JP6774463B2 - うなぎ蒲焼様魚肉練製品及びその製造方法 - Google Patents

うなぎ蒲焼様魚肉練製品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、食感、風味がうなぎ蒲焼に近似し、さらに外観的にもうなぎ蒲焼に近似したうなぎ蒲焼様魚肉練製品に関する。
近年、うなぎの稚魚であるシラスウナギが不漁で、うなぎの出荷量も減少しているためうなぎの価格も高騰している。日本ではスタミナ料理としてうなぎの蒲焼が好まれているが、うなぎの価格高騰に伴い、うなぎの蒲焼の代替品のニーズが上昇しており、魚を原料とするうなぎの蒲焼の代替品が開発されている。
例えば、特許文献1には、わらび餅粉とこんにゃく粉と水を混ぜ、成形したものにイカスミを着色料とした着色した着色皮材と、銀鱈などの白身と山芋のとろろ等を混合して成形された身部とを貼り付け、蒸し加熱した疑似ウナギ加工食品が記載されている。
また、特許文献2には、鱈類などの未加熱魚肉切り身と魚肉すり身を含み、分離大豆蛋白が添加された成形物と、魚肉すり身及び黒色着色剤を含む成形物とを貼り合わせ成形してから加熱し、その後に、両面焼成し、焼成後に蒲焼のタレを塗布する、うなぎ蒲焼き様食品の製造方法が記載されている。
特許第5681315号公報 特許第6237044号公報
しかしながら、従来のうなぎ蒲焼き様食品は、食感、風味の点で今だ満足できるものではなく、うなぎ蒲焼により近い食感、風味を有する、うなぎの蒲焼の代替品が求められていた。
したがって、本発明の目的は、うなぎ蒲焼により近似した食感、風味を有するうなぎ蒲焼様魚肉練製品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため、コラーゲンを加えることによりうなぎ蒲焼様食品の食感、風味をよりウナギ蒲焼に近づけることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の1つは、うなぎ蒲焼様魚肉練製品であって、身部と皮部の少なくとも2層からなり、前記身部は、魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含み、前記皮部は、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含むことを特徴とするうなぎ蒲焼様魚肉練製品を提供するものである。本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品によれば、魚肉すり身にコラーゲンを含有させることによって、食感、風味がうなぎ蒲焼に近似し、皮部が着色剤を含有することにより外観的にもうなぎ蒲焼に近似したうなぎ蒲焼様魚肉練製品を比較的安価に提供することができる。
本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記身部のコラーゲンの含有量が、前記身部に対して、0.5〜3質量%であることが好ましい。上記態様によれば、ほどよい硬さでしっとりとしたほぐれ感のあるうなぎ蒲焼様魚肉練製品を提供できる。
また、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記身部は、魚肉すり身、コラーゲン、食塩、澱粉、油脂、及び植物性蛋白質を含み、前記皮部は、魚肉すり身、食塩、着色剤、澱粉、及び油脂を含むことが好ましい。上記態様によれば、澱粉により硬さが付与され、油脂により柔らかさやしっとり感が付与され、植物性蛋白質により繊維感を付与することができるので、身部及び皮部の食感を、うなぎ蒲焼の身部及び皮部の食感により近づけることができる。
さらに、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記身部と前記皮部の質量比率が30:1〜5:3であることが好ましい。上記態様によれば、身部と皮部との質量比が上記範囲とされることにより、うなぎ蒲焼の外観及び食感により近づけることができる。
さらに、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記身部の厚さが5〜30mm、前記皮部の厚さが0.5〜4mmであることが好ましい。上記態様によれば、身部と皮部の厚さが上記範囲とされることにより、うなぎ蒲焼の外観及び食感により近づけることができる。
さらに、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記身部が1又は2層以上からなることが好ましい。上記態様によれば、身部の食感をうなぎ蒲焼の身部の食感により近づけることができる。
