JP3478865B2 - ヒドロゲル膏体 - Google Patents

ヒドロゲル膏体

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JP3478865B2 JP05114194A JP5114194A JP3478865B2 JP 3478865 B2 JP3478865 B2 JP 3478865B2 JP 05114194 A JP05114194 A JP 05114194A JP 5114194 A JP5114194 A JP 5114194A JP 3478865 B2 JP3478865 B2 JP 3478865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硝酸エステル類又は亜硝
酸エステル類を有効成分として含有するヒドロゲル膏体
に関する。
【0002】
【従来の技術】硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類
は、狭心症などの循環器系疾患の治療薬として様々な剤
形で用いられている。これ迄に工夫及び市販されている
硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類の外用貼付剤はす
べて非水系粘着剤組成物を膏体として成形されたもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】即ち、その殆どは非水
系のアクリル酸エステル系、天然ゴム系及びシリコーン
ゴム系粘着剤を主成分としており、これらは貼付時の物
理的刺激による皮膚刺激性を惹起する傾向が強く製品使
用上の欠点ともなっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは種々
検討した結果、皮膚粘着性ヒドロゲル膏体は非水系粘着
剤組成を膏体と比較して貼付時の物理的刺激による皮膚
刺激性が比較的緩和されている事を見出した。
【0005】即ち、本発明は硝酸エステル類又は亜硝酸
エステル類及びポリ(メタ)アクリル酸金属塩類及び水
を含有することを特徴とするヒドロゲル膏体に関する。
本発明のヒドロゲル膏体は更に必要に応じて各種の親水
性高分子、多価アルコール類、油脂類、界面活性剤、保
湿剤、架橋剤、各種増量剤等の成分を含有していてもよ
い。
【0006】即ち本発明は更に下記のような態様を含む
ものである。 1)ゼラチンを含む上記のヒドロゲル膏体 2)ヒドロゲル膏体中におけるポリ(メタ)アクリル酸
又はその金属塩類の割合が親水性高分子の全体に対して
40w/w%以上である上記のヒドロゲル膏体 3)トリニトログリセリン、ゼラチン、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリアクリル酸及び水を含有する上記のヒ
ドロゲル膏体
【0007】4)硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類
の溶媒を含有する上記のヒドロゲル膏体 5)ポリ(メタ)アクリル酸及び又はその金属塩類の膏
体全体に対する割合が5〜50w/w%の範囲である上
記のヒドロゲル膏体 6)硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類、ゼラチン、
ポリ(メタ)アクリル酸及びその金属塩、保湿剤、架橋
剤、水を含有する上記のヒドロゲル膏体 7)膏体全体に対する各成分の割合が硝酸エステル類又
は亜硝酸エステル類が0.3〜20w/w%、ポリ(メ
タ)アクリル酸又はその金属塩が5〜50w/w%、水
が10〜70w/w%である上記のヒドロゲル膏体
【0008】8)トリニトログリセリン、ゼラチン、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、低級アルコ
ール、グリセリン、硫酸アルミ、カリミョウバン、及び
水を含有する上記のヒドロゲル膏体 9)膏体全体に対する各成分の割合が、硝酸エステル類
又は亜硝酸エステル類が0.1〜20w/w%、ゼラチ
ンが0.1〜15w/w%、ポリ(メタ)アクリル酸及
びその金属塩が5〜50w/w%、保湿剤が5〜20w
/w%、架橋剤が0.05〜1.0w/w%、水が10
〜70w/w%である上記のヒドロゲル膏体 10)ポリ(メタ)アクリル酸1重量部に対して、ポリ
(メタ)アクリル酸金属塩を2〜15重量部併用する上
記3)又は8)のヒドロゲル膏体。
