JP2017079653A - 乳を使用した用時調整食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は牛乳と混ぜ合わせた場合、低pHで分離することなく、且つ糊状感のない食感良好な増粘物となる用時調整粉末食品の提供を目的とする。
【解決手段】α化デンプンと酸味料を含有し、牛乳(乳)を加えてから5分後の粘度が10℃において70mPa・s〜3000mPa・s、pHが5.5〜3.0に調整され、前記酸味料は粒子径が75μm〜600μmである酒石酸、粒子径が75μm〜425μmであるクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸のいずれか1以上であることを特徴とする用時調整粉末食品である。さらには従来の粘性が付与されていない状態では摂取が難しかった嚥下困難者への使用を可能にする。
【選択図】なし
【解決手段】α化デンプンと酸味料を含有し、牛乳(乳)を加えてから5分後の粘度が10℃において70mPa・s〜3000mPa・s、pHが5.5〜3.0に調整され、前記酸味料は粒子径が75μm〜600μmである酒石酸、粒子径が75μm〜425μmであるクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸のいずれか1以上であることを特徴とする用時調整粉末食品である。さらには従来の粘性が付与されていない状態では摂取が難しかった嚥下困難者への使用を可能にする。
【選択図】なし
Description
本発明は、α化澱粉と酸味料を含有する用時調整食品で、喫食時に牛乳(乳)を加えて作る用時調整食品に関する。
牛乳などの乳、大豆から製造される豆乳は優れた栄養食品であり広く飲用されている。しかしその消費は頭打ちとなり需要も伸び悩んでいる状況である。その理由のひとつとして飲用方法に工夫がなく、そのままの状態で飲用されるケースがほとんどであるため、新たに飲用される場面が生じないことが上げられる。飲用方法の工夫として、牛乳にフルーツ香料やコーヒー、ココアなどの調整粉末を溶解し味を付与したり、発酵によりヨーグルトなどの酸乳にしたり更には発酵前又は発酵後に澱粉を加え粘性を付与するなどの物性改良が行われている。(特許文献1〜2)
しかしながら、牛乳にフルーツやコーヒーの味を付与しただけのものは粘性がないためあくまで牛乳と同様な飲料としての範疇であり需要の拡大の効果は少ない。また特許文献1,2に記載されたヨーグルトやヨーグルトに澱粉が含有されたものは量に差はあるものの生じる離水により分離が生じ商品価値の低下が生じる。また、澱粉の老化により食感が安定しないという欠点がある。さらには消費期限が数週間程度と短いという欠点がある。
そこで本発明は乳に適正な粘性と酸味を付与することにより飲料の範疇ではない新たな乳加工品を作製するための用時調整粉末の製造を目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは、創意工夫を重ねた結果、α化澱粉と酸味料を含有する粉末を、喫食時に牛乳(乳)を加えて、食する時の粘度が5℃において70mPa・s〜3000mPa・s、pHが5.5〜3.0に調整することにより、従来の飲料としてではなく、食する感覚の粘性を有し且つ酸性にすることによりデザート感覚で喫食することができる乳製品とすることを可能とした。本発明品は用時調整粉末であるので必要な時に乳に加えればよいため、保存性がよく、また経時的に発生する乳清の分離もない。
本発明のメカニズムについて説明する。乳タンパクの主成分はカゼイン、乳清タンパク質である。乳のpHを下げていくとpH4.6付近でカゼインの等電点となりゲル化(凝集・沈殿)をおこす。このとき沈殿しないタンパク質が乳清タンパク質(全タンパク質の約20%)であり、ラクトグロブリンやラクトフェリンなどがある。
大豆から製造される豆乳には大豆グロブリンに代表されるタンパク質が多く含まれ、pH4.8付近で等電点となり最低の溶解度となる。
このように乳や豆乳に酸を加えて等電点付近にすることによりタンパク質は不溶化し凝集沈殿を起こす。ヨーグルトは発酵により徐々にpHが低下することによりタンパク質同士がネットワークを組みながら不溶化するため均一なゲルとなるがゲル化しない部分は乳清となって分離する。
