JP2016136888A - 固体状または液体状の調味料を含有する肉加工食品 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)25℃で固体状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料からなる調味料部分を、セルロースと肉とを含む混合物からなる肉部分で被覆した肉加工食品。
(2)前記調味料が、チーズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の肉加工食品。
(3)前記調味料が、セルロースを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の肉加工食品。
(4)前記調味料が、50℃/25℃の応力の比が1以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の肉加工食品。
調味料は、味付けを目的とした、食することができるものを意味する。例えば、甘味料、うま味調味料、香辛料などがある。具体的には、砂糖類、塩類、酢、醤油、味噌類、胡椒、ゆず胡椒、醤類(豆板醤、XO醤、芝麻醤、甜麺醤、コチュジャン等)、めんつゆ、白だし、割り下、酒類、みりん、ソース類(中濃ソース、濃厚ソース、オイスターソース等)、ケチャップ、サルサソース、チリソース、サンバルソース、マスタード、マヨネーズ、油脂類、ラード、香辛料、ハーブ、カレー粉等があげられる。その他、肉惣菜に合うソース、たれ等の調味料としては、焼き肉のたれ、チーズ、デミグラスソース、ホワイトソース、ポン酢、照り焼きソース、ミートソース、カルボナーラソース、クリームソース、しょうがソース、にんにくソース、タルタルソース、カレーソース、おろしソースなど、食することができるものであれば、何でもよい。
本発明において用いられる調味料は、25℃で固体状かつ加工または調理時の加熱により流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料である。ここで、「固体状」は「ゲル状」を含み、「液体状」は「ゾル状」を含む。固体状と液体状のものを併せたものでもよい。調味料部分を肉部分で被覆する際の加工のしやすさから、調味料は25℃で固体状であることが好ましい。調味料が25℃で液体状、または固体状と液体状の混合物である場合は、肉部分で調味料部分を被覆する際の加工をしやすくするために、冷凍して固めた調味料部分として加工してもよい。また、ゲル化剤を加えて固体状の調味料にして加工してもよい。
特に断りのない限り、本発明の「セルロース」との用語は、当業者に通常受け入れられている定義に基づくセルロース、つまりD−グルコピラノースがβ1→4結合で連なった構造を持つ多糖類の総称(以下、「通常のセルロース」ということもある。)以外に、後述する結晶セルロース複合体、及び微細繊維状セルロース複合体、並びにそれらの混合物を意味するものとして用いられる。
本発明で使用できる粉末セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを処理した後、精製し、機械的に粉砕したものである。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の、粉末セルロースに該当するものである。当該粉末セルロースの平均重合度は、440より大きいと規定されている。この値は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)の確認試験(3)に記載の、銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。当該粉末セルロースとしては、例えば、日本製紙(株)製の、KCフロックシリーズなどが挙げられる。
本発明で使用できる結晶セルロースとは、繊維性植物からパルプとして得たα−セルロースを酸で部分的に解重合し、精製したものである。例えば、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載の、結晶セルロースに該当するものである。結晶セルロースの平均重合度は、350以下であることが好ましい。この値は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)の、結晶セルロースの確認試験(3)に記載の、銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法に従い、測定することができる。より好ましくは、平均重合度が300以下である。300以下であれば、食品素材との馴染みがよいため好ましい。