【0009】本発明の硝酸エステル類又は亜硝酸エステ
ル類を含むヒドロゲル膏体は以下の二とおりの方式で調
製する。その第一は、硝酸エステル類又は亜硝酸エステ
ル類ポリ(メタ)アクリル酸の金属塩類及び水、さらに
必要に応じて各種の親水性高分子、多価アルコール類、
油脂類、界面活性剤、保湿剤、架橋剤、各種増量剤及び
水からなる混合組成を練合し、任意の支持体膜に展延し
て膏体を成形予製し、次に硝酸エステル類又は亜硝酸エ
ステル類の良溶媒溶液をこの膏体表面に一定量塗布し、
その上からカバーフィルムで覆って一定時間浸透熟成さ
せた後に所定の大きさに裁断して完成させる方法、又は
膏体を成形予製した段階で、これを所定の大きさに裁断
し、個々の裁断膏体片の表面に硝酸エステル類又は亜硝
酸エステル類の良溶媒溶液の一定量を塗布又は滴加等の
手段で添加し、その上からカバーフィルムで覆って一定
時間浸透熟成させる事により完成させる方法である。
【0010】その第二は、硝酸エステル類又は亜硝酸エ
ステル類、ポリ(メタ)アクリル酸の金属塩類及び水さ
らに必要に応じて各種の親水性高分子、多価アルコール
類、油脂類、界面活性剤、保湿剤、架橋剤、各種増量剤
及び水からなる混合組成を練合し、任意の支持体膜に展
延して膏体を成形し、所定の大きさに裁断して完成させ
る方法である。上記の練合展延工程においては例えば練
合物がペースト状であり得る様に約60〜80℃近辺に保温
しつつ作業を実施し、展延後の冷却によりゲル化して成
形を完了させる方法もある。
【0011】揮発性を有する薬剤を含むヒドロゲル膏体
の製造に対しては安全性の面から第一の方法が適して居
り、第二の方法では安全性を確保するための製造装置設
備に特別な配慮工夫を必要とする。その他の揮発性を有
しない薬剤についてはいずれの方法でも特に支障なく製
造が可能である。なお、本発明において用いるヒドロゲ
ル膏体という用語は水を高分子マトリックスの中に包含
して、ゲル状を程するものをさす。
【0012】本発明で用いる硝酸エステル類又は亜硝酸
エステル類としては、例えばニトログリセリン(トリニ
トログリセリンともいう)、硝酸イソソルビド、硝酸ペ
ンタエリスリトール(ペンタエリスリトールテトラナイ
トレートともいう)、亜硝酸アミルなどが挙げられる。
【0013】これらの配合量としては、ヒドロゲル膏体
の全体量に対して、0.1〜20w/w%、好ましくは
0.3〜18w/w%、より好ましくは0.5〜15w
/w%である。
【0014】本発明に用いるポリ(メタ)アクリル酸
(本明細書において、特に断らない限り、ポリ(メタ)
アクリル酸の用語はポリアクリル酸及び/又はポリメタ
アクリル酸もしくはその両者のいずれをも意味するもの
とする。)及びその金属塩類としては、ポリアクリル
酸、又はポリメタアクリル酸及びそれらのアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の塩類が挙げられ、例えばポリア
クリル酸及びポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル
酸カリウム、ポリアクリル酸カルシウム、ポリアクリル
酸マグネシウムなどのポリアクリル酸のアルカリ金属塩
又はアルカリ土類金属塩またポリメタアクリル酸および
ポリメタアクリル酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類
金属塩が挙げられる。これらを単独に又は二種以上を併
用して配合するが両者を併用する方が好ましい。またポ
リ(メタ)アクリル酸ナトリウムの部分加水分解や逆に
ポリ(メタ)アクリル酸の部分金属塩化物も使用でき
る。
【0015】ポリ(メタ)アクリル酸はいずれの粘度の
ものも使用しうるが、ある程度高粘度のものが好まし
く、例えば40%水溶液の粘度(25℃)が4千cps
以上、好ましくは6千cps以上、より好ましくは8千
cps以上であり、上限は特にないが、高くても2万c
ps、より一般的には1.5万cps程度である。
【0016】ポリアクリル酸金属塩の場合(特にナトリ
ウム塩)は一般的に極限粘度(2NNaOH、30℃)
が0.4g/dl以上、好ましくは0.6g/dl、よ
り好ましくは0.7g/dl以上のものが使用される。
極限粘度の上限は特にないが、通常極限粘度が2g/d
l以下、より一般的には1.5g/dl以下程度であ
る。
【0017】ポリ(メタ)アクリル酸及びその金属塩の
配合量としては、ヒドロゲル膏体の全体量に対して5〜
50w/w%、好ましくは10〜40w/w%、より好
