JP3960369B2 - プロセスチーズ又はチーズフード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱軟化性を有し、糸曵き性の良好なプロセスチーズ又はチーズフード、及びその製造方法に関する。本発明のプロセスチーズ又はチーズフードは、加熱により軟化し、適度なオイルオフが生じて均一に溶融し、良好な糸曵き性を有するものであり、冷却後、再度加熱した際にも良好な糸曵き性を呈し、凍結保存可能で、シュレッド適性の良好なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ナチュラルチーズは加熱により軟化し、適度なオイルオフを生じて溶融し、良好な糸曵き性を有することが知られている。従来より、このようなナチュラルチーズの特性を有するプロセスチーズ又はチーズフードを製造する試みがなされており、例えば、原料チーズに安定剤を添加し、溶融塩を添加することなく、これを加熱殺菌し、次いで50〜100rpmの低速で撹拌して乳化する曵糸性チーズの製造方法(特開昭62−285755号公報)、ナチュラルチーズに安定剤と乳化調整剤を添加して、常法により撹拌しながら加熱、溶融、殺菌することを特徴とする熱軟化性及び曵糸性に優れたチーズの製造方法(特開平4−218334号公報)、原料チーズに溶融塩及びW/O乳化型の乳化に適した乳化剤を用いて加熱、溶融、乳化後、冷却、成形する曵糸性の良好な加工チーズの製造方法(特開平5−91834号公報)、原料チーズに安定剤及び溶融塩を添加し、これを30〜100rpmの低速で撹拌しながら混合、加熱、殺菌、乳化する曵糸性チーズの製造方法(特開平5−123104号公報)が提案されている。
上述のように、通常、プロセスチーズ又はチーズフードの製造は、ナチュラルチーズを粉砕し、溶融塩を添加して、加熱、溶融、乳化して得られた乳化物を冷却する工程を包含するものであり、加熱、溶融、乳化の工程によりその保存性は高められているものの、乳化によってナチュラルチーズ由来のタンパク質の構造が失われるため、ナチュラルチ−ズと同等の糸曵き性は発現されない。
さらに、上述の従来技術によって得られるプロセスチーズ又はチーズフードは糸曳き性は改善されているものの、加熱後、冷却したものを再度加熱した場合に、軟化して適度なオイルオフを生じて溶融しないため、良好な糸曳き性を示さず、さらにチーズが粘性を有しているためカットやシュレッドが容易でなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような現状において、プロセスチーズ又はチーズフードには、ナチュラルチーズが有するような、加熱により軟化し、適度なオイルオフを生じて溶融し、良好な糸曵き性を示すことが求められている。さらに、一度加熱し、冷却したチーズを再度加熱した場合にも熱軟化性を有し、良好な糸曵き性を示すことや良好なシュレッド適性を有することが求められている。
そこで、本発明は、加熱により軟化し、適度なオイルオフを生じて溶融し、良好な糸曵き性を呈するチーズ、また加熱後、冷却したものを再度加熱した場合にも熱軟化性を有し、良好な糸曵き性を示し、さらに良好なシュレッド適性を有するプロセスチーズ又はチーズフードを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述した課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、熟度指数12%以下のナチュラルチーズを原料チーズとし、これに溶融塩、ガム類及び微細結晶セルロースを添加し、回転数400〜1,400rpmで加熱乳化することにより得られるプロセスチーズ又はチーズフードが、熱軟化性を有し、糸曵き性が良好であることを見出した。さらに、このようにして得られるプロセスチーズ又はチーズフードは、加熱後、冷却したものを再度加熱した場合にも熱軟化性を有し、良好な糸曳き性を示し、シュレッド適性が良好であり、さらに凍結保存後も良好な糸曵き性を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明において、熱軟化性とは、加熱によって軟化し、適度なオイルオフを生じて溶融する状態をいう。
なお、プロセスチーズ又はチーズフードは加熱により軟化し、適度なオイルオフを生じて均一に溶融することにより、良好な糸曵き性を示すようになる。
【0005】
また、本発明においてオイルオフとは、加熱によりチーズの組織から油脂が遊離し表面に油膜が形成される状態をいい、オイルオフにより油膜が形成されることにより、チーズの表面には、いわゆる皮が生じないため、均一に溶融し、良好な糸曵き性を示すようになる。
また、本発明において糸曵き性とは、プロセスチーズ又はチーズフードを加熱、溶融して引き伸ばした時に糸を曳く性質をいう。
また、本発明においてシュレッド適性とは、プロセスチーズ又はチーズフードを切断した時に粘らずに、機械に付着することがなく、チーズ同士も結着しない性質をいう。
