JP2013118819A - バッター用プレミックス - Google Patents

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Abstract

【課題】揚げた直後の衣の決着性が良く、また厚く均一で、食感はクリスピーでサクサク感があり、この食感の経時的変化が少なく、また、冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で冷解凍しても、衣の劣化が少なく、ふんわり感を維持できる、バッター用プレミックスを提供する。
【解決手段】結晶セルロース50〜99質量%、キサンタンガム1〜50質量%を含有する結晶性セルロース複合体0.1〜5質量%、加工澱粉0.1〜50質量%、及び小麦粉を含む、バッター用プレミックス。
【選択図】なし

Description

本発明は、油ちょう直後において衣の具材への決着性が良く、また厚く均一の衣がつき、食感はクリスピーでサクサク感があり、この食感の経時的変化は少なく、また、冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で冷解凍しても、衣の劣化は少なく、軽い食感(ふんわり感)を維持するバッター用プレミックスに関する。詳しくは、結晶性セルロース複合体、小麦粉、加工澱粉の組み合わせが必須であることを特徴とする、バッター用プレミックスに関する。さらに、上記のバッター用プレミックスを用いたフライ食品に関するものである。
から揚げ、天ぷら、フライ等の揚げ物食品は、通常、野菜、魚介、肉等の具材の周囲に、小麦粉等の穀粉や澱粉を主原料とする衣材料を付着させるか、又は衣材料に対して加水して得られるスラリー状のバッターを具材に衣として付着させるかした後、これを高温に熱した油で揚げる(油ちょうする)ことにより調理される。
揚げたものに衣の厚みをつけたり決着性をつけたりするときは、バッターに増粘多糖類を加えたりして、バッターの粘度を通常より高め、衣の具材への付着性を高めたり、厚みを加えたりする。しかし、食感がサクサクせずに切れがない。また、揚げたてのときには良好であっても、油ちょう後の時間が経過するに伴って、具材の水分が衣に移行するなどの理由から、サクサク感がなくなる傾向がある。また、特に、油ちょう済みの揚げ物を冷蔵又は冷凍保存した後、電子レンジ等で再加熱して食する場合には食感の劣化が顕著に起こる。
このような揚げ物の問題点を改善するために、衣材の改良に関する各種の提案がなされている。
特許文献1には、微結晶セルロースと澱粉と小麦粉からなるフライについて開示されている。
特許文献2には、結晶セルロース複合化物と加工澱粉と小麦粉からなる揚げ衣組成物について開示されている。
特開昭55−21758号公報 特開2011−152087号公報
特許文献1の方法を用いると、微結晶セルロースと澱粉、小麦粉の組み合わせにおいては、確かにサクサクした食感のフライができる。しかしながら、サクサク感は不十分であり、冷凍し、電子レンジや自然解凍などの手段で解凍しても、衣がふんわりとはならなかった。
特許文献2の方法を用いると、油ちょう直後ある程度のサクサク感もあり電子レンジや自然解凍などの手段で解凍しても、衣がふんわりとなったが、不十分であった。
従って、本発明の如く、結晶性セルロース複合体、小麦粉、加工澱粉を含有するバッター用プレミックス、及び必要に応じて増粘多糖類を含む揚げ衣用組成物を配合することで、油ちょう直後において衣の付きが均一で食感はクリスピーでサクサク感があり、この食感の経時的変化は少なく、また、冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で冷解凍しても、衣の劣化が少なく、衣のふんわり感を維持できることは、知られていなかった。
本発明の課題は、揚げた直後において、天ぷらや唐揚げにおいては衣の付きが均一でサクサク感があり、経時的変化においてもサクサク感を維持することができ、また、冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で解凍しても、衣がふんわりした状態を維持できるバッター用プレミックスを提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を重ねた結果、本発明における結晶性セルロース複合体と小麦粉と加工澱粉とを組み合わせたバッター用プレミックスを見出し、それを揚げ衣に含有することで、油ちょう後の衣の決着性が良く、また厚く均一で、食感はサクサクとし、かつこの食感の経時的変化が少なく、また、それを冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で解凍しても、ふんわり感を維持できることを見出して本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下のものである。
(1)結晶セルロース50〜99質量%、キサンタンガム1〜50質量%を含有する結晶性セルロース複合体0.1〜5質量%、加工澱粉0.1〜50質量%、及び小麦粉を含む、バッター用プレミックス。
(2)加工澱粉が、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、酸化澱粉、及びリン酸架橋澱粉からなる群から選択される少なくとも一種である、(1)記載のバッター用プレミックス。
(3)さらに増粘多糖類を含有する、(1)又は(2)記載のバッター用プレミックス。
(4)増粘多糖類がアラビアガム、ガティガム、及びジェランガムからなる群から選択される少なくとも一種である、(3)記載のバッター用プレミックス。
(5)(1)〜(4)に記載のバッター用プレミックスを使用したフライ食品。
