WO2008069321A1

WO2008069321A1 - スライドドア用給電装置

Info

Publication number: WO2008069321A1
Application number: PCT/JP2007/073716
Authority: WO
Inventors: Noritsugu Enomoto; Masatoshi Ushiyama; Yasuhiko Mukai
Original assignee: The Furukawa Electric Co., Ltd.
Priority date: 2006-12-08
Filing date: 2007-12-07
Publication date: 2008-06-12
Also published as: EP2100777B1; EP2100777A4; EP2100777A1; KR20090086901A; CN101522472B; EP2100777B8; CN101522472A; ATE519629T1; US7980622B2; JP4728938B2; KR101397213B1; JP2008143329A; US20090178340A1

Abstract

　フラットケーブル１３０の屈曲部１３１が車両１０の前向き（図面左向き）に突出しており、フラットケーブル１３０がドア側固定部１２０から前向きに引き出されている。このように、ドア側固定部１２０からフラットケーブル１３０を引き出す向きを、フラットケーブル１３０を屈曲させたい向きと一致させることで、屈曲部１３１を所定の向きに形成させることができる。

Description

明細書

スライドドア用給電装置

技術分野

[0001] 本発明は、自動車の車体側からスライドドア内の機器に常時給電を行うためのスライドドア用給電装置に関するものである。

背景技術

[0002] ワンボックスカーやワゴン車等に用いられているスライドドア内には、ノワーウインドモーター、スィッチ、スピーカ一等の電装品が組み込まれている。これらの電装品に車体側から給電を行うためには、車体側からスライドドア側へ配線体（ワイヤハーネス )を配索すると共に、この配線体力 Sスライドドアの開閉に追従できるようにする必要がある。配線体として、従来から高屈曲性の丸線が使用されている。

[0003] 従来、この種のスライドドア用給電装置としては、車体側に電線巻き取り部を設置し、スライドドアの開閉に伴う電線の余長を、電線を巻き取ることによって吸収する方式が公知である（特許文献 1参照）。

[0004] また他の方式のスライドドア用給電装置としては、車体側の所定位置とスライドドア間に、配線体を収容したコルゲートチューブを、屈曲の余裕をもたせて配索し、このコルゲートチューブの一方の端部をスライドドアに固定し、他方の端部付近を車体に取り付けられた金具により横方向に首振り可能に支持したものも公知である（特許文献 2参照）。

[0005] さらに別の方式のスライドドア用給電装置として、図 11に示すような複数の駒部材 9 02を連結して形成されたケーブルガイド 901を用いて、配線体を車体本体 903側からスライドドア 904側に配索したものがある（特許文献 3参照）。ケーブルガイド 901は、たるみが生じている状態では、 S字形状に屈曲するように配設されている。

特許文献 1 :特開平 11 93514号公報

特許文献 2：特開 2002— 79892号公幸

特許文献 3：特開 2004— 34759号公報

発明の開示発明が解決しょうとする課題

[0006] しかしながら、従来のスライドドア用給電装置では、スライドドアの開閉中に配線体が車体あるいはスライドドアと接触して異音を発したり、場合によっては配線体を損傷させたりしてしまうといった問題があった。特許文献 1記載のスライドドア用給電装置では、電線が巻き取り部から裸のまま繰り出される構造のため、電線が他の部材 (スライドレール等）と擦れ合って損傷を受けやすい。また巻き取り部は、スライドドアの開閉ストロークとほぼ同じ長さの電線を繰り出したり巻き取ったりする必要があるため、装置が大型化するという問題もある。

[0007] また特許文献 2記載のスライドドア用給電装置では、ワイヤハーネスがコルゲートチユーブに収容されているため損傷を受けるおそれは少ないが、ワイヤハーネス入りコルゲートチューブは、スライドドアの開閉ストロークを吸収するだけの長さが必要である。とくに、ワイヤハーネスとして丸線を用いているため、コルゲートチューブを小さく屈曲させることができず、コルゲートチューブが車体あるいはスライドドアと接触し、異音を発生したり損傷を受けたりするおそれがあった。配線体がケーブルガイドに収納されて!/、る特許文献 3のスライドドア用給電装置でも、ケーブルガイドが車体ゃスライドドアと接触する恐れがあった。

