JPH0975024A - 加工パン粉とその製造方法及びこれを付着してなる加熱調理用食品材料、並びに食品の製造方法 - Google Patents

加工パン粉とその製造方法及びこれを付着してなる加熱調理用食品材料、並びに食品の製造方法

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JPH0975024A
JPH0975024A JP7233595A JP23359595A JPH0975024A JP H0975024 A JPH0975024 A JP H0975024A JP 7233595 A JP7233595 A JP 7233595A JP 23359595 A JP23359595 A JP 23359595A JP H0975024 A JPH0975024 A JP H0975024A
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bread crumbs
processed
protein
mixture
acid
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Nobuteru Ishizuka
信輝 石塚
Hidenari Imai
秀成 今井
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品材料(種)への衣付けが容易にでき、ま
た調理後においては、柔らかく、ふっくらとした食感の
フライとなり、かつサクミ感のある衣が得られ、且つ衣
の揚げ色が顕著に向上させ得る加工パン粉を提供する。 【構成】 高粘稠性素材と蛋白質との混合物がパン粉の
表面に付着していることを特徴とするpHが8以下の加
工パン粉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工パン粉とその
製造法及び該加工パン粉を付着させた加熱調理用食品材
料、並びに該食品材料を用いた食品の製造方法に関す
る。特に本発明は、衣付け用として有利に用いることが
でき、またふっくら感、柔らかい食感を有し、揚げ色の
向上したフライを作ることができる加工パン粉とその製
造法及び該加工パン粉を付着させた加熱調理用食品材
料、並びに該食品材料を用いた食品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、流通手段の発達や食生活の多様化
により、様々な種類の冷凍食品、冷蔵食品、あるいはレ
トルト食品が提案されている。特にフライ、コロッケな
どに代表される揚げ物(フライ)類は、これらの食品の
調製が比較的手間のかかる作業が必要なことから簡便に
できる上記のような冷凍食品等の需要は多い。通常フラ
イ類を家庭で作る際には、その衣付けの材料として小麦
粉などの澱粉、卵、そしてパン粉が用いられる。衣付け
は、まず澱粉を肉類及び/又は野菜などからなる未調
理、あるいは半調理済の食品材料(種、具材)に付着さ
せた後、この表面に溶き卵を付着させ、更にパン粉をま
ぶすという工程で行なわれている。穀粉によって食品材
料の表面の水分が吸収され、卵の付きが良くなり、また
澱粉、卵はそれぞれ加熱調理によって薄膜(穀粉の糊化
による薄膜、また卵による蛋白質の薄膜)を形成し、こ
の両者によりパン粉の食品材料表面への付着が容易にな
ると共に、また形成される衣の剥れも防止される。最近
では、電子レンジ、オーブンあるいはオーブン・レンジ
などを利用したフライ類の調理法(ノンフライ類の調理
法)も提案されている。例えば、電子レンジを利用して
カツフライ(ポークフライ、トンカツ)を作るには、ま
ず衣となるパン粉を広げ、この上から適量のサラダ油を
吹きかけ、良く混ぜる。そしてこれを電子レンジで加熱
し、サラダ油をパン粉に均一に含ませる。一方、食品材
料(種)となる豚肉には塩、胡椒などで下味をつけた
後、小麦粉、溶き卵、更に上記で得たパン粉の順に衣付
けを行い、これを電子レンジで所定時間焼く。このよう
にして、多量の油を使用することなく、揚げた時のよう
なカツフライを得ることができる。上記のようなフライ
