JP2002209531A - 粉末状の吸油抑制剤 - Google Patents

粉末状の吸油抑制剤

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JP2002209531A
JP2002209531A JP2001008076A JP2001008076A JP2002209531A JP 2002209531 A JP2002209531 A JP 2002209531A JP 2001008076 A JP2001008076 A JP 2001008076A JP 2001008076 A JP2001008076 A JP 2001008076A JP 2002209531 A JP2002209531 A JP 2002209531A
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fried
oil absorption
food
absorption inhibitor
oil
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Naoki Kikuchi
直樹 菊池
Hiromi Sugitani
広美 杉谷
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Kikkoman Soyfoods Co
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Kibun Food Chemifa KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油ちょう時における吸油を抑制し、その結
果、油っぽくなく、クリスピーな食感を長時間維持でき
る、カロリーが低減された油ちょう食品を簡便に製造す
るための吸油抑制剤を提供すること。 【解決手段】 アルギン酸エステルを含有することを特
徴とする粉末状の吸油抑制剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油ちょう時におけ
る吸油を抑制し、その結果、油っぽくなく、クリスピー
な食感を長時間維持できる、カロリーが低減された油ち
ょう食品の簡便な製造方法と、該方法に用いる吸油抑制
剤および該方法により製造される油ちょう食品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在のわが国においては、非常に数多く
の油ちょう食品が、頻繁に食卓に上っている。このた
め、多くの油ちょう食品を製造するメーカーは、競って
今まで以上に良い油ちょう食品を提供すべく、研究を重
ねている。現在、油ちょう食品において課題になってい
ることの一つとして、吸油の抑制がある。一般的に、油
ちょう食品は、素材をそのまま、あるいは、素材に衣を
付けて食用油の中で揚げられ、その際、多量の油分を吸
収する。このため、油分の高い油ちょう食品は、油でベ
タベタした、いわゆるオイリーな食感となる。また、油
ちょう食品の特徴の一つである衣は、適度に揚げられた
場合、揚げたてはサクサクして好ましい食感を有すが、
時間が経つとサクサク感がなくなり、ヘナヘナになった
り、また、少しでも揚げ過ぎてしまうと、揚げたてなの
に衣がベタベタし、時間が経つに連れなお一層ベタベタ
感が増し、非常に嫌な食感になってしまうことが多々あ
る。この現象は、衣つきのものばかりでなく、フレンチ
フライなどの、素材を衣なしに揚げた油ちょう食品にも
見られるもので、改善が求められている。
【0003】一方で、昨今は、引き続き健康志向ブーム
にあり、その一つとしてカロリー摂取量を控える傾向に
あり、油分含量が高い油ちょう食品の摂取を抑えようと
する消費者が多く見られる。従って、食感もさることな
がら、吸油が抑えられた低カロリーのおいしい油ちょう
食品を提供することが、消費者によって求められてい
る。さらには、揚げ用の食用油は比較的高価なため、提
供する側からは、吸油をなるべく抑え、最少量の油で最
大個数の油ちょう食品を製造できるようにすることが求
められている。
【0004】これらの上記課題を解決すべく、特開平3
−143346号公報には、マンナン、プルラン、キサ
ンタン等の多糖類の水溶液またはゲルで食材をコーティ
ングし、吸油抑制する手法が開示されている。さらに
は、特開平6−141787号公報や特開平3−143
344号公報には大豆たん白などを用いて、その水溶液
