JP2019068532A - ハーネス配索構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成でありながら、フロアパネルから引き出されたワイヤーハーネスが損傷することを防止できるハーネス配索構造を提供する。【解決手段】ハーネス配索構造1は、スライド可能なシートに接続されるワイヤーハーネス2と、保護ガイド部3とを備える。保護ガイド部3は、前方側よりも後方側が高くなるように傾斜する貫通孔3hと、貫通孔3hの上方を覆う前方傾斜面部31と、ワイヤーハーネス2の引出箇所を挟み、引出箇所よりも上方に突出する一対の側面部32,32と、両側面部32,32の後方端に繋がり、貫通孔3hの軸方向に交差する方向に延びる後端面部33と、貫通孔3hの後方開口部3oよりも後端面部33の上端が高くなるように傾斜する後方傾斜面部34とを備える。保護ガイド部3は、ワイヤーハーネス2の引出箇所を適切な配置方向に規制して、引出箇所が踏まれる等して損傷することを防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、スライド可能なシートに接続されるワイヤーハーネスを備えるハーネス配索構造に関する。
自動車のシートには、乗員の着座状態等を検知するセンサ装置やサイドエアバック装置等といった各種の補機が設置されている。各補機には、ワイヤーハーネスの一端が接続され、ワイヤーハーネスの他端に接続される電源から電力供給がなされる。
特許文献1は、上記シートが車両の前後方向にスライド可能なもの、特にロングスライドシートに用いられる給電装置を開示する。この給電装置は、補機との接続端を含み、フロアパネルから上方に突出するように引き出される突出部分、及びフロアパネル下に配置されてシートのスライドに追従する余長部分とを有するワイヤーハーネスと、ワイヤーハーネスのスライド機構とを備える。スライド機構は、上記余長部分を収納し、フロアパネル下に配置されるケースと、上記突出部分を保持し、ケースに対してスライドする筒状の可動体とを含む。
特開2005−059745号公報
上述の給電装置では、シートが最も後方位置にあるとき、フロアパネルから引き出されたワイヤーハーネスの突出部分がシートの前方端よりも車両後方に位置する(特許文献1の図7)。そのため、上記突出部分は、シート下方に位置してシートから露出せず、乗員の足で踏まれる等して損傷することが無い。しかし、上記の給電装置では、大掛かりである上に重量も大きい。
そこで、本発明の目的の一つは、簡素な構成でありながら、フロアパネルから引き出されたワイヤーハーネスが損傷することを防止できるハーネス配索構造を提供することにある。
(1)本発明の一態様に係るハーネス配索構造は、
車両のフロアパネルから引き出され、前後方向にスライド可能なシートの下方に接続されるワイヤーハーネスと、
前記シートが最も後方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスのうち、前記フロアパネル近くであって、前記シートに覆われない箇所を保持する保護ガイド部とを備え、
前記保護ガイド部は、
前記ワイヤーハーネスのフロアパネル近くの箇所がその前方側よりも後方側が高くなるように挿通される貫通孔と、
前記貫通孔の上方を前記貫通孔の傾斜方向に対応して覆う前方傾斜面部と、
前記シートが最も後方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスのうち、前記貫通孔の後方開口部からの引出箇所を挟み、前記引出箇所よりも上方に突出する一対の側面部と、
前記一対の側面部の後方端に繋がり、前記貫通孔の軸方向に交差する方向に延びる後端面部と、
前記貫通孔の後方開口部よりも前記後端面部の上端が高くなるように傾斜する後方傾斜面部とを備える。
(2)上記のハーネス配索構造の一例として、
前記シートが最も後方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスが前記シートの前方に突出することを規制する前方規制部と、
前記シートが最も前方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスが前記シートの後方に突出することを規制する後方規制部とを備える形態が挙げられる。
(3)上記のハーネス配索構造の一例として、
前記ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線を収納する保護チューブとを備え、
前記保護チューブが挿通され、前記保護ガイド部に固定される固定部を有する外側チューブを備える形態が挙げられる。