類の衣付けには、その作業性の面からパン粉が容易に付
着し、また外観上からより多くのパン粉が付着され、剥
れ落ちにくいことが好ましい。このことは、上記のよう
な冷凍食品などを一定の品質で量産する際には、特に必
要となる。また調理後のフライ類をよりおいしく食べる
には、加熱調理によって種が余り固くならず、ふっくら
としており、また衣はカラッとしたサクミのある食感で
仕上ることが望ましい。しかし一般に従来の冷凍食品な
どは特に種のふっくら感、柔らかさにおいては、充分で
ない。また上記のノンフライの場合においても油で揚げ
た本来のフライ類に比べ衣にはカラッとしたサクミ感が
なく、また種となる食品材料、特に肉類などはふっくら
感も余りなく、またパサついて固い食感となり易いとの
問題もある。上記のようなフライ類の衣付けの作業性を
改良し、パン粉の付きを良くし、また衣付け後は剥れ落
ちにくいフライ用ミックス(パン粉揚げ用衣ミックス)
が提案されている(特開昭55−150870号公報参照)。こ
れはパン粉と冷水膨潤性又は冷水溶解性の高い天然糊料
類等とからなる混合物で、衣付けの作業性においては改
良されるが、得られたフライ製品自身のふっくら感など
の食感においては十分満足できる程には至っていない。
また、この種のパン粉を用いて製造したフライは、揚げ
色が悪いという問題がある。なお、パン粉の表面を油
脂、セラック樹脂で順次被覆処理したパン粉加工品も提
案されている(特開平2−245156号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
材料(種)への衣付けが容易にでき、また調理後におい
ては、柔らかく、ふっくらとした食感のフライとなり、
かつサクミ感があり、揚げ色が向上した衣が得られる加
工パン粉とその製造法及び該加工パン粉を付着させた加
熱調理用食品材料、並びに該食品材料を用いた食品の製
造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フライ類の
衣付けの作業性、及び衣付けに用いる材料のフライ製品
の品質に及ぼす影響に着目し、検討を行った。それによ
ると、衣付けに際しては、種表面の水分を速やかに吸収
して粘稠化し易く、また加熱調理によってゲル化し、種
表面に薄膜(皮膜)を形成しやすい性質を有する物質が
有効であるとの知見を得た。そこで本発明者は、上記の
ような性質を有する材料を求めて研究した結果、吸湿性
を有し、かつ加熱ゲル化性を有する特定の材料を用い、
かつこれらの材料をパン粉の表面に付着させた新規な構
成の加工パン粉を用いることで上記目標とするフライを
作ることができることを見出し、本発明を完成したもの
である。このような構成の加工パン粉を用いることによ
り、パン粉が付着しやすくなり、また加熱によるゲル化
で形成された種表面の皮膜(パン粉の粒子同志が結合し
て形成される薄膜)により水分の過剰な蒸散が抑えら
れ、ふっくら感などの食感が改良され、揚げ色が向上し
たフライを得ることができる。本発明は、高粘稠性素材
と蛋白質との混合物がパン粉の表面に付着していること
を特徴とするpHが8以下の加工パン粉にある。また本
発明は、上記の加工パン粉を未調理あるいは半調理済の
食品材料に付着させてなる加熱調理用被覆食品材料にも
ある。更に本発明は、上記の加工パン粉を未調理あるい
は半調理済の食品材料に付着させてなる加熱調理用被覆
食品材料を油脂で揚げて調理する食品の製造方法にもあ
る。更にまた本発明は、上記加工パン粉に油脂が含まれ
ており、該加工パン粉を未調理あるいは半調理済の食品
材料に付着させてなる加熱調理用被覆食品材料にもあ
る。そして更に本発明は、上記加工パン粉に油脂が含ま
れており、該加工パン粉を未調理あるいは半調理済みの
食品材料に付着させてなる加熱調理用被覆食品材料を乾
式加熱手段で調理する食品の製造方法にもある。更に本
発明は、固結防止剤を利用した該加工パン粉の製造方法
にもある。
【0005】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)上記加工パン粉(高粘稠性素材と蛋白質からなる
