JP2004329093A - フライ類用衣材 - Google Patents

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茂 芦田
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Abstract

【課題】従来技術では困難であった、衣の透明性が付与され、かつ良好な食感を有するフライ類を提供することである。
【解決手段】馬鈴薯澱粉の内、実質的に粒子径が50μm以下からなる澱粉粒子をを衣材に使用すると、透明性に優れた衣が得られ、かつ食感の良好なフライ類が提供できることを見出した。
【選択図】なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライ類において衣の透明感に優れ、かつサクサクとした良好な食感を提供する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平11 − 46711号公報
【特許文献2】特開2000− 73号公報
【特許文献3】特開2000− 63401号公報
【特許文献4】特開2002− 65193号公報
【特許文献5】特開2003− 79334号公報
【特許文献6】特開2001−275598号公報
【特許文献7】特開2000−350561号公報
【特許文献8】特開2003− 23987号公報
【0003】
電子レンジの家庭への普及にともないフライ調理済み冷凍食品が増加している。該市場の拡大にともない、歯切れや口溶けが良く、サクサクとした衣に改良する方法やフライ後に長時間放置されても揚げたての食感を維持するための経時耐性向上方法(特許文献1〜5)、バッター液のキレが良く種物に所望通りに付着させたりするなどの作業性改善方法、及びフライ時に衣が破裂したりピンホールが発生するなどのパンクを防止する技術が開示されている。
【0004】
しかし、せっかく上記のように食感などの改良が施されても、近年の健康志向の高まりによって、油脂を用いるフライ類は肥満の原因になるイメージを消費者が持ち、敬遠されがちである。特に衣部分が分厚いとこの傾向が助長される。これは一般的にフライ類の衣材の原料である小麦粉や熱凝固性蛋白質及び増粘剤などを多量に配合すると、衣部分の透明性が失われて白濁し、衣層がはっきりと認識されるため、消費者が脂肪をイメージしてしまうためと考えられる。このように衣の部分から脂肪をイメージすることがフライ類を敬遠させる遠因になっており、消費者が肥満を気にせず楽しくフライ類を食することができるようにフライ類を改良することが現状課題となっている。
【0005】
そのため衣部分の透明性を出すために、馬鈴薯澱粉をエーテル化した化工澱粉などを用いると、透明性は若干改善されるものの、それでも衣の層は依然はっきりと認識されてしまう。特に加熱される温度や時間及び加水量などの条件によっては糊化が十分に行われないためか、衣が白色化してしまい、改善効果は十分ではない。例えば衣材の食感の改良やパンクの防止、食感の経時変化の耐性付与などのために生地中の水分を低く設定したい場合があるが、かかる場合は特に水分が低いために急激な温度上昇を伴うフライ条件となって糊化が不十分となりやすい。また逆に化工澱粉を用いると衣の食感に曳きや粘りが出易くなるという欠点もある。
【0006】
また衣部分の透明性を出す技術として、α化澱粉(米粉)を澱粉と併用する方法も試みられているが(特許文献6)、かかる方法によっても透明感は十分に満足するものが得られていない。そしてα化澱粉は澱粉をすでに糊化(α化)したものであるため、透明感を得るため多量に入れすぎると、衣材からバッター液を調製するときに粘度が上昇しすぎ、所望の粘度が得がたい場合がある。かかる場合には、α化澱粉の添加量が制限されてしまい、それを補う他の澱粉等の原料によってその透明感が著しく損なわれる場合がある。
【0007】
したがって、フライ類の衣に十分な透明感を与え、バッター液の調製も容易に行うことができ、もちろん良好な食感も与えることのできる新規な方法の開発が望まれている。
