JP6926350B1 - 酸性水中油型乳化食品及びその焼成時の焼き色改善方法 - Google Patents

酸性水中油型乳化食品及びその焼成時の焼き色改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】油脂含有量の低い酸性水中油型乳化食品であっても、油脂含有量の高い酸性水中油型乳化食品のような美しい焼き色が付き易く、かつ保存中の変色を抑制できる酸性水中油型乳化食品の提供。【解決手段】本発明は、食用油脂を5質量%以上50質量%以下含有する酸性水中油型乳化食品であって、卵黄の含有量が、生換算で8質量%以下であり、アラニンの含有量が、0.5質量%超であり、グリシンの含有量が、0.8質量%以下であり、グリシンの含有量が、アラニン1質量部に対して0.8質量部以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、酸性水中油型乳化食品に関し、詳細には、焼成用酸性水中油型乳化食品に関する。また、本発明は、酸性水中油型乳化食品の焼成時の焼き色を改善する方法に関する。
惣菜パンやピザなどの焼成される食品において、チーズなどのトッピング材がこんがりと焼けている様子は食欲をそそることが知られている。一方、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化食品も焼成食品のトッピング材として使用されるが、チーズのような焼き色が付きにくいという課題があった。
これまでも、マヨネーズ風調味料等に良好な焼き色を呈するために、油脂及び/又は発酵乳製品と、卵及び高甘味度甘味料とを含む食品を使用することが提案されている(特許文献1参照)。また、電子レンジ調理で良好な焼き色を付けるために、マヨネーズと還元糖もしくはアミノ酸を使用することが提案されている(特許文献2参照)。
特開2008−043330号公報 特開平08−131092号公報
本発明者等は、焼き色を付けるために有効であると知られているグリシンを酸性水中油型乳化食品に添加して焼成を行ったが、焼き色は付くものの、保存中に酸性水中油型乳化食品の変色(褐変)が起こるという問題も新たに発生した。さらに、本発明者等は、油脂含有量の低い(例えば、油脂含有量50質量%以下の)酸性水中油型乳化食品は、油脂含有量の高い酸性水中油型乳化食品のような粘度を出すために増粘剤等が多量に配合した場合に、焼成時に酸性水中油型乳化食品の表面に凹凸が生じてしまい、油脂含有量の高い酸性水中油型乳化食品のような美しい焼き色を付けることが難いという課題も知見した。
したがって、本発明の目的は、油脂含有量の低い酸性水中油型乳化食品であっても、油脂含有量の高い酸性水中油型乳化食品のような美しい焼き色が付き易く、かつ保存中の変色を抑制できる酸性水中油型乳化食品を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、焼き色を付けるために有効であることは知られていないアラニンを酸性水中油型乳化食品に添加して、グリシンとアラニンの含有量を特定の範囲に調節することによって、油脂含有量の低い酸性水中油型乳化食品であっても、油脂含有量の高い酸性水中油型乳化食品のような美しい焼き色を付け、かつ保存中の変色を抑制できることを知見した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、
食用油脂を5質量%以上50質量%以下含有する酸性水中油型乳化食品であって、
卵黄の含有量が、生換算で、8.0質量%以下であり、
アラニンの含有量が、0.5質量%超であり、
グリシンの含有量が、0.8質量%以下であり、
グリシンの含有量が、アラニン1質量部に対して0.8質量部以下であることを特徴とする、
酸性水中油型乳化食品が提供される。
本発明の態様においては、アラニンの含有量が、前記酸性水中油型乳化食品の全量に対して3質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、卵黄の含有量が、生換算で前記酸性水中油型乳化食品の全量に対して0.1質量%以上であることが好ましい。
本発明の態様においては、5糖以下の糖類の含有量が、前記酸性水中油型乳化食品の全量に対して1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酸性水中油型乳化食品の20℃における粘度が50Pa・s以上500Pa・s以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記酸性水中油型乳化食品が焼成用であることが好ましい。
本発明の別の態様においては、食用油脂を5質量%以上50質量%以下含有する酸性水中油型乳化食品の焼成時の焼き色を改善する方法であって、
前記酸性水中油型乳化食品において、
卵黄の含有量を生換算で8質量%以下に、アラニンの含有量を0.5質量%超に、グリシンの含有量を0.5質量%以下に、グリシンの含有量をアラニン1質量部に対して0.8質量部以下に調節することを特徴とする、
焼き色改善方法が提供される。
本発明によれば、油脂含有量の低い酸性水中油型乳化食品であっても、油脂含有量の高い酸性水中油型乳化食品のような美しい焼き色が付き易く、かつ保存中の変色を抑制できる酸性水中油型乳化食品を提供することができる。また、本発明によれば、酸性水中油型乳化食品を焼成時の焼き色を改善する方法を提供することができる。このような酸性水中油型乳化食品は消費者の食欲を惹起することができ、酸性水中油型乳化食品のさらなる市場拡大が期待できる。
<酸性水中油型乳化食品>
本発明の酸性水中油型乳化食品は、少なくとも、食用油脂及び特定の遊離アミノ酸を含有するものであり、卵黄、5糖以下の糖類、酸材、増粘剤、及び他の原料等をさらに含んでもよい。本発明の酸性水中油型乳化食品は、焼成時に表面に美しい焼き色が付き易いことから焼成用として好適である。
