WO2005105150A1

WO2005105150A1 - 貼付剤

Info

Publication number: WO2005105150A1
Application number: PCT/JP2005/008033
Authority: WO
Inventors: Seiichiro Tsuru; Tomoyuki Hinotani; Masatoshi Kita
Original assignee: Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc.
Priority date: 2004-04-28
Filing date: 2005-04-27
Publication date: 2005-11-10
Also published as: EP1757309A1; TWI337872B; JPWO2005105150A1; PT1757309E; ES2408007T3; US20070231591A1; CN1946429A; KR101165658B1; EP1757309A4; KR20070002090A; JP4703559B2; EP1757309B1; US7998590B2; TW200612992A; CN1946429B

Abstract

　支持体と、当該支持体の少なくとも一方の面上に配置された粘着剤層と、を備える貼付剤であって、粘着剤層が、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含む粘着基剤から形成されることを特徴とする貼付剤。

Description

明細書

貼付剤

技術分野

[0001] 本発明は、貼付剤に関する。

背景技術

[0002] 医薬品として用いられるノップ剤、化粧品又は医薬部外品として用いられるノック剤等の貼付剤の粘着剤層には、水分、用途に応じて薬効成分や化粧成分などが含まれる。従来、粘着剤層中に水分を高含有させる場合には、ゼラチン及び Z又はポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩等の水溶性高分子を含む粘着基剤が利用されていた。

[0003] 特に、ゼラチンを含有する粘着基剤は、高ヽ水分含量を有すると共に保型性及び凝集性に優れた粘着剤層を形成することができ、膏体残りや粘着剤の染み出し等の問題が低減された貼付剤を得ることができる。また、水分含量及び保型性をさらに向上させることを意図してゼラチンベースの粘着基剤に寒天を配合した粘着基剤も開示されている (特許文献 1参照。 ) o

特許文献 1 :特開昭 57— 42617号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] し力しながら、特許文献 1に記載の粘着基剤をはじめとするゼラチンを含有する従来の粘着基剤では、ゼラチン以外の配合物質 (例えば薬効成分等)の選択範囲が粘着基剤の pHによって制限されることがあった。これは、粘着基剤の pHが、ゼラチンの保型力、凝集力等が十分に発揮され得る所定の pHの範囲から外れた場合、形成される粘着剤層の保型性、凝集性、粘着性等が低下するという問題が生じるためである。特に、経時した場合にこのような問題が顕著に現れる。そのため、上記従来の粘着基剤は、貼付剤の設計上の自由度において十分なものとはいえな力つた。

[0005] なお、粘着基剤の pHによって添加できる成分が制限されな、ようにゼラチンを配合させないことが考えられるが、従来のゼラチンを含まない粘着基剤では、ゼラチンを含むことにより達成可能であった十分な水分含量を有すると共に保型性及び凝集性を高い水準で満足する貼付剤を得ることは困難であった。

[0006] 本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、所望の成分を含有し所望の pHを有する配合であっても、十分な水分を含有すると共に、優れた粘着力を有しかつ膏体残りが十分に低減されている貼付剤を提供することにある。課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、粘着基剤に特定の寒天を含有させることにより、ゼラチンを含有させることなく十分な含水量を有する粘着剤層を形成することができ、さらには形成された粘着剤層が保型性、粘着力に優れ、粘着剤の染み出しや使用後の膏体残りが十分に低減されていることを見出し、本発明を完成するに至った。

[0008] すなわち、本発明の貼付剤は、支持体と、支持体の少なくとも一方の面上に配置された粘着剤層とを備える貼付剤であって、粘着剤層が、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含む粘着基剤から形成されることを特徴とする。

[0009] 本発明において「易溶性寒天」とは、 70°Cの温度において、ほぼ 100%溶解する寒天を意味する。力かる性質を有するものであれば、寒天の組成、分子量、形態、ゼリー強度、ゾル粘度、凝固点、 pH、吸水性、離漿性等は特に限定されない。

[0010] 本発明において、「ゼリー強度」とは、寒天の 1. 5質量％溶液を調製し、 20°Cで 15 時間放置、凝固せしめたゲルについて、その表面 1平方センチ当たり 20秒間耐え得る最大重量 (g数)をもってゼリー強度 (g/cm²)とするものである。

[0011] また、本発明において、「ゼラチンを実質的に含まない」とは、ゼラチンを含有しない力含有しても粘着基剤から形成される粘着剤層のゼリー強度に影響を及ぼさない程度の量であることを意味する。ここで、粘着剤層のゼリー強度に影響を及ぼすか否かは、次の方法により判断することができる。すなわち、ある粘着基剤から形成された粘着剤層のゼリー強度に対して、この粘着基剤にある量のゼラチンを含有させたもの力も形成された粘着剤層のゼリー強度が上昇して、な、或いは変化して、なければ、粘着剤層のゼリー強度に影響を及ぼさないと判断し、ある量のゼラチンは「ゼラチンを実質的に含まない」とみなすことができる。なお、ゼリー強度の比較に際しては、測定誤差を考慮した上での差を確認するものとする。 [0012] 本発明によれば、易溶性寒天を用いることにより、従来、ゼラチン、又は、ゼラチンと寒天の両方を用いることにより達成されて、た、十分な水分を含有すると共に優れた粘着力を有しかつ膏体残りが十分に低減されている貼付剤を得ることが可能となる。また同時に、貼付剤が所望の成分を含有し所望の pHを有することが可能となる。

[0013] 通常、寒天の溶解には高温 (約 90°C以上）が必要である。そのため、一般の寒天を用いると、粘着基剤に含まれる架橋剤 (アルミニウム化合物等の多価金属塩)の反応が必要以上に促進される等の製造時における不都合が生じるおそれがあった。しかしながら、本発明では、易溶性寒天が溶解に高温（90°C以上）を必要としないため、上記のような問題を十分に低減できる。従って、本発明の貼付剤は、製造が容易であるという効果も有している。

[0014] 更に、本発明によれば、易溶性寒天が溶解に高温（90°C以上）を必要としないため、従来の貼付剤では製造時での損失が大き力つた揮発性又は熱分解性の成分を効率よく貼付剤に配合することができる。また、揮発性又は熱分解性成分を配合するための、寒天の溶解液を冷却する装置、エネルギー、時間等が必要なぐ製造工程の簡略化も達成できる。

[0015] 結果として、本発明によれば、 pHによる影響のみならず、製造時における熱の影響をも十分に低減することができるため、貼付剤の配合における自由度が飛躍的に向上している。

[0016] さらにまた、本発明の貼付剤は、ゼラチンを配合した従来のパップ剤の使用時に見られた粘着剤層のダレの問題も十分に低減することができる。これは、外気の温度が例えば 30°C以上の高温になるとゼラチンの状態が変化して粘着剤層の凝集力が低下するのを、ゼラチンを実質的に含まないことにより防止できるためと考えられる。

[0017] また、本発明の貼付剤では、粘着基剤が揮発性成分又は熱分解性成分を更に含有していることが好ましい。

[0018] 上述のように、本発明の貼付剤は、寒天の溶解液を冷却してから、揮発性成分又は熱分解性成分を混合する必要がないため、かかる成分を配合する場合であっても製造プロセスを簡略ィ匕できる利点を有している。また、本発明の貼付剤は、揮発性成分又は熱分解性成分を配合するために粘着基剤の pH調整が行われた場合であつても、高含水性、保型性、凝集性及び粘着性を高い水準で満足する粘着剤層を有している。そのため、揮発性成分又は熱分解性成分を所望の配合割合で含有する貼付剤を、従来に比べてより容易に得ることができる。

