JP2000245342A - ポーションタイプのチーズケーキ様食品 - Google Patents

ポーションタイプのチーズケーキ様食品

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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 チーズケーキ様食品の製造において、チ
ーズミックスをアルミ箔等に個別に包装する際に、ミッ
クスの温度が65℃以上でも流動性が乏しく、充填機の
ノズルからの糸曳きがほとんどなく、充填適性が良好で
あって、かつチ−ズケ−キ様食品として食したときにノ
リ状感や安定剤等による風味の劣化がなく、さらに保存
中、低温において組織の硬化及び離水が抑制されるとい
う保存性に優れたポーションタイプのチーズケーキ様食
品の提供。 【解決手段】 固形分中の脂肪率が4%以上である軟質
ナチュラルチーズを20重量%以上及び化工澱粉を0.
5重量%以上含有するように配合し、水分率を75%以
下に調整して加熱溶融したチーズミックスをポーション
容器に充填することによってポーションタイプのチーズ
ケーキ様食品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポーションタイプ
のチーズケーキ様食品に関する。本発明のチーズケーキ
様食品は、加熱溶融したチーズミックスが流動性に乏し
く、かつ糸曳きが少なく、アルミ箔等のポーション容器
に充填する際の充填適性が良好であり、風味及び保存性
も良好なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、食品の包装形態の一つとし
て、ポーションタイプの包装が知られている。例えば、
コーヒーミルク等を一人前ずつプラスチック成形カップ
に充填したポーションパックやチーズ等をアルミ箔で個
別に包装したポーションタイプのチーズ等が知られてい
る。特に、ポーションタイプのチーズは、15g〜20
gのチーズがアルミ箔で個別に包装されており、持ち運
びが便利な上、保存性にも優れている。このため、近年
ではデザートとして親しまれているレアチーズケーキ様
食品を充填したポーションタイプのチーズケーキ様食品
も流通している。ポーションタイプのチーズケーキ様食
品は、チーズを主原料とし、これに甘味料や果汁等を添
加したチーズミックスを加熱溶融し、アルミ箔に充填し
て冷却することにより製造される。このチーズケーキ様
食品は、最終製品の食感からもわかるように、通常のポ
ーションタイプのプロセスチーズに比べて柔らかく、加
熱溶融したチーズミックスも同様にプロセスチーズ用ミ
ックスよりも流動性がある。このため、アルミ箔に充填
する際、チーズミックスがアルミ箔に均一に充填されな
かったり、流れ出たり、アルミ箔からはみ出することが
あった。このようなことから、チーズミックスのシール
面への付着やアルミ箔容器からのはみ出しによる充填機
本体への付着が生じ、これがシール不良や微生物汚染の
原因となり、製造上の問題となっている。
【0003】そこで、安定剤や増粘剤等を添加すること
により、加熱溶融したチーズミックスの流動性を抑える
ことも行われているが、安定剤や増粘剤等を添加するこ
とにより、チーズミックスの流動性を抑えることはでき
るものの、付着性が増加し、充填部のノズルにおけるチ
ーズミックスの「切れ」が阻害されて扱いづらくなった
り、安定剤や増粘剤を添加することにより、「のり状
感」が感じられ、口どけが悪くなるといった問題があ
る。さらには、レアチーズケーキ様食品には、レモンの
果汁が添加されていてpHが低いため、流通の間に安定
剤や増粘剤に部分的な分解が生じ、組織の部分的な硬化
や離水が生じるといった問題がある。そこで、チーズを
主原料とし、卵白及びゼラチンを添加して加熱溶解する
ことにより、充填不良を解決し、風味の良好なポーショ
ンタイプのレアチーズケーキ様食品を製造する方法(特
開平7−313054号公報)も開示されているが、こ
の技術では卵白の他にゼラチン、寒天やカラギ−ナンの
ようなゲル化剤を加えることが必須となっている。この
ため、卵白を添加することによる卵白臭が生じ、またゼ
ラチンを添加することによる「のり状感」が感じられ、
見た目の商品価値や食感等の面で必ずしも満足のいくも
のではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、充填適性、
風味及び保存性の良好なポーションタイプのチーズケー
キ様食品を提供することを課題とする。本発明におい
て、「充填適性が良好である」とは、チーズミックスを
アルミ箔等に個別に包装する際に、チーズミックスの温
度が65℃以上でも流動性に乏しく、充填機のノズルか
らの糸曳きがほとんどなく充填しやすい状態を言う。ま
た、「流動性に乏しい」とは、80℃のチーズミックス
を円盤で回転させて流動性を評価した際に、チーズミッ
クスが流動せず広がりづらい状態を言い、「糸曳き性が
ほとんどない」とは、80℃のチーズミックスをポーシ
ョン容器に充填した際にノズルからのチーズミックスの
糸曳きがない状態を言う。さらに、「風味が良好であ
る」とは、チーズケーキ様食品を食した時に、ノリ状感
