JP4612443B2 - 機能性有機薄膜、有機薄膜トランジスタ及びそれらの製造方法 - Google Patents

機能性有機薄膜、有機薄膜トランジスタ及びそれらの製造方法 Download PDF

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本発明は、機能性有機薄膜、有機薄膜トランジスタ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、電気材料として有用な、導電性又は半導電性の新規物質であるπ電子共役系分子を含む有機ケイ素化合物を用いた電気伝導性等を有する機能性有機薄膜と、前記機能性有機薄膜を用いた有機薄膜トランジスタ及びその製造方法に関する。
近年、無機材料を用いた半導体に対し、製造が簡単で加工しやすく、デバイスの大型化にも対応でき、かつ量産によるコスト低下が見込め、無機材料よりも多様な機能を有した有機化合物を合成できることから、有機化合物を用いた半導体(有機半導体)の研究開発が行われ、その成果が報告されている。
なかでも、π電子共役系分子を含有する有機化合物を利用することにより、大きな移動度を有するTFTを作製できることが知られている。この有機化合物としては、代表例としてペンタセンが報告されている(例えば、IEEE Electron Device Lett.,18,606−608(1997):非特許文献1)。ここでは、ペンタセンを用いて有機半導体層を作製し、この有機半導体層でTFTを形成すると、電界効果移動度が1.5cm2/Vsとなり、アモルファスシリコンよりも大きな移動度を有するTFTを構築することが可能であるとの報告がなされている。
しかし、上記に示すようなアモルファスシリコンよりも高い電界効果移動度を得るための有機半導体層を作製する場合、抵抗加熱蒸着法や分子線蒸着法等の真空プロセスを必要とするため、製造工程が煩雑となるとともに、ある特定の条件下でしか結晶性を有する膜が得られない。これは、ペンタセンの溶媒への溶解性が非常に低く、ペンタセンを溶液プロセスによって薄膜化させることができなかったためである。また、基板上への有機化合物膜の吸着が物理吸着であるため、膜の基板への吸着強度が低く、容易に剥がれるという問題がある。更に、膜中での有機化合物の分子の配向をある程度制御するために、通常、あらかじめ膜を形成する基板にラビング処理等による配向制御が行われているが、物理吸着による成膜では、物理吸着した有機化合物と基板との界面での化合物の分子の整合性や配向性を制御できるとの報告は未だなされていない。
一方、このTFTの特性の代表的な指針となる電界効果移動度に大きな影響を及ぼす膜の規則性、結晶性については、近年、その製造が簡便なことから、有機化合物を用いた自己組織化膜が着目され、その膜を利用する研究がなされている。
自己組織化膜とは、有機化合物の一部を、基板表面の官能基と結合させたものであり、きわめて欠陥が少なく、高い秩序性すなわち結晶性を有した膜である。この自己組織化膜は、製造方法がきわめて簡便であるため、基板への成膜を容易に行うことができる。通常、自己組織化膜として、金基板上に形成されたチオール膜や、親水化処理により表面に水酸基を突出可能な基板(例えば、シリコン基板)上に形成されたケイ素系化合物膜が知られている。なかでも、耐久性が高い点で、ケイ素系化合物膜が注目されている。ケイ素系化合物膜は、従来から撥水コーティングとして使用されており、撥水効果の高いアルキル基や、フッ化アルキル基を有機官能基として有するシランカップリング剤が用いて成膜されていた。
しかし、自己組織化膜の導電性は、膜に含まれるケイ素系化合物中の有機官能基によって決定されるが、市販のシランカップリング剤には、有機官能基にπ電子共役系分子が含まれる化合物はなく、そのため自己組織化膜に導電性を付与することが困難である。従って、TFTのようなデバイスに適した、π電子共役系分子が有機官能基として含まれるケイ素系化合物が求められている。
このようなケイ素系化合物として、分子の末端に官能基としてチオフェン環を1つ有し、チオフェン環が直鎖炭化水素基を介してケイ素原子と結合した化合物が提案されている(例えば、特許第2889768号公報:特許文献1)。
IEEE Electron Device Lett.,18,606−608(1997) 特許第2889768号公報
しかしながら、上記に提案されている化合物は、基板との化学吸着可能な自己組織化膜は作製可能であるが、TFT等の電子デバイスに使用できる高い秩序性、結晶性、電気伝導特性を有する薄膜を必ずしも作製できなかった。