先にも述べたように、ナチュラルチーズに溶融塩を添加して加熱乳化すると、乳化によりナチュラルチーズ由来のタンパク質構造が失われる。このため、プロセスチーズ又はチーズフードでは、ナチュラルチーズの有する良好な熱軟化性及び糸曵き性は十分に発現できないが、本発明では、乳化時に回転数を400〜1,400rpmの中速から高速で撹拌することにより、ナチュラルチーズ由来のタンパク質構造を維持しつつ、均質な組織を有するプロセスチーズ又はチーズフードを得ることができる。
また、本発明では、溶融塩、ガム類とともに微細結晶セルロースを添加することにより、微細結晶セルロースがチーズ中に存在する水分を吸収し保持するため、加熱による水分の分離、蒸発を抑制でき、加熱後、冷却しても再加熱可能なプロセスチーズ又はチーズフードを得ることができる。
また、本発明では、微細結晶セルロースを用い、さらに熟度指標が特定の値を示す原料チーズを用いて乳化することにより、良好なシュレッド適性を有し、凍結保存可能なプロセスチーズ又はチーズフードを得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のプロセスチーズ又はチーズフードは、熟度指標が12%以下の原料チーズ、又は熟度指標を12%以下に調整した原料チーズに、溶融塩、ガム類及び微細結晶セルロースを添加し、加熱乳化することにより得ることができる。
本発明において、乳化は、通常プロセスチーズ又はチーズフードの乳化に用いることのできる乳化機、例えば、カッタータイプのステファン乳化釜等を用い、400〜1,400rpm、好ましくは、500〜1,300rpmの中速から高速で撹拌することが好ましい。加熱乳化時の回転数が400rpm未満では、乳化が十分に行われないことがあるので好ましくなく、回転数が1,400rpmを超えると乳化が進み過ぎ、加熱時に熱軟化性及び糸曵き性を示さないことがあるため好ましくない。
本発明において、原料チーズとしては、熟度指標が12%以下であるナチュラルチーズ、又は熟度指標を12%以下に調整したナチュラルチーズを用いる。このような原料チーズとしては、通常プロセスチーズ又はチーズフードの製造に用いることのできるナチュラルチーズであれば、いずれのものも用いることができ、例えば、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、モツァレラチーズ、ステッペンチーズ、エダムチーズ等を挙げることができる。この中でもゴーダチーズ、チェダーチーズ等の良好な糸曳き性を有する半硬質又は硬質チーズであって、低熟度のチーズを用いることが好ましい。
本発明において、溶融塩としては、通常プロセスチーズ又はチーズフードの製造に用いることのできる溶融塩であれば、いずれのものも用いることができ、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、モノリン酸ナトリウム等を挙げることができる。この中でも乳化作用が弱いクエン酸ナトリウム、モノリン酸ナトリウム等を用いることが好ましい。溶融塩の添加量は、原料チーズに対して0.1〜0.8重量%添加することが好ましい。添加量が0.1重量%未満では、乳化が良好に行われないことがあるため好ましくなく、添加量が0.8重量%を超えると乳化が進み過ぎ、熱軟化性及び糸曵き性を発現しなくなることがあるため好ましくない。
【0007】
本発明において、ガム類としては、例えば、ローカストビーンガム、グアガム、キサンタンガム等を挙げることができる。ガム類の添加量は、原料チーズに対して0.1〜0.7重量%添加することが好ましく、特に好ましくは0.2〜0.6重量%である。添加量が0.1重量%未満では、乳化時に離水が生じ、又加熱時に油膜が形成されないことがあるため好ましくなく、添加量が0.7重量%を超えると、水分離が生じたり、加熱時のオイルオフによる油膜が形成されないことがあるため好ましくない。
本発明において、微細結晶セルロースとしては、例えば、ソルカフロック300FCC(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)、アビセルRC−N81(旭化成工業社製)等を挙げることができる。微細結晶セルロースの添加量は、原料チーズに対して0.2〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.8重量%である。添加量が0.2重量%未満では、チーズ中の水分を保持することができず、再加熱したときに熱軟化性及び糸曳き性を示さないことがあるため好ましくなく、添加量が0.8重量%を超えると組織が粗く、やや粉っぽい食感となり、好ましくない。この外、得られる最終製品の目的に合わせ、例えば風味を調製する目的で香料等を添加することができる。
【0008】
【実施例】
実施例1(熟度指標に関する実施例)