ましくは15〜35w/w%である。また、ヒドロゲル
膏体中におけるポリ(メタ)アクリル酸又はその金属塩
類の割合は、ヒドロゲル膏体中における親水性高分子の
全体に対して30w/w%以上、好ましくは40w/w
%以上、より好ましくは60w/w%以上である。
【0018】ポリ(メタ)アクリル酸とその金属塩を併
用する場合、その割合は特に制限はないが、最終ヒドロ
ゲル膏体のpHが3〜6.5の範囲になるようにするの
が好ましく、通常ポリ(メタ)アクリル酸金属塩、好ま
しくはナトリウム塩1重量部に対して、ポリ(メタ)ア
クリル酸1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部、
更に好ましくは3〜10重量部程度である。
【0019】さらに、上記ポリ(メタ)アクリル酸及び
その金属塩類の他にゼラチンを併用してもよい。ゼラチ
ンの配合量はヒドロゲル膏体の全体量に対して0.1〜
15w/w%、より好ましくは0.3〜10w/w%、
より好ましくは0.5〜8w/w%である。
【0020】硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類の溶
媒としてはアルコール類が挙げられる。アルコール類と
しては モノアルコール類及び多価アルコール類があげ
られる。モノアルコール類としては例えば炭素数1〜3
程度の低級アルコールがあげられ、例えばメタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノールがあげら
れる。多価アルコール類としては、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール類、グリセリン、プロピレ
ングリコール等が挙げられ、これらを単独に又は二種以
上を併用して配合する。これらの配合量としてはヒドロ
ゲル膏体の全体量に対して2〜50w/w%、より好ま
しくは5〜40w/w%、更に好ましくは10〜35w
/w%である。
【0021】ヒドロゲル膏体に含まれる水の量は膏体の
全体量に対して10〜70w/w%、より好ましくは2
0〜60w/w%、更に好ましくは30〜55w/w%
である。
【0022】ヒドロゲル膏体に含まれる保湿剤としては
グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール、ヒアル
ロン酸等が挙げられ、これらを単独に又は二種以上を併
用して配合する。これらの配合量としてはヒドロゲル膏
体の全体量に対して2〜40w/w%、より好ましくは
5〜35w/w%、更に好ましくは10〜30w/w%
である。
【0023】架橋剤としてはカリミョウバン、ミョウバ
ン等のミョウバン類、硫酸アルミニウム等のアルミニウ
ム塩類、グルタルアルデヒドやジアルデヒド澱粉等のア
ルデヒド類が挙げられるが、アルデヒド類は硝酸エステ
ル類又は亜硝酸エステル類と反応してこれを分解するの
で、ヒドロゲル膏体の成形後、硝酸エステル類又は亜硝
酸エステル類の添加以前に膏体内に残存していない事を
確認して配合する。これらの配合量としてはヒドロゲル
膏体の全体量に対して0.01〜5w/w%、より好ま
しくは0.02〜2w/w%、更に好ましくは0.05
〜1w/w%である。
【0024】更にヒドロゲル膏体の増量及び成形補助の
目的で各種増量剤が用いられる。例えばカオリン、シリ
カ、ベントナイト及びスメクタイト、乳糖、マンニトー
ル、ソルビトール、澱粉類、ヒドロキシプロピル澱粉、
微結晶セルロース等の医薬品添加用の粉体、ポリブテ
ン、植物油などがあげられる。これらの配合量としては
ヒドロゲル膏体の全体量に対して0.2〜60w/w
%、より好ましくは0.5〜40w/w%、更に好まし
くは1〜20w/w%である。
【0025】油脂及び界面活性剤を、製造時の膏体の均
一性を高め、また、ライナーの剥離性を良好にする目的
で配合してもよい。この場合の具体例としては、ポリエ
チレングリコール類(例えば、商品名Tween類)、
HCO類、蔗糖脂肪酸エステル類等のHLBが高い親水
性界面活性剤、スパン類、プロピレングリコール脂肪酸
エステル等のHLBが低い疎水性界面活性剤、ODO、
流動パラフィン、クロタミトン、ミリスチン酸イソプロ
ピル、セバシン酸ジエチル、中鎖脂肪酸トリグリセリ
ド、各種植物油、等の油脂が挙げられるが、特にそれら
に限定されるものではない。
【0026】これらの配合量は、ヒドロゲル膏体の全体
量に対して0.05〜7w/w%、より好ましくは0.