被覆膜又はパン粉の少なくとも一方に)に油脂が含まれ
ている。 (2)上記高粘稠性素材が、単糖類、オリゴ糖、デキス
トリン、プルラン、糖アルコール及び蛋白加水分解物か
らなる群より選ばれる少なくとも一種である。 (3)上記高粘稠性素材が、糖アルコール(中でもソル
ビトール、オリゴ糖アルコール)である。 (4)上記蛋白質が、卵由来の蛋白質、ゼラチン、コラ
ーゲン、血漿蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質およびコ
ーン蛋白質からなる群より選ばれる1種又は2種以上で
ある。 (5)上記蛋白質が、卵蛋白質である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の加工パン粉につ
いて説明する。本発明の加工パン粉は、パン粉に、単糖
類、オリゴ糖、デキストリン、プルラン、糖アルコール
および蛋白加水分解物からなる群より選ばれる少なくと
も一種の高粘稠性素材、及び蛋白質との混合物が付着し
たものであり、pHが8以下で、好ましくはpHが4以
上のものである。本発明で用いられるパン粉は、揚げ物
などで用いている通常のパン粉を利用することができ
る。この通常のパン粉は、温度20〜25℃、5〜10分の条
件で水に溶解し、10重量%にしたときのpHが4〜6に
なるように調整されている。これに上記の如く、高粘稠
性素材、好ましくは単糖類、オリゴ糖、デキストリン、
プルラン、糖アルコール及び蛋白加水分解物からなる群
より選ばれる少なくとも一種の高粘稠性素材と蛋白質と
の混合物を付着させた加工パン粉は、pHが8〜9とな
り、その結果、揚げ色が劣ることを本発明者らは発見し
た。そこで、本発明では、この加工パン粉のpHを8以
下としたことを特徴とするものである。pHを8以下と
するためには、酸性剤を添加したり、難水溶性の蛋白質
を選択使用することが考えられる。この内では、酸性剤
の添加が簡便且つ効果的である。酸性剤としては、クエ
ン酸、フマル酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、酒石酸、リ
ンゴ酸、コハク酸、アスコルビン酸、酪酸およびそれら
の塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上が用いら
れる。また、その添加量は高粘稠性素材と蛋白質との混
合物100 重量部(固形分の重量で)に対し、0.1 〜30重
量部、好ましくは0.2 〜5重量部である。また、難水溶
性の蛋白質としては、コラーゲン、ケラチン、エラスチ
ンが挙げられ、これらを選択使用してもpH8以下とな
らない場合は、上記酸性剤を併用すればよい。
【0007】本発明で用いられる高粘稠性素材は、水に
溶解して高い粘稠性を示す物質である。単糖類として
は、例えば、グルコース、フラクトースを挙げることが
できる。またオリゴ糖としては、通常二糖類から六糖類
までのものが含まれるが、具体的にはショ糖、マルトー
ス、乳糖、ラフィノース、及びスタキオースなどを挙げ
ることができる。糖アルコールとしては、例えば、マル
チトール、ソルビトール、オリゴ糖アルコール、ラクチ
トール、エリスリトール、及びキシリトールを挙げるこ
とができる。蛋白加水分解物としては、例えば、動物性
蛋白加水分解物(HAP)(例、ゼラチン)、及び植物
性蛋白加水分解物(HVP)(例、大豆蛋白、小麦グル
テン及びコーングルテンなどの蛋白加水分解物)を挙げ
ることができる。本発明において上記の高粘稠性素材
は、単糖類、オリゴ糖、ブルラン、及び糖アルコールか
らなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ま
しく、特に、糖アルコール(中でもソルビトール、オリ
ゴ糖アルコール)であることが好ましい。
【0008】本発明で用いられる蛋白質は、水溶性であ
り、かつ加熱によりゲル化し得るものである。これらの
例としては、動物から得られる種々の蛋白質(卵蛋白
質、乳蛋白質、ゼラチン、コラーゲン及び血漿蛋白質)
