JP2019010036A - チーズ加工食品 - Google Patents

チーズ加工食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2019010036A
JP2019010036A JP2017128087A JP2017128087A JP2019010036A JP 2019010036 A JP2019010036 A JP 2019010036A JP 2017128087 A JP2017128087 A JP 2017128087A JP 2017128087 A JP2017128087 A JP 2017128087A JP 2019010036 A JP2019010036 A JP 2019010036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cheese
gum
molecular weight
average molecular
agar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017128087A
Other languages
English (en)
Inventor
翔 伊藤
Sho Ito
翔 伊藤
中村 昌敬
Masanori Nakamura
昌敬 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
INA Food Industry Co Ltd
Original Assignee
INA Food Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by INA Food Industry Co Ltd filed Critical INA Food Industry Co Ltd
Priority to JP2017128087A priority Critical patent/JP2019010036A/ja
Publication of JP2019010036A publication Critical patent/JP2019010036A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、従来問題であった、水分値を高くすると濃厚感、コク、旨みがなくなってしまうというチーズの問題点を解決し、低カロリーでありながら、濃厚感、コク、旨みを持つ高水分のチーズ加工食品を提供することを目的とする。【解決手段】水分値が75〜90重量%に調整されたチーズ様食品に、重量平均分子量200000〜800000のグアガム,重量平均分子量16000〜410000のタラガム、重量平均分子量26000〜440000のローカストビーンガムのいずれか1以上、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上のゲル化剤を添加し、且つ、テクスチャーアナライザーによるレオロジー測定において、破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secであるチーズ加工食品とする。【選択図】なし

Description

本発明は、高水分値(75%以上)のチーズにおいても保形性を有し、且つ濃厚感やコクやうまみを有するチーズ加工食品及びその製造方法に関する。
市販されているチーズは、ナチュラルチーズ、プロセスチーズに大別される。ナチュラルチーズには水分値が少ない(目安水分値38%以下)ハードタイプ、ハードタイプより水分値が多い(目安水分値38〜46%)セミハードタイプ、さらに水分値が多い軟質タイプや熟成させないフレッシュタイプがある。一般に水分値の少ないハードタイプは濃厚で旨みがあり、エダム、アボンダンス、エメンタール、チェダーなどが知られている。セミハードタイプはハードタイプより濃厚感は少なくなるものの旨みを有しており、カンタル、ゴーダなどが知られている。軟質タイプやフレッシュタイプは水分量が多いため軽い酸味とさわやかな風味を有するが、ハードタイプやセミハードタイプのような濃厚感や旨みに劣り、カッテージ、クリーム、フェタ、モッツアレラ、リコッタなどが知られている。このように水分値の多い従来のチーズは、軽い酸味と、さわやかな風味は有するものの、濃厚感や旨みを有するものはなかった。
特許文献1には、チーズ類にグアガムまたはグアガム分解物を、チーズ類全体に対し0.02〜2重量%含み、水分含量が55〜75重量%であって、20℃におけるレオメーター測定値による硬さが100g/0.785cm2以下である、曳糸性を呈するチーズ様食品が記載されている。しかしながら特許文献1では水分含量が多すぎると液状近くになりチーズ感がないものになってしまうことが記載されている他、グアーガムまたはグアーガム分解物の添加量が2重量%を超えると特有なヌメリが生じ、嗜好上好ましくないことも記載されている。さらにグアガム分解物については十分な検討がなされていない。
特許文献2には、十分に堅いイミテーションチーズ組成物であって、組成物の少なくとも60重量%である量の水分であり、親水コロイドとしてグアーガムを含み、組成物の約15重量%未満の量のチーズ由来成分を含むイミテーションチーズが記載されている。しかしながら特許文献2に記載されたイミテーションチーズ組成物は、薄切り等が可能であるように十分にかたい。また親水コロイドとしてグアガムを使用しているものの、低分子化を行っていない通常使用されているものを使用しているため、保形性はでるが食感的に糊状感が強いものになってしまうという問題がある。
特許文献3には低強度寒天を使用したチーズフードが記載されており、低カロリー性、保形性、保水性、食感改良、食物繊維付与、糊状感のない寒天の味立の良さが記載されている。しかしながら、寒天を使用しているため保形性はでるものの、濃厚感や旨みを出すことができないという問題があった。
