WO2005090365A1 - 有機シラン化合物、その製造方法及びその用途 - Google Patents

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Abstract

 一般式(a);   (T)k−SiX1X2X3     (a) (式中、Tは5員環及び/又は6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数2~10の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である;kは1~10の整数である;X1~X3は、そのうち少なくとも1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有機シラン化合物。

Description

明 細 書
有機シラン化合物、その製造方法及びその用途
技術分野
[0001] 本発明は、有機シランィ匕合物、その製造方法及びその用途に関する。更に詳しく は、電気材料として有用で、かつ導電性又は半導電性を有する新規な有機シランィ匕 合物、その製造方法及びその用途に関する。
背景技術
[0002] 近年、無機材料の半導体に対し、製造が簡単で加工しやすぐデバイスの大型化 にも対応でき、かつ量産によるコスト低下が見込め、無機材料よりも多様な機能を有 した有機化合物を合成できることから、有機化合物の半導体 (有機半導体)が着目さ れている。そのため有機半導体の材料と共に、それを用いた電子デバイス (例えば、 有機薄膜トランジスタ (有機 TFT)、有機エレクト口ルミネッセンス素子 (有機 EL素子) )の研究開発が行われている。従来、電子デバイスの半導体層は主に蒸着法により 形成されていたことより、材料開発は主に π電子共役系の骨格を有する化合物に注 力されており、その代表例がペンタセンである。一方、蒸着法により形成した半導体 層はプロセスが煩雑であることあるいは膜強度が小さ!/、こと等の課題を有して!/、ること から、基板との強い相互作用を有する薄膜を形成しうる有機材料の開発が求められ ている。
[0003] このような有機薄膜の形成方法としては、近年自己組織化を利用する方法が着目 されるようになり、それに伴って自己組織ィ匕能力を有する材料の開発もされるようにな つた。なかでも、耐久性が高い点で、ケィ素系化合物膜が注目されており、その代表 的な開発としては撥水効果の高 、アルキル基や、フッ化アルキル基を官能基として 有するシランカップリング剤あるいは、分子の末端に官能基としてチォフェン環を 1つ 有し、チオフ ン環が直鎖炭化水素基を介してケィ素原子と結合したィ匕合物が提案 されている(例えば、特許文献 1)。
特許文献 1:特許第 2889768号公報
発明の開示 発明が解決しょうとする課題
[0004] しかしながら、上記有機化合物では十分な秩序性、電気伝導特性を有する有機薄 膜を得ることはできな力つた。
具体的には、電子デバイスが、有機 TFTの場合、以下の課題がある。すなわち、上 記有機化合物は、 Si— O— Siの 2次元ネットワークを形成することで基板と化学吸着し 、かつ、特定の長鎖アルキル同士の分子間相互作用による秩序性が得られる可能性 はある。しかし、電気伝導性の向上に寄与する π電子共役系分子がチォフェン環 1 つであるため、電気伝導性に不可欠な π電子共役系の広がりが非常に小さい。従つ て、上記有機化合物を半導体層として有機薄膜トランジスタに使用しても、十分なキ ャリア移動度が得られな 、と 、う課題が存在して 、た。
[0005] また、有機 ELの場合、以下の課題がある。すなわち、ホールあるいは電子の注入 効率の向上に寄与する π電子共役系分子がチォフェン環 1つであるため、ホールあ るいは電子の移動度が小さい。従って、上記有機化合物を有機層として有機 EL素 子に使用しても、十分低い駆動電圧にて発光を起こすことが困難であるという課題が 存在していた。
課題を解決するための手段
[0006] 上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、有機 TFTや有機 EL素子のような電 子デバイスに適応可能な薄膜を作製するには、 Si— Ο— Siの 2次元ネットワークを形 成して、基板と強固に化学結合が可能であると同時に、その薄膜の秩序性 (結晶性) は Si— O— Siの 2次元ネットワーク上に形成した縮合多環式炭化水素化合物に由来 する有機基( π電子共役系分子)の相互作用すなわち分子間力によって制御が可能 であることを見いだし、新規な有機基を含む有機シラン化合物を見い出すに至った。
[0007] 力べして本発明によれば、一般式 (a);
(T) -SiX'x'x3 (a)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シラン化合物が提供される。
[0008] また、本発明によれば、一般式 (b);
(T)— MgL1 (b)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; L 1はハロゲン原子である)で表される化合物と、一般式 (c);
L -Six'x'x3 (c)
(式中、 L2は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数 1一 4のアルコキシ基である; X1— X 3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン 原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される化合物とを グリニャール反応させて
一般式 (a) ;
(T) -SiX
k 'x'x3 (a)
(式中、 T、 k、 x1— x3は上記と同一)で表される有機シランィ匕合物を得る有機シラン 化合物の製造方法が提供される。
[0009] 更に、本発明によれば、一般式 (a);
(T)
k -Six'x'x3 (a)
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜である機 能性有機薄膜が提供される。
[0010] また、本発明によれば、一般式 (a);
(T) -SiX
k 'x'x3 (a)
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物をィ匕学結合法に付すことで、シロキサン結合を介して基板に結合す る機能性有機薄膜を製造する方法が提供される。
[0011] 更に、本発明によれば、基板と、一般式 (a);
(T)
k -SiX'x'x3 (a)
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して基板に結合させた機能性有機薄 膜と、該機能性有機薄膜の一表面にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、 前記ゲート電極の両側であって、前記機能性有機薄膜の一表面又は他表面に接触 して形成されたソース Zドレイン電極とを備えた有機薄膜トランジスタが提供される。
[0012] また、本発明によれば、基板上に、直接に又は間接に一般式 (a);
(T) -Six'x'x3 (a)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して基板に結合する機能性有機薄膜 を形成する工程 (A)と、前記基板上に、間接に又は直接にゲート電極を形成するェ 程 (B)と、前記機能性有機薄膜の一表面側又は他表面側にソース電極'ドレイン電 極を形成する工程 (C)と、前記ゲート電極と前記ソース電極'ドレイン電極との間にゲ ート絶縁膜を形成する工程 (D)とを含む有機薄膜トランジスタの製造方法が提供さ れる。
[0013] 更に、本発明によれば、陽極と陰極との間に 1又はそれ以上の有機薄膜を有し、少 なくとも 1の有機薄膜が、一般式 (a);
(T) -Six'x'x3 (a) (式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して陽極、陰極又は他の有機薄膜に 結合させた機能性有機薄膜である有機エレクト口ルミネッセンス素子が提供される。 発明の効果
[0014] 本発明の有機シラン化合物は、シリル基に由来する自己組織ィ匕能力を有している ため、溶液法によって、非常に高い安定性を有する有機薄膜を構成することができる
[0015] また、本発明の有機シランィ匕合物は、有機シラン化合物間で Si— O— Siの 2次元ネ ットワークを形成できる。更に、このネットワークを介して有機シラン化合物を基板に化 学結合できるので、非常に高い安定性及び耐久性を有する有機薄膜が得られる。従 つて、得られた有機薄膜は、基板に物理吸着により作製した膜と比較して、基板表面 に強固に吸着しているので、物理的な剥がれを防止できる。
[0016] 有機シランィ匕合物が、疎水性の機能性基を有する場合、非水系溶媒に比較的高 い溶解性を持つ。従って、例えば有機薄膜を形成する場合に、比較的簡便な手法で ある溶液法を適用できる。疎水基が直鎖炭化水素基の場合、非水系溶媒への溶解 性をより大きくできる。
[0017] 更に、本発明の有機シランィ匕合物は、縮合多環式炭化水素化合物に由来する有 機基( π電子共役系分子)を含有しているため、有機薄膜としたときに高い導電性を 付与することができる。従って、有機 TFT材料や有機 EL素子材料のみならず、太陽 電池、燃料電池、センサー等の有機デバイスにおいて、本発明の有機シラン化合物 は非常に有用である。
[0018] 本発明の有機 EL素子は、該素子を構成する少なくとも 1つの有機薄膜が、上記有 機シラン化合物に由来する化学結合を介して陽極、陰極又は他の有機薄膜と結合し た構成を有している。そのため、有機シランィ匕合物からなる有機薄膜の耐久性を向 上できる。また、有機シランィ匕合物からなる有機薄膜と、該層と隣接する他の層との 界面でのホールあるいは電子の注入を効率的に行うことができる。また、有機薄膜に 縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基を含むため、ホールあるいは電子の 移動度が大きい。よって、本発明の有機 EL素子は比較的小さな駆動電圧にて発光 を起こすことができる。
[0019] 本発明の有機 EL素子の発光層が、ァセン骨格を有する有機シラン化合物に由来 する場合、有機 EL素子は、この発光層と、発光層を挟む一対の電極とからなる 1層 型の素子とすることができる。また、ァセン骨格を有する有機シラン化合物に電子吸 引性基あるいは電子供与性基を導入することで、前者から正孔輸送層を、後者から 電子輸送層を得ることができる。これら正孔輸送層及び電子輸送層と、上記発光層 を、一対の電極で挟むことで、多層型の有機 EL素子を得ることができる。ァセン骨格 以外の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基でも同様の有機 EL素子を得 ることがでさる。
[0020] なお、本発明の有機シランィ匕合物は、縮合多環式炭化水素化合物に由来する有 機基とケィ素原子とを有し、それらが直接結合しているのでィ匕合物自体が電子吸引 効果を有する。そのため、有機シランィ匕合物は、特に電子輸送層として使用したとき に、電子移動特性が特に優れ、より低駆動電圧で高発光効率の有機 EL素子を実現 できる。
[0021] また、より高い発光性、電子輸送性又は正孔輸送性を有機薄膜に付与するには、 該膜が非晶質であることが好ましい。この点を考慮すると、本発明の有機シランィ匕合 物の中でも、縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基の長軸方向以外の位置 にも機能性基を有する有機シランィ匕合物を、有機 EL素子に使用することが好ま 、 。これは機能性基の立体障害力 隣接分子間距離が大きくなるため、隣接分子間の 分子間相互作用を小さくできる。
[0022] 更に、このような正孔あるいは電子輸送性に優れた有機薄膜は、有機 EL素子のみ ならず、太陽電池やセンサー等のデバイスに広く応用することが可能である。
[0023] 本発明では、上記有機シランィ匕合物に由来する半導体層を有する有機薄膜トラン ジスタが提供できる。本発明の有機薄膜トランジスタは、有機シラン化合物に由来す る半導体層を有しているため、高い電荷移動度を有している。また、隣接する縮合多 環式炭化水素化合物に由来する有機基同士が直接結合していないため、リーク電 流を小さく抑えることができる。
[0024] また、より高い導電性を半導体層に付与するには、半導体層が結晶性を有すること が好ましい。本発明では、縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基の長軸に 沿った方向に機能性基を有する有機シラン化合物を使用することにより、半導体層 の結晶性を向上でき、その結果、より高い導電性を半導体層に付与することができる 。加えて、有機基を構成する縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基の分子 平面と垂直な方向へのホッピング伝導も向上し、この方向でのキャリアの移動もスム ーズに行われる。
このような結晶性の向上した半導体層は、有機 TFTのみならず、太陽電池、燃料 電池、センサー等のデバイスに広く応用することが可能である。
図面の簡単な説明
[0025] [図 1]本発明の有機 EL素子の一例を示す概略構成図である。
[図 2]本発明の有機 EL素子に使用される有機シランィ匕合物含有層の分子レベルの 概念図である。
[図 3]本発明の有機 EL素子に使用される有機シランィ匕合物含有層の分子レベルの 概念図である。
[図 4]本発明の有機シランィ匕合物を用いた薄膜の分子レベルの概略図である。
[図 5]本発明の別の有機シランィ匕合物を用いた薄膜の分子レベルの概略図である。
[図 6]図 5を別の視点力も見たときの分子レベルの概略図である。
[図 7]本発明の有機シランィ匕合物を用いた有機 TFTの分子レベルの概略図である。
[図 8]実施例 15—3における有機 TFTの特性図である。
[図 9]実施例 15-4における有機 TFTの特性図である。
[図 10]実施例 15—5における有機 TFTの特性図である。
[図 11]実施例 15-6における有機 TFTの特性図である。
符号の説明
[0026] 1:陽極、 2:正孔輸送層、 3:発光層、 4:電子輸送層、 5:陰極、 6: 21: 24:基板、 10: 20 :有機薄膜、 11 : 14 :被形成層、 12 : 15 : 23 : 31 :有機基、 13 : 16 :機能性基、 22 :30:ネットワーク、 25:ゲート電極、 26:ゲート絶縁膜、 27:ソース電極、 28:ドレイン 電極、 29:有機半導体層、 32:直鎖炭化水素基
発明を実施するための最良の形態
[0027] (有機シラン化合物)
本発明の有機シラン化合物は、一般式 (a);
(T) -Six'x'x3 (a)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される。
[0028] 式 (a)中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合多環 式炭化水素化合物に由来する π電子共役系の有機基であり、すなわち当該縮合多 環式炭化水素化合物のいずれかの環構成原子から 1個又は 2個以上の水素原子を 除 、てなる残基である。 π電子共役とは、化合物が有する σ結合及び π結合に基づ Vヽて、 π結合をつ力さどる π電子が非局在化することを意味する。
[0029] そのような縮合多環式炭化水素化合物を構成する 5員環及び 6員環の単環式炭化 水素として以下に示す環が挙げられる。
[0030] [化 1]
Figure imgf000009_0001
[0031] 縮合多環式炭化水素化合物を構成する縮合環 (単環式炭化水素)の合計数は 2— 12であり、 2— 10が好ましぐ収率を考慮すると 2— 5がより好ましい。
[0032] 縮合多環式炭化水素化合物は、 π電子共役系分子を形成するものであれば特に 制限されず、導電性の観点力ゝらは対称性、特に線対称性を有するものが好ましい。 そのような好ま 、化合物の具体例として、例えば一直線縮合環系のァセン (一 acen e)骨格、翼状縮合環系のァフ ン (一 aphene)骨格、 2個の同じ環が並んだ縮合環 系のアレン (一 alene)骨格、 1個の環を中心にベンゼン環が集中した縮合環系のフエ 二レン (一 phenylene)骨格、五員環の両側に六員環が縮合したフルオレン骨格を有 する化合物がある。
[0033] ァセン骨格の好まし 、具体例としては、ナフタレン、アントラセン、テトラセン (ナフタ セン)、ペンタセン、へキサセン、ヘプタセン、ォクタセン等が挙げられる。ァフェン骨 格の好ましい具体例としては、フエナントレン、タリセン、テトラフェン、ペンタフェン、 へキサフェン、ヘプタフェン、ォクタフェン等が挙げられる。フエ-レン骨格の好ましい 具体例としては、フエナレン、ペリレン、フルオランテン、コロネン、ォバレン等が挙げ られる。フルオレン骨格の好ましい具体例としては、フルオレン、ジベンゾフラン、ジ ベンゾチォフェン、力ルバゾール等が挙げられる。
[0034] 上記骨格の内、キャリア移動度を考慮すると、特にベンゼン環が直線状に結合され てなるァセン骨格あるいはフエ-レン骨格が好まし 、。ァセン骨格の具体例としては 例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン(ナフタセン)、ペンタセン、へキサセン、 ヘプタセン、ォクタセン等が挙げられる。また、フエ-レン骨格としては例えばフエナレ ン、ペリレン、コロネン、ォバレン等が挙げられる。
[0035] 有機基 Tを誘導し得る縮合多環式炭化水素化合物として以下の一般式 (I)一 (IX) で表される化合物が挙げられる。すなわち、有機基 Tはそれぞれ独立して、そのよう な化合物からなる群から選択される縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基 であればよい。
[0036] [化 2]
Figure imgf000011_0001
[0037] 式 (I)中、 n1は 0— 10、好ましくは 0— 8、より好ましくは 0— 4の整数である。
[0038] 式 (Π)中、 n2及び n3はそれぞれ、それらの和が 1一 9、好ましくは 2— 6となるような 0 以上の整数である。 n2及び n3はそれぞれ、上記一般式において左下方向及び右下 方向に伸びる縮合ベンゼン環の数を示す。
[0039] 式 (ΠΙ)中、 n4及び n5はそれぞれ、それらの和が 2— 9、好ましくは 2— 6となるような 1 以上の整数である。 n4及び n5はそれぞれ、上記一般式において左下方向及び右下 方向に伸びる縮合ベンゼン環の数を示す。
[0040] 式 (IV)中、 n6は 0— 7、好ましくは 2— 6の整数である。 n6は、上記一般式において 右方向に伸びる縮合ベンゼン環の数を示す。
[0041] 式 (X)中、 Yは炭素、窒素、酸素、硫黄原子より選択される原子、又はこれら原子の
V、ずれかを含む有機残基であることが好ま 、。
[0042] 一般式 (I)で表される縮合多環式炭化水素化合物の具体例として、例えば、以下 に示す化合物が挙げられる。 [化 3]
(ト
(丄
Figure imgf000012_0001
一般式 (Π)で表される縮合多環式炭化水素化合物の具体例として、例えば、以下 に示す化合物が挙げられる。
Figure imgf000013_0001
S9l700/S00Zdf/X3d ZY S9C060/S00Z OAV
Figure imgf000014_0001
[S^>] [9濯] S9^00/S00Zdf/X3d S9£060/S00Z OAV 化 6]
Figure imgf000015_0001
一般式 (ΠΙ)で表される縮合多環式炭化水素化合物の具体例として、例えば、以下 に示す化合物が挙げられる。
[0049] [化 7]
Figure imgf000016_0001
Figure imgf000016_0002
[ィ匕 8]
Figure imgf000017_0001
一般式 (IV)で表される縮合多環式炭化水素化合物の具体例として、例えば、以下 に示す化合物が挙げられる。 [0052] [化 9]
Figure imgf000018_0001
[0053] 式 (a)中、 kは、 2以上の場合、単結合によって結合される有機基 Tの数を示すもの である。 kは、 1以上の整数であれば特に制限されるものではないが、収率を考慮す ると 1一 10、特に 1一 5の整数が好ましい。
[0054] kが 2以上の場合、縮合多環式炭化水素化合物を 2価の有機基 Tに誘導すべく除 かれる 2個の水素原子の位置、すなわち有機基 Tにおける他の基との結合位置は特 に制限されるものではないが、例えば、化合物分子が略線状の場合は該分子の両端 であることが好ましい。また例えば、化合物分子が線対称性を有する場合には、 2つ の結合位置を結んだ線が線対称性の基準となる中心線の中点を通るような結合位置 であることが好ましい。また例えば、化合物分子が点対称性を有する場合には、 2つ の結合位置を結んだ線が点対称性の基準となる中心点を通るような結合位置である ことが好ましい。
[0055] 全ての有機基 Tは同一であってもよいし、又は一部又は全部が異なっていてもよい 本発明において、有機基 Tは一般式 (I)一 (V)で表される化合物に由来する基で あることが好ましい。
[0056] 式 (a)中、シリル基が有する X1— X3の基のうち少なくとも 1個の基は加水分解により 水酸基を与える基もしくはハロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することの な!ヽ基である。このようにシリル基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲ ン原子を 1個以上有するため、化合物と当該化合物を含有する層が形成される層と の強固な結合 (化学結合)が得られ、得られた層の耐久性を向上できる。
[0057] 加水分解により水酸基を与える基としては、例えば、炭素数 1一 4、好ましくは 1一 3 、特に 1一 2のアルコキシ基が挙げられ、直鎖状のものが好ましい。具体例として、例 えば、メトキシ基、エトキシ基、 n プロポキシ基、 2—プロポキシ基、 n ブトキシ基、 sec ブトキシ基、 tert ブトキシ基等が挙げられる。アルコキシ基は一部の水素が更に別 の置換基、例えば、トリアルキルシリル基 (アルキル基は炭素数 1一 4)、アルコキシ基 (炭素数 1一 4)等で置換されて 、てもよ 、。
[0058] ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が 挙げられるが、反応性を考慮すると、好ましくは塩素原子である。
[0059] シリル基が加水分解により水酸基を与える基を 2以上有する場合、それらの基は一 部又は全部が同一でも異なって 、てもよ 、。
[0060] シリル基が有し得る隣接分子と反応することのな!/、基としては、例えば、置換又は 無置換のアルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、ジァリールアミノ基、もしくはジ 又はトリアリールアルキル基等が挙げられる。好ましくは置換又は無置換のアルキル 基である。隣接分子と反応することのない基は、有機 EL素子に使用する場合、分子 間相互作用を低減する観点から、上記加水分解により水酸基を与える基と有機シラ ン化合物を含有する層が表面に形成される層との結合を阻害しな 、範囲内で分子 体積が比較的大きいものが好ましぐより好ましくは放射状に広がったものである。隣 接分子間の分子間相互作用を低減すると、有機薄膜としたときに非晶質となり、有機 EL素子の発光効率が更に向上するためである。
[0061] アルキル基は炭素数 1一 10、特に 1一 4のものが好ましぐ分枝状のものがより好ま しい。具体的には、メチル基、ェチル基、 n プロピル基及び sec プロピル基、 n—ブ チル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォ クチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。炭素数 1一 4までのアルキル基として はメチル基、ェチル基、 n -プロピル基及び sec -プロピル基、 n -ブチル基、 sec -ブ チル基、 tert—ブチル基が挙げられる。
[0062] シクロアルキル基は炭素数 4一 8、特に 5— 7のものが好ましぐ具体例としてシクロ ペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基が挙げられる。
[0063] ァリール基は、炭素数 5— 18、特に炭素数 6の芳香族環が 1個から 3個にて構成さ れた基であることが好ましい。ヘテロ原子として、硫黄原子が含まれていてもよい。ま たァリール基は少なくとも 1個の炭素数 1一 4のアルキル基を o—位、 m—位又は p—位 のいずれかに有していてもよい。炭素数 1一 4のアルキル基としてはメチル基、ェチル 基、プロピル基、 sec -プロピル基、ブチル基、 sec -ブチル基、 tert -ブチル基が挙げ られる。ァリール基の具体例として、例えば、フエ-ル基、ビフエ-リル基、ナフチル基 、テノレフエ-リノレ(terphenylyl)、 p—(tert—ブチノレ)フエ-ノレ基、 m—ジェチノレフエ- ル基、 p—プロピルビフエ-リル基等が挙げられる。テルフエ-リルはテルフエ-ルから 水素 1原子を除いた残基である。
[0064] ジァリールアミノ基は、 2個の水素原子がァリール基で置換されてなるアミノ基であり 、含まれるァリール基は上記と同様である。ジァリールァミノ基の具体例として、例え ば、 N, N—ジフエ-ルァミノ基、 N, N—ジ(ビフエ-リル)アミノ基、 N, N—ジ(テルフエ -リル)アミノ基、 N—フエ-ル N—ビフエ-リルアミノ基、 N—フエ-ル N—テルフエ-リル アミノ基、 N—ビフエ-リル N—テルフエ-リルアミノ基、 N, N—ジナフチルァミノ基、 N— フエ-ル N—ナフチルァミノ基、 N—ビフエ-リル N—ナフチルァミノ基、 N—テルフエ-リ ル N—ナフチルァミノ基、 N—メチルフエ-ルー N—ビフエ-リルアミノ基、 N—メチルフエ -ルー N—ナフチルァミノ基、 N—メチルフエ-ルー N—フエ-ルァミノ基、 N, N—ジ(メチ ルフエニル)アミノ基等が挙げられる。
[0065] ジ又はトリアリールアルキル基は、 2又は 3個の水素原子がァリール基で置換されて なる炭素数 1一 4の直鎖アルキル基が好ましぐ含まれるァリール基は上記と同様で ある。炭素数 1一 4の直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、ェチル基、 n—プロ ピル、 n—ブチル基が挙げられ、これらの基のいずれの部位にァリール基を有してい てもよいが、立体効果を考慮すると末端に有することが好ましい。ジァリールアルキル 基の具体例として、例えば、ジフエ二ルメチル基、ジ (ビフエ-リル)メチル基、ジ (テル フエ-リル)メチル基、フエ-ルビフエ-リルメチル基、フエ-ルテルフエ-リルメチル基 、ビフエ-リルテルフエ-リルメチル基、ジナフチルメチル基、フエ-ルナフチルメチル 基、ビフヱ-リルナフチルメチル基、テルフエ-リルナフチルメチル基、メチルフエ-ル ービフエ-リルメチル基、メチルフエ-ルーナフチルメチル基、メチルフエ-ルーフエ- ルメチル基、ジ(メチルフエ-ル)メチル基、ジフエ-ルェチル基、ジ(ビフエ-リル)ェ チル基、ジ(テルフエ-リル)ェチル基、フエ-ルビフエ-リルェチル基、フエ-ルテル フエ-リルェチル基、ビフエ-リルテルフエ-リルェチル基、ジナフチルェチル基、フ ェ-ルナフチルェチル基、ビフヱ-リルナフチルェチル基、テルフエ-リルナフチル ェチル基、メチルフエ-ルービフエ-リルェチル基、メチルフエ-ルーナフチルェチル 基、メチルフエ-ルーフエ-ルェチル基、ジ(メチルフエ-ル)ェチル基、ジフエ-ルプ 口ピル基、ジ(ビフヱ-リル)プロピル基、ジ(テルフエ-リル)プロピル基、フエ-ルビフ ェ-リルプロピル基、フエ-ルテルフエ-リルプロピル基、ビフヱ-リルテルフエ-リル プロピル基、ジナフチルプロピル基、フエ-ルナフチルプロピル基、ビフヱ-リルナフ チルプロピル基、テルフエ-リルナフチルプロピル基、メチルフエ-ルービフエ-リルプ 口ピル基、メチルフエ-ルーナフチルプロピル基、メチルフエ-ルーフエ-ルプロピル 基、ジ(メチルフエ-ル)プロピル基、ジフエ-ルブチル基、ジ(ビフエ-リル)ブチル基 、ジ(テルフエ-リル)ブチル基、フエ-ルビフエ-リルブチル基、フエ-ルテルフエ-リ ルブチル基、ビフエ-リルテルフエ-リルブチル基、ジナフチルブチル基、フエ-ルナ フチルブチル基、ビフ 二リルナフチルブチル基、テルフ 二リルナフチルブチル基 、メチルフエ-ルービフエ-リルブチル基、メチルフエ-ルーナフチルブチル基、メチル フエ-ルーフヱ-ルブチル基、ジ(メチルフエ-ル)ブチル基等が挙げられる。
トリアリールアルキル基の具体例としては、例えば、トリメチルメチル基、トリフエニル メチル基、トリ(ビフヱ-リル)メチル基、トリ(テルフエ-リル)メチル基、フエ-ルージ (ビ フエ-リル)メチル基、ジ(フエ-ル)テルフエ-リルメチル基、フエ-ルジ(テルフエ-リ ル)メチル基、トリナフチルメチル基、フエ-ルジ(ナフチル)メチル基、ジ(フエ-ル)ナ フチルメチル基、ジ(テルフエ-リル)ナフチルメチル基、メチルフエ-ルージ(フエ-ル )メチル基、メチルフエ-ルージ(ナフチル)メチル基、メチルフエ-ルージ(ビフエ-リル )メチル基、トリ(メチルフエ-ル)メチル基、トリフエ-ルェチル基、トリ(ビフエ-リル)ェ チル基、トリ(テルフエ-リル)ェチル基、フエ-ルージ(ビフエ-リル)ェチル基、ジ(フ ェ -ル)テルフエ-リルェチル基、フエ-ルジ(テルフエ-リル)ェチル基、トリナフチル ェチル基、フエ-ルジ(ナフチル)ェチル基、ジ(フエ-ル)ナフチルェチル基、ジ(テ ルフエ-リル)ナフチルェチル基、メチルフエ-ルージ(フエ-ル)ェチル基、メチルフ ェ-ルージ(ナフチル)ェチル基、メチルフエ-ルージ(ビフエ-リル)ェチル基、トリ(メ チルフエ-ル)ェチル基等が挙げられる。
