JP7180818B2 - 水産練り製品様食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は魚肉、魚介類のすり身を使用しない蒲鉾などの水産練り製品様食品、およびその製造方法に関する。
蒲鉾、ちくわなどに例示される水産練り製品は、日本人の食生活に広く普及している。さらに近年では良質なたん白質を手軽に摂取できることでも注目されている。
水産練り製品の主原材料である魚肉や魚介類のすり身は需給バランスにより価格の振れが発生するため、原料コストの安定は従前からの課題となっている。また近年は特に環境保護の側面からも、水産資源の節約は重要な社会的課題の一つである。さらに、環境・健康面を含めた様々な配慮を背景とした植物性食品への志向の高まりや、これに伴うベジタリアンやヴィーガン人口の増加など、対応する食品のニーズが世界的にもますます増えている。水産練り製品においても魚肉や魚介類、ならびにこれらを原料とするすり身を極力使用せずに、同等の食感や外観、風味を有する製品の提供が求められている。
水産練り製品の中で、例えば蒲鉾に要求される食感には、適度な硬さと弾力、しなやかさ、歯応え・歯切れの良い食感が挙げられる。特許文献1には加熱凝固性タンパク(卵白、大豆)、タピオカデンプン、増粘多糖類(カラギーナン、サイリウム)、食用油、水を用い、魚肉を使用せずに蒲鉾様の食品を製造する方法が記載されているが、蒲鉾様の食感としてはさらなる改良の余地が残されていた。
粉末状大豆たん白に代表される植物性たん白は水産練り製品に汎用される原材料である(例えば特許文献2、3)。すり身の物性や食感の改良、あるいはすり身の一部代替によるコストダウン目的で用いられることが多い。
水産練り製品の物性や食感改良目的に用いられる原材料としてはジェランガムが挙げられる。特許文献4、5にはジェランガムを配合して弾力ある水産練り製品が製造可能であるとの記載がある。また、ジェランガムには通常タイプ(脱アシル型)の他にネイティブ型があり(非特許文献1)、特許文献6はネイティブ型ジェランガムを水に加熱溶解してペースト化し、魚肉すり身に対し0.1~1.5重量%添加して製造する水産練り製品に関する出願であり、弾力や耐冷凍性が良好であるとの記載がある。これらはいずれもすり身と併用して添加され、物性を補助するものであり、すり身を使用しない配合や製造方法についての示唆はない。
ところで、蒲鉾類の中でも風味蒲鉾の代表的製品として「カニ風味蒲鉾」が挙げられる。カニ風味蒲鉾の製造法は刻み方式、製麺方式が代表的であるが、食感が良いのは製麺方式である(非特許文献2、3、特許文献7、8)。製麺方式は加熱前の生地を薄く延ばす工程を有するため、生地には適度に伸展して膜を形成する性質、すなわち成膜性が必要である。さらに実機生産においてはこのシート(膜)状に成形された生地がドラム式スチーマー加熱により短時間でゲル化すること、ドラムから加熱後のシートが容易に剥離すること、加えてシートの引っ張り強度などの多面的な物性・品質が要求される。しかし通常の水産練り製品であっても適度な弾力や物性はすり身の品質や配合に依存する部分が大きく、ましてやすり身を使わずにこのような物性を得ることは困難であった。
特開H5-153915号公報 特開昭53-88354号公報 特開昭62-25953号公報 特開昭63-169964号公報 特開H5-260933号公報 特開2000-23640号公報 特開昭60-224471号公報 特開昭60-160861号公報
「食品と容器」vol.53、No.11(2012)P.676 「新訂蒲鉾の科学」P.101-104、成山堂書店、2008.7.18発行 「蒲鉾 その科学と技術」P.174-176、恒星社厚生閣、2003.12.10発行
本発明の目的は、すり身使用品と遜色のない食感、物性の水産練り製品様食品を提供することである。
本発明者は上記課題について鋭意検討し、粉末状植物性たん白、ジェランガム、2価金属塩、水を特定範囲で生地に配合することで蒲鉾様食品、さらには工程上の制約が多いカニ風味蒲鉾様食品までもが製造可能であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1)粉末状植物性たん白1~20重量%、ジェランガム1~8重量%、2価金属塩を2価金属として0.005~0.15重量%、水60~95重量%を含有する生地を調製し、成形、加熱する工程を含む、水産練り製品様食品の製造方法、
(2)すり身を含有しない、(1)に記載の水産練り製品様食品の製造方法、
(3)生地がさらに澱粉1~10重量%を含む、(1)または(2)に記載の製造方法、
(4)生地がさらに食物繊維0.1~3重量%を含む、(1)ないし(3)いずれかにに記載の製造方法、
(5)生地がさらに油脂1~10重量%を含む、(1)ないし(4)いずれかに記載の製造方法、