本発明で使用する結晶セルロースは、粉末として利用することができる。本発明では、結晶セルロースが粉末化されているものを「結晶セルロース粉末」といい、前記の「粉末セルロース」とは区別される。結晶セルロース粉末は、例えば加水分解処理された天然セルロース系物質を乾燥することにより得られる。この場合、加水分解処理により得られる反応溶液から、加水分解処理されたセルロース系物質を含む固形分を単離し、これを適当な媒体に分散させて調製した分散液を乾燥してもよいし、また、同加水分解溶液がそのままの状態でセルロース分散液を形成している場合は、この分散液を直接乾燥してもよい。天然セルロース系物質は植物性でも、動物性でも、或いは微生物由来でもよく、例えば、木材、竹、コットン、ラミー、ホヤ、バガス、ケナフ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質であることが好ましい。原料として、上記物質のうち一種の天然セルロース系物質を使用してもよいし、二種以上を混合したものを使用してもよい。また、精製パルプの形態で使用することが好ましいが、パルプの精製方法には特に制限はなく、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等いずれのパルプを使用してもよい。
結晶セルロース粉末の平均粒子径(乾燥粉体、二次凝集体)は、20〜100μmであることが好ましい。当該結晶セルロースの平均粒子径の測定は、乾燥粉体で二次凝集体の状態で結晶セルロース粉末を篩上で振とうさせ、分画し、粒径に対する重量頻度を測定するような、公知の篩分けによる方法により行うことができる。典型的には、ロータップ式篩振盪機(平工作所製、シーブシェーカーA型)により、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより分画し、得られた粒度分布における累積重量50%粒径を、結晶セルロースの乾燥粉体の平均粒子径とすることができる。当該平均粒子径は、より好ましくは30μm以上であり、さらに好ましくは40μm以上であり、特に好ましくは50μm以上である。この範囲であれば、肉加工食品に配合すると、加熱による肉の収縮を抑制し、ふっくらとした食感に仕上げることができるからである。
本発明におけるセルロースの水分散体の平均粒子径は、3μm以上であることが好ましい。ここで、平均粒子径とは、粒子全体の体積に対して、積算体積が50%になるときの粒子の球形換算直径のことで、メジアン径とも呼ばれる。測定は、セルロースを0.1質量%濃度の純水懸濁液とし、該懸濁液を高せん断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」、処理条件:回転数15,000rpmX5分間)で分散させた水分散体を試料として、当該試料に対してレーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)を実施することで行う。当該レーザー回折法により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径を、前記のとおり、本発明のセルロースの水分散体の平均粒子径という。より好ましい粒子径の値は5μm以上であり、さらに好ましくは7μm以上である。上限としては、35μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、25μm以下がさらに好ましい。前記の範囲内であれば、肉加工食品に配合した際、ざらつきを感じにくいからである。
結晶セルロース複合体とは、主成分である結晶セルロースに水溶性高分子が複合化されたものである。複合化とは、結晶セルロースの表面が、水素結合等の化学結合により、水溶性高分子で被覆された形態を意味する。したがって、結晶セルロース複合体は、結晶セルロース粉末と水溶性高分子とを単に混合した状態ではなく、水溶性高分子が結晶セルロース表面を被覆した状態である。そのため、結晶セルロース複合体を水系媒体中に分散させると、該水溶性高分子が結晶セルロース表面から剥離することなく、表面から放射状に広がった構造を形成し、水中でコロイド状となる。このコロイド状で存在する結晶セルロース複合体は、それぞれの静電反発や立体反発、ファンデルワールス力等の相互作用によって、高次のネットワーク構造を形成することができる。
結晶セルロース複合体は、結晶セルロースが50質量%〜99質量%に対し、水溶性高分子を1〜50質量%含むことが好ましい。より好ましくは結晶セルロースが55質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは65質量%以上である。上限としては97質量%以下がより好ましく、95質量%以下であることがさらに好ましく、90質量%以下であることが特に好ましい。水溶性高分子のより好ましい配合比は、3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上である。この範囲内であれば、結晶セルロースと水溶性高分子の複合化が、促進されやすく、水不溶性成分の分散安定性や油の乳化安定性に効果を奏しやすいからである。