特開2000−333600 特表2005−503136 特開平6−38691
本発明は水分値が75%以上のチーズにおいて、軽い酸味とさわやかな風味を有することは勿論のこと、さらに濃厚感と旨みを兼ね備えたチーズ加工食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために研究を進めたところ、チーズの含量が10重量%〜25重量%であり、水分値が75〜90重量%に調整されたチーズを含む食品に、重量平均分子量20000〜800000のグアガム、重量平均分子量16000〜410000のタラガム及び重量平均分子量26000〜440000のローカストビーンガムのいずれか1以上、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上を含有させ、且つテクスチャーアナライザーによるレオロジー測定において、破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secであるチーズ加工食品とすることにより、上記目的を達成できるという知見を得て本発明を完成するに至った。なお、以後、重量平均分子量20000〜800000のグアガム、重量平均分子量16000〜410000のタラガム、重量平均分子量26000〜440000のローカストビーンガムは、本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムと記載し、本発明と記載することにより、他の重量平均分子量のものと区別するもととする。
グアガム、タラガム、ローカストビーンガムは天然の多糖類であり、食品等に添加して粘性を付与する増粘剤として使用されている。従来は、増粘剤として使用されているため粘度が高いものが一般的に使用されている。一方、加水分解され低分子化されたグアガムが上市されている。低分子化されたグアガムの用途は食物繊維としての用途であり、このためより多くの量を摂取するために、例えば重量平均分子量600〜19000のように、なるべく低分子化して粘性を下げている。本発明においては、低分子化しているものの、適度な分子量に留めることにより、ゲル化剤との組み合わせで有用な物性を作り出すことができた。特に水分の多い系では、本発明のチーズ加工食品において良好な食感が得られた。
以上のように、本発明によれば、チーズの含量が10重量%〜25重量%であり、水分値が75〜90重量%に調整されたチーズを含む食品に、本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上に寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上を含有させ、且つテクスチャーアナライザーによるレオロジー測定において、破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secであるチーズ加工食品とすることにより、上記目的を達成できる。
これらの物性が得られるメカニズムは以下の通りである。水分値の高いチーズ類は、チーズ含量が少なくなるために濃厚感やコク、旨みが低減してしまう。また保形性が乏しくなるためだれてしまうという問題もある。ゲル化剤として寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンを使用して保形性を持たせることは可能であるが、ゲルマトリックスの形成により口溶けが悪くなり、濃厚感や旨みを得ることはできない。また、水分値の高いチーズ類に増粘剤を加えることにより増粘させることは可能であるが、曳糸性や糊状感が強く、また口中での分散が悪いため食感が悪いものになってしまう。重量平均分子量が20000未満のグアガム、重量平均分子量が16000未満のタラガム、重量平均分子量が26000未満のローカストビーンガムの低粘度品等の低粘度化された増粘剤のみを使用することにより、濃厚感は改善されるが保形性が悪くなり、パンに塗布すると流れ落ちてしまう。
本発明では、水分値の高いチーズ類を、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンを使用してゲル化させる際、本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上を添加することにより、ゲル化剤のマトリックス中に分子量の調整されたこれらのグアガム、タラガム、ローカストビーンガムのいずれか1以上の分子が入り込み、ゲル形成を適度に阻害し、保形性を有するも口腔内では速やかにゲルが崩壊し、且つ口腔内に留まるものの糊状感がなく、結果的に濃厚感、コクや旨みを呈することができるのである。これは、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれかと本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上の組み合わせでないと得られない効果である。さらに、本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上を単独で使用した場合より、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれかと本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上を組み合わせた場合のほうが優位に濃厚感やコク、旨みが相乗的に増すことができる。
