JP2887548B2 - 使用性の改善された含水性皮膚外用貼付剤 - Google Patents

使用性の改善された含水性皮膚外用貼付剤

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JP2887548B2
JP2887548B2 JP4322428A JP32242892A JP2887548B2 JP 2887548 B2 JP2887548 B2 JP 2887548B2 JP 4322428 A JP4322428 A JP 4322428A JP 32242892 A JP32242892 A JP 32242892A JP 2887548 B2 JP2887548 B2 JP 2887548B2
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将斗 大内
裕司 松村
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着剤層中に、水、粘着
付与性樹脂及びその溶解剤、吸油性無機性粉末を必須の
構成成分として含有し、医薬等に用いることのできる皮
膚に直接貼付して用いる含水性皮膚外用貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】古来、種々の外用的手段によって全身
的、局所的な疾病を治療しようとする試みがなされてき
た。液剤、軟膏剤等の塗布による手段は薬剤が被服によ
ってこすり取られたりするため比較的頻回に薬剤を塗布
することが必要であり、しかも被服等が薬剤で汚染さ
れ、また、疾患部位を保護できないといった欠点を有
し、それらを防止するために包帯等で被覆するという補
助的手段を要する。
【0003】この様な問題点を解決するために皮膚外用
貼付剤の形態が一般的に知られているが、その一形態で
ある、ゴム質粘着剤、アクリル樹脂粘着剤等を用い、実
質的に水を含有しない、いわゆる硬膏剤、テープ剤にお
いてはそれ自身強い粘着力を有し、しかもそれ自身が比
較的薄い(担持体と粘着剤層を合せても1mm以下)た
め疾患部位に貼付しても容易にはがれず、疾患部位を保
護できるという、塗布剤にみられない長所を有している
が、長時間にわたって皮膚面を閉塞状態におくことによ
るかぶれ症状の発現、また、強い粘着力のために剥離時
に強い物理的刺激を生じ体毛をむしり取ったり、皮膚角
質層を損傷することによる皮膚炎の発生がかなり高頻度
にみられ、その性質のために有毛体部への貼付が躊躇さ
れるという欠点を有する。
【0004】もう一つの形態である比較的高含水量のい
わゆる成型パップ剤は、硬膏剤、テープ剤の有する前述
の様な物理的皮膚刺激といった問題はなく、水を含有す
ることから皮膚面の閉塞状態は緩和され、かぶれ症状の
発現の頻度もかなり軽減されるが、それ自身の粘着力は
弱く、従って粘着剤層の厚さを厚くして粘着力を出さざ
るを得ず、それ自身が比較的厚い(担持体と粘着剤層を
合せると1.5mm以上)ため柔軟性に欠け、貼付時に
違和感があり脱落し易く、確実な固定のためには包帯
や、固定用粘着テープといった補助的手段を要するのが
通例である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来公知の含水性成型
パップ剤に於いては皮膚刺激といった問題はないもの
の、粘着剤層の厚さを薄くした時には粘着力が低下し、
実質上貼付剤としての用をなさなくなるのが通例であ
り、薄くて、しかも十分な粘着力を有する含水性成型パ
ップ剤を提供することは不可能であった。一方、公知の
硬膏剤、テープ剤にあっては粘着剤層の厚さを薄くして
も十分な粘着力を付与することは可能であるが皮膚刺激
といった問題は避け難かった。従って従来技術によって
は皮膚刺激のない、しかも薄くて十分な粘着力を有し貼
付時に脱落することのない、使用性にも優れた皮膚外用
貼付剤を提供することは不可能であった。
【0006】本発明は上記従来公知の皮膚外用貼付剤の
有する欠点を解決しようとするものであり、その目的と
するところは、硬膏剤、テープ剤の有する貼付時の違和
感のなさ、脱落し難さといった優れた性質を保持しなが
ら、パップ剤の有する皮膚安全性をも保持する、使用性
に優れた新たな含水性皮膚外用貼付剤を提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果その粘着剤組成物中に水、粘着性付与樹脂としてエ
ステルガム及びその溶解剤、吸油性無機性粉末を必須の
構成成分として配合することによって、従来公知の皮膚