シリル基が上記隣接分子と反応することのな!/、基を 2つ有する場合、それらの基は 同一でも異なって 、てもよ 、。
なお、 kが 2以上の場合の化合物の具体例を下記する。
[0068] [化 10]
Figure imgf000023_0001
[0069] 本発明の有機シラン化合物は機能性基を有して 、てもよ 、。機能性基には、有機 溶剤への溶解性を向上させる作用、有機薄膜を形成するときに分子間相互作用を低 減して非晶質膜が形成されるようにする作用、化合物の HOMOレベルの不安定ィ匕 あるいは LUMOレベルの安定ィ匕を達成する作用、及び有機薄膜を形成するときに 分子間相互作用を向上させて結晶質膜が形成されるようにする作用を担わせること ができる。
[0070] このとき、機能性基は、反応制御の観点から、隣接分子と反応することのな 、基で あることが好ましい。
(1)有機溶剤への溶解性を向上させる作用の観点力 は、機能性基は疎水性を有 することが好ましい。
(2)非晶質膜を形成する作用の観点力 は、機能性基は当該基の分子体積が大きく 、 π電子共役系分子の長軸方向以外の位置に結合して!/、るものが好ま 、。
(3)化合物の HOMOレベルの不安定化あるいは LUMOレベルの安定化を達成す る作用の観点からは、機能性基は、電子供与性あるいは電子吸引性を有する基であ ることが好ましい。
(4)結晶質膜を形成する作用の観点からは、有機基の長軸方向の位置に結合して いるものが好ましい。
[0071] (2)及び (3)は有機 EL素子の機能性基に望まれる要件であり、 (1)は有機 TFTに 望まれる要件である。
[0072] 機能性基は(1)一 (3)又は(1)と (4)の条件を満たして 、るものが最も好ま 、が、 機能性基は疎水性を有するものに制限されるものではない。機能性基が電子吸引性 を有する場合、当該電子吸引性基は親水性のものが多いが、そのような親水性を有 する電子吸引性基を機能性基として有する本発明の化合物 (電子輸送物質)であつ ても、有機溶剤に対する溶解性は十分に確保できるためである。
[0073] (1)の観点
非水系溶媒への溶解性向上や、分子の界面活性の向上のために導入される機能 性基 (疎水基)としては、例えばアルキル基、ォキシアルキル基、フルォロアルキル基 、フルォロ基等が挙げられる。それらは、複数個、分岐状に結合していてもよい。特に 、炭素数 1一 30の直鎖炭化水素基が好ましい。また、炭素数は 1一 30の範囲である ことが好ましぐ更には炭素数 1一 8が特に好ましい。また、炭素数 1一 5の範囲では、 分岐状の炭化水素であっても力まわない。具体的な直鎖炭化水素基としては、メチ ル基、ェチル基、(直鎖あるいは分岐状の)プロピル基、(直鎖あるいは分岐状の)ブ チル基、(直鎖あるいは分岐状の)ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル 基等が挙げられる。
なお、この観点における機能性基の有機基に対する結合位置は特に限定されない 。上記溶解性向上用の機能性基の数は、特に限定されず、非水系溶媒への溶解性 を考慮して適宜決定できる。具体的には、 1個又は 2個以上存在していてもよい。
[0074] (2)及び(3)の観点
機能性基としては、例えば、置換又は無置換の、アルキル基、不飽和非環式炭化 水素基、シクロアルキル基、ァリール基、アミノ基、アルコキシ基、二トリル基、ニトロ基 、エステル基、ォキシァリール基が挙げられる。これらの基には、エーテル結合、エス テル結合等を介して更に置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基が結合し ていてもよい。機能性基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子 (フッ素原子、塩素 原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、ァリール基が挙げられる。
[0075] 好まし 、機能性基の例としては、例えば、無置換のアルキル基、ハロゲンィ匕アルキ ル基、ジ又はトリアリールアルキル基、ォキシアルキル基、シクロアルキル基、ァリー ル基、ジァリールアミノ基、アルコキシ基、二トリル基、ニトロ基、エステル基等が挙げ られる。またこれらの機能性基のうち、アルキル基、ジ又はトリァリールアルキル基、ォ キシアルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、アルコキシ基等の電子供与性基を 有する有機シラン化合物は、例えば、有機 EL素子の電子輸送物質として有効に使 用され得る。また、ハロゲンィ匕アルキル基、二トリル基、ニトロ基、エステル基等の電子 吸引性基を有する有機シランィ匕合物は、例えば、有機 EL素子の正孔輸送物質とし て有効に使用され得る。有機シラン化合物が 2以上の機能性基を有する場合、導電 性の観点から、全ての機能性基は電子供与性基又は電子吸引性基の一方力 なる 群力も選択されることが好まし 、。分子体積の大きさの観点力もより好まし 、機能性 基としては、アルキル基、ジァリールアミノ基、又はジ又はトリァリールアルキル基であ る。また、機能性基の安定性を考慮すると、二トリル基もしくは-トロ基がより好ましい。
[0076] 無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、ェチル基、 n—又は sec—プロピル 基、 n—、 sec—又は tert—ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル 基、ノエル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、 ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシル基、ノナデシル基 、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタ コシル基、へキサコシル基、ヘプタコシル基、ォクタコシル基、ノナコシル基及びトリア コンチル基が挙げられる。
[0077] 置換アルキル基としては、ハロゲン原子が結合したハロゲン化アルキル基、ァリー ル基が二つ結合したジァリールアルキル基や、三つ結合したトリアリールアルキル基 が挙げられる。
[0078] ハロゲン化アルキル基は炭素数 1一 10、特に 1一 4のものが好ましぐ具体例として モノクロ口ェチル基、トリフルォロェチル基、トリクロ口ェチル基等が挙げられる。
[0079] ジァリールアルキル基の具体例として、例えば、ジフエ-ルメチル基、ジ(ビフエ-リ ル)メチル基、ジ(テルフエ-リル)メチル基、フエ-ルビフエ-リルメチル基、フエ-ル テルフエ-リルメチル基、ビフエ-リルテルフエ-リルメチル基、ジナフチルメチル基、 フエ-ルナフチルメチル基、ビフヱ-リルナフチルメチル基、テルフエ-リルナフチル メチル基、メチルフエ-ルービフエ-リルメチル基、メチルフエ-ルーナフチルメチル基 、メチルフエ-ルーフエ-ルメチル基、ジ(メチルフエ-ル)メチル基、ジフエ-ルェチ ル基、ジ(ビフヱ-リル)ェチル基、ジ(テルフエ-リル)ェチル基、フエ-ルビフエ-リ ルェチル基、フエ-ルテルフエ-リルェチル基、ビフヱ-リルテルフエ-リルェチル基 、ジナフチルェチル基、フエ-ルナフチルェチル基、ビフエ-リルナフチルェチル基 、テルフエ-リルナフチルェチル基、メチルフエ-ルービフエ-リルェチル基、メチルフ ェ-ルーナフチルェチル基、メチルフエ-ルーフエ-ルェチル基、ジ(メチルフエ-ル) ェチル基、ジフエ-ルプロピル基、ジ(ビフエ-リル)プロピル基、ジ(テルフエ-リル) プロピル基、フエ-ルビフエ-リルプロピル基、フエ-ルテルフエ-リルプロピル基、ビ フエ-リルテルフエ-リルプロピル基、ジナフチルプロピル基、フエ-ルナフチルプロ ピル基、ビフエ-リルナフチルプロピル基、テルフエ-リルナフチルプロピル基、メチ ルフエ-ルービフエ-リルプロピル基、メチルフエ-ルーナフチルプロピル基、メチルフ ェ-ルーフエ-ルプロピル基、ジ(メチルフエ-ル)プロピル基、ジフエ-ルブチル基、 ジ(ビフエ-リル)ブチル基、ジ(テルフエ-リル)ブチル基、フエ-ルビフエ-リルブチ ル基、フエ-ルテルフエ-リルブチル基、ビフヱ-リルテルフエ-リルブチル基、ジナ フチルブチル基、フ 二ルナフチルブチル基、ビフヱ二リルナフチルブチル基、テル フエ-リルナフチルブチル基、メチルフエ-ルービフヱ-リルブチル基、メチルフエ- ルーナフチルブチル基、メチルフヱ-ルーフヱ-ルブチル基、ジ(メチルフヱ-ル)ブチ ル基等が挙げられる。
[0080] トリアリールアルキル基の具体例としては、例えば、トリメチルメチル基、トリフエニル メチル基、トリ(ビフヱ-リル)メチル基、トリ(テルフエ-リル)メチル基、フエ-ルージ (ビ フエ-リル)メチル基、ジ(フエ-ル)テルフエ-リルメチル基、フエ-ルジ(テルフエ-リ ル)メチル基、トリナフチルメチル基、フエ-ルジ(ナフチル)メチル基、ジ(フエ-ル)ナ フチルメチル基、ジ(テルフエ-リル)ナフチルメチル基、メチルフエ-ルージ(フエ-ル )メチル基、メチルフエ-ルージ(ナフチル)メチル基、メチルフエ-ルージ(ビフエ-リル )メチル基、トリ(メチルフエ-ル)メチル基、トリフエ-ルェチル基、トリ(ビフエ-リル)ェ チル基、トリ(テルフエ-リル)ェチル基、フエ-ルージ(ビフエ-リル)ェチル基、ジ(フ ェ -ル)テルフエ-リルェチル基、フエ-ルジ(テルフエ-リル)ェチル基、トリナフチル ェチル基、フエ-ルジ(ナフチル)ェチル基、ジ(フエ-ル)ナフチルェチル基、ジ(テ ルフエ-リル)ナフチルェチル基、メチルフエ-ルージ(フエ-ル)ェチル基、メチルフ ェ-ルージ(ナフチル)ェチル基、メチルフエ-ルージ(ビフエ-リル)ェチル基、トリ(メ チルフエ-ル)ェチル基等が挙げられる。
[0081] 不飽和非環式炭化水素基としては、上記置換又は無置換のアルキル基の炭素 炭 素結合のいずれかが不飽和である化合物が挙げられる。
[0082] 無置換のシクロアルキル基は炭素数 4一 8、特に 5— 7のものが好ましぐ具体例とし てシクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基が挙げられる。置換シクロ アルキル基は、無置換のシクロアルキル基の任意の位置に、ハロゲン原子、アルキル 基、ァリール基等が結合した基が挙げられる。
[0083] 無置換のァリール基は、炭素数 5— 18、特に炭素数 6の芳香族環が 1個から 3個に て構成された基であることが好ましい。ヘテロ原子として、硫黄原子が含まれていても よい。また、置換ァリール基は、少なくとも 1個の炭素数 1一 4のアルキル基を o—位、 m—位又は p—位の!/、ずれかに有して!/、てもよ!/、。炭素数 1一 4のアルキル基としては メチル基、ェチル基、プロピル基、 sec -プロピル基、ブチル基、 sec -ブチル基、 tert ブチル基が挙げられる。ァリール基の具体例として、例えば、フエニル基、ビフエ-リ ル基、ナフチル基、テルフエ-リル等の無置換のァリール基、 p— (tert—ブチル)フエ -ル基、 m—ジェチルフエ-ル基、 p プロピルビフエ-リル基等の置換ァリール基が 挙げられる。
[0084] アミノ基としては、無置換のアミノ基以外に、例えば、 N, N—ジフヱ-ルァミノ基、 N , N—ジ(ビフエ-リル)アミノ基、 N, N—ジ(テルフエ-リル)アミノ基、 N フエ-ル N— ビフエ-リルアミノ基、 N フエ-ル N テルフエ-リルアミノ基、 N—ビフエ-リル N—テ ルフエ-リルアミノ基、 N, N—ジナフチルァミノ基、 N フエ-ル N ナフチルァミノ基、 N—ビフエ-リル N ナフチルァミノ基、 N テルフエ-リル N ナフチルァミノ基、 N—メ チルフエ-ルー N—ビフエ-リルアミノ基、 N メチルフエ-ルー N ナフチルァミノ基、 N メチルフエ-ルー N フエ-ルァミノ基、 N, N—ジ(メチルフエ-ル)アミノ基等の置換 ァミノ基が挙げられる。
[0085] アルコキシ基は炭素数 1一 6、特に 3— 4のものが好ましぐ直鎖状又は分枝状いず れのものでもよいが、より好ましくは分枝状のものである。好ましい具体例として 2—プ 口ピルォキシ基、 sec ブチルォキシ基、 tert ブチルォキシ基等が挙げられる。
[0086] エステル基は— COOR'あるいは— OCOR' (R'はアルキル基又はァリール基であり 、それらはそれぞれ「隣接分子と反応することのない基」としてのアルキル基又はァリ ール基と同様である)で表される基である。具体例として、例えば、 COOCH C
3
OOCH CH、 -COO (CH ) CH COOCH (CH ) COO (CH ) CH CO
2 3 2 2 3 3 2 2 3 3
OCH (CH ) CH CH、— COOC (CH )、— COOPh
3 2 3 3 3 、—COO (Ph)
2、—COO (Ph)
3 OCOCH OCOCH CH OCO (CH ) CH OCOCH (CH ) OCO (
3 2 3 2 2 3 3 2
CH ) CH、 -OCOCH (CH ) CH CH OCOC (CH ) OCOPh OCO (P
2 3 3 3 2 3 3 3
h) OCO (Ph) (Phはフ -ル基)等が挙げられる。
2 3
[0087] ォキシァリール基は、水酸基の水素原子がァリール基で置換されてなる基であり、 含まれるァリール基は、上記と同様である。ォキシァリール基の具体例として、例えば 、フエ-ルォキシ基、ビフエ-リルォキシ基、ナフチルォキシ基等が挙げられる。
[0088] 具体的な機能性基で置換された縮合多環式炭化水素化合物としては、例えば
アルキル,シクロアルキル,ァリール又はアミノナフタレン、
アルキル,シクロアルキル,ァリール又はアミノアントラセン、
アルキル,シクロアルキル,ァリール又はアミノテトラセン、
アルキル,シクロアルキル,ァリール又はアミノペンタセン、 アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はァミノへキサセン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はァミノへプタセン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノォクタセン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノアセナフテン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノフエナレン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノペリレン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノフルオランテン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノコロネン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノォバレン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノフルオレン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノジベンゾフラン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノジベンゾチォフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノカルバゾール、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノフエナントレン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノクリセン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノテトラフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノペンタフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はァミノへキサフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はァミノへプタフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリ -ル又はアミノォクタフェン等が挙げられる。
[0089] なお、この観点における機能性基の縮合多環式炭化水素化合物に対する結合位 置は、この化合物の長軸方向以外の位置であることが好ましい。また、機能性基が、 長軸方向以外の位置に結合して 、さえすれば、長軸方向にも結合して 、てもよ 、。 この観点における機能性基の数は、特に限定されず、機能性基の分子体積を考慮し て適宜決定できる。具体的には、 1個又は 2個以上存在していてもよい。
[0090] (4)の観点
有機 TFTに使用する場合、機能性基は、置換又は無置換の直鎖アルキル基が好 ましぐその中でも、炭素数 1一 30のアルキル基がより好ましぐ更に好ましくは炭素 数 1一 4あるいは 12— 30のアルキル基である。炭素数 1一 4の疎水基は、機能性基 自体には結晶性はないが、得られる膜の配向性の低下への影響が小さいため好まし い。また、炭素数 12— 30の機能性基はそれ自体にも分子間の配向性があり、更に 得られる膜を強固にパッキングできるため好ましい。
[0091] 特に好ま 、有機 TFT用の機能性基としては、例えば、メチル基、ェチル基、プロ ピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノニル基、 デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル 基、へキサデシル基、ヘプタデシル基、ォクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基 、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、へキ サコシル基、ヘプタコシル基、ォクタコシル基、ノナコシル基及びトリアコンチル基等 が挙げられ、これら疎水基の 1又はそれ以上の水素原子がハロゲン原子によって置 換されていてもよい。
[0092] なお、この観点における機能性基の縮合多環式炭化水素化合物に対する結合位 置は、この化合物の長軸方向の位置であることが好ましい。また、機能性基は、長軸 方向の位置以外に結合して 、な 、ことが好ま 、。この観点における機能性基の数 は、特に限定されず、機能性基の配向性を考慮して適宜決定できる。具体的には、 1 個又は 2個以上存在して 、てもよ 、。
[0093] (製造方法)
本発明の有機化合物 (a)は、一般式 (b);
(T)— MgL1 (b)
k
(式中、 T及び kはそれぞれ一般式 (a)と同様である; L1はハロゲン原子である)で表さ れる化合物と、一般式 (c) ;
L2-SiX1X2X3 (c)
(式中、 L2は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数 1一 4のアルコキシ基である; X1— X3はそれぞれ一般式 (a)と同様である)で表される化合物とをグリニャール反応させ ることによって製造可能である。
[0094] 反応温度は、例えば、— 100— 150°Cが好ましぐより好ましくは— 20— 100°Cであ る。反応時間は、例えば、 0. 1一 48時間程度である。反応は、通常、反応に影響の ない有機溶媒中で行われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、へキ サン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等の脂肪族又は芳香族炭化水素、ジェチルエー テル、ジプロピルエーテル、ジォキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶 媒、四塩化炭素、塩化メチレン等のハロゲンィ匕炭化水素等が挙げられ、これらは単 独で又は混合液として用いることができる。なかでも、ジェチルエーテル、 THF及び 四塩ィ匕炭素が好適である。反応は、任意に触媒を用いてもよい。触媒としては、白金 触媒、ノラジウム触媒、ニッケル触媒等、触媒として公知のものを用いることができる
[0095] このようにして得られる有機シランィ匕合物(a)は、公知の手段、例えば転溶、濃縮、 溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液力 単離、精 製することができる。
[0096] 上記一般式 (b)で表される化合物(以下、化合物 (b) t 、う;グリニャール試薬)は、 前記と同様の有機溶媒中、一般式 (b— 1);
(T)— L1 (b-1)
k
(式中、 T、 k及び L1はそれぞれ一般式 (b)と同様である)で表される化合物を金属マ グ才、シゥムと反応させること〖こよって得ることができる。
[0097] 化合物 (b-1)は、一般式 (b-2);
(T) -H (b-2)
k
(式中、 T及び kはそれぞれ一般式 (b)と同様である)で表される化合物を四塩ィ匕炭 素等の溶媒中、 N—クロロスクシンイミド(NCS)、 N—ブロモスクシンイミド(NBS)等を 用いて、所定の位置でハロゲンィ匕することによって得ることができる。
[0098] 化合物 (b-2)は、 Tを誘導する縮合多環式炭化水素化合物をグリニャール反応に よって連結させることによって得ることができる。例えば、一般式 (b— 3);
Ta-Tb-H (b-3)
(式中、 Ta及び Tbは一般式 (b)における Tと同様であり、同一であっても、又は異な つて 、てもよ 、)で表される化合物は、一般式 (b— 4)で表される化合物又は一般式( b-5)で表される化合物の一方の化合物を用いたグリニャール試薬を調製し、該グリ 二ヤール試薬と、他方の化合物のハロゲンィ匕物とを反応させることにより得ることがで きる。
[0099] Ta-H (b— 4)
(式中、 Taは一般式 (b-3)と同様である)
Tb-H (b-5)
(式中、 Tbは一般式 (b-3)と同様である)
例えば、化合物 (b— 4)を用いてグリニャールを調製する場合、一般的には、該化 合物の所定部位をハロゲン化し、該ハロゲン原子にマグネシウム等の金属を作用さ せてグリニャール試薬を調製する。次いで、該グリニャール試薬を、化合物 (b— 5)の ハロゲンィ匕物と反応させればよい。この場合、特に、化合物 (b-4)の両端をジハロゲ ン化し、両方のハロゲン原子にマグネシウム等の金属を作用させて調製したグリニャ ール試薬を、化合物 (b-5)のモノハロゲンィ匕物と反応させると、化合物 (b)に対応す るィ匕合物を得ることがでさる。
[0100] 所望の縮合多環式炭化水素化合物を新たに用いて、上記のようなグリニャール反 応を適宜繰り返して行うことにより、 kが 3以上の化合物 (b— 2)を得ることができる。
[0101] 化合物 (b-4)及び化合物 (b-5)に対応するような縮合多環式炭化水素化合物及 びそのハロゲンィ匕物は市販品として入手することもできるし、又は合成することもでき る。
例えば、 2—ブロモナフタレンは CAS. No. 90— 11— 9として登録されている公知の 物質であり、市販品として入手可能である。
また例えば、 2, 7—ジブロモフルオレンは CAS. No. 16433— 88— 8として登録され ている公知の物質であり、市販品として入手可能である。
[0102] また例えば、 2—ブロモフルオレンは CAS. No. 1133— 80— 8として登録されている 公知の物質であり、市販品として入手可能である。
また例えば、ベンゾ [k]フルオランテンは CAS. No. 207— 08— 9として登録されて いる公知の物質であり、市販品として入手可能である。
また例えば、 1—ブロモピレンは CAS. No. 1714— 29— 0として登録されている公知 の物質であり、市販品として入手可能である。
[0103] また例えば、ペリレンは CAS. No. 198— 55—0として登録されている公知の物質で あり、キシダ化学より純度 99%で市販品として入手可能である。
また例えば、 1—ベンゾアントラセンは CAS. No. 56— 55— 3として登録されている 公知の物質であり、市販品として入手可能である。
また例えば、フエナントレンは CAS. No. 85— 01— 8として登録されている公知の物 質であり、市販品として入手可能である。
また、例えばテトラセンは東京化成より純度 97%以上で入手可能である。
より具体的な製造方法を下記する。
縮合多環式炭化水素化合物は市販品として入手可能であるが、例えば、(A)原料 の所定位置にトリフラート基を挿入後、フラン誘導体と反応させ、続いて酸化させる手 法 (ルート A1— A5参照)、及び (B)原料の所定位置にアセチレン誘導体を付与した 後に、アセチレン基同士を閉環反応させる手法 (ルート B1— B5参照)等によって合 成可能である。特に、上記手法 (A)を採用する場合、フラン誘導体又は原料に予め 機能性基を導入しておくことにより、縮合多環式炭化水素化合物を合成すると同時 に機能性基をこの化合物に導入することができる (ルート A1— A5参照)。また、上記 手法 (B)を採用する場合、原料に予め機能性基を導入しておくことにより、縮合多環 式炭化水素化合物を合成すると同時にこの化合物に機能性基を導入することができ る (ルート B1参照)。これらの手法を用いた縮合多環式炭化水素化合物の合成ルー トの一例を以下に示す。
[0105] [化 11]
Figure imgf000034_0001
[0106] また、上記方法(1)では、ァセン骨格のベンゼン環を一つずつ増やす方法であるた め、例えば原料ィ匕合物の所定部分に反応性の小さな官能基あるいは保護基が含ま れていても同様に有機シランィ匕合物を合成できる。この場合の例を以下に示す。
[0107] [化 12]
ル一卜 A 2
Figure imgf000034_0002
n-Bu4NF CH2CI2
TiCl4 、 LiAIH4 、 Et3N
Figure imgf000034_0003
[0108] なお、 R、 Rは、炭化水素基やエーテル基等の反応性の小さな官能基あるいは保
a b
護基であることが好ましい。
[0109] また、上記方法(2)の反応式中、 2つのァセトニトリル基及びトリメチルシリル基を有 する出発化合物を、これら基が全てトリメチルシリル基である化合物に変更してもよ L、 。また、上記反応式中、フラン誘導体を使用した反応後、反応物をヨウ化リチウム及 び DBU (1, 8-diazabicyclo [5. 4. 0]undec— 7— ene)下で、還流させることで、出 発化合物よりベンゼン環数が 1つ多ぐかつヒドロキシル基が 2つ置換したィ匕合物を得 ることができる。更に、この化合物のヒドロキシル基を公知の方法でブロモ化し、ブロ モ基をグリニャール反応に付せば、ブロモ基の位置に機能性基を導入することがで きる。
Figure imgf000036_0001
ルー卜 A 4
1) Mg , MeSiCI H PT THF,
CU
CI" •ci
Figure imgf000037_0001
4) Liに DBU
THF, 還流
Figure imgf000037_0002
Figure imgf000037_0003
Figure imgf000038_0001
1) Phi (OAc) CF3S03H i-Pfi-NH CI i2CI
Figure imgf000038_0002
1) Phi (OAc) 2 . Ch3S03H . i-Hr2NH CH2CI2
2) 3 4—
Figure imgf000038_0003
[0113] [化 16]
Figure imgf000039_0001
[0114] (式中、 R及び Rはそれぞれ独立して前記機能性基と同様である)
a b
機能性基は、所望により縮合多環式炭化水素化合物の所定部位をハロゲン化させ 、機能性基含有ィ匕合物と反応させることによって導入可能である。機能性基が既に 導入されて ヽる場合にはその必要はな 、。
[0115] 機能性基含有化合物は、縮合多環式炭化水素化合物のハロゲン化部位との反応 によって当該部位に機能性基を導入し得るものである。
[0116] 具体的には、例えば、機能性基がアルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、ジ 又はトリアリールアルキル基の場合には当該機能性基を有するグリニャール試薬が 使用可能である。また例えば、機能性基がジァリールァミノ基の場合にはジァリール ァミンが使用可能である。また例えば、機能性基がアルコキシ基、ォキシァリール基 の場合にはそれらの基を有するアルコールが使用可能である。また例えば、機能性 基がハロゲンィ匕アルキル基の場合にも、当該機能性基を有するグリニャール試薬が 使用可能である。また例えば、機能性基が二トリル基、ニトロ基、エステル基の場合に は、原料ィ匕合物からの合成過程にて付与し、かつ、その後の反応経路を穏やかなル ートにする手法が使用可能である。なお、穏やかな反応経路を選択できない場合に は、その反応の前後に、保護 Z脱保護反応を利用することができる。保護 Z脱保護 反応に用いる保護基とは、例えばトリメトキシシリル基が挙げられる。
[0117] 機能性基導入時の反応条件としては機能性基を導入できる限り特に制限されない 。通常は反応に影響のない有機溶媒中で 1一 48時間還流することで導入できる。反 応に影響のない有機溶媒としては後述と同様の有機溶媒が使用可能である。
[0118] シリル基は、所望により縮合多環式炭化水素化合物の所定部位をハロゲン化させ、 一般式;
X -Six'x'x3
(式中、 X1— X3は前記と同様である; X4は水素原子又はハロゲン原子、例えば、フッ 素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは水素原子又は塩素原子 である)で表されるシラン誘導体と反応させることによって導入可能である。所定部位 が既にハロゲン化されているにはハロゲン化の必要はない。