本発明においては、乳又は豆乳に酸味料を加え等電点付近にすることによりタンパク質が不溶化をおこす。しかしα化澱粉が併用されているため、α化澱粉が溶解(膨潤)し始めると同時に、タンパク質が等電点付近になり不溶化するが、この不溶物は膨潤しているα化澱粉に取り込まれ均一に分散される。このため見かけ上、タンパク質は均一に分散していることとなる。さらにα化澱粉の膨潤粒子とタンパク質粒子が相乗的に相互作用を起こし粘度が急激に上昇する。澱粉又は増粘剤で同様の粘度を得ようとすると、糊状感が強くなり食感的に好ましくないものになってしまうが、本発明ではタンパク質との相乗作用により粘度を出しているため糊状感が少なく食感の優れた増粘物となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に説明する部材や材料、配置等によって限定されず、これらの部材等は本発明の主旨に沿って適宜改変することができる。含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り重量基準である。
(酸味料)
本発明で使用される酸味料は粒子径75μm〜600μm、好ましくは75μm〜425μmである酒石酸、粒子径75μm〜425μm、好ましくは75μm〜355μmであるクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸のいずれか1以上であることが好ましい。本発明で使用される酸味料は使用されるα化澱粉より少し早く溶解することが必要であり、そのためには前記粒子径の酸味料が使用される。粒子径が規定範囲より大きすぎると溶解速度がおそくなり、小さすぎると二次凝集をおこし粒子径が大きい場合と同様な状態になるため逆に溶解が悪くなる。酸味料はα化澱粉より先に溶解を始めることにより乳タンパク質の不溶化を均一に起こすことが可能となる。α化澱粉より溶解が遅れると澱粉の粘度発現により酸が均一に分散しないため酸凝集が均一に起こらず不均一な粘性物となってしまう。酸味料の使用量は添加する乳に対して0.20%〜1.00%が好ましく0.25%〜0.80%が特に好ましい。0.20%より少ないとpHが低下しにくく、1.00%より多いとpHが低下しすぎてしまう。
本発明で使用される酸味料は粒子径75μm〜600μm、好ましくは75μm〜425μmである酒石酸、粒子径75μm〜425μm、好ましくは75μm〜355μmであるクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸のいずれか1以上であることが好ましい。本発明で使用される酸味料は使用されるα化澱粉より少し早く溶解することが必要であり、そのためには前記粒子径の酸味料が使用される。粒子径が規定範囲より大きすぎると溶解速度がおそくなり、小さすぎると二次凝集をおこし粒子径が大きい場合と同様な状態になるため逆に溶解が悪くなる。酸味料はα化澱粉より先に溶解を始めることにより乳タンパク質の不溶化を均一に起こすことが可能となる。α化澱粉より溶解が遅れると澱粉の粘度発現により酸が均一に分散しないため酸凝集が均一に起こらず不均一な粘性物となってしまう。酸味料の使用量は添加する乳に対して0.20%〜1.00%が好ましく0.25%〜0.80%が特に好ましい。0.20%より少ないとpHが低下しにくく、1.00%より多いとpHが低下しすぎてしまう。
(α化澱粉)
本発明で使用されるα化澱粉は増粘目的で通常使用されるものであればよく、馬鈴薯、タピオカ、コーン、甘藷、葛、蕨、米、麦、など一般的な原料のものでよい。また、未加工のもののほか、リン酸化、ヒドロキシプロピル化、などの加工澱粉でもかまわない。α化の方法は特に限定され通常の方法で作製されたものであればよい。α化澱粉の使用量は添加する乳に対して0.3%〜3.0%が好ましく0.5%〜2.5%が特に好ましい。0.3%より少ないと増粘効果が少なく乳タンパクの凝集がおきてしまう。3.0%より多いと粘性が強くなりすぎて食感的に好ましくない。
本発明で使用されるα化澱粉は増粘目的で通常使用されるものであればよく、馬鈴薯、タピオカ、コーン、甘藷、葛、蕨、米、麦、など一般的な原料のものでよい。また、未加工のもののほか、リン酸化、ヒドロキシプロピル化、などの加工澱粉でもかまわない。α化の方法は特に限定され通常の方法で作製されたものであればよい。α化澱粉の使用量は添加する乳に対して0.3%〜3.0%が好ましく0.5%〜2.5%が特に好ましい。0.3%より少ないと増粘効果が少なく乳タンパクの凝集がおきてしまう。3.0%より多いと粘性が強くなりすぎて食感的に好ましくない。
(乳)
本発明で使用される乳は一般に市販されている普通牛乳、加工乳(脱脂乳、濃厚乳)、乳飲料であればよい。具体的には牛乳では、成分無調整、低脂肪、無脂肪、高脂肪、乳糖分解、コーヒーやフルーツ果汁、香料を添加した乳などである。殺菌方法は低温殺菌、UHT、など何れでもかまわない。また全粉乳や脱脂粉乳、調整粉乳、無糖練乳、加糖練乳に水を加えて調整したものでも良い。