微細繊維状セルロースは、植物細胞壁を起源としたセルロース性物質を湿式で粉砕し、短繊維化し、高圧ホモジザイザーでより、長さ(長径)が0.5μm〜1mm、幅(短径)が2nm〜60μm、長さと幅の比(長径/短径)が5〜400にまで高度に微細化したセルロース性物質である。このようにセルロース性物質を高度に微細繊維状とすることで、分子同士の絡まりや網目構造が強固となり通常の結晶性セルロースよりも低濃度で高粘度を示し、より粗大粒子の沈降を防止でき、加えてザラツキ、ベトツキ感の弱いといった微細繊維状セルロース特有の性質が発現する。このような特有の性質の発現には、特に長さと幅の比(長径/短径)が重要であり、長さと幅の比(長径/短径)は5〜400、好ましくは10〜400、より好ましくは20〜400である。
本発明における、加工食品の原料となる肉は、動物性で、食することのできるものである。肉の一例としては、豚、牛、馬、山羊、羊、鶏、アヒル、七面鳥、鶉、ダチョウ、猪、鹿、熊、兎、マグロ、タイ、サケ、タラ、スケソウダラ、カツオ、カレイ、ヒラメ、ブリ、ハマチ、サメ、サンマ、サバ、アジ、イワシ、カンパチ、エビ、タコ、イカ、エイ、エソ、タチウオ、ホッケ、ニシン、ハモ、サワラ、ホタテ、などの肉が挙げられる。好ましい肉としては、容易に入手可能であることから、豚、牛、鶏、馬、羊、マグロ、タイ、タラ、スケトウダラ、アジ、イワシ、エビ、イカ、エソの肉であり、さらに好ましくは豚、牛、鶏、マグロ、スケトウダラ、アジ、イワシ、エビ、エソの肉である。これらの肉を単独で使用してもよいし、牛豚合挽きミンチや魚肉のすり身のように、2種以上を組み合わせて使用してもよい。肉の形態としては、スライス、ブロック、ミンチ、すり身状等でも何でもよいが、肉部分で調味料部分を被覆する加工工程を考慮すると、ミンチ、すり身の状態が好ましい。
肉加工食品とは、肉を、必要に応じて他の構成素材と混合し、これらと混ぜ合わせて製造される食品を意味する。混ぜ合わせる素材としては、肉類どうしを混ぜ合わせることの他に、卵、大豆、大豆食品等の第一群、牛乳、乳製品、海藻や小魚等の第二群、緑黄色野菜等の第三群、淡色野菜、果物等の第四群、砂糖、穀類、イモ類の第五群、油脂類等の第六群等の基礎食品群や、その他調味料、香辛料、増粘多糖類等、酸化防止剤、着色料、保存料、日持ち向上剤、酸味料、甘味料、香料、強化剤、乳化剤、品質改良剤、酵素、かんすい等が挙げられる。加工食品の形態としては、混ぜ合わせた食材を成型しただけの状態でもよいし、これを鉄板、オーブン、フライヤー、蒸し器、スチーム、電子レンジ、直火等で加熱調理した状態でもよいし、これをさらに冷蔵、常温、冷凍で保存した状態でもよく、要はそのまま或いは簡単に調理するだけで食することのできる状態であれば、あらゆる状態を含む。
肉部分にセルロースを含ませることによって、セルロースおよび水で肉の一部を代替することが可能である。さらに、セルロースを含む肉部分は、セルロースを含まない肉部分と比較して、セルロースが肉と肉の間に入りこんでスペーサーとしての役目を果たすことから、肉の結着を防ぎ、ふっくらとした、ジューシーな食感とすることができる。また、肉部分によって被覆された調味料部分を構成する調味料の一部が、肉部分を破壊して外に飛び出すのを防ぐ効果を奏する。これは、セルロースによって肉部分に小さな通気孔が形成され、加熱により、中の調味料が膨張した際に、発生した水蒸気等を適度に逃がすためと推定しているが、機序はこれに限定されない。
本発明において、セルロースを粉末状で使用する際の、当該セルロースのかさ密度の値は、0.1〜0.6g/cm3であることが好ましい。この値は、第十五改正日本薬局方解説書(廣川書店発行)に記載のボリュームメーターにて測定される。より好ましくは、0.5g/cm3以下であり、さらに好ましくは0.3g/cm3以下であり、特に好ましくは0.2g/cm3以下であり、格別に好ましくは0.15g/cm3以下である。下限としては、0.11g/cm3以上がより好ましい。この範囲の値であれば、肉部分の収縮を抑制し、ふっくらとした食感となるからである。入手可能な製品としては、例えばセオラス(登録商標)ST−100(旭化成ケミカルズ社製)があげられる。
肉部分における、セルロースの配合量は、0.01質量%以上であることが好ましい。より好ましくは0.1%質量以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、特に好ましくは0.5質量%以上であり、格別に好ましくは1質量%以上である。上限としては、10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以下である。この範囲内であれば、食感にざらつき等の悪影響を及ぼすことなく、好適な効果を奏することができる。なお、本発明において、肉部分のセルロースの配合量は、肉加工食品を加熱ないし焼成する前の肉部分の、水分を含めた総質量に対するセルロースの質量比をいう。