さらに、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記2層以上からなる身部において、皮部に近い層ほどコラーゲンの含有量が多いことが好ましい。上記態様によれば、身部の食感をうなぎ蒲焼の身部の食感により近づけることができる。
さらに、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品においては、前記皮部よりも前記身部の含水量が多いことが好ましい。上記態様によれば、皮部及び身部の食感をうなぎ蒲焼の皮部及び身部の食感により近づけることができる。
また、本発明のもう1つは、魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含有する原料を混合して身部用すり身を調製する身部調製工程と、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含有する原料を混合して皮部用すり身を調製する皮部調製工程と、前記身部用すり身と前記皮部用すり身とを同時に口金から押出して、少なくとも2層からなるうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を成形する押出成形工程と、前記押出成形工程を経た生地を蒸し加熱する蒸し加熱工程と、前記蒸し加熱工程を経た生地を焼成する焼成工程とを含むことを特徴とするうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法を提供するものである。本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法によれば、食感、風味がうなぎ蒲焼に近似し、皮部が着色剤を含有することにより外観的にもうなぎ蒲焼に近似したうなぎ蒲焼様魚肉練製品を比較的安価に製造することができる。
本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法においては、前記成形工程の後、及び/又は前記蒸し加熱工程の後に、更に生地をうなぎ蒲焼の形状に近づけるプレス成形工程を含むことが好ましい。上記態様によれば、うなぎ蒲焼の外観により近づけることができる。
また、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法においては、前記蒸し加熱工程の後、及び/又は前記焼成工程の後に、更に生地にタレを塗布するタレ塗布工程を含むことが好ましい。上記態様によれば、タレによっても、うなぎ蒲焼らしい風味を付与することができる。
本発明によれば、魚肉すり身にコラーゲンを含有させることによって、食感、風味がうなぎ蒲焼に近似し、皮部が着色剤を含有することにより外観的にもうなぎ蒲焼に近似したうなぎ蒲焼様魚肉練製品を比較的安価に提供することができる。
本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の一実施例を示す斜視図である。 身部が1層、皮部が1層の計2層からなる、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の一実施例を示す断面図である。 身部が2層、皮部が1層の計3層からなる、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の一実施例を示す断面図である。 プレス成形により凹みが成形された、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の一実施例を示す斜視図である。 プレス成形により凹みが成形された、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の一実施例を示す斜視図である。
本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品は、身部と皮部の少なくとも2層からなり、身部は、魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含み、皮部は、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含む。
本発明に用いる魚肉すり身は、魚肉をすり潰したものであり、魚肉としては一般に魚肉練製品に用いられる魚種のものであればよく、特に制限はない。例えば、イトヨリ、スケトウダラ、グチ、イトヨリダイ、キントキダイ、ヒメジ、エソ、カマス、ホッケ、キチジ、ワラズカ、サケ、パシフィックホワイティング等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上であってもよい。魚肉としては、魚体から採肉、水晒、脱水して得られる生すり身の形態のものを使用することもできるし、これに更に糖類等の安定剤を添加したうえ冷凍して得られる冷凍すり身の形態のものを使用してもよい。