[0019] また、本発明の貼付剤では、粘着基剤がポリアクリル酸及び Z又はその塩を更に含有していることが好ましい。

[0020] 粘着基剤が、ポリアクリル酸及び Z又はその塩を含有することにより、形成される粘着剤層の保型性及び粘着性をより良好なものにすることができる。

[0021] この場合、ポリアクリル酸及び Z又はその塩の含有量は、易溶性寒天 1質量部に対して 5〜25質量部となるように調節することが好ましい。また、ポリアクリル酸及び Z又はその塩の含有量は、粘着基剤中で 4〜8質量％であることが好ましい。

[0022] これにより、貼付剤の高含水性、保型性、凝集性及び粘着性をさらに高い水準で満足させることが可會となる。

[0023] また、本発明の貼付剤においては、粘着力増強の観点から、粘着基剤が、ポリビ- ールアルコ一ルをさらに含むことが好まし、。

[0024] さらに、本発明の貼付剤においては、粘着剤層の形成時間を短縮する観点から、粘着基剤が、ポリビュルピロリドン又はキサンタンガムをさらに含むことが好ましい。か力る貼付剤は、製品として出荷されるまでの時間（リードタイム)を短縮でき、生産性を向上させることが可會となる。

[0025] また、本発明においては、易溶性寒天は、ゼリー強度が 450〜1000gZcm²であることが好ましい。

[0026] 易溶性寒天のゼリー強度が 450g/cm²未満であると、形成される粘着剤層の保型性が低下し、粘着剤が支持体に移行して支持体力の染み出しが生じたり、粘着剤層の膏体残りが生じたりしゃすくなる傾向にある。一方、ゼリー強度が lOOOgZcm² を超えると、凝集力が増大し、粘着剤層の粘着力が不十分となる傾向にある。なお、これらの傾向を低減するために、易溶性寒天の配合量を少なくすると、ゲルィ匕能を下回った場合にゲルィ匕しなくなつたり、粘着剤層が含むことができる水分量が低下したりする傾向にある。

[0027] 更に、本発明の貼付剤における一態様として、粘着基剤が、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含み、水分を 50質量％以上含有し、水溶性高分子を 3. 0質量％〜10質量％含有し、キサンタンガム及び Z又はポリビュルピロリドンを合計で 0. 01 質量％〜1. 4質量％含有することができる。これにより、水分の滲み出しが十分に低減されており、かつ十分な粘着力を有しつつ、使用感がさらに向上した粘着剤層を備える貼付剤を実現することが可能となる。

[0028] ここで、粘着基剤にお!、て、水分の含有割合が 50質量％未満であると、形成される粘着剤層の例えば保水感、冷却感などが得られ難くなる傾向にある。また、水溶性高分子の含有割合が 3. 0質量％未満であると、粘着基剤の水分の含有割合が 50質量％以上の場合、形成される粘着剤層の強度及び保型性が不十分となり、粘着剤層力もの水分の滲み出しを十分に低減することが困難となる傾向にある。他方、水溶性高分子の含有割合が 10質量％を超えると、形成される粘着剤層が硬くなりすぎて十分な粘着力を得ることが困難となる傾向にある。また、キサンタンガム及び Z又はポリビュルピロリドンの含有割合が合計で 0. 01質量％未満であると、形成される粘着剤層の粘着力が十分に得られ難くなる傾向にあり、 1. 4質量％を超えると、形成される粘着剤層にべたつきが生じて使用感が損なわれる傾向にある。

[0029] 一般に、水分含量が 50質量％以上の膏体基剤をシート状に固化すると、保型性が十分に得られない或いは保型性が経時と共に低下する等の問題が生じやすくなり、形成した粘着剤層からの水分の滲み出しが十分に抑制されていると共に、使用感及び粘着性を高い水準で満足することが困難となると考えられる。し力しながら、上記の貼付剤によれば、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含み、水分を 50質量％以上含有し、水溶性高分子を 3. 0質量％〜10質量％含有し、キサンタンガム及び /又はポリビュルピロリドンを合計で 0. 01質量％〜1. 4質量％含有する粘着基剤力形成される粘着剤層を備えることにより、水分の滲み出しが十分に抑制され且つ優れた粘着性を有すると共に、さらに高水準の使用感を達成できる。また、これらの特性を同時に満たすことは、特に、顔面への貼付等の用途において、保湿及び安全性の課題を解決することができる。

[0030] 更には、上記の貼付剤は、粘着基剤が上記の条件を満たすことにより、貼付剤の製造時間が従来よりも短縮されるという効果が得られる。 [0031] 貼付剤が製品として使用可能となるためには、粘着剤層中の水溶性高分子が十分に架橋されていなければならない。すなわち、粘着基剤を支持体上に塗布してから水溶性高分子が十分に架橋されるまでには所定の時間が必要であった。この時間は、通常、ゼラチン又はポリアクリル酸等を用いた従来の粘着剤層を備える貼付剤では、室温下で、 13〜18日必要であった。一方、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含み、水分を 50質量％以上含有し、水溶性高分子を 3. 0質量％〜10質量％含有し、キサンタンガム及び Z又はポリビュルピロリドンを合計で 0. 01質量％〜1. 4質量％含有する粘着基剤は、従来よりも短時間で粘着剤層を形成することができる。したがって、本発明の貼付剤は、かかる粘着基剤から形成される粘着剤層を備えることにより、製品として出荷されるまでの時間（リードタイム)を従来の粘着剤層を備える貼付剤に比べて短縮でき、生産性を向上させることが可能となる。

[0032] また、本発明にお、ては、上記の貼付剤が水性貼付剤であることが好ま U、。

[0033] 本発明にお、て「水性貼付剤」とは、粘着剤層中に水分を含有するものを意味し、医薬品若しくはそれに類するパップ剤、冷却シート、化粧品若しくはそれに類するパック剤等をいう。また、水性貼付剤の構成については、特に限定されないが、例えば、水性貼付剤が、支持体と、支持体の少なくとも一方の面上に配置された粘着剤層とを備免るものが挙げられる。

[0034] 上記の水性貼付剤は、所望の成分を含有し所望の pHを有する配合であっても、十分な水分を含有するとともに優れた粘着力を有しかつ膏体残りを十分に低減できる。

[0035] また、本発明の貼付剤は、粘着剤層の層厚を 0. 6〜2. Ommとすることが好ましい。力かる層厚とすることにより、粘着剤層が十分な水分を含みつつ身体の凹凸への追従性に優れたものとなり、使用感をさらに高めることができる。

[0036] また、本発明の貼付剤は、裁断によって所定のデザインに成形された貼付剤として用いることが好適である。本発明の貼付剤によれば、裁断によって所定のデザインに成形された場合であっても、十分な水分を含む粘着剤層が貼付剤からはみ出すことなくその形状を長期に亘つて維持することが可能であり、身体の所定の部位に粘着剤層を貼付させておくことが可能となる。

発明の効果 [0037] 本発明によれば、所望の成分を含有し所望の pHを有する配合であっても、十分な水分を含有すると共に、優れた粘着力を有しかつ膏体残りが十分に低減されている貼付剤を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0038] [図 1]本発明の貼付剤の好適な一実施形態を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0039] 以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。