【0008】
一方、本発明の課題とは異なるが、特許文献7には、95重量%以上が粒子径20μm以上である馬鈴薯澱粉を使用すること、また特許文献8には、平均粒子径が20μm以下の微粉末が平均粒子径20μm以上のコアとなる粉末に付着している粉末を唐揚げやその他フライ食品の衣に使用することにより、流動性、粉体混合適正、フライ後や電子レンジ加熱後の衣の食感の経時変化、サクサク感のある食感等が改善されることが開示されているが、かかる澱粉を使用してもやはり衣の透明感は得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術では困難であった、フライ類の衣の透明性が付与され、かつ良好な食感を付与できるフライ類用衣材およびそれを用いたフライ類を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、馬鈴薯澱粉の内、粒子径が50μm以上の澱粉粒子を除去した馬鈴薯澱粉を衣材に使用すると、透明性に優れた衣が得られ、かつ食感の良好なフライ類が提供できることを見出した。
【0011】
即ち、本発明は下記の通り、
(1)実質的に粒子径が50μm以下の澱粉粒子からなる馬鈴薯澱粉を含有することを特徴とするフライ類用衣材、
(2)馬鈴薯澱粉がエステル化又はエーテル化された化工澱粉である前記(1)記載のフライ類用衣材、
(3)馬鈴薯澱粉が架橋された化工澱粉である前記(1)又は(2)記載のフライ類用衣材、
(4)熱凝固性蛋白を含有する前記(1)〜(3)の何れかに記載のフライ類用衣材、
(5)前記(1)〜(4)の何れかに記載のフライ類用衣材で衣付けして得られるフライ類、
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、澱粉として馬鈴薯澱粉を使用し、かつ実質的に粒子径が50μm以下の澱粉粒子からなる馬鈴薯澱粉を使用する点に最大の特徴を有する。
【0013】
本発明に用いる澱粉の起源は馬鈴薯であり、他起源の澱粉によっては所望の目的を達成させることは困難である。衣の透明感は、澱粉の糊化開始温度と関係があるのではないかと推測される。例えばコーンスターチや小麦澱粉は糊化開始温度が高いため糊化しずらく、また、白濁したフィルムしか形成しないため本発明の目的としては不適当である。更に、タピオカ澱粉やワキシーコーンスターチは、比較的糊化温度が低く、形成するフィルムもある程度の透明性があるものの馬鈴薯澱粉には及ばず、また衣としての食感がモチモチしたものになり好ましくない。
【0014】
本発明の馬鈴薯澱粉は実質的に粒子径が50μm以下の澱粉粒子からなるものを用いる。実質的の意味は、必ずしも粒子径50μm以下の澱粉粒子のみからなるものだけを意味せず、粒子径が50μm以下の澱粉粒子が馬鈴薯澱粉中80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含まれる馬鈴薯澱粉をも包含する意味である。50μmを超える澱粉粒子の組成が多すぎると、馬鈴薯澱粉を用いると、例え平均粒子径が細かくとも、粒子径の大きい澱粉粒子が存在すれば未糊化状態になり易いためか、透明性のある衣を得られ難い。また衣の食感も、粗大な粒子が存在することによる食感の曳きが発生するためか、悪化する傾向となる。
【0015】
実質的に粒子径が50μm以下以下の澱粉粒子にする方法については特に限定されないが、例えば、50μm又はその近辺のメッシュの篩等を用いて分級する方法が例示できる。分級の前に予め可及的に粉砕機などで微粉化しておくこともできる。
【0016】
本発明に用いる馬鈴薯澱粉が、衣に優れた透明性を付与する要因としては、上記したとおり、馬鈴薯澱粉が他の起源の澱粉よりも糊化開始温度が低く、糊化しやすい点が考えられる。一方で天然の馬鈴薯澱粉は他の起源の澱粉よりも粒子径の幅が大きいという特性がある。例えばトウモロコシ澱粉やワキシーコーンスターチは約3〜26μm、小麦澱粉は約1〜40μm、タピオカ澱粉は約4〜35μmであるのに対し、馬鈴薯澱粉は約5〜100μmである。かかる馬鈴薯澱粉の内、実質的に粒子径が50μm以下の澱粉粒子からなる馬鈴薯澱粉に特定したことが、衣に優れた透明性を付与し、さらには食感も改良できた大きな要因と考えられる。