で食材をコーティングしたり、生地に混ぜたりすること
で、フライドポテトやドーナツの吸油抑制が試みられて
いる。また、特開2000−236821号公報には、
幅広い種類の油ちょう食品を対象に、吸油抑制製剤を、
原料ミックス粉やバッターミックス粉に粉体や水溶液で
添加したり、フライドポテトのように食材を直接揚げる
場合は、水溶液に漬けて揚げたりして吸油を抑制する手
法が公開されている。
【0005】上述した公知の吸油抑制に関する技術は、
大きく分けると以下の2つの手法に分類される。1つ目
は、ドーナツや即席麺などのように原料ミックス粉から
生地を作りこれを揚げる油ちょう食品や、白身魚フライ
やてんぷらなど食材に衣を付けて揚げる油ちょう食品に
対し、原料ミックス粉、衣用バッターミックス粉、ひい
ては、生地中、バッター液中に、吸油抑制する物質を、
粉体、水溶液、ペースト、ゲルなどの状態で添加する手
法である。2つ目は、フライドポテトなどのように食材
をそのまま揚げる油ちょう食品や、ドーナツや即席麺な
どのように原料ミックス粉から生地を作りこれを揚げる
油ちょう食品や、白身魚フライやてんぷらなどのように
食材に衣を付けて揚げる油ちょう食品に対し、揚げよう
とする食材や、生地や、バッターに付ける前の食材に、
吸油抑制する物質の水溶液やゲルなどに漬けたり、それ
をハケで塗ったりしてコーティングする手法である。
【0006】上記1つ目の方法によるドーナツや即席麺
などのように、原料ミックス粉から生地を作りこれを揚
げる油ちょう食品と、白身魚フライやてんぷらなど食材
に衣を付けて揚げる油ちょう食品においては、アルギン
酸エステルを始めとする多糖類や大豆たん白などの吸油
抑制剤を使用すると、確かに吸油抑制効果が見られる場
合が多いが、2つ目の方法によるフライドポテトなど食
材をそのまま揚げる油ちょう食品や、原料ミックス粉か
ら生地を作りこれを揚げる油ちょう食品と、食材に衣を
付けて揚げる油ちょう食品に対し、揚げようとする食材
や、生地や、バッターに付ける前の食材を、吸油抑制す
る物質の水溶液やゲルなどに漬けたり、それをハケで塗
ったりしてコーティングする手法では、特にフライドポ
テトなどのように食材をそのまま揚げる場合、コーティ
ングされた吸油抑制剤入り水溶液やゲルが、フライ中に
ものすごい勢いで油はねを起こし、非常に危険であるば
かりでなく、吸油抑制効果もあまり認められなかった。
また、バッターに付ける前の食材を、吸油抑制する物質
の水溶液やゲルでコーティングする手法でも、バッター
が薄まってその付きが悪くなったり、また、そのせいで
吸油抑制剤の濃度が低くなったりして、吸油抑制効果は
非常に弱いものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
課題を解決すべく、油ちょう食品を製造する際の油ちょ
う時における吸油を抑制し、その結果、油っぽくなく、
クリスピーな食感を長時間維持できる、カロリーが低減
された油ちょう食品を簡便な方法で提供することを目的
とした。具体的には、上記の好ましい油ちょう食品を簡
便に製造する方法と、それに用いる吸油抑制剤を提供す
ることを目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意研究した結果、油ちょうしようと
する具、中種、食材にアルギン酸エステルまたは、当該
アルギン酸エステルと多糖類、繊維類、糖アルコール
類、でん粉類、たん白質類、乳製品類、カルシウム剤
類、アルカリ剤類、pH調整剤類、乳化剤類、その他の
食品素材類の1種または2種以上とを組み合わせた混合
物を、粉末のまま油ちょう食品材料に適用して油ちょう
すれば、上記目的にかなう油ちょう食品を製造しうるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発
明は、アルギン酸エステルを含有することを特徴とする
粉末状の吸油抑制剤を提供する。本発明の吸油抑制剤
は、多糖類、繊維類、糖アルコール類、でん粉類、たん
白質類、乳製品類、カルシウム剤類、アルカリ剤類、p
H調整剤類、乳化剤類の1種または2種以上を含んでい
てもよい。
【0009】また本発明は、上記の吸油抑制剤を粉末の
まま油ちょう食品の食品材料に適用し、油ちょうするこ
とを特徴とする油ちょう食品の製造方法も提供する。具
体的には、粉末状の吸油抑制剤を、油ちょうしようとす
る食品材料に粉末のままふりかけるか、まぶすか、摺込
むことにより適用し、必要に応じてバッター、さらには
ブレッダーやパン粉などに付けて油ちょうする製造方法