本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムより重量平均量の上限が大きいと、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックスの形成を大きく阻害してしまい、グアガム、タラガム、ローカストビーンガムの糊状感が強く出るため、口溶けの悪い糊状感の強いチーズ加工食品になってしまう。重量平均分子量が下限より小さいと寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックス中に入り込むことはできるが、ゲルの形成をほとんど阻害せずゲル性の高いチーズ加工食品になってしまい、濃厚感やコクや旨みがないものにとなる。本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムは分子量を調整することにより、ゲル形成を完全に阻害しない適度なサイズとし、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックス中に入り込みゲル形成を適度に阻害する。分子量を適度に小さくしているため糊状感がなく、結果的にゲルは形成するが非常に口どけの良いゲルとなるために濃厚感とコクと旨みを有するチーズ加工食品になるのである。
また、本発明のチーズ加工食品によれば水分値が高くても濃厚感、コク、旨みのあるものが得られるため、低カロリー化が可能となりカロリー過多による疾病の予防に有効である。美味しく食べて健康維持にも有効であり従来にないチーズ加工食品となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や材料、配置等によって限定されず、これらの部材等は本発明の主旨に沿って適宜改変することができる。
(チーズ)
本発明のチーズ加工食品は水分値が75%〜90%であり、チーズ含量は10重量%〜25重量%である。チーズ含量が少ないため、軽い酸味と、さわやかな風味は有し、且つ低カロリー化されたものができる。使用するチーズは特に限定されず、エダム、アボンダンス、エメンタール、チェダーなどのようなハードタイプ、カンタル、ゴーダなどのようなセミハードタイプ、カッテージ、クリーム、フェタ、フロマージュ・ブラン、モッツアレラ、リコッタなどのようなフレッシュタイプなどが挙られるがチーズの種類は特に限定されることはない。
ハードタイプのチーズには溶融塩を加えて軟化させて加水することができる。溶融塩は、一般にチーズに使用されているものでよく、例えばクエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム(ピロリンサンナトリウム、リン酸2ナトリウム、リン酸3ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなど)などである。使用量は一般的には原料チーズに対して2重量%〜3重量%である。使用方法は、小さく刻んだチーズと溶融塩を加熱容器に入れ水を加え加熱撹拌することにより水分値75重量%〜90重量%に調整したチーズ加水品を得ることができる。加水は水、牛乳、果汁など水分を含むものであればよい。フレッシュタイプは溶融塩を使用せずに水分と混合することができる。溶融塩は水との混合性を考慮して使用する。
(グアガム、タラガム、ローカストビーンガム)
本発明のグアガムは重量平均分子量20000〜800000のものであることが好ましく、30000〜600000のものであることがさらに好ましい。、本発明のタラガムは重量平均分子量16000〜410000のものであることが好ましく23000〜380000のものであることがさらに好ましい。本発明のローカストビーンガムは重量平均分子量26000〜440000のものであることが好ましく290000〜400000のものであることがさらに好ましい。本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムより重量平均量の上限が大きいと寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックスの形成を大きく阻害してしまい、グアガム、タラガム、ローカストビーンガムの糊状感が強く出るため、口溶けの悪い糊状感の強いチーズ加工食品になってしまう。重量平均分子量が下限より小さいと寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックス中に入り込むことはできるがゲルの形成をほとんど阻害せずゲル性の高いチーズ加工食品になってしまい濃厚感やコクや旨みがないものにとなる。本発明のグアーガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムは分子量を調整することにより、ゲル形成を完全に阻害しない適度なサイズとし、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックス中に入り込みゲル形成を適度に阻害する。分子量を適度に小さくしているため糊状感がなく、結果的にゲルは形成するが非常に口どけの良いゲルとなるために濃厚感とコクと旨みを有するチーズ加工食品になるのである。このように本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムは分子量をコントロールし、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲルマトリックス中に入り込み適度にゲル形成を阻害することが特徴である。