[0008] そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、スライドドアへの給電を行う配線体が車体あるいはスライドドアに接触しないように配索状態を形成するスライドドア用給電装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明のスライドドア用給電装置の第 1の態様は、車体に固定される車体側固定部と、スライドドアに固定されるドア側固定部と、前記車体側固定部および前記ドア側固定部において把持されて車体側からスライドドア側への給電を行うフラットケーブルとを備え、

前記車体側固定部および前記ドア側固定部の少なくとも一方から前記フラットケーブルが配索される方向が、前記スライドドアの開閉時に前記フラットケーブルに形成される略凸形状の屈曲部の突出方向と一致していることを特徴とするスライドドア用給電装置である。 [0010] 本発明のスライドドア用給電装置の第 2の態様は、前記スライドドアの開閉中に生じる前記フラットケーブルの余長分を、前記略凸形状の屈曲部の突出方向に屈曲させることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0011] 本発明のスライドドア用給電装置の第 3の態様は、前記屈曲部が、前記車体の前後方向と略平行に突出していることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0012] 本発明のスライドドア用給電装置の第 4の態様は、前記屈曲部の突出側が、前記車体の後方向であることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0013] 本発明のスライドドア用給電装置の第 5の態様は、前記屈曲部の突出側が、前記車体の前方向であることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0014] 本発明のスライドドア用給電装置の第 6の態様は、前記フラットケーブルに内包される導体は、平角導体であることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0015] 本発明のスライドドア用給電装置の第 7の態様は、前記フラットケーブルは、少なくとも前記車体側固定部と前記ドア側固定部との間で保護部材に内包されていることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0016] 本発明のスライドドア用給電装置の第 8の態様は、前記ドア側固定部は、ケーブル引出口、ケーブル支持部、およびケーブル折り返し部を備えており、前記ケーブル支持部はフラットケーブルの引出方向側の部分が車体の前後方向と平行なフラットな形状からなっているスライドドア用給電装置である。

[0017] 本発明のスライドドア用給電装置の第 9の態様は、前記ドア側固定部は、ケーブル引出口、ケーブル支持部、およびケーブル折り返し部を備えており、前記ケーブル支持部はフラットケーブルの引出方向側の部分がフラットケーブルを車体側に寄せるように傾斜を付けた形状からなっているスライドドア用給電装置である。

[0018] 本発明のスライドドア用給電装置の第 10の態様は、前記ドア側固定部が車体の前方側に移動するとき、前記屈曲部が前向きのまま前記ドア側固定部に近接して移動し、前記ドア側固定部が最前方側に移動したとき、前記屈曲部がケーブル折返し部に移動して、フラットケーブルがケーブル折返し部に巻き付く状態になることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0019] 本発明のスライドドア用給電装置の第 11の態様は、前記ドア側固定部が車体の後方側に移動し、最後方に移動するとき、フラットケーブルが前記車体固定部とドア側固定部との間で概ね直線状態になって、フラットケーブルがケーブル支持部に接し、前記ドア側固定部が車体の前方側に移動するにつれて、前記屈曲部が徐々に形成されていくことを特徴とするスライドドア用給電装置である。

[0020] 前記ケーブル折返し部の曲率半径は、前記フラットケーブルを折り曲げ可能な曲率半径以上に設定されていることを特徴とするスライドドア用給電装置である。

発明の効果

[0021] 本発明によれば、スライドドアに給電するための配線体にフラットケーブルを用い、フラットケーブルが車体側固定部又はドア側固定部の少なくともいずれか一方から引き出される向きを車体の前後いずれかの向きとし、これと同じ向きにフラットケーブルの屈曲部が形成されるようにしているので、フラットケーブルがスライドドアの開閉中に車体あるいはスライドドアに接触するのを防止できるスライドドア用給電装置を提供すること力 Sでさる。