高い秩序性、すなわち、高い結晶性を得るためには、分子間に高い引力相互作用が働く必要がある。分子間力とは、引力項と反発項により構成されており、前者は分子間距離の6乗に、後者は分子間距離の12乗に反比例する。従って、引力項と反発項を足し合わせた分子間力は図9に示す関係を有する。ここで、図9での極小点(図中の矢印部分)が、引力項と反発項との兼ね合いから最も分子間に高い引力が作用するときの分子間距離である。すなわち、より高い結晶性を得るためには、分子間距離を極小点にできる限り近づけることが重要である。従って、本来、抵抗加熱蒸着法や分子線蒸着法等の真空プロセスにおいては、ある特定の条件下においてのみ、π電子共役系分子同士の分子間相互作用をうまく制御することで、高い秩序性、すなわち結晶性が得られている。このように分子間相互作用により構築される結晶性でのみ、高い電気伝導特性を発現することが可能となる。
一方、上記化合物は、Si−O−Siの2次元ネットワークを形成することで基板と化学吸着し、かつ、特定の長鎖アルキル同士の分子間相互作用による秩序性が得られる可能性はあるが、官能基である1つのチオフェン分子がπ電子共役系に寄与するのみであるため、分子間の相互作用が弱く、また電気伝導性に不可欠なπ電子共役系の広がりが非常に小さいという問題があった。仮に、上記官能基であるチオフェン分子の分子数を増やすことができたとしても、膜の秩序性を形成する因子が、長鎖アルキル部とチオフェン部との間で、分子間相互作用を整合一致させることは困難である。
更に、電気伝導特性としては、官能基である1つのチオフェン分子では、HOMO−LUMOエネルギーギャップが大きく、有機半導体層としてTFT等に使用しても、十分なキャリア移動度が得られないという課題が存在していた。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、溶液プロセスを用いた簡便な製造方法により容易に結晶化させて薄膜を形成できるとともに、得られた薄膜を基板表面に強固に吸着させて、物理的な剥がれを防止して、かつ、高い秩序性、結晶性、電気伝導特性を有する薄膜を提供することを目的とし、更に、十分なキャリア移動度を有する機能性有機薄膜を備えたTFTのような電子デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、TFTのような電子デバイスに適応可能な薄膜を作製するには、Si−O−Siの2次元ネットワークを形成して、基板と強固に化学結合が可能であると同時に、その薄膜の秩序性(結晶性)はSi−O−Siの2次元ネットワーク上に形成した分子(ここではπ電子共役分子)の相互作用すなわち分子間力によって制御が可能であることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、基板上に形成された機能性有機薄膜からなり、機能性有機薄膜が、下記一般式(I)
x−Ry(I)
(Rxは疎水基であり、Ryは5員環ないし6員環により構成される縮合環であり、かつ炭素数7〜52である)にて表される有機化合物を、シロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜であることを特徴とする機能性有機薄膜が提供される。
また、本発明によれば、基板上に形成された機能性有機薄膜からなり、機能性有機薄膜が、下記一般式(II)
x−(Rym(II)
(式中Rx、Ryは請求項1と同義、mは2〜10の整数である)
にて表される有機化合物を、シロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜であることを特徴とする機能性有機薄膜が提供される。
更に、本発明によれば、上記機能性有機薄膜を化学吸着法により基板上に形成することを特徴とする機能性有機薄膜の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、基板と、上記機能性有機薄膜と、該機能性有機薄膜の一表面にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側であって、前記機能性有機薄膜の一表面又は他表面に接触して形成されたソース/ドレイン電極とを備えたことを特徴とする有機薄膜トランジスタが提供される。
更に、本発明によれば、基板上に、直接に又は間接に上記機能性有機薄膜を形成する工程(A)と、前記基板上に、間接に又は直接にゲート電極を形成する工程(B)と、前記機能性有機薄膜の一表面側又は他表面側にソース電極・ドレイン電極を形成する工程(C)と、前記ゲート電極と前記ソース電極・ドレイン電極との間にゲート絶縁膜を形成する工程(D)とを含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
本発明の有機ケイ素化合物は、疎水基を有しているため、非水系溶媒に比較的高い溶解性をもつ。従って、例えば薄膜を形成する場合に、比較的簡便な手法である溶液プロセスを適用できる。本発明の有機ケイ素化合物のうち、特に、側鎖が直鎖炭化水素基の場合に、非水系溶媒への大きな溶解性が見られる。