ここで、水中油型乳化食品とは、油脂が油滴として水相中に略均一に分散し、水中油型に乳化された食品である。本発明の水中油型乳化食品は、特に限定されず、マヨネーズ様調味料、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられ、マヨネーズ様調味料が好ましい。本発明におけるマヨネーズ様調味料には、消費者庁の「食品表示基準」で定めるマヨネーズと類似の性状(例えば、味、外観、主原料等)を有しながら成分組成が食品表示基準に合致しない類似商品群も含まれる。
(酸性水中油型乳化食品のpH)
本発明の酸性水中油型乳化食品のpHは、好ましくは2.7以上4.6以下であり、下限値はより好ましくは3.5以上であり、さらに好ましくは3.7以上であり、また、上限値はより好ましくは4.3以下であり、さらに好ましくは4.2以下である。酸性液状調味料のpHが上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性水中油型乳化食品の風味を良好にすることができる。なお、酸性水中油型乳化食品のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、市販のpH測定器(例えば、株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いて測定した値である。
(酸性水中油型乳化食品の粘度)
本発明の酸性水中油型乳化食品の粘度は、特に限定されないが、例えば50Pa・s以上500Pa・s以下であり、下限値は好ましくは100Pa・s以上であり、より好ましくは150Pa・s以上であり、また、上限値は好ましくは400Pa・s以下であり、より好ましくは300Pa・s以下である。酸性水中油型乳化食品に上記範囲内の粘度を付与することで、酸性水中油型乳化食品の風味をより感じることができる。
なお、粘度の測定方法は、BH形粘度計を使用し、品温20℃、回転数2rpmの条件で、粘度が50Pa・s未満のとき:ローターNo.4、粘度が50Pa・s以上140Pa・s未満のとき:ローターNo.5、140Pa・s以上350Pa・s未満のとき:ローターNo.6、350Pa・s以上:ローターNo.7を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により算出した値である。
(遊離アミノ酸含有量)
本発明の酸性水中油型乳化食品は、特定の遊離アミノ酸を含む。酸性水中油型乳化食品中のアラニンの含有量は0.5質量%超であり、好ましくは0.6質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上であり、また、好ましくは3.0質量%以下であり、より好ましくは2.5質量%以下であり、さらに好ましくは2.0質量%以下である。また、酸性水中油型乳化食品中のグリシンの含有量は0.8質量%以下であり、好ましくは0.5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、0質量%であってもよい。さらに、グリシンの含有量は、アラニン1質量部に対して0.3質量部以下であり、好ましくは0.2質量部以下で有り、より好ましくは0.1質量部以下である。本発明におけるアラニンおよびグリシンは、遊離アミノ酸として酸性水中油型乳化食品中に存在しているものを指す。また、D型及びL型の光学異性体の種類については限定されない。本発明においては、酸性水中油型乳化食品に焼き色を付けるために有効であることは知られていないアラニンを添加して、グリシンとアラニンの含有量を上記範囲内に調節することで、保存中の酸性水中油型乳化食品の褐変を抑制しながら、焼成時に酸性水中油型乳化食品の表面に濃い焼き色を付けることができる。
(食用油脂)
本発明の酸性水中油型乳化食品に用いる食用油脂は、特に限定されず従来公知の食用油脂を用いることができる。食用油脂としては、例えば、菜種油、大豆油、パーム油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラワー油、胡麻油、オリーブ油、亜麻仁油、米油、椿油、荏胡麻油、グレープシードオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル等の植物油脂、魚油、牛脂、豚脂、鶏脂、又はMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等を挙げることができる。これらの中でも、菜種油、大豆油、コーン油、パーム油、又はこれらの混合油を用いることが好ましい。これらの食用油脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
食用油脂の含有量は、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、5質量%以上50質量%以下であり、下限値は好ましくは8質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは15質量%以上であり、さらにより好ましくは20質量%以上であり、また、上限値は好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。本発明においては、食用油脂の含有量が50質量%以下と少量であっても、油脂含有量の高い(例えば、60質量%以上)酸性水中油型乳化食品のような美しい焼き色が付き易い酸性水中油型乳化食品を得ることができる。
(卵黄)
本発明の酸性水中油型乳化食品に用いる卵黄としては、例えば、液卵黄や生卵黄、当該液卵黄や生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、後述するリゾ化卵黄のようなホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖質等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。