本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムの添加量は、本発明に係るチーズ加工食品の破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secとなるように調整して添加すればよいが、一般的にはチーズ加工食品に対して1.5重量%〜10.0重量%が好ましく、2.0重量%〜7.0重量%が特に好ましい。1.5重量%より少ないと寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのゲル形成を適度に阻害する効果が少なくなり、チーズ加工食品の濃厚感が少なくなる。10.0重量%より多いと糊状感が出てしまいコクや旨みが少なくなる。
本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムは、原料であるグアガム、タラガム、ローカストビーンガムを酸分解や酵素分解、加熱分解することにより得られ、重量平均分子量が同一であれば特に製法にはこだわらない。例えばグアガム溶液を作製し、これに酸や酵素を添加して粘度を調整した後、スプレードライ、ドラムドライ、アルコール沈殿、フリーズドライなどの方法により乾燥することができる。酸は有機酸でも鉱酸でもよく、酵素は低分子化するものであれば特に種類に限定されない。
グアガム、タラガム及びローカストビーンガムの重量平均分子量は、測定方法により様々な報告があるが、本発明ではGPC(グアガム、タラガム及びローカストビーンガム0.1gを0.1mol/L硝酸ナトリウム溶液100mLに溶解し検体とした。移動相:0.1mol/L硝酸ナトリウム、測定温度40℃、プルラン分子量標準品で検量線を作成,TSK−GEL,ALPHA−M)による測定方法で行った値を採用した。さらに本発明のグアガム、タラガム及びローカストビーンガムは重量平均分子量を測定し、さらに粘度の測定も行った。
グアガム、タラガム及びローカストビーンガムの粘度はB型粘度計を使用して測定することができる。本発明においては1.0重量%溶液を作製後(95℃にて加熱溶解後、20℃に冷却した溶液を測定)、ローター回転数60rpm(使用ローターは測定レンジを超える1つ前のローターとし最適なものを使用する)にて測定した。
(ゲル化剤)
本発明のゲル化剤としては、寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンがあげられる。低強度寒天は特許3023244や特許3414954に示された方法で製造された寒天などがあげられる。本発明のゲル化剤の添加量は、本発明に係るチーズ加工食品の破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secとなるように調整して添加すればよいが、一般的にはチーズ加工食品に対して0.05重量%〜3.0重量%が好ましいく、0.1重量%〜2.5重量%が特に好ましい。下限より使用量が少ないとゲル形成能力が低くなり本発明の効果が弱くなる。また、上限より使用量が多いとゲル形成が強すぎてマトリックスが強固になり本発明の効果が弱くなる。本発明に係るゲル化剤の重量平均分子量はゲルを形成する分子量であればよいが寒天の場合は150000〜1500000、低強度寒天の場合は20000〜150000、カラギーナンの場合は200000〜5000000、ゼラチンの場合は50000〜250000が好ましい。
(その他の成分)
本発明のチーズ加工食品には、本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上の他に、本効果を妨げない範囲で他の成分を添加することができる。このような他の成分としては、例えば、多糖類、糖類、塩類、機能性物質などが挙げられる。多糖類としては冷水可溶性、冷水不溶性のいずれも使用することができる。冷水可溶性の多糖類としては、フェヌグリークガム、アラビアガム、キサンタンガム、α化デンプン、大豆多糖類、ペクチン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールなどが挙げられる。冷水不溶性の多糖類としては、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、タマリンドガム、デンプン、などがある。糖類としてはデキストリン、オリゴ糖、2糖類、単糖類、還元糖、などがある。機能性成分としては酸化防止剤、アガロオリゴ糖、ポリフェノール類、ビタミン、ミネラル、カゼインホスホペプチド(CPP)などがある。また、保存性を高める目的で防腐剤を添加しても良い。防腐剤としては、ソルビン酸、安息香酸、パラオキシ安息香酸類などの合成品、ポリリジン、グリシン、プロタミン、ペクチン分解物、その他の天然物由来の抗菌成分などが挙げられる。
(チーズ加工食品の物性値)
本発明に係るチーズ加工食品の物性値としては、官能検査をして実際に食して食感、濃厚感、コク、旨みを調べるのと同時にゲル物性を調べることにより評価する。ゲル物性としては破断応力、付着性などがある。破断応力、付着性はテクスチャーアナライザーを使用して測定することができる。本発明においては、保形性を有し、且つ濃厚感、コクや旨みを有する物性値は、破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secである。
(チーズ加工食品の製造方法)
