JP2004097066A - 乾燥チーズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分含有率が異なる各種チーズを原料にすることができ、チーズの水分含有率を調節する必要のない、乾燥チーズの製造方法を提供する。
【解決手段】原料チーズを、減圧下でマイクロ波により、加熱乾燥する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長期保存可能な乾燥チーズを製造する方法及び乾燥チーズに関する。
【0002】
【従来の技術】
チーズは、牛乳等から製造され、蛋白質、油脂、カルシウム、リン、イオウ、ビタミンAやB等の優れた供給源になる、カロリーの高い高栄養価食品である。チーズは、ナチュラルチーズとプロセスチーズの2つに分けられる。ナチュラルチーズとは、発酵させたままのものであり、何の加工も施されていないものである。プロセスチーズとは、ナチュラルチーズを加工したものであり、具体的には、ナチュラルチーズを混合したり、添加物を加える等して、風味や品質を一定にしたり、かびの発生防止を兼ねて高温にまで加熱し、保存性をもたせる等、何らかの加工を施したものである。
ナチュラルチーズは、一般に水分含量の少ないものほど長期保存が可能である。低水分、高酸度の超硬質〜硬質チーズでは長期保存が可能であり、半硬質チーズの保存性は2〜3ヶ月、軟質熟成チーズは2〜3週間、軟質非熟成チーズで水分量の多いカッテージチーズの保存性は数日間とされている。プロセスチーズは、ナチュラルチーズよりも変質しにくいが、微生物等による品質劣化が生じることは、ナチュラルチーズと何ら変わりはない。
【0003】
チーズ保存中の品質劣化には、チーズの水分の蒸発、微生物による変質、ナチュラルチーズを放置しておくと発酵が進むことによる風味の変化等が挙げられる。このような品質劣化を防ぐため、チーズは、普通、乾燥した冷暗所で保存される。適温は3〜5℃であり、通常、冷凍保存は行わない。チーズの水分が凍ると、チーズがぼろぼろになり、風味や食感が損なわれる。
チーズの冷蔵保存では、チーズを密閉包装しておかないと、自然乾燥により水分が少なくなり、非常に硬くなって、細かく粉砕したり、パウダー状にすりおろさないと食するのに適さないものになる。また、チーズは、水分、蛋白質等を多く含むため、微生物が増殖しやすく、汚染かびの増殖による、表面変色等の外観劣化、かび臭などの異臭発生、マイコトキシン生成の危険、風味異常等が発生する。チーズを冷蔵保存することにより、ある程度微生物の増殖を押さえることができるが、低温に強いかびや細菌等が存在する。また、ナチュラルチーズでは、冷蔵中であってもチーズ製造に使用される乳酸菌等の微生物が生きており、発酵が進むことがある。更に、冷蔵保存は、冷蔵庫が必要で、コストがかかり輸送が大変である。
微生物が増殖せず、コストがかからない保存形態として、乾燥させたチーズが考えられる。チーズを乾燥させる方法として、従来から、常圧乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、真空凍結乾燥等が適用されている。また、その他の乾燥チーズの製造方法として、魚肉シートにチーズを挟んで発泡膨化した嗜好食品の製造方法が挙げられる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−105674号公報(段落番号0008〜0009)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記常圧乾燥の一般的な方法に、熱風乾燥があるが、チーズを熱風乾燥すると、チーズの水分は蒸発するが、チーズに多量に含まれる油脂分が流れ出てしまう。また、減圧乾燥は、減圧によりチーズに含まれる水分を蒸発させることができるが、減圧乾燥している間に、油脂分が流れ出てしまう。更に、凍結乾燥や真空凍結乾燥では、チーズの種類にもよるがおおよそ−20℃で凍結後、乾燥させると、乾燥中にチーズ中の油脂分が流れ出てしまう。このように、油脂分が流れ出てしまうと、チーズの高栄養価を確保できず、かつ油脂分に含まれる香味成分を失って風味の劣った乾燥チーズになってしまう。更に、その食感も一般的に硬くなり、色調も乾燥前の色から褐変したものになってしまっていた。