及び植物性蛋白質を挙げることができる。卵蛋白質とし
ては、乾燥あるいは液体状の卵黄、卵白、全卵及びこれ
らより分離される単純(単一)蛋白質、例えば、オボア
ルブミン、コンアルブミン、オブムコイド、及びオボグ
ロブリンを挙げることができる。乳蛋白質としては、脱
脂粉乳、ホエー(乳清)蛋白質、バターミルクパウダー
及びこれらより分離される単純(単一)蛋白質、例え
ば、カゼイン、カゼインナトリウム、ラクトグロブリ
ン、ラクトアルブミン及び免疫グロブリンを挙げること
ができる。植物性蛋白質としては、例えば、大豆蛋白
質、小麦蛋白質(小麦グルテン)及びコーン蛋白質(コ
ーングルテン)を挙げることができる。上記の蛋白質
は、それぞれ単独で用いても良いし、また二種以上を併
用しても良い。これらの中では、卵蛋白質が好ましい。
【0009】本発明の加工パン粉を製造する方法は、特
に限定されず、パン粉に上記材料を付着させる方法であ
れば何れでもよい。その方法の例としては、上記材料を
含む混合溶液をパン粉に噴霧し乾燥させる方法、該混合
溶液をパン粉に塗布し乾燥させる方法、及び該混合溶液
にパン粉を浸漬し乾燥させる方法を挙げることができ
る。中でも、噴霧し乾燥させる方法が比較的均一に近い
付着が得られるので好ましい。混合溶液をパン粉に噴霧
し乾燥させる方法としては、パン粉を転動させながら及
び/又はパン粉の流動層を形成させながら、該混合溶液
を噴霧し、そして乾燥させてパン粉に付着させる手段を
備えたコーティング装置を利用することができる。この
ような装置の例としては、転動型、流動層型、及び攪拌
転動流動層型の造粒コーティング装置を挙げることがで
きる。またこれらの具体例としては、転動型として、ハ
イコーター、ニューハイコーター、アクアコーター(以
上フロイント産業(株)製)、及びドリアコーター(パ
ウレック社製)を挙げることができる。また流動層型と
して、フローコーター(フロイント産業(株)製)、グ
ラットパウダーコーター(パウレック社製)、スプレー
グラニュレーター(エアロマチック社製)、パルビスミ
ニペット(ヤマト科学(株)製)を挙げることができ
る。また攪拌転動流動層型として、スパイラフロー(フ
ロイント産業(株)製)、ニューマルメライザー(不二
パウダル(株)製)、及びマルチプレックス(パウレッ
ク社製)を挙げることができる。また一般に乾燥を目的
として用いられる流動乾燥装置にスプレー手段を設置し
たものを利用することもできる。該混合溶液をパン粉に
塗布し乾燥させる方法としては、該混合溶液で湿らせた
ハケで手塗り及び/又は装置によって、パン粉表面に塗
布する方法が挙げられる。乾燥させる方法は特に限定さ
れず、乾熱乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、噴
霧乾燥など種々の方法を利用して行うことができる。本
発明において付着とは、パン粉に高粘稠性素材と蛋白質
との混合物が全体的あるいは部分的に付着していればよ
く、好ましくは均一に近い形態で被覆されている状態が
好ましいが、操作性を考慮すると一部被覆されていない
部分が含まれていてもかまわない。即ち、パン粉への上
記混合物の付着状態は適用する食品によっても異なり、
均一状態が好ましいが、目的性能が確保できるなら不均
一な状態でもよく、使用目的に応じて付着させればよ
い。
【0010】また、衣付けの際のパン粉の凝集を抑制す
るために、上記混合物を付着させたパン粉に粉末食品用
の一般的な固結防止剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、リン酸三カルシウム、微粒二酸化ケイ素
等の無機微粉類、デキストリン、オリゴ糖、単糖類等の
デンプン類)を更にパン粉に付着させてもよい。固結防
止剤を付着させる方法は特に限定されないが、例えば、
固結防止剤の溶液あるいは懸濁液を、既に高粘稠性素材
と蛋白質との混合物を付着させた転動及び/又は流動層
状態にある加工パン粉に噴霧し乾燥させて付着させる方
法、固結防止剤と既に高粘稠性素材と蛋白質との混合物
を付着させた加工パン粉を混合状態で転動及び/又は流