【0017】
また、上記馬鈴薯澱粉であって、エステル化もしくはエーテル化処理された化工澱粉を使用すると透明感を更に向上させることができるためより好ましい。エステルの種類としては、酢酸エステル、オクテニルコハク酸エステル、リン酸エステルなどが例示でき、エーテルの種類としてはエーテル化ヒドロキシプロピルエーテル、カルボキシメチルエーテルなどが例示でき化工方法は特に限定されない。また澱粉を化工後に50μm以上の粒子を除去したものでも良いし、50μm以上の粒子を除去した澱粉を化工したものでも良い。馬鈴薯以外の澱粉をエステル化又はエーテル化しても同様に透明感が向上する傾向になるが、馬鈴薯澱粉を用いたときほどの効果は得難い。
【0018】
更に、エステル化もしくはエーテル化した澱粉に架橋処理をすることにより、透明感を維持しながら衣の食感の向上も期待でき、求める透明感の程度と食感を勘案して化工方法を選択すれば良い。
【0019】
上記の馬鈴薯澱粉の衣材中の配合量は、50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、更に好ましくは80〜99重量%が良い。50重量%未満であると、期待する透明感を得ることが困難となる。
【0020】
また、衣材中の馬鈴薯澱粉含有量は、衣の透明性を向上させる点を優先させると、本発明の馬鈴薯澱粉含有量が高いほど効果が得られやすいが、バッター液を工業的に付着させる場合における作業性が課題となる場合もある。係る場合、最適な馬鈴薯澱粉配合量はバッター付けなどの作業性などを考慮して決定し、衣の透明性と作業性を両立できる範囲で他の原料を使用すれば良い。もちろん50μm以上の粒子を含まない馬鈴薯澱粉であれば、未化工の澱粉と化工澱粉を混合しても良い。
【0021】
他の原料としては、例えば上記馬鈴薯澱粉の配合量を保つ範囲内で大豆蛋白を添加することができる。工業的にバッター液を付着させるためには、適当な粘度と液キレの優れた粘性の両立が必要であり、大豆たん白はこのような作業性の改善効果に優れる。大豆蛋白の種類としては特に熱凝固性大豆蛋白を用いると、添加バッター液に適当な粘性を付与できる。また衣の食感にさらにサクサク感を付与したければ、例えば特開平6−141783号公報に記載のように、カルシウムやマグネシウム等のアルカリ土類金属結合大豆蛋白を用いることができる。これらの大豆蛋白を添加する場合の衣材中の添加量は、0.5〜15重量%、好ましくは1〜5重量%が適当である。
【0022】
その他、衣の透明感に本発明の衣材にはバッター液の作業性などを改善するために、熱凝固性蛋白質、増粘剤(キサンタンガム、グアーガム、水溶性大豆多糖類など)、α化澱粉、食物繊維、米粉などを添加することができ、衣付けをする製造ラインや対象となるアイテムに応じて透明感を損なわない程度に適宜添加すると良い。
【0023】
また、透明感を損なわない程度であれば、これら以外の原料を加えることを妨げず、動植物性油脂、調味料、穀粉、色素、乳化剤、膨張剤などを適宜配合することが可能である。油脂は、食用に適するものであれば特に制限はなく、パーム油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、ひまわり油、ヤシ油、シア油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、魚油、乳脂などの動物性油脂等が列挙でき、上記油脂単独、又は混合油脂、あるいはそれらの部分水素添加、水添分別、分別、エステル交換などの加工を施した油脂などを利用することができるし、これらを粉末化した油脂であっても構わない。
【0024】
衣材はブレンドミキサーなどの粉体混合機によって上記原料を混合して調製することができる。粉体を均一に混合することができれば、特に機械・装置の制限はなく、また、バッター液を調製する度に粉体を計量することができれば、予めミックスする必要はない。
【0025】