また、魚肉シートにチーズを挟んで発泡膨化した嗜好食品の製造方法が特許文献1に開示されている。この方法では、魚肉シートでチーズを挟んだものをマイクロ波で加熱処理する前に、チーズの水分含有率を20〜45%に調整している。水分含有率が45%を超えるとチーズの気泡が大きくなり製品の見栄が悪く、形状が崩れやすくなり、20%以下では発泡があまり起こらないため収縮して硬くなり製品価値を下げる。
また、乾燥状態のチーズ加工品として、チーズパウダーが市販されているが、チーズパウダーは、原料チーズに賦形剤としてデキストリン等の添加物を加えて加熱溶解してから噴霧乾燥して製造されるので、チーズのみから成る製品ではない。また、粉末状の製品であり、チーズらしい固形状及び色調等を保持するものではない。
更に、水分の少ないナチュラルチーズにパルメザンチーズがあるが、パルメザンチーズはチーズ製造時に1年以上の熟成期間をかけて水分含量を32%未満にしたもので、減圧乾燥等によって乾燥したものではない。更に言えば、減圧乾燥等によって、ナチュラルチーズに一切の添加物を加えずに長期保存を可能にしたチーズは今まで報告されていない。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水分含有率が異なる各種チーズを原料にすることができ、チーズの水分含有率を調節する必要のない、作業性に優れた乾燥チーズの製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、良好な形状、食感、風味、色合い及び高栄養価等を有する長期間保存可能な乾燥チーズの製造方法及び乾燥チーズを提供すること、また、ナチュラルチーズのみを原料にし、添加物の一切入っていない乾燥チーズの製造方法及び乾燥チーズを提供することにあり、延いては、物流の悪い地域や冷蔵装置等のない所に居住する人々に、長期常温保存可能な高栄養食品のチーズを提供できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、原料のチーズを減圧条件下でマイクロ波を用いて加熱乾燥させることにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
チーズは、牛乳、羊乳その他の乳汁を、レンネット(凝乳酵素)又は乳酸発酵によって凝固させ、蛋白質おもにカゼインと脂肪を集め、食塩、香料などを添加して発酵させたものである。チーズの製造工程は、発酵、熟成を伴うので、蛋白質が可溶性となり、消化されやすくなっており、消化率は95%以上である。しかもアミノ酸組成もすぐれているので、風味もよくなっている。製法は世界各地で異なり、種類も極めて多く、500種以上を数えることができるといわれている。
前述のように、チーズはナチュラルチーズとプロセスチーズとに分類することができる。
更に、ナチュラルチーズを水分含量による硬さの状態で分類すると、軟質(水分40%超)、半硬質(38〜45%)、硬質(25〜38%)、超硬質(32%未満)の4つに分けられる。それぞれの代表的なチーズとして、軟質チーズでは、カッテージ、ヌーシャテル、クリーム、リンブルガー、リーデルクランツ、カマンベール及びブリー等、半硬質チーズでは、ブリック、ミュンスター、ロックホール、ゴルゴンゾラ及びスチルトン等、硬質チーズでは、エメンタール、パルメザン、チェダー、エダム及びゴーダチーズ等、超硬質チーズでは、ロマノ、パルメザン等を挙げることができる。
代表的なチーズの組成を、以下の表1に示す。
【0009】
【表1】
Figure 2004097066
(エメンタール以外は、Samuel A. Matz著、スナックフーズ、株式会社光琳、昭和55年12月25日発行、66−67頁から引用、エメンタールは、5訂日本食品標準成分表、科学技術庁資源調査会、平成12年12月20日初版258−259頁のデータを%に換算して引用)
【0010】