本発明で使用される乳は一般に市販されている普通牛乳、加工乳(脱脂乳、濃厚乳)、乳飲料であればよい。具体的には牛乳では、成分無調整、低脂肪、無脂肪、高脂肪、乳糖分解、コーヒーやフルーツ果汁、香料を添加した乳などである。殺菌方法は低温殺菌、UHT、など何れでもかまわない。また全粉乳や脱脂粉乳、調整粉乳、無糖練乳、加糖練乳に水を加えて調整したものでも良い。
(用時調整粉末)
本発明品は、酸味料とα化澱粉を含有する用時調整食品で、喫食時に牛乳(乳)を加えて、食する時の粘度が5℃において70mPa・s〜3000mPa・s、pHが5.5〜3.0に調整された用時調整食品を作ることができる。用時調整粉末と牛乳の割合は、本発明に係る粘度、pHが得られれば特に限定されないが用時調整粉末と乳との割合が0.5:99.5〜30:70が好ましい。用時調整粉末のα化澱粉と酸味料の割合は、本発明に係る粘度、pHが得られれば特に限定されないが99:1〜20:80が好ましい。
本発明品は、酸味料とα化澱粉を含有する用時調整食品で、喫食時に牛乳(乳)を加えて、食する時の粘度が5℃において70mPa・s〜3000mPa・s、pHが5.5〜3.0に調整された用時調整食品を作ることができる。用時調整粉末と牛乳の割合は、本発明に係る粘度、pHが得られれば特に限定されないが用時調整粉末と乳との割合が0.5:99.5〜30:70が好ましい。用時調整粉末のα化澱粉と酸味料の割合は、本発明に係る粘度、pHが得られれば特に限定されないが99:1〜20:80が好ましい。
本発明の用時調整粉末には酸味料とα化澱粉の他に、糖類、ビタミン、ミネラル、機能性成分、色素、香料、人工甘味料、栄養を補給する目的でナッツ類、乾燥フルーツ、及びそれらの加工品、シリアル食品などを加えることもできる。また物性に影響が出ない範囲で増粘剤を添加することもできる。糖類は粉末状であれば特に規定はなく、ブドウ糖、果糖などの単糖類、ショ糖、マルトース、トレハロース、ラクトースなどの2糖類、ソルビトール、エリスリトールなどの還元糖、オリゴ糖、デキストリンなどが挙げられる。機能性成分としてはポリフェノール、アガロオリゴ糖など一般的に使用されている機能性素材が挙げられる。増粘剤は一般的に使用されるものであればよく、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン、ペクチン、キサンタンガム、CMC−Na、メチルセルロース、などが挙げられる。用時調整粉末中の酸味料、α化澱粉の量は、乳中に規定量添加される量であれば特に規定はない。
(粘度及びpH)
本発明の用時調整粉末により調整される乳製品の粘度は食する時の粘度が5℃において70mPa・s〜3000mPa・sが好ましく、100mPa・s〜2000mPa・sがさらに好ましい。粘度が70mPa・sより低いとタンパク質の凝集を防げず、また、食感的に飲料に近いものになってしまう。3000mPa・sより高いと粘性が強すぎて食感的に好ましくない。
本発明の用時調整粉末により調整される乳製品の粘度は食する時の粘度が5℃において70mPa・s〜3000mPa・sが好ましく、100mPa・s〜2000mPa・sがさらに好ましい。粘度が70mPa・sより低いとタンパク質の凝集を防げず、また、食感的に飲料に近いものになってしまう。3000mPa・sより高いと粘性が強すぎて食感的に好ましくない。
pHは5.5〜3.0に調整されていることが好ましく5.3〜3.3に調整されていることがさらに好ましい。5.5より高いとタンパク質の変性がおこらず粘度発現におけるα化澱粉との相乗作用がない。3.0より低いと酸味が強すぎて味的によくないものになってしまう。
(粘度発現における酸味料とα化澱粉の相乗作用)
本発明のメカニズムについて説明する。乳タンパクの主成分はカゼイン、乳清タンパク質である。乳のpHを下げていくとpH4.6付近でカゼインの等電点となりゲル化(凝集・沈殿)をおこす。大豆から製造される豆乳には大豆グロブリンに代表されるタンパク質が多く含まれ、pH4.8付近で等電点となり最低の溶解度となる。このように乳や豆乳に酸を加えて等電点付近にすることによりタンパク質は不溶化し凝集沈殿を起こす。本発明においては、乳又は豆乳に酸味料を加え等電点付近にすることによりタンパク質が不溶化をおこす。しかしα化澱粉が併用されているためα化澱粉が溶解(膨潤)し始めると同時に、等電点付近で生じたタンパク質不溶化物が凝集を起こす前にα化澱粉粒子に取り込まれ凝集が阻害され均一に分散される。このため見かけ上、タンパク質は均一に分散していることとなる。さらにα化澱粉の膨潤粒子とタンパク質粒子が相乗的に相互作用を起こし粘度が急激に上昇する。澱粉又は増粘剤で同様の粘度を得ようとすると、糊状感が強くなり食感的に好ましくないものになってしまうが、本発明ではタンパク質との相乗作用により粘度を出しているため糊状感が少なく食感の優れた増粘物となる。