(6)(5)に記載のフライ食品を冷凍した冷凍食品。
本発明のバッター用プレミックスは、油ちょう後の衣の決着性が良く、また厚く均一で、食感はサクサクとし、この食感の経時的変化が少なく、また、この揚げ物食品を冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で解凍しても、衣のふんわり感を維持できるという効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
なお、本発明は、以下に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明のバッター用プレミックスは、結晶セルロースとキサンタンガムからなる結晶性セルロース複合体、加工澱粉、及び小麦粉を含むものであり、から揚げ、天ぷら、天かす、フライ菓子、フライの下地等の小麦粉と混合して油脂で揚げる揚げ物食品全般に好適である。好ましくは、から揚げ又はフライであるがこれらに限定されない。このような揚げ物食品類は、弁当、惣菜などとして利用される。
本発明のバッター用プレミックスに配合する「結晶セルロース」とは、木材パルプ、精製リンター、再生セルロース、穀物又は果実由来の食物繊維、バクテリアセルロース等のセルロース系素材を、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵素分解、スチームエクスプロージョン分解、亜臨界水又は超臨界水による加水分解等により、或いはそれらの組み合わせにより、解重合処理して平均重合度30〜375としたものを洗浄、濾過して得られたセルロースである。平均重合度をこの範囲とすることで、油ちょう後のサクサク感が向上する。
平均重合度は、「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定できる。
本発明のバッター用プレミックスに配合する「キサンタンガム」は、微生物Xanthomonas・campestrisが産生する発酵多糖類であり、β−1,4−D−グルカンの主鎖骨格に、D−マンノース、D−グルクロン酸、D−マンノースからなる側鎖が結合したアニオン性の多糖類である。主鎖に結合したD−マンノースのC6位はアセチル化され、末端のD−マンノースはピルビン酸とアセタールで結合している。本発明のキサンタンガムは、特に限定することなくアセチル基含量が1%以下のものでも、標準の2〜6%程度のものでも使用してよい。
本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体は、50質量%以上の結晶セルロースと、キサンタンガム50質量%以下から構成される必要がある。上述の結晶セルロースは、50質量%以上ならば、複合体中の結晶セルロース粒子が十分となるため、油ちょう後の揚げ衣の硬度が向上し、サクサク感が向上する。より好ましい範囲としては、60質量%以上であり、さらに好ましい範囲としては、70質量%以上であり、特に好ましい範囲としては80質量%以上である。上限は、キサンタンガムとの兼ね合いで決まるので、99質量%以下である。
本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体は、キサンタンガムを含む必要がある。結晶性セルロース複合体に、キサンタンガムを含ませることで、油ちょう後の揚げ衣の付着が均一に付くとともに硬さが向上し、サクサクとした食感が得られる。さらに、冷解凍後の衣のふんわり感を維持できる。キサンタンガムは、1質量%以上を配合する必要があり、好ましくは、3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。上限は、結晶セルロースとの兼ね合いで決まるので、50質量%以下である。
本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体は、発明の効果を失わない程度に親水性物質を加えてよい。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさず、常温で固体の物質であり、デキストリン類、水溶性糖類(ブドウ糖、果糖、蔗糖、乳糖、異性化糖、キシロース、トレハロース、カップリングシュガー、パラチノース、ソルボース、還元澱粉糖化飴、マルトース、ラクツロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等)、糖アルコール類(キシリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール等)、より選ばれる1種又は2種以上の物質をいう。最も良い物質はデキストリンである。
本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、各種目的に応じて任意の添加剤を添加することができる。添加剤の具体例としては、甘味剤、乳化剤、単糖類、多糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類、デンプン類、可溶性デンプン、デンプン加水分解物、油脂類、蛋白質類、食塩、各種リン酸塩類等の塩類、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸味料、保存料、殺菌料、酸化防止剤、防かび剤、日持ち向上剤、香料、色素等を挙げることができる。また、親水性高分子と混ぜ合わせてもよいし、結晶性セルロース複合体同士を混ぜ合わせてもよい。