図面の簡単な説明

[0022] [図 1]本発明の第 1の実施形態に係るスライドドア用給電装置の平面図である。

[図 2]第 1の実施形態の車体側固定部、ドア側固定部、及びフラットケーブルを詳細に説明する平面図である。

[図 3]スライドドアの開閉に伴ってフラットケーブルが描く軌跡を示す平面図である。

[図 4]本発明の第 2の実施形態に係るスライドドア用給電装置の斜視図である。

[図 5]本発明の第 3の実施形態に係るスライドドア用給電装置の斜視図である。

[図 6]本発明の第 4の実施形態に係るスライドドア用給電装置の平面図である。

[図 7]第 4の実施形態の車体側固定部、ドア側固定部、及びフラットケーブルを詳細に説明する平面図である。

[図 8]スライドドア周辺の車両構造を示す平面図である。

[図 9]スライドドアの開閉に伴ってフラットケーブルが描く軌跡を示す平面図である。

[図 10]本発明の第 5の実施形態に係るスライドドア用給電装置の平面図である。

[図 11]従来のスライドドア用給電装置の平面図である。

符号の説明 [0023] 10、 30 車体

31 ガイドレール

32

33 ガイドレール収納部

41

100 200、 300、 400、 500 スライド、ドア用給電装置

110 210、 310、 410、 510 車体側固定部

111 ケーブル引出口

112 ケーブル支持部

113 423 R部

120 220、 320、 420、 520 ドア側固定部

121 411 ケーブル引出口

122 412 ケーブル支持部

123 413 ケーブル折返し部

130 230、 330、 430、 530 フラットケーブル

131 231、 331、 431 屈曲部

224 余長収納部

232 233 コネクタ

340 コルゲートチューブ 421 第 1の R部

422 第 2の R部

901 ケープノレガイド

902 駒部材

903 車体

904

発明を実施するための最良の形態

[0024] 本発明の好ましい実施の形態におけるスライドドア用給電装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。 [0025] 本発明の第 1の実施の形態に係るスライドドア用給電装置を図 1に示す。図 1は、本実施形態のスライドドア用給電装置 100の概略の構成を示す平面図である。本実施形態のスライドドア用給電装置 100は、車体 10の所定位置に固定された車体側固定部 110と、スライドドア 20の所定位置に固定されたドア側固定部 120とを備えており、車体側固定部 110とドア側固定部 120との間にはフラットケーブル 130が配索されている。

[0026] 本発明のスライドドア用給電装置は、スライドドアの開閉中に生じるフラットケーブルの余長分を、予め設定した所定の向きに屈曲させるようにしている。この屈曲部を予め設定した向きに形成させるために、フラットケーブルを固定している車体側固定部とドア側固定部の少なくともいずれか一方において、上記の屈曲部の向きと同じ向きにフラットケーブルを引き出して（即ち、配索方向を示す）固定するようにしている。

[0027] 図 1では、車体 10の前後方向は、図面の左右方向となる。ここでは、図面左方向を車体 10の前方とし、スライドドア 20は車体 10の前方方向に移動させることで閉じる構造になっているものとする。又、同図にはドア側固定部 120のフラットケーブル引出部分の形状が異なる 2種類を示して!/、る。

[0028] 図 1に示す本実施形態では、フラットケーブル 130の屈曲部 131が車両 10の前向き（白抜き矢印で示す）に突出しており、フラットケーブル 130がドア側固定部 120から前向き (斜線矢印で示す）に引き出されている。このように、ドア側固定部 120からフラットケーブル 130を引き出す向き（即ち、配索方向）を、フラットケーブル 130を屈曲させたい向きと一致させることで、屈曲部 131を所定の向きに形成させることができる。これにより、例えば屈曲部 131が車体 10の横方向に屈曲して車体 10あるいはスライドドア 20に接触するのを防止することができる。

[0029] 本実施形態では、ドア側固定部 120からフラットケーブル 130を引き出す向きと屈曲部 131の向きとを一致させている力これに限らず例えば、車体側固定部 110から引き出す向きと屈曲部 131の向きとを一致させるようにしてもよい。あるいは、車体側固定部 110とドア側固定部 120の両方において、フラットケーブル 130の引き出す向きを屈曲部 131と向きに一致させるようにしてもよい。

[0030] 本実施形態では、車体 10側からスライドドア 20側への給電用配線体にフラットケーブル 130を用いている。このフラットケーブル 130には、平角導体を内包するものを用いるのがより望ましい。平角導体は、面方向の引張り力に対して高い耐カを有しており、これを内包するフラットケーブル 130は、断面長軸方向には屈曲しにくいといつた特徴がある。

[0031] 従って、平角導体を内包するフラットケーブル 130の断面長軸方向を垂直方向としたときには、自重による引張り力に杭してフラットケーブル 130が垂れ下がるのを防止することができ、スライドドア 20の開閉時はフラットケーブル 130をほぼ水平方向に移動させるようにすること力 Sでさる。