[0040] 図 1は、本発明の貼付剤の好適な一実施形態を示す斜視図である。図 1において、貼付剤 1は、支持体 2と、支持体 2上に積層された粘着剤層 3と、粘着剤層 3上に貼着された剥離シート 4とを備えるものである。

[0041] 本実施形態の貼付剤 1が備える粘着剤層 3は、ゼラチンを実質的に含まず、易溶性寒天を含む粘着基剤から形成されて!ヽる。

[0042] かかる貼付剤は、所望の成分 (特には、揮発性成分や熱分解性成分)を含有し所望の pH (特には、 pHが 4〜7)を有する配合であっても、十分な水分を含有すると共に、優れた粘着力を有しかつ膏体残りが十分に低減されている。

[0043] 本実施形態に用いる易溶性寒天は、ゼリー強度が 450〜： LOOOgZcm²の寒天が好ましく、 500〜900g/cm²力より好ましく、 600〜800g/cm²力 ^特に好まし!/、。易溶性寒天のゼリー強度が 450g,cm²未満であると、形成される粘着剤層 3の保型性が低下し、粘着剤層 3が支持体 2へ移行して支持体 2からの染み出しが生じやすくなつたり、粘着剤層 3の膏体残りが生じやすくなる傾向にある。一方、ゼリー強度が 100 OgZcm²を超えると、凝集力が増大し、粘着剤層 3の粘着力が不十分となる傾向にある。また、これらの傾向を低減するために、易溶性寒天の配合量を少なくすると、ゲルイ匕能を下回った場合にゲルィ匕しなくなつたり、粘着剤層 3が含むことができる水分量が低下したりする傾向にある。

[0044] また、易溶性寒天は、ァガロぺクチンをほとんど含有しな、寒天が好ま、。ァガロぺクチンはイオン性官能基を多く含んでおり、ゲルィ匕能をほとんど有していない。そのため、ァガロぺクチンをほとんど含有しない易溶性寒天は、より少ない配合量で効率よくゲルィ匕を行うことができ、溶解させることもより容易となることカゝら好ましい。 [0045] 本実施形態で用いられる易溶性寒天としては、公知のものを用いることができ、商業的に入手可能なものとしては、例えば、「UP— 37K」、伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度： 700g/cm²)、「UP— 26K」、伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度 : 650g/cm²)、「UP— 16K」、伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度： 600g/cm 2)、「UZ— 5K」、伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度 :420g/cm²)、「UM— 11 K」、伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度：1000g/cm²)等が挙げられる。

[0046] 易溶性寒天の配合量については、粘着基剤中で、 0. 1〜5. 0質量％であることが好ましぐ 0. 3〜2. 5質量％であることがより好ましい。易溶性寒天の配合割合が、 0 . 1質量％未満であると、ゲルィ匕しにくくなる傾向にあり、他方、 5. 0質量％を超えると、粘着性が低下する傾向にある。

[0047] 本実施形態で用いる粘着基剤には、上記易溶性寒天以外に、薬効成分や化粧成分、及び粘着剤層に一般的に配合され得る諸成分を含有してもよい。本実施形態においては、上記の成分を粘着基剤に配合することにより、カゝかる成分を粘着剤層 3中に含有させることができる。粘着剤層に一般的に配合され得る諸成分としては、水溶性高分子、水、多価アルコール、多価金属塩、界面活性剤等が挙げられる。

[0048] 薬効成分や化粧成分は、特に限定されず、貼付剤の用途に応じて適宜選択することができる。本実施形態においては、薬効成分あるいは化粧成分として、揮発性成分や熱分解性成分を用いることができる。通常、従来の寒天を配合して粘着基剤を調製する場合、寒天を十分に溶解させるためには高温 (約 90°C以上)を維持する必要がある。そのため、寒天と、熱に弱い揮発性又は熱分解性の薬効成分や化粧成分とを同時に用いると、これらの成分の損失が著し力つた。し力しながら、上記の易溶性寒天を用いる本実施形態では、揮発性成分又は熱分解性成分を同時に用いることができ、より商品価値の高い貼付剤を容易に得ることができる。また、寒天を含む粘着基剤に直接配合できるため、製造工程が簡略ィ匕できる利点がある。

[0049] 揮発性成分としては、熱 (例えば、製造時の熱)を付与することにより揮発する成分であればよぐ例えば、ユーカリ油、二クズク油、チアミン油、ハツ力油、メントール、力ンフル、ピネン、ボルネオール、リモネン等のテルペン類、ラベンダー、ペパーミント、ハツ力、ゼラニゥム、ライム、カモミール等のハーブ精油、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、フレグランス、フレーバー等の着香料、亜硝酸ァミル、トリメタジオン等の薬物及びィ匕粧料、イソステアリン酸、オクタン酸、及びォレイン酸等の C8〜C22の脂肪酸、ォレイルアルコール及びラウリルアルコール等の C8 〜C22の脂肪酸アルコール、ォレイン酸ェチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、及びラウリン酸メチル等の C8〜C22の脂肪酸の低級アルキルエステル、アジピン酸ジイソプロピル等の C6〜C8二酸のジアルキルエステル、グリセリルモノラゥレート等の C8〜C22の脂肪酸モノグリセリド、テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコーノレエーテル、ポリェナリングリコール、プロピレングリコール、 2- (2 エトキシエトキシ）エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる液体の賦形剤等が挙げられる。

[0050] これらの配合量は、例えば、メントールを用いる場合、粘着基剤中で、 0. 005-5.

0質量％であることが好ましぐ 0. 01〜2. 0質量％であることがより好ましい。メントールの配合割合が、 0. 005質量％未満であると、メントールの薬効が得られに《なる傾向にあり、他方、 5. 0質量％を超えると、粘着剤層からの染み出しが生じやすくなる傾向にある。

[0051] 熱分解性成分としては、熱 (例えば、製造時の熱）に不安定な物質であればよぐ例えば、ジクロフエナク、フエルビナク、インドメタシン、ケトプロフェン等のカルボン酸基を持つ非ステロイド系消炎鎮痛剤、プロスタグラジン類、アルブミン等のたんぱく質、ジフテリア毒素等の毒素、カタラーゼ等の酵素、シクロスポリン八、ヒルジン、ソマトスタチン、チモペンチン等のペプチド、エストロゲン等のホルモン、ヒト成長ホルモン、ブタ成長ホルモン、ゥシ成長ホルモン、ヒトカルシトニン、サケカルシトニン、カルボカルシトニン、及びインスリン等のペプチドホルモン、ホルモンのアンタゴ-スト、ァセチルコリン等の神経伝達物質、神経伝達物質のアンタゴ-スト、ヒアルロン酸等の糖タンパク質、 (X—リポタンパク等のリポタンパク質、 IgG等の免疫グロブリン、インターフェロン及びインターロイキン等の免疫調節薬、エストロゲン受容体タンパク質等の細胞の受容体、非分画へパリン、低分子へパリン、コンドロイチン 4 硫酸、コンドロイチン 6—硫酸、及びこれらの誘導体等のグリコサミノダリカン類、プロスタグランジン、朝鮮人参、アル-力、キンセン力等の植物エキス、セレニウム酵母、ビール酵母等の酵母、オボアルブミン、ゼラチン等の動物性タンパク質、ダルテン等の植物性タンパク質、加水分解コラーゲン、加水分解小麦ダルテン等の動物又は植物性タンパク質の加水分解物、ヒアルロン酸等の天然多糖類、レシチン、コラーゲン、プラセンタエキス、ァスコルビン酸及びそのエステル、レチノール及びそのエステル、ビタミン A油、酢酸ヒドロキソコバラミン、ェルゴカルシフエノール等のビタミン類、硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、ェナント酸テストステロン、酒石酸エルゴタミン、ペルゴリド、ニコチン、亜硝酸アルミ、ェチクロルビノール、パラメタジオン、スコポラミン等が挙げられる。