1〜5w/w%、更に好ましくは0.3〜3w/w%程
度である。
【0027】本発明のヒドロゲル膏体の好ましいpHは
3以上、好ましくは3.5以上、より好ましくは4以上
で、上限は6.5以下であり、より好ましくは6以下、
更に好ましくは5.5以下である。
【0028】本発明のヒドロゲル膏体は、各種の支持体
や粘着テープ等を用いて貼付製剤とすることも可能であ
る。
【0029】貼付製剤とする場合の、膏体の支持体とし
ては各種の不織布、リント布、又は高分子フィルム等外
用貼付製剤に通常用いられるものなら何でも良く、特別
に限定されるものではない。
【0030】皮膚表面へのヒドロゲル膏体の粘着固定性
を補助するための粘着テープとしては、非水系粘着テー
プが好ましく、例えば、非水系のアクリル酸エステル
系、天然ゴム系又はシリコーンゴム系粘着剤及びポリオ
レフィン系、ポリエステル系又はポリエチレンテレフタ
レート等の高分子粘着剤をポリオレフィン系フィルム等
の支持体に展延したものが用いられる。
【0031】
【作用】以下の実験結果により本発明の効果を説明す
る。 試験例1.主薬の安定性に及ぼすpHの影響 実施例1及び2の製造工程中練合段階において、0.1
Nの塩酸及び水酸化ナトリウムを用いてpHを各値に調
整した貼付剤を調製し50℃で3ヵ月間保存後の主薬含
量の残存率を液体クロマトグラフィーにより測定観察し
た。表1に示した様に主薬を安定に保持し得るpHの範
囲は3〜6.5、より好ましくは3.5〜6、更に好ま
しくは4〜5.5である。
【0032】
【表1】 表1.主薬の安定性に及ぼすpHの影響 ( 残存率%) 実施例1 実施例2 pH (トリニトログリセリン) (ジ硝酸イソソルビッド) 1 75.6 76.0 2 83.1 84.0 3 88.5 89.2 4 91.1 91.7 5 91.8 92.2 6 90.7 92.0 7 86.6 88.3 7.5 96.8 86.5 8 76.5 81.0 9 52.2 63.9 10 39.6 53.1
【0033】試験例2.ヒトにおける閉鎖貼付試験 (参考資料:川村ら,日皮会
誌 80(5),301■314) 健康成人男女30名に各試料貼付剤1枚を上腕内側に4
8時間貼付し、剥離後1時間目及び24時間目における
皮膚外観の変化を肉眼的に観察した。この際の判定基準
は以下のとおりである。結果を表2に示す。本発明のヒ
ドロゲル膏体貼付製剤は市販の天然ゴム、ポリアクリル
酸エステル又はシリコーンゴム等の非水系粘着剤膏体製
剤よりも、皮膚反応の程度及び貼付時の皮膚刺激感及び
かゆみ等の発現がいずれも陰性〜軽度であることが示さ
れた。
【0034】
【表2】 表2.ヒトにおける閉鎖貼付試験(発現例数/30例中) 試料 皮膚反応 皮膚刺激感 かゆみ 本発明(実施例1) ± (1) 、+ (1) (0) (0) 本発明(実施例2) ± (1) 、+ (1) (0) (1) 本発明(実施例3) ± (0) 、+ (0) (0) (0) 本発明(実施例4) ± (1) 、+ (1) (1) (2) 本発明(実施例5) ± (1) 、+ (0) (1) (0) 本発明(実施例6) ± (2) 、+ (1) (1) (0) 本発明(実施例7) ± (1) 、+ (0) (1) (0) 比較例(GTN 市販 ± (3) 、+ (1) (2) (3) パッチ、シリコーンゴム) 比較例(GTN 市販 ± (2) 、+ (1) (2) (3) テープ、天然ゴム) 比較例(ISDN市販 ± (3) 、+ (2) (7) (5) テープ、ポリアクリル酸エステル) (但し、GTN:トリニトログリセリン、ISDN: ジ硝酸イソ