[0032] これに対し、フラットケーブル 130の断面短軸方向には容易に屈曲することができ、特に、大きな曲率 (小さな曲率半径）で屈曲することができるといった特徴がある。従つて、上記のようにフラットケーブル 130の断面長軸方向が垂直方向となるように配索した場合には、スライドドア 20の開閉中に生じるフラットケーブル 130の余長分を小さな曲率半径で水平方向に屈曲させることができる。

[0033] さらに、フラットケーブル 130の屈曲部 131を車体 10の前後方向と略平行な向きに形成させることで、スライドドア 20の開閉中に屈曲部 131が車体 10あるいはスライドドァ 20に接触するのを防止することができる。また、屈曲部 131においてフラットケープル 130にかかる自重が左右両側に均等に分配されるようになり、その結果、屈曲部 1 31の形状が安定的に維持される。

[0034] このように、屈曲部 131を車体 10の前後方向と略平行な向きに形成させるには、車体側固定部 110及びドア側固定部 120からフラットケーブル 130を引き出す向きの少なくともいずれか一方を、屈曲部 131の向きと一致させるのがよい。本実施形態では、ドア側固定部 120からフラットケーブル 130を引き出す向きを、屈曲部 131の向きと一致させて前向きに引き出している。

[0035] 次に、車体側固定部 110及びドア側固定部 120からフラットケーブル 130を引き出している引出部分の構造を、図 2を用いて説明する。図 2は、図 1に示した概略構成図から車体側固定部 110、ドア側固定部 120、及びフラットケーブル 130を抽出して簡略化して示したものである。ドア側固定部 120の形状が異なる図 1 (a)及び図 1 (b) に対応させて、図 2 (a)及び図 2 (b)を示している。 [0036] 図 1 (a)及び図 2 (a)に示すドア側固定部 120aは、ケーブル支持部 122aが車体 10 の前後方向に平行なフラットな形状に形成されている。これに対し、図 1 (b)及び図 2 (b)に示すドア側固定部 120bは、ケーブル支持部 122bがフラットケーブル 130を車体 10側に寄せるように傾斜を付けて形成されている。ケーブル支持部 122bにこのような傾斜を設けることにより、スライドドア 20の開閉に伴って屈曲部 131がケーブル支持部 122bの傾斜を這うようにして前方側に移動しつつ、車体 10とスライドドア 20との間に維持されやすくしている。

[0037] まず、ドア側固定部 120からフラットケーブル 130を引き出している引出部分は、ケ一ブル引出口 121、ケーブル支持部 122、及びケーブル折返し部 123を備えている。ケーブル引出口 121は、フラットケーブル 130を車両 10の前向きに引き出すよう形成されており（引出方向を斜線矢印で示す）、ケーブル引出口 121から前向きに引き出されたフラットケーブル 130は、屈曲部 131を前向きに形成して（屈曲方向を白抜き矢印で示す）車体側固定部 110に接続されている。

[0038] ドア側固定部 120が、図 2に示す位置から、図 1に点線で示すように、さらに車両 10 の前方（図の左側）に移動した場合には、屈曲部 131は前向きのままドア側固定部 1 20に次第に接近していき、ドア側固定部 120が最前方に移動したときに、屈曲部 13 1がケーブル折返し部 123の位置まで移動して、フラットケーブル 130がケーブル折り返し部 123の外周に巻付くような状態になる。ケーブル折返し部 123の曲率半径は、フラットケーブル 130を折り曲げ可能な曲率半径以上に設定されている。

[0039] 一方、ドア側固定部 120が最後方 (右側）に移動したときには、フラットケーブル 13 0が車体側固定部 110とドア側固定部 120との間でほぼ直線状態になる。このとき、フラットケーブル 130がケーブル支持部 122に接する状態になり、屈曲部 131は形成されない。この状態からドア側固定部 120が前方に移動していくと、屈曲部 131が徐々に形成されていくが、このとき屈曲部 131がスライドドア 20側（図面下側）に移動しないよう、ケーブル支持部 122でフラットケーブル 130を支持している。

[0040] 車体側固定部 110については、フラットケーブル 130を引き出している引出部分に、ケーブル引出口 111、ケーブル支持部 112、及び R部 113が備えられている。本実施形態のケーブル引出口 111は、フラットケーブル 130を車体 10の横方向（図面下向き）に引き出すよう形成されている。但し、屈曲部 131がケーブル引出口 111の位置より前方（図面左側）で形成されやすくするために、ケーブル支持部 112と R部 11 3とでフラットケーブル 130が前方に屈曲しやす!/、ようにして!/、る。