また、本発明の機能性有機薄膜は、π電子共役系分子がSi−O−Siの2次元ネットワークにより、基板に化学吸着されていると共に、膜の結晶化に必要な近距離力である、π電子共役系分子同士に作用する分子間相互作用が、効率的に働くため、非常に高い安定性を有し、且つ、高度に結晶化された薄膜となる。従って、基板に物理吸着により作製した膜と比較して、得られた膜を基板表面に強固に吸着させて、物理的な剥がれを防止できる。
しかも、上記のような機能性有機薄膜を簡便に製造することが可能になる。
また、薄膜を構成する有機ケイ素化合物由来のネットワークと上部を構成する有機残基が直接結合しており、かつ有機ケイ素化合物由来のネットワークとπ電子共役系分子の分子間相互作用によって、高い秩序性(結晶性)を有する薄膜を形成できる。これにより、分子平面と垂直な方向へのホッピング伝導により、キャリアの移動がスムーズに行われる。また、分子軸方向へも高い導電性が得られることで、導電性の機能性薄膜として、有機薄膜トランジスタのみならず、太陽電池、燃料電池、センサー等のデバイスに広く応用することが可能となる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、前記機能性有機薄膜からなる有機半導体層を有しているため、高い移動度を有しており、また、隣接するπ電子共役系分子同士が直接結合していないため、リーク電流を小さく抑えることができる。
本発明の機能性有機薄膜は、下記一般式(I)
x−Ry(I)
で表される有機化合物を、シロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜であることを特徴とする。具体的には、5員環ないし6員環により構成される縮合環(π電子共役系分子)であり、かつ炭素数7〜52で形成される有機残基Ryと、疎水基Rxとを含む。ここで、有機残基としては、上記条件を備えさえすれば、特に限定されない。有機残基は、導電性の観点から、対称性、特に線対称性の骨格を有するものが好ましい。そのような好ましい骨格の具体例として、例えば一直線縮合環系であるアセン(−acene)骨格、翼状縮合環系であるアフェン(−aphene)骨格、2個の同じ環が並んだ縮合環系であるアレン(−alene)骨格、1個の環を中心にベンゼン環が集中した縮合環系であるフェニレン(−phenylene)骨格、五員環の両側に六員環が縮合したフルオレン骨格がある。また、縮合環構造内部に窒素、酸素、硫黄原子から選択されるヘテロ原子が含まれていてもよい。特に好ましい有機残基は、キャリア移動度を考慮すると、下記構造式A−Fに示す縮合環である。
Figure 0004612443
構造式Aのアセン骨格において、nは0〜10の整数であることが好ましい。例えば以下の骨格が挙げられる。
Figure 0004612443
アセン骨格の好ましい具体例としては、合成の工程数や生成物の収率を考慮すると、ナフタレン、アントラセン、テトラセン(ナフタセン)、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、オクタセン等が挙げられる。
また、構造式B、C及びFのフェニレン骨格である。構造式Fのフェニレン骨格中、n3は1〜10の整数であることが好ましい。構造式Fのフェニレン骨格としては、例えば以下の骨格が挙げられる。
Figure 0004612443
フェニレン骨格の好ましい具体例としては、フェナレン、ペリレン、フルオランテン、コロネン、オバレン等が挙げられる。
更に、構造式Dのフルオレン骨格において、Yは炭素、窒素、酸素、硫黄原子より選択される原子、又はこれら原子のいずれかを含む有機残基であることが好ましい。この骨格の具体例としては、フルオレン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾール等が挙げられる。
構造式Eのアフェン骨格において、n1とn2の合計は2〜10の整数であることが好ましい。構造式Eのアフェン骨格としては、例えば以下の骨格が挙げられる。
Figure 0004612443
Figure 0004612443
アフェン骨格の好ましい具体例としては、フェナントレン、クリセン、テトラフェン、ペンタフェン、ヘキサフェン、ヘプタフェン、オクタフェン等が挙げられる。
なお、上記において誘導体とは、ハロゲン原子で置換された化合物を意味する。
更に、本発明の機能性有機薄膜は、下記一般式(II)
x−(Ryn(II)
(式中Rx、Ryは上記と同義、nは2〜10の整数である。)
で表されように、有機残基が単結合を介して複数結合した有機化合物を、シロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜であってもよい。複数結合する有機残基は、同一でもよいが、異なっていてもよい。