本発明のメカニズムについて説明する。乳タンパクの主成分はカゼイン、乳清タンパク質である。乳のpHを下げていくとpH4.6付近でカゼインの等電点となりゲル化(凝集・沈殿)をおこす。大豆から製造される豆乳には大豆グロブリンに代表されるタンパク質が多く含まれ、pH4.8付近で等電点となり最低の溶解度となる。このように乳や豆乳に酸を加えて等電点付近にすることによりタンパク質は不溶化し凝集沈殿を起こす。本発明においては、乳又は豆乳に酸味料を加え等電点付近にすることによりタンパク質が不溶化をおこす。しかしα化澱粉が併用されているためα化澱粉が溶解(膨潤)し始めると同時に、等電点付近で生じたタンパク質不溶化物が凝集を起こす前にα化澱粉粒子に取り込まれ凝集が阻害され均一に分散される。このため見かけ上、タンパク質は均一に分散していることとなる。さらにα化澱粉の膨潤粒子とタンパク質粒子が相乗的に相互作用を起こし粘度が急激に上昇する。澱粉又は増粘剤で同様の粘度を得ようとすると、糊状感が強くなり食感的に好ましくないものになってしまうが、本発明ではタンパク質との相乗作用により粘度を出しているため糊状感が少なく食感の優れた増粘物となる。
本発明において重要となるのは、酸味料はα化澱粉より先に溶解を始めることにより乳タンパク質の不溶化を均一に起こすことが可能となることである。α化澱粉より溶解が遅れると澱粉の粘度発現により酸が均一に分散しないため酸凝集が均一に起こらず不均一な粘性物となってしまう。酸味料をα化澱粉より先に溶解させるためには選択される酸の種類とその粒子径が重要となる。そのために使用される酸味料は粒子径75μm〜600μm、好ましくは75μm〜425μmである酒石酸、粒子径75μm〜425μm、好ましくは75μm〜355μmであるクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、であることが好ましい。これらの酸味料の中でも、粒子径の大きいものでも使用できるため扱いやすい酒石酸が好ましい。
本発明の用時調整粉末から得られる乳の増粘物は適度な粘性が付与され、曳糸性(付着性)がなく、粘性の発現も早いことから、従来の粘性が付与されていない状態では摂取が難しかった嚥下困難者への使用を可能にする。
以下に実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない
実施例及び比較例に用いた主たる原料等は、以下の通りである。
澱粉1:マツノリンM(α化馬鈴薯澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉2:マツノリンM−22(α化タピオカ澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉3:マツノリンCM(α化コーンスターチ 松谷化学工業社製)
澱粉4:マツノリンA(α化ワキシコーンスターチ 松谷化学工業社製)
澱粉5:マツノリンW(α化小麦澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉6:モチールアルファ(α化餅米澱粉 上越スターチ社製)
澱粉7:マツノリンTG600(α化ヒドロキシプロピル加工タピオカ澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉8:マツノリン880(α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋加工ワキシコーンスターチ 松谷化学工業社製)
L−酒石酸:磐田化学工業社製
クエン酸(無水):磐田化学工業社製
DL−リンゴ酸:磐田化学工業社製
フマル酸:扶桑化学工業社製
アジピン酸:サツマ化工社製
グアーガム:イナゲルGR−10(伊那食品工業社製)
タラガム:イナゲルタラガムA(伊那食品工業社製)
ローカストビーンガム:イナゲルL−15S(冷水可溶性、伊那食品工業社製)
カラギナン:イナゲルv−240(λ 伊那食品工業社製)
タマリンドガム:グリロイド3S(DSP五協フード&ケミカル社製)
キサンタンガム:イナゲルV−10(伊那食品工業社製)
ペクチン:イナゲルJP−10(伊那食品工業社製)
グラニュー糖:三井製糖社製
ブドウ糖:日本食品化工社製
マルトース:林原商事社製
デキストリン:パインデックス#4(松谷化学工業社製)
ビタミンC:DSM社製
ピロリン酸第二鉄:太陽化学社製