[0041] 上記のように、本実施形態ではドア側固定部 120から前方（図 1、 2の斜線矢印の方向）にフラットケーブル 130を引き出すことで屈曲部 131を前向き（図 1、 2の白抜き矢印の方向）に形成させるようにすることが可能となっている。本実施形態において、スライドドア 20を全閉から全開まで移動させたときのフラットケーブル 130の移動状態を図 3に示す。

[0042] 図 3では、ドア側固定部 120が図 1、図 2のそれぞれ (b)に示す形状（120b)の場合を例に示している。同図において、スライドドア 20が全閉の時にはフラットケーブル 1 30に余長がなく屈曲部 131は形成されない。フラットケーブル 130は、全閉の時に車体 10及びスライドドア 20に最も接近している力フラットケーブル 130に余長がないこと力も、フラットケーブル 130が車体 10及びスライドドア 20に接触する恐れはない。

[0043] スライドドア 20が開かれていくにつれてフラットケーブル 130に余長が生じる力ドァ側固定部 120bからフラットケーブル 130が前向きに引き出されていることから、ケ一ブル折返し部 123を起点に屈曲部 131が前向きに形成されていく。フラットケープノレ 130がドア側固定部 120bで前向きに把持されていることから、屈曲部 131の向きは常に前向きに維持されている。

[0044] スライドドア 20が全開に近づくにつれて、スライドドア 130の余長は再び小さくなつて屈曲部 131も直線状態に近づいていく。そして、スライドドア 20が全開時に再びフラットケーブル 130の余長がなくなって直線状態になる。この間も、屈曲部 131と車体 10及びスライドドア 20との間隔は十分確保され、フラットケーブル 130が車体 10あるいはスライドドア 20に接触する恐れはな!/、。

[0045] 上記の通り、本実施形態では、フラットケーブル 130がドア側固定部 120bから前向きに引き出されることで、屈曲部 131が常に前向きに形成されることから、屈曲部 131 が車体 10側あるいはスライドドア 20側に偏ってしまうことはなぐその結果屈曲部 13 1が車体 10あるいはスライドドア 20に接触するのを防止することが可能となる。

[0046] 本発明の第 2の実施形態に係るスライドドア用給電装置を図 4に示す。図 4は本実施形態のスライドドア用給電装置 200の斜視図である。スライドドア用給電装置 200 では、複数本のケーブルを束ねたフラットケーブル束 230が用いられており、複数のケーブルを一括して車体 10側の所定のコネクタに接続するためのコネクタ 232と、スライドドア 20側の所定のコネクタに接続するためのコネクタ 233とが接続されている。

[0047] ケーブルが複数本束ねられたフラットケーブル 230では、ケーブル間に張力の差がないように、それぞれのケーブルに異なる長さの余長を持たせて余長収納部 224に収納している。これにより、複数のケーブルを束ねたフラットケーブル 230においても、第 1の実施形態と同様に、ドア側固定部 220からフラットケーブル 230を引き出す向きに屈曲部 231を形成することができ、フラットケーブル 230が車体 10あるいはスライドドア 20に接しないようにすることが可能となる。

[0048] 本発明の第 3の実施形態に係るスライドドア用給電装置を図 5に示す。図 5は本実施形態のスライドドア用給電装置 300の斜視図である。本実施形態のスライドドア用給電装置 300は、車体側固定部 110とドア側固定部 120との間に配索されるフラットケーブル 330力保護部材のコルゲートチューブ 340で覆われて!/、る。

[0049] コルゲートチューブ 340は、フラットケーブルと同様に断面短軸方向に高い可撓性を有していることから、内包するフラットケーブル 330とともに小さな曲率半径で曲げて屈曲部 331を形成することが可能である。なお、本実施形態では保護部材としてコルゲートチューブ 340を用いて!/、るが、同様に断面短軸方向に高!/、可撓性を有するものであればこれに限定されず他の保護部材であってもよい。