本発明のバッター用プレミックスに配合する「結晶性セルロース複合体」の体積平均粒径の範囲は、1〜20μmが好ましい。より好ましくは3〜15μmであり、さらに好ましくは3〜10μmである。体積平均粒径を1μm以上とすることで実用性が増し、また体積平均粒径が20μm以下であれば衣の食感としてざらつきが少ない。ここでいう体積平均粒径とは、結晶性セルロース複合体を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名 エクセルオートホモジナイザーED−7処理条件 回転数15,000rpm、5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名 LA−910、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%の粒径のことである。
本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体は、固形分1.0質量%の水分散スラリーにおける貯蔵弾性率(G’)が0.1Pa以上である必要がある。好ましくは0.3Pa以上であり、より好ましくは0.7Pa以上であり、さらに好ましくは1.0Pa以上である。この貯蔵弾性率が高いほど、揚げ衣用組成物の具材への決着性が向上し、サクサク感が増すため好ましい。上限は、サクサク感と硬さのバランスの点から5.0Pa以下が好ましい。
上述の貯蔵弾性率は、以下の方法で測定されるものである。
<貯蔵弾性率>
(1)固形分1.0質量%の水分散液となるように結晶性セルロース複合体と純水を量り取り、エースホモジナイザー((株)日本精機製作所、ED−7型)にて、15000rpmで5分間分散する。
(2)25℃の雰囲気中に3日間静置する。
(3)動的粘弾性測定装置に、サンプル液を入れてから5分間静置後、下記の条件で測定し、貯蔵弾性率(G’)を求める。
装置:ARES(100FRTN1型)
(Rheometric Scientific,Inc.製)
ジオメトリー:Double Wall Couette
温度:25℃
歪み:5%(固定)
周波数:1.0→100rad/s
貯蔵弾性率は、上記の方法において、周波数1.0→100rad/sで掃引された周波数−貯蔵弾性率の曲線において、周波数20rad/sにおいて示される値のことである。
揚げ衣の揚げた直後と冷解凍後の硬さは、下記の条件で測定する。
装置:レオメーター(不動工業(株):NRM−2002J型)
アダプター:針(3φ)、円錐(応力緩和測定用)
メインスイッチ:A
メーター感度切替スイッチ:2k
試料台速度:2cm/min
単位:gf
アダプターに針を用いた場合、油ちょう直後及び冷解凍後の硬さが、99gf以上が好ましく、100〜149gfがより好ましく、150gf以上が最も好ましい。
アダプターに円錐を用いた場合、油ちょう直後及び冷解凍後の硬さが、499gf以上が好ましく、500〜999gfがより好ましく、1000gf以上が最も好ましい。
本発明における結晶性セルロース複合体の商業的に入手可能な製品として、旭化成ケミカルズ(株)のセオラス(登録商標)RC−N30等が挙げられる。
本発明のバッター用プレミックスに配合させる結晶性セルロース複合体の配合量は、水分を含まないバッター用プレミックスの乾燥重量に対して、0.1質量%以上含むことが好ましい。より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは、0.5質量%以上であり、特に好ましくは1質量%以上である。結晶性セルロース複合体の配合量が多いほど、本発明の効果が向上する傾向にあるが、揚げ衣の食感の硬さの点から、上限は5質量%以下である。
次に、本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体の製造方法を説明する。結晶性セルロース複合体の製造方法は、例えば結晶セルロースとキサンタンガムを混練機等にて混練する方法を適用することができる。この際に、必要に応じて親水性物質を添加しておくことも自由である。この場合、該混合物を半固形状態で混練することが好ましい。
混練機は、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等を用いることができ、連続式でもバッチ式でもよく、混練機を二種以上を組み合わせてもよい。混練時の温度は成り行きでもよいが、混練の際の摩擦等により発熱する場合にはこれを除熱しながら混練してもよい。
混練時の固形分は、10質量%以上とすることが好ましい。固形分が多くなることで、混合状態が適正化し、複合化が促進されるため好ましい。より好ましくは、20質量%以上であり、さらに好ましくは、30質量%以上であり、特に好ましくは40質量%以上である。上限は特に設定されるものではないが、水分量が少なすぎることもなく混練物がパサパサな状態にならず充分な混練効果が得られ、均一な混練状態が得られる、現実的な範囲として、90質量%以下が好ましい。より好ましくは、60質量%以下であり、さらに好ましくは、55質量%以下である。上記範囲で、混練を制御することで、混練物が柔らかい状態にならないため結晶セルロースと他の成分との複合化が進み、油ちょう後の揚げ衣の硬さが向上し、ふんわり感で表される衣の軽い食感が得られる。