外用貼付剤の有していた欠点を一挙に解消し、極めて優
れた使用性を有する新たな含水性皮膚外用貼付剤が得ら
れることを見い出して本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、担持体上に水15〜6
0重量%エステルガム及びその溶解剤、吸油性無機性
粉末を必須の構成成分として含有する、均一に混合して
製した粘着剤層を設けて成り、その厚さが100〜80
0μmである含水性皮膚外用貼付剤を提供しようとする
ものである。
【0009】従来の硬膏剤、テープ剤等では水を含有さ
せることができず、それによって皮膚刺激といった問題
は避け難かったが、本発明の粘着剤組成物に於いては水
を含むことが特徴の一つであり、その配合量は本粘着剤
組成物の15〜60重量%、更に好ましくは20〜50
重量%である。
【0010】また、本発明では粘着付与性樹脂として
ステルガムが用いられ、その配合量は本粘着剤組成物の
2〜20重量%、更に好ましくは5〜20重量%であ
る。2重量%未満では実質的に配合する意味がないし、
20重量%以上では剥離ライナーフィルムからの剥離性
が低下するなど、製造に困難をきたす。
【0011】粘着付与性樹脂として用いらるエステルガ
の溶解剤としては牛脂、豚脂等の動物油、オリーブ
油、ゴマ油、大豆油等の植物油、ワセリン、流動パラフ
ィン等の鉱物油、中鎖脂肪酸トリグリセライド等、エス
テルガムを溶解するものであればいずれでもよいが、常
温で液状を呈するものが本発明品の粘着性を減ずること
が少なく良好に使用でき、その配合量は所定量のエステ
ルガムを溶解できる量であればどれだけでもよいが、過
量は粘着剤層の保型性を弱めたりするため、製造時の取
り扱いの容易さ等を考慮して必要な最小量を用いること
が好ましく、その配合量はエステルガムの所定量に対し
て1/5〜1/2であり、本粘着剤組成物中においては
0.4〜10重量%である。
【0012】吸油性無機性粉末としては、カオリン、タ
ルク、二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム等があげられ、これらの成分は20〜400v/w%
の吸油能力を有するものであるが、これらの一種または
二種以上を組み合わせて使用でき、その配合量は本粘着
剤組成物の0.1〜30重量%、更に好ましくは1〜1
5重量%である。0.1重量%未満では実質的に配合す
る意味がないし、30重量%以上では得られる貼付剤が
硬くなって柔軟性を失い好ましくない。本発明に於いて
本成分は、エステルガムの溶解剤として配合された油成
分を吸着し、含水性基剤中にエステルガムを安定的に保
持する機能を示すものと考えられ、後述する試験例5の
結果によれば本成分を含有しない比較例では保存安定性
が不良であり、本成分が本発明を構成する重要な成分で
あることが判る。
【0013】本発明の含水性皮膚外用貼付剤に於いて粘
着剤層の厚さはとりわけ重要である。一般に粘着剤層の
厚さを厚くすると粘着力は増大するが、逆に柔軟性は低
下し、貼付時の違和感が増大し、脱落し易くなる。従来
公知の含水性成型パップ剤に於いてはそれ自身の粘着力
は比較的弱く、ある程度の粘着力を期待するにはある程
度の厚みが必要であり、従ってどうしても貼付時の脱落
といった問題は避け難かった。エステルガムを必須の構
成成分として成る本発明の含水性皮膚外用貼付剤によれ
ば、粘着剤層を薄くしても十分な粘着力を有するので、
使用性の改善といった本発明の趣旨からすれば、可能な
限り薄くすることが好ましいが、薄くすると含有させる
ことのできる薬物量が少なくなるという観点から、本発
明の含水性皮膚外用貼付剤に於いて、粘着剤層の厚さは
100〜800μmである
【0014】本発明の粘着剤組成物中には他にゼラチ
ン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
ポリビニールアルコール、ポリアクリル酸及びこれらの
金属塩等の水溶性高分子、グリセリン、ソルビトール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール等の多価アルコール、酸化亜
鉛、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウムゲル
等の金属架橋剤を必要に応じて適宜組み合わせて配合す
ることができる。
【0015】水溶性高分子の配合量としては通常、本粘
着剤組成物の5〜20重量%であり、少な過ぎると得ら
れる組成物の強度が弱く、貼付した時にダレ易くなり、
多過ぎると得られる組成物の強度が強過ぎ製造に困難を