[0050] 本実施形態のようにフラットケーブル 330が保護部材のコルゲートチューブ 340に内包されている場合でも、フラットケーブル 330とコルゲートチューブ 340を一体にドァ側固定部 320から車体 10と略平行に前方あるいは後方に引き出すことにより、これと同じ向きに屈曲部 331を形成することができる。スライドドア 20の開閉に伴って、フラットケーブル 330とコルゲートチューブ 340とが一体に図 3に示すような移動を行うこと力、ら、コルゲートチューブ 340が車体 10あるいはスライドドア 20に接触するのを防止すること力 Sでさる。

[0051] 本発明の第 4の実施の形態に係るスライドドア用給電装置の平面図を図 6に示す。

また、車体側固定部 410及びドア側固定部 420からフラットケーブル 430を引き出している引出部分の構造を図 7に示す。本実施形態のスライドドア用給電装置 400は、スライドドア 40がブラケット 41で車体 30に連結されている車両に適用されるものである。スライドドア 40の周辺の車両構造の 1例を図 8に示す。本実施形態が対象とする車両では、スライドドア 40の前方下部に設置されたブラケット 41と、図示しない前方上部に設置された別のブラケット、及びスライドドア 40の後方に設置されたさらに別のブラケットで、スライドドア 40が支えられて!/、る。

[0052] 車体 30側には、スライドドア入り口部にステップ 32が設けられており、その下にガイドレール 31が設置されている。ガイドレール 31が設置されているガイドレール収納部 33 (図 8に斜線で示す）は、ブラケット 41を通過させるとともにフラットケーブル 430を移動させるための空間となっている。ブラケット 41の車体側先端に取付けられた図示しないローラーがガイドレール 31を移動することで、スライドドア 40が開閉する構造となっている。本実施形態のスライドドア用給電装置 400では、車体 30側からスライドドァ 40側への給電を行う配線体であるフラットケーブル 430力ブラケット 41を経由してスライドドア 40に接続されている。

[0053] ガイドレール 31は、スライドドア 40が図 8に示す全開の状態から半分程度閉まるまでは、スライドドア 40を車体 30にほぼ平行に移動させるよう、車体にほぼ平行に設置されている。スライドドア 40をさらに全閉まで移動させるときには、スライドドア 40を車体 30側に引き寄せる必要があるため、ガイドレール 31は、中央部付近から前方に向かって車体 30の内側に曲げられている。

[0054] 本実施形態のスライドドア用給電装置 400は、ガイドレール収納部 33に設置された車体側固定部 410と、ブラケット 41に設置されたドア側固定部 420と、車体側固定部 410とドア側固定部 420とで把持されたフラットケーブル 430とを備えて!/、る。車体側固定部 410は、ガイドレール 31の設置位置よりさらに車体 30の内側に設置されている。これは、車体側固定部 410がガイドレール 31を移動するブラケット 41と干渉するのを回避するとともに、フラットケーブル 430がガイドレール 31の設置位置よりできるだけ内側を移動するようにするためである。

[0055] また、スライドドア 40の開閉方向における車体側固定部 410の設置位置は、ガイドレール 31のほぼ中央位置としている。このようにすることにより、スライドドア 40を全閉にしたときと全開にしたときとで、車体側固定部 410からドア側固定部 420までの距離をほぼ等しくすること力 Sできる。その結果、車体側固定部 410からドア側固定部 42 0までのフラットケーブル 430の長さを、スライドドア 40を全閉または全開にした時に弛みのなレ、長さとすることができる。フラットケーブル 430の長さをこのように決定したとき、スライドドア 40が全閉と全開の途中の状態にあるとき。フラットケーブル 430に屈曲部 431が形成される。

[0056] 本実施形態では、以下で説明するように、フラットケーブル 430がスライドドア 40の開閉中にガイドレール収納部 33からはみ出すのを防止するとともに、ガイドレール収納部 33の壁面やスライドドア 40に接するのを防止するような構造となっている。

[0057] 図 6及び図 7に示すように、フラットケーブル 430を車体側固定部 410から車両後方側 (斜線矢印の方向）へ引き出す構造としており、これにより屈曲部 431が車両後ろ向き（白抜き矢印の方向）に形成されるようにしている。車体側固定部 410からフラットケーブル 430を引き出している引出部分は、第 1の実施形態のドア側固定部 120と同様に、ケーブル引出口 41 1、ケーブル支持部 412、及びケーブル折返し部 413を備えている。ケーブル引出口 411は、フラットケーブル 430を車両後方側（斜線矢印の方向）へ引き出すよう形成されており、ケーブル引出口 411から車両後方側へ引き出されたフラットケーブル 430は、屈曲部 431を車両後ろ向き（白抜き矢印の方向）に形成した後ドア側固定部 420に接続される。