本発明のチーズ加工食品の製造方法は特に限定されないが、一例としては、原料チーズに、必要に応じて溶融塩を加えてから加水を行う。本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上のゲル化剤は加水する水に溶解させておいてもよく、又は加水したチーズに加えてもよい。また原料チーズに添加しても構わない。寒天や低強度寒天、カラギナン、ゼラチン、ローカストビーンガムを使用する場合は、それぞれの成分の溶解温度に加熱して使用する。チーズと水を混ぜ合わせる場合も、ゲル化剤を溶解した後はゲル化剤のゲル化温度以上で混合してから冷却し、ゲルのマトリックスが破壊しないようにする。本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガムのいずれか1以上、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上のゲル化剤は原料チーズ、加水したチーズ、加水に使用する水にそれぞれ別々に添加しても構わない。加水に使用する水としては、水の他、牛乳などの乳、果汁、茶、紅茶、コーヒー、だし汁、スープ、調味料液、など水分を多く含むものであれば特に限定されない。これらを使用することにより、従来のチーズでは考えられなかった味付けが可能となり食のバリエーションを広げることが可能となる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を示す%及び部は特記ない限り重量基準である。
実施例及び比較例に使用した原料等は、以下の通りである。
グアガム1:重量平均分子量(MW)15000 ,粘度4mPa・s
グアガム2:重量平均分子量(MW) 21000 ,粘度7mPa・s
グアガム3:重量平均分子量(MW)32000 ,粘度10mPa・s
グアガム4:重量平均分子量(MW)610000 ,粘度70mPa・s
グアガム5:重量平均分子量(MW)795000 ,粘度99mPa・s
グアガム6:重量平均分子量(MW)1530000 ,粘度2000mPa・s (イナゲルGR−10,伊那食品工業社製)
製造方法:グアガム6の水溶液を作製した後、溶液に有機酸を加え加熱して加水分解し、中和し後、フリーズドライで乾燥し粉末化することによりグアガム1を得た。同様に酸度をかえることによって、グアガム2、グアガム3、グアガム4、グアガム5を得た。
タラガム1:重量平均分子量(MW)14000 ,粘度4mPa・s
タラガム2:重量平均分子量(MW)16000 ,粘度5mPa・s
タラガム3:重量平均分子量(MW)23000 ,粘度8mPa・s
タラガム4:重量平均分子量(MW)380000 ,粘度70mPa・s
タラガム5:重量平均分子量(MW)410000 ,粘度100mPa・s
タラガム6:重量平均分子量(MW)730000 ,粘度2500mPa・s (イナゲルタラガムA,伊那食品工業社製)
製造方法:タラガム5の3%水溶液を作製した後、グアーガムと同様な方法によりタラガム1〜タラガム5を得た。
ローカストビーンガム1:重量平均分子量(MW)22000 ,粘度4mPa・s
ローカストビーンガム2:重量平均分子量(MW)26000 ,粘度5mPa・s
ローカストビーンガム3:重量平均分子量(MW)29000 ,粘度8mPa・s
ローカストビーンガム4:重量平均分子量(MW)400000 ,粘度70mPa・s
ローカストビーンガム5:重量平均分子量(MW)440000 ,粘度97mPa・s
ローカストビーンガム6:重量平均分子量(MW)650000 ,粘度2200mPa・s (イナゲルL−15,伊那食品工業社製)
製造方法:ローカストビーンガム5の3%水溶液を作製した後、グアーガムと同様な方法によりローカストビーンガム1〜ローカストビーンガム5を得た。
寒天:伊那寒天UP−37(伊那食品工業社製)
低強度寒天:ウルトラ寒天UX−30(伊那食品工業社製)
カラギーナン:イナゲルE−150(伊那食品工業社製)
ゼラチン:N−150(伊那食品工業社製)
HMペクチン:イナゲルJP−10(伊那食品工業社製)
クリームチーズ:(PHLADELPHIA社製,脂質29.6g/100g)
ナチュラルチーズ1:エダム(水分値41%)
ナチュラルチーズ2:チェダー(水分値35%)
(試験例1)
(実施例1〜12,比較例1〜7)
表1及び表2に示した配合にてチーズ加工食品を1000g作製した。具体的には、水に低強度寒天及びガムを分散し、90℃にて溶解した。これをクリームチーズと60℃にて混ぜ合わせ、5cm×5cm×高さ3cmの容器に充填し、10℃にて冷却した。10℃で24時間放置物性が安定したところで物性を測定し、結果を表3に示した。評価項目は、官能試験、チーズ加工食品の破断応力、及び付着性を測定した。
評価項目
(1)官能試験
10名のパネラーによりチーズ加工食品を食した時の外観、濃厚感、コク、旨み、を下記の指標で評価した。10名中の最も多かった評価を記載した。
保形性
◎:保形性を有し取り扱いがよい
〇:保形性を有しているが◎より劣る
△:保形しているが弱いため取り扱いが困難
×:保形性がなくだれてしまう
濃厚感
◎:濃厚感がある
〇:濃厚感はあるが◎より劣る
△:濃厚感が弱い
×:濃厚感がない
××:濃厚感はあるが糊状感が強く美味しくない
コク、旨み
◎:コク、旨みがある
〇:コク、旨みはあるが◎より劣る
△:コク、旨みが弱い
×:コク、旨みがない
(2)破断応力
テクスチャーアナライザーTA.XT.Plus(英弘精機社製)を使用して、容器に充填したチーズ加工食品の破断応力を測定した。測定条件は、プラスティック製の円柱状プランジャー(断面積1cm2)を使用し、進入速度20mm/分、測定温度20℃とした。
(3)付着性
テクスチャーアナライザーTA.XT.Plus(英弘精機社製)を使用して、破断応力測定と同様の容器に充填したチーズ加工食品の付着性を測定した。測定条件は、表面が滑らかに加工されたフッ素樹脂製の円柱状プランジャー(断面積1cm2)を使用し、進入速度20mm/分、測定温度20℃で10mm進入させたのち速度20mm/分でプランジャーを引上げ、引上げ初めから、プランジャーがチーズ加工食品からで終わるまでにかかった負の面積(g×秒又はg・sec)を付着性とした。
以上のように、本発明のグアガム、本発明のタラガム、本発明のローカストビーンガム、及び、低強度寒天を使用したチーズ加工食品は保形性が良く、更に濃厚感やコク、旨みのあるものとなった。