[0119] 好ま ヽシラン誘導体の具体例として、例えば、トリエトキシシラン、ジ (t プチル)モ ノメトキシシラン、テトラクロロシランが挙げられる。
[0120] シリル基導入時の反応条件としてはシリル基を導入できる限り特に制限されない。
具体的には、反応温度は、例えば、 100— 150°Cであり、好ましくは— 20— 100°C である。反応時間は、例えば、 0. 1一 48時間程度である。反応は、通常、反応に影 響のない有機溶媒中で行われる。反応に影響のない有機溶媒としては、例えば、へ キサン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、ジェチルエーテル、ジプロピルエーテル、 ジォキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、ニトロべ ンゼン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロ口ホルム、四塩化炭素等の塩素系 炭化水素類等が挙げられる。これらは単独で又は混合液として用いることができる。 中でも、エーテル類、塩素系炭化水素類、芳香族炭化水素類が好適であり、特に、 T HF、ジェチルエーテル、クロ口ホルム、ニトロベンゼン、トルエンが好適である。反応 は、任意に触媒を用いてもよい。触媒としては公知のものを用いることができ、例えば 、銅触媒、白金触媒、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
[0121] 例えば、機能性基としての疎水基を 2つ有する有機シラン化合物は、以下の方法に より合成できる。
まず、式(1 1)
[0122] [化 17]
Figure imgf000041_0001
[0123] (式中、 ηは 0— 10である)
にて表されるナフタレン誘導体と R3— Br (R3は疎水基である)とをダリ
用いて、反応させることによって
式(1 2)
[0124] [化 18]
(1-2)
Figure imgf000041_0002
[0125] (式中、 η及び R3は上記と同義である)
にて表される中間体を形成する第一の工程と、
前記中間体の R3の α炭素をブロモ化させたのちに、 R4— Br (R4は疎水基である)と グリニャール反応させることによって、式(1—3) [0126] [化 19] ノ' R3
: ぺ
、 η 、 ■R4
(1-3)
[0127] (式中、 η、 及び R4は上記と同義である)
を形成する第二の工程と、
式( 1 3)にて表される中間体をブロモ化させた式( 1 4)
[0128] [化 20]
Figure imgf000042_0001
[0129] (式中、 η、 及び R4は上記と同義である)
あるいは式(1 5)
[0130] [化 21]
、-. r ■ R3
V
Zへ、 ' η - Ε4
(1-5)
[0131] (式中、 η、 及び R4は上記と同義である)
にて表される中間体を得る第三の工程と、
式(1 4)及び(1—5)で表される中間体と、 Η— SiX^^ただし、 X1— X3は同一又 は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表されるアルコキシ基あるいはハロゲン原
2 m 3
子である)で表されるケィ素化合物とを反応させる第四の工程によって下記式 (I) 'に 対応する有機シラン化合物を合成できる。 [0132] [化 22]
[0133] (式中、 n
Figure imgf000043_0001
X1— X3は、上記と同義である)
縮合多環式炭化水素化合物の所定部位にトリメチルシリル基等の残基が存在し、 ノ、ロゲンィ匕が起こり難いときは、以下に示すような反応に基づいてシリル基を導入す ればよい。下記反応の出発物質はルート A1により合成された縮合多環式炭化水素 化合物である。
[0134] [化 23]
C 1
Figure imgf000043_0002
Figure imgf000043_0003
2 (OCH3) 2 (OCH3)
Figure imgf000043_0004
[0135] 機能性基及びシリル基の導入ルートの一例を以下に示す。 化 24]
ル - ト L» 1
Figure imgf000044_0001
また、側鎖として、窒素原子が 2個の芳香族環基で置換された 2級アミノ基をペリレ ン骨格に挿入する手法としては、あら力じめ側鎖の挿入部分をハロゲンィ匕させた後に 、金属触媒存在下で上記 2級アミノ基をカップリングさせる手法が挙げられる。例えば 上記ペリレン骨格の場合、例えば以下の手法により 2級アミノ基を挿入できる。
[0138] [化 25]
Figure imgf000045_0001
[0139] このような方法で得られる本発明の有機シランィ匕合物は、公知の手段、例えば転溶 、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から 単離、精製することができる。
[0140] (有機 EL素子用材料)
上記一般式 (a)の有機シランィ匕合物の内、有機 EL素子用材料に好適なァセン骨 格を有する有機シラン化合物を下記する。
ァセン骨格を有する本発明の有機シランィ匕合物は一般式(1);
[0141] [化 26]
Figure imgf000045_0002
[0142] によって表される。以下、当該化合物を有機シランィ匕合物(1)という。 式(1)中、 mは 0— 10の整数であり、収率の観点から 2— 8、特に 2— 4の整数が好 ましい。
[0143] R1— R1Qのうち少なくとも 1個の基、好ましくは 1又は 2個、特に 2個の基は一般式 (i)
-SiX'x'x3 (i)
で表されるシリル基 (以下、単にシリル基という)であり、少なくとも 1個の基は機能性 基であり、他の基は水素原子である。 mが 2以上のとき、全ての R7及び R8はそれぞれ 同一でも異なって 、てもよ 、。
[0144] 有機シランィ匕合物(1)は、 R1— R1Qのうち少なくとも 1個の基がシリル基である限り、 いずれの基がシリル基であってもよいが、導電性を考慮すると好ましくは R1— R4のう ち少なくとも 1個の基がシリル基であることが好ましい。
[0145] 本発明の有機シラン化合物(1)が上記シリル基を 2以上有する場合、それらの基は 一部又は全部が同一でも異なって 、てもよ 、。
[0146] 有機シランィ匕合物(1)は、 R1— R1Qのうち少なくとも 1個の基が機能性基である限り、 いずれの基が機能性基であってもよいが、化合物の合成方法や収率を考慮すると好 ましくは R3— R1Qのうち 1一 6個、特に 1一 4個の基が機能性基であることが好ましい。 すなわち、機能性基を有しないと、当該化合物の有機溶剤への溶解度が著しく低い 。一方、機能性基の数が 6よりも多いと、機能性基の立体効果により、そのような数の 機能性基を縮合多環式炭化水素化合物に導入することが困難である。
[0147] 本発明の有機シラン化合物(1)が上記機能性基を 2以上有する場合、それらの基 は一部又は全部が同一でも異なって 、てもよ!/、。
[0148] 例えば、有機シラン化合物(1)を発光層に含有させる場合、有機シランィ匕合物(1) は上記範囲内のものであれば特に制限されないが、機能性基が上記のうち置換又 は無置換のアルキル基、ジァリールアミノ基、又はジ又はトリァリールアルキル基であ るものを使用することが好ましい。このとき、シリル基は特に制限されず、前記と同様 であればよい。例えば、一般式(1)において mが上記範囲内の有機シラン化合物を Alq3と混合し、有機薄膜を形成すると、それぞれ、 m=4 (575nm)、 m= 5 (620nm )、 m=6 (625nm)、 m= 7 (630nm)、 m=8 (635nm)の発光が可能である。 [0149] また例えば、有機シラン化合物(1)を電子輸送層に含有させる場合、有機シランィ匕 合物(1)は、機能性基が上記のうち電子供与性を有する基 (Hammett則に基づく置 換基定数 sが 0以上のもの)、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、ジ ァリールアミノ基、ジ又はトリァリールアルキル基、アルコキシ基、ォキシァリール基等 であるものが使用される。このとき、シリル基は特に制限されず、前記と同様であれば よい。
[0150] また例えば、有機シラン化合物(1)を正孔輸送層に含有させる場合、有機シランィ匕 合物(1)は、機能性基が上記のうち電子吸引性を有する基 (Hammett則に基づく置 換基定数 sが 0以下のもの)、例えば、ハロゲンィ匕アルキル基、二トリル基、ニトロ基、 エステル基等であるものが使用される。このとき、シリル基は特に制限されず、前記と 同様であればよい。
[0151] 有機シランィ匕合物(1)を発光層、電子輸送層又は正孔輸送層のいずれの層に含 有させる場合においても、発光効率や結晶性制御を考慮すると、当該化合物の構造 が対称性、特に線対称性を有することが好ましい。すなわち、一般式(1)において、 R1は R2と、 R3は R4と、 R5は R6と、 R7は R8と、 R9は R1Qと、それぞれ同一の置換基である ことが好ましい。特に R3は R4と、 R5は R6と、 R7は R8と、 R9は R1Qと、それぞれ同一の置 換基であることが好ましい。
本発明の有機シラン化合物(1)の具体例を以下に示す。
Z- L =LI
Figure imgf000048_0001
[LZ [ 10] S9l700/S00Zdf/13d It S9C060/S00Z OAV
Figure imgf000049_0001
上記とは別のァセン骨格を有する本発明の有機シランィ匕合物は一般式 (2): [0155] [化 29]
Figure imgf000050_0001
及び一般式 (3 ) :
[0156] 及び一般式(3)
[0157] [化 30]
Figure imgf000050_0002
[0158] によって表される。以下、一般式 (2)の化合物を有機シランィ匕合物(2)、一般式 (3) の化合物を有機シランィ匕合物(3) 、う。有機シランィ匕合物(2)及び (3)が有する骨 格は、いずれもベンゼン環がジグザグに結合されてなるァセン骨格である。便宜上、 ベンゼン環のユニット数を上記一般式中に示す形で指定する。また、置換基の結合 位置及び種類を Rn - mとして指定する。本発明の有機シラン化合物(2)及び (3)の V、ずれにお 、ても、ベンゼン環の総ユニット数 nは 3— 7のものが好まし!/、。
[0159] 一般式(2)のァセン骨格の好ましい具体例として、例えば、フエナントレン骨格、タリ セン骨格、ピセン骨格等が挙げられる。
[0160] 一般式(3)のァセン骨格の好ましい具体例として、例えば、ピレン骨格、アントアント レン骨格等が挙げられる。
[0161] 式(2)及び(3)中、 Rn— mにて示される全ての基のうち、少なくとも 1個の基はシリル 基であり、少なくとも 1個、好ましくは 1一 4個の基は機能性基であり、他の基はすべて 水素原子である。シリル基及び機能性基はそれぞれ式(1)におけるシリル基及び機 能性基と同様である。
ペリレン骨格を有する本発明の有機シランィ匕合物は一般式 (4); [0162] [化 31]
Figure imgf000051_0001
[0163] によって表される。以下、当該化合物を有機シランィ匕合物 (4)という。
式 (4)中、 R11— R22のうち少なくとも 1個の基、好ましくは 1一 2個の基はシリル基で あり、少なくとも 1個の基、好ましくは 1一 4個の基は機能性基であり、他の基は水素原 子である。式 (4)においてシリル基及び機能性基はそれぞれ式(1)におけるシリル基 及び機能性基と同様である。
[0164] 本発明の有機シラン化合物 (4)がシリル基を 2以上有する場合、それらの基は一部 又は全部が同一でも異なって 、てもよ 、。
[0165] 本発明の有機シラン化合物 (4)が機能性基を 2以上有する場合、それらの基は一 部又は全部が同一でも異なって 、てもよ 、。
[0166] また、有機シランィ匕合物 (4)を有機 EL素子用材料として使用する場合、発光効率 を考慮すると、当該化合物の構造が対称性、特に点対称性を有することが好ましい。 すなわち、一般式 (4)において、 R11は R17と、 R12は R18と、 R13は R19と、 R"は R2°と、 R15 は R21と、 R16は R22と、それぞれ同一の置換基であることが好ましい。
本発明の有機シラン化合物 (4)の具体例を以下に示す。
[0167] [化 32]
Figure imgf000052_0001
[0168] 縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基に機能性基を有する有機シランィ匕 合物では、優れた導電性の膜が得られる。カロえて、有機溶剤への溶解性が高められ 、有機溶剤を用いた塗布法への適用が可能となる。更に、機能性基が疎水性の高い 有機残基である場合、更に有機溶剤への溶解性が高められる。そのため、汎用性が 顕著に向上する。更に本発明の有機シランィ匕合物はシリル基を有するため、化学的 結合を介して基板と強固に結合可能となる。更にシリル基が親水性であり、かつ、有 機残基が疎水性であることより、本発明の有機シランィ匕合物の界面活性が向上する。 そのため、膜形成時においてシリル基が基板と相互作用し、当該化合物分子が同方 向に規則的に効率よく並ぶ。更には、分子体積の大きな機能性基の存在によって隣 接分子間の相互作用が低減されて非晶質とすることができる。その結果、当該化合 物の導電性がより一層向上し、更に膜形成時間を短縮することができる。
[0169] シリル基を有しないと、基板との結合が弱くなり、得られる膜の耐久性が低下する。
機能性基として分子体積の小さな基しか有しないと、結晶性が高められるために、非 晶質膜を形成できなくなる。
[0170] (有機 EL素子の構成)
本発明の有機 EL素子は陽極と陰極との間に 1又はそれ以上の一般式 (a)に由来 する有機薄膜を含む有機薄膜を有してなるものである。
[0171] 陽極及び陰極は有機 EL素子の分野で従来力も使用されている、あらゆる電極が 使用可能である。詳しくは、陽極は通常、光透過率が高ぐかつ正孔注入特性が高 い薄膜が使用され、例えば、インジウム錫酸ィ匕物 (ITO)、 SnO、インジウム錫酸化物
2
、亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸ィ匕物等のような金属酸ィ匕物又は混合金属の酸ィ匕物 を使用することができ、金のように高い仕事関数を有する金属、又は PEDOT(poly[ 3, 4— (ethylene— 1, 2— dioxy) thiophene] )、ポリア-リン(polyaniline)、ポリピロ ール(polypyrrole)、ポリチォフェン(polythiophene)等のような高分子に電解質等 のドーパント(dopant)を添加した伝導性高分子等が挙げられる。陰極は通常、電子 注入特性が高い薄膜が使用され、例えば、リチウム アルミニウム合金、マグネシウム 銀合金等のような合金、あるいは、マグネシウム、カルシウム等、あるいは、フッ化リ チウム (LiF)Zアルミニウム、リチウムオキサイド (Li 0
2 )Zアルミニウム等のような二層 構造を有する電極等が挙げられる。
[0172] 有機薄膜は、例えば、電子輸送層、正孔輸送層、発光層からなる群力 選択された
1又はそれ以上の有機薄膜が組み合わされて使用される。そのような有機薄膜を用 いた本発明の有機 EL素子の構成として、例えば、以下に示す具体例が挙げられる。
[0173] 構成(1);陽極一発光層 陰極、
構成 (2);陽極一正孔輸送層一発光層—陰極、
構成 (3);陽極 -発光層 -電子輸送層 -陰極、及び
構成 (4);陽極一正孔輸送層一発光層 電子輸送層—陰極。
[0174] 本発明の有機 EL素子はいかなる構成を有する場合であっても、少なくとも 1の有機 薄膜、例えば、電子輸送層、正孔輸送層、発光層から選択される少なくとも 1の有機 薄膜に、有機シランィ匕合物が含有される。有機シランィ匕合物が含有されると、有機シ ラン化合物と、当該有機シラン化合物含有層が形成される層、例えば、陽極、陰極又 は他の有機薄膜とが反応して化学的に結合され、結果として有機シラン化合物含有 層と当該層が形成される層とが化学結合によって強固に結合される。そのため、それ らの層間の界面において正孔ゃ電子等のキャリアの注入 *移動が効率よく起こり、全 体としての発光効率が向上し駆動電圧を有効に低減可能となる。従って、全ての有 機薄膜に有機シランィ匕合物が含有され、有機 EL素子のすべての界面において化学 結合による結合がなされていること力 キャリア注入の点で好ましいが、量子収率がよ り高い材料を発光層に使用することによって発光層自体の発光特性を大きくする観 点からは、電極と輸送層のみが化学結合を介して結合されることがより好ましい。更 に、有機 EL素子の製造効率の点では、より基板に近い輸送層と電極のみが化学結 合を介して結合されている場合が最も好ましぐこの構成においても正孔/電子輸送 効率を向上させることができる。すなわち通常、透明基板上に陽極、所望の有機薄 膜及び陰極を順次、積層して有機 EL素子を製造することを考慮すると、正孔輸送層 と陽極とが化学結合を介して結合されることがより好ましい。
[0175] 例えば、有機 EL素子が上記構成(1)を有する場合、有機薄膜は発光層のみであり 、当該発光層に有機シラン化合物が含有される。この場合、発光層は少なくとも下部 の電極 (例えば、陽極)と化学結合を介して結合される。そのような発光層は有機シラ ン化合物単独から構成されて!、てもよ 、し、又は有機シラン化合物と他の発光物質と の混合物カゝら構成されていてもよい。他の発光物質としては、従来から有機 EL素子 の発光物質として使用されている物質であれば、特に制限されず、例えば、トリス(8— キノリノラート)アルミニウム(Alq3)、スチリル化合物(dimerized styryl compoun d)、ベンツォキサゾール(benzoxazole)誘導体及びその金属錯体、ベンツイミダゾ ール(benzimidazole)誘導体及びその金属錯体、ポリ(p フエ-レンビ-レン)のよ うな高分子及びその誘導体又は共重合体形態の誘導体、ポリフルオレン (polyfluor ene)及びその誘導体等が挙げられる。
[0176] また例えば、有機 EL素子が上記構成 (2)を有する場合、有機シランィ匕合物は正孔 輸送層又は発光層の少なくとも一方の層、好ましくは正孔輸送層のみに含有される。 正孔輸送層に有機シラン化合物が含有される場合、正孔輸送層は陽極と化学結合 を介して結合される。そのような正孔輸送層は有機シランィ匕合物単独力も構成されて V、てもよ 、し、又は有機シラン化合物と他の正孔輸送物質との混合物から構成されて いてもよい。他の正孔輸送物質としては、従来から有機 EL素子の正孔輸送物質とし て使用されている物質であれば、特に制限されず、例えば N, N'—ジフヱ-ルー N, N ,—ビス(4 メチルフエ-ル) 4, 4,ージァミン (TPD)等のトリフエ-ルジァミン化合物 、 N, N, N,, N,ーテトラ— (m トルィル) m フエ-レンジァミン等のフエ-レンジアミ ン化合物、 3, 5—ジメチルー 3,, 5,ージ三級ブチルー 4, 4,ージフエノキノン等のジフエ ノキノン化合物、 2—(4ービフエ-ル)ー5—(4一三級ブチルフエ-ル )ー1, 3, 4 ォキサ ジァゾール等のォキサジァゾ一ルイ匕合物等が挙げられる。上記有機シラン化合物及 び他の正孔輸送物質との混合比は、有機シラン化合物の割合が 1重量%— 100重 量%の範囲内となるように混合すればよいが、混合比率によって注入される正孔の 量が変化するので、適切な注入が得られるように混合量を調整することが好ま U、。 殊に、有機シラン化合物と他の正孔輸送物質とが、互いに異なるエネルギー準位及 び正孔に対する移動度を有する場合、化合物を選択し、最適な混合比率を見つけ 出すことで、有機 EL素子の構造に最適な正孔の濃度を調節することが望ましい。正 孔輸送層に有機シラン化合物が含有されな 、場合の正孔輸送層は上記他の正孔輸 送物質から構成されて!、ればよ!/、。
[0177] 発光層に有機シラン化合物が含有される場合、発光層は正孔輸送層と化学結合を 介して結合される。そのような場合の発光層構成材料は上記構成(1)の発光層と同 様である。発光層に有機シラン化合物が含有されない場合の発光層は上記構成(1) の他の発光物質から構成されて 、ればよ 、。
[0178] また例えば、有機 EL素子が上記構成 (3)を有する場合、有機シラン化合物は電子 輸送層又は発光層の少なくとも一方の層、好ましくは電子輸送層のみに含有される。 電子輸送層に有機シラン化合物が含有される場合、電子輸送層は発光層と化学結 合を介して結合される。そのような電子輸送層は有機シランィ匕合物単独カゝら構成され て!ヽてもよ!/、し、又は有機シラン化合物と他の電子輸送物質との混合物から構成され ていてもよい。他の電子輸送物質としては、従来から有機 EL素子の電子輸送物質と して使用されている物質であれば、特に制限されない。なお、発光層が Alq3のように 、発光する性質と同時に電子を移送できる性質を有していれば、電子輸送層は形成 しなくてもかまわない。代表的な電子輸送物質の例としては Alq3が挙げられる力 フ タロシア-ン銅錯ィ匕合物を使用することもできる。上記有機シラン化合物及び他の電 子輸送物質との混合比は、有機シランィ匕合物の割合が 1重量%—100重量%の範 囲内となるように混合すればよいが、混合比率によって注入される電子の量が変化 するので、適切な注入が得られるように混合量を調整することが好ましい。殊に、有 機シランィ匕合物と他の電子輸送物質とが、互いに異なるエネルギー準位及び電子に 対する移動度を有する場合、化合物を選択し、最適な混合比率を見つけ出すことで 、発光素子の構造に最適な電子の濃度を調節することが望ましい。電子輸送層に有 機シラン化合物が含有されない場合の電子輸送層は上記他の電子輸送物質から構 成されていればよい。
[0179] 発光層に有機シラン化合物が含有される場合、発光層は陽極と化学結合を介して 結合される。そのような場合の発光層構成材料は上記構成(1)の発光層と同様であ る。発光層に有機シラン化合物が含有されな!、場合の発光層は上記構成 (1)の他の 発光物質から構成されて 、ればよ 、。
[0180] また例えば、有機 EL素子が上記構成 (4)を有する場合、図 1に示すように、陽極 1 上に正孔輸送層 2、発光層 3、電子輸送層 4及び陰極 5を順次、積層してなっている 。なお、製造効率の観点から、陽極 1は通常、基板 6上に予め形成されている。この 場合、有機シラン化合物は正孔輸送層、電子輸送層又は発光層のうちの少なくとも 1 の層、好ましくは正孔輸送層又は電子輸送層の一方の層、特に電子輸送層のみに 含有される。
[0181] 電子輸送層に有機シラン化合物が含有される場合、電子輸送層は発光層と化学結 合を介して結合される。そのような場合の電子輸送層構成材料は上記構成 (3)の電 子輸送層と同様である。電子輸送層に有機シラン化合物が含有されない場合の電子 輸送層は上記構成 (3)の他の電子輸送物質から構成されて!ヽればよ!/、。
[0182] 正孔輸送層に有機シラン化合物が含有される場合、正孔輸送層は陽極と化学結合 を介して結合される。そのような場合の正孔輸送層構成材料は上記構成 (2)の正孔 輸送層と同様である。正孔輸送層に有機シラン化合物が含有されない場合の正孔輸 送層は上記構成 (2)の他の正孔輸送物質から構成されて!ヽればよ!/、。
[0183] 発光層に有機シラン化合物が含有される場合、発光層は正孔輸送層と化学結合を 介して結合される。そのような場合の発光層は上記構成 (1)の発光層と同様である。 発光層に有機シラン化合物が含有されな!、場合の発光層は上記構成 (1)の他の発 光物質から構成されて!ヽればよ!/ヽ。 [0184] (有機 EL素子の製造方法)
本発明の有機 EL素子は通常、基板上に陽極、各有機薄膜及び陰極を順次積層し てなつている。
[0185] 基板材料については特に制限はないが、基板側力も発光光を取り出すことを考慮 すると、透明あるいは半透明材料が好ましい。従って、例えば、非晶質の性質を有す るガラス又はプラスチック使用することが好ましぐ用途によっては金属又はウェハー( wafer)のように適切な機械強度及び表面平坦度を有する基板を使用することができ る。
[0186] 陽極及び陰極は、真空蒸着法、分子線蒸着法等の蒸着法や、 RFスパッタ法等の 気相法を採用することによって形成可能である。陽極及び陰極の厚みは特に制限さ れず、通常はそれぞれ独立して 50— 500nmであればよい。
[0187] 有機シランィ匕合物を含有しない有機薄膜は、発光層、電子輸送層又は正孔輸送層 のいずれの層であっても、所定の物質を用いて、陽極及び陰極の形成方法と同様の 方法を採用することによって形成可能である。
[0188] 有機シランィ匕合物を含有する力否かにかかわらず、発光層、電子輸送層及び正孔 輸送層の厚みは特に制限されず、通常はそれぞれ独立して 1一 500nmであればよ い。
[0189] 有機シラン化合物を含有する有機薄膜は、所定の物質を用いて、以下に示す方法 によって形成可能である。
[0190] (有機シラン化合物を含有する有機薄膜及びその形成方法)
有機シラン化合物を含有する有機薄膜は、発光層、電子輸送層又は正孔輸送層 のいずれの層であっても、溶液プロセスを含む方法によって、被形成層上に化学結 合を介して結合されながら、非晶質膜として形成可能である。被形成層とは有機シラ ン化合物含有層が形成されるべき層を意味するものとする。例えば、前記構成(1)に おいて発光層に有機シラン化合物を含有させる場合、被形成層は陽極を指す。また 例えば、前記構成(2)において正孔輸送層に有機シラン化合物を含有させる場合、 被形成層は陽極を指す。また例えば、前記構成(3)及び (4)において電子輸送層に 有機シラン化合物を含有させる場合は被形成層、発光層を指す。 [0191] 溶液プロセスを含む薄膜形成方法として、例えば、化学的吸着法、 LB法 (Langm uir Blodget法)、デイツビング法、スピンコート法、キャスト法等の公知の方法が採 用可能である。以下、有機シランィ匕合物を用いて有機薄膜を形成したときの薄膜構 成及びその形成方法にっ 、て述べる。
[0192] 図 2は、有機シランィ匕合物を用いて形成された有機薄膜の概略構成図の一例であ る。図 2においては、例えば、前記一般式(1)において R1— R2の一方がシリル基であ り、かつ R3— R4及び R9— R1Qのうち少なくとも 1個の基が機能性基 13である有機シラ ン化合物を使用すると、被形成層 11上に有機基 12がシラノール結合 (一 Si— O—)を 介して結合されながら非晶質の有機薄膜 10が形成されることが示されている。すな わち、シリル基が有するアルコキシ基もしくはハロゲン原子が結果としてエーテル結 合 (一 O—)に変換され、該エーテル結合によって有機シランィ匕合物、ひいては当該化 合物を含有する有機薄膜 10が被形成層 11上に結合される。また機能性基 13の立 体障害によって隣接分子間の分子間距離が大きくなるので、隣接分子間の分子間 相互作用(ファンデルワールス相互作用)が小さくなる。そのため、化合物分子は図 2 に示したように、規則的に並びつつも結晶化することなぐ適度にランダムに配向し、 導電性に優れた有機薄膜 10を得ることができる。
[0193] 図 2において薄膜は単分子層構造を有しているが、そのような構造は例えば、化学 結合法により形成することができる。詳しくは、有機シランィ匕合物を有機溶剤に溶解 する。得られた溶液中に、表面に水酸基を有する被形成層を含む基体を一定時間 浸漬させることにより有機シランィ匕合物を被形成層と結合させる。このときのメカニズ ムの詳細は一般的に、以下に示す機構 A1及び B1が複合的に関与しているものと考 えられる。
[0194] 機構 A1;有機シランィ匕合物 (シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子 は有機溶剤中にわずかに含まれる水分子によって加水分解されて水酸基に変換さ れ、当該水酸基と被形成層の水酸基との間で脱水反応が起こる。
[0195] 機構 B1;有機シランィ匕合物 (シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子 と被形成層の水酸基との間でそれぞれ、脱アルコール反応ある ヽは脱ハロゲン化水 素反応が起こる。 [0196] それらの結果としてシリル基のケィ素原子と被形成層とはエーテル結合 (一 O—)を 介して化学的に結合されると考えられる。
[0197] このような機構による成膜は化学結合法のみならず、スピンコート法、デイツビング 法等、他の溶液プロセスによっても容易に達成できる。
[0198] また、図 2における単分子層構造は LB法によっても容易に形成可能である。詳しく は、有機シラン化合物を有機溶剤に溶解する。得られた溶液を水面上に滴下し、水 面上に薄膜を形成する。その状態で水面上に圧力を加え、水酸基を表面に有する 被形成層を含む基体を引き上げることによって有機シラン化合物を被形成層と結合 させる。このときのメカニズムの詳細は一般的に、以下に示す機構 C1ならびに上記 機構 A1及び B1が複合的に関与しているものと考えられる。
[0199] 機構 C1;有機シランィ匕合物 (シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子 は、溶液が滴下される水によって加水分解されて水酸基に変換され、当該水酸基と 被形成層の水酸基との間で脱水反応が起こる。
[0200] それらの結果としてシリル基のケィ素原子と基板とはエーテル結合 (一 O—)を介して 化学的に結合されると考えられる。
[0201] 別の結合形態として、例えば、被形成層が表面にカルボキシル基を有する場合、そ のメカニズムの詳細は一般的に以下に示す機構 A2、 B2及び C2が複合的に関与し 得るものと考えられる。
[0202] 機構 A2;有機シランィ匕合物 (シリル基)が有するアルコキシ基ある!/、はハロゲン原子 は有機溶剤中にわずかに含まれる水分子によって加水分解されて水酸基に変換さ れ、当該水酸基と被形成層のカルボキシル基との間で脱水反応が起こる。