肉加工食品中に含まれる調味料部分は、50質量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、1質量%以上が好ましく、より好ましくは5質量%以上であり、特に好ましくは10質量%以上である。この範囲であれば、肉加工食品に好適な味付けをすることができ、さらに調味料部分を漏れることなく肉部分内に留めることができる。そのため、喫食時にナイフや箸等でカットした際、肉と調味料とが適度に絡まり、馴染みやすくなるため、好ましい。なお、本発明において、肉と調味料の配合比は、加熱ないし焼成前のそれぞれの水分を含む総質量に基づいて計算する。
本発明の肉加工食品は、調味料部分が、肉部分で完全に被覆された状態の肉加工食品である。例えば、固体状の調味料からなる調味料部分の表面がすべて肉部分に接触している態様は本発明に含まれる。これに対して、調味料等を肉に練り込んで肉にバラバラに配合した肉加工食品は、該肉加工食品の表面に位置する微細な調味料部分が肉部分で完全には被覆されないため、本発明には含まれない。また、調味料等を肉に練り込んで肉にバラバラに配合した肉加工食品を肉以外のもの、例えば餃子の皮等で被覆した肉加工食品は本発明には含まれない。ただし、肉に調味料を練り込んだ調味料部分を、セルロースを含み調味料を含まない肉部分で被覆した態様であれば、本発明に含まれる。
本発明において、チーズは、乳を含み、凝固または発酵、加熱、濃縮等の加工工程を経たものを意味する。室温において流動性を有するチーズのことを、特にチーズソースともいう。乳の原料としては、牛、ラクダ、ロバ、羊、ヤギ、ウマ、トナカイ、ヤク等、食することができるものであれば、なんでもよい。形態は、固形でもソース等の液状でもよい。また、種類は、ナチュラルチーズでも、プロセスチーズでもどちらでも構わない。一般的に入手可能なものとしては、例えば、モッツァレラチーズ、チェダーチーズ、クリームチーズ、ブルーチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、マスカルポーネチーズ、ゴーダチーズ、カマンベールチーズ、カッテージチーズ、リコッタチーズ等があげられるが、食することが出来るものであれば、何でもよい。好ましくは、肉との相性と、入手が容易なことから、チェダーチーズ、クリームチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、ゴーダチーズ、モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ等があげられる。
本発明の肉加工食品においては、調味料中部分にセルロースを配合してもよい。調味料部分に配合するセルロースは、上述のセルロースの中でも、ざらつきやのど越しの点において、結晶セルロースが好ましい。特に、調味料とのなじみや、分散のしやすさの点において、結晶セルロース複合体が好ましい。中でも、結晶セルロースと複合化する水溶性高分子として、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラヤガム、ジェランガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸およびサイリウムシードガムから選ばれたものを1つ以上複合化したものであれば、肉と混合する際、均一に分散しやすいため、特に好ましい。より好ましくは、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラヤガムおよびサイリウムシードガムから選ばれるものを1つ以上複合化したものである。これらは、セルロースとの複合化が促進されやすいからである。
調味料部分に配合するセルロースの配合量としては、0.01質量%以上が好ましい。より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上である。上限としては、10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは3質量%以下である。この範囲内であれば、セルロースを配合しても、食べた時にざらつきを感じることなく、後述する応力の、熱による低下をより防ぐことができるからである。なお、本発明において、調味料中に配合するセルロースの配合比は、加熱ないし焼成前の、水分を含む調味料の総質量に対するセルロースの質量比として計算する。