本発明に用いるコラーゲンは、食用であれば特に制限されないが、豚、鶏、牛などの家畜類や、サケ、ヒラメ、スズキなどの魚類の肉、骨、皮、鱗などを原料として得られるコラーゲンの他にも、コラーゲンを加熱して抽出・精製したゼラチン、ゼラチンを酵素分解したコラーゲンペプチドを含むものとし、また、これらのうちの1種又は2種以上であってもよい。また、コラーゲンの形状は粉末状、板状等のいずれの形状のものを用いることができるが、混合しやすいという理由から粉末状のものが好ましい。
うなぎ蒲焼様魚肉練製品の身部のコラーゲンの含有量は、身部に対して、0.5〜3質量%であることが好ましく、1〜2質量%であることがさらに好ましい。コラーゲンの含有量を上記範囲とすることで、ほどよい硬さで、しっとりとしたほぐれ感のあるうなぎ蒲焼様魚肉練製品となる。なお、皮部は、コラーゲンを必須としないが、コラーゲンを含有してもよい。その場合の含有量は、身部と同様でよい。
本発明に用いる着色剤は、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の外観をうなぎ蒲焼に近似させるため、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の皮部をうなぎの皮に似た色合いとなるように着色する目的で含有させるものである。着色剤としては、例えばうなぎの皮に似た色合いとなる色素を用いることができ、イカスミ色素、カカオ色素、カラメル色素、クチナシ色素、炭色素、タール系色素が例示できる。また、色素の他に、うなぎの皮らしい着色が可能な食品素材を用いることもできる。
また、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の身部は、魚肉すり身、食塩、コラーゲン、澱粉、油脂、及び植物性蛋白質を含み、皮部は、魚肉すり身、食塩、着色剤、澱粉、及び油脂を含むことが好ましい。
本発明に用いる澱粉としては、特に限定されないが、例えばタピオカ澱粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉等の生澱粉や、この生澱粉に、酸化処理、エステル化処理、エーテル化処理、架橋処理、α化処理、湿熱処理などを施した加工澱粉を用いることができる。なお、澱粉としては、粳種、餅(ワキシー)種、ハイアミロース種などの何れも用いることができる。これらの中でもタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉が好ましく、特に小麦澱粉が好ましく用いられる。
澱粉の含有量は、うなぎ蒲焼様魚肉練製品全量に対して、1〜11質量%であることが好ましく、1〜6質量%であることがさらに好ましい。上記範囲の含有量とすることで、ほどよい硬さのうなぎ蒲焼様魚肉練製品となる。
本発明に用いる油脂は、植物性油脂及び/又は動物性油脂のいずれでもよい。植物性油脂としては例えば、菜種油(キャノーラ油、サラダ油)、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、紅花油、米ぬか油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、ゴマ油、月見草油、ココナッツ油、パーム油、パーム核油、シア油、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、シソ油、ラベンダー油、マンゴー核油、これらの少なくとも1つを原料とする加工油脂等が挙げられる。動物性油脂としては例えば、牛脂、ラード、魚油、鯨油、乳原料由来の乳脂肪分、これらの少なくとも1つを原料とする加工油脂等が挙げられる。加工油脂としては、硬化油、エステル交換油、分別油が挙げられる。これらの中でも、特に植物性油脂が比較的匂いが少ないという点から、好ましく用いられる。
油脂の含有量は、うなぎ蒲焼様魚肉練製品全量に対して、1〜20質量%であることが好ましく、5〜16質量%であることがさらに好ましい。上記範囲の含有量とすることで、ほどよい柔らかさ、しっとり感、油脂感のあるうなぎ蒲焼様魚肉練製品となる。