上記内、構造式Aのπ電子共役系分子であるアセン骨格を有する機能性有機薄膜は、下記式(1)で表すことができる。
Figure 0004612443
(式中、nは0〜10であり、R1及びR2は、少なくとも一方が、下記
Figure 0004612443
のシロキサン結合から構成されるネットワークを構成し、かつシロキサン結合を介して基板に結合し(ただし、R1、R2が同時に水素原子の場合は含まない)、R3及びR4は、疎水基又は疎水基と水素原子である。)
好適な上記構造式Cのπ電子共役系分子であるペリレン骨格を有する機能性有機薄膜は、下記式(2)で表すことができる。
Figure 0004612443
(式中R5は、R1及びR2中のシロキサン結合と同義であり、R6は、疎水基である)
構造式Dのπ電子共役系分子であるフルオレン骨格を有する機能性有機薄膜は、下記式(3)で表すことができる。
Figure 0004612443
(式中R7及びR8は同一又は異なって、R1及びR2と同義であり、YはC(R112,NR12,O,Sから選択され(ここで、R11,R12は水素原子であるが、他の官能基を直接結合していてもよい)、R9及びR10は、疎水基又は水素原子である(ただし、R9、R10が同時に水素原子の場合は含まない))
構造式Eのπ電子共役系分子であるアフェン骨格を有する機能性有機薄膜は、下記式(4)で表すことができる。
Figure 0004612443
(式中R13はR1及びR2中のシロキサン結合と同義であり、R14〜R16は同一又は異なって疎水基又は水素原子であり(ただし、R14〜R16が同時に水素原子の場合は含まない)、n1'及びn2'は合計して0〜8の整数である)
構造式Fのπ電子共役系分子であるフェニレン骨格を有する機能性有機薄膜は、下記式(5)で表すことができる。
Figure 0004612443
(式中R17−R20は下記2つの条件のいずれかを満たす:
条件1 R17及びR18は同一又は異なって、R1及びR2と同義であり、R19,R20は同一又は異なって水素原子あるいは疎水基である(ただし、R19、R20が同時に水素原子の場合は含まない)
条件2 R19及びR20は同一又は異なって、R1及びR2と同義であり、R17,R18は同一又は異なって水素原子あるいは疎水基である(ただし、R17、R18が同時に水素原子の場合は含まない))
疎水基としては、例えば、置換又は無置換の、アルキル基、不飽和非環式炭化水素基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基が挙げられる。これらの基には、エーテル結合、エステル結合等を介して更に置換又は無置換のアルキル基、シクロアルキル基が結合していてもよい。疎水基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、アリール基が挙げられる。
無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−又はsec−プロピル基、n−、sec−又はtert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基及びトリアコンチル基が挙げられる。
置換アルキル基としては、アリール基が二つ結合したジアリールアルキル基や、三つ結合したトリアリールアルキル基が挙げられる。
ジアリールアルキル基の具体例として、例えば、ジメチルメチル基、ジフェニルメチル基、ジ(ビフェニリル)メチル基、ジ(テルフェニリル)メチル基、フェニルビフェニリルメチル基、フェニルテルフェニリルメチル基、ビフェニリルテルフェニリルメチル基、ジナフチルメチル基、フェニルナフチルメチル基、ビフェニリルナフチルメチル基、テルフェニリルナフチルメチル基、メチルフェニル−ビフェニリルメチル基、メチルフェニル−ナフチルメチル基、メチルフェニル−フェニルメチル基、ジ(メチルフェニル)メチル基、ジフェニルエチル基、ジ(ビフェニリル)エチル基、ジ(テルフェニリル)エチル基、フェニルビフェニリルエチル基、フェニルテルフェニリルエチル基、ビフェニリルテルフェニリルエチル基、ジナフチルエチル基、フェニルナフチルエチル基、ビフェニリルナフチルエチル基、テルフェニリルナフチルエチル基、メチルフェニル−ビフェニリルエチル基、メチルフェニル−ナフチルエチル基、メチルフェニル−フェニルエチル基、ジ(メチルフェニル)エチル基、ジフェニルプロピル基、ジ(ビフェニリル)プロピル基、ジ(テルフェニリル)プロピル基、フェニルビフェニリルプロピル基、フェニルテルフェニリルプロピル基、ビフェニリルテルフェニリルプロピル基、ジナフチルプロピル基、フェニルナフチルプロピル基、ビフェニリルナフチルプロピル基、テルフェニリルナフチルプロピル基、メチルフェニル−ビフェニリルプロピル基、メチルフェニル−ナフチルプロピル基、メチルフェニル−フェニルプロピル基、ジ(メチルフェニル)プロピル基、ジフェニルブチル基、ジ(ビフェニリル)ブチル基、ジ(テルフェニリル)ブチル基、フェニルビフェニリルブチル基、フェニルテルフェニリルブチル基、ビフェニリルテルフェニリルブチル基、ジナフチルブチル基、フェニルナフチルブチル基、ビフェニリルナフチルブチル基、テルフェニリルナフチルブチル基、メチルフェニル−ビフェニリルブチル基、メチルフェニル−ナフチルブチル基、メチルフェニル−フェニルブチル基、ジ(メチルフェニル)ブチル基等が挙げられる。