上記(1)のハーネス配索構造では、シートが最も後方位置(以下、Rmost位置と呼ぶことがある)にあるときに、ワイヤーハーネスのフロアパネル近くの箇所がシートに覆われずシートから露出されるものの、特定の形状の保護ガイド部に保持される。ワイヤーハーネスのフロアパネル近くの箇所は、保護ガイド部の貫通孔に直接保持されて機械的に保護される。かつ、ワイヤーハーネスにおける貫通孔からの引出箇所は、保護ガイド部によって、シートの位置に応じた適切な方向に規制される。そのため、仮に、上記引出箇所が乗員に踏まれそうになっても、乗員の足が上記引出箇所よりも先に保護ガイド部に当たり、ワイヤーハーネスがフロアパネルと足との間に挟まれることを防止できる(詳細は後述する)。また、ワイヤーハーネスにおけるシートからの露出箇所の一部を保護ガイド部で保持するという構成は、上述のスライド装置を備える給電装置に比較して簡素といえる。従って、上記(1)のハーネス配索構造は、簡素な構成でありながら、フロアパネルから引き出されたワイヤーハーネスが足で踏まれる等して損傷することを防止できる。
上記(2)のハーネス配索構造は、前方規制部及び後方規制部を備えることで、シートが任意の位置にあるときに、上述のワイヤーハーネスの引出箇所を適切な配置方向に規制し易く、ワイヤーハーネスがシートから突出することを防止できる。従って、上記(2)のハーネス配索構造は、ワイヤーハーネスの損傷をより確実に防止できる。
上記(3)のハーネス配索構造は、保護チューブや外側チューブによって、電線を機械的に保護できる上に、後述するようにワイヤーハーネスが捻じれて配置されている場合にこの捻じれを戻そうとして所定の配置経路を外れるような動きを規制し易い。従って、上記(3)のハーネス配索構造は、シートが任意の位置にあるときに上記引出箇所を適切な位置に保持し易く、ワイヤーハーネスの損傷をより確実に防止できる。
実施形態1のハーネス配索構造の概略を示す左側面図であり、シートが最も後方位置にある状態を示す。 実施形態1のハーネス配索構造の概略を示す左側面図であり、シートが最も前方位置にある状態を示す。 実施形態1のハーネス配索構造に備えられる保護ガイド部を示し、(A)は斜視図、(B)は上面図、(C)は側面図、(D)は後面図である。
以下、図面を参照して、本発明のハーネス配索構造を具体的に説明する。図面において、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1〜図3を参照して、実施形態1のハーネス配索構造1を説明する。
図1,図2は、自動車に備えられるシート6においてフロアパネル5近くを部分的に示し、車両前方(紙面左方)をFR、車両後方(紙面右方)をRRとし、矢印で示す。
図1,図2では、フロアパネル5に保護ガイド部3が配置された状態を示し、紙面上下方向を車両の上下方向、紙面垂直方向を車幅方向とする。
(全体構成)
実施形態1のハーネス配索構造1は、ワイヤーハーネス2と、ワイヤーハーネス2の一部を機械的に保護すると共に、ワイヤーハーネス2を所定の配置経路に沿った方向に案内する保護ガイド部3とを備える。このハーネス配索構造1は、代表的には、各種の補機(図示せず)を内蔵し、前後方向にスライド可能なシート6を備える自動車に設けられて、上記補機への電力供給等に利用される。
詳細は図示しないが、上記自動車は、代表的には、フロアパネル5及びシート6に設けられるスライド機構(後述)を備える。シート6は、このスライド機構によって、最も前方位置(以下、Fmost位置と呼ぶことがある)と最も後方位置(Rmost位置)との間を車両の前後方向に移動できる。また、上記自動車は、代表的には、エンジン等のパワーユニット近くに電源を備える。この電源とシート6の補機とにワイヤーハーネス2が接続される。このワイヤーハーネス2の一部(電源寄りの領域)はフロアパネル5の下に配置され、他部(補機寄りの領域)はフロアパネル5から上方に引き出され、その端部がシート6の下方に設けられるコネクタ部63に接続される。
特に、実施形態1のハーネス配索構造1は、図1に示すようにシート6がRmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2のうち、フロアパネル5近くであってシート6に覆われずに露出される箇所を保持する保護ガイド部3を備える。
以下、まず、ワイヤーハーネス2及びシート6を簡単に説明し、次に保護ガイド部3、シート6のスライド動作に伴う保護ガイド部3の作用を詳細に説明する。
(ワイヤーハーネス)
ワイヤーハーネス2は、両端部にコネクタ(図示せず)が取り付けられた1本以上の電線20、代表的には複数の電線20を束ねた電線束を備え、一端部のコネクタが補機のコネクタ部63に接続される。各電線20は、銅等の金属からなる導体線と、導体線の外周に設けられた絶縁被覆とを備える。この例のワイヤーハーネス2は、電線束と、電線束の端部以外の領域を収納する保護チューブ21とを備える。保護チューブ21を備えることで、電線束を機械的に保護でき、絶縁被覆の損傷等を防止できる上に、電線束の分離を防止できて配索時等の取り扱い性に優れる。また、保護チューブ21の剛性(直進性)を利用して、ワイヤーハーネス2の設置状態をある程度安定し易い。