(6)生地を厚さ5mm以下に延ばす成形工程を含む、(1)ないし(5)いずれかに記載の製造方法、
(7)粉末状植物性たん白、ジェランガム、2価金属を含有し、すり身を含有しないことを特徴とする水産練り製品様食品、
(8)粉末状植物性たん白1~20重量%、ジェランガム1~8重量%、2価金属塩を2価金属として0.005~0.15重量%、水60~95重量%を含有する生地を調製し、成形、加熱、乾燥する工程を含む、水産練り製品様のインスタント食材の製造方法。
(9)粉末状植物性たん白、ジェランガム、2価金属を含有し、すり身を含有しないことを特徴とする、水産練り製品様のインスタント食材、である。
本発明によれば、社会課題の1つである水産資源の節約に対応しながら、食生活の多様化にも応える食品を提供することが出来る。
以下、本発明を具体的に説明する。
(水産練り製品、水産練り製品様食品)
水産練り製品とは、公知の方法においては魚肉・魚介類のすり身に食塩、必要に応じて調味料、澱粉、植物性たん白などの各種副原料を加えて混練し、成形、加熱して製造されるもので、具体的には蒲鉾、カニ風味蒲鉾、揚げ蒲鉾、ちくわ、はんぺん、つみれ等が例示される。
これらと同様の食感・外観・風味を有しながら、すり身の配合量を大幅に削減、ないしは配合しないものを本発明において「水産練り製品様食品」と称する。なお本発明においては個別の製品種類に応じ、例えばすり身を用いた通常の「蒲鉾」に対応する「蒲鉾様食品」のような形式で称する。
(粉末状植物性たん白)
本発明に用いる粉末状植物性たん白としては、大豆、小麦、エンドウに例示される植物性原材料から製造される市販品を適宜選択することができる。特に大豆を原材料とする粉末状大豆たん白が好ましい。
粉末状植物性たん白は、所望の物性や風味色調に応じ、通常一般の水産練り製品に用いられる市販品を適宜選択することができる。生地中配合量としては1重量%以上20重量%以下、好ましくは2~18重量%、さらに好ましくは2~15重量%である。これより少ないと適度な保水性や硬さ、食感が得られない場合がある。これより多いと硬すぎたり、弾力が強すぎたりする場合がある。
また、配合量を増やすことで、手軽で良質なたん白補給源としての製品設計も可能になる。
(ジェランガム)
ジェランガムとは非病原性微生物Sphingomonas elodeaが産生する多糖類であり、脱アシル型とネイティブ型の2種類がある。本発明においてはネイティブ型ジェランガムが好適であり、市販品を適宜選択し用いることができる。配合量は生地中1重量%以上8重量%以下、好ましくは1.3~6重量%、より好ましくは1.6~5重量%である。これより少ないと水産練り製品様の好ましい食感、具体的には硬さ、弾力、しなやかさ、歯切れの良さが得られない場合がある。これより多いと弾力が強すぎて生地の調製が困難になったり、ゴムのような好ましくない食感となったりする場合がある。
(2価金属)
本発明には2価金属を配合することで、水産練り製品様食品として好ましい食感である適度な硬さ、弾力、歯切れの良さなどを付与することができる。2価金属塩を用いることが望ましく、具体的にはカルシウム塩、マグネシウム塩を挙げることができ、風味の点ではカルシウム塩が望ましい。カルシウム塩としては硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムが挙げられ、より望ましくは乳酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウムであり、さらに望ましくは乳酸カルシウムである。
量としては生地中、2価金属として0.005重量%以上0.15重量%以下となるように配合するのが望ましく、好ましくは0.01~0.1重量%、より好ましくは0.015~0.08重量%である。
食品用途の乳酸カルシウム(5水和物)を用いる場合はジェランガム1重量部に対して0.1重量部程度を目安に適宜調整することができ、生地中の配合量としては0.05~1.0重量部、好ましくは0.1~0.7重量部、より好ましくは0.15~0.6重量部である。これより少ないと弾力不足でねちゃついた食感となる場合があり、これより多いと風味に影響する場合がある。
(水)
本発明には水道水の他、蒸留水、イオン交換水など、通常の食品製造用に用いられる水をいずれも用いることができる。水温は特に限定されないが、高温では原材料の混合時にダマになってしまう場合があるため、常温以下とするのが好ましい。冷水ないしは氷水として配合しても良い。
配合量は、使用する粉末状植物性たん白の種類、その組成や特性に応じて適宜調整することができるが、生地中60重量%以上95重量%以下、好ましくは65~90重量%、さらに好ましくは65~80重量%である。水の量がこれより少ないと食感が硬くなりすぎ、これより多いと柔らかすぎて、水産練り製品様食品としての好ましい食感が得られない場合がある。