トリアリールアルキル基の具体例としては、例えば、トリメチルメチル基、トリフェニルメチル基、トリ(ビフェニリル)メチル基、トリ(テルフェニリル)メチル基、フェニル−ジ(ビフェニリル)メチル基、ジ(フェニル)テルフェニリルメチル基、フェニルジ(テルフェニリル)メチル基、トリナフチルメチル基、フェニルジ(ナフチル)メチル基、ジ(フェニル)ナフチルメチル基、ジ(テルフェニリル)ナフチルメチル基、メチルフェニル−ジ(フェニル)メチル基、メチルフェニル−ジ(ナフチル)メチル基、メチルフェニル−ジ(ビフェニリル)メチル基、トリ(メチルフェニル)メチル基、トリフェニルエチル基、トリ(ビフェニリル)エチル基、トリ(テルフェニリル)エチル基、フェニル−ジ(ビフェニリル)エチル基、ジ(フェニル)テルフェニリルエチル基、フェニルジ(テルフェニリル)エチル基、トリナフチルエチル基、フェニルジ(ナフチル)エチル基、ジ(フェニル)ナフチルエチル基、ジ(テルフェニリル)ナフチルエチル基、メチルフェニル−ジ(フェニル)エチル基、メチルフェニル−ジ(ナフチル)エチル基、メチルフェニル−ジ(ビフェニリル)エチル基、トリ(メチルフェニル)エチル基等が挙げられる。
不飽和非環式炭化水素基としては、上記置換又は無置換のアルキル基の炭素−炭素結合のいずれかが不飽和である化合物が挙げられる。
無置換のシクロアルキル基は炭素数4〜8、特に5〜7のものが好ましく、具体例としてシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基が挙げられる。置換シクロアルキル基は、無置換のシクロアルキル基の任意の位置に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基等が結合した基が挙げられる。
無置換のアリール基は、炭素数5〜18、特に炭素数6の芳香族環が1個から3個にて構成された基であることが好ましい。ヘテロ原子として、硫黄原子が含まれていてもよい。また、置換アリール基は、少なくとも1個の炭素数1〜4のアルキル基をo−位、m−位又はp−位のいずれかに有していてもよい。炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、sec−プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。アリール基の具体例として、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、テルフェニリル(terphenylyl)等の無置換のアリール基、p−(tert−ブチル)フェニル基、m−ジエチルフェニル基、p−プロピルビフェニリル基等の置換アリール基があげられる。なお、テルフェニリルはテルフェニルから水素1原子を除いた残基である。
アミノ基としては、無置換のアミノ基以外に、例えば、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(ビフェニリル)アミノ基、N,N−ジ(テルフェニリル)アミノ基、N−フェニルN−ビフェニリルアミノ基、N−フェニルN−テルフェニリルアミノ基、N−ビフェニリルN−テルフェニリルアミノ基、N,N−ジナフチルアミノ基、N−フェニルN−ナフチルアミノ基、N−ビフェニリルN−ナフチルアミノ基、N−テルフェニリルN−ナフチルアミノ基、N−メチルフェニル−N−ビフェニリルアミノ基、N−メチルフェニル−N−ナフチルアミノ基、N−メチルフェニル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジ(メチルフェニル)アミノ基等の置換アミノ基が挙げられる。