[0058] 一方、ブラケット 41に設置されたドア側固定部 420は、図 6に示すように、第 1の R 咅と第 2の R咅 422とを有しており、フラットゲープレ 430カ第 1の R咅と第 2 の R部 422との間に配索されている。本実施形態のスライドドア用給電装置 400では、フラットケーブル 430は、スライドドア 40が全開のときに第 1の R部 421に巻きつき、全閉のときには第 2の R部 422に巻きつく。

[0059] 本実施形態のスライドドア用給電装置 400では、フラットケーブル 430が弛んだときにも上記のように屈曲部 431を形成するようにすることで、フラットケーブル 430がガイドレール収納部 33から外部にはみ出したり、ガイドレール収納部 33の壁面に接触したりするのを防止して!/、る。

[0060] 本実施形態において、スライドドア 40を全閉から全開に向けて移動させたときのフラットケーブル 430の軌跡の例を図 9に示す。フラットケーブル 430は、ケーブル引出口 411から車両後方に向けて引き出されており、スライドドア 40が全閉のときにはケ一ブル折返し部 413に巻きついて車両前方に伸びている。この状態では、フラットケ一ブル 430に緩みがないため、屈曲部 431は形成されない。

[0061] 次に、スライドドア 40を全開に向けて開けていくにつれて、フラットケーブル 430の余長分で屈曲部 431が形成されていく。この屈曲部 431は、ケーブル折返し部 413 を起点に車両後ろ向きに形成されて徐々に後方に移動していく。フラットケーブル 43 0の余長分は、スライドドア 40が半分程度開放されてドア側固定部 420と車両側固定部とが最接近したときに最長となり、以降は再び短くなつていく。この間、屈曲部 431 は、徐々に後方に移動しながら、常に車両後ろ向きに形成されている。

[0062] スライドドア 40が全開になったときには、フラットケーブル 430の余長分が再びなくなり、屈曲部 431は第 1の R部 421に接するようになる。以上のように、スライドドア用給電装置 400では、スライドドア 40を全閉から全開に向けて移動させる間、フラットケ一ブル 430は、ケーブル折返し部 413を起点に屈曲部 431が形成され、屈曲部 431 の突出する向きが常に車両後ろ向きに維持された状態で、第 1の R部 421まで移動していく。これにより、フラットケーブル 430がガイドレール収納部 33から外部にはみ出したりガイドレール収納部 33の壁面に接触したりするのを防止することが可能とな

[0063] 本実施形態では、フラットケーブル 430を車体側固定部 410から車体 30の後ろ向きに引き出すようにした力ドア側固定部 420から後ろ向きに引き出すようにしてもよい。あるいは、車体側固定部 410とドア側固定部 420の両方から後ろ向きに引き出すようにしてもよい。

[0064] また、車両側固定部 410とドア側固定部 420との間にフラットケーブル 430を配索するようにしている力別の実施形態として、フラットケーブル 430を例えばコルゲートチューブのような保護部材で覆うようにしてもよい。この保護部材は、第 3の実施形態と同様に、水平方向に高レ、可撓性を有するものを用いるのがよレ、。

[0065] 本発明の第 5の実施形態に係るスライドドア用給電装置を図 10に示す。図 10は本実施形態のスライドドア用給電装置 500の斜視図である。本実施形態のスライドドア用給電装置 500は、車体側固定部 510とドア側固定部 520との間にフラットケーブル 530が配索される構造となっている。同図において、左側がスライドドアを閉じる方向であり、右側が開ける方向である。

[0066] 図 10では、スライドドアを全閉にしたときのドア側固定部 520の状態（520— 1で示す）、全開にしたときの状態（520— 3で示す）、及び途中まで開放したときの状態（5 20— 2で示す）が示されている。また、破線 520aはドア側固定部 520の軌跡を示す。本実施形態のスライドドア用給電装置 500では、スライドドアを全閉にするとフラットケーブル 530が直線状に伸びきつた状態になる（ドア側固定部 520— 1の状態）。このような状態からスライドドアを開放していくと、ドア側固定部 520は破線 520aで示される軌跡に沿って移動し、フラットケーブル 530は白抜き矢印で示す方向に屈曲部 5 31が形成されていく。