本発明の衣材をバッターとして利用する際には、ジューサーミキサーなどの攪拌装置を用いて、適当な粘度になるように加水し調製することが出来る。バッターの粘度は中種に付着させたいバッター量などによって適宜調整することが出来るが、数百〜数千mPa・sの範囲にするのが一般的である。
【0026】
本発明の衣材を用いることができるフライ類としては、例えばコロッケ、メンチカツ、豚カツ、チキンカツ、魚フライなどの通常パン粉やクラッカー粉などを付着させて完成するフライ食品が最も好ましい。天ぷらや唐揚げなどもパン粉やクラッカー粉などで被覆する場合には本発明の衣材を適用できる。パン粉やクラッカー粉などで被覆しない場合にも本発明の衣材を用いることは可能だが、衣の透明感はあまり求められない。また、フライ類は広義に解釈し、油中で衣付けした生地をフライして得られるフライ製品のみに限定されず、例えば生地の表面に油脂をスプレーし、オーブンや電子レンジなどで加熱して得られるフライ様製品も包含される。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
〔製造例〕
(試料1)
市販の馬鈴薯澱粉(王子コーンスターチ(株)製)を篩分けして、20μm以下の粒子を除去し、20μm以上の澱粉粒子からなる馬鈴薯澱粉を調製した。この澱粉の平均粒子径は40μmであり、粒子径50μm以下の割合は45%であった。
(試料2)
市販のエーテル化馬鈴薯澱粉(王子コーンスターチ(株)製)を篩分けして、50μm以上の粒子を除去し、50μm以下の澱粉粒子からなるエーテル化馬鈴薯澱粉を調製した。この澱粉の平均粒子径は15μmであり、粒子径50μm以下の割合は100重量%であった。
(試料3)
市販のエーテル化架橋馬鈴薯澱粉(王子コーンスターチ(株)製)を篩分けして、50μm以上の粒子を除去し、50μm以下の澱粉粒子からなるエーテル化架橋馬鈴薯澱粉を調製した。この澱粉の平均粒子径は15μmであり、粒子径50μm以下の割合は100%であった。
(試料4)
市販の未化工の馬鈴薯澱粉を篩分けして、50μm以上の粒子を除去し、50μm以下の澱粉粒子からなる馬鈴薯澱粉を調製した。この澱粉の平均粒子径は15μmであり、粒子径50μm以下の割合は100%であった。
対照として用いる通常の馬鈴薯澱粉は、平均粒子径は30μm、粒子径50μm以下の割合は60重量%であった。
【0028】
〔試験例1〕
製造例1で得られた試料1〜4をそれぞれ衣材に配合し、衣材の透明性に及ぼす馬鈴薯澱粉の粒子径に及ぼす影響について調べた。なお、対照として天然の馬鈴薯澱粉澱粉についても調べた(比較例1)。2倍重量の温水に対して日本食研(株)製の「クックコロッケ」(コロッケの具材の素)を添加し、均一になるようによく混合し、冷却したコロッケの中種生地を、ドラム式の成型機(日本キャリア工業(株)製)を用いて1個60gになるように成型した。バッターは予め表1に示す粉体原料をプレミックスした衣材100部を、5℃の冷水220部に分散させて調製した。粉体原料中に配合する澱粉原料としては、通常の馬鈴薯澱粉及び上記製造例で得られた試料1〜試料4の馬鈴薯澱粉をそれぞれ使用した。この中種1個に対して、バッター20g、パン粉20gを付け、175℃で5分間フライした。得られたコロッケの衣について、それぞれ透明性の観察と食感の評価を行った。
【0029】
【表1】衣材の配合とコロッケの衣の官能評価
Figure 2004329093
※官能評価基準
(透明性)十分有り:◎、有り:○、やや濁り:△、濁り:×
(食感) サクサク感有り:◎、ややサクサク感有り:○
やや曳きがあり歯切れ悪い:△、歯切れ悪く曳きがある:×
※大豆蛋白:「ニューフジプロSE」(不二製油(株)製)
※α化タピオカ澱粉:「マツノリンXA」(松谷化学工業(株)製)
【0030】
表1の結果より、50μmを超える粒子が多い馬鈴薯澱粉(比較例1及び比較例2)では、糊化が十分に進行しないためと推定されるが、一部白色部分が存在する。50μmを超える粒子を含まない実施例1〜3においては、衣の透明感が十分得られており、また、粗大な粒子が存在することによる食感の曳きが感じられず良好であった。また、エーテル化したものは、更に衣の透明感に優れる。更に架橋をした場合は、相対的な透明感はやや劣るものの、食感にサクサク感があり良好であった。