や安定剤等による風味の劣化を感じないことを言い、
「保存性が良好である」とは、保存中、低温においても
組織の硬化及び離水が抑制されていることを言う。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題に
鑑み鋭意研究を重ねた結果、固形分中の脂肪率が4%以
上である軟質ナチュラルチーズを20重量%以上及び化
工澱粉を0.5重量%以上含有するように配合し、水分
率を75%以下に調整して加熱溶融したチーズミックス
が、ポーション容器への充填適性が良好であり、さら
に、風味及び保存性が良好であることを見出した。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体例を示して詳
しく説明する。本発明においては、チーズミックス中に
原料チーズとして、固形分中の脂肪率が4%以上である
軟質ナチュラルチーズを少なくとも20重量%以上、好
ましくは40〜80重量%含有するように配合する。軟
質ナチュラルチーズの含有量が20重量%未満ではチー
ズ風味が乏しいので好ましくなく、80重量%を超える
とチーズ風味が強くなりすぎるので好ましくない。ま
た、固形分中の脂肪率が4%以上である軟質ナチュラル
チーズの種類としては、例えば、クリームチーズ、カッ
テージチーズ、マスカルポーネ、クワルク、フロマージ
ュ・ブラン、フィオレッロ、フェタ、リコッタ、モッツ
ァレラ、ブルソー、ブルサン、サン・マルセラン、ブリ
ア・サヴァラン又はプティ・スイス等を挙げることがで
き、これらのうちの2種類以上を混合して用いることも
できる。
【0007】本発明においては、チーズミックス中に、
化工澱粉を少なくとも0.5重量%以上、好ましくは
0.7〜2.5重量%含有するように配合する。化工澱
粉の含有量が0.5重量%未満では、充填時の流動性が
高くなり糸曳きも生じて充填適性が不良となるので好ま
しくなく、2.5重量%を超えると、食感が硬くなりす
ぎるので好ましくない。また、化工澱粉の種類として
は、例えば、コーン、ポテト、ワキシーコーン、タピオ
カ又は米を原料とし、リン酸化、ヒドロキシプロピル化
又はアセチル化処理した化工澱粉を挙げることができ
る。本発明においては、上記の固形分中の脂肪率が4%
以上である軟質ナチュラルチーズを20重量%以上及び
化工澱粉を0.5重量%以上含有するように配合し、水
分率が75%以下になるように調整し、加熱溶融してチ
ーズミックスを調製し、これをアルミ箔等のポーション
容器に充填した後、冷却することによりポーションタイ
プのチーズケーキ様食品を得る。加熱溶融は、ケトル
型、ステファン型等のプロセスチーズの製造に通常用い
られている乳化機を用い、撹拌回転数60〜180rp
mで90℃に達するまで行うことが好ましい。また、最
終製品の水分率が75%以下となるように、加熱溶融す
ることが好ましい。加熱溶融して得られたチーズミック
スは必要に応じて、ストレーナーを通過させ、充填機に
より、アルミ箔やバリヤー性を有する紙等に個別包装す
る。アルミ箔で包装する場合は、被覆扇型であって中心
角が60°、45°、30°、15°タイプのもの又は
被覆直方体型のもの等を用いてもよい。また、アルミ箔
以外にもプラスチックカップ型等の容器に充填してもよ
い。なお、充填時のチーズミックスの温度は、65℃以
上であることが好ましい。65℃未満の温度では容器内
の殺菌が十分に行われず、微生物による品質劣化の原因
となるため好ましくない。
【0008】本発明においては、チーズミックス中に、
甘味料、果実、野菜、果汁、香料、軟質ナチュラルチー
ズ以外の乳製品、酒類、酸味料、香辛料、調味料又は水
を添加することにより、フルーツ風味でデザートタイプ
のチーズケーキ様食品やその他の風味のチーズケーキ様
食品を得ることができる。甘味料としては、例えば、蔗
糖、果糖又は乳糖等の糖類、エリスリトール又はステビ
ア抽出物等の合成甘味料を挙げることができ、その添加
量は、最終製品のチーズケーキ様食品の甘味度が30く
らいになるまで添加してもよい。果実としては、イチ
ゴ、リンゴ、オレンジ、ブルーベリー又はレモン等を挙
げることができ、また果汁としては、これらの果実の果
汁を用いることができる。野菜としては、サツマイモ、
人参又はパセリ等を挙げることができる。果実又は野菜
は、適当な大きさに細切して乾燥させたものか、プレザ
ーブとしたものを添加すればよく、その添加量はチーズ
ミックスに対して、1〜30重量%が好ましい。
【0009】軟質ナチュラルチーズ以外の乳製品として
は、牛、山羊又は羊等の乳に由来する成分を含み、食品
に使用可能な原料であればいずれも使用でき、例えば、
生クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、牛乳、バター、加糖練
乳、無糖練乳、ヨーグルト、ゴーダやチェダー等のナチ
ュラルチーズを挙げることができ、その添加量はチーズ
ミックスに対して、0.5〜30重量%が好ましい。酒
類としては、例えば、ブランデー、ラム酒、キルシュワ
ッサー、ワイン、日本酒等を例示することができ、最終
製品のアルコール度数が1%くらいになるまで添加して
もよい。