(澱粉)
本発明においてはさらに澱粉を配合することで、適度な保形性と硬さが得られやすくなる。澱粉としては水産練り製品用途において一般的に使用されるものをいずれも用いることができ、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、エンドウ澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、及び/又はこれらの加工澱粉類から選ばれる1種類以上を、単独あるいは適宜組み合わせて用いることができる。
生地中配合量は1重量%以上10重量%以下、より好ましくは1~8重量%、最も好ましくは2~7重量%である。これより少ない場合は前述の効果が十分に得られない場合がある。また、これより多い場合は澱粉に由来する食感が強くなりすぎ、水産練り製品様食品としての好ましい食感が得られにくい場合がある。
(食物繊維)
本発明には生地中にさらに食物繊維を配合することで、より良好な食感、具体的には適度な歯応えや歯切れの良さを得ることができる。セルロース、オート麦ファイバーに例示される不溶性食物繊維が好ましく、より好ましくはオート麦ファイバーである。本発明でいうオート麦ファイバーとは、いわゆるオート麦のフスマ部分、すなわち外皮部分から水溶性繊維等の水溶性成分を除去した不溶性の繊維部分のことを指す。
配合量は生地中0.1重量%以上3重量%以下、好ましくは0.2~2重量%、さらに好ましくは0.3~1.5重量%である。これより少ないと食感改良効果が不十分な場合があり、またこれより多いと粉っぽい食感になってしまう場合がある。
(油脂)
本発明においてはさらに油脂を配合することで、より好ましい色調や食感を得られやすくなる。油脂の種類は特に限定されず、大豆油、菜種油、コーン油、パーム油、ヤシ油、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、ひまわり油等の食用油脂類をいずれも用いることができるが、生地作成時の乳化性や喫食時の食感を考慮し、常温で液体である油脂が好ましい。
配合する場合の量は生地中1重量%以上10重量%以下、好ましくは2~9重量%、より好ましくは3~7重量%である。これより多いと加熱後に生地の形状が保持されず、ダレて広がってしまう場合がある。低油分の商品設計とする場合などは配合量を少なく、あるいはまったく配合しなくてもよい。
なお、生地への混合手順としては、食塩の添加よりも前が適切である。食塩より後に混合すると、生地中での乳化・分散が不十分となり良好な生地が得られない場合がある。食塩以外の他の主原材料類と同時に混合するのが効率的であり好ましい。
(食塩)
食塩は、すり身を用いた一般的な水産練り製品と同様に配合することができ、目安としては生地中0.5~2.5重量%が例示できる。なお配合原材料中の粉末状植物性たん白と同時に食塩を混合すると、植物性たん白の溶解性・乳化性に影響を及ぼす場合があるため、植物性たん白が生地中で均一に溶解・分散した後で加えることが望ましい。
(その他原材料)
本発明には前述の他、糖類、酒・みりん、各種調味料、香料、色素等、一般の水産練り製品において配合される原材料を、本発明の効果を阻害しない範囲で何れも用いることができる。
(すり身)
すり身は魚肉・魚介類などの水産食品を原材料とし、これらを洗浄・水晒し、水切りにより夾雑物を除去精製し、脱水して製造される。本発明の方法によればすり身の使用量を大幅に削減、さらにはまったく含有せずとも、さらには卵白・粉末卵白、畜肉、乳製品などの動物性原材料をいずれも含有せずとも、通常一般の水産練り製品と同等の食感を有する食品を製造することができる。なお、本発明での「含有しない」とは原材料として配合しないことを意味し、製造工程上の微量のコンタミなどは除外する。
また本発明の方法によれば、原材料の品種選択や配合比の調整により、水産練り製品様食品のみならずイカ・タコのような魚介類様の食感を実現することも可能である。
(生地の調製)
生地の調製手順としては、以下が例示できる。まず混合容器に所定量の粉末状植物性たん白、水、及び、食塩以外の調味料類を入れ、均一に混合する。混合には剪断力のある機器を用いることが望ましく、ロボクープ、サイレントカッター、ボールカッターなどが例示できる。混合時間は2~10分程度が目安として例示できる。続いてさらに食塩を加えて2~10分程度混合し、生地を得る。
(成形)
生地は所望の形態に応じて成形する。成型方法は通常の水産練り製品製造における常法に従うことができ、手作業でも、一般の成形機などを用いてもよい。成形機にはケーシング充填機、揚げ蒲鉾成形機、板付け蒲鉾成形機、ちくわ成形機などが例示できる。