アガロオリゴ糖:伊那食品工業社製
リンゴポリフェノール:ニッカ社製
澱粉1:マツノリンM(α化馬鈴薯澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉2:マツノリンM−22(α化タピオカ澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉3:マツノリンCM(α化コーンスターチ 松谷化学工業社製)
澱粉4:マツノリンA(α化ワキシコーンスターチ 松谷化学工業社製)
澱粉5:マツノリンW(α化小麦澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉6:モチールアルファ(α化餅米澱粉 上越スターチ社製)
澱粉7:マツノリンTG600(α化ヒドロキシプロピル加工タピオカ澱粉 松谷化学工業社製)
澱粉8:マツノリン880(α化ヒドロキシプロピルリン酸架橋加工ワキシコーンスターチ 松谷化学工業社製)
L−酒石酸:磐田化学工業社製
クエン酸(無水):磐田化学工業社製
DL−リンゴ酸:磐田化学工業社製
フマル酸:扶桑化学工業社製
アジピン酸:サツマ化工社製
グアーガム:イナゲルGR−10(伊那食品工業社製)
タラガム:イナゲルタラガムA(伊那食品工業社製)
ローカストビーンガム:イナゲルL−15S(冷水可溶性、伊那食品工業社製)
カラギナン:イナゲルv−240(λ 伊那食品工業社製)
タマリンドガム:グリロイド3S(DSP五協フード&ケミカル社製)
キサンタンガム:イナゲルV−10(伊那食品工業社製)
ペクチン:イナゲルJP−10(伊那食品工業社製)
グラニュー糖:三井製糖社製
ブドウ糖:日本食品化工社製
マルトース:林原商事社製
デキストリン:パインデックス#4(松谷化学工業社製)
ビタミンC:DSM社製
ピロリン酸第二鉄:太陽化学社製
アガロオリゴ糖:伊那食品工業社製
リンゴポリフェノール:ニッカ社製
(実験例1)
α化澱粉と酸味料の相乗効果
(実施例1〜2,比較例1〜4)
表1に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(成分無調整)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は以下の通りである。結果を表2に記載した。
α化澱粉と酸味料の相乗効果
(実施例1〜2,比較例1〜4)
表1に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(成分無調整)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は以下の通りである。結果を表2に記載した。
(1)粘度
用時調整粉末を牛乳に加えてから5分後の粘度をB型粘度計(BROOKFIELD LVDV−1 PRIME)を使用して測定した。測定温度は10℃とした。ローター回転数は60回転とし、使用ローターは粘度値により最適なローター(測定可能範囲であり、かつより高い値を読み取れるローター)を選択した。
用時調整粉末を牛乳に加えてから5分後の粘度をB型粘度計(BROOKFIELD LVDV−1 PRIME)を使用して測定した。測定温度は10℃とした。ローター回転数は60回転とし、使用ローターは粘度値により最適なローター(測定可能範囲であり、かつより高い値を読み取れるローター)を選択した。
(2)pH
粘度測定後の牛乳のpHをpHメーター(D−71 堀場製作所)を使用して測定した。
粘度測定後の牛乳のpHをpHメーター(D−71 堀場製作所)を使用して測定した。
(3)食感
10名のパネラーにより食感を調べた。
評価は下記の5段階で示した。
A:適度な粘度と酸味があり、且つ糊状感がなく美味であり、従来にない食感の乳製品であった。
B:Aには及ばないものの、適度な粘度と酸味があり、且つ糊状感がなく美味であった。
C:Bには及ばないものの、糊状感のない粘性を有し美味であった。
D:粘性はあるが糊状感が強かった。
E:粘性にばらつきがあり糊状感が強かった。
F:粘性が高すぎて味立ちが悪く、糊状感が強かった。
F:粘性がなく、酸味とのバランスが悪かった。
10名のパネラーにより食感を調べた。
評価は下記の5段階で示した。
A:適度な粘度と酸味があり、且つ糊状感がなく美味であり、従来にない食感の乳製品であった。
B:Aには及ばないものの、適度な粘度と酸味があり、且つ糊状感がなく美味であった。
C:Bには及ばないものの、糊状感のない粘性を有し美味であった。
D:粘性はあるが糊状感が強かった。
E:粘性にばらつきがあり糊状感が強かった。
F:粘性が高すぎて味立ちが悪く、糊状感が強かった。