本発明に用いる植物性蛋白質は、植物由来の蛋白質であれば特に限定はない。例えば、大豆蛋白、えんどう豆蛋白、小麦蛋白、米蛋白、ごま蛋白、菜種蛋白、落花生蛋白等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上であってもよい。このうち、大豆蛋白であれば、大豆粉末、脱脂大豆粉末(またはフレーク)、粉末状大豆蛋白(分離大豆蛋白)を用いてもよい。小麦蛋白としては小麦粉、小麦グルテンを用いてもよい。更に、植物性蛋白質の酵素分解物、熱分解物等を用いてもよい。
植物性蛋白質の含有量は、うなぎ蒲焼様魚肉練製品身部に対して、1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがさらに好ましい。上記範囲の含有量とすることで、ほどよい硬さで、うなぎの繊維感に似た食感のあるうなぎ蒲焼様魚肉練製品となる。
なお、植物性蛋白質は、身部に含まれるが、皮部には含まれないことが好ましい。このことにより、うなぎの身の繊維感を創出することができ、一方で、皮部による歯ごたえのある食感とあいまって、全体としてうなぎの食感により近い食感を呈するようになる。
さらに、本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品は、身部と皮部には、他の原料として、一般的に魚肉練製品に用いられる調味料、起泡剤、乳化剤、保存料、水、着色剤、香料等を含んでもよい。例えば、調味料としては、みりん、砂糖、グルタミン酸ナトリウム等、起泡剤としては、山芋、卵白等、乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、サポニン、レシチン等、保存料としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ε−ポリリシン等が挙げられる。
本発明のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の一実施例(斜視図)を図1に示した。図1におけるうなぎ蒲焼様魚肉練製品1は、身部2が1層、皮部3が1層で構成されている。身部2の表面には、うなぎ蒲焼で見られる凹み4、5を有し、さらにタレが塗布されている。
このようなうなぎ蒲焼様魚肉練製品は、上記に説明した原料を用いて、次のような方法により製造される。ただし、本発明の範囲は、これらの製造方法に限定されるものではない。
まず、身部調製工程として、魚肉又は魚肉すり身、コラーゲンパウダー、及び食塩、水、必要であれば他の原料を混合し、すり潰し、いわゆる塩ずりを行い、身部用すり身を調製する。この塩ずりにより、アクチン、ミオシン等の塩溶性蛋白質が魚肉組織から遊離して粘りや弾力がある性状となり、そして後に説明する加熱により、ゲル化する性状が備わる。
混合及びすり潰しは、一般的に魚肉練製品に用いられる機器を使用することができ、例えば、高速真空攪拌機、石臼式擂潰機、サイレントカッター等の機器で同時に行うことができる。
また、皮部調製工程として、魚肉又は魚肉すり身、食塩、着色剤、及び水、必要であれば他の原料を混合し、身部調製工程同様に、皮部用すり身を調製する。
上記身部調製工程と皮部調製工程においては、皮部よりも身部で水を多く混合することが好ましい。具体的には、身部における含水量は、うなぎ蒲焼様魚肉練製品身部に対して、43〜63質量%であることが好ましく、45〜57質量%であることがさらに好ましく、皮部における含水量は、うなぎ蒲焼様魚肉練製品皮部に対して、20〜42質量%であることが好ましく、30〜42質量%であることがさらに好ましい。これによって、うなぎ蒲焼様魚肉練製品において、皮部よりも身部の含水量が多くなり、食感をうなぎ蒲焼により近づけることができる。
次に、押出成形工程として、上記調整した各すり身を、デポジッター、押出成形機等の機器を用いて、少なくとも2層構造の口金から押出して、所定の長さで切断することにより、図4に示すように、身部2の層と皮部3の層の少なくとも2層からなるうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地1を成形する。このうなぎ蒲焼様魚肉練製品1は、うなぎを蒲焼用に開いたときにできる凹みに模した凹み4を有する。
このとき、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の身部と皮部の質量比率が、好ましくは30:1〜5:3、より好ましくは25:1〜7:3となるように生地を成形する。また、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の、身部の厚さが、好ましくは5〜30mm、より好ましくは7〜25mmとなるように、皮部の厚さが、好ましくは0.5〜4mm、より好ましくは1〜3mmとなるように生地を成形する。このように成形することで、うなぎ蒲焼の外観及び食感により近づけることができる。