ソルビッド) 判定基準 − 反応なし、 ± 軽い紅斑、 + 紅斑、 ++
紅斑+浮腫、+++ 紅斑+浮腫+丘疹〜小水泡、++
++ 大水泡、
【0035】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明す
る。
【0036】実施例1.ゼラチン5部(重量部;以下同
様)、極限粘度0.98g/dlのポリアクリル酸ナト
リウム4部、40%溶液の粘度が1万cpsのポリアク
リル酸18部、グリセリン14部、硫酸アルミニウム
0.3部、カリミョウバン0.1部、及び水30部を練
合釜中65〜75℃に加温しながら練合し、練合物のp
Hをポリアクリル酸の適量で約4.5に調整し更に全量
が83.3部になるように水を追加して練合を続けた後
に、厚さ100μm の不織布上に100mg/cm2
の量で展延し冷却する。固化成形後これを6cm2 の面
積に切断し、不織布側を11.9cm2 の面積の粘着テ
ープ(厚さ20μmのポリエチレンフィルムにアクリル
酸エステルを展延したもの)の粘着面の真ん中に貼り付
け、更に膏体面上に、5w/w%濃度のトリニトログリ
セリンのプロピレングリコール溶液16.7部を塗布
し、上から11.9cm2 の面積のポリエステルフィル
ム(厚さ20μm、ライナー)で覆って室温で48時間
放置熟成する。以上により、6cm2 の面積で5mgの
トリニトログリセリンを含みpHが約4.5のヒドロゲ
ル膏体の周囲を約0.5cmの幅の粘着テープが囲み、
膏体と粘着テープの粘着面をライナーがカバーしている
製剤が調製される。
【0037】実施例2.ゼラチン4部、極限粘度0.9
8g/dlのポリアクリル酸ナトリウム4部、40%溶
液の粘度が1万cpsのポリアクリル酸18部、硫酸ア
ルミニウム0.3部、カリミョウバン0.1部、及び水
30部を練合釜中65〜75℃に加温しながら練合し、
これに20w/w%濃度のジ硝酸イソソルビッドのプロ
ピレングリコール溶液33.3部を練合しながら添加
し、練合物のpHをポリアクリル酸の適量で約5.0に
調整し更に全量が100部になるように水を追加して練
合を続けた後に、厚さ100μmの不織布上に100m
g/cm2 の量で展延し冷却する。固化成形後これを6
cm2 の面積に切断し、不織布側を11.9cm2 の面
積の粘着テープ(厚さ20μmのポリエチレンフィルム
にアクリル酸エステルを展延したもの)の粘着面の真ん
中に貼り付け、上から11.9cm2 の面積のポリエス
テルフィルム(厚さ35μm、ライナー)で被覆する。
以上により、6cm2 の面積で40mgのジ硝酸イソソ
ルビッドを含みpHが約5.0のヒドロゲル膏体の周囲
を約0.5cmの幅の粘着テープが囲み、膏体と粘着テ
ープの粘着面をライナーがカバーしている製剤が調製さ
れる。
【0038】実施例3.ゼラチン5部、極限粘度0.9
8g/dlのポリアクリル酸ナトリウム4部、40%溶
液の粘度が1万cpsのポリアクリル酸18部、グリセ
リン14部、硫酸アルミニウム0.3部、カリミョウバ
ン0.1部、及び水30部を練合釜中65〜75℃に加
温しながら練合し、練合物のpHをポリアクリル酸の適
量で約4.5に調整し更に全量が83.3部になるよう
に水を追加して練合を続けた後に、厚さ100μmの不
織布上に100mg/cm2 の量で展延し冷却する。固
化成形後これを6cm2 の面積に切断し、不織布側を1
1.9cm2 の面積の粘着テープ(厚さ20μm のポ