また、プロセスチーズは、一般には、数種のナチュラルチーズを粉砕混合し、乳化剤等を加え、加熱溶融し成型したチーズをいうが、単に殺菌したチーズも含み、必ずしも乳化剤等を加えたものとは限らない。風味や品質がいつも一定に作れるほか、原料チーズの配合割合によっていろいろ風味の違った製品が作れる。また、プロセスチーズ製造の加熱処理により、ナチュラルチーズよりも保存性が高くなる。プロセスチーズには、更に燻製したスモークチーズや香辛料を加えたスパイスチーズ等がある。
本発明では、ナチュラルチーズ、プロセスチーズの双方を含む、あらゆるチーズを原料とすることができ、前記列挙したチーズに限定されない。
原料チーズは、必要により、常法による選別、カット、殺菌等の前処理を行うことが好ましい。また、チーズの水分含量率は問わないので、チーズの水分含有率を調整する工程は必要ない。
【0011】
本発明の乾燥チーズの製造方法においては、必要な前処理を行った原料チーズを減圧条件下でマイクロ波で乾燥させる。減圧条件は、好ましくは4〜533hPaであるが、6.7〜66.7hPaであることが更に好ましい。圧力が4hPa未満であると、原料チーズの乾燥中の品温が下がって凍結乾燥状態となる場合があり、製品の食感が好ましくなくなるときがある。また、加熱熱源にマイクロ波を使用するので、乾燥中に放電現象が起こりやすくなる。また圧力が533hPaを超えると原料チーズの乾燥中の品温が100℃以上になることがあり、退色、褐変、香味の飛散が大きくなる場合がある。
マイクロ波は、300〜30,000MHzの交流で、きわめて短い波長(0.1〜1m)の電磁波をいう。本発明で使用するマイクロ波は、好ましくは1000〜3000MHzであり、日本においては、電磁波法で規定されている2450MHzが更に好ましい。これは、電子レンジとして広く加熱利用され、加熱効果が高い周波数である。外国では、その国で使用されている電磁波を使用することが好ましく、例えば米国では915MHzである。
本発明の製造方法で使用する装置は、減圧下でマイクロ波加熱が可能なものであればどのような手段でも実施できるが、例えば、マイクロ波加熱減圧乾燥機を用いることが好ましい。
【0012】
チーズを減圧条件下でマイクロ波で乾燥させる工程は、5〜900分間で行うことが好ましく、15〜120分間で行うことが更に好ましい。5分未満であると、加熱乾燥が急激になり、加熱前のチーズの形状が保持できない場合がある。900分を超えると、加熱乾燥中の退色・香気成分の損失が多くなる場合がある。
また、乾燥工程中の乾燥機内の温度は、−10〜100℃であることが好ましく、5〜80℃であることが更に好ましい。−10℃以下であると、前述のように原料チーズの乾燥中に凍結乾燥状態となる場合があり、製品の食感が好ましくなくなるときがある。また、加熱熱源にマイクロ波を使用するので、乾燥中に放電現象が起こりやすくなる。また、100℃を超えると原料チーズの乾燥中の品温が100℃以上になり、前述のように退色、褐変、香味の飛散が大きくなる場合がある。従って、加熱乾燥は、原料チーズの温度が、好ましくは100℃以下になるように行うことが適当である。
【0013】
原料チーズを減圧条件下に曝すと、チーズ中の水分が気化して乾燥するが、同時にマイクロ波を適用すると、チーズの外側だけでなく内部まで瞬間的に加熱されるので、チーズ中の水分が瞬間的に気化してチーズ全体が膨化発泡し、多孔質の乾燥チーズが得られる。また、減圧条件の適用により、原料チーズ中の水分が少なくても十分に発泡膨化し、水分が多い場合でも、気泡が大きくなりすぎず、乾燥前にカットした形状をほぼ保ったまま発泡膨化する。更に、チーズが極めて短時間で膨化発泡するため、チーズに多く含まれる油脂分が、乾燥中に殆ど流出することなく、多孔質の乾燥チーズに保持される。
また、マイクロ波の加熱によって、乾燥チーズの殺菌も兼ねることができる。食品保存上問題となる通常の腐敗菌や食中毒細菌の熱死滅に必要な温度は60℃前後、チーズ製造に使用される乳酸菌の熱死滅温度は約70℃であり、熱死滅に必要な温度は5〜30分程度であるといわれているが、マイクロ波の殺菌効果は熱湯中の加熱よりも短時間で微生物が死滅する。
本発明の製造方法で得られる乾燥チーズの水分含有量は、一般に0.1〜20質量%であり、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明の乾燥チーズは、数ヶ月、保存状態によっては数年間、品質を損なわずに貯蔵することができる。