また、身部は1層であってもよく、又は2層以上であってもよい。2層以上の身部においては、皮部に近い層ほどコラーゲンの含有量が多いことが好ましい。
身部が1層、皮部が1層の計2層からなる、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の断面図を図2に示した。図2におけるうなぎ蒲焼様魚肉練製品1は、身部2が1層、皮部3が1層で構成されている。
身部が2層、皮部が1層の計3層からなるうなぎ蒲焼様魚肉練製品の断面図を図3に示した。図3におけるうなぎ蒲焼様魚肉練製品1は、身部が身部2aと身部2bの2層、皮部3が1層で構成されている。このような構成においては、皮部3に近い身部2bの層が、身部2aの層よりもコラーゲンの含有量が多いことが好ましい。
次に、蒸し加熱工程として、上記成形したうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を蒸し加熱する。蒸し加熱は、一般的に魚肉練製品に用いられる方法を用いることができ、例えば、生地の中心部の温度を75℃以上に保って、10〜30分などの条件で行うことができる。
次に、焼成工程として、上記蒸したうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を焼成する。焼成は、一般的に食品に用いられる方法を用いることができる。このとき、焦げ目がつく程度に焼成することで、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の外観をうなぎ蒲焼に近似させてもよい。
また、成形工程の後、及び/又は蒸し加熱工程の後に、更に生地をうなぎ蒲焼の形状に近づけるプレス成形工程を含むことができる。プレス成形は、一般的に食品に用いられる方法を用いることができる。例えば、うなぎの繊維質を表すような凹みを模した凹みをプレス成形することで、うなぎ蒲焼様魚肉練製品の外観をうなぎ蒲焼に近似させてもよい。
プレス成形により凹みが成形された、うなぎ蒲焼様魚肉練製品を図5に示した。図5におけるうなぎ蒲焼様魚肉練製品1は、押出成形時に形成された凹み4に対して垂直方向に、プレス成形によって形成された、うなぎの繊維質を表すような凹みを模した凹み5を有する。
また、蒸し加熱工程の後、及び/又は焼成工程の後に、更に生地にタレを塗布するタレ塗布工程を含むことができる。タレは、醤油、みりん、砂糖、酒などからなる、一般的にうなぎの蒲焼に用いられるものを用いることができる。
こうして製造されたうなぎ蒲焼様魚肉練製品は、フィルム等の包装袋に入れて密封シールし、必要に応じて加熱殺菌することにより、製品化することができる。こうして包装されたうなぎ蒲焼様魚肉練製品は、冷蔵又は冷凍保存して流通させることもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<製造例1>
1.うなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造
(身部調製工程)
うなぎ蒲焼様魚肉練製品を製造するため、まず、表1に示す原料及び配合で、その身部を調製した。具体的には、魚肉すり身(助宗だら)とコラーゲンパウダー(ケイパウダーPIG60、川上食品)を撹拌機(ステファンカッター、ステファン社製)にて攪拌した後、食塩を加えて5分間塩ずりした。その後、調味料(グルタミン酸Na、MCフードスペシャリティーズ株式会社)、澱粉(タピオカ澱粉HANA、松谷化学工業株式会社)、油脂(大豆油、日清オイリオグループ株式会社)、及び水を加えて4〜5分間攪拌し、更に、植物性蛋白(レスポンス、デュポン株式会社)と乳化剤(フレンジ100N、理研ビタミン株式会社)を加えて30秒〜1分間攪拌し、これを以下に用いる身部とした。
(皮部調製工程)
表2に示す原料及び配合で、その皮部を調製した。具体的には、魚肉すり身とコラーゲンパウダーを撹拌機にて攪拌した後、食塩を加えて5分間塩ずりした。その後、調味料、澱粉、油脂、水、及び色素(イカ九郎、株式会社タイショーテクノス)を加えて4〜5分間攪拌し、これを以下に用いる皮部とした。
(押出成形工程)
上記で調整した身部と皮部を卓上デポジッター(光陽機械製作所)で身送りし、二層構造の口金から同時に吐出することで二層のうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を成形した。厚さは、身部を約10mm、皮部を約2mm、幅は約85mmとした。口金から吐出された生地は長さ約70mmで切断した。
(蒸し加熱工程)