F:粘性がなく、酸味とのバランスが悪かった。
(4)離水(凝集)
目視検査により離水(凝集)の状態を調べた。
A:離水(凝集)なし
B:若干の離水(凝集)があるが問題ない程度
C:離水(凝集)多い
目視検査により離水(凝集)の状態を調べた。
A:離水(凝集)なし
B:若干の離水(凝集)があるが問題ない程度
C:離水(凝集)多い
酸味料の平均粒子径の測定方法は、酸味料を適当な(JIS規格など)篩で篩った後に、粒度分布測定機(Microtrac MT3000 日機装社製)を使用した。以後示す粒子径は同様の方法で作製し粒子径を測定した値である。
以上のようにα化澱粉と酸味料を併用したものは相乗的に粘度が高くなり糊状感がなく美味しいものとなった。
(実験例2)
酸味料の粒子径
(実施例3〜18,比較例5〜14)
表3、表4に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(低脂肪乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表5に記載した。
酸味料の粒子径
(実施例3〜18,比較例5〜14)
表3、表4に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(低脂肪乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表5に記載した。
以上のように酸味料の粒子径を規定することにより良好な物性が得られた。
(実験例3)
澱粉の配合割合
(実施例19〜23)
表6、表7に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(高脂肪乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表8に記載した。
澱粉の配合割合
(実施例19〜23)
表6、表7に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(高脂肪乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表8に記載した。
以上のようにα化澱粉が乳に対して0.3%〜3.0%配合された実施例は良好な物性が得られた。
(実験例4)
酸味料の配合割合
(実施例24〜28)
表9、表10に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(無脂肪乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表11に記載した。
酸味料の配合割合
(実施例24〜28)
表9、表10に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(無脂肪乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表11に記載した。
以上のように酸味料が乳に対して0.20%〜1.0%配合された実施例は良好な物性が得られた。
(実験例5)
添加物
(実施例29)
表12に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(乳糖分解乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。ただし粘度は固形物を篩いを使用して除去した後に測定を行った。結果を表13に記載した。
添加物
(実施例29)
表12に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(乳糖分解乳)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。ただし粘度は固形物を篩いを使用して除去した後に測定を行った。結果を表13に記載した。
以上のように添加物としてシリアル食品を使用した場合において良好な結果が得られた。
(実験例6)
添加物
(実施例30〜37)
表14、表15に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の豆乳(キッコーマンソイフーズ社製)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表16に記載した。
添加物
(実施例30〜37)
表14、表15に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の豆乳(キッコーマンソイフーズ社製)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表16に記載した。