卵黄の含有量は、生換算で、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、8.0質量%以下であり、好ましくは7.0質量%以下であり、より好ましくは6.0質量%以下であり、さらに好ましくは5.0質量%以下であり、また、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、さらにより好ましくは1.5質量%以上である。卵黄の含有量が上記範囲内であれば、焼成時に酸性水中油型乳化食品の表面に濃い焼き色を付け易くなる。
(酸材)
本発明の酸性水中油型乳化食品には、酸材を配合することで、pHを調節することができる。酸材としては、例えば、食酢(酢酸)、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ソルビン酸、安息香酸、アジピン酸、フマル酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの塩、燐酸、塩酸等の無機酸及びそれらの塩、レモン果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、乳酸発酵乳等を用いることができる。これらの酸材は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸材の配合量は、目的とするpHに応じて適宜調節することができる。例えば、酸材として食酢(酸度10%)を用いる場合、食酢の含有量は、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは12質量%以下である。食酢の配合量が上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性水中油型乳化食品の風味のバランスを良好にすることができる。
(5糖以下の糖類)
本発明の酸性水中油型乳化食品に用いる5糖以下の糖類としては、例えば、ぶどう糖及び果糖等の単糖類、蔗糖、麦芽糖、及びトレハロース等の二糖類、並びにオリゴ糖が上げられる。これらの中でも単糖類及び/又は二糖類を用いることが好ましく、二糖類を用いることがより好ましく、蔗糖を用いることがさらに好ましい。これらの糖類は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
5糖以下の糖類の含有量は、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは3.0質量%以上であり、さらに好ましくは4.0質量%以上であり、さらにより好ましくは5.0質量%以上であり、特に好ましくは7.0質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下である。5糖以下の糖類の含有量が上記範囲内であれば、焼成時に酸性水中油型乳化食品の表面に濃い焼き色を付け易くなる。
(増粘剤)
本発明の酸性水中油型乳化食品は、乳化状態を維持し易くするために増粘剤を配合することができる。増粘剤としては、加工澱粉及び/又はガム類を用いることができる。加工澱粉としては、例えば、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、及びリン酸化澱粉等が挙げられる。ガム類としては、例えば、キサンタンガム、コンニャクガム、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等が上げられる。これらの増粘剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
増粘剤の配合量は、酸性水中油型乳化食品の全量に対して、好ましくは1.0質量%以上であり、より好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは2.0質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5.0質量%以下であり、さらに好ましくは4.0質量%以下である。増粘剤の配合量が上記範囲内であれば、酸性水中油型乳化食品の乳化状態を維持しながら、焼成時に酸性水中油型乳化食品の表面に美しい焼き色を付け易くなる。
(他の原料)
本発明の酸性水中油型乳化食品には、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で液状調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。他の原料としては、例えば、食塩、グルタミン酸ナトリウム、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
<酸性水中油型乳化食品の製造方法>
本発明の酸性水中油型乳化食品の製造方法の一例について説明する。例えば、まず、清水、食酢、アラニン、グリシン、及び調味料等の他の水相原料を混合して、水相を調整する。その後、調整した水相に液卵黄を加える。続いて、上記で調整した水相に油相原料である食用油脂を注加し、ミキサー等で乳化して、水相中に油相を乳化分散させた酸性水中油型乳化食品を得ることができる。
本発明の酸性水中油型乳化食品の製造には、通常の酸性水中油型乳化食品の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な攪拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
<酸性水中油型乳化食品の焼成時の焼き色改善方法>
本発明の酸性水中油型乳化食品の焼成時の焼き色改善方法は、食用油脂を5質量%以上50質量%以下含有する酸性水中油型乳化食品において、卵黄の含有量を生換算で8質量%以下に、アラニンの含有量を0.5質量%超に、グリシンの含有量を0.8質量%以下に、グリシンの含有量をアラニン1質量部に対して0.8質量部以下に調節することを特徴とするものである。本発明においては、酸性水中油型乳化食品に焼き色を付けるために有効であることは知られていないアラニンを添加して、グリシンとアラニンの含有量を上記範囲内に調節することで、焼成時に酸性水中油型乳化食品の表面に濃い焼き色を付けることができる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<酸性水中油型乳化食品の製造>
