JP6744938B2 - 固体状または液体状の調味料を含有する肉加工食品 - Google Patents

固体状または液体状の調味料を含有する肉加工食品 Download PDF

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Description

本発明は、ソース・たれ等の調味料を含有する肉加工食品に関する。
近年、食文化の多様化に伴い、肉加工食品においても、形態や味付けが多様化している
。例えば、味付けや味の変化を目的として、ソースやたれ等の調味料や具などを、肉加工
食品の脇に添えるものや、肉加工食品の上にトッピングするもの、あるいは中に包含させ
るものなど、多様化している。特に、肉加工食品の中にソースやたれ、具等を包含させた
ものは、喫食時に、中からそれらが出てくる驚きや楽しさと、肉加工食品との味の馴染み
の良さから、親しまれている。
特許文献1には、参考例として、ハンバーグのように、油で揚げる工程を含まない食肉
加工食品にセルロースを添加剤として添加した例が開示されている。該文献では、ハンバ
ーグが、セルロースを含むことにより、歩留まりが向上し、美味しさ、ジューシー感がア
ップし、ネチャ付感、パサつき感が軽減されることが記載されている。また、ハンバーグ
中に含まれるセルロースは、平均粒径が大きいほうが、歩留まりが向上することが記載さ
れている。
特許文献2には、肉製品用の安定剤としての微細セルロースと半精製カラギーナンとの
複合体および当該安定剤を含有する肉製品組成物が開示されている。該微細セルロース複
合体を、肉製品用の安定剤として用いることにより、離水防止、保水性向上、歩留まり向
上、食感向上、白濁性向上を達成できるとされている。
特許文献3には、調味料、セルロース、およびゲル化剤を含むゼリー状調味料が開示さ
れており、該ゼリー状調味料を含む食肉加工食品も開示されている。該ゼリー状調味料は
、加工適性に優れ、また加工食品にジューシー感を付与できるとされている。
特許文献4には、0〜45℃の温度域でゾル−ゲル転移を起こす成分と、気泡剤を混合
しオーバーランさせた口どけ感の良い脂質様の食感を持つ低カロリーのクリーム状食材組
成物が開示されている。該文献は、ゼラチンおよび/またはカラギーナンをゾル−ゲル転
位を起こす成分とし、セルロース等を含む脂肪代替添加物を記載しており、当該脂肪代替
添加物をミンチ状の生鮮魚肉等に添加してクリーム状食材組成物を作製することを記載し
ている。
特開2011−72285号公報 特開平11−46723号公報 特開2013−128419号公報 特開平7−194341号公報
本発明者らは、液体の調味料、または室温以下では固体であるが加工時または調理時の
熱で流動性を有する状態となる調味料からなる調味料部分を、肉を含む肉部分で被覆した
肉加工食品、例えばチーズソース入りハンバーグにおいて、該肉加工食品の加工または調
理のための加熱時に該調味料が肉部分の表面から外に漏れ出ることなく肉加工食品中に包
含されたままの状態を保つための方法を検討した。
前記のとおり、特許文献1には、ハンバーグにセルロースを添加することにより、歩留
まりが向上し、美味しさ、ジューシー感がアップし、ネチャ付感、パサつき感が軽減され
る旨の記載がある。しかしながら、調味料等を肉加工食品で被覆させることについては触
れられておらず、上記の課題やその解決方法についての記載もない。
特許文献2には、微細セルロースと半精製カラギーナンとの複合体を、ハンバーグ用の
安定剤として用いることにより、ハンバーグの離水防止、保水性向上、歩留まり向上、食
感向上を達成できる旨の記載がある。しかしながら、調味料等を肉加工食品で被覆させる
ことについては触れられておらず、上記の課題やその解決方法についての記載もない。
特許文献3には、セルロースを含むゼリー状調味料が加工適性に優れ、それを食肉加工
食品中に添加することによりジューシー感が付与できると記載されている。また、同文献
の実施例4では、食肉加工食品である餃子の具材に、上記ゼリー状調味料の外割で結晶セ
ルロースであるセオラス(登録商標)UF−F702を添加できることも開示されており
、特にジューシー感が付与できることが記載されている。しかしながら、該ゼリー状調味
料は餃子等の食肉加工食品中にバラバラに配合されており、表面に位置するものは肉加工
食品で被覆されていない。このため、餃子のような皮で包まれた食肉加工品では問題ない
が、ハンバーグのような肉加工食品に適用して調理時に加熱すると、該ゼリー状調味料が
融けて該肉加工食品から流れ出てしまう問題があった。
特許文献4には、セルロース等の脂質代替添加物を肉に添加することにより、口どけ感
のよい食感が付与できるとの記載がある。しかしながら、該脂肪代替添加物は、ミキサー
等によって肉に攪拌混合するものであり、肉によって完全には被覆されていないため、加
熱時に、流出してしまう問題があった。そのため、肉との絡まりも不十分であった。また
、脂質代替添加物としてセルロースも挙げられているが、セルロースの効果については、
当該文献内で具体的に触れられていない。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、25℃で固体状かつ加熱によ
り流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料からなる調味
料部分を、セルロースと肉とを含む混合物からなる肉部分で被覆した肉加工食品により、
上記の課題が解決され得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)25℃で固体状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料からなる調味料部分を、結晶セルロースと肉とを含む混合物からなる肉部分で被覆した肉加工食品であって、
前記肉部分に含まれる結晶セルロースは、嵩密度の値が0.1〜0.3g/cm であり、
前記調味料がセルロースを含み、前記調味料に含まれるセルロースの嵩密度の値が0.1〜0.6g/cm であることを特徴とする、肉加工食品
(2)前記調味料が、チーズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の肉加工食品
(3)前記調味料が、50℃/25℃の応力の比が1以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の肉加工食品。
本発明の肉加工食品は、25℃で固体状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味
料および/または25℃で液体状の調味料からなる調味料部分を含むが、焼成後に、該調
味料が該調味料部分を被覆する肉を含む肉部分から漏れ出しにくいとの効果を奏する。
本発明は、25℃で固体状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味料および/ま
たは25℃で液体状の調味料からなる調味料部分を、セルロースと肉とを含む混合物から
なる肉部分で被覆した肉加工食品に関するものである。本発明について、以下具体的に説
明する。
<調味料>
調味料は、味付けを目的とした、食することができるものを意味する。例えば、甘味料
、うま味調味料、香辛料などがある。具体的には、砂糖類、塩類、酢、醤油、味噌類、胡
椒、ゆず胡椒、醤類(豆板醤、XO醤、芝麻醤、甜麺醤、コチュジャン等)、めんつゆ、