保護チューブ21は、電線束を収納可能な内径を有し、樹脂等からなるコルゲートチューブといった軽量で可撓性に優れるものが好適に利用できる。また、公知の保護管を利用できる。保護チューブ21の内径は、電線束の外径よりも若干大きい程度とすると、電線束を保持しつつ、上述の直進性を利用し易い。保護チューブ21の両端部は、代表的には電線束にテープ等で固定されて、電線束に追従して動く。保護チューブ21を省略してもよいが、絶縁被覆の損傷防止の観点からは、本例のようにフロアパネル5からの引出箇所には保護チューブ21を有することが好ましい。電線束における保護チューブ21の収納領域は適宜選択できる。この例のハーネス配索構造1は、後述する外側チューブ22を更に備え、電線束のうち、コネクタ部63寄りの領域を保護チューブ21に収納し、保護ガイド部3の貫通孔3hからの引出箇所から保護チューブ21の一端部を含む領域を外側チューブ22に収納し、貫通孔3h内には電線束が挿通される場合を例示する。
(シート)
シート6は、シートクッション部60と、シートバック部61と、ヘッドレスト部(図示せず)とを備える。シートクッション部60及びシートバック部61は、パッド部と、パッド部が取り付けられるフレーム600とを有する。シートクッション部60のフレーム600の下方に脚部(図示せず)を備える。そのため、シートクッション部60は、フロアパネル5から脚部の高さだけ離れて配置され、シート6の下方には空間が設けられる。この下方空間は、フロアパネル5から引き出されたワイヤーハーネス2の収納空間に利用される(図1,図2)。
代表的には、上述のフレームに各種の補機が取り付けられ、シートクッション部60のフレーム600にコネクタ部63が取り付けられる。上記フレームにおけるコネクタ部63の取付位置は適宜選択できる。この例では、上記取付位置をシート6における車両前後方向の中心よりも車両前方寄りとする。
シート6の下方にスライド装置(図示せず)が設けられる。スライド装置は、シート6側の一対のアッパレールと、フロアパネル5側の一対のロアレールと、シート6を所定位置に固定及びスライドするロック及びロック解除機構と、その操作レバー65とを備える。各アッパレールはシート6の脚部下方に、シート6の車幅方向に離間して設けられる。各ロアレールは、フロアパネル5に固定され、各アッパレールを車両前後方向にスライド可能に支持する。スライド装置の基本的構成は公知の構成を参照できる。
その他、この例のシート6は、シートクッション部60の下方であってその両側に取り付けられる一対のガーニッシュ66を備える。ガーニッシュ66によって、上述のシート6の下方空間を隠す。図1,図2は、紙面手前側のガーニッシュを取り外した状態を示し、紙面奥側のガーニッシュ66のみが見える。
(ワイヤーハーネスの基本的な配置状態)
フロアパネル5には、ワイヤーハーネス2を引き出す開口部50が設けられている。この例の開口部50は、図1に示すようにシート6がRmost位置にあるときに、開口部50の前方端がシート6の前方端よりも車両前方に位置し、開口部50の後方端がシート6の前方端と概ね同位置となるように設けられている。この開口部50に保護ガイド部3が配置され、開口部50から保護ガイド部3を経てワイヤーハーネス2が引き出される。
ワイヤーハーネス2における開口部50からの引出箇所の引出長さは、シート6がFmost位置とRmost位置との間を移動する際に追従可能な程度の長さを有する。また、ワイヤーハーネス2における開口部50からの引出箇所は、図1に示すようにシート6がRmost位置にあるときに、保護ガイド部3近くから車両後方に延び、途中で車両前方に折り返されて、コネクタ部63を一旦通過して、再度、車両後方のコネクタ部63に向かうようにS字状に配置される。また、シート6がFmost位置にあるときに、図2に示すように保護ガイド部3によって車両後方に向かうように保持される箇所から車両前方に向かうように折り返されて、同様にコネクタ部63を一旦通過して、再度、車両後方のコネクタ部63に向かうようにS字状に配置される。このようにS字状にワイヤーハーネス2を配置することで、シート6がRmost位置やFmost位置にあるときにシート6の下方空間からワイヤーハーネス2の一部が突出することを防止し易い。そのため、保護ガイド部3は上記引出箇所がシート6の下方空間に収納されるように上記引出箇所を案内し易い。
(保護ガイド部)
〈全体構成〉
以下、図3を主に参照して、保護ガイド部3を説明する。
保護ガイド部3は、ワイヤーハーネス2におけるフロアパネル5に近い部分が挿通される比較的短い筒状の部材であり、車両前方から車両後方に連続する貫通孔3hが設けられている(図3(C))。この例の保護ガイド部3は、側面視で直角三角形状(図3(C))、上面視で長方形状の三角柱状の部材であり(図3(B))、垂直面(後述の後端面部33)の上端の一部が切り欠かれたような形状である。