ゴ−ダチ−ズ及びオ−ストラリアモツァレラチ−ズを原料チ−ズとして用い、粉砕、混合して熟度指標を8%、12%、15%、に調整した。混合チ−ズ50kgをステファン乳化釜(ステファン社製,カッタ−タイプ)に投入し、これに溶融塩としてクエン酸ナトリウム250g、ガム類としてロ−カストビ−ンガム150g、微細結晶セルロ−スとしてソルカフロック(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)200gをそれぞれ添加した後、回転数1,200rpmで15秒間予備乳化を行い、さらに、加熱しながら20秒間乳化し、その後回転数を600rpmに下げて80℃に到達するまで本乳化を行い、乳化物を得た。得られた乳化物を10kgずつカ−トンに充填し、冷蔵庫で48時間以上冷却し、製品とした。
なお、チーズの熟度指標は以下に示す式及び方法で測定した。
熟度指標(%)=(可溶性窒素量/全窒素量)×100
測定は、先ず試料液を調製する。原料チーズ10gを採取し、それに0.5Nクエン酸ナトリウム40mlと蒸留水40mlを加え、ホモブレンダーで5分間磨砕後、メスフラスコに移し、蒸留水を加えて200mlに定容し、試料液とする。次いで試料液10mlを採取し、ケルダール法で全窒素量を測定する。さらに、試料液10mlに1.41N塩酸を10ml加えた後、蒸留水で125mlに定容し、生成したタンパク質沈殿物を濾過し、濾液10mlを採取し、ケルダール法で可溶性窒素量を測定する。
【0009】
試験例1
実施例1で得られたプロセスチーズについて、(1)熱軟化性とオイルオフ、(2)糸曵き性、(3)冷凍保存適性、(4)シュレッド適性について以下に示す方法で試験を行った。
(1)熱軟化性とオイルオフ
チ−ズを8mm×30mmにシュレッドし、予め切れ目を入れた角食パンの上に80g乗せ、電気オ−ブント−スタ−(950W、商品名:三菱BO−A3型、三菱電機社製)で2分15秒加熱後、チ−ズの表面に滲みでた油(オイルオフ)及びチ−ズの熱軟化性を目視で評価した。
さらに、一度加熱したチ−ズを密封し、10℃の冷蔵庫に24時間放置後、上記と同様にして電気オ−ブント−スタ−で再度2分15秒加熱してオイルオフ及び熱軟化性を評価した。
なお、評価は、適度にオイルオフが生じて軟化しているものを大変好ましい:5点とし、これを最高点として、好ましい:4点、どちらともいえない:3点、好ましくない:2点、全く好ましくない:1点とし、その平均点で示した。
(2)糸曵き性
(1)の熱軟化性とオイルオフの試験において加熱したパンの両端を引っ張り、チ−ズの切れるまでの距離を測定した。
(3)冷凍保存適性
チ−ズを8mm×30mmにシュレッドし、−20℃で1週間凍結保存後、上記(1)及び(2)の試験を行った。
(4)シュレッド適性
チ−ズを8mm×30mmにシュレッドし、10℃で1ヶ月間保存後チ−ズ同士の結着状態を評価した。
なお、評価は、チ−ズ同士が結着しないものを大変好ましい:5点とし、これを最高点として、好ましい:4点、どちらともいえない:3点、好ましくない:2点、全く好ましくない:1点とし、その平均点で示した。
以上の結果を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
さらに、市販品のシュレッドナチュラルチーズ(市販品A、B)及びプロセスチーズ(市販品C)についても同様の試験を行った。
その結果を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
熱度指標が12%以下の場合、加熱時及び再加熱時に軟化し、適度なオイルオフが生じて溶融し、良好な糸曳き性を有し、シュレッド適性が良好で、冷凍保存可能なプロセスチーズが得られた。
また、市販のナチュラルチーズは加熱時の熱軟化性、糸曳き性は良好なものの、再加熱時では、熱軟化性及び糸曳き性が低下し、冷凍保存適性及びシュレッド適性も好ましい評価が得られなかった。
【0014】
実施例2
熟度指標が8.5%のゴーダチーズ25kg及び熟度指標が10%であるオーストラリアモツァレラチーズ25kgを粉砕、混合し、ステファン乳化釜に投入し、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを250g、ガム類としてローカストビーンガム150g及び微細結晶セルロースとしてソルカフロック(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)200gを添加した後、表3に示す回転数で15秒間予備乳化を行い、さらに加熱しながら20秒間乳化し、その後回転数を下げて80℃に到達するまで本乳化を行い、乳化物を得た。得られた乳化物を10kgずつカートン充填し、冷蔵庫で48時間以上冷却し、製品とした。
【0015】
試験例2
試験例1と同様の方法で、熱軟化性とオイルオフ、糸曳き性、冷凍保存適性及びシュレッド適性について試験を行った。
結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】