白だし、割り下、酒類、みりん、ソース類(中濃ソース、濃厚ソース、オイスターソース
等)、ケチャップ、サルサソース、チリソース、サンバルソース、マスタード、マヨネー
ズ、油脂類、ラード、香辛料、ハーブ、カレー粉等があげられる。その他、肉惣菜に合う
ソース、たれ等の調味料としては、焼き肉のたれ、チーズ、デミグラスソース、ホワイト
ソース、ポン酢、照り焼きソース、ミートソース、カルボナーラソース、クリームソース
、しょうがソース、にんにくソース、タルタルソース、カレーソース、おろしソースなど
、食することができるものであれば、何でもよい。
<本発明における調味料の形態>
本発明において用いられる調味料は、25℃で固体状かつ加工または調理時の加熱によ
り流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料である。ここ
で、「固体状」は「ゲル状」を含み、「液体状」は「ゾル状」を含む。固体状と液体状の
ものを併せたものでもよい。調味料部分を肉部分で被覆する際の加工のしやすさから、調
味料は25℃で固体状であることが好ましい。調味料が25℃で液体状、または固体状と
液体状の混合物である場合は、肉部分で調味料部分を被覆する際の加工をしやすくするた
めに、冷凍して固めた調味料部分として加工してもよい。また、ゲル化剤を加えて固体状
の調味料にして加工してもよい。
<セルロース>
特に断りのない限り、本発明の「セルロース」との用語は、当業者に通常受け入れられ
ている定義に基づくセルロース、つまりD−グルコピラノースがβ1→4結合で連なった
構造を持つ多糖類の総称(以下、「通常のセルロース」ということもある。)以外に、後
述する結晶セルロース複合体、及び微細繊維状セルロース複合体、並びにそれらの混合物
を意味するものとして用いられる。
それらのうちで、通常のセルロースの原料としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン
、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。これ
らのうち、1種を使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。一般に入手できる、
通常のセルロースとしては、粉末形態である通常のセルロース(以下、「粉末セルロース
」という。)、例えばセルロースフロックや、結晶形態である通常のセルロース(以下、
「結晶セルロース」という。)が挙げられる。
本発明におけるセルロースは、微細な粒子形状であってよい。セルロースの水分散体中
の粒子形状は、セルロースを0.1質量%濃度の純水懸濁液とし、高せん断ホモジナイザ
ー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:
回転数15,000rpmX5分間)で分散させた水分散体を、デジタルマイクロスコー
プ((株)ハイロックス、商品名「HIROX KH−1300」)で形状観察した際に
得られる粒子像の長径(L)と短径(D)の比(L/D)で表され、100〜150個の
セルロース粒子の平均値として算出される値を採用する。
本発明におけるセルロースのL/Dは、9以下であることが好ましい。より好ましくは
、7以下であり、6以下が特に好ましく、5以下が格別に好ましい。L/Dの下限値は1
より大きいことが好ましく、より好ましくは2以上であり、さらに好ましくは3以上であ
る。L/Dの値が大きいほど、セルロースは細長い形状であることを意味する。この範囲
内であれば、ざらつきを感じにくく、のど越しが優れるからである。
<粉末セルロース(粉末形態である通常のセルロース)>
本発明で使用できる粉末セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロ
ースを処理した後、精製し、機械的に粉砕したものである。例えば、第十五改正日本薬局
方解説書(廣川書店発行)に記載の、粉末セルロースに該当するものである。当該粉末セ
ルロースの平均重合度は、440より大きいと規定されている。この値は、第十五改正日
本薬局方解説書(廣川書店発行)の確認試験(3)に記載の、銅エチレンジアミン溶液に
よる還元比粘度法に従い、測定することができる。当該粉末セルロースとしては、例えば
、日本製紙(株)製の、KCフロックシリーズなどが挙げられる。
<結晶セルロース(結晶形態である通常のセルロース)>
本発明で使用できる結晶セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロ
ースを酸で部分的に解重合し、精製したものである。例えば、第十五改正日本薬局方解説
書(廣川書店発行)に記載の、結晶セルロースに該当するものである。結晶セルロースの
平均重合度は、350以下であることが好ましい。この値は、第十五改正日本薬局方解説
書(廣川書店発行)の、結晶セルロースの確認試験(3)に記載の、銅エチレンジアミン
溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。より好ましくは、平均重合度が
300以下である。300以下であれば、食品素材との馴染みがよいため好ましい。
平均重合度を制御する方法としては、加水分解処理等が挙げられる。加水分解処理によ
って、セルロース繊維質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくな
る。加水分解の方法は、特に制限されないが、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプ
ロージョン、マイクロ波分解等が挙げられる。これらの方法は、単独で使用しても、2種
以上を併用してもよい。酸加水分解の方法では、セルロース系物質を水系媒体に分散させ
た状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌させな
がら、加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間
等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的と
する平均重合度が達成されるよう適宜調製されるものである。例えば、2質量%以下の鉱
酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分以上セルロースを処理するという条
件が挙げられる。この条件のとき、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透し、加
水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その後の精製も容易になる。
また、結晶セルロースと粉末セルロースとでは、水に分散させたときの状態が異なる。
当該水分散液状態の比較としては、セルロースを水に分散させ、ホモジナイザーで磨砕し
て分散液を作製し、その状態を目視観察して比較すると、結晶セルロースは全体が白色不
透明なクリーム状を呈し分離が生じないのに対し、粉末セルロースは分離が生じ上澄み液
と沈殿とに分かれる。例えば、セルロース含有量が10質量%となるよう、水及びセルロ
ースを量り取り、25℃雰囲気下にてTKホモミキサー(特殊機化工業(株)製、MAR
KII)で12,000rpmで10分間撹拌して分散液を作製し、この分散液を高圧ホ