【0031】
〔試験例2〕
豚挽肉30部、鶏挽肉20部、チキンすり身10部、粒状大豆たん白『ニューフジニック51』(不二製油(株))5部、加水10部、みじん切りした玉ねぎ15部、パン粉3部、醤油1部、食塩0.5部、配合調味料0.3部、白胡椒0.2部をミキサーにて均一になるようによく混合し、作成したメンチカツの中種生地を、ドラム式の成型機(日本キャリア工業(株)製)を用いて1個40gになるように成型した。この中種を90℃×8分で蒸煮加熱し冷却した後、1個に対して、バッター15g、パン粉15gを付け、175℃で4分間フライした。バッターは予め必要な粉体原料をプレミックスしたものを、5℃の冷水に分散させて調製した。衣材は試験例1と同様で、これら衣材100部に水を240部添加することによりバッターを調製した。通常の馬鈴薯澱粉を用いたものが比較例3、試料1が比較例2、試料2が実施例4、試料3が実施例5として表記した。
【0032】
【表2】メンチカツ衣官能結果
Figure 2004329093
【0033】
試験例1同様に、50μmを超える粒子が存在する馬鈴薯澱粉(比較例1及び比較例2)では、鮮明な透明感が得られず衣の層がはっきり認識され易い。実施例4及び5では、透明感に優れ、食感もサクサクしており好ましいものであった。
【0034】
〔試験例3〕
衣の透明性に及ぼす澱粉の種類の影響について調べた。コロッケ生地の調製及び試作方法については試験例1で実施した方法に準じて行った。試験に供した試料は、比較例5:小麦澱粉(松谷化学工業(株))、比較例6:コーンスターチ(日本食品化工(株)/Yタイプ)、比較例7:タピオカ澱粉(日澱化学(株)/Z−100)、比較例8:ワキシーコーンスターチ(日本NSC(株)/ナショナル0413)とした。
【0035】
【表3】衣材の配合とコロッケの衣の官能評価
Figure 2004329093
※官能評価基準
(透明性)十分有り:◎、有り:○、やや濁り:△、無し:×
(食感) サクサク感有り:◎、ややサクサク感有り:○
やや曳きがあり歯切れ悪い:△、歯切れ悪く曳きがある:×
【0036】
小麦澱粉、コーンスターチはサクサクとした好ましい食感の衣になるが、衣層の濁りがあり透明な衣にならず、本発明の目的を達成できない。一方、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチは馬鈴薯澱粉に劣るものの、ある程度の透明感のある衣になる。しかし、衣の食感がもちっとした感じになり、曳きも強く好ましくなかった。
【0037】
【発明の効果】
フライ類の衣の改良については、サクサクとした好ましい食感及びその維持に関する技術や作業性・パンク防止・電子レンジ耐性に関するものが多かった。本発明によって、衣層に優れた透明性が付与され、且つ衣の食感にも優れたフライ類が得られた。これによってフライ類の外観と食感とがバランスよく両立され、消費者の食欲を増進しうる新規な特徴を有するフライ類を提供することが可能となった。かかる技術は従来の衣の食感や作業性のためだけの改善とは異なるものであり、フライ類に係る産業に大きく貢献しうるものである。

Claims (5)

  1. 実質的に粒子径が50μm以下の澱粉粒子からなる馬鈴薯澱粉を含有することを特徴とするフライ類用衣材。
  2. 馬鈴薯澱粉がエステル化又はエーテル化された化工澱粉である請求項1記載のフライ類用衣材。
  3. 馬鈴薯澱粉が架橋された化工澱粉である請求項1又は2記載のフライ類用衣材。
  4. 熱凝固性蛋白を含有する請求項1〜3の何れかに記載のフライ類用衣材。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のフライ類用衣材で衣付けして得られるフライ類。
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