JPH1028526A - チーズ類の製造方法 - Google Patents

チーズ類の製造方法

Info

Publication number
JPH1028526A
JPH1028526A JP20316696A JP20316696A JPH1028526A JP H1028526 A JPH1028526 A JP H1028526A JP 20316696 A JP20316696 A JP 20316696A JP 20316696 A JP20316696 A JP 20316696A JP H1028526 A JPH1028526 A JP H1028526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cheese
agar
gelling agent
heat resistance
water content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP20316696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Kato
正一 加藤
Koji Takaragawa
厚司 宝川
Minoru Ueda
実 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP20316696A priority Critical patent/JPH1028526A/ja
Publication of JPH1028526A publication Critical patent/JPH1028526A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dairy Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 食感、物性、加工特性、チーズ間の結着の防
止、耐熱性(焦げの防止)の改良されたチーズ類の製造
方法を提供する。 【解決手段】 水分量が高いチーズに、ゲル化剤とし
て、寒天を0.05〜1.5重量%添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食感、物性、加工
特性、結着(チーズ間の)の防止、耐熱性(焦げの防
止)において、改良されたチーズ類の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のチーズ類は安定剤として、主にロ
ーカストビーンガム、グアガム、まれにトラガントガ
ム、カラヤガム、キサンタンガム、加工澱粉、カルボキ
シメチルセルロース(CMC)等が使用されている。し
かし、この様な安定剤は、あくまでも安定剤としてであ
り、このような安定剤を使用したチーズの物性自体は、
チーズの持っている物性に近いものであり、食感、物
性、加工特性等の改善は殆ど期待できないものであっ
た。特に高水分のチーズでは、組織がやわらかいために
加工が難しく、また保存中の離水等の問題で品質の劣
化、それにともなうチーズ間の結着の問題、耐熱性(焦
げの防止)等の改善については、従来の安定剤では満足
し得る状態ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チーズの食
感、物性、加工特性、耐熱性(焦げの防止)、結着の改
良されたチーズ類の製造方法を提供することを課題とす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな問題の生ずる原因については鋭意検討したところ、
チーズにおける水分を充分なゲル組織で固めることによ
り、上記課題が解決されることを見い出し、本発明を完
成するに至った。即ち本発明は、水分量が高いチーズ
に、寒天を0.05〜1.5重量%添加することを特徴
とするチーズ類の製造方法を内容とする。
【0005】本発明で使用されるチーズとは、水分含量
が高いナチュラルチーズ、例えはクリームチーズやカマ
ンベール、ブリーチーズ、ヌーシャテル、カーテージチ
ーズ、モザレラチーズ、リーコッタチーズ等である。プ
ロセスチーズでも水分含量の高いナチュラルチーズを組
み合わせたものや、水分含量が高いチーズフードおよび
チーズスプレッドでも同様に使用される。ここでいう
「水分含量が高い」とは、チーズ中の水分含量が40〜
80%、好ましくは、50〜70%であることを指す。
【0006】チーズ以外の原料として、水、乳化剤(ク
エン酸塩、各種りん酸塩等)、中和剤(重炭酸ナトリウ
ム、クエン酸)、着色料、各種の脂肪、タンパク質、糖
質等や、副原料としてキャラウェー、セロリー、とうが
らし、パプリカ等の香辛料、ピメント、しその葉等の野
菜類、アーモンド等の乾果類、鮭、ハム、ベーコン等の
獣肉等を1種又は2種以上組み合わせて加えることも可
能である。
【0007】本発明において、ゲル化剤としての寒天は
チーズに対して0.05〜1.5重量部添加される。
0.05重量%未満では本発明の効果が充分に発揮され
ず、また1.5重量%を越えると粘度が高くなりすぎて
作業性が悪くなる。
【0008】本発明で使用されるゲル化剤としての寒天
に、食感改良等を目的として、他の安定剤およびゲル化
剤を併用することもできる。このような安定剤、ゲル化
剤としては、例えばカラギナン、ファーセレラン、アル
ギン酸等の海藻抽出物、ローカストビーンガム、タラガ
ム、グアガム、タマリンド種子多糖類、アラビアガム、
トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、澱粉、大豆蛋
白、小麦蛋白等の植物系天然高分子物質、キサンタンガ
ム、プルラン、デキストラン、カードラン、ジェランガ
ムなどの微生物産生天然高分子物質、ゼラチン、カゼイ
ン、アルブミン等動物系天然高分子物質、加工澱粉、カ
ルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセル
ロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロ
ピレングリコールエステル等の海藻抽出物加工品、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニル
メチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の合成高分
子物質等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上
組み合わせて用いられる。
【0009】本発明においてゲル化剤の添加方法として
は、チーズ及びその他の原料を複合する際に同時に添加
する方法、チーズの製造工程中において従来安定剤を加
える時期に添加する方法が挙げられる。いずれの場合に
おいても、寒天のグレードにもよるが、寒天の溶ける温
度、すなわち90℃以上の加熱工程を設け、寒天を添加
する必要がある。必要に応じて、併用する他の安定剤や
ゲル化剤についても同様である。
【0010】本発明の方法によれば、食感改良(固さの
調整)、物性の向上(チーズ本来の物性の向上)、加工
特性の向上(組織改良、離水の防止による結着の防