混練時の混練エネルギーは、結晶性セルロース複合体の貯蔵弾性率をコントロールできるものである。結晶セルロースとキサンタンガムの混練エネルギーは、50Wh/kg以上とすることが好ましい。ここで混練エネルギーとは単位質量当たりの電力量(Wh/kg)と定義するものである。より好ましくは100Wh/kg以上である。さらに好ましくは200Wh/kg以上である。混練時の混練エネルギーが50Wh/kg以上であれば、混練物に与える磨砕性が低くなく、結晶セルロース、キサンタンガムの複合化が進み、揚げ衣にサクサク感を付与できる。ここでいう複合化とは、結晶セルロースとキサンタンガムの水素結合の割合のことであり、複合化が進むとこの水素結合の割合が多くなり本発明の効果(油ちょう直後のサクサク感、ふんわり感、及びサクサク感の経時的変化の抑制)が向上する。混練エネルギーの高い方が磨砕性が高まると考えられるが、混練エネルギーをあまり高くすると工業的に過大な設備になるのでコストの面から好ましくない。この意味において、混練エネルギーの上限は5000Wh/kgとすることが好ましい。混練工程においては、水は混練工程の前に必要量を加水してもよいし、混練工程の途中で加水してもよいし、両方実施してもよい。
本発明のバッター用プレミックスに配合する結晶性セルロース複合体を得るにあたって、前述の混練工程より得られた湿混練物を乾燥する場合は、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。混練物を乾燥工程に供する場合には、該混練物に水を添加して希釈することなく混練工程の固形分濃度を維持して乾燥工程に供することが好ましい。乾燥後の結晶性セルロース複合体の含水率の目安は1〜20質量%である。
結晶性セルロース複合体を市場に流通させる場合は、粉体の方が取り扱いやすいので、乾燥により得られた結晶性セルロース複合体を粉砕処理して粉体状にすることが好ましい。乾燥した結晶性セルロース複合体を粉砕する場合、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度は、粉砕処理したものが目開き1mmの篩いを全通する程度に粉砕する。より好ましくは、目開き425μmの篩いを全通し、かつ、平均粒度としては10〜250μmとなるように粉砕する。
本発明のバッター用プレミックスは、小麦粉が主成分であり、これに結晶性セルロース複合体、及び加工澱粉を含むことが必要であり、必要に応じて澱粉、卵白、膨張剤、乳化剤等を配合させて成るものである。
本発明における加工澱粉とは、通常の澱粉類を化学変性させたものであり、具体的にアセチル化、エステル化、エーテル化、酸化、架橋等の処理をしたものであり、日本で添加物としての扱いをされている13種類である。具体的に13種類の加工澱粉とは、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、酢酸澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、リン酸化澱粉、リン酸架橋澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リン酸エステルナトリウム、である。また、これらの加工澱粉をさらに物理的、酵素的又は化学的処理を施してもよい。これらの加工処理法は何等限定されない。
加工澱粉は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なかでも、好ましくはヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、酸化澱粉、リン酸架橋澱粉であり、より好ましくは、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、酸化澱粉、リン酸架橋澱粉である。これらの加工澱粉を使用すると油ちょう後の衣の決着性が良く、また厚く均一で、揚げ衣のサクサク感はより向上する。
また、加工澱粉は一般に市販されている澱粉と組み合わせてもよい。
加工澱粉の配合量は0.1質量%以上が必要である。好ましくは、1質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上である。加工澱粉の配合量が多いほど、本発明の効果(油ちょう直後のサクサク感、及びサクサク感の経時的変化の抑制)が向上する傾向にあるが、フライがべとつかないようにするために、上限は50質量%以下である。好ましくは40質量%以下である。
本発明における小麦粉は、市販されている一般的な小麦粉でよい。市販の小麦粉は、グルテンの性質によって、強力粉、中力粉、薄力粉にわけられるが、本発明で使用する小麦粉は、求める製品の食感、食味に合わせて適宜選択できる。硬い食感、風味を求める場合には全粒粉も使用することができるし、それ以外にも大麦粉、ライ麦粉、ハト麦粉等でも使用することができる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明における卵白とは、全卵より卵黄を除去したもののことであるが、殻付卵を割卵したもの、凍結卵白を解凍したもの、これらを濃縮したもの、又は卵白粉末を水で戻したもののいずれであっても良く、特に限定されるものではないが、加工性の点から生卵白液又は冷凍卵白液が好ましい。
通常、バッター用プレミックスにおいては、揚げ衣にサクサク感を出すために小麦粉に澱粉、又は加工澱粉、卵白を配合することが当業者の一般的な考え方である。しかし、本発明のバッター用プレミックスにおいては、小麦粉に結晶性セルロース複合体と加工澱粉とを組み合わせることによって、衣の具材への結着性が良く、厚く均一で、今までにないサクサクとした食感になり、衣の食感の経時的変化も驚くべきことに少なかった。また、この揚げ物食品を冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で冷解凍しても、衣の劣化は少なく、ふんわり感を維持するバッター用プレミックスとなった。
本発明のバッター用プレミックスは、さらに増粘多糖類を含んでもよい。増粘多糖類をさらに含有することで、油ちょう時に気泡サイズが均一になり、揚げ上がりの衣のサクサク感がさらに向上する。