きたす。多価アルコールの配合量としては通常、本粘着
剤組成物の15〜60重量%であり、少な過ぎると保水
性が不足し、貼付時の体温によって水分が揮散し易く、
長時間の貼付に耐えないし、多過ぎると他成分の配合が
困難となる。金属架橋剤の配合量としては通常、本粘着
剤組成物の0.01〜10重量%であり、少な過ぎると
架橋が弱過ぎて貼付剤としての形態を保つことができな
いし、多過ぎると架橋が強過ぎて製造に困難をきたす。
【0016】更に、本発明の粘着剤組成物中には、有機
酸、有機塩基、無機酸、無機塩基等のpH調整剤、エデ
ト酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸
水素ナトリウム等の安定化剤、パラオキシ安息香酸エス
テル類、ベンジルアルコール、チモール等の防腐剤、ク
ロタミトン、ベンジルアルコール、脂肪酸エステル類等
の薬物溶解剤、ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エステ
ル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類等の界面
活性剤等を適宜配合することもできる。
【0017】また本発明品を医薬としての使用に供する
ためにサリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、カン
フル、メントール、トウガラシエキス、ノニル酸ワニリ
ルアミド等の局所刺激剤、酢酸トコフェロール、ニコチ
ン酸トコフェロール等の末梢血流改善剤、ジフェンヒド
ラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸イソチペ
ンジル等の抗ヒスタミン剤、トウキ、オウバク、サンシ
シ、アルニカ、西洋トチノミ等の消炎性生薬のエキスや
粉末、グリチルレチン酸、インドメタシン、ピロキシカ
ム、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フェルビナ
ク等の非ステロイド性消炎鎮痛剤、プレドニゾロン、ハ
イドロコルチゾン、デキサメタゾン、フルオシノロンア
セトニド等の外用ステロイド剤、クロタミトン等の鎮痒
剤、リドカイン、ジブカイン等の局所麻酔剤、グルコン
酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベ
ンザルコニウム等の殺菌消毒剤等を配合することができ
る。
【0018】本発明の含水性皮膚外用貼付剤は、水、溶
解剤に溶解したエステルガム及び吸油性無機性粉末を必
須の構成成分として含有する、均一に混合して製した粘
着剤組成物を平滑な担持体上に展延塗布し、厚さ100
800μmの均一な粘着剤層を形成し、剥離ライナー
フィルムで被覆するか、平滑なライナーフィルム上に先
の粘着剤層を厚さ100〜800μmに形成して担持体
で被覆するかして得られる。
【0019】使用される担持体としては、本発明品の如
き含水性粘着剤層の場合にはその投錨性の観点から、織
布、不織布が良好であるが、粘着剤層と反対側にポリエ
チレン、塩化ビニル等のプラスチック膜を形成させた複
合フィルムも良好に使用される。
【0020】これら担持体は透湿性とすることも非透湿
性とすることも可能であるが、本発明の趣旨、皮膚安全
性の観点からすれば透湿性とすることが望ましい。また
これら担持体は伸縮性とすることも非伸縮性とすること
もできるが、肘、膝等の屈曲部位への使用を考慮すれば
伸縮性とすることが望ましい。
【0021】使用される剥離ライナーフィルムとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、紙等通常使用されるものが適宜使用される
が、剥離性を調節するために必要に応じてシリコーン処
理を施したり、エンボス処理を施したりすることもでき
る。
【0022】
【発明の効果】従来公知の含水性成型パップ剤に於いて
は皮膚刺激といった問題はないものの、粘着剤層の厚さ
を薄くした時には粘着力が低下し、実質上貼付剤として
の用をなさなくなるのが通例であり、薄くて、しかも十
分な粘着力を有する含水性成型パップ剤を提供すること
は不可能であった。一方、従来公知の実質的に無水の硬
膏剤、テープ剤にあっては粘着剤層の厚さを薄くしても
十分な粘着力を付与することは可能であるが、皮膚刺激
といった問題は避け難かった。従って従来技術によって
は皮膚刺激のない、しかも薄くて十分な粘着力を有し貼
付時に脱落することのない、使用性にも優れた皮膚外用
貼付剤を提供することは不可能であった。
【0023】粘着付与性樹脂を含水性基剤中に合理的に