や、粉末状の吸油抑制剤を、中種の食品材料に粉末のま
まふりかけるか、まぶすか、摺込むことにより適用し、
さらに擂潰・混合して中種を調製し、必要に応じてバッ
ター、さらにはブレッダーやパン粉などに付けて油ちょ
うする製造方法を挙げることができる。油ちょう食品中
に吸油抑制剤は0.01重量%以上含まれていることが
好ましく、0.01〜50.0重量%含まれていること
がより好ましく、0.10〜10.0重量%含まれてい
ることがさらに好ましい。さらに本発明は、これらの製
造方法により製造されることを特徴とする油ちょう食品
も提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の粉末状の
吸油抑制剤、それを用いた油ちょう食品の製造方法につ
いて詳細に説明する。本発明の粉末状の吸油抑制剤に
は、アルギン酸エステルを必須構成成分として使用す
る。本明細書でいう「アルギン酸エステル」とはアルギ
ン酸を構成するカルボキシル基の少なくとも一部がエス
テルに変換されている構造を有する化合物である。アル
ギン酸エステルのエステル化度は特に制限されない。好
ましいアルギン酸エステルとして、アルギン酸プロピレ
ングリコールが挙げられる。
【0011】本発明で用いるアルギン酸エステルの平均
分子量や分子量分布は特に制限されないが、1%溶液の
20℃における粘度(B型粘度計で測定)が1〜1,0
00mPa・sのものを好ましく用いることができ、1
0〜600mPa・sのものをより好ましく用いること
ができる。本発明で使用するアルギン酸エステルの種
類、原料および製法は特に制限されない。したがって、
本発明で使用するアルギン酸類は、天然物由来のもので
あってもよいし、合成によって得られたものであっても
よい。
【0012】アルギン酸エステルは、アルギン酸を公知
の方法にしたがってエステル化することにより容易に得
ることができる。高分子のアルギン酸は、褐藻類の細胞
間に豊富に含まれている。したがって、褐藻類を例えば
希硫酸で洗浄した後、炭酸ナトリウム溶液で抽出して、
硫酸で沈殿させる方法を用いることによって、高分子の
アルギン酸を取得することができる。こうして得られた
高分子のアルギン酸は、公知の方法のいずれかを用いる
ことによって容易に低分子化することができる。例え
ば、高分子のアルギン酸に酵素を作用させる方法、次亜
塩素酸ナトリウムや過酸化水素などを反応させる方法、
熱分解する方法、加圧分解する方法などを用いて低分子
アルギン酸を調製することができる。これらの方法によ
り得られたアルギン酸を、常法にしたがってエステル化
反応させることによりアルギン酸エステルを得ることが
できる。
【0013】本発明で用いるアルギン酸エステルを構成
するβ−D−マンヌロン酸とα−L−グルロン酸の割合
や配列順序は特に制限されない。したがって、β−D−
マンヌロン酸のみからなるブロック、α−L−グルロン
酸のみからなるブロック、両者が混合しているブロック
のすべてを有するものを使用してもよいし、そのいずれ
か1種または2種からなるものを使用してもよい。
【0014】本発明の吸油抑制剤に用いるアルギン酸エ
ステルとして特に好ましいのは、褐藻類に属する海藻に
存在するアルギン酸を得て、これを化学的処理したもの
にプロピレンオキサイドを反応させて得られる天然由来
のアルギン酸のプロピレングリコールエステルである。
本発明の吸油抑制剤は、1種類のアルギン酸エステルを
含有するものであっても、複数種のアルギン酸エステル
を含有するものであってもよい。また、本発明で使用す
るアルギン酸エステルは、所期の効果を過度に阻害しな
い範囲内で、官能基や架橋構造を有していてもよい。
【0015】本発明の吸油抑制剤は、アルギン酸エステ
ルを含有するものであれば、その他の成分の種類と含有
量は所期の効果を過度に阻害しない限り特に制限されな
い。例えば、多糖類、繊維類、糖アルコール類、でん粉
類、たん白質類、乳製品類、カルシウム剤類、アルカリ
剤類、pH調整剤類、乳化剤類の1種または2種以上を
含んでいてもよい。
【0016】本発明では多糖類として、天然ガム類やそ
れを加工したものを広く用いることができる。例えば、
アルギン酸、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、カラギーナ
ン、マンナン、ペクチン、プルラン、ローカストビーン
ガム、キサンタンガム、グアーガム、寒天、カシアガ
ム、カードラン、タマリンドガム、アラビアガム、トラ
