JP2017046617A - 麺の冷凍乾燥防止剤 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2では、油脂を含有する冷凍麺の冷凍焼け防止剤について記載がある。さらに特許文献3には、同じく油脂を含有する剤による、冷凍麺類の冷凍焼け防止方法について記載されている。
特許文献1においては、麺を凍結した後に糖類を含む液を、麺の表面で凍結させる必要があり、非常に煩雑であった。
特許文献2及び3においては、いずれも油脂を使用したもので、その使用で麺が油っぽくなってしまう場合もあり、使用態様が限定されるものであった。
本発明者は更に検討を行った。そうしたところ、豆類由来の水溶性ヘミセルロース溶液に増粘剤を加え、特定の粘度範囲とした場合に、顕著な麺の凍結乾燥防止効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
(1)豆類由来の水溶性ヘミセルロースを5〜20重量%及び増粘剤を含有し、20℃における粘度が170〜700mPa・sである、麺の冷凍乾燥防止剤、
(2)更に二〜四糖類を10〜35重量%含有する、(1)記載の麺の冷凍乾燥防止剤、
(3)増粘剤がキサンタンガム、グアガム、加工澱粉から選ばれる1種以上である、(1)又は(2)に記載の麺の冷凍乾燥防止剤、
(4)原料として油脂を使用しない、(1)〜(3)いずれか1つに記載の、麺の冷凍乾燥防止剤、
(5)(1)〜(4)いずれか1つに記載の麺の冷凍乾燥防止剤を、茹で加熱後の麺100gに2〜20g付着させる、冷凍麺の冷凍乾燥防止方法、
(6)(1)〜(4)いずれか1つに記載の麺の冷凍乾燥防止剤を、茹で加熱後の麺100gに2〜20g付着させる、冷凍麺の製造法、
(7)豆類由来の水溶性ヘミセルロースを5〜20重量%含有する溶液に、20℃における粘度が170〜700mPa・sとなるように増粘剤を加える、麺の冷凍乾燥防止剤の製造法、
(8)水に分散して、(1)〜(4)いずれか1つに記載の麺の凍結乾燥防止剤とするための、紛体組成物、
に関するものである。
豆類由来の水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロースを含む原料から水抽出や熱水抽出する方法、酸、アルカリ条件下で加熱抽出する方法、酵素分解により抽出する方法等により得ることができる。
豆類由来の水溶性ヘミセルロースの製造法の好ましい一例を示すと以下の通りである。
豆類の原料を酸性乃至アルカリ性の条件下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ましくは80℃以上130 ℃以下、より好ましくは100℃を超え、130 ℃以下にて加熱分解し、遠心分離等で水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは低分子物質を除去し乾燥することによって、豆類由来の水溶性ヘミセルロースを得ることができる。
増粘剤の添加量は、その純度等によっても変わりうるものであるが、概ね、麺の冷凍乾燥防止剤中に0.01〜20重量%含有することが望ましく、この量はより望ましくは0.05〜15重量%であり、さらに望ましくは0.08〜13重量%である。適切な量の増粘剤を用いることで、より好ましい麺の冷凍乾燥防止効果を得ることができる。
マルトシルトレハロースとはα,α‐トレハロースのマルトース誘導体である非還元性の四糖類であり、具体的にはα‐マルトシルα,α‐トレハロースが挙げられる。α‐マルトシルα,α‐トレハロースは、特開平7‐143876号公報及び特開平8‐73504号公報に開示された方法で調製することができる。
本発明では、二〜四糖類を10〜35重量%使用することが望ましく、この量は、より望ましくは17〜31重量%であり、さらに望ましくは20〜30重量である。適切な量の二〜四糖類を使用することで、より好ましい麺の冷凍乾燥防止効果を得ることができる。
適切な粘度とすることで、作業性が良好となり、麺への付着性やコーティング性も改善され、より好ましい麺の冷凍乾燥防止効果を得ることができる。なお、粘度はBM型粘度計を用い測定した。500mPaまでは、25℃、M2ローター、60rpm、1minの条件により測定し、700mPaまでは、回転数のみ30rpmとして測定した。
本発明に係る、麺の冷凍乾燥防止剤は、使用する原材料が水溶性に富むため、これら原材料を所定量の水に溶解することで、容易に調製することができる。
麺の冷凍乾燥防止剤の調製においては、20℃における粘度を170〜700mPa・sとする必要がある。粘度の調整は、増粘剤の量により容易に調製することができる。
なお、本発明に係る麺の冷凍乾燥防止剤は液状品であるが、上記の通りその原材料は水溶性に富むため、溶解することで所定の濃度及び粘度となるように配合調整した粉体として流通させることもできる。