止)、耐熱性(焦げの防止)の改善がなされた優れたチ
ーズ類が得られる。
【0011】
【実施例】以下、実験例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するも
のではない。尚、以下の記載において、「%」及び
「部」は、特に断らない限り、それぞれ「重量%」、
「重量部」を表す。
【0012】実験例1:寒天と他の安定剤、ゲル化剤と
の比較 市販のクリームチーズに、カラギナン(0.2%)、
キサンタンガム(0.2%)とローカストビーンガム
(0.2%)、ペクチン(0.2%)、寒天(0.
5%)、寒天(0.5%)とローカストビーンガム
(0.2%)添加し、90℃にて10分間加熱攪拌溶解
し、容器に充填し下記の方法にてテストを行なった。結
果を表1に示す。
【0013】「テスト方法」 強度 :カードメーターにて破断強度を測定し
た。 作業性 :製造時における加熱攪拌溶解時のチーズ
の状態を観察した。 カットし易さ:チーズを包丁にて切るときのチーズの刃
付き、弾力性、固さによりカットし易さを評価した。 結着性 :得られたチーズを1辺が10mmの立方体
状に成型した物を200g、ポリエチレンの袋に入れ、
さらにセルロース粉末を2g入れてよく混合し、炭酸ガ
スと窒素ガスの混合ガスを吹き込みながら充填し、10
〜12℃の冷蔵庫に8週間保存し、立方体状チーズ同士
のブロッキング率を測定した。 焦げ度合い :得られたチーズを1辺が10mmの立方体
状に成型したものを5粒ずつ190℃のオーブンに入
れ、表面の焦げ始めまでの時間で示した。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明らかなように、カラギナンやキ
サンタンガムを使用すると、粘度が高いために作業性が
不良であった。またカットし易さにおいては、寒天以外
の安定剤、ゲル化剤を使用した場合は、刃付きが多いか
又は弾力性がありすぎ、カットが困難であった。また結
着性においても寒天が一番結着しにくいという結果とな
り、更に焦げ始めの時間も一番遅かった。
【0016】実験例2:寒天の量の比較 市販のクリームチーズに寒天を0〜2%の範囲で0.2
%刻みで添加し、90℃にて10分間加熱攪拌溶解し、
容器に充填し、実験例1と同じ方法にてテストを行なっ
た。結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】表2から明らかなように、作業性において
は、寒天の量が本発明の範囲内では良好で、1.4%で
はやや粘度が高かったが実用上問題はなかった。1.6
%以上になると粘度が高すぎて作業性が不良であった。
カットし易さにおいては、本発明の範囲内ではカットし
易く良好で、0.2%ではやや刃付きが認められたが実
用上は特に問題はなかった。1.6%以上では固すぎて
カットしにくかった。結着性は、0.6%以上では効果
はあまり変わらなかった。焦げ始める時間も0.4%以
上では効果はあまり変わらなかった。
【0019】実験例3:クリームチーズの製造中に添加
する場合の寒天と他の安定剤、ゲル化剤との比較 脂肪率12%のクリーム50Kgを65℃、30分殺菌後
140Kg/cm2 で均質化し、20℃まで冷却した。スタ
ーターを1%接種、微量のレンネットを添加し、pH4.
7に達するまで12〜16時間培養した。凝固したクリ
ームを攪拌しながら等量の90℃の熱水を徐々に添加
し、同時にジャケットを加熱して55℃まで加温した。
熱凝固カードの生成を確認した後40℃に冷却した。布
袋を通してホエーを排除し、袋内のカードは脱水を継続
した。ついで布袋を冷蔵庫に移し軽く圧搾し、このもの
を4つに分けた。次いで、最終チーズの重量で0.7%
食塩と、安定剤、下記〜のゲル化剤の水溶液を90
℃、10分間加熱攪拌溶解したものを、4つに分けたそ
れぞれのカードに加え65℃に加熱し混合した後、コロ
イドミルで均質化し、さらに75℃まで加熱して殺菌後
容器に熱時充填し、実験例1と同じ方法にてテストを行
なった。結果を表3に示す。
【0020】安定剤、ゲル化剤(最終チーズに対しての
量) ローカストビーンガム(0.5%) ローカストビーンガム(0.3%)とグアガム(0.
2%) 寒天(0.5%) 寒天(0.5%)とローカストビーンガム(0.2
%)
【0021】
【表3】
【0022】表3から明らかなように、ローカストビー
ンガムやグアガムを使用した場合は、粘度が高いために
製造が困難であった。またカットし易さにおいては、寒
天以外は刃付きがあり、また強度が弱く、カットが困難
であった。また結着性をみても寒天が一番結着しにくい
という結果となり、焦げ始めの時間も一番遅かった。
【0023】実施例1 クリームチーズ100部、寒天0.5部を90℃にて加
熱攪拌溶解し容器に入れ、冷却固化させ、1辺を10mm
の立方体状にダイスカットし、セルロース粉末1部を表
面にまぶした。こうして得られたチーズは、保形性もあ
り、カットし易く、結着も少なく、耐熱性(190℃で
12分までは焦げない)に優れ、食感も良好なものであ
った。
【0024】実施例2 カマンベールチーズ40部、クリームチーズ40部、ゴ
ーダチーズ5部、ナタネ硬化油5部、水10部、寒天
0.5部、ローカストビーンガム0.2部、りん酸塩
0.15部をステファンクッカーに入れ、1500rpm
で90℃まで加熱攪拌し、これを容器に充填し冷却固化
させた こうして得られたチーズは、保形性もあり、カットし易
く、結着も少なく、耐熱性(190℃で15分までは焦
げない)に優れ、食感も良好なものであった。
【0025】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、食感、
物性、加工特性、耐熱性(焦げの防止)に優れるととも
に、結着の防止されたチーズ類が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分量が高いチーズに、ゲル化剤とし
    て、寒天を0.05〜1.5重量%添加することを特徴
    とするチーズ類の製造方法。
  2. 【請求項2】 チーズを作る製造工程中に、寒天を0.
    05〜1.5重量%添加して加熱溶解する請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 チーズに他の原料を添加する請求項1又
    は2記載の製造方法。
JP20316696A 1996-07-11 1996-07-11 チーズ類の製造方法 Withdrawn JPH1028526A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20316696A JPH1028526A (ja) 1996-07-11 1996-07-11 チーズ類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20316696A JPH1028526A (ja) 1996-07-11 1996-07-11 チーズ類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1028526A true JPH1028526A (ja) 1998-02-03