リエチレンフィルムにアクリル酸エステルを展延したも
の)の粘着面の真ん中に貼り付け、更に膏体面上に、5
w/w%濃度のトリニトログリセリンのエタノール溶液
16.7部を塗布し、上から11.9cm2 の面積のポ
リエステルフィルム(厚さ20μm、ライナー)で覆っ
て室温で48時間放置熟成する。以上により、6cm2
の面積で5mgのトリニトログリセリンを含みpHが約
4.5のヒドロゲル膏体の周囲を約0.5cmの幅の粘
着テープが囲み、膏体と粘着テープの粘着面をライナー
がカバーしている製剤が調製される。
【0039】実施例4.ゼラチン5部、極限粘度0.9
8g/dlのポリアクリル酸ナトリウム4部、40%溶
液の粘度が1万cps のポリアクリル酸18部、グリ
セリン14部、硫酸アルミニウム0.3部、カリミョウ
バン0.1部、及び水30部を練合釜中65〜75℃に
加温しながら練合し、これに15w/w%濃度のペンタ
エリスリトールテトラナイトレートのプロピレングリコ
ール溶液16.7部を練合しながら添加し、練合物のp
Hをポリアクリル酸の適量で約4.5に調整し更に全量
が100部になるように水を追加して練合を続けた後
に、厚さ100μmの不織布上に100mg/cm2
量で展延し冷却する。固化成形後これを6cm2 の面積
に切断し、不織布側を11.9cm2 の面積の粘着テー
プ(厚さ20μmのポリエチレンフィルムにアクリル酸
エステルを展延したもの)の粘着面の真ん中に貼り付
け、上から11.9cm2 の面積のポリエステルフィル
ム(厚さ35μm、ライナー)で被覆する。以上によ
り、6cm2 の面積で15mgのペンタエリスリトール
テトラナイトレートを含みpHが約4.5のヒドロゲル
膏体の周囲を約 0.5cmの幅の粘着テープが囲み、
膏体と粘着テープの粘着面をライナーがカバーしている
製剤が調製される。
【0040】実施例5.ゼラチン4.5部、カオリン5
部、極限粘度0.98g/dlのポリアクリル酸ナトリ
ウム3.5部、40%溶液の粘度が1万cpsのポリア
クリル酸16部、グリセリン12部、硫酸アルミニウム
0.3部、カリミョウバン0.1部、及び水35部を練
合釜中65〜75℃に加温しながら練合し、練合物のp
Hをポリアクリル酸の適量で約4.5に調整し、更に全
量が83.3部になるように水を追加して練合を続けた
後に、厚さ100μmの不織布上に100mg/cm2
の量で展延し冷却する。固化成形後これを6cm2 の面
積に切断し、不織布側を11.9cm2 の面積の粘着テ
ープ(厚さ20μmのポリエチレンフィルムにアクリル
酸エステルを展延したもの)の粘着面の真ん中に貼り付
け、更に膏体面上に、5w/w%濃度のトリニトログリ
セリンのエタノール溶液16.7部を塗布し、上から1
1.9cm2 の面積のポリエステルフィルム(厚さ20
μm、ライナー)で覆って室温で48時間放置熟成す
る。以上により、6cm2 の面積で5mgのトリニトロ
グリセリンを含みpHが約4.5のヒドロゲル膏体の周
囲を約0.5cmの幅の粘着テープが囲み、膏体と粘着
テープの粘着面をライナーがカバーしている製剤が調製
される。
【0041】実施例6.ゼラチン4.5部、カオリン5
部、極限粘度0.98g/dlのポリアクリル酸ナトリ
ウム3.5部、40%溶液の粘度が1万cps のポリ
アクリル酸16部、グリセリン12部、硫酸アルミニウ
ム0.3部、カリミョウバン0.1部、及び水35部を
練合釜中65〜75℃に加温しながら練合し、これに5
w/w%濃度のトリニトログリセリン乳糖吸着体16.