詳しくは、この例の保護ガイド部3は、図3(C)に示すように車両前方に配置されて特定の方向に傾斜する前方傾斜面部31と、前方傾斜面部31に繋がる傾斜縁を有し、車幅方向の左右に配置される一対の外側面部35,35と(図3(B),(D)も参照)、両外側面部35,35の後方端に繋がり、車両後方に配置される後端面部33とを備える。また、この例の保護ガイド部3は、図3(A)に示すように貫通孔3hの後方開口部3rが設けられる孔形成面部30と、孔形成面部30の後縁に繋がる後方傾斜面部34と、両部30,34の両側縁にそれぞれ繋がり、対向配置される一対の側面部32,32と(図3(B)も参照)、車両下方に配置される下面36とを備える(図3(C))。孔形成面部30と、後方傾斜面部34とは、図3(C)に破線で示すようにV字をなすように繋がる。
上述のような特定の形状を有する保護ガイド部3は、ワイヤーハーネス2における開口部50からの引出箇所のうち、フロアパネル5に近い部分を直接覆って機械的に保護し、その他の部分をシート6の位置に応じて特定の方向に案内する。この案内によって、シート6が任意の位置にあるときに、上記引出箇所がシート6から突出することを防止できる。そのため、上記引出箇所が例えば乗員の足100(図1,図2)に踏まれること等を回避できる。
〈貫通孔〉
貫通孔3hは、上述のようにワイヤーハーネス2におけるフロアパネル5に近い箇所が挿通されると共に、貫通孔3hから引き出された引出箇所が貫通孔3hの形成方向に沿って配置されるように上記引出箇所を規制することに寄与する。この貫通孔3hは、図3(C)に示すように保護ガイド部3の車両前方寄りに設けられ、車両下方に開口する前方開口部3fと、孔形成面部30に設けられた後方開口部3rと、車両前方から、車両後方かつ車両上方に向かって高くなるように傾斜する内周面とを有する。そのため、ワイヤーハーネス2におけるフロアパネル5近くの箇所、即ち貫通孔3hをなす筒状の内周面に保持される箇所は、その前方側よりも後方側が高くなるように配置される。
貫通孔3hの形状、大きさは、ワイヤーハーネス2が挿通可能な範囲で適宜選択できる。この例の貫通孔3hは、前方開口部3fから後方開口部3rに亘って一様な内径を有する円筒孔であり、この内径は断面円形状のワイヤーハーネス2の外径よりも若干大きいものとする。ワイヤーハーネス2の外径と貫通孔3hの内径との差を若干程度とすることで、貫通孔3hの内周面でワイヤーハーネス2を保持しつつ、貫通孔3h内でワイヤーハーネス2が過度に動くことを防止できる。
〈前方傾斜面部〉
前方傾斜面部31は、貫通孔3hの傾斜方向に対応して設けられる。即ち前方傾斜面部31は、車両前方から車両後方かつ車両上方に向かって高くなるように傾斜している。この前方傾斜面部31は、貫通孔3hの上方を覆うように設けられる(図3(C))。このような前方傾斜面部31は、ワイヤーハーネス2における貫通孔3hに保持される箇所よりも車両上方に位置するため、特に、シート6がRmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2における貫通孔3h近くの部分を乗員に踏まれ難くすること等に寄与する。
〈側面部〉
一対の側面部32,32は、シート6がRmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2のうち、貫通孔3hの後方開口部3rからの引出箇所を挟むように対向配置される。両側面部32,32が上述の引出箇所の両側を挟むことで車幅方向の移動範囲を規制して、シート6がRmost位置にあるときに上記引出箇所が車両後方に向かうように案内することに寄与する。
両側面部32,32の間隔(車幅方向の大きさ)は、ワイヤーハーネス2を挟持可能な範囲で適宜選択できる。この例の間隔は、ワイヤーハーネス2の外径よりも若干広い程度(例、上記外径の2倍以下程度)としており、上述の引出箇所における車幅方向の移動範囲をより規制し易い。
かつ、両側面部32,32は、シート6がRmost位置にあるときに、上述のワイヤーハーネス2の後方開口部3rからの引出箇所よりも上方に突出する部分を有する。この例では、各側面部32,32の上縁が前方傾斜面部31の延長面上に設けられている。そのため、各側面部32,32の上縁は、前方傾斜面部31と同様な傾きを有し、車両前方から車両後方かつ車両上方に向かって延び、その最高位置にある頂部320は、上記引出箇所よりも上方に突出する部分をなす(図1参照)。このような両側面部32,32は、特に、シート6がRmost位置にあるときに、上記引出箇所を乗員に踏まれ難くすること等に寄与する。乗員の足100が上記引出箇所よりも先に側面部32の頂部320に当たるからである。
側面部32の頂部320における上記引出箇所からの突出高さが高いほど、上記引出箇所を踏まれ難くし易いものの、高過ぎると保護ガイド部3の大型化を招く。そのため、上記突出高さは、ワイヤーハーネス2の外径よりも若干大きい程度、例えば上記外径の0.1倍以上0.5倍以下程度が挙げられる。
〈後端面部〉
後端面部33は、貫通孔3hの軸方向に交差する方向に延びるように設けられる。この例の後端面部33は、フロアパネル5に保護ガイド部3が配置された状態でフロアパネル5に直交するように設けられる(図1,図2)。そのため、後端面部33がフロアパネル5に非直交に交差するように設けられる場合(後述の変形例参照)に比較して、保護ガイド部3におけるフロアパネル5に対する設置面積(ここでは下面36の平面面積)を小さくでき、この点で小型である。