ガントガム、ファセーレラン、ジェランガム、サイリウ
ムガム、カラヤガム、キチン、キトサンなどの海藻、種
子、樹脂および微生物由来の物質またはそれを加工した
物質の1種または2種以上を用いることができる。ただ
し、本発明で用いることができる多糖類はこれらの具体
例に限定されるものではない。
【0017】本発明では繊維類として、難消化性ないし
不消化性の炭水化物を広く用いることができる。例え
ば、セルロース、ヘミセルロース、微結晶セルロース、
メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの
植物、動物、微生物由来物質またはそれを加工した物質
の1種または2種以上を用いることができる。ただし、
本発明で用いることができる繊維類はこれらの具体例に
限定されるものではない。
【0018】本発明では糖アルコール類として、還元基
を有する糖の還元基を還元してアルコール基としたもの
を広く用いることができる。例えば、マルチトール、ソ
ルビトール、還元パラチノース、エリスリトール、ラク
チトール、還元キシロオリゴ糖などの植物、動物、微生
物由来物質またはそれを加工した物質の1種または2種
以上を用いることができる。ただし、本発明で用いるこ
とができる糖アルコール類はこれらの具体例に限定され
るものではない。
【0019】本発明ではでん粉類として、通常に食品に
使用される天然でん粉やそれを加工した加工でん粉を広
く用いることができる。天然でん粉としては、例えばワ
キシーコーンスターチ、馬鈴薯でん粉、タピオカでん
粉、サゴでん粉、ハイアミロースコーンスターチ、緑豆
でん粉が挙げられる。また、加工でん粉としては、通常
市販されているタイプの加工でん粉、例えば漂白でん
粉、可溶性でん粉、架橋でん粉、エステル化でん粉、エ
ーテル化でん粉、エステル化架橋でん粉、エーテル化架
橋でん粉が挙げられる。これらは、1種または2種以上
を組み合わせて用いることができる。ただし、本発明で
用いることができるでん粉類はこれらの具体例に限定さ
れるものではない。
【0020】本発明ではたん白質類として、通常食品に
使用されるたん白質を広く用いることができる。例え
ば、大豆たん白質、小麦たん白質、活性グルテン、卵
白、卵黄、ゼラチン、コラーゲン、プラズマ、血液たん
白などの植物、動物、微生物由来物質またはそれを加工
した物質の1種または2種以上を用いることができる。
ただし、本発明で用いることができるたん白質類はこれ
らの具体例に限定されるものではない。
【0021】本発明では乳製品類として、牛乳などの乳
関連製品やそれらを部分的に精製したものや加工したも
のを広く用いることができる。例えば、脱脂粉乳、低脂
肪粉乳、ホエーたん白、カゼイン、カゼインナトリウ
ム、酸カゼイン、レンネットカゼイン、ラクトアルブミ
ンなどの乳製品由来の物質またはそれを加工した物質の
1種または2種以上を用いることができる。ただし、本
発明で用いることができる乳製品類はこれらの具体例に
限定されるものではない。
【0022】本発明ではカルシウム剤類として、天然カ
ルシウム類やそれらを焼成したりして加工されたものを
広く用いることができる。例えば、焼成カルシウム、塩
化カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸
化カルシウム、リン酸カルシウムなどの天然由来または
合成品またはそれらを加工した物質の1種または2種以
上を用いることができる。ただし、本発明で用いること
ができるカルシウム剤類はこれらの具体例に限定される
ものではない。
【0023】本発明ではアルカリ剤類として、しばしば
食品加工に使用されるリン酸類やナトリウム塩類を広く
用いることができる。例えば、リン酸一ナトリウム、リ
ン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナ
トリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナト
リウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素アンモニウムなど一般的に
用いられるアルカリ剤物質の1種または2種以上を用い
ることができる。ただし、本発明で用いることができる
アルカリ剤類はこれらの具体例に限定されるものではな
い。
【0024】本発明ではpH調整剤類として、しばしば
食品加工に使用される酸類を広く用いることができる。