本発明の肉加工食品は、調味料部分が肉部分で被覆された形態である。調味料は、25℃で固体状および/または液体状である。25℃で固体状の調味料は、室温あるいは0〜10℃雰囲気下で、特別な処理をすることなく、肉部分で調味料部分を被覆することが可能である。一方、25℃で液体状の調味料は、流動性が高くなるほど肉部分で被覆することが困難である。このような場合は、調味料を冷凍することによって一時的に固体状にするか、またはゲル化剤を添加して、固体状にした上で、肉部分で被覆することが好ましい。
本発明において、調味料の応力の値は、動的粘弾性測定装置(ARES(製品名)、TAインスツルメント製)を用いて測定することができる。測定方法としては、調味料のチキソトロピー性を、セルは25mmコーンプレートを用い、サンプルをセルにセットし、温度25℃と50℃において、Geometry TypeをW couetteまたはCone plate、測定モードをThixotropic Loop、Initial Shear Rateを1s−1、Final Shear Rateを200s−1、Zone timeを60s、Delay Before Testを600s−1として測定する。25℃と50℃で測定した4s−1のときの応力値の比(以下、「応力比」ともいう。)を、以下の式より求める。
本発明の肉加工食品は、さまざまな食品と併せることができる。応用できる食品の例としては、穀物や小麦粉製品、野菜、果物、肉類、水産物、豆類がある。これら以外にも、プリン、ゼリー、ヨーグルトなどのデザート類、わらびもちや大福、おはぎ等の和菓子、アイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベットなどの冷菓、飲料、みつまめ、ヨーグルトなどにアクセント付けとして添加される具材、嚥下障害者用食品、介護食、きざみ食、とろみ食などのユニバーサルデザインフード、チュアパックゼリー等のゼリー状飲料、ソース、タレ、ドレッシング、マヨネーズなどの調味料、各種練り調味料、米飯類、麺類、パンやスポンジケーキ等の小麦粉食品、フルーツソース、フルーツプレパレーション、ジャムなどの果実加工品、食品に区分される流動食類、健康食品や栄養強化食品、茶碗蒸しや煮こごりなどのゲル状食品、豆腐や厚揚げ、煮豆、味噌、豆乳を用いた大豆食品、ホイップクリームやチーズなどの乳製品、惣菜・弁当類、コーヒー、茶類、アイソトニック飲料、牛乳、乳飲料、豆乳類、抹茶、ココア、しるこ、ジュースなどの通常飲料として摂取されるもののゲル化物、ペットフード類などがあげられる。なお、レトルト食品、冷凍食品、電子レンジ用食品等のように、形態または使用時の調製の加工手法が異なっていてもよい。
本発明の調味料の応力の値は、動的粘弾性測定装置(ARES(製品名)、TAインスツルメント製)を用いて測定した。測定方法としては、調味料のチキソトロピー性を、セルは25mmコーンプレートを用い、サンプルをセルにセットし、温度25℃と50℃において、Geometry TypeをW couette、測定モードをThixotropic Loop、Initial Shear Rateを1s−1、Final Shear Rateを200s−1、Zone timeを60s、Delay Before Testを600s−1として測定する。25℃と50℃で測定した4s−1のときの応力値の比を、以下の式より求めた。
肉加工食品からの調味料の漏れの割合を、最初に配合したソースの重量(仕込みのソース重量)に基づいて、焼成後に肉加工食品の外部に漏れだしたソースの重量を測定し、次の式に従って算出した。
漏れの割合[%]={(焼成後に漏れだしたソースの重量)/(仕込みのソースの重量)}×100
算出した割合に基づいて、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:漏れが調味料の1質量%未満、○:漏れが、調味料の1質量%以上30質量%未満、△:漏れが調味料の30質量%以上50質量%未満、×:漏れが調味料の50質量%以上
パネラーが焼成後の肉加工食品を、その中の調味料と絡めて試食した際に、調味料の食感(ゲルの均一性、ざらつき)および肉の食感(口の中での肉のほぐれ、肉の硬さ)を総合的に評価し、調味料が均一でざらつきがなく、肉がほぐれやすく硬くないものを好ましいものとして、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:非常によい、○:よい、△:ふつう、×:悪い
パネラーが焼成後の肉加工食品を試食し、肉がふっくらとした食感を示すものを好ましいものとして、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:非常によい、○:よい、△:ふつう、×:悪い