また、この例の後端面部33は、図3(D)に示すように上端の一部が切り欠かれてなる凹部330を備える。凹部330をなす開口縁は、両側面部32,32の後方端(頂部320を含む)に繋がる側縁と、後方傾斜面部34の後方端に繋がる下縁とを含む。このような後端面部33は、側面部32,32と同様に、特に、シート6がRmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2における貫通孔3hからの引出箇所を凹部330で保持して車幅方向の移動範囲を規制すると共に、頂部320の突出によって乗員に踏まれ難くすること等に寄与する。
更に、この例では、シート6がFmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2における後方端(ここでは、上述のように車両後方から車両前方に向かって折り返された部分の後方端)よりも車両後方に後端面部33が配置されるように、保護ガイド部3の大きさ、ワイヤーハーネス2の引出箇所の配置状態などが調整されている。このような後端面部33は、特に、シート6がFmost位置にあるときに、上記引出箇所を乗員に踏まれ難くすること等に寄与する。
〈後方傾斜面部〉
後方傾斜面部34は、貫通孔3hの後方開口部3rよりも後端面部33の上端(この例では上述の凹部330をなす開口縁)が高くなるように傾斜する。即ち、後方傾斜面部34は、図3(C)に示すように側面視で、その前縁(孔形成面部30の後縁でもある)が車両下方に位置し、その後縁(上記開口縁)が前縁よりも車両上方に位置するように傾斜する。このような後方傾斜面部34は、ワイヤーハーネス2とシート6との接続位置(コネクタ部63の形成位置)、ワイヤーハーネス2の大きさ(引出長さ、外径等)、引出箇所の配置状態、後方傾斜面部34の傾斜角度等にもよるが、シート6がFmost位置にあるときに上記引出箇所における貫通孔3h近くの部分を車両前方かつ上方に押し上げることに寄与すると期待される。この押上げによって、上記引出箇所は、貫通孔3hに沿った車両後方から、車両前方に向かって折り返され易くなる。従って、後方傾斜面部34は、特に、シート6がFmost位置にあるときに、上記引出箇所が保護ガイド部3よりも車両後方に突出することを防止することに寄与すると期待される。後方傾斜面部34の傾斜角度は、上述の接続位置やワイヤーハーネス2の配置状態、大きさ等に応じて適宜調整するとよい。
なお、上述の接続位置やワイヤーハーネス2の配置状態、大きさ等、その他後述の突出防止部材の具備によっては、後方傾斜面部34の傾斜角度によらず、ワイヤーハーネス2が車両後方に突出することなく折り返される場合がある。
〈外側面部〉
この例の外側面部35,35は、側面視で直角三角形状であり、この直角三角形の斜辺をなす前縁が前方傾斜面部31の傾斜及び側面部32,32の上縁の傾斜に沿って設けられ、垂直な辺をなす後縁が後端面部33に沿って設けられる。両部31,33が繋がる上端は、頂部320をなす。このような外側面部35,35は、ワイヤーハーネス2の側方を保護すると共に、シート6がRmost位置にあるときには、前方傾斜面部31及び側面部32の頂部320と同様に、Fmost位置にあるときには、後端面部33と同様に、ワイヤーハーネス2を乗員に踏まれ難くすること等に寄与する。
〈その他の構成〉
その他、この例の保護ガイド部3は、前方傾斜面部31よりも車両前方に設けられ、下面36よりも車両下方に突出する突部を有する台座38を備える。貫通孔3hは、この台座38の突部の下面に至るように設けられており、突部の下面に前方開口部3fを備える。更に、この例の保護ガイド部3は、台座38の突部よりも車両後方に、下面36から車両下方に突出する取付片380(図1,図2では図示せず)を備える。台座38の具備により、ワイヤーハーネス2における前方開口部3f近傍の把持強度を高め易い。取付片380の具備により、フロアパネル5に対する保護ガイド部3の取付状態の安定性を高め易い。台座38及び取付片380の少なくとも一方を省略することができる。
この例の保護ガイド部3の幅(車幅方向の大きさ)は、貫通孔3hの内径の3倍程度(概ねワイヤーハーネス2の外径の3倍程度)とするが、適宜変更できる。この程度の大きさであれば、小型な保護ガイド部3とすることができる。
〈取付位置〉
保護ガイド部3は、図1,図2に示すように、上述のフロアパネル5に設けられた開口部50から突出するように配置される。具体的には、車両前方に前方傾斜面部31、車両後方に後端面部33、車幅方向に並ぶように一対の外側面部35,35、フロアパネル5側に下面36が配置される。この例では台座38及び取付片380はフロアパネル5下に配置される。
(突出防止部材)
更に、この例のハーネス配索構造1は、ワイヤーハーネス2における貫通孔3hからの引出箇所がシート6から突出することをより確実に防止する部材を備える。