予備乳化時の回転数が1,200〜1,500rpmであり、本乳化時の回転数が400〜500rpmであるとき、加熱時又は再加熱時に軟化し、適度なオイルオフが生じて溶融し、良好な糸曳き性を有し、シュレッド適性が良好で、冷凍保存可能なプロセスチーズが得られた。なお、この乳化条件での乳化時間は約3分と短時間であった。
一方で、予備乳化時の回転数が1,100rpm、本乳化時の回転数が600rpmであるとき、加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフが生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかった。また、チ−ズが結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性が悪かった。
さらに、予備乳化時の回転数が1,500rpm、本乳化時の回転数が300rpmであるとき、加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかった。さらにまた、チーズが結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性が悪かった。
【0018】
実施例3
熟度指標が8.5%のゴーダチーズ25kg及び熟度指標が10%のオーストラリアモツァレラチーズ25kgを粉砕し、混合し、ステファン乳化釜に投入し、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを25g、50g、200g、400g、500g、ガム類としてロ−カストビ−ンガム150g及び微細結晶セルロ−スとしてソルカフロック(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)200gを添加した後、1,200rpmで15秒間予備乳化を行い、さらに加熱しながら20秒間乳化し、その後回転数を600rpmに下げて80℃に到達するまで本乳化を行い、乳化物を得た。得られた乳化物を10kgずつカートンに充填し、冷蔵庫で48時間以上冷却し、製品とした。
【0019】
試験例3
試験例1と同様の方法で、熱軟化性とオイルオフ、糸曳き性、冷凍保存適性及びシュレッド適性について試験を行った。
結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】
クエン酸ナトリウム添加量が0.1〜0.8重量%では,加熱時又は再加熱時に軟化し、適度なオイルオフが生じて溶融し、良好な糸曳き性を有し、シュレッド適性が良好で、冷凍保存可能なプロセスチ−ズが得られた。
一方で、クエン酸ナトリウム添加量が0.05重量%では、良好に乳化を行うことができず、得られたプロセスチーズも加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかった。また、チーズが結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性は悪かった。
さらに、クエン酸ナトリウム添加量が1.0重量%では、加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかった。さらにまた、チーズが結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性が悪かった。
【0022】
実施例4
熟度指標が8.5%のゴーダチーズ25kg及び熟度指標が10%のオーストラリアモツァレラチーズ25kgを粉砕し、混合し、ステファン乳化釜に投入し、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを250g、ガム類としてローカストビーンガムを25g、50g、150g、350g、400g及び微細結晶セルロースとしてソルカフロック(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)200gを添加した後、1,200rpmで15秒間に予備乳化を行い、さらに加熱しながら20秒間乳化し、その後回転数を600rpmに下げて80℃に到達するまで本乳化を行い、乳化物を得た。得られた乳化物を10kgずつカートンに充填し、冷蔵庫で48時間以上冷却し、製品とした。
【0023】
試験例4
試験例1と同様の方法で、熱軟化性とオイルオフ、糸曳き性、冷凍保存適性及びシュレッド適性について試験を行った。
結果を表5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】
ロ−カストビーンガム添加量が0.1〜0.7重量%では、加熱時又は再加熱時に軟化し、適度なオイルオフが生じて溶融し、良好な糸曳き性を有し、シュレッド適性が良好で、冷凍保存可能なプロセスチーズが得られた。