(試験例2)
(実施例13〜27,比較例8)
表4及び表5に示した配合にてチーズ加工食品を1000g作製した。具体的には、水に本願グアガム3とゲル化剤を分散し、90℃にて溶解した。これをナチュラルチーズ1と60℃にて混ぜ合わせ、5cm×5cm×高さ3cmの容器に充填し、10℃にて冷却した。10℃で24時間放置し物性が安定したところで物性を測定し、結果を表6に示した。評価項目は、試験例1と同様とした。
以上のように、本発明のグアガム及び、寒天、低強度寒天、カラギーナン、およびゼラチンを使用したチーズ加工食品は保形性が良く、更に濃厚感やコク、旨みのあるものとなった。
(試験例3)
(実施例28〜32)
表7及び表8に示した配合にてチーズ加工食品を1000g作製した。具体的には、水、牛乳、果汁、紅茶、コーヒー等に寒天、本願タラガム3とHMペクチンを分散し、90℃にて溶解した。これをナチュラルチーズ2と60℃にて混ぜ合わせ、5cm×5cm×高さ3cmの容器に充填し、10℃にて冷却した。10℃で24時間放置物性が安定したところで物性を測定し、結果を表9に示した。評価項目は、試験例1と同様とした。
以上のように、水のほかに、牛乳、果汁、紅茶、コーヒーなどを使用してチーズに加水しても良好なチーズ加工食品ができた。
(試験例4)
(実施例33〜)
表10及び表11に示した配合にてチーズ加工食品を1000g作製した。具体的には、水に低強度寒天、本願タラガム3を分散し、90℃にて溶解した。これをクリームチーズを60℃にて混ぜ合わせ、5cm×5cm×高さ3cmの容器に充填し、10℃にて冷却した。10℃で24時間放置物性が安定したところで物性を測定し、結果を表12に示した。評価項目は、試験例1と同様とした。
本発明のチーズ加工食品によれば水分値が高くても濃厚感、コク、旨みのあるものが得られるため、低カロリー化が可能となりカロリー過多による疾病の予防に有効である。美味しく食べて健康維持にも有効であり従来にないチーズ加工食品である。さらに加水成分として牛乳、果汁、紅茶、コーヒーなど従来のチーズでは考えられなかった味付けが可能となり食のバリエーションが広がる。よって産業上の利用の可能性が高い。

Claims (2)

  1. チーズの含量が10重量%〜25重量%であり、且つ水分値が75〜90重量%に調整されたチーズ様食品であり、さらに前記食品は、重量平均分子量20000〜800000のグアガム,重量平均分子量16000〜410000のタラガム、重量平均分子量26000〜440000のローカストビーンガムのいずれか1以上、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上のゲル化剤を含み、且つ、テクスチャーアナライザーによるレオロジー測定において、破断応力が10g/cm2〜200g/cm2であり、付着性が70g・sec〜400g・secであることを特徴とするチーズ加工食品。
  2. 重量平均分子量20000〜800000のグアガム,重量平均分子量16000〜410000のタラガム、重量平均分子量26000〜440000のローカストビーンガムのいずれか1以上を1.5重量%〜10.0重量%、及び寒天、低強度寒天、カラギーナン、ゼラチンのいずれか1以上を0.05重量%〜3.0重量%含有するすることを特徴とする請求項1のチーズ加工食品。
JP2017128087A 2017-06-29 2017-06-29 チーズ加工食品 Pending JP2019010036A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017128087A JP2019010036A (ja) 2017-06-29 2017-06-29 チーズ加工食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017128087A JP2019010036A (ja) 2017-06-29 2017-06-29 チーズ加工食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019010036A true JP2019010036A (ja) 2019-01-24

Family

ID=65227145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017128087A Pending JP2019010036A (ja) 2017-06-29 2017-06-29 チーズ加工食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019010036A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63269945A (ja) * 1987-04-28 1988-11-08 Snow Brand Milk Prod Co Ltd チ−ズの風味を有するゲル状食品及びその製造法
JPH02248401A (ja) * 1989-03-22 1990-10-04 Godo Shiyusei Kk 低分子グアーガム、その製造法およびそれを含有する飲食品
JPH05276882A (ja) * 1992-03-26 1993-10-26 Meiji Seika Kaisha Ltd 澱粉含有食品の膨潤抑制剤とその使用方法
JPH1028526A (ja) * 1996-07-11 1998-02-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd チーズ類の製造方法
JP2000245342A (ja) * 1999-03-05 2000-09-12 Snow Brand Milk Prod Co Ltd ポーションタイプのチーズケーキ様食品