[0203] 機構 B2;有機シランィ匕合物 (シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子 と被形成層のカルボキシル基との間でそれぞれ、脱アルコール反応あるいは脱ノヽロ ゲンィ匕水素反応が起こる。
[0204] 機構 C2 (LB法による場合);有機シランィ匕合物 (シリル基)が有するアルコキシ基あ るいはハロゲン原子は、溶液が滴下される水によって加水分解されて水酸基に変換 され、当該水酸基と被形成層のカルボキシル基との間で脱水反応が起こる。
[0205] それらの結果としてシリル基のケィ素原子と被形成層とはエステル結合 [ケィ素原子 側: o c (=o)—:基板側]を介して化学的に結合されると考えられる。なお、エス テル結合には構造上、エーテル結合 (一 o—)が含まれるため、本発明において、有 機シランィ匕合物がエーテル結合を介して被形成層と結合するとは、エステル結合を 介して結合する場合も包含されるものとする。
[0206] 被形成層が表面に水酸基やカルボキシル基等の活性水素含有基を有して!/、な!/、 場合は、親水化処理によって当該層の表面に活性水素含有基を付与できる。親水 化処理は、例えば、過酸化水素と濃硫酸との混合溶液中に被形成層を浸漬すること 等によって行うことができる。
[0207] 本発明において有機シランィ匕合物含有層と被形成層との間では上記のような各種 形態の結合が複合的に起こってもよい。
[0208] 図 3は、有機シランィ匕合物を用いて形成された有機薄膜の概略構成図の別の一例 である。図 3においては、例えば、前記一般式(1)において R1— R2の一方がシリル基 であり、かつ R3— R4及び R9— R1Qのうち少なくとも 1個の基が窒素原子あるいは酸素 原子を有する機能性基 16 (例えば、ジァリールアミノ基、アルコキシ基又はォキシァリ ール基等)である有機シラン化合物を使用すると、被形成層 14上に有機基 15がシラ ノール結合を介して強固に結合されるだけでなぐ当該機能性基 16とシラノール基と の相互作用(水素結合)(図 3中、点線で示す)によって、非晶質の有機薄膜 20を多 分子層構造にできることが示されている。すなわち、被形成層 14との界面においてシ リル基が有するアルコキシ基又はハロゲン原子が結果としてエーテル結合 (一 O—)に 変換され、該エーテル結合を介して有機シランィ匕合物、ひいては当該化合物を含有 する有機薄膜 20が被形成層 14上に結合される。一方、エーテル結合を介して被形 成層 14に結合されて 、る有機シランィ匕合物はその上部の機能性基 16にお 、て、別 の有機シランィ匕合物が有するシリル基の水酸基と相互的に作用し、多分子層構造を なしている。このとき、シリル基における X1又は X2の少なくとも一方が隣接分子と反応 することのない置換基であれば、シリル基間の立体障害の効果は更に大きくなり、より 良質な非晶質膜を得ることができるが、当該置換基の分子体積が大きすぎると、被形 成層との反応性が低下することを考慮すると、有機基 15の分子体積よりも小さい置換 基である方が好ましい。 [0209] 更に、このとき、シリル基における X1又は X2の少なくとも一方がアルコキシ基あるい はハロゲン原子であって、結果としてシリル基がシラノール基を 2— 3個有すると、 1の 化合物分子における基板との結合部分が 2— 3ケ所となり、被形成層との密着性を更 に高めることができる。この場合、被形成層との結合部分を 2— 3ケ所にすることによつ て、有機基が被形成層に対して垂直に立った構造を多く含ませることが可能である。 このように、有機基が適度にランダムに配向する中で、有機基が被形成層に対して垂 直に立った構造を持たせることによって、隣接分子の π— π相互作用が適度に強くな るため、有機薄膜の導電性を一層高めることができる。従って、有機薄膜の導電性が 更に大きくなり、結果として効率的に正孔あるいは電子を輸送することができる有機 薄膜を持った高いデバイス特性を実現することができる。
[0210] 図 3に示すような多分子層構造を有する有機薄膜は、例えば、デイツビング法、スピ ンコート法、キャスト法等によって容易に形成可能である。
[0211] 詳しくは、有機シランィ匕合物を有機溶剤に溶解する。得られた溶液中に、水酸基あ るいはカルボキシル基を表面に有する被形成層を含む基体を浸漬して、引き上げる 。あるいは、得られた溶液を被形成層表面に塗布する。その後、有機溶剤で洗浄し、 水洗し、放置する力加熱することにより乾燥して、薄膜を定着させる。この薄膜には更 に電解重合等の処理を施してもょ ヽ。
[0212] 有機薄膜を形成するに際して有機シラン化合物を溶解可能な有機溶剤としては、 当該化合物が有する機能性基及びシリル基等によっても異なるが、例えば、へキサ ン、 η キサデカン、メタノール、エタノール、 ΙΡΑ、クロ口ホルム、ジクロロメタン、四 塩化炭素、 1, 1ージクロロェタン、 1, 2—ジクロロェタン、 THF、ジメチルエーテル、ジ ェチルエーテル、 DMSO、トルエン、キシレン、ベンゼン等の非水系有機溶剤が挙 げられる。
上記記載は、有機シラン化合物含有層の形成方法として従来から採用されて ヽる 真空蒸着法、分子線蒸着法、スパッタリング法等の方法を本発明に採用することを妨 げるものではない。
[0213] (有機 TFT用材料)
本発明の有機 TFT用材料は、一般式 (a)から選択される化合物であり、該化合物 は、シロキサン結合を介して基板に結合させることで薄膜を得ることができる。
[0214] 一般式 (a)で表される化合物の内、有機基の長軸方向に疎水基を有する以下の有 機シランィ匕合物がより好ましい。
[0215] [化 33]
Figure imgf000062_0001
[0216] (式中、 nは 0— 10であり、 R1及び R2は、同一又は異なって、
Figure imgf000062_0002
ル基又は水素原子であり(ただし、
Figure imgf000062_0003
R2が同時に水素原子の場合は含まない)、 X1 一 X3は、同一又は異なって、 0 (CH ) CH (m=0— 9)で表されるアルコキシ基ある
2 m 3
いはハロゲン原子であり、 R3及び R4は、疎水基又は疎水基と水素原子である) なお、上記式中、シリル基及び疎水基は、上記ですでに説明した基をそれぞれ使 用できる。
[0217] 上記式 (I) 'の有機シラン化合物を構成するベンゼン環の数は 2— 12個である。特 に、合成の工程数や生成物の収率を考慮すると、ベンゼン環の数が 2— 9であるナフ タレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、へキサセン、ヘプタセン、ォクタセン、ノ ナセンが特に好ましい。
[0218] [化 34]
Figure imgf000062_0004
[0219] (式中 R5は、 SiX^3で表されるシリル基であり、 X1— X3は、同一又は異なって、 0 ( CH ) CH (m=0— 9)で表されるアルコキシ基あるいはハロゲン原子であり、 R6は、
2 m 3
疎水基である)
なお、上記式中、シリル基及び疎水基は、上記ですでに説明した基をそれぞれ使 用できる。 [0220] [化 35]
Figure imgf000063_0001
[0221] (式中 R7及び R8は同一又は異なって、 SD^ x3で表されるシリル基又は水素原子で あり(ただし、 R7、 R8が同時に水素原子の場合は含まない)、 Yは C (RU) , NR12, O,
2
Sから選択され (ここで、 R11, R12は水素原子であるが、他の官能基を直接結合してい てもよい)、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表されるァ
2 m 3
ルコキシ基あるいはハロゲン原子であり、 R9及び R1Qは、疎水基又は水素原子である( ただし、 R9、 R1Qが同時に水素原子の場合は含まない))
なお、上記式中、シリル基及び疎水基は、上記ですでに説明した基をそれぞれ使 用できる。
[0222] [化 36]
[0223]
Figure imgf000063_0002
R16は同一又は異なって疎水 基又は水素原子であり(ただし、 R14— R16が同時に水素原子の場合は含まない)、 n1' 及び nは合計して 0— 8の整数であり、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH
2 m
(m=0 9)で表されるアルコキシ基あるいはハロゲン原子である)
3
なお、上記式中、シリル基及び疎水基は、上記ですでに説明した基をそれぞれ使 用できる。
[0224] [化 37]
Figure imgf000063_0003
[0225] (式中 R1し R2Uは下記 2つの条件のいずれかを満たす:
条件 1 R17及び R18は同一又は異なって、 SiX^3で表されるシリル基又は水素原 子であり(ただし、 R17、 R18が同時に水素原子の場合は含まない)、 R19, R2°は同一又 は異なって水素原子あるいは疎水基であり(ただし、 R19、 R2°が同時に水素原子の場 合は含まない)、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表され
2 m 3
るアルコキシ基ある 、はハロゲン原子である
条件 2 R19及び R2Qは同一又は異なって、 SiX^3で表されるシリル基又は水素原 子であり(ただし、 R19、 R2°が同時に水素原子の場合は含まない)、 R17, R18は同一又 は異なって水素原子あるいは疎水基であり(ただし、 R17、 R18が同時に水素原子の場 合は含まない)、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表され
2 m 3
るアルコキシ基ある 、はハロゲン原子である)
なお、上記化合物は、アルキル基、アルコキシ基、ァリール基、アミノ基等の公知の 置換基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
[0226] (有機 TFTの構成)
本発明の有機 TFTは、有機シラン化合物カゝらなる機能性有機薄膜を半導体層とし て有している。この内、ァセン骨格を有する化合物に由来する機能性有機薄膜は、 下記式 (I) "で表すことができる。
[0227] [化 38]
Figure imgf000064_0001
( I )'
[0228] (式中、 nは 0— 10であり、 IT及び R2は、少なくとも一方力 下記
[0229] [化 39]
0
I
■0— S i—
0
[0230] のシロキサン結合力も構成されるネットワークを構成し、かつシロキサン結合を介して 基板に結合し (ただし、
Figure imgf000064_0002
R2が同時に水素原子の場合は含まない)、 R3及び R4は、 疎水基又は疎水基と水素原子である。 ) 上記式 (I) "のァセン骨格を構成するベンゼン環の数は 2— 12個である。特に、合 成の工程数や生成物の収率を考慮すると、ベンゼン環の数が 2— 9であるナフタレン 、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、へキサセン、ヘプタセン、ォクタセン、ノナセン が特に好ましい。なお、上記式 (I) 'では、ベンゼン環が直線状に縮合している分子 を形式上示している力 例えば、フエナントレン、タリセン、ピセン、ペンタフェン、へキ サフェン、ヘプタフェン、ベンゾアントラセン、ジベンゾフエナントレン、アントラナフタ セン等のように非直線状に縮合して 、る分子も式 (I),のァセン骨格に含まれる。
[0231] 本発明の機能性有機薄膜では、有機基がシロキサン結合 (一 Si— O—)を介して基板 上に結合されている。具体的には、図 4に示すように、薄膜は、基板 21上に、ケィ素 原子及び酸素原子力も構成されるネットワーク 22が結合し、ネットワーク 22にァセン 骨格 (有機基) 23が結合している。このように、本発明の有機シランィ匕合物を用いた 薄膜は、上記のようなケィ素原子及び酸素原子力 構成されるネットワークを有して おり、かつ、その上部に高い分子間相互作用(ファンデルワールス相互作用)を有す るァセン骨格を有している。そのため、ネットワーク及びァセン骨格の相互作用によつ て、高い配向性をもった薄膜が得られる。また、隣接するァセン骨格間の距離が小さ く保たれているため、上記のように薄膜を形成した場合に、ァセン骨格を通じた高い 導電性が実現できる。しかも、隣接するァセン骨格同士に結合がないため、通常状 態での導電性を低く押さえ、かつ、この薄膜に光励起あるいは電界励起キャリアを注 入した場合のみ高い導電性をもたせることが可能である。
[0232] 上記薄膜は、図 5に示すような 1つのァセン骨格力 2つのシロキサン結合で基板上 に結合した機能性有機薄膜である場合に大きな効果 (高い配向性、高い導電性)が 得られる。すなわち、機能性有機薄膜が、 2箇所で基板と結合していることによって、 ァセン骨格が基板表面に対して垂直となる。薄膜の導電性は、隣接するァセン骨格 間の π— π相互作用の大きさによって左右されるため、ァセン骨格が基板に対し垂 直に近いほど薄膜の導電性が大きくなる。よって、この機能性有機薄膜は、特に大き な導電性を有する。そのため、この機能性有機薄膜は、導電性材料として、有機薄 膜トランジスタ以外にも、太陽電池、燃料電池、センサー等のデバイスに好適に使用 できる。 [0233] このように、 1つのァセン骨格が、 2つのシロキサン結合で基板上に結合した機能性 有機薄膜の概略図を図 5、図 6に示す。図 6は、図 5を別の角度力も見た図である。図 5及び図 6のように、本発明の機能性有機薄膜の基板との結合部分を 2ケ所にするこ とによって、ァセン骨格を基板に対し垂直できる。そのため、隣接する有機基間の π π相互作用が強められることによって、上記デバイスに好適に使用できる大きな導 電性を有する薄膜を形成できる。
[0234] なお、上記薄膜の説明では、ァセン骨格を有する機能性有機薄膜を用いて 、るが 、ァセナフテン骨格、ペリレン骨格及びこれら骨格以外の縮合多環式炭化水素骨格 を有する機能性有機薄膜にっ ヽても同様である。
[0235] ここで、薄膜を形成させる基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半 導体、 GaAs、 InGaAs、 ZnSe等の化合物半導体等の半導体;いわゆる SOI基板、 多層 SOI基板、 SOS基板等;マイ力;ガラス、石英ガラス;ポリイミド、 PET、 PEN, PE S、テフロン (登録商標)等の高分子フィルム等の絶縁体;ステンレス鋼(SUS);金、 白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属 ;高融点金属とのシリサイド、ポリサイド等;シリコン酸ィ匕膜 (熱酸ィ匕膜、低温酸化膜: L TO膜等、高温酸ィ匕膜: HTO膜)、シリコン窒化膜、 SOG膜、 PSG膜、 BSG膜、 BPS G膜等の絶縁体; PZT、 PLZT、強誘電体又は反強誘電体; SiOF系膜、 SiOC系膜 もしくは CF系膜又は塗布で形成する HSQ (hydrogen silsesquioxane)系膜 (無 機系)、 MSQ (methyl silsesquioxane)系膜、 PAE (polyarylene ether)系膜、 BCB系膜、ポーラス系膜もしくは CF系膜又は多孔質膜等の低誘電体;等の単層又 は積層層等が挙げられる。
[0236] 更に、より多くの有機基を基板上で配向させることを考慮すると、これらの基板のな かでも、表面に水酸基、カルボキシル基等の活性水素を表面に突出させることができ る基板又は親水化処理により活性水素を突出させることができる基板であるシリコン 基板や石英基板、マイ力基板が特に好ましい。なお、親水化処理は、例えば、過酸 化水素と濃硫酸との混合溶液中に浸漬すること等によって行うことができる。
[0237] 以下に上記機能性有機薄膜を備えた本発明の有機薄膜トランジスタの構成をより 具体的に説明する。 [0238] 本発明の有機 TFTの構成を述べる。本発明の有機 TFTには、上記機能性有機薄 膜が用いられる。すなわち、本発明の有機 TFTは、例えば基板上に、直接に又は間 接に形成された上記機能性有機薄膜と、前記基板上に、間接に又は直接に形成さ れたゲート電極と、前記機能性有機薄膜の一表面側又は他表面側に形成されたソ ース電極'ドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極'ドレイン電極との間に形 成されたゲート絶縁膜とを備えている。 TFTは、スタガ型、逆スタガ型又はこれらの変 形等の種々の形態を採ることができる。
[0239] 例えば、スタガ型の場合には、基板上に上記機能性有機薄膜からなる有機半導体 層を形成し、その上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を配置し、ゲート電極の両側 であって、ゲート電極とは分離され、有機半導体層に接触したソース Zドレイン電極 を配置する形態が挙げられる。また、基板上にゲート電極を形成し、ゲート電極上に 、ゲート絶縁膜を介して有機半導体層を形成し、有機半導体層上にゲート電極とは オーバーラップしな ヽように有機半導体層に接触するソース Zドレイン電極を配置す る逆スタガ型の形態であってもよ 、。
[0240] 逆スタガ型の有機 TFTの一例を図 7に示す。図 7は、ゲート電極 25を介して上記機 能性有機薄膜からなる有機半導体層 29を基板 24の上部に備え、その両側にソース 電極 27及びドレイン電極 28を備えたものである。図中、 30はケィ素原子及び酸素原 子カゝら構成されるネットワーク、 31は有機基、 32は直鎖炭化水素基を意味する。
[0241] また、ゲート電極、ソース Zドレイン電極としては、通常、 TFT等に使用される導電 材料力 なる層が挙げられる。例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チ タン、タンタル、タングステン等の高融点金属;高融点金属とのシリサイド、ポリサイド 等;等の単層又は積層層等が挙げられる。この際の膜厚は、特に限定されるものでは なぐ通常トランジスタに使用される膜厚に適宜調整することができる。
[0242] ゲート絶縁膜としては、通常 TFTに使用される絶縁材料カゝらなる膜が挙げられる。
例えば、シリコン酸ィ匕膜、シリコン窒化膜等が挙げられる。
[0243] 本発明の有機 TFTは、種々の用途、例えば、メモリ、論理素子又は論理回路等の 半導体装置として、パーソナルコンピュータ、ノート、ラップトップ、パーソナル 'アシス タント/発信機、ミニコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、マルチプロセ ッサ一.コンピュータ又は他のすべての型のコンピュータシステム等のデータ処理シ ステム; CPU、メモリ、データ記憶装置等のデータ処理システムを構成する電子部品 ;電話、 PHS、モデム、ルータ等の通信機器;ディスプレイパネル、プロジェクタ等の 画像表示機器;プリンタ、スキャナ、複写機等の事務機器;センサ;ビデオカメラ、デジ タルカメラ等の撮像機器;ゲーム機、音楽プレーヤ等の娯楽機器;携帯情報端末、時 計、電子辞書等の情報機器;カーナビゲーシヨンシステム、カーオーディオ等の車載 機器;動画、静止画、音楽等の情報を記録、再生するための AV機器;洗濯機、電子 レンジ、冷蔵庫、炊飯器、食器洗い機、掃除機、エアコン等の電ィ匕製品;マッサージ 器、体重計、血圧計等の健康管理機器; ICカード、メモリカード等の携帯型記憶装置 等の電子機器への幅広 、応用が可能である。
[0244] 有機 TFTの製造方法としては、例えば以下の 4つの工程を挙げることができる。す なわち、基板上に、直接に又は間接に機能性有機薄膜を形成する工程 (A)と前記 基板上に、間接に又は直接にゲート電極を形成する工程 (B)と、前記機能性有機薄 膜の一表面側又は他表面側にソース電極'ドレイン電極を形成する工程 (C)と、前記 ゲート電極と前記ソース電極'ドレイン電極との間にゲート絶縁膜を形成する工程 (D )である。ここで、前記工程 (A)は、基板上に、ケィ素原子及び酸素原子により形成さ れた網目状構造部を介して、疎水基を有する π電子共役系分子を含む有機シラン 化合物を結合させる第 2の工程とを含む工程である。なお、上記工程 (A) (B) (C) ( D)はこの順序に限定されるものではなぐ得ようとする形態のトランジスタ構造に応じ て工程順序を自由に組み変えることができる。
[0245] (有機 TFTを構成する機能性有機薄膜の製造方法)
続いて、本発明の機能性有機薄膜の製造方法について述べる。本発明の機能性 薄膜は、例えば真空蒸着法、分子線蒸着法、あるいは溶媒に溶かした溶液のデイツ ビング法 (化学結合法)、 LB法、スピンコート法、キャスト法、バーコート法、ロールコ ート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。その製造方法の一例と して、以下に化学結合法及び LB法による本発明の機能性有機薄膜の製造方法を示 す。
[0246] 化学結合法は、以下のようにして行うことができる。 まず、有機シラン化合物をへキサン、クロ口ホルム、四塩化炭素等の非水系溶媒に 溶解する。得られた溶液中に、薄膜を形成しょうとする基板 (好ましくは、水酸基、力 ルポキシル基等の活性水素を有する基板)を浸漬して、引き上げる。あるいは、得ら れた溶液を基板表面に塗布してもよい。その後、非水系溶媒で洗浄し、水洗し、放置 するか、加熱することにより乾燥して、薄膜を定着させる。この薄膜は、直接電気材料 として用いてもよいし、更に電解重合等の処理を施して用いてもよい。この材料を用 いることで、 Si-O-Siネットワーク化とともに、隣接する有機基間距離が小さぐ高度 に秩序化 (結晶化)した薄膜が得られる。また、有機基が、直線状である場合には、 隣接する有機基同士は結合しないので、更に隣接する有機基間距離を小さくするこ とができる。その結果、より高度に結晶化された薄膜を得ることができる。
[0247] また、本発明の有機シランィ匕合物は、例えば LB法を用いても薄膜にできる。ここで LB法とは、水溶液表面に材料を含む非水系溶液を展開させることで、水溶液表面に 薄膜 (L膜)を形成させた後に、基板に転写することによって薄膜を形成する方法であ る。
[0248] まず、本発明の有機シランィ匕合物をへキサン、クロ口ホルム、四塩化炭素等の非水 系溶媒に溶解させる。有機シランィ匕合物は、有機基に疎水基が結合している場合、 非水系溶媒への溶解性がより高くなる。その結果、比較的容易に非水系溶媒に溶解 できる。つづいて得られた非水系溶液を水溶液表面に滴下する。この有機シランィ匕 合物は親水基 (シリル基)と疎水基を持っているため、水面上に展開したときに親水 基を水面に向けて配向させることができる。また、隣接化合物間の分子間相互作用 によって、有機シランィ匕合物力もなる薄膜には、水面上に特に高い配向性をもたせる ことができる。その後、一定の表面圧を水面に加えながら基板を引き上げることによつ て薄膜を形成できる。
[0249] ここで、上記有機シランィ匕合物は、シロキサン結合を形成するためのシリル基を少 なくとも 1つ有している。例えば、式 (I) 'では、 R1及び Z又は R2の位置にシリル基が 形成されている。
[0250] なお、通常、縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基を含む化合物の多く は非水系溶媒にすら難溶性を示す。これに対し、上記有機シラン化合物は、末端に 疎水基を含む場合、非水系溶媒への溶解性を高めることができるため、溶液プロセ スで薄膜を形成できる。また、親水基として、シリル基を含むため、化合物全体の界 面活性が向上する。従って、例えば親水性基板に本発明の有機シランィ匕合物からな る薄膜を形成する場合、シリル基と基板との相互作用により、分子がすべて同じ向き に並んで効率よく基板上に吸着する。そのため、反応時間の短縮化や薄膜の配向性 を向上できる。
実施例
[0251] 以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定さ れるものではない。
実施例 1;前記構造式 (A)にて表される有機シラン化合物の合成
まず、 2—ブロモナフタレン(CASno. 90— 11— 9)を 50mM含む四塩化炭素溶液中 に lOOmM NBS及び AIBNを加え、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させることで、 2
2
, 6—ジブ口モナフタレンを合成した。続いて、 2—ブロモナフタレン 40mMを THFに 溶解させ、金属マグネシウムをカ卩ぇ N雰囲気下 60°C1時間反応させることでグリニャ
2
ール試薬を合成した後、前記 2, 6—ジブ口モナフタレン 20mMを含む THF溶液に前 記グリニャール試薬をカ卩え、 20°C9時間反応させることで、 [2, 2' ; 6' , 2" ]Ternap hthaleneを合成した。その後、前記 [2, 2,;6,, 2,, ]テルナフタレンを 10mM含む 四塩化炭素溶液中に 20mM NBS及び AIBNを加え、 N雰囲気下で 60°C2時間
2
反応させることで、 6—ブロモー [2, 2' ; 6' , 2' ' ]テルナフタレンを形成した後、金属マ グネシゥムを加え N雰囲気下 60°C1時間反応させることでグリニャール試薬を合成
2
し、更に、クロロトリエトキシシラン 10mMをカ卩ぇ 60°C2時間反応させることで標記の 化合物を収率 40%で得た。
[0252] 得られたィ匕合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、 1090cm 1に Si
C由来の吸収が観測され、化合物が SiC結合を有することが確認できた。
[0253] 更に化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
7. 9ppm (m) (4H 芳香族)
7. 6ppm (m) (8H 芳香族)
7. 5ppm (m) (4H 芳香族) 7. 3ppm (m) (3H 芳香族)
3. 6ppm (m) (6H エトキシ基メチレン基)
1. 5ppm (m) (9H エトキシ基メチル基)
この結果から、得られた化合物が前記構造式 (A)に示すィ匕合物であることを確認し た。
[0254] 準備例 1; 2 ブロモペンタセンの合成
実施例 2にて使用する 2—ブロモペンタセンは以下の手法により合成した。まず、攪 拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた ΙΟΟπ ナスフラスコに四塩ィ匕炭素 5 OmLに溶解させたペンタセン lOOmM及び NBSをカ卩え、 AIBN存在下で 1. 5時間 反応させた。未反応物及び HBrをろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用い て、 1箇所のみがブロモ化された貯留物を取り出すことにより、表記の 2—ブロモペンタ センを得た。
[0255] 実施例 2;前記構造式 (B)にて表される有機シランィ匕合物の合成
まず、 2, 7—ジブロモフルオレン (CASNO. 16433— 88— 8) 50mMを THF溶液 に溶解させ、金属マグネシウムをカ卩え、 60°C8時間反応させることで、下記グリニヤー ル試薬 1を形成した。
[0256] [化 40]
Figure imgf000071_0001
[0257] 続いて、準備例 1にて形成した 2 ブロモペンタセン 25mMを含む THF溶液に前記 グリニャール試薬 1をカ卩え、 20°C2時間反応させることで、下記グリニャール試薬 2を 形成した。
[0258] [化 41]
Figure imgf000071_0002
[0259] 更に、 2—ブロモフルオレン(CASNO. 1133-80-8) 25mM^¾Px., 20°03Β#ΓΗ 反応させることで、 7 ペンタセン 2—ィルー 9Η, 9,Η— [2, 2,]ビフルォレニルを合 成した。その後、金属マグネシウムを加え N雰囲気下 60°C1時間反応させることで下
2
記グリニャール試薬 3を合成し、更に、クロロトリメトキシシラン 10mMをカ卩ぇ 60°Cで 2 時間反応させることで標記の化合物を収率 25%で得た。
[0260] [化 42]
Figure imgf000072_0001
[0261] 得られたィ匕合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、 1080cm 1に Si
C由来の吸収が観測され、化合物が SiC結合を有することが確認できた。
[0262] 更に化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
8. 2ppm (m (2H ペンタセン)
8. Oppm (m (2H ペンタセン)
7. 9ppm (m (9H ペンタセン及びフノレ才レン)
7. 8ppm (m (4H ペンタセン及びフノレ才レン)
7. Dppm i,m) (5H ペンタセン及びフノレ才レン)
7. 4ppm (m) (3H ペンタセン及びフノレ才レン)
3. 9ppm (m) (4H フノレ才レン;)
3. 6ppm (m) (9H メトキシ基メチル基)
この結果から、得られた化合物が前記構造式 (B)に示すィ匕合物であることを確認し た。
[0263] 実施例 3;前記構造式 (C)にて表される有機シランィ匕合物の合成
まず、実施例 1の中間体である 2, 6—ジブ口モナフタレン 50mMを THF溶液に溶 解させ、金属マグネシウムをカ卩え、 60°C8時間反応させることで、下記グリニャール試 薬 4を形成した。
[0264] [化 43]
Figure imgf000072_0002
[0265] 一方、ベンゾ [k]フルオランテン(CASNO. 207— 08— 9)を 50mM含む四塩化炭 素溶液中に lOOmMNBS及び AIBNをカ卩え、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させた