[0067] フラットケーブル 530が、上記のように直線状にある状態から屈曲部 531が形成されていくのは、ドア側固定部 520からフラットケーブル 530を引き出す方向によるものである。すなわち、本実施形態ではフラットケーブル 530をドア側固定部 520から斜線矢印の方向に引き出している。これにより、スライドドアを開放してドア側固定部 52 0が移動することでフラットケーブル 530に余長分が生じると、フラットケーブル 530をドア側固定部 520から引き出している方向（斜線矢印の方向）と同じ方向（白抜き矢印で示す）に屈曲部 531が形成されるようになる。

[0068] 上記のように、スライドドアが全閉のときにフラットケーブル 530が直線状になる本実施形態においても、フラットケーブル 530を引き出す方向（斜線矢印の方向）と同じ方向（白抜き矢印で示す）に屈曲部 531を形成させるようにすることが可能となる。

[0069] なお、本実施の各形態における記述は、本発明に係るスライドドア用給電装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の各形態におけるスライドドア用給電装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しな!/、範囲で適宜変更可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 車体に固定される車体側固定部と、スライドドアに固定されるドア側固定部と、前記車体側固定部および前記ドア側固定部において把持されて車体側からスライドドア側への給電を行うフラットケーブルとを備え、

前記車体側固定部および前記ドア側固定部の少なくとも一方から前記フラットケーブルが配索される方向が、前記スライドドアの開閉時に前記フラットケーブルに形成される略凸形状の屈曲部の突出方向と一致していることを特徴とするスライドドア用糸'口 ¾¾¾ m.₀

[2] 前記スライドドアの開閉中に生じる前記フラットケーブルの余長分を、前記略凸形状の屈曲部の突出方向に屈曲させることを特徴とする請求項 1に記載のスライドドア用給電装置。

[3] 前記屈曲部が、前記車体の前後方向と略平行に突出していることを特徴とする請求項 1または 2に記載のスライドドア用給電装置。

[4] 前記屈曲部の突出側が、前記車体の後方向であることを特徴とする請求項 3に記載のスライドドア用給電装置。

[5] 前記屈曲部の突出側が、前記車体の前方向であることを特徴とする請求項 3に記載のスライドドア用給電装置。

[6] 前記フラットケーブルに内包される導体は、平角導体であることを特徴とする請求項

1から 5の何れ力、 1項に記載のスライドドア用給電装置。

[7] 前記フラットケーブルは、少なくとも前記車体側固定部と前記ドア側固定部との間で保護部材に内包されていることを特徴とする請求項 1から 6の何れ力、 1項に記載のスライドドア用給電装置。

[8] 前記ドア側固定部は、ケーブル引出口、ケーブル支持部、およびケーブル折り返し部を備えており、前記ケーブル支持部はフラットケーブルの引出方向側の部分が車体の前後方向と平行なフラットな形状からなっている、請求項 4または 5に記載のスライドドア用給電装置。

[9] 前記ドア側固定部は、ケーブル引出口、ケーブル支持部、およびケーブル折り返し部を備えており、前記ケーブル支持部はフラットケーブルの引出方向側の部分がフラットケーブルを車体側に寄せるように傾斜を付けた形状からなっている、請求項 4または 5に記載のスライドドア用給電装置。

[10] 前記ドア側固定部が車体の前方側に移動するとき、前記屈曲部が前向きのまま前記ドア側固定部に近接して移動し、前記ドア側固定部が最前方側に移動したとき、前記屈曲部がケーブル折返し部に移動して、フラットケーブルがケーブル折返し部に巻き付く状態になることを特徴とする、請求項 8または 9に記載のスライドドア用給 ¾¾ 。

[11] 前記ドア側固定部が車体の後方側に移動し、最後方に移動するとき、フラットケーブルが前記車体固定部とドア側固定部との間で概ね直線状態になって、フラットケーブルがケーブル支持部に接し、前記ドア側固定部が車体の前方側に移動するにつれて、前記屈曲部が徐々に形成されていくことを特徴とする、請求項 8または 9に記載のスライドドア用給電装置。

[12] 前記ケーブル折返し部の曲率半径は、前記フラットケーブルを折り曲げ可能な曲率半径以上に設定されていることを特徴とする、請求項 10に記載のスライドドア用給電装置。