配合した本発明の含水性皮膚外用貼付剤によれば、粘着
剤層の厚さを薄くしても十分な粘着力を有する製剤が可
能であり、それ自身、従来の含水性成型パップ剤と同程
度の水を含有しているため皮膚刺激といった問題もな
い。
【0024】すなわち、本発明によれば、十分な柔軟性
を有し、貼付時に違和感がなく、脱落することもなく、
従って固定のための他の補助的手段も要せず、また、か
ぶれ症状の発現もなく、剥離時に角質層を損傷すること
もない、極めて優れた使用性を有する理想的な皮膚外用
貼付剤を得ることができる。以下、実施例を示し本発明
を具体的に説明する。なお本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0025】
【実施例】
実施例1〜8
【0026】
【表1】表1:粘着剤組成物の配合組成(単位:g) 実施例No. 1 2 3 4 5 6 7 8 成 分 エステルガム*1 2.5 2.5 5.0 5.0 7.5 7.5 15.0 15.0 流動パラフィン 0.5 1.25 1.0 2.5 1.5 3.75 3.0 7.5 ポリアクリル酸 5 5 5 5 5 5 5 5 ナトリウム 乾燥水酸化アルミ 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 0.3 ニウムゲル 乳酸 1 1 1 1 1 1 1 1 濃グリセリン 30 30 30 30 30 30 30 30 D−ソルビトール液*2 15 15 15 15 15 15 15 15 精製水 35.7 34.95 32.7 31.2 29.7 27.45 20.7 16.2 カルボキシメチルセル 3 3 3 3 3 3 3 3 ロースナトリウム カオリン 5 5 5 5 5 5 5 5 精製ゼラチン 2 2 2 2 2 2 2 2 *1)KE−311:荒川化学工業(株)製 *2)70%水溶液
【0027】表1に示す組成で、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乳酸、濃グリセリ
ン、D−ソルビトール液、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、カオリン、精製ゼラチン、精製水を混和
し、これに流動パラフィンに溶解したエステルガムを添
加、撹拌機にて全質均等となるまで撹拌して得た組成物
を厚さ500μmとなるようにポリエチレンテレフタレ
ート製の剥離ライナーフィルム上に展延塗布し、ポリエ
ステル製の伸縮性織布で被覆して本発明の皮膚外用貼付
剤を得る。
【0028】実施例9 実施例6に於いて粘着剤層の厚さを750μmとした他
は同様に製した。 実施例10 実施例6に於いて粘着剤層の厚さを1000μmとした
他は同様に製した。 実施例11 実施例6に於いて粘着剤層の厚さを100μmとした他
は同様に製した。
【0029】実施例12 実施例5に於いてエステルガムをKE−311(荒川化
学工業(株)製)からAAG(荒川化学工業(株)製)
に替える他は同様に製した。 実施例13 実施例5に於いてエステルガムをKE−311(荒川化
学工業(株)製)からDS−90S(ハリマ化成工業
(株)製)に替える他は同様に製した。
【0030】実施例14 実施例5に於いて粘着付与性樹脂の溶解剤を、流動パラ
フィンから中鎖脂肪酸トリグリセライドであるトリエス
ターF−810(日光ケミカルズ(株)製)に替える他
は同様に製した。 実施例15 実施例5に於いて粘着付与性樹脂の溶解剤を、流動パラ
フィンからゴマ油(日局)に替える他は同様に製した。
【0031】実施例16 実施例5に於いて粘着付与性樹脂の溶解剤を、流動パラ
フィンから中鎖脂肪酸トリグリセライドであるココナー
ドMK(花王(株)製)に替える他は同様に製した。
【0032】実施例17 ポリアクリル酸ナトリウム5g、酸化亜鉛1g、リン酸
1g、濃グリセリン30g、D−ソルビトール液15
g、カルボキシメチルセルロースナトリウム3g、カオ
リン5g、精製ゼラチン2g、精製水29gを混和し、
これに流動パラフィン1.5gに溶解したエステルガム
(KE−311:荒川化学工業(株)製)7.5gを添
加、撹拌機にて全質均等となるまで撹拌して得た組成物
を以下実施例1〜8と同様に製した。
【0033】実施例18 ポリアクリル酸ナトリウム5g、合成ケイ酸アルミニウ
ム2g、メタリン酸ナトリウム0.3g、濃グリセリン
30g、D−ソルビトール液15g、カオリン7g、精
製ゼラチン2g、精製水29.7gを混和し、これに流
動パラフィン1.5gに溶解したエステルガム(KE−