成形した生地を蒸し機(バッチ式蒸機SB-3、株式会社戸野機械製作所)によって、生地の中心温度が80℃以上になるように85℃で15分間蒸し加熱した。
(タレ塗布工程)
蒸し加熱をした生地を放冷した後、タレ(うなぎのたれ、サンキョーヒカリ株式会社)を塗布した。
(焼成工程)
タレ付けされた生地を、焼物機(ガスシュバンク、パロマ)で5分〜10分、焦げ目が付く程度に焼成した。
(タレ塗布工程)
焼成した生地(うなぎ蒲焼様魚肉練製品)に、更に、タレを塗布した。
(冷却工程)
上記作製したうなぎ蒲焼様魚肉練製品を庫内温度5℃の冷蔵庫に、中心温度が10℃以下になるように一晩置いた。
2.評価
得られたうなぎ蒲焼様魚肉練製品について、食感の官能評価試験を行った。官能評価試験では、5人のパネラーによって、得られたうなぎ蒲焼様魚肉練製品を常温で食したときと、約70℃に温めて食した時の食感について、下記の評価基準で評価した。
4点:うなぎ蒲焼と同等の食感
3点:うなぎ蒲焼とほとんど同等の食感
2点:うなぎ蒲焼と若干の差はあるが許容できる食感
1点:うなぎ蒲焼と相違する食感
結果を表3,4に示す。
表3,4に示したように、身部にコラーゲンを含まないうなぎ蒲焼様魚肉練製品(比較例1)は、5人すべてが「うなぎ蒲焼と相違する食感」であったと評価した。身部にコラーゲンを含むうなぎ蒲焼様魚肉練製品(実施例1〜4)は、常温でも70℃でも、「うなぎ蒲焼と若干の差はあるが許容できる食感」以上の良い評価であり、さらに身部にコラーゲンを1〜2質量%含むあるうなぎ蒲焼様魚肉練製品(実施例2,3)は、「うなぎ蒲焼とほとんど同等の食感」以上の、さらに良い食感であることがわかる。
風味、外観は、いずれのうなぎ蒲焼様魚肉練製品(比較例1、実施例1〜4)でも、うなぎ蒲焼とほとんど同等であった。
<製造例2>
1.うなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造
上記製造例1に示した方法と同様に、うなぎ蒲焼様魚肉練製品を製造した。ただし、身部調製工程において、身部は、表5に示す原料及び配合で調製した。
2.評価
得られたうなぎ蒲焼様魚肉練製品について、食感の官能評価試験を行った。官能評価試験では、5人のパネラーによって、得られたうなぎ蒲焼様魚肉練製品を常温で食したときと、約70℃に温めて食した時の食感について、下記の評価基準で評価した。
〇:うなぎ蒲焼と同等の食感
△:うなぎ蒲焼と若干の差はあるが許容できる食感
×:うなぎ蒲焼と異なる食感
結果を表6,7に示す。
表6,7に示したように、実施例5〜7のうなぎ蒲焼様魚肉練製品はいずれも、常温でも70℃でも、「うなぎ蒲焼と若干の差はあるが許容できる食感」であった。より詳細には、身部に澱粉を含有しない実施例5のうなぎ蒲焼様魚肉練製品は、柔らかい食感、身部に油脂を含有しない実施例6は、締まった食感であり、また、しっとり感や油脂感に乏しい食感、身部に植物性蛋白質を含有しない実施例7は、柔らかく、繊維感に乏しい食感というコメントがあった。
風味、外観は、いずれのうなぎ蒲焼様魚肉練製品(実施例5〜7)でも、うなぎ蒲焼とほとんど同等であった。
<製造例3>
1.うなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造
上記製造例1に示した方法と同様に、うなぎ蒲焼様魚肉練製品を製造した。ただし、身部調製工程において、身部は、表8に示す原料及び配合(身部A)と、表9に示す原料及び配合(身部B)を調製した。また、押出成形工程において、調整した身部A、身部B、及び皮部を卓上デポジッターで身送りし、三層構造の口金から同時に吐出することで三層のうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を成形した。このとき、身部Bを、身部Aと皮部の中間に位置する層とした。厚さは、身部Aを約5mm、身部Bを約5mm、皮部を約2mmとした。
2.評価
得られたうなぎ蒲焼様魚肉練製品について、食感の官能評価試験を行った。官能評価試験では、5人のパネラーによって、得られたうなぎ蒲焼様魚肉練製品を常温で食したときの食感について、下記の評価基準で評価した。
◎:うなぎ蒲焼と同等の食感
○:うなぎ蒲焼とほぼ同等の食感
△:うなぎ蒲焼と若干の差はあるが許容できる食感
実施例8は「うなぎ蒲焼と若干の差はあるが許容できる食感」という評価であり、「ほぐれ感はあるが、ぱさつく」というコメントがあった。実施例9は「うなぎ蒲焼とほぼ同等の食感」という評価であり、「ほぐれ感があり、しっとり感あり」というコメントがあった。実施例10は「うなぎ蒲焼と同等の食感」という評価であり、「程よい硬さがあり、しっとり、ほぐれ感あり、良好」というコメントがあった。実施例11は「うなぎ蒲焼とほぼ同等の食感」という評価であり、「しっかりしているが、しっとり、ほぐれ感あるが、ややネチャ感あり」というコメントがあった。