[0052] これらの配合量は、例えば、ケトプロフェンを用いる場合、粘着基剤中で、 0. 01〜 5. 0質量％であることが好ましぐ 0. 1〜1. 0質量％であることがより好ましい。ケトプ口フェンの配合割合力 0. 01質量％未満であると、ケトプロフェンの薬効が得られにくくなる傾向にあり、他方、 5. 0質量％を超えると、求める薬効に対して過剰な配合量となる傾向にある。

[0053] また、上記揮発性成分及び熱分解性成分以外の薬効を有する成分としては、例えば、フルルビプロフェン、スプロフェン、ロキソプロフェン、ピロキシカム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等の非ステロイド系抗炎症剤、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロンァセトニド、フルドロキシコルチド、吉草酸ベタメタゾン、酪酸ク口ベタゾン、プロピオン酸クロベタゾール等のステロイド系抗炎症剤、トウガラシエキス

、ノ-ル酸ヮ-リルアミド等の温感物質、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフエ二ラミン等の抗ヒスタミン剤等が挙げられる。

[0054] これらの配合量は、例えば、吉草酸ベタメタゾンを用いる場合、粘着基剤中で、 0.

001-0. 5質量％であることが好ましぐ 0. 005-0. 2質量％であることがより好ましい。吉草酸ベタメタゾンの配合割合が、 0. 001質量％未満であると、十分な薬効が得られにくくなる傾向にあり、他方、 0. 5質量％を超えると、副作用が強くなる傾向にある。

[0055] 水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、又はポリアクリル酸あるいはその塩以外の水溶性高分子、ポリビニールアルコール、ポリビニルピロリドン、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸重合体、多糖類系のアルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモ-ゥム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチノレセノレロースナトリウム、ヒドロキシメチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレセノレロース、ヒドロキシプロピルェチルセルロース、メチルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルアミロース、デキストリン、ァラビヤゴム、トラガカントゴム、キサンタンゴム等が挙げられる。さらに、寒天、ァガロース、カラキーナン、グァガム、ローカストビーンガム、ぺクチン、デンプン、 13—グルカン、プルラン、カゼイン、ェチルセルロース、ヒドロキシェチルセルロース、ニトロセルロース、カチオン化セルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビ二ルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド一アタリレート共重合体、ポリビュルピロリドンビュルアルコール共重合体、ポリビュルエーテル、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、 N—ビュルァセトアミド、 N—ビュルァセトアミドとアクリル酸及び Z又はアクリル酸塩との共重合体、ポリエチレンオキサイド等が挙げられる。これらの水溶性高分子は、粘着剤層 3の基剤として機能することができる。また、上記の水溶性高分子は、一種を単独で又は二種以上を組合せて用いることができる。

[0056] 上記水溶性高分子の配合量は、粘着基剤中で、 1〜25質量％であることが好ましぐ 5〜： LO質量％であることがより好ましい。上記の水溶性高分子の配合割合力 1 質量％未満であると、膏体残りや染み出しが生じやすくなる傾向にあり、他方、 25質量％を超えると、作業性が悪ィ匕したり粘着力が低下したりする傾向にある。

[0057] 本実施形態で用いる粘着基剤は、上記水溶性高分子のうち、ポリアクリル酸及び Z 又はその塩を含むことが好ましい。これにより、形成される粘着剤層 3の保型性及び粘着性がより良好なものとなる。

[0058] この場合、ポリアクリル酸及び Z又はその塩の含有量は、易溶性寒天 1質量部に対して 5〜25質量部となるように調節することが好ましい。また、ポリアクリル酸及び Z又はその塩の含有量は、粘着基剤中で 4〜8質量％であることが好ましい。これにより、貼付剤の高含水性、保型性、凝集性及び粘着性をさらに高い水準で満足させることが可能となる。ポリアクリル酸及び Z又はその塩の含有量は、易溶性寒天 1質量部に対して 5質量部未満であると、粘着力が強くなりすぎる、あるいは、粘着剤層が硬くて脆い物性になる傾向にあり、一方、易溶性寒天 1質量部に対して 25質量部を超えると、保形性が低下したり、十分な粘着力が得られに《なる傾向にある。 [0059] また、本実施形態で用いる粘着基剤は、粘着力増強の観点から、上記水溶性高分子のうちポリビニールアルコールを含むことが好ましい。

[0060] さらに、本実施形態で用いる粘着基剤は、粘着力増強の観点から、上記水溶性高分子のうちポリアクリル酸及び z又はその塩とポリビニールアルコールとを含むことが好ましい。

[0061] また、粘着剤層の形成時間を短縮する観点から、粘着基剤が、ポリビニルピロリドン又はキサンタンガムをさらに含むことが好ましい。これにより、貼付剤が製品として出荷されるまでの時間（リードタイム)を短縮でき、貼付剤の生産性を向上させることが可能となる。

[0062] 水としては、精製水や滅菌水、天然水等を用いることができる。このような水は、易溶性寒天、水溶性高分子及びその他の成分の分散 ·溶解剤として働くものである。更に、水自身も使用時および使用後の使用感を著しく向上させるなどの効果をもたらすものである。

[0063] このような水の配合量は、粘着基剤中で、 30〜95質量％であることが好ましぐ 45 〜65質量％であることがより好ましい。配合割合が 30質量％未満であると、作業性の低下やコスト高となる傾向にあり、他方、 95質量％を超えると、保型性を保つことが困難となる傾向にある。

[0064] 多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、 1, 3—ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、及びキシリトール等が挙げられる。この中でも特に、グリセリンが作業性や使用感等が良好である点で好ましい。

[0065] 多価アルコールの配合量は、粘着基剤中で、 10〜60質量％であることが好ましぐ 20〜40質量％であることがより好ましい。配合割合が 10質量％未満であると、貼付時に製剤中の水分が揮散しやすくなり、粘着力が低下し剥がれやすくなる傾向があり、他方、 60質量％を超えると、粘着力が不十分となる傾向にある。

[0066] 多価金属塩としては、例えば、水酸ィ匕アルミニウム、水酸ィ匕アルミニウムゲル、含水ケィ酸アルミニウム、合成ケィ酸アルミニウム、カオリン、酢酸アルミニウム、乳酸アルミユウム、ステアリン酸アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミ- ゥム、ジヒドロキシアルミニウムァミノアセテート、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、及びケィ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。この中でも特に、ジヒドロキシアルミ二ゥムァミノアセテート、合成ケィ酸アルミニウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシゥムが好ましい。