JP2001275600A (ja) * 2000-03-30 2001-10-09 Tajimaya Shokuhin Kk 豆乳チーズの製造方法
JP2007006721A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Kaneka Corp チーズ様食品及びその製造方法
JP2010081864A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Kaneka Corp チーズ様食品
JP2016059287A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 伊那食品工業株式会社 調理済み麺状食品、それに用いる可食性フィルム及び調理済み麺状食品の喫食方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63269945A (ja) * 1987-04-28 1988-11-08 Snow Brand Milk Prod Co Ltd チ−ズの風味を有するゲル状食品及びその製造法
JPH02248401A (ja) * 1989-03-22 1990-10-04 Godo Shiyusei Kk 低分子グアーガム、その製造法およびそれを含有する飲食品
JPH05276882A (ja) * 1992-03-26 1993-10-26 Meiji Seika Kaisha Ltd 澱粉含有食品の膨潤抑制剤とその使用方法
JPH1028526A (ja) * 1996-07-11 1998-02-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd チーズ類の製造方法
JP2000245342A (ja) * 1999-03-05 2000-09-12 Snow Brand Milk Prod Co Ltd ポーションタイプのチーズケーキ様食品
JP2001275600A (ja) * 2000-03-30 2001-10-09 Tajimaya Shokuhin Kk 豆乳チーズの製造方法
JP2007006721A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Kaneka Corp チーズ様食品及びその製造方法
JP2010081864A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Kaneka Corp チーズ様食品
JP2016059287A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 伊那食品工業株式会社 調理済み麺状食品、それに用いる可食性フィルム及び調理済み麺状食品の喫食方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2665375B1 (en) Semi-solid food concentrate in the form of a paste or a gel
JP4950105B2 (ja) 加工食品及び加工食品の食感改良方法
JP5528694B2 (ja) 低タンパク質チーズ様食品
JP2014236700A (ja) 食品、その製造方法、及び摂食・嚥下補助剤
JP5411996B1 (ja) 固形分含有容器詰飲料およびその製造方法
JP2020202820A (ja) チーズ様食品
JP6918453B2 (ja) 食品の離水抑制方法
TR201808888T4 (tr) Konsantre gıda.
JP2006262897A (ja) ゲル状組成物
EP2914129B1 (en) Food concentrate in the form of a gel
KR101431648B1 (ko) 치즈 젤리의 제조방법 및 상기 방법으로 제조된 치즈 젤리
JP4905984B2 (ja) チーズ類の製造法
JP6385640B2 (ja) タンパク質及び酸性多糖類を含有する、酸性ゲル状飲食品の凝集物形成抑制方法
EP3200594B1 (en) Physically stable liquefied cheese composition and process for making it
TWI392459B (zh) Contains dextrin processed food composition
JP2019010036A (ja) チーズ加工食品
JP2014524238A (ja) ゲル状濃縮食品
JP5882980B2 (ja) コンニャクマンナン含有ゲルによる発酵乳の乳漿分離、蛋白凝集防止方法
JP2001275600A (ja) 豆乳チーズの製造方法
JP6147132B2 (ja) 冷凍ゼリー
AU2013307602B2 (en) Food concentrate in the form of a gel process to prepare the same
TW201620388A (zh) 乳酪醬及其製造方法
CN102695423B (zh) 干酪及其制造方法
JP5955615B2 (ja) 弱酸性のタンパク質含有ゲル状飲食品
JP2017079653A (ja) 乳を使用した用時調整食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210324

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210519

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211019