その一つとして、シート6がRmost位置にあるときに、上述のワイヤーハーネス2の引出箇所がシート6の前方に突出することを規制する前方規制部4Fと、シート6がFmost位置にあるときに、上記引出箇所がシート6の後方に突出することを規制する後方規制部4Rとを備える(図1,図2)。
この例の前方規制部4F及び後方規制部4Rはそれぞれ、シート6の下方であって、シート6の前方端寄り、後方端寄りに、ワイヤーハーネス2における貫通孔3h近くの部分を車両下方に押し付けるように設けられる。ここで、ワイヤーハーネス2における貫通孔3h近くの部分は、後方傾斜面部34によって車両前方に向かって支持される。そのため、シート6がRmost位置にあるときには、ワイヤーハーネス2の引出箇所はシート6から車両前方に突出し易いといえる。シート6がFmost位置にあるときには、ワイヤーハーネス2の貫通孔3h近くの部分は、上述のように車両後方から車両前方に折り返されるため、この折り返し部分が車両後方に曲がりを戻すように動作して、シート6から車両後方に突出し易いといえる。ワイヤーハーネス2における貫通孔3h近くの部分を前方規制部4F、後方規制部4Rによって車両下方に押し付けることで、ワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出をより確実に防止できる。
前方規制部4F及び後方規制部4Rの形状、大きさ、形成位置等の仕様は、ワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出を規制可能な範囲で適宜選択できる。例えば、前方規制部4F及び後方規制部4Rは、保護ガイド部3の幅以上の長さを有するパイプ材又は棒材とし、シート6の車幅方向において保護ガイド部3の配置位置に対応する位置に、パイプ材等の軸が車幅方向に沿うように設けることが挙げられる。このパイプ材や棒材はシート6のフレーム600や脚部等に固定することが挙げられる。又は、この例のように、前方規制部4F及び後方規制部4Rは、シート6の車幅方向の大きさ(幅)に相当する長さを有するパイプ材又は棒材とし、上述のようにパイプ材等の軸が車幅方向に沿うように設けることが挙げられる。この場合、ワイヤーハーネス2の引出箇所が保護ガイド部3の配置位置に対して車幅方向にずれるように動いても、上記引出箇所は、前方規制部4F及び後方規制部4Rに確実に接触できる。従って、この場合、ワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出をより確実に防止できる。また、この場合、前方規制部4F及び後方規制部4Rは、シート6の補強部材としても機能する。パイプ材とすれば、棒材よりも軽量にできる。
前方規制部4F及び後方規制部4Rを省略することもできるが、少なくとも一方、好ましくは本例のように双方を備えて、ワイヤーハーネス2の車両前後方向の移動範囲を前方規制部4Fと後方規制部4Rとの間に規制することが好ましい。シート6が任意の位置にあるときにワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出をより確実に防止して、シート6から突出したワイヤーハーネス2に乗員の足100が引っ掛かること等を防止できるからである。また、前方規制部4F及び後方規制部4Rの双方を備える場合、上述の仕様のうち、少なくとも一つを異ならせることもできる。
別の一つとして、保護チューブ21を備えるワイヤーハーネス2が挿通される外側チューブ22を備える。この例の外側チューブ22は、保護ガイド部3に固定される固定部を有する。外側チューブ22は、保護チューブ21の外径よりも大きな内径を有する筒材である。この例の外側チューブ22は、その一端部を保護ガイド部3に固定される固定端(固定部)とし、他端部を保護ガイド部3に固定されない自由端とし、その内部に保護チューブ21の一端部及び電線束が挿通されており、両チューブ21,22は互いに固定されていない。このような片端支持された外側チューブ22は、保護チューブ21を含むワイヤーハーネス2が外側チューブ22の内面を押圧するほどの大きな動きを行った場合、代表的にはシート6のスライドに追従する場合、上述の固定端を起点として、ワイヤーハーネス2に追従して自由端側が動く(図1,図2参照)。
しかし、保護チューブ21を含むワイヤーハーネス2が外側チューブ22の内面を実質的に押圧しない程度の比較的小さな動きを行う場合には、外側チューブ22は、フロアパネル5に固定された保護ガイド部3に固定されることで、実質的に動かない状態を維持できる。ここで、ワイヤーハーネス2は、捻じれた状態で配索されることがある。この場合、例えばシート6がRmost位置、Fmost位置にあるときにワイヤーハーネス2の引出箇所が上述の捻じれを戻そうとする力によって、所定の配置経路に対して車幅方向にずれるように動くことが考えられる。この動きは、上述の比較的小さな動きに相当するといえる。外側チューブ22は、このようなワイヤーハーネス2の動きを規制することに寄与する。この例では、シート6の下方空間におけるワイヤーハーネス2の設置経路が車両前後方向に沿った垂直な面上に実質的に位置するように、ワイヤーハーネス2を保持し易い。その結果、ワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出をより確実に防止できる。