[0067] 多価金属塩の配合量は、粘着基剤中で、 0. 01〜1質量％であることが好ましぐ 0 . 02-0. 5質量％であることがより好ましい。配合割合が 0. 01質量％未満であると、反応が十分に進行せずゲル強度が不十分となる傾向にあり、他方、 1質量％を超えると、製造時における反応速度が早過ぎてゲルイ匕が不均一となり作業性が低下したり、膏体の粘着性が不十分となる傾向にある。

[0068] 界面活性剤としては、例えば、ジォクチルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルサルフエ—ト塩、 2—ェチルへキシルアルキル硫酸エステルナトリウム塩、ノルマルドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の陰イオン界面活性剤；へキサデシルトリメチルァンモ -ゥムクロライド、ォクタデシルジメチルベンジルアンモ -ゥムクロライド、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモ -ゥムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシェチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシェチレンォクチルフエ-ルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレンモノステアレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミネート、ソルビタンセスキォレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノォレエート、グリセロールモノステアレート、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンォクタデシルァミン等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。この中でも特に、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシェチレン硬化ヒマシ油、及びモノォレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが好まし、。

[0069] 界面活性剤の配合量は、粘着基剤中で、 0. 01〜5質量％であることが好ましぐ 0 . 1〜2質量％であることがより好ましい。配合割合が 0. 01質量％未満であると、プリードを起こしやすくなる傾向にあり、他方、 5質量％を超えると、保型性を保つことが困難となる傾向がある。

[0070] 更に、本実施形態で用いる粘着基剤には、必要に応じて、美肌成分、保湿成分、酸化防止剤、架橋剤、防腐剤、粘着付与剤、溶解剤、色素、香料、紫外線吸収剤、無機充填剤及び pH調整剤等を配合することも可能である。

[0071] 美肌成分としては、例えば、アロエエキス、エイジッエキス、オレンジエキス、キイチゴエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、力ミツレエキス、サンザシエキス、セィヨウネズエキス、タイソゥエキス、デュークエキス、トマトエキス、へチマエキス、サクシネルケフイラン、マレイルケフイラン、麦芽根エキス、バラエキス、コラ一ゲン、セラミド、スクヮラン、ヒアルロン酸、アラントイン、マロニエエキス、水溶性プラセンタエキス、ビタミン A、ビタミン B類、ビタミン C、ビタミン D、ビタミン E及びその誘導体などが挙げられる。

[0072] また、上記以外には、ボタンピ、カツコン、シャタヤク、トウキ、センキユウ、チヨウジ、センブリ、ソウジユウ、チンピ、ビヤクジュッ、トウヒ、ケィヒ、ォゥレン、ォォバタ、イチヨウ等の生薬成分、ベントナイト、モンモリロナイト、サボナイト、ヘクトライト等の泥成分などが挙げられる。

[0073] 保湿成分としては、例えば、ァシル化ケフイラン水溶液、麦芽エキス、グリコール類が挙げられる。これらは、 1種を単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。

[0074] 酸化防止剤としては、例えば、ァスコルビン酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシァ-ノール、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアヤレチン酸、トコフェロール、酢酸トコフエロール、天然ビタミン E、亜硝酸ナトリウム、及び亜硝酸水素ナトリウム等が挙げられる。

[0075] 架橋剤としては、例えば、水難溶性アルミニウム化合物、多官能性エポキシ化合物、アミノ榭脂、フエノール榭脂、エポキシ榭脂、アルキド榭脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性榭脂、イソシァネートイ匕合物、ブロックイソシァネートイ匕合物、有機系架橋剤、金属又は金属化合物等の無機系架橋剤が挙げられる。これらは、 1種を単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる。

[0076] 防腐剤としては、例えば、ノラオキシ安息香酸ェチル、パラォキシ安息香酸プロピル、パラォキシ安息香酸ブチル、ソルビン酸、及びデヒドロ酢酸等が挙げられる。

[0077] 粘着付与剤としては、例えば、カゼイン、プルラン、デキストラン、アルギン酸ソーダ、可溶性デンプン、カルボキシデンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、カノレボキシメチノレセノレロースナトリウム、メチノレセノレロース、ェチノレセノレロース、ヒドロキシェチルセルロース、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアタリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、カルボキシビ二ルポリマー、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンィミン、ポリビニールアルコール部分ケンィ匕物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、 N—ビュルァセトァミド等が挙げられる。

[0078] 溶解剤としては、例えば、セバシン酸ジェチル、 N—メチルー 2—ピロリドン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、トリァセチン、ォレイルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、クロタミトン、ハツ力油、ツバキ油、ヒマシ油、及びォリーブ油等が挙げられる。

[0079] 色素としては、例えば、赤色 2号 (アマランス）、赤色 3号 (エリス口シン）、赤色 102号

(ニューコクシン）、赤色 104号の（1) (フロキシン B)、赤色 105号の（1) (ローズベンガル）、赤色 106号 (アシッドレッド）、黄色 4号 (タートラジン）、黄色 5号 (サンセットェロー FCF)、緑色 3号（ファストグリーン FCF)、青色 1号（ブリリアントブルー FCF)、青色 2号 (インジゴ力ノレミン)等が挙げられる。

[0080] 香料としては、例えば、ハツ力油、ケィヒ油、チヨウジ油、ウイキヨゥ油、ヒマシ油、テレピン油、ユーカリ油、オレンジ油、ラベンダー油、レモン油、ローズ油、レモングラス油等やローズマリー、セージ等の植物抽出物等が挙げられる。

[0081] 紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エステル、パラジメチルァミノ安息香酸ァミル、サリチル酸エステル、アントラ-ル酸メンチル、ゥンベリフエロン、エスクリン、ケィ皮酸ベンジル、シノキサート、グアイァズレン、ゥロカニン酸、 2— (2—ヒドロキシ一 5—メチルフエ-ル）ベンゾトリァゾール、 4—メトキシべンゾフエノン、 2—ヒドロキシー4ーメトキシベンゾフエノン、ジォキシベンゾン、ォクタべンゾン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフエノン、スリソベンゾン、ベンゾレソルシノール、ォクチルジメチルパラァミノべンゾエート、ェチルへキシルパラメトキシサイナメート、及びブチルメトキシジベンゾィルメタン等が挙げられる。 [0082] 無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケィ酸塩 (例えば、ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム等）、ケィ酸、硫酸バリウム、硫酸カルシゥム、亜鉛酸カルシウム、酸化亜鉛、酸ィ匕チタン等が挙げられる。

[0083] pH調整剤としては、例えば、酢酸、蟻酸、乳酸、酒石酸、シユウ酸、安息香酸、ダリコール酸、リンゴ酸、クェン酸、塩酸、硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシゥム、メチルァミン、ェチルァミン、プロピルァミン、ジメチルァミン、ジェチルァミン、ジプ口ピルァミン、トリメチルァミン、トリエチルァミン、トリプロピルァミン、モノメタノールアミン、モノエタノールァミン、モノプロパノールァミン、ジメタノールァミン、ジエタノールァミン、ジプロパノールァミン、トリメタノールァミン、トリエタノールァミン、トリプロパノ一ルァミン、クェン酸バッファー、リン酸バッファー、グリシンバッファー、酢酸バッファーその他の緩衝液等が挙げられる。