モジナイザー(APV社製 マントンゴーリンホモジナイザー 圧力15MPa)処理し
た白色の懸濁液を、25℃で1時間静置後の懸濁安定状態で比較することができる。
<結晶セルロース粉末>
本発明で使用する結晶セルロースは、粉末として利用することができる。本発明では、
結晶セルロースが粉末化されているものを「結晶セルロース粉末」といい、前記の「粉末
セルロース」とは区別される。結晶セルロース粉末は、例えば加水分解処理された天然セ
ルロース系物質を乾燥することにより得られる。この場合、加水分解処理により得られる
反応溶液から、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を単離し、これを適当
な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよいし、また、同加水分解溶液がそのま
まの状態でセルロース分散液を形成している場合は、この分散液を直接乾燥してもよい。
天然セルロース系物質は植物性でも、動物性でも、或いは微生物由来でもよく、例えば、
木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロ
ースを含有する天然物由来の繊維質物質であることが好ましい。原料として、上記物質の
うち一種の天然セルロース系物質を使用してもよいし、二種以上を混合したものを使用し
てもよい。また、精製パルプの形態で使用することが好ましいが、パルプの精製方法には
特に制限はなく、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等いずれのパルプを使用
してもよい。
上記製法において、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を、その後適当
な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、工業的に使用されるものであれば特
に制限はないが、例えば、水及び/又は有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、
例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メ
チルブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類等
が挙げられる。特に、有機溶剤は医薬品に使用されるものが好ましく「医薬品添加剤事典
2000」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有
機溶媒は、それを単独で使用しても、二種以上を併用することも自由であり、一種の媒体
で一旦分散させた後、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
乾燥方法も特に制限はないが、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、
気流乾燥、真空乾燥及び有機溶剤と共に乾燥する乾燥方法でもよい。
<結晶セルロース粉末の平均粒子径(乾燥粉体)>
結晶セルロース粉末の平均粒子径(乾燥粉体、二次凝集体)は、20〜100μmであ
ることが好ましい。当該結晶セルロースの平均粒子径の測定は、乾燥粉体で二次凝集体の
状態で結晶セルロース粉末を篩上で振とうさせ、分画し、粒径に対する重量頻度を測定す
るような、公知の篩分けによる方法により行うことができる。典型的には、ロータップ式
篩振盪機(平工作所製、シーブシェーカーA型)により、JIS標準篩(Z8801−1
987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより分画し、得られた粒度分布
における累積重量50%粒径を、結晶セルロースの乾燥粉体の平均粒子径とすることがで
きる。当該平均粒子径は、より好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは40μ
m以上であり、特に好ましくは50μm以上である。この範囲であれば、肉加工食品に配
合すると、加熱による肉の収縮を抑制し、ふっくらとした食感に仕上げることができるか
らである。
<セルロースの平均粒子径(水分散体、一次粒子径)>
本発明におけるセルロースの水分散体の平均粒子径は、3μm以上であることが好まし
い。ここで、平均粒子径とは、粒子全体の体積に対して、積算体積が50%になるときの
粒子の球形換算直径のことで、メジアン径とも呼ばれる。測定は、セルロースを0.1質
量%濃度の純水懸濁液とし、該懸濁液を高せん断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商
品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:回転数15,000rpm
X5分間)で分散させた水分散体を試料として、当該試料に対してレーザー回折法(堀場
製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)を実施す
ることで行う。当該レーザー回折法により得られた体積頻度粒度分布における積算50%
粒子径を、前記のとおり、本発明のセルロースの水分散体の平均粒子径という。より好ま
しい粒子径の値は5μm以上であり、さらに好ましくは7μm以上である。上限としては
、35μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、25μm以下がさらに好まし
い。前記の範囲内であれば、肉加工食品に配合した際、ざらつきを感じにくいからである
<結晶セルロース複合体>
結晶セルロース複合体とは、主成分である結晶セルロースに水溶性高分子が複合化され
たものである。複合化とは、結晶セルロースの表面が、水素結合等の化学結合により、水
溶性高分子で被覆された形態を意味する。したがって、結晶セルロース複合体は、結晶セ
ルロース粉末と水溶性高分子とを単に混合した状態ではなく、水溶性高分子が結晶セルロ
ース表面を被覆した状態である。そのため、結晶セルロース複合体を水系媒体中に分散さ
せると、該水溶性高分子が結晶セルロース表面から剥離することなく、表面から放射状に
広がった構造を形成し、水中でコロイド状となる。このコロイド状で存在する結晶セルロ
ース複合体は、それぞれの静電反発や立体反発、ファンデルワールス力等の相互作用によ
って、高次のネットワーク構造を形成することができる。
本発明における水溶性高分子とは、親水性高分子物質のことであり、ここで親水性とは
、常温のイオン交換水に、一部が溶解する特性を有することである。定量的に親水性を定
義すると、この水溶性高分子0.05gを、50mLのイオン交換水に、攪拌下(スター
ラーチップ等による)で平衡まで溶解させ、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理
した際に、通過する成分が、水溶性高分子中に1質量%以上含まれることである。
本発明に使用できる水溶性高分子は、化学構造の一部に糖又は多糖を含むもので、その
ようなものとして多糖類を用いる場合には、ジェランガム、サイリウムシードガム、ロー
カストビーンガム、キサンタンガム、グアガム、タラガム、タマリンドシードガム、カラ
ヤガム、キトサン、アラビアガム、ガッティガム、グルコマンナン、トラガントガム、寒