例えば、塩酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、コ
ハク酸、酒石酸、フマル酸、アスコルビン酸やこれらの
塩類など一般的に用いられるpH調整剤物質の1種また
は2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用
いることができるpH調製剤類はこれらの具体例に限定
されるものではない。
【0025】本発明では乳化剤類として、しばしば食品
加工に使用される天然乳化剤や合成乳化剤を広く用いる
ことができる。例えば、卵白、レシチン、ソルビタン脂
肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステルなど一般的に用いられる乳化剤物質の1種ま
たは2種以上を用いることができる。ただし、本発明で
用いることができる乳化剤類はこれらの具体例に限定さ
れるものではない。
【0026】本発明の吸油抑制剤には、上記の成分以外
に、食品素材類として、塩類、香辛料、着色料、甘味
料、酸味量、製造用剤など一般的に食品に用いることが
できるすべての食品関連物質の1種または2種以上を用
いることができる。
【0027】本発明の吸油抑制剤は、油ちょう食品の食
品材料に広く適用することができる。適用対象となる油
ちょう食品の種類は特に制限されないが、好ましい適用
例として以下のものを例示することができる。
【0028】(1)フライドポテトのように食材をその
まま油ちょうする場合、あるいは、白身魚フライやてん
ぷらなどのように中種を擂潰・混合せずに衣を付けて油
ちょうする場合は、揚げようとする食材に吸油抑制剤
を、粉のままふりかけたり、まぶしたり、摺込んだりし
て適用することができる。また、上記吸油抑制剤が最終
的に、揚げようとする食材に付着・含有されるならば、
副原料の調味粉、調味液、打ち粉などに添加してもよ
い。副原料への添加の仕方としては、粉のまま混合した
り、ふりかけたり、まぶしたり、摺込んだりして適用す
ることができる。さらには、添加される工程について
は、未処理の揚げようとする食材中でも、副原料添加後
でも、蒸煮工程後でも、成形工程後でも、加熱工程後で
もいかなる工程中で構わないが、好ましくは未処理の揚
げようとする食材中か副原料添加前後がもっとも効果を
発揮しやすい。
【0029】(2)チキンナゲットやコロッケのように
中種を擂潰・混合してから衣を付けて油ちょうする場合
は、その中種に吸油抑制剤を、粉のままふりかけたり、
まぶしたり、摺込んだりしてから擂潰・混合して使用す
ることができる。また、上記吸油抑制剤が最終的に、揚
げようとする食材に含有さえされるならば、副原料のつ
なぎや野菜類、肉類、調味粉、調味液、打ち粉、添加水
などに添加してもよい。副原料への添加の仕方として
は、粉のまま混合したり、ふりかけたり、まぶしたり、
摺込んだりして使用する。さらには、添加される工程に
ついては、未処理の揚げようとする食材中でも、副原料
添加後でも、擂潰・混合工程中またはその前の工程なら
いかなる工程中でも構わない。
【0030】従来は、ドーナツや即席麺などのように、
原料ミックス粉から生地を作りこれを揚げる油ちょう食
品の場合、生地中に吸油抑制剤を粉体、水溶液、ペース
ト、ゲルなどの状態で添加するか、成型した生地を吸油
抑制剤の水溶液やゲルなどに漬けたり、それをハケで塗
ったりしてコーティングする手法をとっていた。また、
白身魚フライ、てんぷら、チキンナゲット、コロッケな
どの衣を付けて揚げる油ちょう食品においては、中種が
擂潰・混合されたもの、食材をカットしただけのものの
如何にかかわらず、バッター液中に吸油抑制剤を粉体水
溶液、ペースト、ゲルの状態で添加する手法しか見られ
ない。また、フライドポテトなど食材をそのまま揚げる
油ちょう食品については、揚げようとする食材を吸油抑
制剤の水溶液やゲルなどに漬けたり、それをハケで塗っ
たりしてコーティングする手法をとっている。これに対
し、本発明の製造方法では、フライドポテトなどのよう
に食材をそのまま油ちょうする場合、あるいは、白身魚
フライ、てんぷらなどのように食材をカットしただけで
擂潰・混合せずに衣を付けて油ちょうする場合には、油
ちょうしようとする具、中種、食材に、アルギン酸エス
テルを含む吸油抑制剤を粉末のままふりかけたり、まぶ
したり、摺込んだりして使用し、また、チキンナゲット
やコロッケのように中種を擂潰・混合してから衣を付け
て油ちょうする場合は、その中種に吸油抑制剤を粉末の
ままふりかけたり、まぶしたり、摺込んだりしてから、