外側チューブ22の内径、長さ、固定方法などは適宜選択できる。例えば、外側チューブ22の内径は、保護チューブ21の外径の1.5倍以上3倍以下程度が挙げられる。外側チューブ22の長さは、収納するワイヤーハーネス2の長さに応じて選択するとよく、この例では保護チューブ21よりも長いが、保護チューブ21よりも短くすることもできる。外側チューブ22の固定は、例えば、両側面部32,32、及び後方傾斜面部34に接着剤等で接合したり、外側チューブ22と保護ガイド部3とに貫通孔を設けて紐状体を挿通して結びつけたりすること等が挙げられる。また、外側チューブ22の固定部は、その端部に限らず、適宜変更できる。外側チューブ22を省略することもできるが、外側チューブ22を備えると、上述のようにワイヤーハーネス2の動きを規制できる上に、保護チューブ21を含むワイヤーハーネス2を機械的に保護できる。この例では、図1に示すようにワイヤーハーネス2における貫通孔3h近くを保護でき、乗員の足100が仮に外側チューブ22に当たっても、ワイヤーハーネス2(電線束)に当たることが無い。なお、この例では外側チューブ22を保護ガイド部3に固定する場合を示すが、外側チューブ22は、フロアパネル5や、シート6のフレーム600等に固定することもできる。
[主な作用]
〈シートが最も後方位置にある場合〉
図1に示すように、ワイヤーハーネス2において、フロアパネル5の開口部50に配置された保護ガイド部3の貫通孔3hに保持される箇所は、上述のように車両前方から車両後方かつ車両上方に向かって保持される。貫通孔3hからの引出箇所は、上述の保持箇所に倣うことで車両前方から車両後方に向かって配置され易い。また、貫通孔3hからの引出箇所は、一対の側面部32,32(凹部330を含む)に挟まれつつ、後方傾斜面部34の傾斜に沿って案内されることからも、車両前方から車両後方に向かって配置され易く、シート6よりも車両前方に突出する部分を無くすことができる。更に、この配置状態では、ワイヤーハーネス2の上端よりも車両上方に、前方傾斜面部31及び側面部32の頂部320が位置する。そのため、乗員の足100がワイヤーハーネス2における貫通孔3hからの引出箇所を踏もうとしても、足100はワイヤーハーネス2(電線束)よりも先に前方傾斜面部31や頂部320に当たり、ワイヤーハーネス2がフロアパネル5と足100との間に挟まれることを回避できる。また、足100のつま先は、前方傾斜面部31の傾斜、この例では更に外側面部35の上縁の傾斜に沿って車両後方かつ車両上方に向かって持ち上げられ易い。このことからも、ワイヤーハーネス2が踏まれることを回避できる。
〈シートが最も前方位置にある場合〉
図2に示すように、ワイヤーハーネス2において、保護ガイド部3の貫通孔3hからの引出箇所は、後方傾斜面部34に案内されて、上述の貫通孔3hによる保持箇所から車両前方に向かって折り返され易い。上記引出箇所は、両側面部32,32(凹部330を含む)に挟まれて車幅方向の移動が規制され、曲がりが戻され難いことからも、折り返し状態を保持し易いと期待される。好ましくは、折り返された部分の後方端よりも車両後方に後端面部33が位置するように適切に折り返されることで、上記引出箇所は、シート6よりも車両後方に突出する部分を無くすことができる。上記引出箇所よりも車両後方に後端面部33が位置すれば、乗員の足100が上記引出箇所を踏もうとしても、足100はワイヤーハーネス2(電線束)よりも先に後端面部33に当たり、ワイヤーハーネス2がフロアパネル5と足100との間に挟まれることを回避できる。
[主な効果]
実施形態1のハーネス配索構造1は、シート6がRmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2におけるフロアパネル5からの引出箇所の一部がシート6から露出されるものの、特定の形状の保護ガイド部3を備えることで、上記引出箇所が乗員に踏まれる等して損傷することを防止できる。また、このハーネス配索構造1は、上記引出箇所の一部を保持する保護ガイド部3を備えるという構成であり、フロアパネルからの引出箇所の全てをケースや可動体に収納する上述の給電装置に比較して簡素な構成であり、軽量化、低コスト化も図ることができる。このような実施形態1のハーネス配索構造1は、シート6のスライド量が比較的大きいロングスライドシートを備える自動車、例えばセンターピラーを有しておらず、フロントドア及びリヤドアの双方を開いた状態では大きな開口部を備える自動車等に好適に利用できる。
特に、この例のハーネス配索構造1は、保護ガイド部3に加えて、前方規制部4F及び後方規制部4Rを備えるため、上述のようにシート6がFmost位置からRmost位置の間の任意の位置にあるときにワイヤーハーネス2を適切な配置方向に規制し易い。このようなハーネス配索構造1は、ワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出をより確実に防止できる。ひいてはワイヤーハーネス2の突出箇所が踏まれる等して損傷することをより確実に防止できる。