【0010】酸味料としては、例えば、クエン酸、乳
酸、酒石酸等を挙げることができ、最終製品のpHが約
3.8になるまで添加してもよい。さらに、目的とする
最終製品の風味に合わせて、香辛料として、シナモン、
ナツメグ、パプリカ、サフラン等を、調味料として、食
塩等を適宜添加してもよい。 また、本発明品において
は、チーズミックスの充填時の物性を改良する目的で、
グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム等
の安定剤や、ゼラチン、寒天等を用いてもよく、その添
加量はチーズミックスに対して、0.1〜5重量%が好
ましい。
【0011】
【実施例】チーズミックスの「流動性」の評価 一辺40mmの立方体容器を半径450mmの円盤上の
中心から400mmの位置に最外辺がかかるように固定
する。次に、80℃のチーズミックスを立方体容器の底
から20mmまでのところにすばやく充填し、円盤を6
0rpmで10秒間回転させた後、停止させる。そし
て、立方体容器最外辺にせりあがったチーズミックスの
最底部からの高さを測定した。この高さが高い程、流動
性がある。{(10秒間回転後最外辺チーズ到達高さ)
−20mm}が、0mm以上5mm未満;◎、5mm以
上10mm未満;○、10mm以上15mm未満;△、
15mm以上;×、とした。 チーズミックスの「糸曳き性」の評価 ポーションチーズ充填機(直径2.5mm直管ノズルを
使用)を用いてチーズミックスの充填を行った。充填機
のホッパーレベルが一定となるよう制御し、80℃のチ
ーズミックスを毎分75ショットで2分間充填して、そ
の状況をすべてビデオ撮影する。そして、ノズルから伸
びるチーズミックスの糸曳き長さを測定して平均値を算
出した。チーズミックスの糸曳き長さが、0mm以上1
0mm未満;◎、10mm以上15mm未満;○、15
mm以上20mm未満;△、20mm以上;×、とし
た。 チーズケーキ様食品の官能評価 男女20名からなるパネラーにより、風味及び食感の官
能評価を行った。評価は、以下に示す基準で点数化し、
その平均値を算出した。5点;非常に良い、4点;やや
良い、3点;普通、2点;やや悪い、1点;非常に悪
い、とした。
【0012】チーズケーキ様食品の保存試験 製造後、10℃の温度で6ヵ月保存したチーズケーキ様
食品について、以下の項目で評価した。 1)官能評価 男女4名からなるパネラーにより、ノリ状感やその他の
様子について官能評価を行った。 2)離水量 ポーションタイプのチーズケーキ様食品の表面からの離
水を濾紙で吸い取り、その重量を測定して、10g当た
りの離水量を算出した。なお、離水量が0.15g以下
であれば製品として好ましい。 3)硬度変化 レオメーター(RHEO METER NRM-2002J,不動工業社製)
により測定した。25℃にテンパリングしたチーズケー
キ様食品(厚さ10mm)を用い、直径5mmの円柱に
より60mm/分で突き差し試験を行った。製造直後と
保存後の貫通時に得られる最大応力を測定し、(保存後
の最大応力)−(製造直後の最大応力)=(硬度変化)
を算出した。なお、硬度変化が15g以下であれば製品
として好ましい。 総合評価;上記保存試験1)〜3)の結果を総合的
に、評価して、大変よい;◎、よい;○、どちらとも言
えない;△、よくない;×、とした。
【0013】実施例1(試作品1〜試作品21) 以下の様にして試作品1〜試作品21を調製した。 試作品1:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg及び水27.5kg
をケトル型乳化機に投入し、最終製品の水分率が75%
となるように、120rpmで撹拌を加えながら、90
℃に達するまで加熱溶融し、40メッシュのストレーナ
ーで濾過してチーズミックスを得た。このチーズミック
ス(78℃)をポーション充填機(コラッツァ社製)を
用いて、中心角が45°のアルミ箔ポーション容器に1
5gずつ充填し、充填後速やかに冷却を行った。 試作品2:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
びグアーガム0.25kgをケトル型乳化機に投入し、
試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品3:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
びローカストビーンガム0.25kgをケトル型乳化機
に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品4:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
びキサンタンガム0.25kgをケトル型乳化機に投入
し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品5:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
びカルボキシメチルセルロース(CMC)0.25kg
をケトル型乳化機に投入し、試作品1と同様の方法で調