Family

ID=16469548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20316696A Withdrawn JPH1028526A (ja) 1996-07-11 1996-07-11 チーズ類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1028526A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003102381A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 耐熱性及び耐水性を有するチーズ及びその製造方法
JP2004248667A (ja) * 2002-10-08 2004-09-09 Motoko Mizutani チーズスターターの製造方法および乳製品
JP2009100663A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Meiji Milk Prod Co Ltd チーズ類の製造法
JP2010022259A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Snow Brand Milk Prod Co Ltd チーズ様食品及びその製造方法
JP2010081864A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Kaneka Corp チーズ様食品
JPWO2009001443A1 (ja) * 2007-06-27 2010-08-26 ニチニチ製薬株式会社 発酵豆乳より得られるチーズ様食品とその製造法
JP2011072203A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Morinaga Milk Ind Co Ltd チーズ含有食品及びその製造方法
JP2019010036A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 伊那食品工業株式会社 チーズ加工食品

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003102381A (ja) * 2001-09-28 2003-04-08 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 耐熱性及び耐水性を有するチーズ及びその製造方法
JP2004248667A (ja) * 2002-10-08 2004-09-09 Motoko Mizutani チーズスターターの製造方法および乳製品
JPWO2009001443A1 (ja) * 2007-06-27 2010-08-26 ニチニチ製薬株式会社 発酵豆乳より得られるチーズ様食品とその製造法
JP2009100663A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Meiji Milk Prod Co Ltd チーズ類の製造法
JP2010022259A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Snow Brand Milk Prod Co Ltd チーズ様食品及びその製造方法
JP2010081864A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Kaneka Corp チーズ様食品
JP2011072203A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Morinaga Milk Ind Co Ltd チーズ含有食品及びその製造方法
JP2019010036A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 伊那食品工業株式会社 チーズ加工食品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6413569B1 (en) Use of isolated soy protein for making fresh, unripened cheese analogs
US7291356B2 (en) Process of making a homogeneous cheese
JP5883905B2 (ja) チーズ及びその製造方法
JP5308743B2 (ja) 二重機能性を有するプロセスチーズ製品
US11497225B2 (en) Cheese compositions and related methods
JP2004508840A (ja) 増粘剤を含むチーズの製造方法
WO2020218428A1 (ja) チーズ様食品およびその製造方法
JP5687675B2 (ja) プロセスチーズ類及びその製造方法
JPH1028526A (ja) チーズ類の製造方法
US4032669A (en) Cheese product and process for production
EP2117332B1 (en) Production of natural cheese product
JPH05276865A (ja) 乾燥チーズ及びその製造方法
AU2012216434B2 (en) Cheese with Enhanced Organoleptic and Melting Properties
JPH1099040A (ja) 冷凍できる豆腐及び冷凍豆腐の製造方法
JPH0640798B2 (ja) チーズ類
JP2001211826A (ja) プロセスチーズ及びその製造方法
JPH0142656B2 (ja)
JP2012050363A (ja) 耐熱保形性を有するスモークチーズ様食品
JP2004097066A (ja) 乾燥チーズの製造方法
JP6824656B2 (ja) 含気泡チーズ製品およびその製造方法
EP0498513B1 (en) Method of preparing simulated adipose tissue for use in meat products
JPH11289975A (ja) 薄片状チーズの製造方法
JP3409026B2 (ja) 耐熱性及び耐水性を有するナチュラルチーズ及びその製造方法
JPS6212975B2 (ja)
JPS63160548A (ja) 乾燥チ−ズ類の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031007