更に、この例のハーネス配索構造1は、保護チューブ21を備えるワイヤーハーネス2に加えて、外側チューブ22を備えるため、上述のように捻じれて配置されている場合にワイヤーハーネス2が所定の配置経路を外れるような動きを規制し易い。この例では、上述のようにワイヤーハーネス2を車両前後方向に沿った垂直面上に維持し易い。このようなハーネス配索構造1は、ワイヤーハーネス2におけるシート6からの突出をより確実に防止できる。ひいてはワイヤーハーネス2の突出箇所が踏まれる等して損傷することをより確実に防止できる。
実施形態1のハーネス配索構造1は、例えば、以下の変更が可能である。
保護ガイド部3において後端面部33が頂部320から車両後方かつ車両下方に向かって傾斜し、フロアパネル5に対して非直交に交差するものとする。
この後端面部33は、シート6がFmost位置にあるときに、ワイヤーハーネス2における貫通孔3hからの引出箇所よりも車両後方に突出する。そのため、上述のように乗員の足100がワイヤーハーネス2よりも先に後端面部33に当たり、ワイヤーハーネス2が踏まれること等を回避できる。また、前方傾斜面部31と同様に、足100のつま先が後端面部33の傾斜に沿って持ち上げられることからも、踏まれること等を回避できると期待される。但し、この形態は、実施形態1に比較して、保護ガイド部3におけるフロアパネル5に対する設置面積が大きくなり易い。
その他、実施形態1では、保護ガイド部3に外側チューブ22を固定する構成を説明した。上述の捻じれ等によってワイヤーハーネス2が所定の設置経路を外れるような動きをすることを防止できるハーネス配索構造として、以下の構成Aとすることができる。
(構成A)
車両に備えられる電装品に電力供給を行うワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスに備えられる電線束を収納する保護チューブと、
前記保護チューブに覆われた前記ワイヤーハーネスの少なくとも一部が挿通され、前記ワイヤーハーネスの設置経路に固定される固定部を有する外側チューブとを備えるハーネス配索構造。
設置経路における外側チューブの固定箇所としては、フロアパネル5や、シート6のフレーム等が挙げられる。
1 ハーネス配索構造
2 ワイヤーハーネス
20 電線、21 保護チューブ、22 外側チューブ
3 保護ガイド部
3h 貫通孔、3f 前方開口部、3r 後方開口部、30 孔形成面部、
31 前方傾斜面部、32 側面部、320 頂部、33 後端面部、330 凹部
34 後方傾斜面部、35 外側面部、36 下面、38 台座、380 取付片
4F 前方規制部、4R 後方規制部
5 フロアパネル
50 開口部
6 シート
60 シートクッション部、600 フレーム、61 シートバック部
63 コネクタ部、65 操作レバー、66 ガーニッシュ
100 足

Claims (3)

  1. 車両のフロアパネルから引き出され、前後方向にスライド可能なシートの下方に接続されるワイヤーハーネスと、
    前記シートが最も後方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスのうち、前記フロアパネル近くであって、前記シートに覆われない箇所を保持する保護ガイド部とを備え、
    前記保護ガイド部は、
    前記ワイヤーハーネスのフロアパネル近くの箇所がその前方側よりも後方側が高くなるように挿通される貫通孔と、
    前記貫通孔の上方を前記貫通孔の傾斜方向に対応して覆う前方傾斜面部と、
    前記シートが最も後方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスのうち、前記貫通孔の後方開口部からの引出箇所を挟み、前記引出箇所よりも上方に突出する一対の側面部と、
    前記一対の側面部の後方端に繋がり、前記貫通孔の軸方向に交差する方向に延びる後端面部と、
    前記貫通孔の後方開口部よりも前記後端面部の上端が高くなるように傾斜する後方傾斜面部とを備えるハーネス配索構造。
  2. 前記シートが最も後方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスが前記シートの前方に突出することを規制する前方規制部と、
    前記シートが最も前方位置にあるときに、前記ワイヤーハーネスが前記シートの後方に突出することを規制する後方規制部とを備える請求項1に記載のハーネス配索構造。
  3. 前記ワイヤーハーネスは、電線と、前記電線を収納する保護チューブとを備え、
    前記保護チューブが挿通され、前記保護ガイド部に固定される固定部を有する外側チューブを備える請求項1又は請求項2に記載のハーネス配索構造。
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