本発明のバッター用プレミックスに併用する「増粘多糖類」としては、ローカストビーンガム、グアーガム、カゼイン及びカゼインナトリウム、タマリンドシードガム、クインスシードガム、カラヤガム、キチン、キトサン、アラビアガム、トラガントガム、ガティガム、アラビノガラクタン、寒天、カラギーナン、アルギン酸及びその塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ファーセレラン、ペクチン、タラガム、アーモンドガム、アエロモナスガム、アゾトバクター・ビネランジーガム、アマシードガム、ウェランガム、サイリウムシードガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、ジェランガム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、水溶性大豆多糖類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、また複数を選択してもよい。上述の増粘多糖類を配合することで、油ちょう時に気泡サイズが均一になり、揚げ上がりの衣のサクサク感がさらに向上する。
上述の増粘多糖類のなかでも、衣のサクサク感向上の点で、アラビアガム、ガティガム、ジェランガムを用いることが好ましい。これらの増粘多糖類には共通する特性、すなわち、結晶性セルロース複合体に上記のそれぞれの増粘多糖類(アラビアガム、ガティガム、ジェランガム)とを合わせて水分散スラリーにしたものを油と混合し、攪拌機で乳化すると、懸濁層は、結晶性セルロース複合体単体及び増粘多糖類単体より、離油・離水がない安定化した状態となり、その状態が3日間以上続くという特性がある。この乳化特性を向上させる性質から、バッター用ミックス液に上述の増粘多糖類を使用すると、揚げ物はよりサクサク感が向上するものと推測される。
アラビアガムとは、マメ科アカシア属の植物の幹や枝から得られるゴム状の滲出液を乾燥して調製される天然樹脂(多糖類)である。アカシアの木の種類としては500種以上のものが知られており、一般に流通しているものは主にアカシア・セネガル(Acacia senegal)やアカシア・セイアル(Acacia seyal)から採取されているが、本発明で使用できるアラビアガムはこれらに限定されるものではなく、これら2種以外から採取されたものでも良い。また、アラビアガムは製法によって、粗砕品、粉砕品、殺菌精製スプレードライ品、脱塩精製スプレードライ品と分けられているが、本発明では特に限定されず、いずれのものも使用することができる。また、アラビアガムは、任意的に分子量を上げたり、揃えたものであっても良い。使用するアラビアガムの形状は粉末、顆粒状、液体、粘調液体、半固体、ペースト、固体等何れの形状のものでもよく、アカシアの木の種類としてはセネガルが好ましい。
ガティガムとは、シクンシ科ガティノキ(Anogeissus Latifolia WALL.)の幹の分泌液を乾燥して得られる、多糖類を主成分とするガム質であり、既存添加物リストに収載されている。ガティガムは、商業的に入手可能であり(例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製など)、通常、常温〜加温条件下で、30質量%程度の高濃度まで水に溶解することができるなどの特徴がある。
ジェランガムには、ネイティブ型ジェランガムと脱アシル型ジェランガムがあり、本発明にはネイティブ型ジェランガムが好ましい。ネイティブ型ジェランガムとはPseudomonas elodeaが産出する発酵多糖類であり、β−D−グルコース、β−D−グルクロン酸、β−D−グルコース、α−L−ラムノースの繰り返し構造をモノマーとし、モノマーの末端グルコースのC6位にアセチル基(置換度0.5)、及びC2位にはグリセリル基を有しており、脱アシルジェランガム型は、これらの官能基をアルカリ処理によって除去したものを指す。ネイティブ型ジェランガムは、食品工業の分野で、デザートゼリーの基盤基材及びドレッシング、ソース、ココア飲料等における不溶性固形分の分散安定化剤として使用されており、商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のケルコゲルHMなどを挙げることができる。
本発明のバッター用プレミックスに結晶性セルロース複合体と併用する増粘多糖類は、0.01質量%以上配合することが好ましい。より好ましくは、0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%であり、特に好ましくは、0.2質量%以上である。上限は、衣の味の点から、10質量%以下が好ましい。より好ましくは、5質量%以下である。
本発明のバッター用プレミックスは、所望により、上述の結晶性セルロース複合体、加工澱粉、小麦粉の他に、卵白、澱粉、調味料、甘味料、増粘剤、膨脹剤、乳化剤、肉質改良剤、酵素、糖アルコール、香料又はビタミン類、油脂等から選ばれる1種以上を、含有させることができるが、これらに限定されない。これらの成分の添加量は、本発明の効果を阻害しない程度が好ましく当業者によって適宜決定され得る。