以上のように添加物として増粘剤を使用した場合においても適度な粘性を保ち良好な結果が得られた。
(実験例7)
添加物
(実施例38〜42)
表17、表18に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(成分無調整)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表19に記載した。
添加物
(実施例38〜42)
表17、表18に示した配合にて粉体を混合し用時調整用粉末を作製した。この用時調整粉末を10℃の牛乳(成分無調整)200gに加え撹拌1分間撹拌した後、粘度、pH、食感、離水(凝集)を測定した。なお、測定方法は実験例1と同様とした。結果を表19に記載した。
以上のように機能性の添加物を使用した場合においても適度な粘性を保ち良好な結果が得られた。
(実験例8)
嚥下食
(実施例43)
実施例41で作製した牛乳の増粘物を嚥下困難者に食べて頂いたところ、牛乳ではむせていたところが、むせずに喫食することができた。嚥下食としても応用可能であった。
嚥下食
(実施例43)
実施例41で作製した牛乳の増粘物を嚥下困難者に食べて頂いたところ、牛乳ではむせていたところが、むせずに喫食することができた。嚥下食としても応用可能であった。
Claims (1)
- α化デンプンと酸味料を含有し、牛乳(乳)を加えてから5分後の粘度が10℃において70mPa・s〜3000mPa・s、pHが5.5〜3.0に調整され、前記酸味料は粒子径が75μm〜600μmである酒石酸、粒子径が75μm〜425μmであるクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸のいずれか1以上であることを特徴とする用時調整粉末食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015212312A JP2017079653A (ja) | 2015-10-28 | 2015-10-28 | 乳を使用した用時調整食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015212312A JP2017079653A (ja) | 2015-10-28 | 2015-10-28 | 乳を使用した用時調整食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017079653A true JP2017079653A (ja) | 2017-05-18 |
Family
ID=58712295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015212312A Pending JP2017079653A (ja) | 2015-10-28 | 2015-10-28 | 乳を使用した用時調整食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017079653A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020048525A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 森永乳業株式会社 | 乳入り酸性飲料 |
JP2020080787A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | ハウス食品株式会社 | 粉末状食品組成物 |
-
2015
- 2015-10-28 JP JP2015212312A patent/JP2017079653A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020048525A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 森永乳業株式会社 | 乳入り酸性飲料 |
JP2020080787A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | ハウス食品株式会社 | 粉末状食品組成物 |
JP7152941B2 (ja) | 2018-11-29 | 2022-10-13 | ハウス食品株式会社 | 粉末状食品組成物 |
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