2
のち、未反応物をろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、 1箇所のみが ブロモ化された貯留物を取り出すことにより、 2—ブロモーべンゾ [k]フルオランテンを 合成した。続いて、前記グリニャール試薬 20mMを含む THF溶液中に前記 2— Bro mo—べンゾ [k]フルオランテン 20mMを加え、 20°C4時間反応させることによって、 2 一(6—ブロモーナフタレン 2 ィル)一べンゾ [k]フルオランテンを合成した。更に、前 記 2— (6—ブロモーナフタレン 2—ィル)一べンゾ [k]フルオランテンを 10mM含む四 塩ィ匕炭素溶液中に金属マグネシウムをカ卩え、 60°C1時間反応させることで、グリニャ ール試薬 2を合成した後、実施例 2と同様にクロロトリメトキシシラン 10mMをカロえ 60 °Cで 2時間反応させることで標記の化合物を収率 30%で得た。
[0266] 得られたィ匕合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、 1080cm 1に Si C由来の吸収が観測され、化合物が SiC結合を有することが確認できた。
[0267] 更に化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
8. lppm (m) (1H
8. Oppm (m (1H
7. 9ppm (m (2H
7. 8ppm (m (1H
7. 7ppm (m) (7H
7. oppnum) (1H
7. 5ppm (m) (1H ナフタレン)
7. 3ppm (m) (3H
3. 6ppm (m) (9H メトキシ基メチル基)
:の結果から、得られた化合物が前記構造式 (C)に示すィ匕合物であることを確認し
[0268] 実施例 4;前記構造式 (D)にて表される有機シラン化合物の合成
まず、 1—ブロモピレン(CASNO. 1714— 29— 0)を 50mM含む四塩化炭素溶液中 に 50mM NBS及び AIBNを加え、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させることで、 1,
2
6—ジブロモピレンを合成した。続いて、 1ーブロモナフタレン lOOmMを含む THF溶 液に、金属マグネシウムを加え、 60°C2時間反応させることで、グリニャール試薬を形 成した。更に、前記グリニャール試薬 50mMを含む THF溶液中に、前記 1 , 6 ジブ ロモピレン 25mMを加え、 20°C4時間反応させることで、 1 , 6—ジーナフタレン 2—ィ ルーピレンを合成した。その後、前記 1 , 6—ジーナフタレン 2—ィルーピレンを 20mM 含む四塩化炭素溶液中に 50mM NBS及び AIBNを加え、 N雰囲気下で 60°C2
2
時間反応させることで、ブロモ化させた後、前記ブロモ化物を lOmM含む四塩ィ匕炭 素溶液中に金属マグネシウムをカ卩え、 60°C 1時間反応させることで、グリニャール試 薬を合成した。その後、実施例 1と同様にクロロトリエトキシシラン lOmMを加え 60°C 2時間反応させることで標記の化合物を収率 25%で得た。
[0269] 得られたィ匕合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、 1080cm 1に Si C由来の吸収が観測され、化合物が SiC結合を有することが確認できた。
[0270] 更に化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
8. 2ppm (m ( 1H ピレン)
8. Oppm (m (2H ピレン)
7. 9ppm (m (3H ピレン及びナフタレン)
7. 7ppm m) ( 10H ピレン及びナフタレン)
7. 5ppm (m) (2H ナフタレン)
7. 3ppm (m) (3H ナフタレン)
3. 6ppm (m) (6H エトキシ基メチレン基)
1. 5ppm (m) (9H エトキシ基メチル基)
この結果から、得られた化合物が前記構造式 (D)に示すィ匕合物であることを確認し た。
[0271] 実施例 5 ;前記構造式 (E)にて表される有機シランィ匕合物の合成
まず、実施例 1の中間体である 6—ブロモー [2, 2,;6,, 2,,]テルナフタレンを 20m M含む THF溶液に、金属マグネシウムを加え N雰囲気下 60°C 1時間反応させること
2
でグリニャール試薬を形成した。続いて、 6—ブロモー [2, 2,;6,, 2,,]テルナフタレ ン 20mMを含む THF溶液中に前記グリニャール試薬 20mMをカ卩え、 20°C3時間反 応させることで、下記中間体を合成した。 [0272] [化 44]
Figure imgf000075_0001
[0273] 更に、前記中間体を lOmM含む四塩化炭素溶液中に 20mM NBS及び AIBNを 加え、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させることで、末端をブロモ化させた化合物を
2
合成した後、更に金属マグネシウムを加え、 60°C1時間反応させることで、グリニヤー ル試薬を合成させ、テトラクロロシラン lOmMをカ卩ぇ 60°C2時間反応させることで標 記の化合物を収率 25%で得た。
[0274] 得られたィ匕合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、 1095cm 1に Si C由来の吸収が観測され、化合物が SiC結合を有することが確認できた。
[0275] 更に化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。得られた化合物を直接 NMR測 定することは、化合物の反応性が高いことより不可能であるため、化合物をエタノー ルと反応させ (塩ィ匕水素の発生を確認した)、末端の塩素をエトキシ基に変換した後
、測定を行った。
7. 9ppm (m (10H 芳香族)
7. 7ppm、m) (14H 芳香族)
7. 5ppm、m) (10H 芳香族)
7. 3ppm (m) (3H 芳香族)
3. 7ppm (m) (6H エトキシ基メチレン基)
1. 4ppm (m) (9H エトキシ基メチル基)
この結果から、得られた化合物が前記構造式 (E)に示すィ匕合物であることを確認し た。
[0277] 実施例 6;前記構造式 (F)にて表される有機シランィ匕合物の合成
まず、 1—ベンゾアントラセン(CASNO. 56— 55— 3)を 50mM含む四塩化炭素溶 液中に lOOmM NBS及び AIBNを加え、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させること
2
で、 3—ブロモーべンゾ [a]アントラセンを合成した。続いて、前記 3—ブロモーべンゾ [a ]アントラセンを 20mM含む THF溶液中に金属マグネシウムをカ卩え、 65°C2時間反 応させることでグリニャール試薬を合成した。また、フエナントレン(CASNO. 85-01 8)を 50mM含む四塩化炭素溶液中に lOOmM NBS及び AIBNをカ卩え、 N雰囲
2 気下で 60°C3時間反応させることで、 2, 7 ジブ口モーフエナントレンを合成した。続 いて、前記 2, 7 ジブ口モーフエナントレンを 5mM含む THF溶液中に、前記グリニャ ール試薬 5mMを加え、 60°Cで 2時間反応させることで、 3—(7—ブロモーフエナントレ ン— 2 ィル)—ベンゾ [a]アントラセンを合成した。更に、前記 3— (7—ブロモーフエナン トレン 2—ィル)一べンゾ [a]アントラセンを ImM含む四塩化炭素溶液中に lOmMN BS及び AIBNをカ卩え、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させ、更に金属マグネシウム
2
を加え、 60°C1時間反応させることで、グリニャール試薬を合成し、クロロトリメトキシシ ラン 2mMを加え 60°C2時間反応させることで標記の化合物を収率 10%で得た。
[0278] 得られたィ匕合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、 1075cm 1に Si C由来の吸収が観測され、化合物が SiC結合を有することが確認できた。
[0279] 更に化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
8. 5ppm、m) (3H 芳香族)
8. 3ppm、m) (4H 芳香族)
8. lppnum) (3H 芳香族)
7. 9ppm (m (4H 芳香族)
7. 7ppm、m) (2H 芳香族)
7. 4ppm (m) (3H 芳香族)
3. 7ppm (m) (9H メトキシ基メチル基)
この結果から、得られた化合物が前記構造式 (F)に示すィ匕合物であることを確認し た。
[0280] 準備例 2
実施例 7及び実施例 9で用いる 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンはル ート A4あるいはルート A5の第 1反応式に従い、以下の方法により合成した。
[0281] 詳細には、まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 200mlガラス フラスコに、マグネシウム 0. 4M、 HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide ) 100mL、 THF20mL及び I2 (触媒)、 1, 2, 4, 5—テトラクロ口ベンゼン(例えばキシ ダ化学より純度 99%で購入できる) 0. 1Mをカ卩えた後、温度 80°Cにて、クロロトリメチ ルシラン 0. 4Mを滴下し、 30分間攪拌した後、 130°Cにて 4日間還流させることによ り、 1, 2, 4, 5—テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンを合成した。続いて、 200mLナスフ ラスコに、 i-Pr NH20mM、 Phi (OAc) [ (ジァセトキショード)ベンゼン((diacetox
2 2
yiodo) benzene) ] 50mM、ジクロロメタン 50mLを加えた後、 0°Cにて CF CO H (T
3 2 fOH) 50mMを滴下し、 2時間攪拌した。続いて前記 1, 2, 4, 5—テトラ(トリメチルシ リル)ベンゼン 50mMを含むジクロロメタン溶液 10mLを 0°Cにて滴下し、室温にて 2 時間攪拌することにより、フエ-ル [2, 4, 5—トリス(トリメチルシリル)フエ-ル]ョードニ ゥム トリフレート (phenyl [2, 4, 5— tris (trimethylsilyl) phenyl] iodonium Trifl ateを)合成した。更に続いて、 50mLナスフラスコに、 Bu NF2. 0Mの THF溶液を
4
仕込み、前記フエ-ル [2, 4, 5—トリス(トリメチルシリル)フエ-ル]ョードニゥム トリフ レート 5mM及び 3, 4—ジ(トリメチルシリル)フラン 10mMを含むジクロロメタン溶液 10 mLを 0°Cにて滴下し、 30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ジク ロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行うことで、 1, 4 —ジヒドロ— 1, 4 エポキシナフタレン誘導体を合成した。その後、前記 1, 4—ジヒドロ— 1, 4 エポキシナフタレン誘導体をヨウ化リチウム ImM, DBU (1, 8— diazabicyclo [5. 4. 0]undec— 7— ene) lOmMを含む THF溶液 lOmLを、攪拌機、還流冷却器 、温度計、滴下ロートを備えた 50mlガラスフラスコに仕込み、前記 1, 4ージヒドロー 1, 4 エポキシナフタレン誘導体 ImMを加えた後、窒素雰囲気下にて 3時間還流させ ることで、反応を進行させた。反応終了後、抽出及び MgSOによる水分除去を行うこ
4
とで、標記の 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを合成した。
[0282] 実施例 7
3—トリエトキシシリル 6, 8, 9, 11ーテトラー tーブチルテトラセンの合成
3—トリエトキシシリル 6, 8, 9, 11ーテトラー tーブチルテトラセンはルート A4に従い、 2, 3, 7, 8—テトラ(トリメチルシリル)— 6, 9 (tert—ブチル)—アントラセンを合成し、 次いで、前記ルート C2に従って、トリメチルシリル基を 4級アンモ-ゥムにより脱保護 させ、シランィ匕合物と反応させることによって、合成した。
[0283] より詳細には以下の手法により合成した。まず、前記準備例 2で合成した 2, 3, 6, 7 ーテトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを出発原料として使用し、合成手法は、 3, 4 ジ( トリメチルシリル)フランの代わりに、 2, 5— (tert ブチル )— 3, 4—ジ(トリメチルシリル) フランを使用することを除き、準備例 2の、 1, 2, 4, 5-テトラ(トリメチルシリル)ベンゼ ンから 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを合成する手法と同様の手法に て 2, 3, 7, 8—テトラ(トリメチルシリル)— 6, 9— (tert—ブチル)—アントラセンを合成し た。更に、 2, 5— (tert ブチル )—3, 4—ジ(トリメチルシリル)フランの代わりに、 3, 4 (tert プチル)フランを使用することを除き、本実施例の 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチル シリル)ナフタレンから 2, 3, 7, 8—テトラ(トリメチルシリル )—6, 9— (tert—ブチル)ーァ ントラセンを合成する手法と同様の手法を適用することより、下記構造式にて表される 2, 3—ジ(トリメチルシリル )—6, 8, 9, 11ーテトラ(tert—ブチル)テトラセンを合成した
[0284] [化 45]
Figure imgf000078_0001
[0285] 続いて、前記 2, 3—ジ(トリメチルシリル) 6, 8, 9, 11ーテトラ (tert プチル)テトラ セン ImMを少量の水及び PhNMe Fを含む THF溶媒に溶解させた後、攪拌するこ
3
とで、 6, 8, 9, 11ーテトラ (tert プチル)テトラセンを合成した。更に、窒素雰囲気下 にて、 200mlナスフラスコに乾燥 THF5ml、前記 6, 8, 9, 11ーテトラ(tert—ブチル) テトラセンを 5mM、マグネシウムをカ卩えた後、 1時間攪拌することにより、グリニャール 試薬を形成したのち、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけス フラスコにクロロトリエトキシシラン 5mM、 THF30mlを仕込み、氷冷したのち、前記 グリニャール試薬を加え、 30°Cにて 1時間成熟を行った。次いで、反応液を減圧に てろ過し、塩化マグネシウムを除いた後、ろ液から THF及び未反応のクロロトリエトキ シシランをストリップすることにより標記化合物を 15%の収率で得た。
[0286] 得られたィ匕合物について、赤外吸収測定を行ったところ、波長 1035cm 1に Si-O— Cの吸収が見られた。このことより、得られた化合物にシリル基が含まれることが確認 された。化合物を含むクロ口ホルム溶液の紫外 可視吸収スペクトル測定を行ったと ころ、波長 493nmに吸収が観測された。この吸収は、分子に含まれるテトラセン骨格 の π→π *遷移に起因しており、化合物がテトラセン骨格を含むことが確認できた。
[0287] 更に、化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
(8. Oppm— 7. 3ppm) (m) (7H ;テトラセン骨格由来)
(3. 9ppm— 3. 7ppm) (m) (6H ;シリル基のェチル基由来)
(1. Dppm一 1. lppm)、m)
(45H ;t ブチル基及びシリル基のメチル基由来)
これらの結果から、この化合物が 3—トリエトキシシリル 6, 8, 9, 11ーテトラー tーブチ ルテトラセンであることを確認した。
[0288] 実施例 8
3—ジー tーブチルメトキシシリル 9ージフエ-ルメチルペンタセンの合成と当該化合 物を用いた有機薄膜の形成
3—ジー tーブチルメトキシシリル 9ージフエ-ルメチルペンタセンは前記ルート D2の 手法により合成した。即ち、クロロジフエ-ルメタンを当量のマグネシウムと反応させる ことによって、グリニャール試薬を形成した後に、ブロモペンタセンを含む-トロベン ゼン中に前記グリニャール試薬を徐々に添カ卩することによって、 9ージフエ-ルメチル ペンタセンを合成した。続いて、 NBSを用いて 3—ブロモ—9ージフエ-ルメチルペンタ センを形成させたのちに-トロベンゼン中に溶解させた H— Si (C (CH ) ) OCHと反
3 3 2 3 応させることによって、 3—ジー tーブチルメトキシシリル 9—ジフエ-ルメチルペンタセ ンを合成した。
[0289] より詳細には、まず、所定量のクロロジフエ-ルメタンを含む、例えばクロ口ホルム溶 液中に、マグネシウムをカ卩えることによって、グリニャール試薬を形成させた。続いて 、 9 ブロモペンタセンのクロ口ホルム溶液をゆっくりと加えることによって、 9ージフエ- ルメチルペンタセンを形成した。つづいて、例えば NBSを用いて前記 9ージフエ-ル メチルペンタセンをブロモ化した後に、 3位以外がブロモ化された化合物を抽出によ り除去することによって、 3—ブロモー 9ージフエ-ルメチルペンタセンを得た。更に、ク ロロジ(tert—ブチル)メトキシシランをクロ口ホルム中に溶解させ、その溶液を、前記 3 —ブロモー 9ージフエ-ルメチルペンタセンを含むクロ口ホルム溶液に加えることによつ て反応させ、標記化合物を合成した (収率 10%)。
[0290] 得られたィ匕合物について、赤外吸収測定を行ったところ、波長 1020cm 1に Si-O— Cの吸収が見られた。化合物を含むクロ口ホルム溶液の紫外 可視吸収スペクトル測 定を行ったところ、波長 605nmに吸収が観測された。
[0291] 更に、化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
(8. 4ppm— 8. 2ppm) (m) (2H :ペンタセン骨格由来)
(7. 9ppm一 7. 5ppm) {m)
(20H:ペンタセン骨格及びジァリールアルキル基のベンゼン環由来)
(5. 4ppm— 5. 3ppm) (m) ( 1H :ジフエ-ルェチル基のェチル基由来) (3. 6ppm— 3. 5ppm) (m) (3H :シリル基のメチル基由来)
( 1. 5ppm— 1. 2ppm) (m) ( 1811 :シリル基のト:611基由来)
これらの結果から、この化合物が 3—ジー tーブチルメトキシシリル 9—ジフエ-ルメチ ルペンタセンであることを確認した。
[0292] 続、て、 LB法を用いた前記化合物の有機薄膜の形成にっ 、て記述する。まず、 3 —ジー tーブチルメトキシシリル 9—ジフエ-ルメチルペンタセンをクロ口ホルム溶媒に 溶解させ、 2mMの試料溶液を作成した。続いてトラフ中の水面上に、試料溶液を所 定量(100 1)滴下し、水面上に前記化合物の単分子膜 (L膜)を形成させた。この 状態で水面上に圧力を加え、所定の表面圧(30mNZcm2)とした後に、基板を一定 速度で引き上げることによって LB膜を形成させた。
[0293] 形成させた 3—ジー tーブチルメトキシシリル 9ージフエ-ルメチルペンタセン有機薄 膜の吸収測定結果が、化合物の吸収測定と一致したことより、形成した有機薄膜中 にペンタセン骨格が含まれて 、ることが確認できた。またエリプソメトリー測定及び AF M測定により、膜厚が平均約 2. Onmであることが確認された。 3—ジー tーブチルメトキ シシリル 9ージフエ-ルメチルペンタセンの分子長は 2. 3nmであるため、形成された 有機薄膜が単分子層であり、かつ、傾いた構造を有していることが確認された。また、 形成した有機薄膜には周期性成分が見られな!/ヽことを AFM測定よつて確認した。こ のことより、有機薄膜中で分子がランダムに配向していることが確認された。 [0294] 実施例 9
2, 3—ジ(ジー tーブチルメトキシシリル)— 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァ ミノ)ペンタセンの合成と当該化合物を用いた有機薄膜の形成
2, 3—ジ(ジー tーブチルメトキシシリル)— 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァ ミノ)ペンタセンは、以下の手法により合成した。まず、 1, 2, 4, 5—テトラクロ口べンゼ ンを出発原料として用いて前記ルート A5に従って下記中間体を合成した。
[0295] [化 46]
Figure imgf000081_0001
[0296] 次いで、前記ルート C3に従って、トリメチルシリル基を 4級アンモ-ゥムにより脱保 護させ、シランィ匕合物と反応させることによって、 2, 3—ジ (ジー t プチルメトキシシリル )ー6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ペンタセンを形成した。
[0297] より詳細には、実施例 7と同様に以下の手法により合成した。まず、前記準備例 2で 合成した 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを出発原料として使用し、合 成手法は、 3, 4ージ(トリメチルシリル)フランの代わりに、 2, 5— (N, N—ジフエ-ルァ ミノ)— 3, 4—ジ(トリメチルシリル)フランを使用することを除き、準備例 2の、 1, 2, 4, 5 ーテトラ(トリメチルシリル)ベンゼンから 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレン を合成する手法と同様の手法にて 2, 3, 7, 8—テトラ(トリメチルシリル) 6, 9— (N, N —ジフエ-ルァミノ) アントラセンを合成した。更に、 2, 5— (N, N—ジフエ-ルァミノ) —3, 4—ジ(トリメチルシリル)フランの代わりに、フランを使用することを除き、本実施 例の 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンから 2, 3, 7, 8—テトラ(トリメチル シリル) 6, 9-(N, N—ジフエニルァミノ) アントラセンを合成する手法と同様の手法 を適用することで、 2, 3—ジ(トリメチルシリル )—6, 11- (N, N—ジフエ-ルァミノ)テト ラセンを合成した後、更に、本実施例の 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)ナフタレ ンカら 2, 3, 7, 8—テトラ(トリメチルシリル)— 6, 9— (N, N—ジフエ-ルァミノ)—アントラ センを合成する手法と同様の手法を再度適用することより、上記構造式にて表される 2, 3, 9. 10—テトラ(トリメチルシリル)— 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ )ペンタセンを合成した。続いて、前記 2, 3, 9. 10-テトラ(トリメチルシリル) -6, 8, 1 1, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ペンタセン ImMを少量の水及び PhNMe F
3 を含む THF溶媒に溶解させた後、攪拌することで、 6, 8, 11, 13-テトラ (N, N-ジ フエニルァミノ)ペンタセンを合成した。更に、窒素雰囲気下にて、 200mlナスフラス コに乾燥 THF5ml、前記 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ペンタセン を 5mM、マグネシウムを加えた後、 1時間攪拌することにより、グリニャール試薬を形 成したのち、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた ΙΟΟπ ナスフラスコ にクロロージ(tert—ブチル)メトキシシラン 5mM、 THF30mlを仕込み、氷冷したのち 、前記グリニャール試薬を加え、 30°Cにて 1時間成熟を行った。次いで、反応液を減 圧にてろ過し、塩化マグネシウムを除いた後、ろ液から THF及び未反応のクロロジ (t ert-プチル)メトキシシランをストリップすることにより標記化合物を 10%の収率で得 た。
[0298] 得られたィ匕合物について、赤外吸収測定を行ったところ、波長 1025cm 1に Si— 0— Cの吸収が見られた。化合物を含むクロ口ホルム溶液の紫外 可視吸収スペクトル測 定を行ったところ、波長 615nmに吸収が観測された。
[0299] 更に、化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
(8. 2ppm) (s) (2H :ペンタセン由来)
(8. Oppm - -7. 9ppm) (m) (6H :ペンタセン由来)
(7. 2ppm - -7. Oppm) (m) (16H :ジフエ-ルァミノ基由来)
(6. 8ppm - -6. 3ppm) (m) (24H :ジフエ-ルァミノ基由来)
(3. oppm一 -3. 5ppm) (m) (6H :シリル基のメトキシ基由来)
(1. 4ppm - -1. 3ppm) (m) (36H :シリル基の t Bu基由来)
これらの結果から、この化合物が 2, 3—ジ(ジー tーブチルメトキシシリル )—6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ペンタセンであることを確認した。
つづいて、前記化合物を用いた有機薄膜の製造例を以下に示す。まず、石英基板 を過酸化水素と濃硫酸との混合溶液 (混合比 3 : 7)中において 1時間浸漬し、石英基 板表面を親水化処理した。その後、得られた基板を不活性雰囲気下において、 2, 3 —ジ(ジー tーブチルメトキシシリル)— 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ぺ ンタセンを非水系溶媒(n—へキサデカン)に溶解した 10mMの 2, 3—ジ(ジー tーブチ ルメトキシシリル)— 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ペンタセン溶液に 5分間浸潰させ、ゆっくりと引き上げ、溶媒洗浄を行うことで、石英基板上に膜を形成 した。
[0301] 膜を形成した石英基板を、紫外可視吸収分光光度計にて測定したところ、 π電子 共役系分子であるペンタセン骨格の吸収波長に起因する 610nmを検出した。このこ とより、形成した有機薄膜にペンタセン骨格を含む有機薄膜が形成されていることを 確認した。また、エリプソメトリーによる膜厚の評価により、形成した有機薄膜の膜厚と して 21. 2nmが得られた。これは本発明の化合物の分子長よりも大きい。すなわち、 上記化合物を用いて化学結合法によって有機薄膜を形成すると、ジフエ二ルァミノ基 とメトキシ基由来の水酸基との間で水素結合が形成されることによって多分子層を形 成することができる。また、形成した有機薄膜には周期性成分が見られないことを AF M測定よつて確認した。このことより、有機薄膜中で分子がランダムに配向しているこ とが確認された。
[0302] 実施例 10
2, 8— (N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 11—ジートリクロロシリル ペリレンの合成及び当 該化合物を用いた有機薄膜の形成
2, 8— (N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 11—ジートリクロロシリル ペリレンは前記ルート D4の手法により合成した。すなわち、まず、所定量のペリレンを酢酸溶媒中に溶解さ せ、 KlZKIOにより、 2, 5, 8, 11位をヨウ素化させた。続いて、銅存在下、 1, 2—ジ
3
クロ口ベンゼン中でジフエニルァミンと反応させた後、更にテトラクロロシランと反応さ せることによって合成した。
[0303] より詳細には、まず、 ΚΙ、 ΚΙΟを含む酢酸溶液 50mLを lOOmLナスフラスコに仕
3
込み、 50mMペリレン (例えばキシダ化学より純度 99%で購入できる)をカ卩えた後、 3 時間攪拌することで、 2, 5, 8, 11ーテトラョードペリレンを合成した。続いて、攪拌機 、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた lOOmlガラスフラスコに無水 K CO 10m
2 3
M及び銅(触媒) 0. 5mM、 18 クラウン 6 (ImM)を仕込み、前記 2, 5, 8, 11ーテ トラョードペリレン 10mM及びジフエ-ルァミン 20mMを含むジクロロベンゼン溶液 2 OmLを加えた後、 32時間還流することにより反応を進行させた。反応後、触媒及び 未反応物をろ過により除去し、減圧下で蒸留することによって 2, 8-(N, N—ジフエ- ルァミノ) 5, 8 ョードペリレンを合成した。続いて、窒素雰囲気下にて、 200mlナスフ ラスコに乾燥 THF5ml、前記 2, 8— (N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 8 ョードペリレンを 5mM、マグネシウムを加えた後、 1時間攪拌することにより、グリニャール試薬を形成 したのち、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた ΙΟΟπ ナスフラスコ〖こ テトラクロロシラン 5mM、 THF30mlを仕込み、氷冷したのち、前記グリニャール試薬 を加え、 30°Cにて 2時間成熟を行った。次いで、反応液を減圧にてろ過し、塩化マグ ネシゥムを除いた後、ろ液力も THF及び未反応のクロロジ (tert—ブチル)トリクロロシ ランをストリップすることにより標記化合物を 25%の収率で得た。