天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギ
ン酸プロピレングリコールエステル、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビ
ネランジーガム、カードラン、プルラン、デキストラン、並びにカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が好適な例
として挙げられる。
また、結晶セルロース複合体は、水系媒体への分散性を高める目的で、上記の水溶性高
分子に加えて、又はそれに替えて、高分子物質ではない親水性物質を含んでもよい。親水
性物質は、水系媒体中に分散させた際の、崩壊剤、または導水剤として機能する。したが
って、結晶セルロース表面に親水性物質を被覆することで、さらに分散しやすくなる。
要するに、高分子物質ではない親水性物質とは、冷水への溶解性が高く粘性を殆どもた
らさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポ
リデキストロース等の親水性多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリ
ゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキス
トリン等のオリゴ糖類、ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類、マルチトール、ソルビ
ット、エリスリトール等の糖アルコール類等が適している。これらの親水性物質は、2種
類以上組み合わせてもよい。上述の中でも、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性
デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類が分散性の点で好ましい。親水性物
質の中には、デキストリン類のように、水溶性高分子としての機能も、僅かではあるがあ
わせ持つものもある。そのような親水性物質を用いる場合でも水溶性高分子をあわせて用
いることが望ましいが、そのような場合には水溶性高分子を用いなくてもよい別の態様も
ある。その他の成分の配合については、組成物の水中での分散及び安定性を阻害しない程
度に配合することは自由である。
結晶セルロース複合体の製造方法としては、混練工程において結晶セルロースと水溶性
高分子に機械的せん断力をあたえ、結晶セルロースを微細化させるとともに、結晶セルロ
ース表面に水溶性高分子を複合化させることによって得られる。また、その他の添加剤な
どを添加しても良い。上述の処理を経たものは、必要に応じ、乾燥される。本発明で用い
る結晶セルロース複合体は上述の機械的せん断を経ていればよく、未乾燥のもの又はその
後乾燥されたもの等、いずれの形態でもよい。
機械的せん断力を与えるには、混練機等を用いて混練する方法を適用することができる
。混練機は、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等を用い
ることができ、連続式でもバッチ式でもよい。これらの機種を単独で使用することも可能
であるが、二種以上の機種を組み合わせて用いることも可能である。これらの機種は、種
々の用途における粘性要求等により適宜選択すればよい。
混練時の温度は成り行きでもよいが、20〜100℃に制御することが好ましい。この
温度範囲であれば、結晶セルロースの磨砕や、水溶性高分子との複合化が容易に進み、ま
た熱による水溶性高分子の劣化が抑制され、結果として結晶セルロース複合体が形成する
ネットワーク構造が密になるからである。好ましくは、30〜95℃、より好ましくは4
0〜95℃である。混練の際の複合化反応や、摩擦等により発熱する場合にはこれを除熱
しながら混練してもよい。温度を制御するためには、ジャケット冷却、放熱等の除熱を工
夫することも自由である。
混練時の固形分は、20質量%以上とすることが好ましい。20質量%以上で混練する
ことで、混練エネルギーが混練物に伝わりやすくなり、複合化が促進されるため好ましい
。混練時の固形分は、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは35質量
%以上であり、特に好ましくは40質量%以上である。上限は特に限定されないが、充分
な混練効果と、均一な混練状態が得られることを考慮すると、現実的範囲は90質量%以
下が好ましい。より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下
である。また、固形分を上記範囲とするために、水を添加するタイミングとしては、混練
工程の前に必要量を加水してもよいし、混練工程の途中で加水してもよいし、全加水量の
一部毎につき両方実施しても良い。
ここで、混練エネルギーについて説明する。混練エネルギーとは混練物の単位質量当た
りの電力量(Wh/kg)で定義するものである。混練エネルギーは、40Wh/kg以
上とすることが好ましい。より好ましくは50Wh/kg以上であり、さらに好ましくは
60Wh/kgである。混練エネルギーは、高い方が、複合化が促進されると考えられる
が、混練エネルギーをあまり高くすると、工業的に過大な設備となること、設備に過大な
負荷がかかることから、混練エネルギーの上限は1000Wh/kgとするのが好ましい
結晶セルロース複合体を得るにあたって、前述の混練工程より得られた混練物を乾燥す
る場合は、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェー
ブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。混練物を乾燥工程に供する場合には、
混練物に水を添加せず、混練工程の固形分濃度を維持して、乾燥工程に供することが好ま
しい。乾燥後のセルロース複合体の含水率は1〜20質量%が好ましい。含水率を20質
量%以下とすることで、べたつき、腐敗等の問題や運搬・輸送におけるコストの問題が生
じにくくなる。より好ましくは15質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。
また、1質量%以上とすることで、過剰乾燥のため分散性が悪化することもない。より好
ましくは1.5質量%以上である。
結晶セルロース複合体を市場に流通させる場合、その形状は、粉体の方が取り扱い易い
ので、乾燥により得られた結晶セルロース複合体を粉砕処理して粉体状にすることが好ま
しい。但し、乾燥方法として噴霧乾燥を用いた場合は、乾燥と粉末化が同時にできるため
、粉砕は必要ない。乾燥した結晶セルロース複合体を粉砕する場合、カッターミル、ハン
マーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度
は、粉砕処理したものが目開き1mmの篩いを全通する程度に粉砕する。より好ましくは
、目開き425μmの篩いを全通し、かつ、平均粒度(重量平均粒子径)としては10〜
250μmとなるように粉砕することが好ましい。
<結晶セルロースと水溶性高分子の配合比>
結晶セルロース複合体は、結晶セルロースが50質量%〜99質量%に対し、水溶性高
分子を1〜50質量%含むことが好ましい。より好ましくは結晶セルロースが55質量%
以上であり、さらに好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは65質量%以上
