻度は高く、美味しくて高品質な商品が求められている。これら麺類加工食品は、集中して調理した後、配送して店頭に並べられることもあり、長期保存時における澱粉質の老化に起因した麺の硬化や弾力の減少、パサつき感といった食味劣化の克服が重要な課題となっている。
そこで、麺類の保存時の澱粉の老化を抑制する技術が求められており、従来から多くの検討がなされている。食味劣化を抑制する方法としては、グルコースなどの単糖類やスクロース,マルトース,トレハロースなどの二糖類が澱粉質の老化抑制効果を有するとの知見がある。しかし、これらを添加した場合、麺は軟化する傾向にあり、弾力がなく歯ごたえの劣る麺質となってしまう。
また、特許文献1の様に、マルトトリオースやマルトテトラオース,マルトペンタオース,マルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖も老化抑制効果を有するが、老化抑制効果が十分に発揮されなかったり、グルコースの重合度の増加に伴った水溶液の粘度増加により、麺表面に粘りが付与され麺のほぐれ性が低下するなどの問題がある。
あるいは、トレハロースにグリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,還元澱粉加水分解物,澱粉加水分解物を添加する方法(特許文献2)や、麺を糖液で茹で上げ、さらに茹でた麺に糖液をまぶす方法等がある(特許文献3)。しかし麺質軟化や風味の劣化、麺表面の粘りによるほぐれ性の悪化が起こったり、また十分な食味劣化抑制効果が得られないなどの問題があり、未だ改良の余地がある。
一方、麺のほぐれ性改善に関しては、茹で上げた麺表面に乳化剤を塗布する方法が知られている。その他の方法としては例えばゼラチン希釈液を塗布するもの(特許文献4)、アラビアガム等の多糖類を用いるもの(特許文献5)、水溶性ヘミセルロースを用いるもの(特許文献6)が知られている。しかしながらこれらの方法は、麺にほぐれ効果を付与する点では一定の効果を上げているが、麺質の老化抑制効果についてその機能は十分でない。
特開平11‐276114号公報 特開平7‐79689号公報 特開平8‐196225号公報 特開平6‐135260号公報 特開平9‐51764号公報 特開平6‐121647号公報
本発明は麺類の保存時に進行する澱粉質の老化を、麺質が軟化することなく抑制する、麺類の澱粉老化抑制、および麺類の老化抑制と同時にほぐれ性を向上させる、麺類の品質向上を目的とした。
本発明者らは、如上の点に鑑み鋭意研究をした結果、マルトシルトレハロースを使用することで、麺質の軟化を伴うことなく澱粉質の老化に起因した食味の劣化が著しく改善されることを見出し、さらに水溶性大豆多糖類を併用することで、老化と軟化が抑制された状態でほぐれ性を向上させる知見を得て、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)マルトシルトレハロースを含むことを特徴とする、麺用澱粉老化抑制剤。
(2)マルトシルトレハロースが、麺に対して0.005〜5重量%添加された、澱粉の老化が抑制された麺類。
(3)マルトシルトレハロース溶液を、α化後の麺に対して塗布することを特徴とする、(2)に記載の麺類の製造方法。
(4)マルトシルトレハロースおよび水溶性大豆多糖類を含むことを特徴とする、麺用品質改良剤。
である。
マルトシルトレハロースを添加することで、麺質に影響を与えることがなく、長時間保存した場合であっても澱粉質の老化による硬化やパサつき、コシの減少といった食味の劣化を抑制した麺類を得ることが出来る。更には、マルトシルトレハロースは、麺質の軟化や麺表面の粘りの増加等の麺質への影響が非常に少ないため、水溶性大豆多糖類を併用添加することにより、麺に十分なほぐれ性を付与することが出来る。
以下、本発明について説明する。本発明のマルトシルトレハロースとはα,α‐トレハロースのマルトース誘導体である非還元性の四糖類であり、具体的にはα‐マルトシルα,α‐トレハロースが挙げられる。α‐マルトシルα,α‐トレハロースは、特開平7‐143876号公報及び特開平8‐73504号公報に開示された方法で調製することができる。
本発明の老化抑制剤においては、うどんや中華麺,素麺,蕎麦,パスタなどの麺類を対象とすることができる。そしてマルトシルトレハロースを含む老化抑制剤を、これら麺類に対して製麺時に練り込んでも良く、製麺後に老化抑制剤を含有する茹で水で浸漬しても良く、α化処理後に老化抑制剤水溶液を塗布しても良いが、α化後に老化抑制剤水溶液を塗布する方法が、作業性が高く、効率的であり、好ましい。また、茹で水で浸漬後、あるいは水溶液を塗布後、必要であれば麺を乾燥したり、冷凍したりすることも可能である。