具体的な疎水基で置換された有機残基としては、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノナフタレン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノアントラセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノテトラセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノペンタセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノヘキサセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノヘプタセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノオクタセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノアセナフテン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノフェナレン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノペリレン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノフルオランテン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノコロネン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノオバレン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノフルオレン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノジベンゾフラン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノジベンゾチオフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノカルバゾール、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノフェナントレン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノクリセン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノテトラフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノペンタフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノヘキサフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノヘプタフェン、
アルキル,シクロアルキル,アリール又はアミノオクタフェン等が挙げられる。
上記疎水基の中で、好ましくは置換又は無置換のアルキル基である。更に材料を製膜したときに高い配向性を得ることを考慮すれば、置換又は無置換の直鎖アルキル基が好ましい。
更に置換又は無置換の直鎖アルキル基の中でも、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜4あるいは12〜30のアルキル基である。炭素数1〜4の疎水基は、疎水基自体には結晶性はないが、骨格であるπ電子共役系分子の配向性の低下への影響が小さいため好ましい。また、炭素数12〜30の疎水基はそれ自体にも分子間の配向性があり、更に得られる膜を強固にパッキングできるため好ましい。
特に好ましい疎水基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基及びトリアコンチル基等が挙げられ、これら疎水基の1又はそれ以上の水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよい。
疎水基の数は、特に限定されず、非水系溶媒への溶解性を考慮して適宜決定できる。具体的には、1個又は2個以上存在していてもよい。
本発明の機能性有機薄膜では、π電子共役系分子がシロキサン結合(−Si−O−)を介して基板上に結合されている。具体的には、図1に示すように、薄膜は、基板1上に、ケイ素原子及び酸素原子から構成されるネットワーク2が結合し、ネットワーク2にアセン骨格(π電子共役系分子)3が結合している。このように、本発明の有機ケイ素化合物を用いた薄膜は、上記のようなケイ素原子及び酸素原子から構成されるネットワークを有しており、かつ、その上部に高い分子間相互作用(ファンデルワールス相互作用)を有するπ電子共役系分子を有している。そのため、ネットワーク及びアセン骨格の相互作用によって、高い配向性をもった薄膜が得られる。また、隣接するアセン骨格間の距離が小さく保たれているため、上記のように薄膜を形成した場合に、アセン骨格を通じた高い導電性が実現できる。しかも、隣接するアセン骨格同士に結合がないため、通常状態での導電性を低く押さえ、かつ、この薄膜に光励起あるいは電界励起キャリアを注入した場合のみ高い導電性をもたせることが可能である。