である。上限としては97質量%以下がより好ましく、95質量%以下であることがさら
に好ましく、90質量%以下であることが特に好ましい。水溶性高分子のより好ましい配
合比は、3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。この範囲内であれ
ば、結晶セルロースと水溶性高分子の複合化が、促進されやすく、水不溶性成分の分散安
定性や油の乳化安定性に効果を奏しやすいからである。
<微細繊維状セルロース複合体>
微細繊維状セルロースは、植物細胞壁を起源としたセルロース性物質を湿式で粉砕し、
短繊維化し、高圧ホモジザイザーでより、長さ(長径)が0.5μm〜1mm、幅(短径
)が2nm〜60μm、長さと幅の比(長径/短径)が5〜400にまで高度に微細化し
たセルロース性物質である。このようにセルロース性物質を高度に微細繊維状とすること
で、分子同士の絡まりや網目構造が強固となり通常の結晶性セルロースよりも低濃度で高
粘度を示し、より粗大粒子の沈降を防止でき、加えてザラツキ、ベトツキ感の弱いといっ
た微細繊維状セルロース特有の性質が発現する。このような特有の性質の発現には、特に
長さと幅の比(長径/短径)が重要であり、長さと幅の比(長径/短径)は5〜400、
好ましくは10〜400、より好ましくは20〜400である。
本発明において、微細繊維状セルロース複合体は、前記、微細繊維状セルロースと水溶
性高分子を配合して得られる水分散性セルロースで、その製造法は後述する結晶セルロー
ス複合体の実施例と同様の方法の他、他の例としては、特開2004−41119号公報
記載の方法がある。
上記の水溶性高分子は、冷水および/もしくは温水に溶解もしくは膨潤する高分子であ
り、乾燥時におけるセルロース同士の角質化を防止する作用を有するものである。具体的
にはアラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カードラン、ガッテ
ィーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒天、グアーガム、酵素分解グアーガム、クイン
スシードガム、ジェランガム、ゼラチン、タマリンド種子ガム、難消化性デキストリン、
トラガントガム、ファーセルラン、プルラン、ペクチン、ポリデキストロース、水溶性大
豆多糖類、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの金属塩、メチル
セルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどから選ばれた1種または2種以上の物質が使
用される。中でもカルボキシルメチルセルロース・ナトリウムが好ましい。
<肉>
本発明における、加工食品の原料となる肉は、動物性で、食することのできるものであ
る。肉の一例としては、豚、牛、馬、山羊、羊、鶏、アヒル、七面鳥、鶉、ダチョウ、猪
、鹿、熊、兎、マグロ、タイ、サケ、タラ、スケソウダラ、カツオ、カレイ、ヒラメ、ブ
リ、ハマチ、サメ、サンマ、サバ、アジ、イワシ、カンパチ、エビ、タコ、イカ、エイ、
エソ、タチウオ、ホッケ、ニシン、ハモ、サワラ、ホタテ、などの肉が挙げられる。好ま
しい肉としては、容易に入手可能であることから、豚、牛、鶏、馬、羊、マグロ、タイ、
タラ、スケトウダラ、アジ、イワシ、エビ、イカ、エソの肉であり、さらに好ましくは豚
、牛、鶏、マグロ、スケトウダラ、アジ、イワシ、エビ、エソの肉である。これらの肉を
単独で使用してもよいし、牛豚合挽きミンチや魚肉のすり身のように、2種以上を組み合
わせて使用してもよい。肉の形態としては、スライス、ブロック、ミンチ、すり身状等で
も何でもよいが、肉部分で調味料部分を被覆する加工工程を考慮すると、ミンチ、すり身
の状態が好ましい。
<肉加工食品>
肉加工食品とは、肉を、必要に応じて他の構成素材と混合し、これらと混ぜ合わせて製
造される食品を意味する。混ぜ合わせる素材としては、肉類どうしを混ぜ合わせることの
他に、卵、大豆、大豆食品等の第一群、牛乳、乳製品、海藻や小魚等の第二群、緑黄色野
菜等の第三群、淡色野菜、果物等の第四群、砂糖、穀類、イモ類の第五群、油脂類等の第
六群等の基礎食品群や、その他調味料、香辛料、増粘多糖類等、酸化防止剤、着色料、保
存料、日持ち向上剤、酸味料、甘味料、香料、強化剤、乳化剤、品質改良剤、酵素、かん
すい等が挙げられる。加工食品の形態としては、混ぜ合わせた食材を成型しただけの状態
でもよいし、これを鉄板、オーブン、フライヤー、蒸し器、スチーム、電子レンジ、直火
等で加熱調理した状態でもよいし、これをさらに冷蔵、常温、冷凍で保存した状態でもよ
く、要はそのまま或いは簡単に調理するだけで食することのできる状態であれば、あらゆ
る状態を含む。
肉加工食品の一例としては、ハム、ソーセージ、肉団子(ミートボール)、コーンビー
フ、つくね、ハンバーグ、メンチカツ、コロッケや、ミートローフ、グラタン、パスタ、
ラザニア、ドリアなどのミートソース、シュウマイ、餃子、ロールキャベツ、肉まん、マ
ーボー、坦坦麺の具、すり身、つみれ、蒲鉾、ちくわ、はんぺん、揚げ蒲鉾、さつま揚げ
、缶詰などが挙げられる。これらの肉加工食品のうち、肉部分が調味料部分を被覆してい
る場合は、本発明の肉加工食品に該当する。
<肉部分に含まれるセルロース>
肉部分にセルロースを含ませることによって、セルロースおよび水で肉の一部を代替す
ることが可能である。さらに、セルロースを含む肉部分は、セルロースを含まない肉部分
と比較して、セルロースが肉と肉の間に入りこんでスペーサーとしての役目を果たすこと
から、肉の結着を防ぎ、ふっくらとした、ジューシーな食感とすることができる。また、
肉部分によって被覆された調味料部分を構成する調味料の一部が、肉部分を破壊して外に
飛び出すのを防ぐ効果を奏する。これは、セルロースによって肉部分に小さな通気孔が形
成され、加熱により、中の調味料が膨張した際に、発生した水蒸気等を適度に逃がすため
と推定しているが、機序はこれに限定されない。
本発明の肉加工食品は、肉部分にセルロースを含有することによって、加熱後に肉にふ
っくらとした食感を付与する効果も有するため、肉加工食品が、加熱の工程を経た形態で
あるか、調理時に加熱する形態であることが好ましい。
また、調味料部分が調味料以外にさらにセルロースを含む場合は、調味料ののど越しが
良く、調味料の肉へのからまりが良好になるとの効果も有する。
肉部分に配合するセルロースは、上述のセルロースの中でも、ざらつきやのど越しの点
において、結晶セルロースであることが好ましい。特に、肉加工食品を加熱した際の、肉
部分の収縮を防ぎ、ふっくらした食感を付与できる点において、結晶セルロース粉末が好
ましい。乾燥粉末の好ましい平均粒子径は、前述のとおり20μm以上である。結晶セル
ロース粉末の中でも、特にかさ密度が小さいものが、加熱時の肉加工食品から調味料の漏
れを防ぐ点において、特に好ましい。これについては、次項目で述べる。
<セルロース粉末のかさ密度>
本発明において、セルロースを粉末状で使用する際の、当該セルロースのかさ密度の値
は、0.1〜0.6g/cmであることが好ましい。この値は、第十五改正日本薬局方
解説書(廣川書店発行)に記載のボリュームメーターにて測定される。より好ましくは、
0.5g/cm以下であり、さらに好ましくは0.3g/cm以下であり、特に好ま
しくは0.2g/cm以下であり、格別に好ましくは0.15g/cm以下である。