製を行った。 試作品6:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
びゼラチン0.25kgをケトル型乳化機に投入し、試
作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品7:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
び寒天0.25kgをケトル型乳化機に投入し、試作品
1と同様の方法で調製を行った。 試作品8:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
び卵白0.25kgをケトル型乳化機に投入し、試作品
1と同様の方法で調製を行った。 試作品9:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチーズ
(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg及
びカラギーナン0.25kgをケトル型乳化機に投入
し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品10:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びアルギン酸0.25kgをケトル型乳化機に投入
し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品11:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5k
g、ローカストビーンガム0.65kg及びグアーガム
0.085kgをケトル型乳化機に投入し、試作品1と
同様の方法で調製を行った。 試作品12:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びコーンエーテル化澱粉0.25kgをケトル型乳化
機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品13:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びコーンエーテル化澱粉0.5kgをケトル型乳化機
に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品14:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びコーンエーテル化澱粉1kgをケトル型乳化機に投
入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品15:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びタピオカエステル化澱粉0.25kgをケトル型乳
化機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品16:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びタピオカエステル化澱粉0.5kgをケトル型乳化
機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品17:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びタピオカエステル化澱粉1kgをケトル型乳化機に
投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品18:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びバレイショα化澱粉0.25kgをケトル型乳化機
に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品19:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及び酸変性澱粉0.25kgをケトル型乳化機に投入
し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品20:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びバレイショ澱粉0.25kgをケトル型乳化機に投
入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品21:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、水27.5kg
及びコーンスターチ0.25kgをケトル型乳化機に投
入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。
【0014】試作品1〜試作品21のチーズミックスの
流動性及び糸曳き性を前述した方法で評価した。評価の
結果を表1に示す。
【0015】