形成した 2, 8— (N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 11—ジートリクロロシリル ペリレンにつ いて、赤外吸収測定、紫外 -可視吸収スペクトル測定、 NMR測定を行った。得られ た化合物を直接測定することは、化合物の反応性が高いことより不可能であるため、 化合物をエタノールと反応させ (塩ィ匕水素の発生を確認した)、末端の塩素をェトキ シ基に変換した後、測定を行った。その結果、赤外吸収測定より、波長 1030cm こ Si— O— Cの吸収が見られた。また、紫外 可視吸収スペクトル測定より、波長 380nm の π→π *遷移吸収を得た。 NMR測定結果については、以下の結果を得た。
(8. Oppm - -7. 8ppm) (m) (2H ペリレン骨格由来)
(7. 5ppm - -7. 3ppm) (m) (8H ペリレン骨格由来)
(7. lppm - -6. 9ppm) (m) (8H :ジフエ-ルァミノ基由来)
(6. 7ppm - -6. 3ppm) (m) (12H : :ジフヱ-ルァミノ基由来)
(3. 8ppm - -3. 6ppm) (m) (12H ; ;シリル基のェチル基由来)
(1. 5ppm - -1. 4ppm) (m) (18H ; ;シリル基のメチル基由来)
これらの結果から、この化合物が 2, 8—(N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 11—ジートリクロ ロシリル ペリレンであることを確認した。
つづいて、前記化合物用いた有機薄膜の製造例を以下に示す。まず、マイ力基板 を過酸化水素と濃硫酸との混合溶液 (混合比 1 :4)中において 15分間浸漬し、マイ 力基板表面を親水化処理した。その後、得られた基板を不活性雰囲気下において、
2, 8— (N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 11—ジートリクロロシリル ペリレンを非水系溶媒(n 一へキサデカン)に溶解した ImMの 2, 8—(N, N—ジフエ-ルァミノ) 5, 11 ジートリク ロロシリル-ペリレン溶液に 10分間浸漬させ、ゆっくりと引き上げ、溶媒洗浄を行うこと で、マイ力基板上に膜を形成した。
[0307] 膜を形成した石英基板を、紫外可視吸収分光光度計にて測定したところ、 π電子 共役系分子であるペリレン骨格の吸収波長に起因する 380nmを検出した。このこと より、形成した有機薄膜にペリレン骨格を含む有機薄膜が形成されていることを確認 した。また、エリプソメトリーにより測定された膜厚は 10nmであった。これによつて有 機薄膜は多分子層構造を有していることを確認した。更に、また、形成した有機薄膜 には周期性成分が見られないことを AFM測定よつて確認した。このことより、有機薄 膜中で分子がランダムに配向していることが確認された。
[0308] 比較例 1
実施例 9で得られた 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァミノ)ペンタセンを用 いて、スパッタリング法によって膜厚 lOnmの有機薄膜を形成した。
[0309] (溶解性)
実施例 7— 10で合成された本発明の有機シランィ匕合物、比較例 1の 6, 8, 11, 13 -テトラ (N, N-ジフエ-ルァミノ)ペンタセンの、有機溶剤に対する溶解性を評価した 。詳しくは、各化合物 l /z molを、それぞれ以下の有機溶剤 lmlに添加し、 15分間混 oし 7こ o
実施例 7— 8;クロ口ホルム;
実施例 9一 10及び比較例 1;トルエン;
実施例 7— 10の有機シランィ匕合物は有機溶剤に対して溶解し、透明溶液が得られ た。比較例 1の化合物は有機溶剤中、分散されるだけで溶解されず、白濁液が得ら れた。
[0310] (基板に対する結合)
実施例 8— 10及び比較例 1で得られた有機薄膜を以下の方法により検証した。 方法;まず、石英基板上に形成した有機薄膜を水溶液中に浸潰し、 10分間超音波 洗浄を行った。続いて、前記有機薄膜の紫外 可視吸収スペクトル測定を行い、 π 電子共役系分子固有の π→ π *遷移吸収波長の有無を確認した。
[0311] 実施例 8— 10の有機薄膜では、超音波洗浄前後で同じ位置に π→ π *遷移吸収 力 Sあることが確認できた。一方、比較例 1の有機薄膜では超音波洗浄前に確認でき た π→π *遷移吸収が、超音波洗浄後には消失することを確認した。このことより、 本発明の有機シリル化合物の耐久性が向上することが確認できた。
[0312] 実施例 7— 10より以下の事項が明らかになった。本発明の有機シランィ匕合物は機 能性基及びシリル基を有しているので、比較的高い溶解性を有しており、溶液系を 利用した成膜において、汎用性が高いという特徴を有している。また本発明の有機シ ランィ匕合物はシリル基を有しているので基板と化学的に強固に結合し、耐久性に優 れた薄膜を形成可能である。また本発明の有機シランィ匕合物は、機能性基の分子体 積が比較的大きいために、隣接分子間の分子間相互作用が小さくなり、結果として 結晶化が起こらず、非晶質膜を形成する。従って、例えば有機 EL素子として利用す る場合に、高い発光効率を伴うことができる。
[0313] 実施例 11
1, 4, 8, 11ーテトラニトロー 2—ジー t ブチルエトキシシリル ペンタセンは以下の手 法により合成した。すなわち、まず、 1, 2, 4, 5—テトラクロ口ベンゼンから、 2, 3—ジ(ト リクロロシリル) 6, 7—ジニトロナフタレンを合成し、例えばトリメチルシリル基のような保 護基をニトロ基に反応させた後、順次ァセン骨格数を増加させ、その後保護基を脱 保護させることにより標記の化合物を合成した。
[0314] 詳細には、まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 200mlガラス フラスコに、マグネシウム 0. 4M、 HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide ) 100mL、THF20mL及び I2 (触媒)、 1, 2, 4, 5—テトラベンゼン(例えばキシダ化 学より純度 99%で購入できる) 0. 1Mを加えた後、温度 80°Cにて、クロロトリメチルシ ラン 0. 4Mを滴下し、 30分間攪拌した後、 130°Cにて 4日間還流させることにより、 1 , 2, 4, 5—テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンを合成した。続いて、 200mLナスフラスコ に、 i— PrNH20mM、 Phi (OAc) ( (diacetoxyiodo) benzene) 50mM、ジクロロメ
2
タン 50mLを加えた後、 0°Cにて CF CO H (TfOH) 50mMを滴下し、 2時間攪拌し た。続いて前記 1, 2, 4, 5—テトラ(トリメチルシリル)ベンゼン 50mMを含むジクロロメ タン溶液 10mLを 0°Cにて滴下し、室温にて 2時間攪拌することにより、 phenyl [2, 4 , 5— tris rimethylsilyl) phenylj iodonium Triflateを合成した。更に続 ヽて、 5 OmLナスフラスコに、 Bu NF2. OMの THF溶液を仕込み、前記 phenvl[2, 4, 5— t
4
ris (trimethylsilyl) phenyl] iodonium Triflate5mM及び 3, 4—ジニトロフラン 10 mMを含むジクロロメタン溶液 lOmLを 0°Cにて滴下し、 30分間攪拌することで反応 を進行させた。反応終了後、ジクロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマト グラフにて精製を行うことで、 1, 4-dihydro-l, 4 epoxynaphthalene誘導体を合 成した。その後、前記 1, 4-dihydro-l, 4— epoxynaphthalene誘導体をヨウ化リチ ゥム ImM, DBU (1, 8— diazabicyclo [5. 4. 0]undec— 7— ene) 10mMを含む TH F溶液 lOmLを、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 50mlガラスフラ スコに仕込み、 tijfEl, 4— dihydro— 1, 4— epoxynaphthalene誘辱体 ImMを加え た後、窒素雰囲気下にて 3時間還流させることで、反応を進行させた。反応終了後、 抽出及び MgSOによる水分除去を行うことで、 2, 3—ジ(トリクロロシリル) 6, 7 ジ-ト ロナフタレンを合成した。続いて、 3, 4ージニトロフランを使用する変わりに、 3, 4 ジ( トリメチルシリル)フランを使用することを除き、上記の 1, 2, 4, 5-テトラ(トリメチルシリ ル)ベンゼンから 2, 3—ジ(トリメチルシリル) 6, 7—ジニトロナフタレンを合成する手法 と同様の手法を 2回適用することによって、 2, 3 (トリメチルシリル) 7, 10—ジニトロテ トラセンを合成した。更に続いて、 3, 4ージニトロフランを使用する変わりに、 3— (トリメ チルシリル) 4 (ォキシトリメチルシリル)フランを使用することを除き、上記の 1, 2, 4, 5—テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンから 2, 3—ジ(トリメチルシリル) 6, 7—ジニトロナフ タレンを合成する手法と同様の手法を 1回適用し、 2 (ォキシトリメチルシリル) 3 (ト リメチルシリル) 1, 4, 8, 11ーテトラ-トロペンタセンを合成した後、前記 2 (ォキシトリ メチルシリル) 3— (トリメチルシリル) 1, 4, 8, 11ーテトラ-トロペンタセン ImMを少量 の水及び PhNMe Fを含む THF溶媒に溶解させた後、攪拌することで、 2—ヒドロキ
3
シ 1, 4, 8, 11-テトラ-トロペンタセンを合成した。更に、攪拌機、還流冷却器、温度 計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコに窒素雰囲気下にて、水素化ジ (tert— ブチル)エトキシシラン 5mM、 THF30mlを仕込み、氷冷したのち、乾燥 THF5ml、 前記 2—ヒドロキシ 1, 4, 8, 11ーテトラ-トロペンタセン 5mMをカ卩え、 30°Cにて 1時間 成熟を行うことによって、標記の 1, 4, 8, 11ーテトラ-トロ— 2—ジー t ブチルエトキシ シリノレーペンタセンを合成した。
[0315] 得られたィ匕合物について、赤外吸収測定を行ったところ、波長 1035cm 1に Si-O— Cの吸収が見られた。化合物を含むクロ口ホルム溶液の紫外 可視吸収スペクトル測 定を行ったところ、波長 605nmに吸収が観測された。
[0316] 更に、化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
(8. lppm— 8. Oppm) (s) (1H :ペンタセン由来)
(7. 9ppm— 7. 8ppm) (m) (8H :ペンタセン由来)
(3. 6ppm— 3. 5ppm) (m) (6H :シリル基のェチル由来)
(1. 4ppm— 1. 3ppm)、m)
(27H:シリル基の t Bu基及びメチル基由来)
これらの結果から、この化合物が 1, 4, 8, 11ーテトラ-トロ— 2—ジー tーブチルェトキ シシリルーペンタセンであることを確認した。
[0317] 実施例 12
まず、ガラス基板を有機溶媒 (例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超 音波洗浄した後、 100W、 5分間プラズマアツシングを行った。続いて、この基板上に RFスパッタ法にて ITO透明電極薄膜を 150nmの厚さに成膜し、パターユングした。 この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を 5. 0 X 10— 6Torrまで減圧した後、正 孔輸送層として TPDを 50nm厚で ITO透明電極上に蒸着し、更に発光層として Alq 3を 50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。続いて、過酸化水素:硫酸 = 1 :4の溶液 中に、前記基板を 15分間浸漬し、表面を親水化処理した。一方、実施例 8で得られ た 3—ジー tーブチルメトキシシリル 9ージフエ-ルメチルペンタセンをクロ口ホルム溶媒 に溶解させ、 2mMの試料溶液を作成しておき、続いてトラフ中の水面上に、試料溶 液を所定量( 100 1)滴下し、水面上に前記化合物の単分子膜 (L膜)を形成させた 。この状態で水面上に圧力をカ卩え、所定の表面圧(30mNZcm2)とした後に、予め セットしておいた前記発光層まで積層した基板を一定速度で引き上げることによって 、発光層上に電子輸送層を形成した。更に、陰極として MgAgを 200nm厚で電子輸 送層上に蒸着することによって、有機 EL素子を製造した。
[0318] このようにして構築した有機 EL素子は、特に発光層と電子輸送層との界面が化学 結合を介して強固に結合されているため、電子輸送効率が高ぐ従って駆動電圧を 小さくすることが可能である。構築した有機 EL素子は 3500cdZm2の最大放出が 11
. 5Vの印加電圧にて確認された。
[0319] 実施例 13
まず、ガラス基板を有機溶媒 (例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超 音波洗浄した後、 100W、 5分間プラズマアツシングを行った。続いて、この基板上に RFスパッタ法にて ITO透明電極薄膜を 150nmの厚さに成膜し、パターユングした。 続いて、過酸化水素:硫酸 = 7 : 3の溶液中に、前記基板を 15分間浸漬し、表面を親 水化処理した。一方、実施例 11で得られた 1, 4, 8, 11ーテトラ-トロ— 2—ジー t プチ ルェトキシシリルーペンタセンをクロ口ホルム溶媒に溶解させることによって、 2mMの 試料溶液を調製し、前記陽極まで積層した基板を浸漬することによって、陽極上に正 孔輸送層を形成した。この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を 7. O X 10"6To rrまで減圧した後、発光層として Alq3を 50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。更に 、陰極として MgAgを 200nm厚で正孔輸送層上に蒸着することによって、有機 EL素 子を製造した。
[0320] このようにして構築した有機 EL素子は、特に陽極と正孔輸送層との界面が化学結 合を介して強固に結合されているため、正孔輸送効率あるいは電子輸送効率が高く 、従って駆動電圧を小さくすることが可能である。構築した有機 EL素子は 3300cd/ m2の最大放出が 12. OVの印加電圧にて確認された。
[0321] 実施例 14
まず、ガラス基板を有機溶媒 (例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超 音波洗浄した後、 100W、 5分間プラズマアツシングを行った。続いて、この基板上に RFスパッタ法にて ITO透明電極薄膜を lOOnmの厚さに成膜し、パターユングした。 この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を 5. O X 10— 6Torrまで減圧した後、正 孔輸送層として TPDを 50nm厚で ITO透明電極上に蒸着し、更に発光層として Alq 3を 50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。続いて、過酸化水素:硫酸 = 1 :4の溶液 中に、前記基板を 15分間浸漬し、表面を親水化処理した。一方、実施例 9で得られ た 2, 3—ジ(ジー tーブチルメトキシシリル)— 6, 8, 11, 13—テトラ(N, N—ジフエ-ルァ ミノ)ペンタセンをクロ口ホルム溶媒に溶解させ、 2mMの試料溶液を作成しておき、続 いてトラフ中の水面上に、試料溶液を所定量(100 1)滴下し、水面上に前記化合 物単分子膜 (L膜)を形成させた。この状態で水面上に圧力を加え、所定の表面圧 (2 5mN/cm2)とした後に、予めセットしておいた前記発光層まで積層した基板を一定 速度で引き上げることによって、発光層上に電子輸送層を形成した。更に、陰極とし て MgAgを lOOnm厚で電子輸送層上に蒸着することによって、有機 EL素子を製造 した。
[0322] このようにして構築した有機 EL素子は、特に発光層と電子輸送層との界面が化学 結合を介して強固に結合されているため、電子輸送効率が高ぐ従って駆動電圧を 小さくすることが可能である。構築した有機 EL素子は 4500cdZm2の最大放出が 10 . 5Vの印加電圧にて確認された。
[0323] 比較例 2
まず、ガラス基板を有機溶媒 (例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超 音波洗浄した後、 100W、 5分間プラズマアツシングを行った。続いて、この基板上に RFスパッタ法にて ITO透明電極薄膜を lOOnmの厚さに成膜し、パターユングした。 この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を 5. O X 10— 6Torrまで減圧した後、正 孔輸送層として TPDを 50nm厚で ITO透明電極上に蒸着し、更に発光層として Alq 3を 50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。続いて、実施例 9の中間体である 6, 8, 11 , 13—テトラ (N, N—ジフエニルァミノ)ペンタセンを、真空蒸着法により、発光層上に 電子輸送層として lOnm形成した。更に、陰極として MgAgを lOOnm厚で電子輸送 層上に蒸着することによって、有機 EL素子を製造した。
[0324] このようにして構築した有機 EL素子は 15. 0Vの印加電圧までの範囲にて、 1000 Cd以上の発光が確認できな力つた。
[0325] 本比較例では、発光層及び電子輸送層の間が物理吸着を介した結合であり、電子 移動が非効率的であることが原因である。つまり、本発明の有機 EL素子のように、層 間で化学結合を介すると、低い印加電圧にて高い発光効率が得られることが確認で きた。
[0326] 実施例 15
以下の実施例では、直鎖アルキルユニットを、その炭素数で表す。例えばオタタデ シル基は C18と示す。また、
Figure imgf000091_0001
また、中間 体の名称を記述する上で、ペンタセンの各反応部位の番号を、下記式のようにする。 従って、例えば Si(OCH ) [H]P5 [H]C18は、 2— (トリメトキシシラノ)— 14-オタタデ
3 3
シルーペンタセンと標記される。
[0327] [化 47]
Figure imgf000091_0002
1 1 4 1 3 12 1 1
[0328] 以下ではまず、実施例 15-1— 15— 5にて合成する有機シランィ匕合物の前駆体で あるブロモ化物の合成方法を示す。
[0329] 合成例 1 9ーブロモテトラセン、 9, 10 ジブロモペンタセンの合成
9 プロモテトラセンは以下の手法により合成した。まず、攪拌機、還流冷却器、温 度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコに四塩ィ匕炭素 50mLに溶解させたテト ラセン ImM及び NBSを加え、 AIBN存在下で 1. 5時間反応させた。未反応物及び HBrをろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、 1箇所のみがブロモ化さ れた貯留物を取り出すことにより、表記の 9 プロモテトラセンを得た。
[0330] 合成例 2 9, 10 ジブロモペンタセン
9, 10 ジブロモペンタセンは以下の手法により合成した。まず、攪拌機、還流冷却 器、温度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコに溶解させたテトラセン ImM及 び NCSを加え、 AIBN存在下で 10時間反応させた。未反応物及び HBrをろ過によ り除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、 4箇所が塩素化された貯留物を取り出 すことにより、 2, 3, 9, 10—テトラクロロテトラセンを得た。
[0331] 続いて、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 200mlガラスフラスコに 、マグネシウム 0. 4M、 HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide) lOOmL 、THF20mL及び I (触媒)、 2, 3, 9, 10—テトラクロロテトラセン 0. 1Mをカ卩えた後、
2
温度 80°Cにて、クロロトリメチルシラン 0. 4Mを滴下し、 30分間攪拌した後、 130°C にて 4日間還流させることにより、 2, 3, 9, 10—テトラ(トリメチルシリル)テトラセンを合 成した。
[0332] 続!、て、 200mLナスフラスコに、 i— PrNH20mM、 Phi (OAc) ( (diacetoxyiodo
2
) benzene) 50mM、ジクロロメタン 50mLをカ卩えた後、 0°Cにて CF CO H (Tf OH) 5
3 2
OmMを滴下し、 2時間攪拌した。続いて前記 2, 3, 9, 10—テトラ(トリメチルシリル)テ トラセン 50mMを含むジクロロメタン溶液 10mLを 0°Cにて滴下し、室温にて 2時間攪 拌することにより、 phenyl[2, 3, 9— tris (trimethylsilyl) tetracenyl] iodonium T riflateを合成した。更に続いて、 50mLナスフラスコに、 Bu NF2. 0Mの THF溶液
4
仕込み、目 ij tiphenyl[2, 3, 9— tris (.trimethylsilyl) tetracenyl] iodonium Tri flate5mM及び 3, 4—ジ(ォキシトリメチルシリル)フラン 10mMを含むジクロロメタン 溶液 10mLを 0°Cにて滴下し、 30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了 後、ジクロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行うこと で、 1, 4-dihydro-l, 4— epoxypentacene誘 体を合成した。その後、前記 1, 4 -dihydro-1, 4— epoxypentacene誘導体をョウイ匕リチウム ImM, DBU (1, 8— dia zabicyclo [5. 4. 0]undec— 7— ene) lOmMを含む THF溶液 lOmLを、攪拌機、還 流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 50mlガラスフラスコに仕込み、前記 1, 4-di hydro— 1, 4 epoxypentacene誘導体 ImMをカ卩えた後、窒素雰囲気下にて 3時 間還流させることで、反応を進行させた。反応終了後、抽出及び MgSOによる水分
4
除去を行うことで、 9, 10—ジヒドロキシペンタセンを合成した。更に、前記 9, 10—ジヒ ドロキシペンタセン 0. ImM及び NBSを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを 備えた 50mlガラスフラスコに仕込み、 AIBNをカ卩え、 2時間撹拌することにより、表記 の 9, 10 ジブロモペンタセンを合成した。
[0333] 合成例 3 11, 12 ジブロモヘプタセンの合成
11, 12 ジブロモヘプタセンは合成例 2における 2, 3, 9, 10—テトラ(トリメチルシリ ル)テトラセンを出発原料として、以下の手法により合成した。すなわち、まず、 3, 4— ジ (ォキシトリメチルシリル)フランを使用する代わりに、 3, 4ージ(トリメチルシリル)フラ ンを使用することを除き、合成例 2における 2, 3, 9, 10-テトラ(トリメチルシリル)テト ラセンから 9, 10—ジヒドロキシペンタセンを合成する手法と同様の手法を 2回適用す ることにより、 2, 3, 10, 11ーテトラ(トリメチルシリル)へキサセンを合成した。更に、合 成例 2における 2, 3, 9, 10—テトラ(トリメチルシリル)テトラセンから 9, 10 ジブロモ ペンタセンを合成する手法と同様の手法を 1回適用することにより、 11, 12—ジブロモ ヘプタセンを得た。
[0334] 合成例 4 13, 14 ジブ口モノナセンの合成
13, 14 ジブ口モノナセンは、合成例 2における 2, 3, 9, 10—テトラ(トリメチルシリ ル)テトラセンから 9, 10—ジヒドロキシペンタセンを合成する手法と同様の手法を 2回 ではなぐ 4回適用することを除き、合成例 3と同様の手法を適用することにより合成し た。
[0335] 実施例 15-1 Si(OC H ) [H]P4[H]C18の合成及び前記化合物を用いた薄膜
2 5 3
の形成
Si (OC H ) [H]P4[H]C18は、以下の手法により合成した。
2 5 3
まず、所定量の 1ーブロモォクタデカンを含む、例えばクロ口ホルム溶液中に、マグ ネシゥムを加えることによって、グリニャール試薬を形成させた。続いて、前記合成例
1の 9ーブロモテトラセンのクロ口ホルム溶液をゆっくりと加えることによって、 9一才クタ デシルテトラセンを形成した。つづいて、例えば NBSを用いて前記中間体をブロモ ィ匕した後に、 3位以外がブロモ化された化合物を抽出により除去することによって、 3 —ブロモ— 9一才クタデシルテトラセンを得た。更に、 H— Si (OC H )をクロ口ホルム中
2 5 3
に溶解させ、その溶液を、前記 3—プロモー 9一才クタデシルテトラセンを含むクロロホ ルム溶液にカ卩えることによって反応させ、 Si (OC H ) [11]?4[11]じ18を合成した(
2 5 3
収率 10%)。
[0336] 得られたィ匕合物について、赤外吸収測定を行ったところ、波長 1050nm 1に Si-O
Cの吸収が見られた。このことより、得られたィ匕合物にシリル基が含まれることが確認 された。化合物を含むクロ口ホルム溶液の紫外 可視吸収スペクトル測定を行ったと ころ、波長 48 lnmに吸収が観測された。この吸収は、分子に含まれるテトラセン骨格 の π→π *遷移に起因しており、化合物がテトラセン骨格を含むことが確認できた。 [0337] 更に、化合物の核磁気共鳴 (NMR)測定を行った。
7. 80ppm— 7. 30ppm (m)
(20H 芳香族由来)
2. 80ppm— 1. 30ppm (m)
(52H メチレン及びメチル基由来 (ォクタデシル基及びェチル基に含まれる水素原 子))
これらの結果から、この化合物が Si (OC H ) [H]P4[H]C18であることを確認し
2 5 3
た。
[0338] 続いて、化学結合法を用いて、 Si(OC H ) [H]P4[H]C18を用いた機能性有機
2 5 3
薄膜を形成した。
[0339] まず、石英基板を過酸化水素と濃硫酸との混合溶液 (混合比 3: 7)中にお ヽて、 1 時間浸漬し、石英基板表面を親水化処理した。その後、得られた基板を不活性雰囲 気下において、 Si (OC H ) [H]P4[H]C18を 2mM含む非水系溶媒(例えばトル
2 5 3
ェン)に 10分間浸漬させ、ゆっくりと引き上げ、溶媒洗浄を行うことによって、石英基 板上に Si (OC H ) [H]P4[H]C18の機能性有機薄膜を形成した。形成した機能
2 5 3
性有機薄膜の原子間力顕微鏡 (AFM)測定により、高低差が約 32. 5nmであること が確認された。また、 AFM測定や電子線回折 (ED)測定により、薄膜上に上記化合 物の周期構造が観測され、前記化合物の配向性薄膜が形成されて 、ることが確認で きた。
[0340] 実施例 15 - 2 Si(OC H ) [Si (OC H ) ]P5 [C18]C18合成及び前記化合物を
2 5 3 2 5 3
用いた薄膜の形成
Si (OC H ) [Si (OC H ) ]P5 [C18]C18は、実施例 15—1と同様に以下の手法
2 5 3 2 5 3
により合成した。
[0341] まず、実施例 15— 1と同様に所定量の 1ーブロモォクタデカンを含む例えばクロロホ ルム溶液中にマグネシウムをカ卩えることによって、グリニャール試薬を形成させた。続 いて、前記合成例 2の 9, 10—ジブロモペンタセンのクロ口ホルム溶液をゆっくりと加え ることによって、 9, 10—ジォクタデシルペンタセンを形成した。つづいて、例えば NB Sを用いて前記中間体をブロモ化した後に、 2, 3位以外がブロモ化された化合物を 抽出により除去することによって、 2, 3—ジブ口モー 9, 10—ジォクタデシルペンタセン を得た。更に、 H— Si(OC H )をクロ口ホルム中に溶解させ、その溶液を前記 2, 3—
2 5 3
ジブ口モー 9, 10—ジォクタデシルペンタセンのクロ口ホルム溶液に加えることによって 反応させ、 Si(OCH) [Si(OCH) ]P5[C18]C18を合成した(収率 7%)。
2 5 3 2 5 3
[0342] また、実施例 15— 1と同様の評価により、得られたィ匕合物が Si (OC H ) [Si(OC H
2 5 3 2
) ]P5[C18]C18であることを確認した。