本発明に係る麺の冷凍乾燥防止剤は、茹で加熱後の麺の表面に付着させ使用することができる。ここで付着させる量は、茹でて水切りした麺100gに対し2〜20gが望ましく、より望ましくは3〜15gであり、さらに望ましくは4〜10gである。適切な量の麺の冷凍乾燥防止剤を付着させることで、好ましい冷凍乾燥防止効果を発現する。
以下に実施例を記載する。
表1の配合に従い、麺の冷凍乾燥防止剤を調製した。調製法は、「○麺の冷凍乾燥防止剤の調製法」に従った。
麺の冷凍乾燥防止効果の評価は、「○麺の冷凍乾燥防止効果の評価法」に従った。粘度はBM型粘度計を用い、25℃、M2ローター、60rpm、1minの条件により測定した。
結果を表2に示した。
水へ各多糖類等を配合に従い添加し、DCスターラー(攪拌機の種類)により800rpm、15分間加熱攪拌し、溶液状とした。
1.パスタの 10 倍の水を沸騰させ、1%の食塩を加えて茹で汁とし、日清フーズ株式会社製「ママースパゲッティ1.6mm(7min 茹でタイプ)」を、7分間茹で、2回水洗いして水切りした。
2.水切りしたパスタ200gに、各サンプル10gを添加し、均一になるまでよく撹拌した。
3.四角容器(10.4cm×13.6cm×6.8cm)に 100gずつパスタを入れ、フタをした。
4.-50℃のショックフリーザーで急速凍結し、-20℃の冷凍庫に 1 週間保存した。
5.室温で 2h溶解し、再度-20℃の冷凍庫に入れた。
6.1週間後、乾燥して変色している部分のみを切り取り、重量を測定した。
7.6で測定した重量を、麺全体の重量で割った値が6%以下であるものを合格と判断した。
・水溶性大豆多糖類には、不二製油株式会社製「ソヤファイブ-S」を用いた。
・マルトシルトレハロースには林原製「ハローデックス」を用いた。
・キサンタンガムには三栄原FFI社製「サンエース」を用いた。
水溶性大豆多糖類にキサンタンガムを添加して粘度を上げることで、麺における冷凍乾燥防止効果は向上する傾向がみられた。特に、マルトシルトレハロースを更に添加することで、その効果は顕著に向上した。
表3の配合に従い、麺の冷凍乾燥防止剤を調製した。条件は検討1と同じとした。
その後、検討1同様に、評価を行った。結果を表4に示した。
増粘剤により一定範囲の粘度とすることにより、麺の冷凍乾燥防止効果が顕著に高まることが確認された。特に、キサンタンガムが、その効果が高いことが確認された。
Claims (8)
- 豆類由来の水溶性ヘミセルロースを5〜20重量%及び増粘剤を含有し、20℃における粘度が170〜700mPa・sである、麺の冷凍乾燥防止剤。
- 更に二〜四糖類を10〜35重量%含有する、請求項1記載の麺の冷凍乾燥防止剤。
- 増粘剤がキサンタンガム、グアガム、加工澱粉から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の麺の冷凍乾燥防止剤。
- 原料として油脂を使用しない、請求項1〜3いずれか1項に記載の、麺の冷凍乾燥防止剤。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載の麺の冷凍乾燥防止剤を、茹で加熱後の麺100gに2〜20g付着させる、冷凍麺の冷凍乾燥防止方法。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載の麺の冷凍乾燥防止剤を、茹で加熱後の麺100gに2〜20g付着させる、冷凍麺の製造法。
- 豆類由来の水溶性ヘミセルロースを5〜20重量%含有する溶液に、20℃における粘度が170〜700mPa・sとなるように増粘剤を加える、麺の冷凍乾燥防止剤の製造法。
- 水に分散して、請求項1〜4いずれか1項に記載の麺の凍結乾燥防止剤とするための、紛体組成物。
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JP2015171793A JP2017046617A (ja) | 2015-09-01 | 2015-09-01 | 麺の冷凍乾燥防止剤 |
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Citations (2)
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JPH02117353A (ja) * | 1988-10-26 | 1990-05-01 | Japan Organo Co Ltd | 冷凍茹で麺類の製造方法 |
WO2007114091A1 (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-11 | Fuji Oil Company, Limited | 麺用澱粉老化抑制剤,それを用いた麺類およびその製造方法 |
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2015
- 2015-09-01 JP JP2015171793A patent/JP2017046617A/ja active Pending
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