【表1】 ────────────────────────── 流動性 ノズルからの糸曳き mm 評価 mm 評価 ────────────────────────── 試作品1 20 × 9 ◎ 試作品2 7 ○ 20 × 試作品3 8 ○ 25 × 試作品4 11 △ 15 △ 試作品5 2 ◎ 28 × 試作品6 20 × 5 ◎ 試作品7 20 × 5 ◎ 試作品8 3 ◎ 15 △ 試作品9 6 ○ 18 △ 試作品10 9 ○ 25 × 試作品11 4 ◎ 27 × 試作品12 3 ◎ 5 ◎ 試作品13 2 ◎ 7 ◎ 試作品14 1 ◎ 10 ○ 試作品15 2 ◎ 5 ◎ 試作品16 2 ◎ 8 ◎ 試作品17 1 ◎ 11 ○ 試作品18 13 △ 20 × 試作品19 16 × 10 ○ 試作品20 6 ○ 25 × 試作品21 7 ○ 24 × ──────────────────────────
【0016】流動性及び糸曳き性の評価の結果、両評価
で△以上あった試作品(4、8、9、12、13、1
4、15、16、17)と試作品1を10℃で6ヶ月間
保存した。このチーズケーキ様食品について前述した方
法で、保存試験(ノリ状感、離水量及び硬度変化を評価
又は測定)を行い、さらに総合評価を行った。結果を表
2に示す。
【0017】
【表2】 ─────────────────────────────────── ノリ状感 離水量 硬度変化 総合評価 その他 ─────────────────────────────────── 試作品1 なし 0.05g 5g × 試作品4 かなりあり 0.20g 20g × 試作品8 若干あり 0.10g 40g × 試作品9 かなりあり 0.20g 20g × 強烈な卵白臭 試作品12 なし 0.05g 7g ◎ 試作品13 ほとんどなし 0.05g 10g ○ 試作品14 ほとんどなし 0.10g 14g ○ 試作品15 なし 0.05g 5g ◎ 試作品16 ほとんどなし 0.05g 9g ○ 試作品17 ほとんどなし 0.10g 13g ○ ─────────────────────────────────── 添加物を添加しない試作品1のチーズケーキ様食品はノ
リ状感、離水及び硬度変化も少なかったが、チーズミッ
クスの流動性が高く、充填適性が悪かった。また、キサ
ンタンガム、卵白又はカラギーナンを添加したチーズケ
ーキ様食品は、ノリ状感が感じられ、保存中に離水が生
じ、組織も硬くなり好ましくなかった。それに対し、化
工澱粉を添加したチーズケーキ様食品は、ノリ状感がほ
とんど感じられず、保存中に離水もほとんどなく、硬度
変化も少なく好ましかった。
【0018】実施例2(試作品22〜試作品25) 以下の様にして試作品22〜試作品25を調製した。 試作品22:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg及び水17.2
5kgをケトル型乳化機に投入し、試作品1と同様の方
法で調製を行った。 試作品23:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg、グアーガム
0.25kg及び水17.0kgをケトル型乳化機に投
入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品24:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg、コーンエーテ
ル化澱粉0.25kg及び水17.0kgをケトル型乳
化機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品25:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg、タピオカエス
テル化澱粉0.25kg及び水17.0kgをケトル型
乳化機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行っ
た。
【0019】試作品22〜試作品25のチーズミックス
の流動性及び糸曳き性を前述した方法で評価し、官能評
価を行った。さらにチーズケーキ様食品を10℃で6ヶ
月間保存し、前述した方法で保存試験(ノリ状感、離水
量及び硬度変化を評価又は測定)を行い、さらに総合評
価を行った。結果を表3に示す。
【0020】
【表3】
【0021】添加物を添加しない試作品22のチーズミ
ックスは、流動性があり充填適性が悪かった。また、グ
アーガムを添加した試作品23のチーズミックスはノズ
ルからの糸曳きがあり、チーズケーキ様食品もノリ状感
が感じられ、組織も硬くなり、風味・食感ともに好まし
くなかった。それに対し、化工澱粉を添加した試作品2
4及び試作品25のチーズミックスとチーズケーキ様食
品は全ての項目について好ましかった。
【0022】実施例3(試作品26〜試作品29) 以下の様にして試作品26〜試作品29を調製した。 試作品26:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)39.75kg、グラニュー糖
5kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リ
キュール0.05kg、香料0.05kg及び水17.