澱粉としては、特に限定されないが、例えばコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉又はサゴヤシ澱粉等が挙げられ、これらの澱粉は単独で又は混合して用いることができる。またこれらを原料とする焙焼デキストリン、高度分岐環状デキストリン、酵素変性澱粉、酸分解澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架橋澱粉、アルファー化澱粉等を用いることができる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。プレミックスに澱粉を含む場合は、米粉を澱粉の総量に対して1質量%以上含有することが好ましい。米粉を含有することで、油ちょう後の衣中の油分が少なくなるため、食感が軽くなり、サクサク感が増す。ここでいう米粉とは、もち米及び/又はうるち米を原料とし、石臼杵つき、ロール製粉方法、気流式粉砕製法(ジェットミル)、水びき、高速粉砕機(ピンミル)等で粉末化されたものである。米粉の配合量としては、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。米粉が多いほど、上述の効果が大きくなるため、上限は特に設定されるものではないが、衣材の具材への結着性、衣のまとまりを勘案すると、50質量%以下が好ましい。
調味料としては、例えば、食塩、塩化カリウム、リン酸三カリウム等の無機塩;L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、グルタミン酸ソーダ、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム等の旨み調味料;クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム等の有機酸;五香粉、八角、茴香、陳皮、山椒、胡椒、唐辛子、ガーリック、生姜、タマネギ、ネギ等の各種スパイス等;醤油;魚醤;酢;又はソース等が挙げられる。
甘味料としては、デキストリン、オリゴ糖、砂糖、キシロース、グルコース、糖アルコール、還元水あめ、サッカリンナトリウム、キシリトール、アスパルテーム、スクラロース、ソルビトール又はステビア等の甘味料等が挙げられる。
増粘剤としては、ゼラチン、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グルコマンナン、寒天、グアーガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、タマリンドシードガム、タラガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ファーセレラン等が挙げられる。上述の増粘多糖類を併用することで、油ちょう時に気泡サイズが均一になり、揚げ上がりのサクサク感がさらに向上する。
膨脹剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、DL−酒石酸水素カリウム、L−酒石酸水素カリウム、アジピン酸、L−アスコルビン酸、塩化アンモニウム又はベーキングパウダー等が挙げられる。
乳化剤には、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、その他の一般に食品に使用することができるものから選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。
肉質改良剤としては、タンパク質同化ホルモン等が挙げられる。
酵素としては、アガラーゼ、アクチニジン又はアクロモペプチダーゼ等が挙げられる。香料としては、アセト酢酸エチル、アセトフェノン又は天然香料等が挙げられる。
ビタミン類としては、L−アスコルビン酸、ビタミンE又はβ−カロテン(β−カロチン又はカロチノイド色素)等が挙げられる。
糖アルコールは1質量%以上含有してもよい。糖アルコールをプレミックスに添加することで、油ちょう後の衣中の油分が少なくなり、揚げ衣の全体の硬さはそのままで、表面硬さを向上する効果がある。その効果により、サクサクした食感を向上させる。ここでいう糖アルコールとは、糖類の化学構造中のカルボニル基を還元して得られる鎖状多価アルコールのことであり、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、還元パラチノース、エリスリトール、マンニトール、ラクチトール、還元水あめを用いることができるが、添加量当たりの効果はソルビトールが高い。糖アルコールの配合量としては、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。糖アルコールが多いほど、上述の効果が大きくなるため、上限は特に設定されるものではないが、バッターの具材への結着性、衣のまとまりを勘案すると、50質量%以下が好ましい。
油脂としては、食用に適するものであれば特に制限はなく、米糠油、米胚芽油、パーム油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、ひまわり油、ヤシ油又はシソ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、魚油又は乳脂等の動物性油脂等が列挙でき、上記油脂単独、又は混合油脂、或いはそれらの部分水素添加、水添分別、分別、エステル交換等の加工を施した油脂等を利用することができるし、これらを粉末化した油脂であっても構わない。油脂の含有量は、プレミックスの約1〜25質量%、好ましくは約2〜20質量%が適当である。油脂を添加することで、衣の食感が軽くなりサクサクになる効果があるが、多く添加すると衣が油っぽくなり好ましくない。
本発明のバッター用プレミックスは、フライ食品に好適である。フライ食品とは、加熱した油で揚げる食品を言う。揚げる具材は、肉類、魚介類、野菜、加工食品等である。
上記肉類には、鶏肉、豚肉、牛肉から選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。
上記魚介類には、カレイ、キス、イワシ、マグロ、エビ、イカから選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。