パネラーが焼成後の肉加工食品の中央部を、ナイフで二等分にカットし、調味料と絡まった肉加工食品を試食し、調味料と肉との絡み(外観)と味の馴染み(食感)について、肉と調味料が絡み易くそれらの味も馴染んでいるものを好ましいものとして、以下の基準に従い、◎、○、△、×で評価した。
◎:非常によい、○:よい、△:ふつう、×:悪い
次の手順でチーズインハンバーグを作製した。まず、牛豚合挽きミンチ肉(牛:豚=70:30)を120g、豚脂30g、卵白液12g、パン粉16g、馬鈴薯デンプン2g、上白糖2g、食塩1g、グルタミン酸Na0.6g、ブラックペッパー0.4g、水14g、セオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度0.12g/cm3)を2g入れ、フードミキサーで30秒間撹拌し、肉のパテを作成した。
実施例1と同様にして、肉のパテを作製した。
実施例1に対し、セオラスST−100の配合量を4gにしたこと以外は同様として、肉のパテを作製した。
実施例1に対し、セオラスST−100の配合量を0.6gにしたこと以外は同様として、肉のパテを作製した。
実施例1に対し、セオラスST−100の配合量を10gにしたこと以外は同様として、肉のパテを作製した。
実施例1と同様にして、肉のパテを作製した。
実施例1と同様にして、肉のパテを作製した。
実施例1において、肉に配合するセオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度0.12g/cm3)をセオラスFD−101(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度0.29g/cm3)にしたこと以外は同様にして、肉のパテとチーズソースを作製して、チーズインハンバーグを作製した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料の漏れは○、のどごしは◎、肉の食感は○、調味料と肉の絡まりは◎であった。結果を表1に示す。
実施例1において、肉に配合するセオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度0.12g/cm3)をセオラスDX−3(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度g/0.48cm3)にしたこと以外は同様にして、肉のパテを作製した。チーズソースは、実施例7と同様にして作製した。これらを用いて、実施例1と同様にチーズインハンバーグを作製した。焼成後のハンバーグを作成した結果、調味料の漏れは△、のどごしは◎、肉の食感は○、調味料との絡まりは○であった。結果を表1に示す。
実施例1において、肉に配合するセオラスST−100(製品名、旭化成ケミカルズ製、嵩密度0.12g/cm3)をW−50(製品名、日本製紙KCフロック製、嵩密度0.18g/cm3)にしたこと以外は同様にして、肉のパテを作製した。調味料であるチーズソースは、実施例1と同様にして作製した。これらを用いて、実施例1と同様にチーズインハンバーグを作製した。焼成後のハンバーグを評価した結果、調味料の漏れは○、のどごしは△、肉の食感は△、調味料と肉の絡まりは○であった。結果を表1に示す。
実施例1において、肉にセルロースを配合せずに、それ以外の配合と作製方法は同様にして肉のパテを作成した。チーズソースは、実施例1と同様にして作製した。これらを用いて、実施例1と同様にチーズインハンバーグを作製した。焼成後の評価は、調味料の漏れ、のどごし、肉の食感、調味料と肉の絡まりはいずれも×であった。結果を表2に示す。
実施例1と同様にして、肉のパテ80gとチーズソース20gを作製した。これを、フードプロセッサーに入れ、20秒間撹拌し、チーズソース入り(練り込み)肉パテを作製した。これを、実施例1と同様にして成型し、焼成した。このチーズハンバーグを評価した結果、調味料の漏れは×、のどごしは○、肉の食感は○、調味料と肉の絡まりは×であった。結果を表2に示す。
Claims (4)
- 25℃で固体状かつ加熱により流動性を有する状態となる調味料および/または25℃で液体状の調味料からなる調味料部分を、セルロースと肉とを含む混合物からなる肉部分で被覆した肉加工食品。
- 前記調味料が、チーズを含むことを特徴とする、請求項1に記載の肉加工食品。
- 前記調味料が、セルロースを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の肉加工食品。
- 前記調味料が、50℃/25℃の応力の比が1以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の肉加工食品。
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