α化とは、生麺や水戻しした乾麺を、茹でる,蒸す,炒めるなどの加熱工程により麺中の澱粉質を糊化して喫食可能な状態とすることである。そして、このα化後の喫食可能な麺の、水を切った状態を基準として、マルトシルトレハロースの使用量を設定することができる。使用量はα化後の麺重量に対して0.005〜5重量%が好ましく、0.01〜1重量%が更に好ましい。使用量を当該範囲より多くしても麺質の老化抑制効果は向上せず、むしろ麺表面が粘るためほぐれ性にマイナスの影響を及ぼす場合もある。使用量が当該範囲よりも小さくなると、麺質への十分な老化抑制効果が得にくくなる。製麺時に練り込む際や、茹で水に添加する際も、最終的に麺中や麺表面に存在しうるマルトシルトレハロース量として、その使用量を設定することができる。
本発明の老化抑制剤を、水溶液としてα化後の麺に塗布する場合は、用いる水溶液中のマルトシルトレハロースの濃度は、均一に溶解することが可能であれば特に制限はない。しかし麺質への影響を考慮すると、α化後の麺重量に対する当該老化抑制剤水溶液の塗布量は0.5重量%以上20重量%以下が好ましく、1重量%以上5重量%以下がより好ましい。
本発明は、マルトシルトレハロースに水溶性大豆多糖類を併用することにより、麺のほぐれ性を付与し、老化抑制とほぐれ性を併せ持った麺用品質改良剤とすることができる。
水溶性大豆多糖類は、大豆多糖類を含む原料から水抽出や場合によっては、酸,アルカリ条件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させて得ることができる。その原料は大豆の子葉由来のものが好ましく、豆腐や豆乳,分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラを利用することができる。市販の水溶性大豆多糖類としては、不二製油株式会社製「ソヤファイブ-S」等が例示できる。
水溶性大豆多糖類の添加量は、α化後の麺重量に対して0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。当該範囲で水溶性大豆多糖類を添加した場合、α化後の麺類を長時間静置しても麺線同士は互いに付着し難く、良好なほぐれ性を有する麺類を得ることが出来る。添加量が当該特許の範囲よりも多くしても麺表面のほぐれ性は優位に向上しない。添加量が当該特許の範囲よりも小さくなると、麺へのほぐれ効果は十分に発揮されない。
麺用品質改良剤は、上記麺用澱粉老化抑制剤と同様の対象物に、同様の方法により使用することができる。
本発明において麺用澱粉老化抑制剤および麺用品質改良剤は、本発明の主旨に反しない限り、適宜他の品質改良剤や添加剤と併用することができる。
他の品質改良剤や添加剤としては、レシチンやグリセリン脂肪酸エステル,蔗糖脂肪酸エステル等の乳化剤、或いは一般の動植物性油脂や脂溶性ビタミンであるトコフェロール等の油性物質、リボース,アラビノース,キシロース,グルコース,ガラクトース,マンノース等の単糖類、ショ糖,マルトース,ラクトース,トレハロース,ラフィノース,スタキオース,フラクトオリゴ糖,ガラクトオリゴ糖,キシロオリゴ糖,ラクトスクロース,イソマルトオリゴ糖等の少糖類、及びエリスリトール,D‐ソルビトール,還元乳糖などの糖アルコール、デキストリン,寒天,カラギーナン,ファーセレラン,タマリンド種子多糖類,タラガム,カラヤガム,ペクチン,キサンタンガム,アルギン酸ナトリウム,トガントガム,グワーガム,ローカストビーンガム,プルラン,ジェランガム,アラビアガム,ヒアルロン酸,シクロデキストリン,キトサン,カルボキシメチルセルロース(CMC ),アルギン酸プロピレングリコールエステル,サイリウムシードガム,セルロース,澱粉,加工澱粉など各種澱粉類等の多糖類やこれら多糖類の加水分解物、通常のゼラチン,ホエー等のアルブミン、カゼインナトリウム,可溶性コラーゲン,卵白,卵黄末,大豆蛋白等の蛋白性物質や、食塩等の塩類、エタノールなどのアルコール類等、乳酸,酢酸などの有機酸ならびに酢酸ソーダ等の有機酸塩類などのpH調整剤も挙げられる。
本発明における麺用澱粉老化抑制剤および麺質品質改良剤は、粉末状態、ペースト状態、あるいは溶液の状態で流通販売することができる。
以下、実施例により本発明の実施態様を説明するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの例示によって制限されるものではない。なお、例中、%は何れも重量基準を意味する。
以下に示す実施例において、トレハロースとマルトース以外のオリゴ糖は、目的成分を主成分とする液状オリゴ糖シロップを使用し、添加量は糖質類の乾物量を換算し、α化後の麺重量に対する重量%で示した。また、水溶性大豆多糖類は「ソヤファイブ-S」を用いた。
(実施例1)
水にマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖を3.33%となるように溶解し澱粉老化抑制剤水溶液を得た。次いで中力粉1,000gに食塩30g、水320gを加え、これらを混合機で15分間混捏した後、圧延機にて圧延し麺圧2.5mmの麺帯とし、No.12の切歯で切り出して麺線とした。その後、沸騰水中で茹で上げてα化させた後、流水中で麺表面の洗い、氷水中で麺をしめてうどんを得た。最後に、うどん重量に対して上記澱粉老化抑制剤水溶液を3%添加し、うどん全体に均一に馴染ませることで塗布した。こうして得られたうどんを容器に取り分け、蓋をして5℃の恒温槽中で24,48時間静置し、6名のパネラーにて官能評価を行なった。官能評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において澱粉老化抑制剤を無添加とした以外は全く同様の条件とした。
うどんの評価結果は以下の基準による。
<ほぐれ性評価>
◎:うどんが大変良好にほぐれる。○:うどんが適度にほぐれる。△:弱いがほぐれ性あり。×:うどんが塊状になりほぐれない
<食感(非軟化)>
◎:麺質の軟化がなく硬さ、弾力共に非常に良好。○:わずかに軟化している、若しくはわずかに表面の粘りががあるが、良好。△:軟化しているが弾力が残っている、若しくは表面に粘りがある。×:かなり軟化し弾力がない、若しくは表面にかなりの粘りがある。
<保存性>
◎:全く問題ない。○:わずかに粉っぽさとボソボソした食感があるが良好。△:粉っぽさとボソボソした食感があり、硬いが喫食可能。×:粉っぽさとボソボソした食感が強く、硬い、喫食は不適。
(表1)うどんへの、マルトシルトレハロースの添加効果
Figure 0005029602
以上の結果、α化後のうどんに対してマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖を0.1%塗布した実施例1は、無添加の比較例1に比較して、うどんの老化は十分に抑えられており、5℃で48時間経過後も良好な食感であった。対して、マルトシルトレハロースを用いない比較例1では、澱粉の老化による、うどんの硬化が認められた。
(実施例2)
水にマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖と水溶性大豆多糖類を、それぞれ0.33%、16.67%となるように溶解し麺用品質改良剤水溶液を得た。次いで実施例1と同様に得たうどんに対して、上記麺用品質改良剤水溶液を3%添加し、うどん全体に均一に馴染ませることで塗布した。こうして得られたうどんを容器に取り分け、実施例1に従って保存および評価を行なった。官能評価結果を表2に示した。
(実施例3)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の濃度を1.67%とした以外は全く同様の条件とした。
(実施例4)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の濃度を3.33%とした以外は全く同様の条件とした。
(実施例5)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の濃度を16.67%とした以外は全く同様の条件とした。
(比較例2)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖を無添加とした以外は全く同様の条件とした。
(比較例3)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の濃度を0.167%とした以外は全く同様の条件とした。
(比較例4)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにグルコースを添加した以外は全く同様の条件とした。
(比較例5)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにトレハロースを添加した以外は全く同様の条件とした。
(比較例6)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにマルトースを添加した以外は全く同様の条件とした。
(比較例7)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにマルトトリオースを主成分とするオリゴ糖を添加した以外は全く同様の条件とした。
(比較例8)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにマルトテトラオースを主成分とするオリゴ糖を添加した以外は全く同様の条件とした。
(比較例9)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにマルトペンタオース及びマルトヘキサオースを主成分とするオリゴ糖を添加した以外は全く同様の条件とした。
(比較例10)
実施例2において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖の替わりにDEが25程度のデキストリンを添加した以外は全く同様の条件とした。
(表2)うどんへの、各種少糖類および水溶性大豆多糖類の添加効果
Figure 0005029602