カニ風味蒲鉾様食品を製造する場合、生地を厚さ5mm以下、好ましくは4mm以下、さらに好ましくは2mm以下に均一に延ばして加熱し、繊維状に細断して束ねる方法が例示できる。
(加熱)
成形された生地は蒸し、フライ、焼き、蒸しフライなど、任意の手段を用いて加熱する。レトルト加熱とすることもできる。加熱条件は70℃以上で1分間以上、好ましくは70℃以上180℃以下で1~60分間、より好ましくは75~130℃、最も好ましくは80~122℃で1~50分間である。
(インスタント食材)
本発明の水産練り製品様食品は、乾燥しても容易に湯戻りする品質を備える。これはそのまま保存食とすることもでき、スープ、麺などのインスタント食品用の具材としても好適に利用できる。なお乾燥手段としては通常公知の方法でよく、凍結乾燥、気流乾燥、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、減圧フライ乾燥などが例示できる。
以降に実施例を記載し、本発明をより詳細に説明する。
(検討1)
表1-1、2の配合に従い(単位:重量%)、食塩以外の原材料をロボクープで混合した(回転数1500rpm、時間:5分間)。ここに食塩を加えて5分間混合、得られた生地を真空脱気し、折径30mmのケーシングに充填、90~95℃、20分加熱(蒸し加熱)し、蒲鉾様食品を得た。なお、それぞれの原材料には下記製品を用いた。
粉末状大豆たん白A:フジプロ748(不二製油株式会社製)
粉末状大豆たん白B:ニューフジプロ001M(不二製油株式会社製)
ジェランガム:ケルコゲルLT-100(CPケルコ社、ネイティブ型)
油:菜種白絞油(不二製油株式会社製)
乳酸カルシウム:5水和物、食品添加物(キシダ化学)、予め水の一部で溶解し混合
(官能評価基準)
官能評価は熟練したパネラー5名にて行い、蒲鉾らしい食感を総合的に評価し、合議により判定した。
◎:通常の蒲鉾と遜色なく、特に良好
○:蒲鉾様食品として問題なく良好
△:やや劣るが、蒲鉾様食品の範囲内
×:蒲鉾様食品としては違和感あり、不適当
配合と評価結果を表1-1、2に示す。実施例はその配合により食感が変化するが、いずれも蒲鉾様食品の範囲内といえるものであった。一方、比較例1、3は硬さや弾力が蒲鉾様食品の範疇を外れると判断され、また比較例2はそもそも生地が固まらず評価不能であった。
(表1-1)
Figure 0007180818000001
(表1-2)
Figure 0007180818000002
(検討2)
実施例1、2の配合において、加熱手段をレトルト加熱(121℃×15分)に代えて製造した。食感の低下もほとんどみられず、品質に問題ないことが確認できた。
(検討3)
表2の配合に従い、検討1と同様の手順で生地を調製した。得られた生地は真空脱気後、1mm厚の型枠に塗布して延ばした。生地を均一に延ばして成形することができるかを「成膜性」とし、下記の観点で評価した。
◎容易に可能で、特に良好
○良好
△弾力が強く困難
(表2)検討3の配合、評価結果
Figure 0007180818000003
(検討4)たん白の種類の検討
実施例14の配合原材料中「粉末状大豆たん白B」を他の粉末状植物性たん白に置換し、同様に生地を調製、成形し、成膜性の評価を行った。
表3に示す結果の通り、いずれも成膜は可能であった。ただし粉末状大豆たん白以外は加熱後の色調や食感に難があり、大豆由来の植物性たん白が本発明においては好適であると判断した。
(表3)検討4の内容及び評価
Figure 0007180818000004
(検討5)
検討3(表2)において成膜性が◎、○であった配合(実施例14~16)を用い、一般的なカニ風味蒲鉾製造装置によりカニ風味蒲鉾様食品を製造(製麺方式)し、ライン適性、品質を確認した。製造装置フローは下記の通りである。
ボールカッター/肉送りポンプ/型成機/ドラムスチーマー/放冷コンベヤー/繊維細断機/繊維結束機/塗付機/包装定寸切断機/加熱機
結果、いずれもラインでの生地の成膜性、シートの剥離性や引っ張り強度にも問題なく、外観、食感ともに通常のカニ風味蒲鉾と同等の製品が得られた。
(検討6)
検討5で得られたカニ風味蒲鉾様食品を常法により凍結乾燥し、熱湯で湯戻ししたところ、3分で元の状態に復元した。インスタント食材、インスタント食品用の乾燥具材としての適性も有することが確認できた。

Claims (1)

  1. 粉末状植物性たん白2~15重量%、ジェランガム1.6~5重量%、2価金属塩を2価金属として0.015~0.08重量%、水65~80重量%澱粉2~7重量%、オート麦ファイバー0.3~1.5重量%、常温で液体である油脂3~7重量%を含有する生地を調製し、該生地を厚さ2mm以下に延ばし、加熱する工程を含む、すり身を含有しないカニ風味蒲鉾様食品の製造方法。
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