下限としては、0.11g/cm以上がより好ましい。この範囲の値であれば、肉部分
の収縮を抑制し、ふっくらとした食感となるからである。入手可能な製品としては、例え
ばセオラス(登録商標)ST−100(旭化成ケミカルズ社製)があげられる。
<セルロースの配合量>
肉部分における、セルロースの配合量は、0.01質量%以上であることが好ましい。
より好ましくは0.1%質量以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、特
に好ましくは0.5質量%以上であり、格別に好ましくは1質量%以上である。上限とし
ては、10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましく
は4質量%以下である。この範囲内であれば、食感にざらつき等の悪影響を及ぼすことな
く、好適な効果を奏することができる。なお、本発明において、肉部分のセルロースの配
合量は、肉加工食品を加熱ないし焼成する前の肉部分の、水分を含めた総質量に対するセ
ルロースの質量比をいう。
<肉と調味料の配合比>
肉加工食品中に含まれる調味料部分は、50質量%以下であることが好ましい。さらに
好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。下限として
は、1質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、特に好ましくは10
質量%以上である。この範囲であれば、肉加工食品に好適な味付けをすることができ、さ
らに調味料部分を漏れることなく肉部分内に留めることができる。そのため、喫食時にナ
イフや箸等でカットした際、肉と調味料とが適度に絡まり、馴染みやすくなるため、好ま
しい。なお、本発明において、肉と調味料の配合比は、加熱ないし焼成前のそれぞれの水
分を含む総質量に基づいて計算する。
<被覆>
本発明の肉加工食品は、調味料部分が、肉部分で完全に被覆された状態の肉加工食品で
ある。例えば、固体状の調味料からなる調味料部分の表面がすべて肉部分に接触している
態様は本発明に含まれる。これに対して、調味料等を肉に練り込んで肉にバラバラに配合
した肉加工食品は、該肉加工食品の表面に位置する微細な調味料部分が肉部分で完全には
被覆されないため、本発明には含まれない。また、調味料等を肉に練り込んで肉にバラバ
ラに配合した肉加工食品を肉以外のもの、例えば餃子の皮等で被覆した肉加工食品は本発
明には含まれない。ただし、肉に調味料を練り込んだ調味料部分を、セルロースを含み調
味料を含まない肉部分で被覆した態様であれば、本発明に含まれる。
<チーズ>
本発明において、チーズは、乳を含み、凝固または発酵、加熱、濃縮等の加工工程を経
たものを意味する。室温において流動性を有するチーズのことを、特にチーズソースとも
いう。乳の原料としては、牛、ラクダ、ロバ、羊、ヤギ、ウマ、トナカイ、ヤク等、食す
ることができるものであれば、なんでもよい。形態は、固形でもソース等の液状でもよい
。また、種類は、ナチュラルチーズでも、プロセスチーズでもどちらでも構わない。一般
的に入手可能なものとしては、例えば、モッツァレラチーズ、チェダーチーズ、クリーム
チーズ、ブルーチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、マスカルポーネチーズ、ゴーダチーズ、
カマンベールチーズ、カッテージチーズ、リコッタチーズ等があげられるが、食すること
が出来るものであれば、何でもよい。好ましくは、肉との相性と、入手が容易なことから
、チェダーチーズ、クリームチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、ゴーダチーズ、モッツァレ
ラチーズ、カマンベールチーズ等があげられる。
<調味料中に配合するセルロース>
本発明の肉加工食品においては、調味料中部分にセルロースを配合してもよい。調味料
部分に配合するセルロースは、上述のセルロースの中でも、ざらつきやのど越しの点にお
いて、結晶セルロースが好ましい。特に、調味料とのなじみや、分散のしやすさの点にお
いて、結晶セルロース複合体が好ましい。中でも、結晶セルロースと複合化する水溶性高
分子として、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラヤガム、ジ
ェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸およびサイリウムシード
ガムから選ばれたものを1つ以上複合化したものであれば、肉と混合する際、均一に分散
しやすいため、特に好ましい。より好ましくは、キサンタンガム、カルボキシメチルセル
ロースナトリウム、カラヤガムおよびサイリウムシードガムから選ばれるものを1つ以上
複合化したものである。これらは、セルロースとの複合化が促進されやすいからである。
<調味料中に配合するセルロースの配合量>
調味料部分に配合するセルロースの配合量としては、0.01質量%以上が好ましい。
より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。上
限としては、10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好
ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。この範囲内であれば
、セルロースを配合しても、食べた時にざらつきを感じることなく、後述する応力の、熱
による低下をより防ぐことができるからである。なお、本発明において、調味料中に配合
するセルロースの配合比は、加熱ないし焼成前の、水分を含む調味料の総質量に対するセ
ルロースの質量比として計算する。
<調味料の肉加工食品への配合方法>
本発明の肉加工食品は、調味料部分が肉部分で被覆された形態である。調味料は、25
℃で固体状および/または液体状である。25℃で固体状の調味料は、室温あるいは0〜
10℃雰囲気下で、特別な処理をすることなく、肉部分で調味料部分を被覆することが可
能である。一方、25℃で液体状の調味料は、流動性が高くなるほど肉部分で被覆するこ
とが困難である。このような場合は、調味料を冷凍することによって一時的に固体状にす
るか、またはゲル化剤を添加して、固体状にした上で、肉部分で被覆することが好ましい
調味料部分を肉部分で被覆する方法としては、薄く広げた肉部分の上に調味料部分を載
せて手で包んでもよいし、包餡機等を用いて包んでもよい。
<応力値の比>
本発明において、調味料の応力の値は、動的粘弾性測定装置(ARES(製品名)、TA
インスツルメント製)を用いて測定することができる。測定方法としては、調味料のチキ
ソトロピー性を、セルは25mmコーンプレートを用い、サンプルをセルにセットし、温
度25℃と50℃において、Geometry TypeをW couetteまたはC
one plate、測定モードをThixotropic Loop、Initial
Shear Rateを1s−1、Final Shear Rateを200s−1
、Zone timeを60s、Delay Before Testを600s−1
して測定する。25℃と50℃で測定した4s−1のときの応力値の比(以下、「応力比
」ともいう。)を、以下の式より求める。
応力値の比=(50℃の値)/(25℃の値)
上記式から求める応力値の比は、1以上であることが好ましい。より好ましくは、1.