[0084] 本実施形態で用いる粘着基剤は、例えば、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含み、水分を 50質量％以上含有し、水溶性高分子を 3. 0質量％〜10質量％含有し、キサンタンガム及び Z又はポリビュルピロリドンを 0. 01質量％〜1. 4質量％含有する態様で使用することができる。これにより、膏体力の水分の滲み出しが十分に低減されており、かつ十分な粘着力を有しつつ、使用感がさらに向上した貼付剤を実現することが可能となる。

[0085] 水分含量が 50質量％未満であると、十分な潤!、感が得られ難くなる傾向にある。さらに、粘着基剤の水分含量を 50〜85質量％とすることが好ましい。水分含量をかかる範囲内とすることにより、冷却感及びひんやり感などの使用感と保型性を保つこととの双方をより高いレベルで満足させることが可能となる。

[0086] また、水溶性高分子の含有割合が 3. 0質量％未満であると、水分の含有割合を 50 質量％以上とする場合に、形成される粘着剤層の強度及び保型性が不十分となり、膏体からの水分の滲み出しを十分に低減することが困難となる傾向にある。他方、水溶性高分子の含有割合が 10質量％を超えると、形成される粘着剤層が硬くなりすぎて十分な粘着力を得ることが困難となる傾向にある。

[0087] また、キサンタンガム及び Z又はポリビニルピロリドンの含有割合が合計で 0. 01質量％未満であると、形成される粘着剤層の粘着力が十分に得られ難くなる傾向にあり、 1. 4質量％を超えると、形成される粘着剤層にベたつきが生じて使用感が損なわれる傾向にある。

[0088] 上述した成分を含有する粘着基剤から形成される粘着剤層 3は、支持体 2上に配置される。粘着剤層 3の層厚は、貼付剤の用途に応じて適宜設定することができるが、高含水性、保型性、凝集性及び粘着性のすべてを高い水準で満足させる観点から、 0. 6〜2. Ommの範囲であることが好ましい。

[0089] また、貼付剤 1を例えば、顔面用貼付剤として用いる場合、粘着剤層 3の層厚を 0.

8〜1. 6mmとすることが好ましい。力かる層厚とすることにより、粘着剤層 3が十分な水分を含みつつ顔面の凹凸への追従性に優れたものとなり、潤い感等の使用感をさらに高めることができる。

[0090] 本実施形態の貼付剤 1に用いられる支持体 2としては、粘着剤層 3を支持し得るものであれば特に制限されず、伸縮性又は非伸縮性の支持体を用いることができる。

[0091] 支持体 2としては、具体的には、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビュル、ポリ塩化ビ-リデン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アルミ-ゥムシート、ナイロン、アクリル、綿、レーヨン、アセテート等の合成繊維又は天然繊維、あるいはこれらの繊維を複合して織布又は不織布とした繊維シート、さら〖こはこれらと水蒸気透過性を有するフィルムとの複合素材等力なる繊維シートが挙げられる。

[0092] これらの中でも、安全性、汎用性及び伸縮性の点から、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートからなる織布又は不織布の繊維シートが好ましぐポリエチレンテレフタレートからなる織布又は不織布の繊維シートがより好まし、。このような繊維シートは厚みのあるものであっても、柔軟性を有し、皮膚に追従しやすぐ皮膚刺激性の低いものである。さらに、このような繊維シートを用いることにより適度な自己支持性を有する貼付剤を得ることが可能である。

[0093] また、貼付剤 1は、粘着剤層 3上に貼着された剥離シート 4を備えている。このような剥離シート 4としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビュル、ポリ塩化ビ-リデン等のフィルム、上質紙とポリオレフインとのラミネートフィルム等が挙げられる。これらの剥離シートは、粘着剤層 3と接触する側の面にシリコーン処理を施すと、貼付剤 1から剥離シート 4を剥離する際の作業容易性が高められるので好ましい。

[0094] 次に、本実施形態の貼付剤 1の製造方法について説明する。

[0095] 先ず、粘着基剤を調製する。易溶性寒天、及び薬効成分などの各成分を、 65〜8

5°C、好ましくは 65〜75°Cの精製水に添加して、これを寒天が十分に溶解するまで 5

〜15分間撹拌することにより粘着基剤を得ることができる。

[0096] 次に、得られた粘着基剤を、支持体上に塗布して塗膜を形成し、さらに塗膜の上に剥離シートを張り合わせる。これを室温で数日間保管し、充分に架橋させることにより粘着剤層を形成する。

[0097] 粘着剤層が形成された後、所定の形状に裁断することにより貼付剤が得られる。

[0098] このような製造方法によれば、易溶性寒天が溶解に高温（90°C以上）を必要としないため、従来の貼付剤では製造時での損失が大き力つた揮発性又は熱分解性の成分を効率よく貼付剤に配合することができる。また、揮発性又は熱分解性成分を配合するための、寒天の溶解液を冷却する装置、エネルギー、時間等が必要なぐ製造工程の簡略化も達成できる。さら〖こは、製造時において、揮発性又は熱分解性成分のみならず水分の蒸発をも十分に抑制できるので、粘着剤層における各成分の含有割合を所望の範囲により確実に入れることが可能となり、優れた品質の貼付剤をより安定して得ることが可能となる。

[0099] 以上、本発明の貼付剤の好適な実施形態、並びに本発明の貼付剤の製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。

[0100] 例えば、貼付剤の形状を、円形、楕円形等の形状としてもよい。また、穴や切れ目等を施してもよい。さら〖こ、貼付剤が使用される身体の部位に応じて適宜設計された形状とすることができる。例えば、顔に貼付できるよう、顔面の形状に裁断し、適宜目、鼻、口および顎を適当な形状に切ることも可能である。

[0101] また、貼付剤の製造方法にお!ヽて、粘着基剤を剥離シート上に塗布して粘着剤層を形成してから、支持体を粘着剤層に張り合わせてもよヽ。

[0102] 本発明の貼付剤は、医薬品若しくはそれに類するパップ剤、冷却シート、化粧品若しくはそれに類するパック剤等に利用することができる。

実施例 [0103] (実施例 1)

易溶性寒天として「UP— 37K」（商品名、伊那食品工業社製、ゼリー強度：700gZ cm²) 0. 5質量部、ポリアクリル酸 3質量部、界面活性剤としてモノステアリン酸ポリエチレングリコール（商品名「MYS— 10」、日光ケミカルズ社製） 0. 5質量部、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム 0. 3質量部、ェデト酸 0. 3質量部、酒石酸 0. 2質量部、メチルパラベン 0. 2質量部、クロタミトン 0. 5質量部、及び L メントール 1質量部を湯水に添加し、次に、ポリアクリル酸ナトリウム 5質量部及びグリセリン 30質量部力もなる混合物を撹拌しながら添加し、さらに全量が 100質量部となるまで精製水を加えた。この混合液を、 70°Cで 10分間練合撹拌して粘着基剤を調製した。このとき、粘着基剤を金属ヘラですくいとり目視で観察したところ、易溶性寒天は十分に溶解していた。表 1に、調製した粘着基剤の各成分及び配合割合を示す。なお、表 1中の数値は質量⁰ /₀で表されている。また、粘着基剤の pHは、約 5〜5. 4であった。

[0104] [表 1]

[0105] 次に、得られた粘着基剤をポリエステル製支持体上に塗布量が 1000 (g/m²)となるように塗布し、これに剥離シートを貼り合わせて粘着剤層（厚み:約 1. 40mm)を形成した。その後、 14cm X 10cmに裁断し、貼付剤を得た。