動層状態とし、水等のバインダー液を噴霧し乾燥させて
付着させる方法等が挙げられる。固結防止剤の含量は乾
燥パン粉(水分12〜13重量%)100 重量部に対して0.1
〜30重量部であることが好ましい。
【0011】上記混合溶液に含まれる高粘稠性素材と蛋
白質との混合比は、組み合わせる材料によって異なる
が、高粘稠性素材:蛋白質(固形分の重量比で)=10:
1〜1:10、好ましくは、2:1〜1:2である。また
水は、通常上記混合物に対して1〜10重量倍(好ましく
は、3〜5重量倍)の量を用いる。被覆液(混合水溶
液)の固形分濃度は、通常10〜70重量%である。
【0012】なお上記の加工パン粉の製造に際して、上
記被覆液には更にポリリン酸塩(例、ポリリン酸ナトリ
ウム、ポリリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウムな
ど)やポリグリセリン脂肪酸エステルが含まれているこ
とが好ましい。ポリリン酸塩やポリグリセリン脂肪酸エ
ステルの添加で加熱調理時に高粘稠性素材及び蛋白質に
よる薄膜(種の表面に形成される薄膜)のゲル凝固開始
温度が低下し、該薄膜により水分蒸散性が抑制され、食
品材料(種)を更に柔らかく仕上げることができる。ま
たボリュームを増大させることができる。また被覆液に
は、パン粉自身が凝集しないように澱粉類(例、ワキシ
ーコーン、結晶セルロース)や無機塩類(炭酸カルシウ
ム、リン酸三カルシウム、微粒二酸化けい素)などの添
加剤、あるいは風味付けのために調味料(例、塩、化学
調味料、乾燥卵黄、胡椒、フレーバー)を所望により添
加することができる。
【0013】本発明の加工パン粉には、乾燥パン粉(水
分12〜13重量%)当り上記高粘稠性素材と蛋白質とから
なる混合物(固形分)が、1〜50重量%(更に好ましく
は5〜30重量%)の量で付着されていることが好まし
い。
【0014】本発明の加熱調理用被覆食品材料は、前記
の加工パン粉を肉類及び/又は野菜などからなる未調理
あるいは半調理済の食品材料(種)にまぶすなどの方法
でその表面に一面に付着(被覆)させることにより、調
製することができる。未調理あるいは半調理済の食品材
料はフライ等の揚げ物類に使用できる。肉、魚貝類、穀
類、野菜、卵類、またこれらの材料を基にして加工した
未調理、半調理済の材料を挙げることができる。なお食
品材料によっては、その表面に水等を予め付着させた
後、本発明に係る加工パン粉をまぶすことが好ましい。
上記の調製において、加工パン粉の被覆膜が食品材料の
表面に速やかに吸着し、同時にパン粉の付着を容易にさ
せる。従ってより多くの量のパン粉を付着させることが
できる。
【0015】以上のようにして調製した本発明の被覆食
品材料は、油脂で挙げることにより、加熱調理すること
ができる。油は特に制限なく、食品材料に応じて従来フ
ライを作るのに使用されている種々の食用油脂が使用で
きる。
【0016】また、本発明の被覆食品材料は、電子レン
ジ、オーブンなどの、油脂を用いない加熱手段(乾式加
熱手段)で調理することもできる。但し、このように乾
式加熱調理する際には、本発明の加工パン粉には油脂が
含まれていることが好ましい。このことにより、フライ
類を多量の油脂を用いて揚げたときと同様な食感、風
味、外観を持つフライを作ることができる。油脂は、本
発明の加工パン粉を被覆膜、あるいはパン粉のいずれか
に含ませておいても良いし、またこの双方に含ませてお
いても良い。また油脂の種類も特に制限はなく、前記の
液状油脂を使用することができるが、粉末油脂を使用し
てもよい。油脂の含有量は、加工パン粉100 重量部に対
して5〜100 重量部であることが適当である。好ましく
は、10〜50重量部である。
【0017】本発明の加熱調理用被覆食品材料として
は、例えば、コロッケ(各種野菜コロッケ、各種挽き肉
入りコロッケ、クリームコロッケ、尾付きエビコロッケ
などの魚介類のコロッケなど)、カツ(串カツ、ハムカ
ツ、ハムポテトカツ、ポークカツ、ササミカツ、牛カ
ツ、メンチカツなど)、フライ(各種魚介類のフライ、
ハムエッグフライ、ピザ風フライなど)、及びスコッチ