5以上であり、さらに好ましくは3以上である。上限としては、10以下が好ましく、よ
り好ましくは5以下である。この範囲であれば、調味料が、加熱後も食感を大きく変える
ことなく、さらに肉加工食品と調味料とがよくなじむため、喫食する際に、肉加工食品と
調味料とが好適に馴染み、絡めて同時に喫食することができるため、味がよい。
<その他の加工食品>
本発明の肉加工食品は、さまざまな食品と併せることができる。応用できる食品の例と
しては、穀物や小麦粉製品、野菜、果物、肉類、水産物、豆類がある。これら以外にも、
プリン、ゼリー、ヨーグルトなどのデザート類、わらびもちや大福、おはぎ等の和菓子、
アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベットなどの冷菓、飲料、みつまめ、ヨーグル
トなどにアクセント付けとして添加される具材、嚥下障害者用食品、介護食、きざみ食、
とろみ食などのユニバーサルデザインフード、チュアパックゼリー等のゼリー状飲料、ソ
ース、タレ、ドレッシング、マヨネーズなどの調味料、各種練り調味料、米飯類、麺類、
パンやスポンジケーキ等の小麦粉食品、フルーツソース、フルーツプレパレーション、ジ
ャムなどの果実加工品、食品に区分される流動食類、健康食品や栄養強化食品、茶碗蒸し
や煮こごりなどのゲル状食品、豆腐や厚揚げ、煮豆、味噌、豆乳を用いた大豆食品、ホイ
ップクリームやチーズなどの乳製品、惣菜・弁当類、コーヒー、茶類、アイソトニック飲
料、牛乳、乳飲料、豆乳類、抹茶、ココア、しるこ、ジュースなどの通常飲料として摂取
されるもののゲル化物、ペットフード類などがあげられる。なお、レトルト食品、冷凍食
品、電子レンジ用食品等のように、形態または使用時の調製の加工手法が異なっていても
よい。
本発明の肉加工食品には、肉部分に肉・セルロース以外の成分(ただし、25℃で固体
状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味料、および25℃で液体状の調味料は除
く)を含んでいてもよく、調味料部分に、肉・調味料・セルロース以外の成分を含んでい
ても良い。
例えば、食品素材(豆・穀類及びその粉砕物、牛乳・乳製品、はっ酵乳、野菜、果物、
果汁、食用油脂等)、嗜好飲料(コーヒー、茶類、ジュース、乳飲料、豆乳等)、甘味料
、糖類、糖アルコール類、香料、色素、香辛料、酸味料、乳化剤、界面活性剤、保存料、
日持向上剤、抗菌剤、崩壊剤、消泡剤、発泡剤、pH調整剤、増粘安定剤、食物繊維、栄
養強化剤(ビタミン、ミネラル、アミノ酸類等)、エキス類、タンパク質、でんぷん類、
ペプチド、などが配合されていても良い。
本発明を、下記の実施例により説明する。ただし、これらは、本発明の範囲を制限する
ものではない。
まず、本発明の肉加工食品の物性評価について説明する。
<応力比>
本発明の調味料の応力の値は、動的粘弾性測定装置(ARES(製品名)、TAインス
ツルメント製)を用いて測定した。測定方法としては、調味料のチキソトロピー性を、セ
ルは25mmコーンプレートを用い、サンプルをセルにセットし、温度25℃と50℃に
おいて、Geometry TypeをW couette、測定モードをThixot
ropic Loop、Initial Shear Rateを1s−1、Final
Shear Rateを200s−1、Zone timeを60s、Delay B
efore Testを600s−1として測定する。25℃と50℃で測定した4s
のときの応力値の比を、以下の式より求めた。
応力の比=(50℃の値)/(25℃の値)
<調味料の漏れ>
肉加工食品からの調味料の漏れの割合を、最初に配合したソースの重量(仕込みのソー
ス重量)に基づいて、焼成後に肉加工食品の外部に漏れだしたソースの重量を測定し、次
の式に従って算出した。
漏れの割合[%]={(焼成後に漏れだしたソースの重量)/(仕込みのソースの重量
)}×100
算出した割合に基づいて、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:漏れが調味料の1質量%未満、○:漏れが、調味料の1質量%以上30質量%未満
、△:漏れが調味料の30質量%以上50質量%未満、×:漏れが調味料の50質量%以
<のどごし>
パネラーが焼成後の肉加工食品を、その中の調味料と絡めて試食した際に、調味料の食
感(ゲルの均一性、ざらつき)および肉の食感(口の中での肉のほぐれ、肉の硬さ)を総
合的に評価し、調味料が均一でざらつきがなく、肉がほぐれやすく硬くないものを好まし
いものとして、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:非常によい、○:よい、△:ふつう、×:悪い
<肉の食感(ふっくら感)>
パネラーが焼成後の肉加工食品を試食し、肉がふっくらとした食感を示すものを好まし
いものとして、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:非常によい、○:よい、△:ふつう、×:悪い
<調味料と肉の絡みと味の馴染み>
パネラーが焼成後の肉加工食品の中央部を、ナイフで二等分にカットし、調味料と絡ま
った肉加工食品を試食し、調味料と肉との絡み(外観)と味の馴染み(食感)について、
肉と調味料が絡み易くそれらの味も馴染んでいるものを好ましいものとして、以下の基準
に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:非常によい、○:よい、△:ふつう、×:悪い
(実施例1)
次の手順でチーズインハンバーグを作製した。まず、牛豚合挽きミンチ肉(牛:豚=7
0:30)を120g、豚脂30g、卵白液12g、パン粉16g、馬鈴薯デンプン2g
、上白糖2g、食塩1g、グルタミン酸Na0.6g、ブラックペッパー0.4g、水1
4g、セオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度0.12g/cm
)を2g入れ、フードミキサーで30秒間撹拌し、肉のパテを作成した。
また、市販のチーズソース(ハインツ製、チェダーチーズ)300gを、ウォーターバ
スで70℃に加熱しながら、セオラスDX−3(製品名、旭化成ケミカルズ製)を3g添
加し、スリーワンモーター(HEIDON製、BL−600)を用いて、300rpmで
5分間加熱した。このソース20gを型に入れ、5℃で冷やした後、−20℃で一晩冷凍
した。このチーズソースの応力比は3.3であった。
肉のパテを80gはかりとり、チーズソース20gを、均一な厚さとなるよう手で包み
、小判型に成型した。これを、220℃に予め熱したオーブンに入れ、10分間焼成した
。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料の漏れ、のどごし、肉の食感、調味料と肉
の絡まりは、いずれも◎であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、肉のパテを作製した。
調味料であるチーズソースは、何も添加せずに、20gを型に入れ、5℃で冷やした後
、−20℃で一晩冷凍した。このチーズソースの応力比は0.7であった。
肉のパテ80gで、チーズソース20gを、均一な厚さとなるよう手で包み、小判型に
成型した。これを、220℃に予め熱したオーブンに入れ、10分間焼成した。焼成後の
ハンバーグを評価した結果、調味料の漏れは○、のどごしは◎、肉の食感は◎、調味料と
肉の絡まりは△であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1に対し、セオラスST−100の配合量を4gにしたこと以外は同様として、