なお、チーズには油脂分が多く含まれるので、油の酸化を生じる。油の酸化は、温度、光、酸素、金属イオンなどの存在で促進される。従って、本発明の乾燥チーズは、遮光した場所に保存することが好ましく、密封や冷蔵により、一層長期間に渡って保存可能になる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、かかる実施例に限定されないことはいうまでもない。
本発明の製造方法に従って、各種乾燥チーズを製造し、目視・味見による乾燥チーズの評価、乾燥前後の質量測定、また一部の実施例について、乾燥前後の水分・脂質含有量、抽出油の酸化、過酸化物価の算出を行った。それぞれの測定は、「五訂日本食品標準成分表分析マニュアル」(科学技術庁資源調査会食品成分部会資料(平成9年))に従った。
具体的には、水分含有量を常圧加熱乾燥法による減量法で測定し、加熱条件は、105℃で4時間であった。
また、脂質含有量を、酸分解法により測定した。
また、抽出油の酸価は、油脂の品質の良否を判断するのに有効であり、油脂類1g中に含まれている遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。ジエチルエーテルによるソックスレー抽出法でチーズの油脂を抽出し、これを試料油とし、酸分解法により酸価を算出した。
過酸化物価は、油脂の変敗の程度を示す特数で、油脂の自動酸価の初期に生成する過酸化物の含量を示すものであり、酢酸クロロホルム法(wheeler法)で算出した。
【0015】
実施例1
オランダ産ゴーダチーズ600gを、約5mmの厚みにスライスし、555gのスライスゴーダチーズを得た。次いで、得られたスライスゴーダチーズをマイクロ波加熱減圧乾燥機(エディー社製)で、圧力40hPa、マイクロ波2450MHzの条件で、品温を20℃から80℃まで上げつつ、60分間乾燥を行い、336g(収率61%)の乾燥チーズを得た。乾燥チーズの水分は3質量%であった。
得られた乾燥ゴーダチーズは、色合いが良く、また風味も良好で食感も細かい気泡を含んで軟らかいものになり、そのまま食することができるものであった。
【0016】
実施例2
オランダ産ゴーダチーズを約10mmにスライスして948.1g(水分36.9質量%、脂質29.9質量%)を前記マイクロ波加熱減圧乾燥機で、圧力40hPa、マイクロ波2450MHzの条件で、品温を5℃から60℃まで上げつつ、65分間加熱乾燥し、601.0g(収率63%)の乾燥チーズを得た。乾燥チーズは、水分3.2質量%、脂質48.7質量%であった。このゴーダチーズの表面には若干赤く硬い部分が有ったためこの部分のみは完全には乾燥しなかった。しかし、そのままでは除去することが難しかったこの部分が、乾燥後には容易に剥離することが可能であったので、全体が薄黄色の乾燥ゴーダチーズを得ることが出来た。この乾燥ゴーダチーズは、風味、食感とも良好でそのまま食することが出来た。また、容易にコーヒーミルで粉砕、粉末化もできた。
更に、抽出油の酸価は、乾燥前0.80、乾燥後0.56であり、過酸化物価は、乾燥前1.1meq/kg、乾燥後1.4meq/kgであった。
【0017】
実施例3
フランス産で扇状に16等分割したブリーチーズ6個(1個は約200g)1,233g(水分45.7質量%、脂質29.9質量%)を、前記マイクロ波加熱減圧乾燥機で、減圧度40−50hPa、マイクロ波2450MHzの条件で乾燥し、640gの乾燥ブリーチーズを得た。この水分は1.2質量%、脂質55.6質量%であった。
また、乾燥中に品温が90℃近くまで上昇したが、乾燥時間が80分程度と短いため焦げることもなく綺麗に乾燥した。
このブリーチーズは表面がカマンベールチーズ同様、表面に薄い白色の層があり従来の乾燥法では乾燥が出来なかったが今回はこの部分も含めて乾燥した。
乾燥ブリーチーズは、形状、風味、食感共に良好であった。
更に、抽出油の酸価は、乾燥前26.8、乾燥後0.73であり、過酸化物価は、乾燥前0.2meq/kg、乾燥後0.8meq/kgであった。
【0018】
実施例4