7部を練合しながら添加し、練合物のpHをポリアクリ
ル酸の適量で約4.5に調整し更に全量が100部にな
るように水を追加して練合を続けた後に、厚さ100μ
mの不織布上に100mg/cm2 の量で展延し冷却す
る。固化成形後これを6cm2 の面積に切断し、不織布
側を11.9cm2 の面積の粘着テープ(厚さ20μm
のポリエチレンフィルムにアクリル酸エステルを展延し
たもの)の粘着面の真ん中に貼り付け、上から11.9
cm2 の面積のポリエステルフィルム(厚さ35μm、
ライナー)で被覆する。以上により、6cm2 の面積で
5mgのトリニトログリセリンを含みpHが約4.5の
ヒドロゲル膏体の周囲を約0.5cmの幅の粘着テープ
が囲み、膏体と粘着テープの粘着面をライナーがカバー
している製剤が調製される。
【0042】実施例7.ゼラチン5部、極限粘度0.9
8g/dlのポリアクリル酸ナトリウム4部、40%溶
液の粘度が1万cpsのポリアクリル酸18部、グリセ
リン14部、硫酸アルミニウム0.3部、カリミョウバ
ン0.1部、及び水30部を練合釜中65〜75℃に加
温しながら練合し、練合物のpHを0.1Nの塩酸の適
量で約4.5に調整し更に全量が83.3部になるよう
に水を追加して練合を続けた後に、厚さ100μmの不
織布上に100mg/cm2 の量で展延し冷却する。固
化成形後これを6cm2 の面積に切断し、不織布側を1
1.9cm2 の面積の粘着テープ(厚さ20μmのポリ
エチレンフィルムにアクリル酸エステルを展延したも
の)の粘着面の真ん中に貼り付け、更に膏体面上に、5
w/w%濃度のトリニトログリセリンのエタノール溶液
16.7部を塗布し、上から11.9cm2 の面積のポ
リエステルフィルム(厚さ20μm、ライナー)で覆っ
て室温で48時間放置熟成する。以上により、6cm2
の面積で5mgのトリニトログリセリンを含みpHが約
4.5のヒドロゲル膏体の周囲を約 0.5cmの幅の
粘着テープが囲み、膏体と粘着テープの粘着面をライナ
ーがカバーしている製剤が調製される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 9/10 103 A61P 9/10 103 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/21 A61K 9/70 A61K 47/02 A61K 47/32 A61K 47/42 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類、ポ
    リ(メタ)アクリル酸又はその金属塩類及び水を含有す
    ることを特徴とするヒドロゲル膏体
  2. 【請求項2】ヒドロゲル膏体のpHが3〜6.5である
    請求項1のヒドロゲル膏体
  3. 【請求項3】ゼラチンを含む請求項1のヒドロゲル膏体
  4. 【請求項4】ヒドロゲル膏体におけるポリ(メタ)アク
    リル酸又はその金属塩類の割合が親水性高分子の全体に
    対して40w/w%以上である請求項1のヒドロゲル膏
  5. 【請求項5】トリニトログリセリン、ゼラチン、ポリア
    クリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸及び水を含有する
    請求項1のヒドロゲル膏体
  6. 【請求項6】硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類の溶
    媒を含有する請求項1のヒドロゲル膏体
  7. 【請求項7】ポリ(メタ)アクリル酸及び又はその金属
    塩類の膏体全体に対する割合が5〜50w/w%の範囲
    である、請求項1のヒドロゲル膏体
  8. 【請求項8】硝酸エステル類又は亜硝酸エステル類、ゼ
    ラチン、ポリ(メタ)アクリル酸及びその金属塩、保湿
    剤、架橋剤、水を含有する請求項1のヒドロゲル膏体
  9. 【請求項9】膏体全体に対する各成分の割合が硝酸エス
    テル類又は亜硝酸エステル類が0.3〜20w/w%、
    ポリ(メタ)アクリル酸又はその金属塩が5〜50w/
    w%、水が10〜70w/w%である請求項1のヒドロ
    ゲル膏体
  10. 【請求項10】トリニトログリセリン、ゼラチン、ポリ
    アクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、低級アルコー
    ル、グリセリン、硫酸アルミ、カリミョウバン及び水を
    含有する請求項1のヒドロゲル膏体
  11. 【請求項11】膏体全体に対する各成分の割合が、硝酸
    エステル類又は亜硝酸エステル類が、0.1〜20w/
    w%、ゼラチンが0.1〜15w/w%、ポリ(メタ)
    アクリル酸及びその金属塩5〜50w/w%、保湿剤が
    5〜20w/w%、架橋剤が0.05〜1.0w/w
    %、水が10〜70w/w%である請求項1のヒドロゲ
    ル膏体
  12. 【請求項12】ポリ(メタ)アクリル酸1重量部に対し
    て、ポリ(メタ)アクリル酸金属塩を2〜15重量部併
    用する請求項5又は10のヒドロゲル膏体
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