一方で、ローカストビーンガムの添加量が0.05重量%では、得られたプロセスチーズが加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかった。また、チーズ同士が結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性が悪かった。
さらに、ローカストビーンガム添加量が0.8重量%では、加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかった。さらにまた、チーズが結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性が悪かった。
【0026】
実施例5
熟度指標が8.5%のゴーダチーズ25kg及び熟度指標が10%のオーストラリアモツァレラチーズ25kgを粉砕し、混合し、ステファン乳化釜に投入し、溶融塩としてクエン酸ナトリウムを250g、ガム類としてローカストビーンガムを150g及び微細結晶セルロースとしてソルカフロック(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)50g、100g、250g、500g、600gを添加した後、1,200rpmで15秒間予備乳化を行い、さらに加熱しながら20秒間乳化し、その後回転数を600rpmに下げて80℃に到達するまで本乳化を行い、乳化物を得た。得られた乳化物を10kgずつカートンに充填し、冷蔵庫で48時間以上冷却し、製品とした。
【0027】
試験例5
試験例1と同様の方法で、熱軟化性とオイルオフ、糸曳き性、冷凍保存適性及びシュレッド適性について試験を行った。
結果を表5に示す。
【0028】
【表6】
【0029】
微細結晶セルロ−ス添加量が0.2〜1.0重量%では、加熱時又は再加熱時に軟化し、適度なオイルオフが生じて溶融し、良好な糸曳き性を有し、シュレッド適性が良好で、冷凍保存可能なプロセスチ−ズが得られた。
一方で、微細結晶セルロ−ス添加量が0.1重量%では、得られたプロセスチ−ズが加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性も示さなかった。また、チ−ズ同士が結着してしまい、冷凍保存後も糸曳き性は悪かった。特に、再加熱した際にはプロセスチ−ズの水分が蒸発してしまい、熱軟化性を示さず、糸曳き性が悪く、チ−ズ同士が結着し、シュレッド適性も悪かった。
さらに、微細結晶セルロ−ス添加量が1.2重量%では、プロセスチ−ズの組織が粗くなり、加熱時又は再加熱時に軟化して適度なオイルオフを生じることがなく、良好な糸曳き性を示さなかったが、シュレッド適性は向上した。
【0030】
実施例6
熟度指標が8.5%のゴーダチーズ25kg及び熟度指標が10%のオーストラリアモツァレラチーズ25kgを粉砕し、混合し、ステファン乳化釜に投入し、これに乳蛋白質2.5kg、植物性油脂2.5kg、溶融塩としてクエン酸ナトリウム250g、ガム類としてローカストビーンガム150g及び微細結晶セルロースとしてソルカフロック(カルタ−・フ−ドサイエンス社製)200gをそれぞれ添加した後、回転数1,200rpmで15秒間に予備乳化を行い、さらに加熱しながら20秒間乳化し、その後回転数を600rpmに下げて80℃に到達するまで本乳化を行い、乳化物を得た。得られた乳化物を10kgずつカートンに充填し、冷蔵庫で48時間以上冷却し、製品とした。
【0031】
試験例6
試験例1と同様の方法で、熱軟化性とオイルオフ、糸曳き性、冷凍保存適性及びシュレッド適性について試験を行った。
結果を表7に示す。
【0032】
【表7】
【0033】
実施例6では、加熱時又は再加熱時に軟化し、適度なオイルオフが生じて溶融し、良好な糸曳き性を有し、シュレッド適性が良好で、冷凍保存可能なチ−ズフ−ドが得られた。
【0034】
【本発明の効果】
本発明によれば、熱軟化性を有し、糸曳き性の良好なプロセスチ−ズ又はチ−ズフ−ドを提供することができる。本発明のプロセスチ−ズ又はチ−ズフ−ドは、加熱により軟化し、適度なオイルオフが生じても均一に溶融し、良好な糸曳き性を示すものであり、冷却後、再度加熱した際にも良好な糸曳き性を示し、シュレッド適性が良好であり、さらに凍結保存が可能である。
Claims (2)
- 原料チーズに対して溶融塩を0.1〜0.8重量%、ガム類を0.1〜0.7重量%及び微細結晶セルロースを0.2〜1.0重量%含有せしめることを特徴とするプロセスチーズ又はチーズフード。
- 熟度指標が12%以下、又は熟度指標を12%以下に調整した原料チーズに、溶融塩を0.1〜0.8重量%、ガム類を0.1〜0.7重量%及び微細結晶セルロースを0.2〜1.0重量%添加し、400〜1,400rpmの中速から高速で加熱乳化することを特徴とするプロセスチーズ又はチーズフードの製造方法。
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