以上の結果、α化後のうどんに対して水溶性大豆多糖類のみを加えると、うどんのほぐれ性が非常に改善したが、澱粉老化の抑制効果は認められなかった(比較例2)。一方、実施例2〜5に示す様に、マルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖を0.01%以上塗布した場合、うどんの老化は十分に抑えられており、5℃で48時間経過後も良好な食感であった。また、麺表面は粘りを持たず、軟化しないため、水溶性大豆多糖類によってほぐれ性が非常に改善した。マルトシルトレハロース以外の糖を用いた比較例(4〜10)では、4,5,6で顕著な麺の軟化が認められ、また9,10では麺表面に粘りがあり、水溶性大豆多糖類によるほぐれ効果の阻害が認められた。
(実施例6)
水にマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖と水溶性大豆多糖類を、10.00%となるように溶解して麺用品質改良剤水溶液を得た。次いで市販のパスタ(マ・マースパゲッティ/日清フーズ(株))を茹で上げ、水切り後パスタ重量に対して上記麺用品質改良剤水溶液を3%とオリーブオイル2%を添加し、180℃のホットプレート上で3分間炒めた。こうして得られたパスタを容器に取り分け、蓋をして10℃の恒温槽中で24,48時間静置し、6名のパネラーにて官能評価を行なった。官能評価結果を表1に示した。
(実施例7)
実施例6において、麺用品質改良剤水溶液中にオリゴ糖に加えて更に水溶性大豆多糖類を16.67%となるように溶解して用いた以外は全く同様の条件とした。
(比較例11)
実施例6において麺用品質改良剤水溶液を無添加とした以外は全く同様の条件とした。
(比較例12)
実施例7において、麺用品質改良剤水溶液中のマルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖を無添加とし、水溶性大豆多糖類のみを添加した以外は全く同様の条件とした。
以上の実施例6,7、比較例11,12の官能評価の結果を表3に示した。評価の基準は以下の通りである。
<ほぐれ性評価>
◎:パスタが大変良好にほぐれる。○:適度にほぐれる。△:弱いがほぐれ性あり。×:パスタが塊状になりほぐれない。
<食感>
◎:麺質の軟化がなく硬さ、弾力共に非常に良好。○:わずかに軟化しているが良好。△:軟化しているが弾力が残っている。×:かなり軟化し、弾力がない。
<保存性>
◎:全く問題ない。○:わずかに粉っぽさとボソボソした食感があるが良好。△:粉っぽさとボソボソした食感ががあり、麺は切れやすいが喫食可能。×:粉っぽさとボソボソした食感がが強く、麺は切れ易い。喫食は不適。
(表3)パスタへのマルトシルトレハロースへの添加
Figure 0005029602
以上の結果、マルトシルトレハロースを主成分とするオリゴ糖を含む麺用品質改良剤を塗布したパスタ(実施例6)は、10℃で48時間保存した後でも老化感がなく、良好な状態を維持していた。マルトシルトレハロースに、更に水溶性大豆多糖類を加えた実施例7は、同時に良好なほぐれ性も示した。比較例12は、ほぐれ性は示したものの、老化抑制効果は認められなかった。
(実施例8,9)
実施例1のうどん作成時に於て、材料を混合する際に、粉体1000gに対してマルトシルトレハロース5gおよび水溶性大豆多糖類2gを混合して製麺した(実施例8)。また、粉体1000gに対してマルトシルトレハロース5gおよび水溶性大豆多糖類10gを混合して製麺した(実施例9)。これらを、沸騰水中で茹で上げてα化させた後、流水中で麺表面を洗い、氷水中で麺をしめてうどんを得た。老化抑制剤水溶液を添加しない比較例1と共に、蓋をして5℃の恒温槽中で24,48時間静置し、6名のパネラーにて官能評価を行なった。実施例8および9の麺は、老化感がなくほぐれ性も示し、特に実施例9は高いほぐれ性を示した。
本発明により、麺類に、従来を上回る澱粉老化抑制効果とほぐれ性向上効果を与えることができる。これにより麺類の品質を向上させることができる。

Claims (3)

  1. マルトシルトレハロースおよび水溶性大豆多糖類を含むことを特徴とする、α化後の麺類加工食品に対して塗布して使用する、フライ麺を除く類加工食品用澱粉老化抑制およびほぐれ性改良剤。
  2. マルトシルトレハロースが、麺類加工食品に対して0.01〜5重量%、および水溶性大豆多糖類が、麺類加工食品に対して0.05〜10重量%を含む溶液を、α化後の麺類加工食品に対して塗布することを特徴とする、フライ麺を除く麺類加工食品の製造方法。
  3. フライ麺を除く麺類加工食品の製造において、麺類加工食品に対して0.05〜10重量%の水溶性大豆多糖類を、α化後の麺に対して塗布する場合に、マルトシルトレハロースを麺類加工食品に対して0.01〜5重量%を併用して添加することを特徴とする、マルトシルトレハロースの使用方法。
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