上記野菜には、例えばカボチャ、サツマイモ、ジャガイモ、タマネギ、ナス、シイタケ、マツタケ、エノキタケ、ピーマン、ネギ、ニンジン、ゴボウから選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。
上記加工食品には、ハム、ソーセージ、チーズ、ちくわ、コンニャク、豆腐から選ばれる1種以上が含まれるがこれらに限定されない。
本発明のバッター用プレミックスは、水を加えてスラリー状として使用するが、粉のまま使用することもできる。バッターとして利用する場合、適当な粘度になるように加水するが、数百〜数千m・Pasの範囲が好ましい。
具材は、肉類、魚介類、野菜又はそれらを含む加工食品から選択される。肉類には、鶏肉、豚肉、牛肉又は羊肉等が挙げられる。魚介類には、カレイ、キス、イワシ、マグロ、アジ、タイ、エビ、イカ又はタコ等が挙げられる。野菜は、揚げ物用具材として用いられるものであれば何でもよく、カボチャ、サツマイモ、ジャガイモ、タマネギ、ナス、シイタケ、マツタケ、エノキタケ、ピーマン、ネギ、ニンジン又はゴボウ等が挙げられる。加工食品は、ハム、ソーセージ、チーズ、ちくわ、コンニャク又は豆腐が挙げられる。具材としては、これらに限定されない。
フライ食品は、油ちょう工程を得て製造される。油ちょうの工程は、食品製造の分野において通常使用され得る方法で行われ得る。油ちょうに使用される油は特に限定されず、通常揚げ物に使用される油であればよい。油ちょうの条件としては、好ましくは165〜185℃の油中に、通常2〜8分浸漬して、油ちょうを行う。
得られたフライ食品は、冷凍して冷凍食品とすることも好ましい。フライ食品を冷凍する工程としては、油ちょうされた揚げ物を、常温放置のまま長時間経過しないうちに、好ましくは−40℃以下の急速冷凍機にて冷凍して、−15〜−25℃で冷凍保存する。この冷凍食品は、食べる前に再油ちょうしたり、電子レンジやオーブンで加熱したり、或いは、自然解凍させて食べることができる。
本発明を実施例に基づいて説明する。
<衣の硬さの測定>
揚げ衣の揚げた直後と冷解凍後の硬さは同じ測定方法・条件であり、下記の条件で測定した。
装置:レオメーター(不動工業(株):NRM−2002J型)
アダプター:針(3φ)、円錐(応力緩和測定用)
メインスイッチ:A
メーター感度切替スイッチ:2k
試料台速度:2cm/min
単位:gf
<硬さの低下率>
(直後の硬さ−冷解凍後の硬さ)/直後の硬さ×100(%)
<貯蔵弾性率(G’)>
(1)固形分1.0質量%の水分散液となるように結晶性セルロース複合体と純水を量り取り、エースホモジナイザー((株)日本精機製作所、ED−7型)にて、15000rpmで5分間分散する。
(2)25℃の雰囲気中に3日間静置する。
(3)動的粘弾性測定装置に、サンプル液を入れてから5分間静置後、下記の条件で測定し、貯蔵弾性率(G’)を求める。
装置:ARES(100FRTN1型)
(Rheometric Scientific,Inc.製)
ジオメトリー:Double Wall Couette
温度:25℃
歪み:5%(固定)
周波数:1.0→100rad/s
貯蔵弾性率は、上記の方法において、周波数1.0→100rad/sで掃引された周波数−貯蔵弾性率の曲線において、周波数20rad/sにおいて示される値のことである。
(実施例1)
市販DPパルプを裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い固形分が50質量%のウェットケーキ状の結晶セルロースを作製した。結晶セルロース/キサンタンガムとの質量比が90/10、固形分45質量%の条件で仕込み固形分が500gになるように、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)に水、ウェットケーキ、キサンタンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)ビストップD−3000)を投入した後、126rpmで混練し結晶性セルロース複合体Aを得た。混練エネルギーは95Wh/kgであり、混練後の品温を熱電対で計測したら48℃であった。結晶性セルロース複合体Aの貯蔵弾性率(G’)は0.15Paであった。
表−1の組成で秤量し粉混合した。その後、水道水(10℃)150gを加えた後、ホイッパーにて70回/30秒の速度で撹拌し、そのまま室温で10分間静置しバッター液を作製した。約170℃に調整したサラダ油中に2mlポリスポイドでバッター液を吸引し、60滴/30秒のスピードで滴下した。滴下後、30秒間揚げた後、穴あきお玉ですくい上げ、揚げ衣を作製した。これを天ぷら敷紙上に10分間放置した後、レオメーターで揚げ直後の硬さを測定した。また、揚げ玉をラミジップに入れて冷凍庫(−20℃)に4日間冷凍保存した後、室温に取り出し30分間静置した後、レオメーターで冷解凍後の硬さを測定した。結果を表−2に示す。表中の値(衣の硬さ)は、n=10の平均値である。
(実施例2〜7、比較例1〜3)
実施例1で作製した結晶性セルロース複合体Aに、表−1の組成で秤量し粉混合した。その後、実施例1と同じように揚げ衣を作製した。結果を表−2に示す。表中の値(衣の硬さ)は、n=10の平均値である。
(比較例4)
実施例1で作製したウェットケーキ状の結晶セルロースとアルギン酸プロピレングリコール((株)大阪アルギン、NLS−K)とを、組成比(固形分)が結晶セルロース/アルギン酸プロピレングリコールエステル=70/30にて、仕込みの固形分が500gで固形分45質量%となるように加水した。その後、126rpmで混練し結晶性セルロース複合体Bを得た。混練エネルギーは95Wh/kgであり、混練後の混練物の温度を熱電対で計測したら42℃であった。結晶性セルロース複合体Bの貯蔵弾性率(G’)は0.09Paであった。これを用いて実施例1と同じように、表−1の組成で秤量した後、揚げ衣を作製し、同様に評価を行った。