5 3
[0343] 続 、て、 LB法を用いた前記化合物の有機薄膜の形成方法にっ 、て記述する。
まず、上記 Si(OCH) [Si(OCH) ]P5[C18]C18を例えばクロ口ホルム溶媒に
2 5 3 2 5 3
溶解させ、 2mMの試料溶液を作製した。続いてトラフ中の水面上に、試料溶液を所 定量 (例えば 100 1)滴下し、水面上に前記化合物の単分子膜 (L膜)を形成させた 。この状態で水面上に圧力を加えて、所定の表面圧 (例えば 30mNZcm2)とした後 に、水中に浸漬させていた基板を一定速度で引き上げることによって LB膜を形成さ せた。
[0344] 形成させた Si(OCH) [Si(OCH ) ]P5[C18]C18の薄膜の AFM測定により、
2 5 3 2 5 3
高低差が約 36.2nmであることが確認された。また、 AFM測定や ED測定により、薄 膜上に上記化合物の周期構造が観測された。その結果、前記化合物の配向性薄膜 が形成されて ヽることが確認できた。
[0345] 実施例 15— 3
Si(OCH) [Si(OCH) ]P5 [CI 8] CI 8の薄膜を有機半導体層として用いた有
2 5 3 2 5 3
機 TFTの作製
まず、マイ力からなる基板 24上にクロムを蒸着し、ゲート電極 25を形成した。次に、 プラズマ CVD法により例えば、チッ化シリコン膜によるゲート絶縁膜 26を堆積した後 、クロム、金の順に蒸着を行い、通常のリソグラフィー技術によりソース電極 27及びド レイン電極 28を形成した。続いて、得られた基板上に、実施例 15— 2で得た Si (OC
2
H) [Si(OCH) ]P5[C18]C18を用いて、実施例 15— 3と同様にして有機半導体
5 3 2 5 3
層 29を形成することで、図 7に示す有機 TFTを得た。
[0346] 得られた有機半導体層 29は、 π電子共役系分子が化学結合を介して基板と結合 しており、かつ、上部がアルキル基によって保護されているために、耐久性が高いこ とが特徴である。従って、 TFT自体の耐久性も高くなる。
[0347] 得られた有機 TFTの特性を図 8に示す。この結果より、実施例 15— 3の有機 TFTは
、電界効果移動度が 2. 1 X 10_1cm2ZVsで、オン/オフ比が約 6桁であり、良好な 性能を有していた。
[0348] 実施例 15— 4
Si (OC H ) [Si (OC H ) ]P7 [CI 5] CI 5を用いた有機薄膜トランジスタの作製
2 5 3 2 5 3
合成例 2のジブロモペンタセンの代わりに合成例 3のジブロモヘプタセンを使用す ること以外は、実施例 15— 2と同様にして、 Si (OC H ) [Si (OC H ) ]P7[C15]C1
2 5 3 2 5 3
5を得た。上記有機シランィ匕合物を使用すること以外は、実施例 15-3と同様にして、 有機 TFTを得た。
[0349] 得られた有機 TFTの特性を図 9に示す。この結果より、実施例 15— 4の有機 TFTは 、電界効果移動度が 2. 3 X 10_1cm2ZVsで、オン/オフ比が約 6桁であり、良好な 性能を有していた。
[0350] 実施例 15— 5
Si (OCH ) [Si (OCH ) ]P9 [C21]C21を用いた有機薄膜トランジスタの作製
3 3 3 3
合成例 2のジブロモペンタセンの代わりに合成例 4のジブ口モノナセンを使用し、 1 ブロモォクタデカンの代わりに 1 ブロモへニコセンを使用し、 H-Si(OC H )の代わ
2 5 3 りに H-Si(OCH )を使用すること以外は、実施例 15— 2と同様にして、 Si(OCH ) [
3 3 3 3
Si (OCH ) ]P9 [C21]C21を得た。上記有機シランィ匕合物を使用すること以外は、
3 3
実施例 15— 3と同様にして、有機 TFTを得た。
[0351] 得られた有機 TFTの特性を図 10に示す。この結果より、実施例 15— 5の有機 TFT は、電界効果移動度が 2. 7 X 10_1cm2ZVsで、オン/オフ比が約 6桁であり、良好 な性能を有していた。
[0352] 実施例 15— 6
2 (tert プチル) 8—トリクロロシリルペリレンの合成及び前記化合物を用いた有機 薄膜トランジスタの作製
2 (tert プチル) 8—トリクロロシリルペリレンは以下の手法により合成した。まず、 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた ΙΟΟπ ナスフラスコに四塩ィ匕炭 素 50mLに溶解させたペリレン 20mM、 NBSを仕込み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時 間還流させることにより 2, 8 ジブロモペリレンを合成した。続いて、前記 2, 8 ジブ口 モペリレン及び(CH ) CMgBrを、ジェチルエーテル 30mLに溶解させ、攪拌機、還
3 3
流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコにカ卩えた後、窒素雰囲気 下、 5時間還流することで、 2— (tert ブチル)8 ブロモペリレンを合成した。更に、窒 素雰囲気下にて、 200mlナスフラスコに乾燥 THF5ml、前記 2— (tert ブチル) 8— ブロモペリレン 5mM、マグネシウムを加えた後、 1時間攪拌することにより、グリニャ ール試薬を形成したのち、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100m 1ナスフラスコにテトラクロロシラン 5mM、 THF30mlを仕込み、氷冷したのち、前記グ リニヤール試薬を加え、 30°Cにて 2時間成熟を行った。次いで、反応液を減圧にて ろ過し、塩化マグネシウムを除いた後、ろ液力 THF及び未反応のクロロジ (tert—ブ チル)メトキシシランをストリップすることにより標記の 2— (tert—ブチル) 8—トリクロロシ リルペリレンを 15%の収率で得た。
[0353] 合成した 2 (tert—ブチル) 8—トリクロロシリルペリレンについて、赤外吸収測定、紫 外 可視吸収測定、 NMR測定を行った。得られたィ匕合物を直接測定することは、化 合物の反応性が高いことより不可能であるため、化合物をエタノールと反応させ (塩 化水素の発生を確認した)、末端の塩素をエトキシ基に変換した後、測定を行った。 その結果、赤外吸収測定より、波長 1030cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた。また、 紫外 可視吸収スペクトル測定より、波長 380nmの π→π *遷移吸収を得た。 ΝΜ R測定結果については、以下の結果を得た。
[0354] (8. Oppm— 7. 8ppm) (m) (2H :ペリレン骨格由来)
(7. 5ppm— 7. 3ppm) (m) (8H :ペリレン骨格由来)
(3. 8ppm— 3. 6ppm) (m) (6H ;シリル基のェチル基由来)
(1. 5ppm— 1. 4ppm) (m) (18H ;シリル基のメチル基及び tert—ブチル基由来) これらの結果から、この化合物が 2— (tert—ブチル) 8—トリクロロシリルペリレンであ ることを確認した。
[0355] 上記有機シランィ匕合物を使用すること以外は、実施例 15— 3と同様にして、有機 TF Tを得た。 得られた有機 TFTの特性を図 11に示す。この結果より、実施例 6の有機 TFTは、 電界効果移動度が 1. 1 X
Figure imgf000098_0001
オン/オフ比が約 6桁であり、良好な性 能を有していた。
[0356] 実施例 15—1、 2及び 4一 6では、 Si (OC H ) [H]P4[H]C18
2 5 3 、 Si (OC H ) [Si (
2 5 3
OC H ) ]P5 [C18]C18、 Si(OC H ) [Si (OC H ) ]P7[C15]C15、 Si (OCH )
2 5 3 2 5 3 2 5 3 3 3
[Si(OCH ) ]P9 [C21]C21、 2— (tert—ブチル) 8—トリクロロシリルペリレンの合成
3 3
方法を示した。また、実施例 15—1及び 2では、 Si (OC H ) [H]P4[H]C18及び Si
2 5 3
(OC H ) [Si (OC H ) ]P5 [C18]C18を用いた薄膜の形成方法を示した。実施例
2 5 3 2 5 3
15— 3 6では、 Si (OC H ) [Si (OC H ) ]P5 [C18]C18
2 5 3 2 5 3 、 Si (OC H ) [Si (OC
2 5 3 2
H ) ]P7[C15]C15、Si(OCH ) [Si (OCH ) ]P9 [C21]C21
3 3 3 3 、 2— (tert—ブチル
5 3
) 8—トリクロロシリルペリレンを用いた有機 TFTを示した。
[0357] しかし、これらの実施例は上記化合物のみに限定されるわけではなぐ実施例 15— 1、 2及び 4一 6と同様の方法により、本発明の他の有機シランィ匕合物を製造できる。 また、実施例 15— 1及び 2以外の本発明の有機シランィ匕合物もこれら実施例と同様の 方法により薄膜とすることができる。また、実施例 15-4— 6以外の本発明の有機シラ ン化合物もこれら実施例と同様の方法により有機 TFTとすることができる。
[0358] 更に、上記実施例 15— 2の通り、本発明の有機シラン化合物を用いた薄膜は高い 配向性を有しており、また、導電性を発揮するァセン骨格同士が基板表面と平行方 向に結合していない。そのため、実施例 15— 3のように有機 TFTの半導体層として使 用することが可能であり、その場合、高い移動度を有し、かつ、リーク電流を押さえら れる高 、特性を持った有機 TFTが得られる。
[0359] 実施例 16— 1 下記式 (a)にて表される有機シラン化合物の合成
[0360] [化 48]
Figure imgf000098_0002
[0361] 上記化合物は以下の手法により合成した。 まず、 0. 1Mの力ルバゾール (CAS 86— 74— 8)を含む四塩ィ匕炭素溶液を攪拌機 、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコに加え、 NBSを仕込 み、 AIBNをカ卩えた後、 5時間還流させることにより 6, 7—ジブ口モカルバゾールを合 成した。続いて、 0. 05Mの前記 6, 7 ジブ口モカルバゾール及び 0. 1Mの CH (C
3
H ) MgBrを、ジェチルエーテル 30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、
2 7
滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコにカ卩えた後、窒素雰囲気下、 5時間還流する ことで、 6, 7—ジォクチルカルバゾールを合成した。続いて、前記 6, 7—ジォクチルカ ルバゾールを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけスフラスコ にカロえ、 NBSを仕込み、 AIBNを加えた後、 2. 5時間還流させることにより 3 ブロモ -6, 7-ジォクチルカルバゾールを形成した後、更に 0. 02Mのトリメトキシクロロシラ ンを加え、 6時間還流することで標記の 2—トリメトキシシリル 6, 7—ジォクチルカルバ ゾールを合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1030cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
8. oppm (1H :力ルバゾール Nに直接結合する水素由来)
7. 4ppm (3H:力ルバゾール由来)
7. 2ppm (1H:力ルバゾール由来)
7. Oppm (1H:力ルバゾール由来)
3. oppm (9H:シリル基のメチル基由来)
2. oppm (4H :ォクチル基由来)
1. oppm (4H :ォクチル基由来)
1. 3ppm (16H :ォクチル基由来)
1. 2ppm (6H :ォクチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
実施例 16— 2 下記式 (b)にて表される有機シランィ匕合物の合成 [0364] [化 49]
Figure imgf000100_0001
[0365] 上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、 0. 1Mのジベンゾフラン(CAS 132— 64— 9)を開始材料とし、力ルバゾール を使用する代わりにジベンゾフランを使用すること、 (CH ) (CH ) MgBrの代わりに
3 2 7
CH (CH ) MgBrを使用することを除き、実施例 16— 1と同様の手法を適用すること
3 2 17
で、 6, 7—ジォクタデシルージベンゾフランを合成した。続いて、前記 6, 7—ジォクタデ シルージベンゾフランを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけ スフラスコに加え、 NBSを仕込み、 AIBNをカ卩えた後、 7時間還流させることにより 2, 3 ジブ口モー 6, 7—ジォクタデシルージベンゾフランを形成した後、更に 0. 04Mのトリ エトキシクロロシランをカ卩え、 6時間還流することで標記の 2 トリエトキシシリル 6, 7- ジォクタデシルージベンゾフランを合成した。
[0366] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1020cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
7. 4ppm (2H :ジベンゾフラン由来)
7. 2ppm (2H :ジベンゾフラン由来)
3. 8ppm (12H :シリル基のメチレン基由来)
2. Dppm (4H:ォクタデシル基由来)
1. Dppm (4H:ォクタデシル基由来)
1. 3ppm (56H :ォクタデシル基由来)
1. 2ppm (24H:ォクタデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。 実施例 16— 3 下記構造式 (c)にて表される有機シラン化合物の合成 [0368] [化 50] 3
Figure imgf000101_0001
( C )
[0369] 上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、 0. 1Mのフルオレン (CAS 86— 73— 7)を含む四塩ィ匕炭素溶液を攪拌機、 還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコにカ卩え、 NBSを仕込 み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時間還流させることにより 6 ブロモフルオレンを合成した 。続いて、 0. 05Mの前記 6 ブロモフルオレン及び 0. 05Mの CH (CH ) MgBrを
3 2 17
、ジェチルエーテル 30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを 備えた 100mlナスフラスコにカ卩えた後、窒素雰囲気下、 5時間還流することで、 6-ォ クタデシルフルオレンを合成した。続いて、前記 6—ォクタデシルフルオレンを攪拌機 、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコに加え、 NBSを仕込 み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時間還流させることにより 3 ブロモ—6—ォクタデシルフ ルオレンを形成した後、更に 0. 01Mのトリメトキシクロロシランをカ卩え、 4時間還流す ることで標記の 2—トリメトキシシリル 6—才クタデシルフルオレンを合成した。
[0370] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1025cm 1に Si - O - Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
7. Dppm (4H :フルオレン由来)
7. 4ppm (2H :フルオレン由来)
3. 8ppm (10H :シリル基のメチレン基及びフルオレン由来)
2. Dppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. Dppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. 3ppm (30H :ォクタデシル基由来)
1. 2ppm (3H :ォクタデシル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
[0371] 実施例 16— 4 下記構造式 (d)にて表される有機シラン化合物の合成 [0372] [化 51]
Figure imgf000102_0001
[0373] 上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、フルオレンの代わりにジベンゾチォフェン(CAS 132— 65— 0)を用いること を除き、実施例 16— 3と同様の手法により 6-ブロモジベンゾチォフェンならびに 2—ブ ロモ- 6—ォクタデシル-ジベンゾチォフェンを合成した。
[0374] 続いて、前記 6-ブロモジベンゾチォフェンの四塩化炭素溶液を金属マグネシウム があらかじめ入った 100mlナスフラスコにカロえ、 2時間還流することでグリニャール試 薬を形成した後、 2—ブロモ -6—才クタデシル-ジベンゾチォフェンの四塩化炭素溶液 を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけスフラスコに加え、窒 素雰囲気下で 5時間還流することで 2量体を合成した。更に、前記 2量体を攪拌機、 還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコにカ卩え、 NBSを仕込 み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時間還流させることによりブロモ化させた後、 0. 01Mの トリメトキシクロ口シランを加え、 4時間還流することで標記の化合物を合成した。
[0375] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1020cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
8. Oppm (2H:ジベンゾチォフェン基由来)
7. 8ppm (5H:ジベンゾチォフェン基由来)
7. oppm (3H:ジベンゾチォフェン基由来)
7. 2ppm (2H:ジベンゾチォフェン基由来)
3. oppm (9H:シリル基のメチル基由来)
2. oppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. oppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. 3ppm (30H :ォクタデシル基由来)
1. 2ppm (3H :ォクタデシル基由来
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した [0376] 準備例 3 ペンタフェンの合成
実施例 16— 5にて使用するペンタフェンは以下の手法により合成した。
まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた ΙΟΟπύナスフラスコに溶 解させたフエナントレン(CAS 85-01-8) ImM及び NCSをカ卩え、 AIBN存在下で 10時間反応させた。未反応物及び HBrをろ過により除去した後、カラムクロマトダラ フを用いて、 4箇所が塩素化された貯留物を取り出すことにより、 2, 3, 6, 7—テトラク ロロフエナントレンを得た。
[0377] 続、て、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 200mlガラスフラスコに 、マグネシウム 0. 4M、 HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide) lOOmL 、 THF20mL及び I (触媒)、 2, 3, 9, 10—テトラクロ口フエナントレン 0. 1Mをカ卩えた
2
後、温度 80°Cにて、クロロトリメチルシラン 0. 4Mを滴下し、 30分間攪拌した後、 130 °Cにて 4日間還流させることにより、 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル)フエナントレ ンを合成した。
[0378] 続!、て、 200mLナスフラスコに、 i— PrNH40mM、 Phi (OAc) ( (diacetoxyiodo
2
) benzene) 100mM、ジクロロメタン lOOmLをカ卩えた後、 0°Cにて CF CO H (TOH
3 2 f
) 100mMを滴下し、 2時間攪拌した。続いて前記 2, 3, 6, 7—テトラ(トリメチルシリル )フエナントレン 50mMを含むジクロロメタン溶液 10mLを 0°Cにて滴下し、室温にて 2 時間攪拌することにより、トリフラート体を合成した。更に続いて、 50mLナスフラスコ に、 Bu NF2. 0Mの THF溶液を仕込み、前記トリフラート体 5mM及び 3, 4—ジ(ォ
4
キシトリメチルシリル)フラン 20mMを含むジクロロメタン溶液 10mLを 0°Cにて滴下し 、 2時間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ジクロロメタン及び水にて抽 出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行ったのち、更に、ヨウ化リチウム ImM, DBU (1, 8-diazabicyclo [5. 4. 0]undec—7— ene) 10mMを含む THF溶液 10m L含む攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 50mlガラスフラスコ中に 1 mM導入し、窒素雰囲気下にて 3時間還流させることで、反応を進行させた。反応終 了後、抽出及び MgSOによる水分除去を行うことで、ペンタフェンを合成した。
4
[0379] 実施例 16— 5 下記構造式 (e)にて表される有機シラン化合物の合成 [0380] [化 52]
Figure imgf000104_0001
[0381] 上記化合物は準備例 3で合成したペンタフェンを用い、以下の手法により合成した まず、フルオレンの代わりにペンタフェンを用いることを除き、実施例 9と同様の手法 により 10—ォクタデシルペンタフェン、 3 ブロモ 10—ォクタデシルペンタフェンを合 成した。更に、実施例 16— 4と同様にトリエトキシクロロシランと反応させることで、標記 の化合物を合成した。
[0382] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1020cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
8. 3ppm (4H :ペンタフェン由来)
7. 9ppm (5H :ペンタフェン由来)
7. 4ppm (2H :ペンタフェン由来)
7. 2ppm (1H :ペンタフェン由来)
3. 8ppm (6H :シリル基のメチレン基由来)
2. 6ppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. 6ppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. 3ppm (30H :ォクタデシル基由来)
1. 2ppm (12H :ォクタデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
[0383] 実施例 16— 6 下記構造式 (f)にて表される有機シラン化合物の合成 [0384] [化 53]
Figure imgf000105_0001
[0385] 上記化合物は以下の手法により合成した。 0. 1Mフエナントレンを含む四塩ィ匕炭素 溶液を、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけスフラスコに加 え、 NBSを仕込み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時間還流させることにより 2—ブロモフエ ナントレンを合成した。続いて、 0. 05Mの前記 2—ブロモフエナントレン及び 0. 05M の CH (CH ) MgBrを、ジェチルエーテル 30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却
3 2 11
器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけスフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、 5 時間還流することで、 2—ブロモフエナントレンを合成した。続いて、前記 2—ブロモフエ ナントレンの四塩ィ匕炭素溶液を金属マグネシウムが入った 100mlナスフラスコに加え 、 2時間還流することでグリニャール試薬を形成した後、更に実施例 16— 5の中間体 である 10—ブロモ -ペンタフェンの四塩ィ匕炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、 滴下ロートを備えた 100mlナスフラスコに加え、窒素雰囲気下で 5時間還流すること で 2量体化させた。更に、前記 2量体を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを 備えた 100mlナスフラスコに加え、 NBSを仕込み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時間還 流させることによりブロモ化させた後、 0. 01Mのトリエトキシクロロシランをカ卩え、 4時 間還流することで標記の化合物を合成した。
[0386] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1020cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
8. oppm (2H :フエナントレン基由来)
8. 3ppm (5H :フエナントレン基及び z ンタフ ン基由来)
8. lppm (3H :ペンタフェン基由来)
7. 9ppm (3H :フエナントレン基及び z ンタフ ン基由来)
7. 7ppm (3H :フエナントレン基及び z ンタフ ン基由来)
7. oppm (1H :ペンタフェン基由来)
7. 4ppm (2H :ペンタフェン基由来) 3. 8ppm (6H :シリルのメチレン基由来)
2. 6ppm (2H :ドデシル基由来)
1. 6ppm (2H :ドデシル基由来)
1. 3ppm (18H :ドデシル基由来)
1. 2ppm (12H :ドデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
[0387] 実施例 16— 7 下記構造式 (g)にて表される有機シラン化合物の合成
[0388] [化 54]
Figure imgf000106_0001
[0389] 上記化合物は以下の手法により合成した。まず、 0. 1Mのフルオランテン (CAS 2 06— 44 0)を含む四塩化炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備 えた 100mlナスフラスコに加え、 NBSを仕込み、 AIBNをカ卩えた後、 5時間還流させ ることにより 8 ブロモフルオランテンを合成した。続いて、 0. 05Mの前記 8—ブロモフ ルオランテン及び 0. 1Mの CH (CH ) MgBrを、ジェチルエーテル 30mLに溶解さ
3 2 11
せ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた ΙΟΟπ ナスフラスコに加えた 後、窒素雰囲気下、 5時間還流することで、 8—ジドデシルフルオランテンを合成した。 続いて、前記 8—ジドデシルフルオランテンを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下口 ートを備えた 100mlナスフラスコに加え、 NBSを仕込み、 AIBNを加えた後、 2. 5時 間還流させることにより 5—ブロモー 8—ドデシルフルオランテンを形成した後、更に 0. 02Mのトリエトキシクロロシランをカ卩え、 6時間還流することで標記の 3—トリエトキシシ リル 6—ドデシルフルオランテンを合成した。
[0390] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1040cm 1に Si-O-Cの吸収が見られた 。また、 NMR測定結果については以下の結果を得た。
7. 8ppm (3H :フルオランテン由来)
7. 6ppm (2H :フルオランテン由来) 7. 3ppm (3H :フルオランテン由来)
3. 6ppm (6H :シリル基のメチレン基由来)
2. 5ppm (2H :ドデシル基由来)
1. 5ppm (2H :ドデシル基由来)
1. 3ppm (24H :ドデシル基由来)
1. 2ppm (12H :ドデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
[0391] 実施例 16— 8 下記構造式 (h)にて表される有機シラン化合物の合成
[0392] [化 55]
Figure imgf000107_0001
[0393] 上記化合物は以下の手法により合成した。まず、ベンゾフルオランテン (CASNO.