[実施例1〜9、比較例1〜2]
表1に記載の配合量に従い、酸性水中油型乳化食品を調整した。具体的には、まず、清水、食酢(酸度10%)、アラニン、グリシン、砂糖(蔗糖)、加工澱粉、キサンタンガム、及び食塩を均一になるように混合して水相を調整した。その後、調整した水相に生卵黄を加えた。続いて、食用植物油脂(大豆油)を注加し、乳化処理を行って、酸性水中油型乳化食品を製造した。なお、下記の焼き色評価が行い易いように、各実施例及び比較例の酸性水中油型乳化食品の粘度が同程度となるように増粘剤の配合量を調節した。
[比較例3]
表1に記載の配合量に従い、アラニンの代わりにグルタミン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
[比較例4]
表1に記載の配合量に従い、アラニンの代わりにメチオニンを用いた以外は、実施例1と同様にして酸性水中油型乳化食品を製造した。
(pH測定)
上記で得られた実施例1〜9及び比較例1〜4の酸性水中油型乳化食品について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF−72)を用いてpHを測定した。実施例1〜9及び比較例1〜4の酸性水中油型乳化食品のpHは全て3.7以上4.2以下の範囲内であった。
(粘度測定)
上記で得られた実施例1〜9及び比較例1〜4の酸性水中油型乳化食品について、BH形粘度計を使用し、品温20℃、回転数2rpmの条件で、ローターNo. 6を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により、粘度を算出した。実施例1〜9及び比較例1〜4の酸性水中油型乳化食品の粘度は全て150Pa・s以上300Pa・s以下であった。
(焼き色評価)
上記で得られた実施例1〜9及び比較例1〜4の酸性水中油型乳化食品を、縦80mm×横13mm×厚さ5mmの大きさのシリコン型に充填し、鉄板の上で、190℃で12分間焼成した。焼成後の酸性水中油型乳化食品の表面の焼き色(焦げ色)について、複数の訓練されたパネルにより、目視により下記の基準で評価した。評価結果を表1に示した。
[評価基準]
A:酸性水中油型乳化食品の表面に濃い焼き色が付き、商品価値が高かった。
B:酸性水中油型乳化食品の表面に焼き色が付き、商品価値があった。
C:酸性水中油型乳化食品の表面に若干の焼き色が付くが、商品価値が低かった。
D:酸性水中油型乳化食品の表面に焼き色が全く付かず、商品価値が無かった。
(褐変評価)
上記で得られた実施例1〜9及び比較例1〜2の酸性水中油型乳化食品を、55℃で6日間保存した。保存後の酸性水中油型乳化食品について、複数の訓練されたパネルにより、目視により下記の基準で褐変を評価した。評価結果を表1に示した。なお、表中の「−」は、未評価であることを示す。
[評価基準]
A:酸性水中油型乳化食品は全く褐変せず、商品価値が高かった。
B:酸性水中油型乳化食品は多少褐変していたが、商品価値があった。
C:酸性水中油型乳化食品は激しく褐変しており、商品価値が無かった。
表1に示す通り、実施例1〜9の酸性水中油型乳化食品は、焼成時に表面に焼き色が付き易く、また、保存中に褐変しづらいため、商品価値が高いか、若しくは商品価値があった。
一方、比較例1の酸性水中油型乳化食品は、アラニンの含有量が低かったため、焼成時に表面に若干の焼き色は付いたが、商品価値が低かった。
比較例2の酸性水中油型乳化食品は、グリシンの含有量がアラニンの含有量に対して高かったため、保存中に激しく褐変しており、商品価値が無かった。
比較例3及び4の酸性水中油型乳化食品はいずれも、アラニン以外のアミノ酸を配合したため、焼成時に表面に若干の焼き色は付いたが、商品価値が低かった。
Figure 0006926350

Claims (5)

  1. 食用油脂を5質量%以上50質量%以下含有する酸性水中油型乳化食品であって、
    卵黄の含有量が、生換算で0.1質量%以上8.0質量%以下であり、
    アラニンの含有量が、0.5質量%超2.5質量%以下であり、
    グリシンの含有量が、0質量%以上0.8質量%以下であり、
    グリシンの含有量が、アラニン1質量部に対して0質量部以上0.8質量部以下であることを特徴とする、
    酸性水中油型乳化食品。
  2. 5糖以下の糖類の含有量が、前記酸性水中油型乳化食品の全量に対して1質量%以上15質量%以下であることを特徴とする、
    請求項に記載の酸性水中油型乳化食品。
  3. 前記酸性水中油型乳化食品の20℃における粘度が50Pa・s以上500Pa・s以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の酸性水中油型乳化食品。
  4. 前記酸性水中油型乳化食品が焼成用であることを特徴とする、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の酸性水中油型乳化食品。
  5. 食用油脂を5質量%以上50質量%以下含有する酸性水中油型乳化食品の焼成時の焼き色を改善する方法であって、
    前記酸性水中油型乳化食品において、
    卵黄の含有量を生換算で0.1質量%以上8質量%以下に、アラニンの含有量を0.5質量%超2.5質量%以下に、グリシンの含有量を0質量%以上0.8質量%以下に、グリシンの含有量をアラニン1質量部に対して0質量部以上0.8質量部以下に調節することを特徴とする、
    焼き色改善方法。
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