[0106] 得られた貼付剤について、粘着剤層の粘着力を JIS Z 0237 ローリングボールタック試験に基づき測定した。結果を表 2に示す。 [0107] また、粘着剤層の保型性を、下記基準にしたがって評価した。結果を記号を用いて表 2に示す。

「〇」：粘着剤層の表面を指で触ったときに、指に粘着剤が残らない。

「△」：粘着剤層の表面を指で触ったときに、指に粘着剤が少し残る。

「X」：粘着剤層の表面を指で触ったときに、指に粘着剤が多く残る。

[0108] さらに、粘着剤層の染み出しについて、下記基準にしたがって評価した。結果を記号を用いて表 2に示す。

「〇」：粘着剤の支持体への移行が見られない。

「△」：粘着剤の支持体への移行が見られる。

「X」：粘着剤が、支持体の表側 (粘着剤層がない側）にまで移行している。

[0109] また、粘着剤層の舌出しについて、下記基準にしたがって評価した。結果を記号を用いて表 2に示す。

「〇」：粘着剤層の貼付剤力のはみ出しが見られない。

「△」：粘着剤層の一部が、貼付剤の端部からはみ出している。

「 X」：貼付剤の端部すベて力も粘着剤層がはみ出している。

[0110] さらに、貼付剤を前腕部に貼付し、 1時間後に剥がした後の膏体残りを目視で観察し、下記基準にしたがって評価した。結果を記号を用いて表 2に示す。

「〇」：皮膚に粘着剤が残らない。

「△」：皮膚に粘着剤が少し残る。

「 X」：皮膚に粘着剤が多く残る。

[0111] また、粘着剤層中の L—メントールを定量し、下記の式により L—メントールの残存率を求めた。結果を表 2に示す。

残存率 (％) = (粘着剤層中の L メントールの実測量) Z (粘着剤層中の Lーメントールの理論量） X 100

[0112] [表 2] O o ο 00

卜 Ο ο ο ο 10 σ)

O o

卜 ο ο ο ο ο

CM 実施例実施例実施例実施例実施例実施例実施例実施例実施例 1098765432

溶解度°温 () Oc o ο ο ο ο CM O

溶解時分間 (）

寒態状天の

o 00

ななななな少少少少少少少少少少分いいいいいいいいいいの ο ο ο ο o

UK 造ななななな製時水揮散 0)

保性型

O o 瘐染出しみ CO

〇 ο ο ο r

舌出し

膏体残り

o o n

r UK ο ο ο ο oo c

着粘力O

ボ値 (タク）ルッー o o 00

卜 ο ο ο ο o

CO メト Lンル—ー

残存率（)％

o o o

ί ο ο ο ο io

CM o o o 谀

卜 ί ο ο ο ο m o

O o o o

ί ο ο ο ο o o

Tm

(実施例 2 6)

粘着基剤の調製において、表 1に示す成分組成としたこと以外は実施例 1と同様にして粘着基剤を調製した。このとき、粘着基剤を金属ヘラですくいとり目視で観察したところ、易溶性寒天は十分に溶解していた。なお、粘着基剤の pHは、約 5〜5. 4でめつに。

[0114] 得られた粘着基剤を用い、実施例 1と同様にして貼付剤を得た。さらに、得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 2に示す。

[0115] (実施例 7〜： LO)

粘着基剤の調製において、表 3に示す成分組成としたこと以外は実施例 1と同様にして粘着基剤を調製した。このとき、粘着基剤を金属ヘラですくいとり目視で観察したところ、易溶性寒天は十分に溶解していた。なお、粘着基剤の pHは、約 5〜5. 4でめつに。

[0116] 得られた粘着基剤を用い、実施例 1と同様にして貼付剤を得た。さらに、得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 2に示す。

[0117] [表 3]

実施例 7 実施例 8 実施例 9 実施例 10 比較例 1 比較例 2 易溶性寒天（700gZcm²) 1 . 00

易溶性寒天（600g cm²) 0. 50

易溶性寒天 (400gZcm²) 0. 50

易溶性寒天（ 1 OOOgZcm²) 0. 50

一般寒天 0. 50 ポリアクリル酸ナトリウム 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 ポリアクリル酸 3. 00 3. 00 3. 00 ポリビニールアルコール

ポリビニルピロリドン 1 . 00

グリセリン 30. 00 30. 00 ポリエチレングリコール 20. 00 ό

ソルビトール 1 0. 00 ο

ο

界面活性剤 0. 20 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 酸化チタン

ο

合成珪酸アルミ 2. 00

メタ珪酸アルミン酸マグネシウム 0. 35 0. 30 0. 30 0. 30 0. 30 0. 30 d

ェデト酸 0. 30 0. 30 0. 30 0. ο 3リ0 0. 30 0. 30 ο ο

酒石酸 0. 1 5 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 ό

メチルパラペン 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 0. 20 o

クロタミ卜ン 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 Q 0. 50 メン! ^一ル 1 . 00 1 . 00 1 . 00 1 . 00 1 . 00 1 . 00 カンフ Jレ

イソプロパノール

ケトプロフェン

インドメタシン

サリチル酸グリコール

ペパーミント油精製水適適堇適適適堇適畺

[0118] (比較例 1)

粘着基剤の調製において、表 3に示すように、寒天を含有しない成分組成とし、これらの混合液を、 70°Cで 10分間練合撹拌して粘着基剤を調製した以外、実施例 1と同様にして貼付剤を得た。

[0119] 得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 4に示す。 [0120] [表 4]

[0121] (比較例 2)

実施例 1において、易溶性寒天として「UP— 37K」を用いる代わりに、一般的な寒天である「S— 7」（商品名、伊那食品工業株式会社製、ゼリー強度 : 730g/cm²)を用いたことと、混合液を 80°Cで 10分間練合撹拌して粘着基剤を調製したこと以外、実施例 1と同様にして貼付剤を得た。なお、得られた粘着基剤において、寒天は不溶の状態であった。

[0122] 得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 4に示す。

[0123] (比較例 3)

比較例 2におヽて、混合液を 80°Cで 20分間練合撹拌して粘着基剤を調製したこと以外、比較例 2と同様にして貼付剤を得た。なお、得られた粘着基剤において、寒天は一部が不溶の状態であった。

[0124] 得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 4に示す。

[0125] (比較例 4)

比較例 2におヽて、混合液を 90°Cで 10分間練合撹拌して粘着基剤を調製したこと以外、比較例 2と同様にして貼付剤を得た。なお、得られた粘着基剤において、寒天は一部が不溶の状態であった。

[0126] 得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 4に示す。

[0127] (比較例 5)

比較例 2におヽて、混合液を 90°Cで 20分間練合撹拌して粘着基剤を調製したこと以外、比較例 2と同様にして貼付剤を得た。なお、得られた粘着基剤において、寒天は十分溶解してヽることが確認された。

[0128] 得られた貼付剤について、実施例 1と同様の評価を行った。結果を表 4に示す。

[0129] 表 2に示されるように、実施例 1〜10の貼付剤は、保型性に優れており、十分な粘着力を有すると共に膏体残りが十分に低減されていることが確認された。さら〖こは、十分な水分を含有し、配合した L メントールが粘着剤層に十分残存して!/ヽることも確認された。

[0130] (実施例 11)