イギリス産レッドチェダーチーズを厚さ2−3cm、巾2−3cm、長さ10−15cmの短冊状にカットした。このチェダーチーズ1,099g(水分32.6重量%、脂質34.8重量%)を実施例3と同じ条件で乾燥し、乾燥レッドチェダーチーズ723g(収率65%)を得た。乾燥レッドチェダーチーズは、風味、形状、食感ともに良好であった。
更に、抽出油の酸価は、乾燥前0.97、乾燥後0.86であり、過酸化物価は、乾燥前1.0meq/kg、乾燥後1.0meq/kgであった。
【0019】
実施例5
フランス産エメンタールチーズ1,137gを、短冊形状(20×20×100mm)とスライス形状(5×50×100mm)にカットして、実施例3と同じ条件で乾燥し、乾燥エメンタールチーズ749.1g(収率66%)を得た。スライス形状より短冊形状の方が、乾燥後の形状の保持が良かった。また、風味、食感ともカット形状に関係なくエメンタールチーズの特徴がよく残っていて良好であった。
【0020】
実施例6
フランス産で円筒形のカマンベールチーズ3個(1個直径約110mm、厚さ30mm、約250g)760gを、厚さ5−7mmにスライスして実施例3と同じ条件で乾燥し、乾燥カマンベールチーズ382.3g(収率50%)を得た。
ブリーチーズ同様、表面の白い部分も乾燥でき、風味、形状の保持、食感ともに良好であった。
【0021】
実施例7
デンマーク産クリームチーズ5缶(1缶約150g)738.5gを、厚さ10−15mmになるようにほぼ均一にトレーに伸ばして、前記マイクロ波減圧加熱乾燥機で、実施例3と同じ条件で乾燥を行い、乾燥クリームチーズ345g(収率48%)を得た。
乾燥したクリームチーズは、綺麗な発泡が観察され、そのため若干壊れやすいが、逆にコーヒーミル等にて容易に粉末化することが出来、無添加の粉末クリームチーズの生産が可能であることが確認された。
【0022】
実施例8
市販プロセスチーズ(6Pタイプ)1パック150.6gを、前記マイクロ波加熱減圧乾燥機で、実施例3と同じ条件で乾燥し、78.9g(収率52%)の乾燥プロセスチーズを得た。乾燥後の形状は、若干膨化したが三角形を保持しており、風味、食感とも良好であった。
【0023】
実施例9
市販スモークチーズ1本152.5gを、5mm巾にスライスして、実施例3と同じ条件で乾燥し、乾燥スモークチーズ89.5g(収率59%)を得た。
乾燥したスモークチーズはスモーク臭も保持されており、風味、食感共に良好であった。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、減圧条件の下でマイクロ波で加熱乾燥させることとしたため、原料チーズの乾燥前に、水分含有量の調節の必要のない、乾燥チーズの製造方法を提供することができる。

Claims (9)

  1. 原料チーズを、減圧下でマイクロ波による加熱乾燥させることを特徴とする、乾燥チーズの製造方法。
  2. 前記減圧が、4〜533hPaで行われる、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記マイクロ波が、1000〜3000MHzを有する、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記原料が、添加物を含まないナチュラルチーズのみである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 原料チーズを、減圧下でマイクロ波による加熱乾燥させたことからなることを特徴とする、乾燥チーズ。
  6. 前記減圧が、4〜533hPaで行われる、請求項5記載の乾燥チーズ。
  7. 前記マイクロ波が、1000〜3000MHzを有する、請求項5又は6記載の乾燥チーズ。
  8. 前記原料が、添加物を含まないナチュラルチーズのみである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の乾燥チーズ。
  9. 水分含有量が、0.1〜20質量%である、請求項5〜8のいずれか1項記載の乾燥チーズ。
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