擂潰・混合して使用するものである。このように、本発
明の吸油抑制剤の使用法は、従来の技術とはまったく異
なっている。
【0031】このような本発明の粉末状の吸油抑制剤を
用いれば、油っぽくなく、クリスピーな食感を長時間維
持でき、カロリーが低減された油ちょう食品を簡便な方
法で製造することができる。特に、従来の技術に多く見
られた水溶液やゲルでコーティングする手法より、水に
溶かす手間やハケで塗ったりする手間や、水溶液に漬け
たり上げたりする手間が省けるという利点がある。
【0032】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。以下の実施例に示す材料、手順、割合、
操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更す
ることができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具
体例に制限されるものではない。なお、以下の実施例で
は、アルギン酸エステルとして、B型粘度計で測定した
粘度が10〜600mPa・sであるアルギン酸エステ
ル((株)紀文フードケミファ製ダックロイド)を使用
した。
【0033】実施例1 フライドポテト アルギン酸エステル19重量部、グアーガム17重量
部、ソルビトール40重量部、食品素材24重量部を混
合して、粉末状の吸油抑制剤を調製した。よく洗って皮
を剥いたジャガイモを包丁で約1cmの短冊型に切り、
これに調製した吸油抑制剤を粉のまま軽くまぶした。吸
油抑制剤の添加量は、ジャガイモ100重量部に対して
0.25重量部または0.50重量部とした。これを中
火にした蒸し器で4分間加熱し、その後、室内に30分
間放置して冷却・乾燥させ、さらに165℃の食用油中
で1分間油ちょうした。これを15分間室温で冷却し、
−15℃で凍結保存した。この凍ったままのポテトを、
再び170℃で1分30秒間油ちょうし、フライドポテ
トを得た。一方、上記フライドポテト製造法において、
粉末状の吸油抑制剤を加えなかったものを対照として同
様に製造、調理した。これらのフライドポテトについ
て、それぞれ以下の水分測定試験と油分測定試験を行っ
た。
【0034】フライドポテトをフードカッターで細かく
粉砕して混合した。得られた粉砕物約10gを精秤して
秤量ビンにとり、105℃で4時間乾燥させた後、重量
を測定した。減少した重量を計算することによって、フ
ライドポテトの水分量とした。
【0035】上記フライドポテトの粉砕物約10gを精
秤し、塩化メチレン50mlを添加して90分間放置し
た後、ろ紙(5A)でろ過してろ液をるつぼに入れた。
抽出残渣に塩化メチレン50mlを添加して30分間放
置した後、同様にろ過してろ液をるつぼに入れる操作を
2回繰り返した。るつぼを加熱して塩化メチレンを気化
させた後、乾燥して重量を測定し、これをフライドポテ
トの油分量とした。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 チキンナゲット アルギン酸エステル24.0重量部、グアーガム10.
0重量部、炭酸カルシウム20.0重量部、食品素材4
6.0重量部を混合して粉末状の吸油抑制剤を調製し
た。この吸油抑制剤2.0重量部を片栗粉1.9重量
部、調味粉1.4重量部と粉体のまま混合して得た混合
物を、フードカッターでミンチにした皮付きの鳥むね肉
96.7重量部に入れ、TKミキサーでよく混合した。
これを18.0gずつに小分けし、円盤型に成型して、
強火にした蒸し器で1分間加熱した。常温で冷却した
後、薄力粉で打ち粉をし、さらに薄力粉90.1重量
部、ワキシーでん粉9.0重量部、ベーキングパウダー
0.9重量部からなるバッターミックス粉をその1.3
5倍量の水とともに1000rpmで5分間溶解混合し
て10分間寝かせたバッター液に漬けてから、175℃
で50秒間フライした。この一時フライの終わったチキ
ンナゲットは、−15℃で凍結して保存した。凍ったま
まのこのチキンナゲットを再び175℃で5分間フライ
して加熱調理した。一方、上記チキンナゲット製造法に
おいて、粉末状の吸油抑制剤を加えなかったものを対照
として同様に製造、調理した。このフライドポテトにつ
いて、実施例1と同じ方法によって水分量と油分量を測
定した。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例3 ポテトコロッケ アルギン酸エステル23.0重量部、グアーガム13.