精製水 79. 95質量部に合成ケィ酸アルミニウム 1. 0質量部を分散し、これにポリビ -ルピロリドン 1. 0質量部を添カ卩し、次いで、ポリエチレングリコール 3. 0質量部と易溶性寒天 (伊那食品工業社製、商品名「UP— 37K」、ゼリー強度：700g/cm²) 0. 4質量部との混合物及びェデト酸ナトリウム 0. 25質量部を添加した。更に、ポリアタリル酸ナトリウム 7. 0質量部と、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム 0. 3質量部と、ポリエチレングリコール 7. 0質量部との混合物を添加し、均一な溶液になるまで撹拌した。その後、この溶液に酒石酸 0. 1質量部を添加し、さらに撹拌することにより粘着基剤を調製した。表 5に、調製した粘着基剤の各成分及び配合割合を示す。なお、表 5中の数値は質量％で表されている。また、粘着基剤の pHは、 6. 4であった。

[0131] [表 5] 実施例 11 実施例 12 実施例 13 実施例 14

ゼラチン ― ― ― ―

ポリアクリル酸 ― ― 0.5 ―

ポリアクリル酸 Na 7. 0 3. 0 6. 0 3. 0

キサンタンガム ― ― ― 0.5

ポリビニルピロリドン 1. 0 0. 5 0. 1 ―

易溶性寒天 0.4 0.5 0.7 0.5

合成ゲイ酸アルミニウム 1.0 1.5 3.0 1.5

ポリエチレングリコール 10.0 12.0 8.0 8.0

グリセリン ― ― ― 2.0

ο

メタケイ酸アルミン酸 0.30 0.35 0.45 一

マグネシウム C1

ケィ酸アルミン酸一一一一

6

マグネシウム O

ο

乾燥アルミン酸一一一 0.20

マグネシウム 6

ェデト酸ナトリウム 0.20

o

乳酸 ― 0. 10 ― ―

酒石酸 0. 10 ― 0. 10 0 0 0 CO. 10

精製水 79.95 80.75 o0 0 o

<評価>

膏体からの滲出なしなしなしなし

粘着性 (mm) 25. 2 28. 8 51. 5

使用感 O O O 〇

リ一ドタイム（曰） 9 10 11 8

[0132] 次に、得られた粘着基剤を、支持体としての日本バイリーン社製の布（25cm X 25c m)上に厚さが 1.4mmとなるように展延し、塗膜を形成した。さら〖こ、この塗膜上に剥離フィルムを貼り合わせたものを室温で保存して粘着剤層を形成することにより、製品として出荷可能な貼付剤を得た。貼付剤が出荷可能となる判断基準は次のとおりである。

[0133] 粘着剤層のゼリー強度が、経時で一定となった時点を出荷可能と判断した。なお、粘着基剤の調製を始めてから、出荷可能となる時点までの日数 (リードタイム)を表 5 に示す。 [0134] また、得られた貼付剤について、粘着剤層の粘着力を JIS Z 0237 ローリングボールタック試験に基づき測定した。結果を表 5に示す。

[0135] さらに、得られた貼付剤の粘着剤層からの水分の滲み出しについて、下記基準にしたがって評価した。結果を表 5に示す。

「なし」：支持体クロスの変色、或いは支持体クロス側への水のしみ出しが見られない

「あり」：支持体クロスの変色、或いは支持体クロス側への水のしみ出しが見られる。

[0136] また、得られた貼付剤を顔面に貼付した際の使用感 (潤、感、ベたつきの有無）について、問題があった場合はそれを表 5に記載した。特に問題がなければ、記号「〇

」を記載した。

[0137] (実施例 12〜14)

粘着基剤の調製において、表 5に示す成分組成としたこと以外は実施例 11と同様にして粘着基剤を調製した。なお、粘着基剤の pHは、 6. 3〜6. 5であった。

[0138] 得られた粘着基剤を用い、実施例 11と同様にして貼付剤を得た。なお、粘着基剤の調製を始めてから、出荷可能となる時点までの日数 (リードタイム)を表 5に示す。さらに、得られた貼付剤について、実施例 11と同様の評価を行った。結果を表 5に示す。

[0139] (比較例 6〜8)

粘着基剤の調製において、ゼラチンを用い、表 6に示す成分組成としたこと以外、実施例 11と同様にして貼付剤を得た。

[0140] [表 6]

[0141] 得られた貼付剤について、実施例 11と同様の評価を行った。結果を表 6に示す。なお、比較例 6〜8の貼付剤は、粘着剤層力もの水分の滲み出しが生じたため、粘着性及びリードタイムは測定することができな力つた。

[0142] (実施例 15〜17) 粘着基剤の調製において、表 6に示す成分組成としたこと以外、実施例 11と同様にして貼付剤を得た。

[0143] 得られた貼付剤について、実施例 11と同様の評価を行った。結果を表 6に示す。

[0144] 表 5に示すように、実施例 11〜14の貼付剤は、使用感に優れ、膏体からの水分の滲み出しが十分に低減されており、かつ十分な粘着力を有することが確認された。一方、ゼラチンを用いた比較例 6〜8の貼付剤は、膏体力の水分の滲み出しが生じた。なお、実施例 15〜17の貼付剤は、実施例 11〜 14の貼付剤に比較すると、使用感、あるいは、粘着力のいずれかが劣る結果となった。

[0145] 更に、実施例 11〜14の貼付剤は、リードタイムが 8〜： L 1日であり、一方、実施例 15 〜17の貼付剤のリードタイムは 14〜16日であった。このことから、実施例 11〜14の貼付剤は生産性にも優れていることが分力つた。

産業上の利用可能性

[0146] 本発明によれば、所望の成分を含有し所望の pHを有する配合であっても、十分な水分を含有すると共に、優れた粘着力を有しかつ膏体残りが十分に低減されている貼付剤を提供することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 支持体と、当該支持体の少なくとも一方の面上に配置された粘着剤層と、を備える貼付剤であって、

前記粘着剤層が、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含む粘着基剤力ゝら形成されることを特徴とする貼付剤。

[2] 前記粘着基剤が、揮発性成分又は熱分解性成分を更に含有してヽることを特徴とする請求項 1に記載の貼付剤。

[3] 前記粘着基剤が、ポリアクリル酸及び Z又はその塩を更に含有していることを特徴とする請求項 1又は 2に記載の貼付剤。

[4] 前記粘着基剤が、ポリビニールアルコールを更に含有していることを特徴とする請求項 1〜3のいずれか 1項に記載の貼付剤。

[5] 前記粘着基剤が、ポリビュルピロリドン又はキサンタンガムを更に含有していることを特徴とする請求項 1〜4のいずれか 1項に記載の貼付剤。

[6] 前記易溶性寒天は、ゼリー強度が 450〜1000g/cm²であることを特徴とする請求項 1〜5のいずれか一項に記載の貼付剤。

[7] 水性貼付剤であることを特徴とする請求項 1〜6のいずれか一項に記載の貼付剤。

[8] 前記粘着基剤が、ゼラチンを実質的に含まず易溶性寒天を含み、水分を 50質量

%以上含有し、水溶性高分子を 3. 0質量％〜10質量％含有し、キサンタンガム及び Z又はポリビュルピロリドンを合計で 0. 01質量％〜1. 4質量％含有することを特徴とする請求項 1〜7のいずれか一項に記載の貼付剤。