エッグを挙げることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。なお、以下の「%」は重量%であ
る。 〔参考例1〕以下に示す通常の方法でカツフライを揚げ
た。豚肉90gに、薄力粉 3.2g、溶き卵 7.5g、パン粉
7.2gを順次付着させ、次いで 180℃のサラダ油で3分
間揚げた後、取り出し、カツフライを得た。
【0019】〔実施例1〕凍結卵白(商品名:殺菌凍結
卵白(固形分:12%)、太陽化学(株)製)83.3g、オ
リゴ糖アルコール(商品名:アマミール(固形分:70
%)、林原製薬(株)製)21.4g、及びクエン酸0.5 g
をホモミキサーにより均一に混合した。得られた混合溶
液 105.2gを流動層型コーティング装置(パルビスミニ
ベッド、ヤマト科学(株)製)を用いて乾燥パン粉74.5
gに噴霧しながら乾燥し、本発明に従う加工パン粉 100
gを得た。
【0020】〔実施例2〜4〕上記実施例1において、
噴霧する混合溶液を表1に示す配合(単位:g)の混合
溶液に変えた以外は実施例1と同様にしてパン粉の表面
に該混合溶液を噴霧しながら乾燥し、本発明に従う加工
パン粉 100gを得た。
【0021】〔実施例5〕凍結卵白(商品名:殺菌凍結
卵白(固形分:12%)、太陽化学(株)製)83.3g、オ
リゴ糖アルコール(商品名:アマミール(固形分:70
%)、林原製薬(株)製)21.4g、クエン酸0.2 g、ポ
リリン酸ナトリウム0.5 g、グルタミン酸ナトリウム
(MSG)0.3 g、食塩0.3 g、及び乳酸ナトリウム1.
0 gをホモミキサーにより均一に混合した。得られた混
合溶液98.5gを流動層型コーティング装置(パルビスミ
ニベッド、ヤマト科学(株)製)を用いて乾燥パン粉7
8.7gに噴霧しながら乾燥し、本発明に従う加工パン粉
100gを得た。
【0022】〔実施例6〕上記実施例5において、得ら
れた混合溶液98.5gを乾燥パン粉78.7gに対し、乾燥パ
ン粉の表面にハケを用いて塗布し、乾熱乾燥機により乾
燥し、本発明に従う加工パン粉100 gを得た。
【0023】〔実施例7〕上記実施例5において、得ら
れた混合溶液98.5gに乾燥パン粉78.7gを添加、浸漬
し、減圧乾燥機により乾燥し、本発明に従う加工パン粉
100 gを得た。
【0024】本発明の加工パン粉100 gを得た。
【0025】〔比較例1〕凍結卵白(商品名:殺菌凍結
卵白(固形分:12%)、太陽化学(株)製)83.3g、オ
リゴ糖アルコール(商品名:アマミール(固形分:70
%)、林原製薬(株)製)21.4gをホモミキサーにより
均一に混合した(固形分濃度:23.7%)。
【0026】乾燥パン粉75gを流動層型コーティング装
置(パルビスミニベッド、ヤマト科学(株)製)内に仕
込み、流動層下部より 150℃の乾燥用空気及び流動層形
成用空気を 0.5m3 /分で吹き込み、パン粉を流動させ
ながら、流動層上部の中央二流体ノズルより上記混合溶
液を5g/分、空気圧 0.8kg/cm2 で噴霧し、水分を蒸
発させながらパン粉の表面に該混合溶液を被覆した。
【0027】〔比較例2〕乾燥卵白(商品名:卵白パウ
ダーGT、太陽化学(株)製)7.2 g、オリゴ糖アルコ
ール(商品名:アマミール(固形分:70%)、林原製薬
(株)製)15.4g、ポリリン酸ナトリウム2.0 g、及び
水7.2 gをホモミキサーにより均一に混合した。得られ
た混合溶液31.8gを流動層型コーティング装置(パルビ
スミニベッド、ヤマト科学(株)製)を用いて乾燥パン
粉80gに噴霧しながら乾燥し、加工パン粉を得た。
【0028】上記で得られた加工パン粉の配合(単位:
g)を以下の表1にまとめて記載する。
【0029】
【表1】
【0030】〔加工パン粉としての評価〕上記で得た加
工パン粉を豚肉90gにまぶし、被覆食品材料を調製した
後、これを 180℃のサラダ油で3分間揚げ、その後取り
出し、カツフライを得た。
【0031】得られたカツフライについて、専門評価パ
ネラーにより、揚げ色について官能評価を行った。評価
は、通常のパン粉を用いて揚げたフライ(参考例1)を