207— 08— 9)を 50mM含む四塩化炭素溶液中に lOOmMNBS及び AIBNをカロえ、 N雰囲気下で 60°C2時間反応させたのち、未反応物をろ過により除去した後、カラ
2
ムクロマトグラフを用いて、 1箇所のみがブロモ化された貯留物を取り出すことにより、 9—ブロモ—ベンゾフルオランテンを合成した。続いて、 CH (CH ) MgBr20mMを
3 2 17
含む THF溶液中に前記 9—ブロモ—ベンゾフルオランテン 20mMをカ卩え、 20°C4時 間反応させることによって、 9一才クタデシルペンゾフルオランテンを合成した。続いて 、前記 9一才クタデシルペンゾフルオランテンを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下口 ートを備えた 100mlナスフラスコに加え、 NBSを仕込み、 AIBNを加えた後、 2. 5時 間還流させることにより 5—ブロモ 9一才クタデシルペンゾフルオランテンを形成した 後、更に 0. 02Mのトリメトキシクロロシランをカ卩え、 6時間還流することで標記の 5—トリ メトキシシリル 9ーォクタデシルペンゾフルオランテンを合成した。
[0394] 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1045cm 1に Si— O— Cの吸収が見られた また、 NMRについては以下の結果を得た。
8. lppm (1H ベンゾフルオランテン 由来)
8. Oppm (1H ベンゾフルオランテン 由来)
7. 9ppm (1H ベンゾフルオランテン 由来)
7. 8ppm (1H ベンゾフルオランテン 由来)
7. 7ppm (5H ベンゾフルオランテン 由来)
7. oppm (1H ベンゾフルオランテン 由来)
7. 3ppm (1H ベンゾフルオランテン 由来)
3. 6ppm (9H メトキシ基メチル基由来)
2. 5ppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. 5ppm (2H :ォクタデシル基由来)
1. 3ppm (30H :ォクタデシル基由来)
1. 2ppm (3H :ォクタデシル基由来)
以上の結果より、上記化合物が標記の化合物であることを確認した。
[0395] 実施例 16— 9 下記構造式 (i)にて表される有機シラン化合物の合成
[0396] [化 56]
Figure imgf000108_0001
[0397] 上記化合物は以下の手法により合成した。まず、実施例 16— 8の中間体である 9-ブ ロモベンゾフルオランテンの四塩化炭素溶液を金属マグネシウムが入った 100mlナ スフラスコに加え、 2時間還流することでグリニャール試薬を形成した後、攪拌機、還 流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけスフラスコに導入し、更に実施例 1 6— 7の中間体である 3—ブロモー 6—ドデシルフルオランテンの四塩化炭素溶液をに加 え、窒素雰囲気下で 5時間還流することで 2量体を合成した。続いて、前記 2量体を 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた 100mけスフラスコに加え、 NBS を仕込み、 AIBNをカ卩えた後、 2. 5時間還流させることによりブロモ化させた後、 0. 0 1Mのトリエトキシクロロシランをカ卩え、 4時間還流することで標記の化合物を合成した 標記の化合物の赤外吸収測定より、波長 1045cm 1に Si - O - Cの吸収が見られた また、 NMRについては以下の結果を得た。
8. lppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
8. Oppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7. 9ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7. 8ppm (4H ベンゾフルオランテン基及びフルオランテン基由来)
7. 7ppm (5H ベンゾフルオランテン基由来)
7. oppm (3H ベンゾフルオランテン基及びフルオランテン基由来)
7. 3ppm (4H ベンゾフルオランテン基及びフルオランテン基由来)
3. 6ppm (6H シリル基のメチレン基由来)
2. 5ppm (2H ドデシル基由来)
1. 5ppm (2H ドデシル基由来)
1. 3ppm (24H :ドデシル基由来)
1. 2ppm (12H :ドデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、上記化合物が標記の化合物であることを確認した。
[0399] 実施例 16— 10 薄膜及び TFTデバイスの形成
実施例 3と同様の手法にて実施例 7— 15にて合成した材料を半導体層とした有機 TFTデバイスを形成した。形成した有機 TFTデバイスの特性を表 1に示す。
[0400] [表 1] 材料 骨格 移動度 ON/OFF比 実施例 16-1の化 物 力/レ'、 " V" ル- 2.2X WL 5
実施例 16-2の化合物 ン'ヘ ンソ'、フラン 3.2X 102 5
実施例 16-3の化合物 フルオレン 1.2X 102 4
実施例 16-4の化合物 へ ンソ"チォフェン 7.5X 10" 5
実施例 16-5の化合物 ぺンタフェン 0. 15 6
実施例 16-6の化合物 ソェナントレン一へ'ンタフェン 0. 17 6
実施例 16-7の化合物 フル才ランテン 3.0X 10^ 4
実施例 16-8の化仓物 'く、 フルオランテン 4.0 X 10 5
施例 16-9の化合物 フルオランテン ン '厂フルオランテン 5 表 1の結果より、いずれの材料を用いた有機 TFTデバイスにおいても、 TFT特性を 有することが確認できた。
X
o

Claims

請求の範囲
[1] 一般式 (a) ;
(T) -SiX
k 'x'x3 (a)
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物。
[2] Tが、一般式 (I)一 (IX)
[化 1]
Figure imgf000111_0001
(式 (I)中、 n1は 0— 10の整数である;式 (Π)中、 n2及び n3はそれぞれ、それらの和 が 1一 9となるような 0以上の整数である;式 (ΠΙ)中、 n4及び n5はそれぞれ、それらの 和が 2— 9となるような 1以上の整数である;式 (IV)中、 n6は 0— 7の整数である;式 (X )中、 Yは炭素、窒素、酸素、硫黄原子より選択される原子、又はこれら原子のいずれ かを含む有機残基である)
で表される化合物力 なる群力 選択される縮合多環式炭化水素化合物に由来する 有機基である請求項 1に記載の有機シラン化合物。
[3] 有機基が機能性基を更に有し、機能性基が、置換又は無置換のアルキル基、ハロ ゲン化アルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、ジァリールアミノ基、ジ又はトリア リールアルキル基、アルコキシ基、ォキシァリール基、二トリル基、ニトロ基、又はエス テル基である請求項 1に記載の有機シランィ匕合物。
[4] 前記隣接分子と反応することのな!/、基が、置換又は無置換のアルキル基、シクロア ルキル基、ァリール基、ジァリールアミノ基、もしくはジ又はトリァリールアルキル基で ある請求項 1に記載の有機シラン化合物。
[5] 前記縮合多環式炭化水素化合物が、式 (1)
[化 2]
(式中、 mは 0—
Figure imgf000112_0001
一 X3のうち少なくとも 1個の基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原 子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表されるシリル基であ り、少なくとも 1個の基は電子供与性又は電子吸引性の機能性基であり、他の基は水 素原子である)
で表される請求項 3に記載の有機シラン化合物。
[6] 前記 mが 0— 7である請求項 5に記載の有機シランィ匕合物。
[7] 前記 R1及び R2の少なくとも一方がシリル基であり、前記 R3及び R4がともに炭素数 1 一 30の直鎖炭化水素基である請求項 5に記載の有機シランィ匕合物。
[8] 前記 R3及び R4の一方が炭素数 1一 30の直鎖炭化水素基であり、他方が水素原子 である請求項 5に記載の有機シランィ匕合物。
[9] 前記有機シランィ匕合物が、式 (V) [化 3]
Figure imgf000113_0001
(式中 R7及び R8は同一又は異なって、 SD^ x3で表されるシリル基又は水素原子で あり(ただし、 R7、 R8が同時に水素原子の場合は含まない)、 Yは C (RU) , NR12, O,
2
Sから選択され (ここで、 R11, R12は水素原子であるが、他の官能基を直接結合してい てもよい)、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表されるァ
2 m 3
ルコキシ基あるいはハロゲン原子であり、 R9及び R1Qは、疎水基又は水素原子である( ただし、 R9、 R1Qが同時に水素原子の場合は含まない))
にて表される請求項 3に記載の有機シランィ匕合物。
Figure imgf000113_0002
R"— R16は同一又は異なって疎水 基又は水素原子であり(ただし、 R14— R16が同時に水素原子の場合は含まない)、 n1' 及び n2'は合計して 0— 8の整数であり、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH
2 m
(m=0 9)で表されるアルコキシ基あるいはハロゲン原子である)
3
にて表される請求項 3に記載の有機シランィ匕合物。
前記有機シランィ匕合物が、式 (IV) '
[化 5]
Figure imgf000113_0003
(式中 R"— R ま下記 2つの条件のいずれかを満たす: 条件 1 R17及び R18は同一又は異なって、 SiX^3で表されるシリル基又は水素原 子であり(ただし、 R17、 R18が同時に水素原子の場合は含まない)、 R19, R2°は同一又 は異なって水素原子あるいは疎水基であり(ただし、 R19、 R2°が同時に水素原子の場 合は含まない)、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表され
2 m 3
るアルコキシ基ある 、はハロゲン原子である
条件 2 R19及び R2Qは同一又は異なって、 SiX^3で表されるシリル基又は水素原 子であり(ただし、 R19、 R2°が同時に水素原子の場合は含まない)、 R17, R18は同一又 は異なって水素原子あるいは疎水基であり(ただし、 R17、 R18が同時に水素原子の場 合は含まない)、 X1— X3は、同一又は異なって、 O (CH ) CH (m=0— 9)で表され
2 m 3
るアルコキシ基ある 、はハロゲン原子である)
にて表される請求項 3に記載の有機シランィ匕合物。
[12] 一般式 (b) ;
(T)— MgL1 (b)
κ
(式中、 Τは 5員環及び Ζ又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; L 1はハロゲン原子である)で表される化合物と、一般式 (c);
L -Six'x'x3 (c)
(式中、 L2は水素原子、ハロゲン原子又は炭素数 1一 4のアルコキシ基である; X1— X 3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン 原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される化合物とを グリニャール反応させて
一般式 (a) ;
(T) -SiX
k 'x'x3 (a)
(式中、 T、 k、 X1— X3は上記と同一)で表される π電子共役系有機シランィ匕合物を得 る有機シラン化合物の製造方法。
[13] 式(1 1)
[化 6]
Figure imgf000115_0001
(1-1) (式中、 nは 0— 10の整数である)
にて表されるナフタレン誘導体と R3— Br (R3は疎水基である)とをグリニャール反応を 用いて、反応させることによって
式(1 2)
[化 7]
R 3
ノぺ::: 4 ¾:: ¾τ ベ:: 丫
-.ーづ
、 ' ノ t; (1-2)
(式中、 nと R3は上記と同一)
にて表される中間体を形成する第一の工程と、
前記中間体の R3の α炭素をブロモ化させたのちに、 R4— Br (R4は疎水基である)と グリニャール反応させることによって、式(1—3)
[化 8] rノぺ:、 ―、 Z Z R3
R4 (1-3)
(式中、 n、 R3及び R4は上記と同一)
を形成する第二の工程と、
式( 1 3)にて表される中間体をブロモ化させた式( 1 4)
[化 9]
Figure imgf000115_0002
(1-4)
(式中、 n、 R3及び R4は上記と同一)
あるいは式(1 5) [化 10] べ: R3
.'
、、 、、
ノ Π E4 (1-5)
(式中、 n、 R3及び R4は上記と同一)にて表される中間体を得る第三の工程と、 式(1 4)及び(I—5)で表される中間体と、 H— SiX^^ただし、 X1— X3はそのう ち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原子であり 、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表されるシランィ匕合物とを反 応させる第四の工程を経ることで、式 (I),
[化 11]
R1 ヽ - R3
'ヘ へ ¾ .
R2 Ί ノひ 、、" R4 ( I )'
(式中、 n、 R1— R4は上記と同一)
を得る請求項 12に記載の有機シランィ匕合物の製造方法。
[14] 前記 Tが式 (I)
[化 12]
Figure imgf000116_0001
(式中 n1は 0— 10の整数)
で表され、式 (I)で表される縮合多環式炭化水素化合物が、
(1)原料ィ匕合物の隣接する 2つの炭素原子に結合する水素原子を、ェチニル基又は その誘導体で置換し、ェチュル基同士を閉環反応させる工程を繰り返す方法、又は
(2)原料ィ匕合物の炭素原子に結合する水素原子をトリフラート基で置換し、フラン又 はその誘導体と反応させ、次いで酸化する工程を繰り返す方法
により得られる請求項 12に記載の有機シランィ匕合物の製造方法。
[15] 前記 Tが式 (IV)又は (V) [化 13]
Figure imgf000117_0001
(式中 n6は 0— 7の整数)
で表され、式 (IV)又は (V)で表される縮合多環式炭化水素化合物が、原料化合物 の隣接する 2つの炭素原子に結合する水素原子を、ェチニル基又はその誘導体で 置換し、ェチニル基同士を閉環反応させる工程を繰り返す方法により得られる請求 項 12に記載の有機シラン化合物の製造方法。
[16] 一般式 (a) ;
(T) -Six'x'x3 (a)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜である機 能性有機薄膜。
[17] 前記有機基が疎水基を更に有し、疎水基が、置換又は無置換のアルキル基、ハロ ゲン化アルキル基、シクロアルキル基、ァリール基、ジァリールアミノ基、ジ又はトリア リールアルキル基、アルコキシ基、ォキシァリール基、二トリル基、ニトロ基、又はエス テル基である請求項 16に記載の機能性有機薄膜。
[18] 前記隣接分子と反応することのな 、基が、置換又は無置換のアルキル基、シクロア ルキル基、ァリール基、ジァリールアミノ基、もしくはジ又はトリァリールアルキル基で ある請求項 16に記載の機能性有機薄膜。
[19] 前記 Tが、一般式 (I)一 (IX)
[化 14]
Figure imgf000118_0001
(式 (I)中、 n1は 0— 10の整数である;式 (Π)中、 n2及び n3はそれぞれ、それらの和 が 1一 9となるような 0以上の整数である;式 (ΠΙ)中、 n4及び n5はそれぞれ、それらの 和が 2— 9となるような 1以上の整数である;式 (IV)中、 n6は 0— 7の整数である;式 (X )中、 Yは炭素、窒素、酸素、硫黄原子より選択される原子、又はこれら原子のいずれ かを含む有機残基である)
で表される化合物力 なる群力 選択される縮合多環式炭化水素化合物に由来する 有機基である請求項 16に記載の機能性有機薄膜。
[20] 前記薄膜が、式 (I) ' '
[化 15]
Figure imgf000118_0002
nは 0— 10の整数であり、 R1及び R2は、少なくとも一方力 下記 [化 16]
——〇—— S i—
o
I
のシロキサン結合力も構成されるネットワークを構成し、かつシロキサン結合を介して 基板に結合し (ただし、
Figure imgf000119_0001
R2が同時に水素原子の場合は含まない)、 R3及び R4は、 疎水基又は疎水基と水素原子である。 )
で表される請求項 16に記載の機能性有機薄膜。
[21] 前記 nが 0— 7である請求項 20に記載の機能性有機薄膜。
[22] 前記 R3及び R4が、ともに炭素数 1一 30の直鎖炭化水素基である請求項 20に記載 の機能性有機薄膜。
[23] 前記 R3及び R4の一方が炭素数 1一 30の直鎖炭化水素基であり、他方が水素原子 である請求項 20に記載の機能性有機薄膜。
[24] 一般式 (a) ;
(T) -SiX'x'x3 (a)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物をィ匕学結合法に付すことで、シロキサン結合を介して基板に結合す る機能性有機薄膜を製造する方法。
[25] 前記化学結合法が、 LB法である請求項 24に記載の機能性有機薄膜の製造方法
[26] 基板と、一般式 (a) ;
(T) k -Six'x'x3 (a)
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して基板に結合させた機能性有機薄 膜と、該機能性有機薄膜の一表面にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、 前記ゲート電極の両側であって、前記機能性有機薄膜の一表面又は他表面に接触 して形成されたソース Zドレイン電極とを備えた有機薄膜トランジスタ。
前記有機シラン化合物が、式 (I) '
[化 17]
Figure imgf000120_0001
(式中、 nは 0— 10の整数であり、 R1及び は、同一又は異なって、 SiX^3で表さ れるシリル基又は水素原子であり(ただし、
Figure imgf000120_0002
R2が同時に水素原子の場合は含まな い)、 X1— X3は、上記と同一であり、 R3及び R4は、疎水基又は疎水基と水素原子であ る。)
で表される請求項 26に記載の有機薄膜トランジスタ。
基板上に、直接に又は間接に一般式 (a);
(T) -SiX'x'x3 (a)
k
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して基板に結合する機能性有機薄膜 を形成する工程 (A)と、前記基板上に、間接に又は直接にゲート電極を形成するェ 程 (B)と、前記機能性有機薄膜の一表面側又は他表面側にソース電極'ドレイン電 極を形成する工程 (C)と、前記ゲート電極と前記ソース電極'ドレイン電極との間にゲ ート絶縁膜を形成する工程 (D)とを含む有機薄膜トランジスタの製造方法。 陽極と陰極との間に 1又はそれ以上の有機薄膜を有し、少なくとも 1の有機薄膜が、 一般式 (a) ;
Six x'
(式中、 Tは 5員環及び Z又は 6員環の単環式炭化水素で構成される縮合数 2— 10 の縮合多環式炭化水素化合物に由来する有機基である; kは 1一 10の整数である; X1— X3は、そのうち少なくとも 1つの基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハ ロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表される有 機シランィ匕合物に由来し、シロキサン結合を介して陽極、陰極又は他の有機薄膜に 結合させた機能性有機薄膜である有機エレクト口ルミネッセンス素子。
[30] 陽極と陰極との間に 1又はそれ以上の有機薄膜を有する構成が、陽極-発光層— 電子輸送層 -陰極の構成又は陽極 -正孔輸送層 -発光層 -電子輸送層 -陰極の構 成であり、電子輸送層が化学結合を介して発光層と結合している請求項 29記載の有 機エレクト口ルミネッセンス素子。
[31] 陽極と陰極との間に 1又はそれ以上の有機薄膜を有する構成が、陽極-正孔輸送 層 -発光層 -陰極の構成又は陽極 -正孔輸送層 -発光層 -電子輸送層 -陰極の構成 であり、正孔輸送層が化学結合を介して陽極と結合している請求項 29記載の有機ェ レクト口ルミネッセンス素子。
[32] 前記有機シランィヒ合物が、式 (1)
[化 18]
Figure imgf000121_0001
(式中、 mは 0— 10である; R1— R1Qのうち少なくとも 1個の基は一般式- SD^X^^X1 一 X3のうち少なくとも 1個の基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原 子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)で表されるシリル基であ り、少なくとも 1個の基は電子供与性又は電子吸引性の機能性基であり、他の基は水 素原子である) で表される請求項 29に記載の有機エレクト口ルミネッセンス素子。
前記隣接分子と反応することのない基が、置換又は無置換のアルキル基、シクロア ルキル基、ァリール基、ジァリールアミノ基、もしくはジ又はトリァリールアルキル基で ある請求項 29に記載の有機エレクト口ルミネッセンス素子。
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