風味、外観は、いずれのうなぎ蒲焼様魚肉練製品(実施例8〜11)でも、うなぎ蒲焼とほとんど同等であった。
1 うなぎ蒲焼様魚肉練製品
2 身部
3 皮部
4 凹み
5 凹み

Claims (10)

  1. うなぎ蒲焼様魚肉練製品であって、身部と皮部の少なくとも2層からなり、前記身部は、魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含み、前記皮部は、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含み、前記身部の、前記魚肉すり身由来のコラーゲンを除いたコラーゲンの含有量が、前記身部に対して、0.5〜3質量%であることを特徴とするうなぎ蒲焼様魚肉練製品。
  2. うなぎ蒲焼様魚肉練製品であって、身部と皮部の少なくとも2層からなり、前記身部は、魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含み、前記皮部は、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含み、前記身部が2層以上からなり、前記2層以上からなる身部において、皮部に近い層ほどコラーゲンの含有量が多いことを特徴とするうなぎ蒲焼様魚肉練製品。
  3. 前記身部は、魚肉すり身、コラーゲン、食塩、澱粉、油脂、及び植物性蛋白質を含み、前記皮部は、魚肉すり身、食塩、着色剤、澱粉、及び油脂を含む、請求項1又は2に記載のうなぎ蒲焼様魚肉練製品。
  4. 前記身部と前記皮部の質量比率が30:1〜5:3である、請求項3に記載のうなぎ蒲焼様魚肉練製品。
  5. 前記身部の厚さが5〜30mm、前記皮部の厚さが0.5〜4mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のうなぎ蒲焼様魚肉練製品。
  6. 前記皮部よりも前記身部の含水量が多い、請求項1〜5のいずれか1項に記載のうなぎ蒲焼様魚肉練製品。
  7. 魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含有する原料を混合して身部用すり身を調製する身部調製工程と、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含有する原料を混合して皮部用すり身を調製する皮部調製工程と、前記身部用すり身と前記皮部用すり身とを同時に口金から押出して、少なくとも2層からなるうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を成形する押出成形工程と、前記押出成形工程を経た生地を蒸し加熱する蒸し加熱工程と、前記蒸し加熱工程を経た生地を焼成する焼成工程とを含み、前記身部の、前記魚肉すり身由来のコラーゲンを除いたコラーゲンの含有量を、前記身部に対して、0.5〜3質量%とすることを特徴とするうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法。
  8. 魚肉すり身、コラーゲン、及び食塩を含有する原料を混合して身部用すり身を調製する身部調製工程と、魚肉すり身、食塩、及び着色剤を含有する原料を混合して皮部用すり身を調製する皮部調製工程と、前記身部用すり身と前記皮部用すり身とを同時に口金から押出して、少なくとも2層からなるうなぎ蒲焼様魚肉練製品生地を成形する押出成形工程と、前記押出成形工程を経た生地を蒸し加熱する蒸し加熱工程と、前記蒸し加熱工程を経た生地を焼成する焼成工程とを含み、前記身部を2層以上とし、前記2層以上からなる身部において、皮部に近い層ほどコラーゲンの含有量を多くすることを特徴とするうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法。
  9. 前記成形工程の後、及び/又は前記蒸し加熱工程の後に、更に生地をうなぎ蒲焼の形状に近づけるプレス成形工程を含む、請求項7又は8に記載のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法。
  10. 前記蒸し加熱工程の後、及び/又は前記焼成工程の後に、更に生地にタレを塗布するタレ塗布工程を含む、請求項7〜9のいずれか1項に記載のうなぎ蒲焼様魚肉練製品の製造方法。
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