311:荒川化学工業(株)製)7.5gを添加、撹拌
機にて全質均等となるまで撹拌して得た組成物を以下実
施例1〜8と同様に製した。
【0034】比較例1 ポリアクリル酸ナトリウム5g、乾燥水酸化アルミニウ
ムゲル0.3g、乳酸1g、濃グリセリン30g、D−
ソルビトール液15g、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム3g、カオリン5g、精製ゼラチン2g、精製
水38.7gを混和し、撹拌機にて全質均等となるまで
撹拌して得た組成物を厚さ100μmとなるようにポリ
エチレンテレフタレート製の剥離ライナーフィルム上に
展延し、ポリエステル製の伸縮性織布で被覆して比較例
1を得た。
【0035】比較例2 粘着剤層の厚さを500μmとした他は比較例1と同様
にして比較例2を得た。 比較例3 粘着剤層の厚さを1000μmとした他は比較例1と同
様にして比較例3を得た。 比較例4 粘着剤層の厚さを1500μmとした他は比較例1と同
様にして比較例4を得た。
【0036】比較例5 実施例17からエステルガム、流動パラフィンを除い
て、他は同様に製して比較例5を得た。 比較例6 実施例18からエステルガム、流動パラフィンを除い
て、他は同様に製して比較例6を得た。 比較例7〜9 実施例5,17,18からカオリンを除き、その分量を
水で補い、他は同様に製してそれぞれ比較例7,8,9
を得た。
【0037】試験例1 〈粘着力試験〉実施例1〜18、比較例1〜6、市販の
テープ剤(テープ剤(A)、(B)及び(C))及び市
販のパップ剤(パップ剤(A)及び(B))を用いて5
00g/cm2・min の負荷後のステンレス板よりの
水平剥離荷重を測定した。その結果を表2及び表3に示
す。
【0038】試験例2 〈ラット皮膚損傷試験〉実施例1〜18、比較例1〜
6、市販のテープ剤(テープ剤(A)、(B)及び
(C))及び市販のパップ剤(パップ剤(A)及び
(B))を用いてラット皮膚損傷試験を実施した。 試験方法:各検体を2×2cm2 に裁断し、除毛したラ
ット腹部皮膚に貼付して直ちに剥離する操作を同一部位
で繰り返し、皮膚角質層が剥離されるまでの貼付回数を
測定する。但し20回でも剥離しなかった場合には「剥
離なし」と判定した。その結果を表4及び表5に示す。
【0039】試験例3 〈24時間パッチテスト〉実施例2,6,8,12,1
3,15,17,18,市販のテープ剤(テープ剤
(A)、(B)及び(C))及び市販のパップ剤(パッ
プ剤(A)及び(B))を用いて健常成人でパッチテス
トを実施した。 試験方法:1.5cm×1.5cmに裁断した各検体を
健常成人13名の上腕屈側部位に貼付し、エラストポア
テープ(ニチバン(株))で被覆固定し、24時間後に
除去した。除去後1及び24時間目の皮膚の状態を観察
し、下記の基準で採点し、数1に従って皮膚刺激指数を
求めた。 採点基準:無反応 0 点 わずかな紅斑 0.5点 明らかな紅斑 1 点 紅斑+浮腫または丘疹 2 点 紅斑+浮腫+丘疹、小水疱 3 点 大水疱、壊死 4 点 その結果を表6に示す。
【0040】
【数1】
【0041】試験例4 〈屈曲伸展部位貼付試験〉実施例2,6,8,10,1
1,12,13,15,17,18,比較例1〜6、市
販のテープ剤(テープ剤(A)、(B)及び(C))及
び市販のパップ剤(パップ剤(A)及び(B))を用い
て健常成人の屈曲伸展部位での貼付試験を実施した。 試験方法:7cm×10cmに裁断した検体を健常成人
の膝に伸展時に貼付して直ちに強く膝を屈曲した時の状
態を観察した。 判定:剥れる × 一部剥れる △ 剥れない ○ その結果を表7に示す。
【0042】試験例5 〈保存安定性試験〉実施例5,17,18,比較例7,
8,9を用いて保存安定性試験を実施した。 試験方法:各検体をアルミ袋に入れ気密密封後、50℃
の恒温機中に保存し、一週間後の支持体側への油成分の
しみ出しの状態を観察した。 判定:しみ出し有 × しみ出し無 ○ その結果を表8に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】表8:保存安定性試験結果 実 施 例 比 較 例 検体 No. 5 17 18 7 8 9 判 定 ○ ○ ○ × × ×
【0050】以上の結果によれば、粘着付与性樹脂を配
合していない比較例、及び市販パップ剤ではラット皮膚
損傷試験及び24時間パッチテストに於いては良好な結
果を示すものの、その粘着力は小さく、しかも粘着剤層
の厚さによって大きく影響を受け、薄いものでは殆んど
貼付剤としての用をなさないことが判る。