肉のパテを作製した。
肉のパテ80gで、実施例1と同様にして作製したチーズソース20gを同様にして包
み、チーズインハンバーグを作製し、焼成した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調
味料の漏れ、のどごし、肉の食感、調味料と肉の絡まりはいずれも◎であった。結果を表
1に示す。
(実施例4)
実施例1に対し、セオラスST−100の配合量を0.6gにしたこと以外は同様とし
て、肉のパテを作製した。
この肉80gで、実施例1と同様にして作製したチーズソース20gを同様にして包み
、チーズインハンバーグを作製し、焼成した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味
料の漏れは◎、のどごしは◎、肉の食感は○、調味料と肉の絡まりは◎であった。結果を
表1に示す。
(実施例5)
実施例1に対し、セオラスST−100の配合量を10gにしたこと以外は同様として
、肉のパテを作製した。
この肉80gで、実施例1と同様にして作製したチーズソース20gを同様にして包み
、チーズインハンバーグを作製し、焼成した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味
料の漏れは◎、のどごしは◎、肉の食感は○、調味料と肉の絡まりは○であった。結果を
表1に示す。
(実施例6)
実施例1と同様にして、肉のパテを作製した。
調味料であるチーズソースは、市販のチーズソース(ハインツ製、チェダーチーズ)3
00gを、ウォーターバスで70℃に加熱しながら、セオラスDX−3(製品名、旭化成
ケミカルズ製)を3gと、ゼラチン2gを添加し、スリーワンモーター(HEIDON製
、BL−600を用いて、300rpmで5分間加熱した。これを型に20g入れ、25
℃雰囲気下で3時間放冷してゲル状のチーズソースを作製した。このチーズソースの応力
比は3.3であった。
肉のパテ80gで、ゲル状のチーズソース20gを包み、チーズインハンバーグを作製
し、実施例1と同様にして焼成した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料の漏れ
、のどごし、肉の食感、調味料と肉の絡まりは、いずれも◎であった。結果を表1に示す
(実施例7)
実施例1と同様にして、肉のパテを作製した。
調味料であるチーズソースは、市販のチーズソース(ハインツ製、チェダーチーズ)3
00gを、ウォーターバスで70℃に加熱しながら、セオラスST−100(製品名、旭
化成ケミカルズ製)を3gを添加し、スリーワンモーター(HEIDON製、BL−60
0)を用いて、300rpmで5分間加熱した。これを型に20g入れ、実施例1と同様
にして、冷凍して、固形状のチーズソースを作製した。このチーズソースの応力比は1.
6であった。
肉のパテ80gで、チーズソース20gを包み、チーズインハンバーグを作製し、実施
例1と同様にして焼成した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料の漏れは○、の
どごしは○、肉の食感は◎、調味料と肉の絡まりは、○であった。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、肉に配合するセオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製
、嵩密度0.12g/cm)をセオラスFD−101(製品名、旭化成ケミカルズ製、
嵩密度0.29g/cm)にしたこと以外は同様にして、肉のパテとチーズソースを作
製して、チーズインハンバーグを作製した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料
の漏れは○、のどごしは◎、肉の食感は○、調味料と肉の絡まりは◎であった。結果を表
1に示す。
(実施例9)
実施例1において、肉に配合するセオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製
、嵩密度0.12g/cm)をセオラスDX−3(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密
度g/0.48cm)にしたこと以外は同様にして、肉のパテを作製した。チーズソー
スは、実施例7と同様にして作製した。これらを用いて、実施例1と同様にチーズインハ
ンバーグを作製した。焼成後のハンバーグを作成した結果、調味料の漏れは△、のどごし
は◎、肉の食感は○、調味料との絡まりは○であった。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、肉に配合するセオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製
、嵩密度0.12g/cm)をW−50(製品名、日本製紙KCフロック製、嵩密度0
.18g/cm)にしたこと以外は同様にして、肉のパテを作製した。調味料であるチ
ーズソースは、実施例1と同様にして作製した。これらを用いて、実施例1と同様にチー
ズインハンバーグを作製した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料の漏れは○、
のどごしは△、肉の食感は△、調味料と肉の絡まりは○であった。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、肉にセルロースを配合せずに、それ以外の配合と作製方法は同様に
して肉のパテを作成した。チーズソースは、実施例1と同様にして作製した。これらを用
いて、実施例1と同様にチーズインハンバーグを作製した。焼成後の評価は、調味料の漏
れ、のどごし、肉の食感、調味料と肉の絡まりはいずれも×であった。結果を表2に示す
(比較例2)
実施例1と同様にして、肉のパテ80gとチーズソース20gを作製した。これを、フ
ードプロセッサーに入れ、20秒間撹拌し、チーズソース入り(練り込み)肉パテを作製
した。これを、実施例1と同様にして成型し、焼成した。このチーズハンバーグを評価し
た結果、調味料の漏れは×、のどごしは○、肉の食感は○、調味料と肉の絡まりは×であ
った。結果を表2に示す。
Figure 0006744938
Figure 0006744938
本発明は、ソース・たれ等の調味料を含有する肉加工食品として使用できる。

Claims (3)

  1. 25℃で固体状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料からなる調味料部分を、結晶セルロースと肉とを含む混合物からなる肉部分で被覆した肉加工食品であって、
    前記肉部分に含まれる結晶セルロースは、密度の値が0.1〜0.3g/cmであり、
    前記調味料がセルロースを含み、前記調味料に含まれるセルロースの嵩密度の値が0.1〜0.6g/cm であることを特徴とする、肉加工食品。
  2. 前記調味料が、チーズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の肉加工食品。
  3. 前記調味料が、50℃/25℃の応力の比が1以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の肉加工食品。
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