25kgをケトル型乳化機に投入し、試作品1と同様の
方法で調製を行った。 試作品27:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)39.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg及びグアーガム
0.25kgをケトル型乳化機に投入し、試作品1と同
様の方法で調製を行った。 試作品28:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)39.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg及びコーンエー
テル化澱粉0.25kgをケトル型乳化機に投入し、試
作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品29:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)39.5kg、グラニュー糖5
kg、レモン汁0.15kg、無塩バター5kg、リキ
ュール0.05kg、香料0.05kg及びタピオカエ
ステル化澱粉0.25kgをケトル型乳化機に投入し、
試作品1と同様の方法で調製を行った。
【0023】試作品26〜試作品29のチーズミックス
の流動性及び糸曳き性を前述した方法で評価し、官能評
価を行った。さらにチーズケーキ様食品を10℃で6ヶ
月間保存し、前述した方法で保存試験(ノリ状感、離水
量及び硬度変化を評価又は測定)を行い、さらに総合評
価を行った。結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】添加物を添加しない試作品26のチーズミ
ックスは、流動性があり充填適性が悪かった。また、グ
アーガムを添加した試作品27のチーズミックスはノズ
ルからの糸曳きがあり、チーズケーキ様食品もノリ状感
が感じられ、組織も硬くなり、風味・食感ともに好まし
くなかった。それに対し、化工澱粉を添加した試作品2
8及び試作品29のチーズミックスとチーズケーキ様食
品は全ての項目について好ましかった。
【0026】実施例4(試作品30〜試作品33) 以下の様にして試作品30〜試作品33を調製した。 試作品30:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖3
kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、リ
キュール0.05kg、香料0.05kg及び水14.
4kgをケトル型乳化機に投入し、試作品1と同様の方
法で調製を行った。 試作品31:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖3
kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、リ
キュール0.05kg、香料0.05kg、グアーガム
0.25kg及び水14.15kgをケトル型乳化機に
投入し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品32:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖3
kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、リ
キュール0.05kg、香料0.05kg、コーンエー
テル化澱粉0.25kg及び水14.15kgをケトル
型乳化機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行っ
た。 試作品33:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)22.5kg、グラニュー糖3
kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、リ
キュール0.05kg、香料0.05kg、タピオカエ
ステル化澱粉0.25kg及び水14.15kgをケト
ル型乳化機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行
った。
【0027】試作品30〜試作品33のチーズミックス
の流動性及び糸曳き性を前述した方法で評価し、官能評
価を行った。さらにチーズケーキ様食品を10℃で6ヶ
月間保存し、前述した方法で保存試験(ノリ状感、離水
量及び硬度変化を評価又は測定)を行い、さらに総合評
価を行った。結果を表5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】添加物を添加しない試作品30のチーズミ
ックスは、流動性があり充填適性が悪かった。また、グ
アーガムを添加した試作品31のチーズミックスはノズ
ルからの糸曳きがあり、チーズケーキ様食品もノリ状感
が感じられ、組織も硬くなり、風味・食感ともに好まし