基準にして、これと比較することにより行った。評価基
準は、以下の通りである。 AA:通常のパン粉を用いて揚げたときと比べて非常に
良い。 A :通常のパン粉を用いて揚げたときと比べてやや良
い。 B :通常のパン粉を用いて揚げたときとほぼ同等であ
る。 また、加工パン粉の水分、pHを以下の如くして測定し
た。 加工パン粉の水分…加工パン粉10gについて、105 ℃、
3hrの重量減少量を重量%て示した。 加工パン粉のpH…加工パン粉10gを水10mlに溶解し
て、5〜10分間、分散、攪拌し得られた加工パン粉10%
溶液(20〜25℃)のpHを測定した。 以上の結果を以下の表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】上記表2に示された結果から、本発明に従
う加工パン粉(実施例1〜7)を用いることにより、通
常の方法に従う衣付け(参考例1)や、酸性剤を含有せ
ずpHの高い加工パン粉(比較例1〜2)を用いた場合
に比べ、顕著に揚げ色が向上することがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明に従う加工パン粉を使用すること
により、パン粉の食品材料の表面への付着性が改良され
ると共にフライの揚げ色が顕著に向上する。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高粘稠性素材と蛋白質との混合物がパン
    粉の表面に付着していることを特徴とするpHが8以下
    の加工パン粉。
  2. 【請求項2】 上記混合物が酸性剤を含むものである請
    求項1記載の加工パン粉。
  3. 【請求項3】 酸性剤が、クエン酸、フマル酸、乳酸、
    酢酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、アス
    コルビン酸、酪酸およびそれらの塩からなる群より選ば
    れる1種又は2種以上である請求項2記載の加工パン
    粉。
  4. 【請求項4】 更に油脂が含まれている請求項1〜3の
    何れか1項記載の加工パン粉。
  5. 【請求項5】 パン粉を水に溶解し、10重量%にしたと
    きのpHが8以下になるように調整された請求項1〜4
    の何れか1項記載の加工パン粉。
  6. 【請求項6】 蛋白質が、卵由来の蛋白質、ゼラチン、
    コラーゲン、血漿蛋白質、大豆蛋白質、小麦蛋白質およ
    びコーン蛋白質からなる群より選ばれる1種又は2種以
    上である請求項1〜5の何れか1項記載の加工パン粉。
  7. 【請求項7】 パン粉を転動させながら及び/又はパン
    粉による流動層を形成させながら、高粘稠性素材、蛋白
    質および酸性剤の混合物の溶液を噴霧し、更に固結防止
    剤を付着させることを特徴とする加工パン粉の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 固結防止剤の含量が乾燥パン粉100 重量
    部に対して0.1 〜30重量部である請求項7記載の加工パ
    ン粉の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜3の何れか1項記載の加工パ
    ン粉を未調理あるいは半調理済の食品材料に付着させて
    なる加熱調理用食品材料。
  10. 【請求項10】 請求項4記載の加工パン粉を未調理あ
    るいは半調理済の食品材料に付着させてなる加熱調理用
    食品材料。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の加熱調理用被覆食品材
    料を油脂で揚げて調理する食品の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の加熱調理用食品材料
    を乾式加熱手段で調理する食品の製造方法。
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