Figure 2013118819

Figure 2013118819
次に、実際にえび天を作成し、以下のように評価した。
<衣の厚さ、衣の均一性>
試作されたえび天を年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)が下記の判定で評価し、平均値で比較した。
1点:衣は極端に薄く、均一性も低い。
2点:衣は薄く、均一性は低い。
3点:衣、均一性はどちらとも言えない。
4点:衣のボリュームはあるが、均一性は低い。
5点:衣はボリュームもあり、均一性も高い。
<衣の具材への決着性>
えび天の衣が具材に決着している状態を年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)が下記の判定で評価し、平均値で比較した。
3点:高い
2点:中
1点:低い
<えび天ぷらの官能試験>
試作されたえび天は、揚げたて直後(0分)、揚げて1時間静置後、揚げて2時間静置後、揚げて3時間静置後、揚げて4時間静置後、揚げて5時間静置後のえび天の官能試験を行った。
年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)が、えび天ぷらを食し、以下の評価基準で評価し、平均値で比較した。
<衣のサクサク感>
1点:サクサク感が劣る
2点:ややサクサク感が劣る
3点:どちらともいえない
4点:ややサクサク感が優れる
5点:サクサク感が優れる
※比較例1のバッター用プレミックスを用いて作成したえび天の揚げたて直後を基準(3.0点)として、実施例8、実施例9、比較例5、比較例6を判断した。
(実施例8)
実施例2の組成で秤量し、それに水道水(10℃)150gを加えた後、ホイッパーにて70回/30秒の速度で撹拌し、そのまま室温で10分間静置しバッター液を作製した。バッター液に市販の冷凍ゆでエビを入れてバッターを付着させた後、引き上げて、余分なバッター液を落とした。バッターの付着したエビを170℃の油中に落とし、2分30秒間揚げてえび天を作製した。このような方法でえび天を作製し、衣の具材への決着性、厚さ、均一性を評価した結果を表−3、官能試験の結果を表−4に示す。表中の値は、n=12の平均値である。
(実施例9)
実施例4の組成に変えた以外は、実施例6と同じようにえび天を作製し、衣の具材への決着性、厚さ、均一性を評価した結果を表−3、官能試験の結果を表−4に示す。表中の値は、n=12の平均値である。
(比較例5)
比較例2の組成で秤量した以外は、実施例6と同様にえび天を作製し、衣の具材への決着性、厚さ、均一性を評価した結果を表−3、官能試験の結果を表−4に示す。表中の値は、n=12の平均値である。
(比較例6)
比較例4の組成で秤量した以外は、実施例6と同様にえび天を作製し、衣の具材への決着性、厚さ、均一性を評価した結果を表−3、官能試験の結果を表−4に示す。表中の値は、n=12の平均値である。
Figure 2013118819

Figure 2013118819
<えび天ぷらの解凍後の官能試験>
実施例8、実施例9、比較例5、比較例6で得られたえび天を、3本を1セットとし、フリーザーバッグに密封し、家庭用の冷凍冷蔵庫(−20℃)において4日間冷凍保存した。その後、冷凍庫からフリーザーバッグを取り出し、密封のまま10分間室温で放置した後、家庭用電子レンジを用いて300W、50秒間で解凍した。エビ天ぷらをフリーザーバッグから取り出し、官能評価を行った。
年齢24〜55歳の健常者(男6名、女6名)が、えび天ぷらを食し、以下の評価基準で評価し、平均値で比較した。官能試験の結果を表−5に示す。表中の値はn=12の平均値である。
<べたつき>
3点:大いに有り
2点:少し有り
1点:なし
<ふんわり感>
3点:なし
2点:少し有る
1点:有る
比較例5、比較例6のえび天は、べたつきが有り食感が悪くおいしくなかった。実施例8、実施例9のえび天はべたつきが少なく、ふんわり感が有りおいしかった。
Figure 2013118819
本発明は、揚げた直後の衣の決着性が良く、また厚く均一で、食感はクリスピーでサクサク感とし、この食感の経時的変化が少なく、また、冷凍し電子レンジや自然解凍などの手段で冷解凍しても、衣の劣化が少なく、ふんわり感を維持する、バッター用プレミックスに関する発明であり、該バッター用プレミックスは揚げ衣及びその冷凍食品に好適である。

Claims (6)

  1. 結晶セルロース50〜99質量%、キサンタンガム1〜50質量%を含有する結晶性セルロース複合体0.1〜5質量%、加工澱粉0.1〜50質量%、及び小麦粉を含む、バッター用プレミックス。
  2. 加工澱粉が、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化酸化澱粉、酸化澱粉、及びリン酸架橋澱粉からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1記載のバッター用プレミックス。
  3. さらに増粘多糖類を含有する、請求項1又は2記載のバッター用プレミックス。
  4. 増粘多糖類が、アラビアガム、ガティガム、及びジェランガムからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項3記載のバッター用プレミックス。
  5. 請求項1〜4に記載のバッター用プレミックスを使用したフライ食品。
  6. 請求項5に記載のフライ食品を冷凍した冷凍食品。
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