くなかった。それに対し、化工澱粉を添加した試作品3
2及び試作品33のチーズミックスとチーズケーキ様食
品は全ての項目について好ましかった。
【0030】実施例5(試作品34〜試作品37) 以下の様にして試作品34〜試作品37を調製した。 試作品34:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)36.9kg、グラニュー糖3
kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、リ
キュール0.05kg及び香料0.05kgをケトル型
乳化機に投入し、試作品1と同様の方法で調製を行っ
た。 試作品35:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)36.65kg、グラニュー糖
3kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、
リキュール0.05kg、香料0.05kg及びグアー
ガム0.25kgをケトル型乳化機に投入し、試作品1
と同様の方法で調製を行った。 試作品36:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)36.65kg、グラニュー糖
3kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、
リキュール0.05kg、香料0.05kg及びコーン
エーテル化澱粉0.25kgをケトル型乳化機に投入
し、試作品1と同様の方法で調製を行った。 試作品37:軟質ナチュラルチーズとしてクリームチー
ズ(オーストラリア産)36.65kg、グラニュー糖
3kg、イチゴプレザーブ5kg、無塩バター5kg、
リキュール0.05kg、香料0.05kg及びタピオ
カエステル化澱粉0.25kgをケトル型乳化機に投入
し、試作品1と同様の方法で調製を行った。
【0031】試作品34〜試作品37のチーズミックス
の流動性及び糸曳き性を前述した方法で評価し、官能評
価を行った。さらにチーズケーキ様食品を10℃で6ヶ
月間保存し、前述した方法で保存試験(ノリ状感、離水
量及び硬度変化を評価又は測定)を行い、さらに総合評
価を行った。結果を表6に示す。
【0032】
【表6】
【0033】添加物を添加しない試作品34のチーズミ
ックスは、流動性があり充填適性が悪かった。また、グ
アーガムを添加した試作品35のチーズミックスはノズ
ルからの糸曳きがあり、チーズケーキ様食品もノリ状感
が感じられ、組織も硬くなり、風味・食感ともに好まし
くなかった。それに対し、化工澱粉を添加した試作品3
6及び試作品37のチーズミックスとチーズケーキ様食
品は全ての項目について好ましかった。
【0034】
【発明の効果】本発明では、チーズケーキ様食品の製造
において、チーズミックスをアルミ箔等に個別に包装す
る際に、ミックスの温度が65℃以上でも流動性が乏し
く、充填機のノズルからの糸曳きがほとんどなく充填適
性が良好であって、チ−ズケ−キ様食品として食したと
きにノリ状感や安定剤等による風味の劣化がなく、さら
に保存中、低温において組織の硬化及び離水が抑制され
るという保存性に優れたポーションタイプのチーズケー
キ様食品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B001 AC03 BC01 DC01 EC01 EC04 4B041 LC01 LC03 LC07 LD01 LE08 LH02 LK37 LP04 LP10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分中の脂肪率が4%以上である軟質
    ナチュラルチーズを20重量%以上及び化工澱粉を0.
    5重量%以上含有し、水分率が75%以下であることを
    特徴とするポーションタイプのチーズケーキ様食品。
  2. 【請求項2】 固形分中の脂肪率が4%以上である軟質
    ナチュラルチーズを20重量%以上及び化工澱粉を0.
    5重量%以上含有するように配合し、水分率を75%以
    下に調整して加熱溶融したチーズミックスをポーション
    容器に充填することを特徴とするポーションタイプのチ
    ーズケーキ様食品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010239944A (ja) * 2009-04-10 2010-10-28 Snow Brand Milk Prod Co Ltd プロセスチーズ類及びその製造方法
JP2015015928A (ja) * 2013-07-12 2015-01-29 キユーピー株式会社 チーズソース
JP2019010036A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 伊那食品工業株式会社 チーズ加工食品
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