0重量部、炭酸カルシウム40.0重量部、食品素材2
4.0重量部を混合して粉末状の吸油抑制剤を調製し
た。この吸油抑制剤2.0重量部を乾燥マッシュポテト
66.7重量部に添加して良く混合し、さらに75℃の
水33.3重量部を加え、SKミキサーで3分間混合し
た。これを3分間蒸らし、室温で10分間冷却後、4
0.0gづつに小分けし、小判型に成型した。これに薄
力粉で打ち粉をし、さらに薄力粉88.8重量部、α−
でん粉6.0重量部、粉末状大豆たん白5.2重量部か
らなるバッターミックス粉をその3倍量の水とともに5
00rpmで1分間溶解混合して5分間寝かせたバッタ
ー液に漬けてから、適当量の生パン粉を付けて180℃
で6分間フライしてポテトコロッケを得た。一方、上記
ポテトコロッケ製造法において、粉末状の吸油抑制剤を
加えなかったものを対照として同様に製造、調理した。
このポテトコロッケについて、実施例1と同じ方法によ
って水分量と油分量を測定した。結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明の粉末状の吸油抑制剤を用いれ
ば、油ちょう中の吸油が抑えられ、カロリーが低減され
た油ちょう食品を製造することができる。また、本発明
の粉末状の吸油抑制剤を用いて製造した油ちょう食品
は、油分が少ないため、油っぽくなく、クリスピーな食
感を長時間維持できる。
【0042】また、本発明の粉末状の吸油抑制剤を食品
材料に適用する際には、単に吸油抑制剤を粉のままふり
かけたり、まぶしたり、摺込んだりするだけで良いの
で、従来の技術に多く見られた水溶液やゲルでコーティ
ングする手法より、水に溶かす手間やハケで塗ったりす
る手間や、水溶液に漬けたり上げたりする手間が省ける
という利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B016 LG06 LK01 LK08 LK09 LP07 4B018 MD33 ME01 4B035 LC03 LE01 LG02 LG15 LG19 LG20 LG44 LK13 LP07 4B036 LF13 LH01 LH11 LP03 4B042 AC05 AD21 AG07 AH01 AK01 AK09 AP05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルギン酸エステルを含有することを特
    徴とする粉末状の吸油抑制剤。
  2. 【請求項2】 多糖類、繊維類、糖アルコール類、でん
    粉類、たん白質類、乳製品類、カルシウム剤類、アルカ
    リ剤類、pH調整剤類、乳化剤類の1種または2種以上
    をさらに含む請求項1に記載される吸油抑制剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載される吸油抑制
    剤を粉末のまま油ちょう食品の食品材料に適用し、油ち
    ょうすることを特徴とする油ちょう食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載される吸油抑制剤
    を、油ちょうしようとする食品材料に粉末のままふりか
    けるか、まぶすか、摺込むことにより適用し、必要に応
    じてバッター、さらにはブレッダーやパン粉などに付け
    て油ちょうすることを特徴とする、油ちょう食品の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載される吸油抑制剤
    を、中種の食品材料に粉末のままふりかけるか、まぶす
    か、摺込むことにより適用し、さらに擂潰・混合して中
    種を調製し、必要に応じてバッター、さらにはブレッダ
    ーやパン粉などに付けて油ちょうすることを特徴とす
    る、油ちょう食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記油ちょう食品中に前記吸油抑制剤を
    0.01重量%以上用いることを特徴とする、請求項3
    〜5のいずれかに記載の油ちょう食品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記油ちょう食品中に前記吸油抑制剤を
    0.10〜10.0重量%用いることを特徴とする、請
    求項6に記載の油ちょう食品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載される製
    造方法により製造されることを特徴とする油ちょう食
    品。
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