【0051】市販テープ剤では強い粘着力がうかがわれ
るが、ラット皮膚損傷試験に於いてはいずれも3〜4回
で皮膚角質層が剥離され、24時間パッチテストに於い
ても皮膚刺激指数が大きく、安全性の面で問題を有する
ことがうかがわれる。一方、本発明の実施例に於いては
いずれも良好な粘着性を有し、また剥離時に皮膚角質層
を損傷することもなく皮膚刺激もない。
【0052】このことから本発明が従来技術では不可能
であった理想的な皮膚外用貼付剤を提供するものである
ことが判る。以下、本発明に基づく製剤例を示す。
【0053】 製剤例1 サリチル酸メチル、1−メントール等含有貼付剤 サリチル酸メチル 1.5g 1−メントール 0.5g エステルガム 7.5g 流動パラフィン 1.5g ポリアクリル酸ナトリウム 5.0g 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.3g 乳酸 1.0g 濃グリセリン 30 g D−ソルビトール液 15 g 精製水 32.7g カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0g 精製ゼラチン 2.0g 全 量 100 g
【0054】 製剤例2 サリチル酸エチレングリコール、1−メントール等含有貼付剤 サリチル酸エチレングリコール 1.5g 1−メントール 0.5g ハッカ油 1.0g エステルガム 7.5g 流動パラフィン 1.5g ポリアクリル酸ナトリウム 5.0g 合成ケイ酸アルミニウム 2.0g メタリン酸ナトリウム 0.3g 1N−塩酸 3.5g 濃グリセリン 30 g D−ソルビトール液 15 g 精製水 27.2g カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0g 精製ゼラチン 2.0g 全 量 100 g
【0055】 製剤例3 フルオシノロンアセトニド含有貼付剤 フルオシノロンアセトニド 0.01g エステルガム 7.5g 流動パラフィン 1.5g ポリアクリル酸ナトリウム 3.5g 酸化亜鉛 0.5g リン酸 1.0g 濃グリセリン 30 g D−ソルビトール液 15 g 精製水 35.99g カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0g 精製ゼラチン 2.0g 全 量 100 g
【0056】 製剤例4 オウバク等含有貼付剤 オウバク末 2.0g 酢酸dl−α−トコフェロール 0.3g ジフェンヒドラミン 0.1g エステルガム 7.5g ココナードMK 1.5g ポリアクリル酸ナトリウム 5.0g 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.2g 濃グリセリン 30 g D−ソルビトール液 15 g 精製水 33.4g カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0g 精製ゼラチン 2.0g 全 量 100 g
【0057】 製剤例5 リドカイン含有貼付剤 リドカイン 2.5g エステルガム 7.5g 流動パラフィン 1.5g ポリアクリル酸ナトリウム 5.0g 乾燥水酸化アルミニウムゲル 0.3g 酒石酸 0.5g 濃グリセリン 30 g D−ソルビトール液 15 g 精製水 32.7g カルボキシメチルセルロースナトリウム 3.0g 精製ゼラチン 2.0g 全 量 100 g
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/70

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 担持体上に常温で粘着性を有する粘着剤
    層を設けて成る皮膚外用貼付剤に於いて、該粘着剤層が
    15〜60重量%エステルガム及びその溶解剤、吸
    油性無機性粉末を必須の構成成分として成り、その厚さ
    が100〜800μmである含水性皮膚外用貼付剤。
  2. 【請求項2】 粘着剤層中に、水15〜60重量%、
    ステルガム2〜20重量%、粘着付与性樹脂の溶解剤
    0.4〜10重量%、吸油性無機性粉末0.1〜30重
    量%を必須の構成成分として含有する請求項1に記載の
    含水性皮膚外用貼付剤。
  3. 【請求項3】 吸油性無機性粉末がカオリンである請求
    項1または2に記載の含水性皮膚外用貼付剤。
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