上記薄膜は、以下に示すような1つのπ電子共役系分子が、2つのシロキサン結合で基板上に結合した機能性有機薄膜である場合に大きな効果(高い配向性、高い導電性)が得られる。すなわち、機能性有機薄膜が、2箇所で基板と結合していることによって、アセン骨格が基板表面に対して垂直となる。薄膜の導電性は、隣接するアセン骨格間のπ−π相互作用の大きさによって左右されるため、π電子共役系分子が基板に対し垂直に近いほど薄膜の導電性が大きくなる。よって、この機能性有機薄膜は、特に大きな導電性を有する。そのため、この機能性有機薄膜は、導電性材料として、有機薄膜トランジスタ、太陽電池、燃料電池、センサー等のデバイスに好適に使用できる。
このように、1つのπ電子共役系分子が、2つのシロキサン結合で基板上に結合した機能性有機薄膜の概略図を図2、図3に示す。図3は、図2を別の角度から見た図である。図2及び図3のように、本発明の機能性有機薄膜の基板との結合部分を2ヶ所にすることによって、アセン骨格を基板に対し垂直できる。そのため、隣接するアセン骨格間のπ−π相互作用が強められることによって、上記デバイスに好適に使用できる大きな導電性を有する薄膜を形成できる。
なお、上記薄膜の説明では、アセン骨格を有する機能性有機薄膜を用いているが、アセナフテン骨格及びペリレン骨格や、これら以外の骨格を有する機能性有機薄膜についても同様である。
ここで、薄膜を形成させる基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、GaAs、InGaAs、ZnSe等の化合物半導体等の半導体;いわゆるSOI基板、多層SOI基板、SOS基板等;マイカ;ガラス、石英ガラス;ポリイミド、PET、PEN、PES、テフロン(登録商標)等の高分子フィルム等の絶縁体;ステンレス鋼(SUS);金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;高融点金属とのシリサイド、ポリサイド等;シリコン酸化膜(熱酸化膜、低温酸化膜:LTO膜等、高温酸化膜:HTO膜)、シリコン窒化膜、SOG膜、PSG膜、BSG膜、BPSG膜等の絶縁体;PZT、PLZT、強誘電体又は反強誘電体;SiOF系膜、SiOC系膜もしくはCF系膜又は塗布で形成するHSQ(hydrogen silsesquioxane)系膜(無機系)、MSQ(methyl silsesquioxane)系膜、PAE(polyarylene ether)系膜、BCB系膜、ポーラス系膜もしくはCF系膜又は多孔質膜等の低誘電体;等の単層又は積層層等が挙げられる。
更に、より多くのπ電子共役系分子を基板上で配向させることを考慮すると、これらの基板のなかでも、表面に水酸基、カルボキシル基等の活性水素を表面に突出させることができる基板又は親水化処理により活性水素を突出させることができる基板であるシリコン基板や石英基板、マイカ基板が特に好ましい。なお、親水化処理は、例えば、過酸化水素と濃硫酸との混合溶液中に浸漬すること等によって行うことができる。
続いて、本発明の機能性有機薄膜の製造方法について述べる。本発明の機能性薄膜は、例えば真空蒸着法、分子線蒸着法、あるいは溶媒に溶かした溶液のディッピング法(化学吸着法)、LB法、スピンコート法、キャスト法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。その製造方法の一例として、以下に化学吸着法及びLB法による本発明の機能性有機薄膜の製造方法を示す。
化学吸着法は、以下のようにして行うことができる。
まず、薄膜の前駆体である有機ケイ素化合物をヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素等の非水系溶媒に溶解する。得られた溶液中に、薄膜を形成しようとする基板(好ましくは、水酸基、カルボキシル基等の活性水素を有する基板)を浸漬して、引き上げる。あるいは、得られた溶液を基板表面に塗布してもよい。その後、非水系溶媒で洗浄し、水洗し、放置するか、加熱することにより乾燥して、薄膜を定着させる。この薄膜は、直接電気材料として用いてもよいし、更に電解重合等の処理を施して用いてもよい。この材料を用いることで、Si−O−Siネットワーク化とともに、隣接するπ電子共役系分子間距離が小さく、高度に秩序化(結晶化)した薄膜が得られる。また、π電子共役系分子が、直線状である場合には、隣接するπ電子共役系分子同士は結合しないので、更に隣接するπ電子共役系分子間距離を小さくすることができる。その結果、より高度に結晶化された薄膜を得ることができる。
また、有機ケイ素化合物は、例えばLB法を用いても薄膜にできる。ここでLB法とは、水溶液表面に材料を含む非水系溶液を展開させることで、水溶液表面に薄膜(L膜)を形成させた後に、基板に転写することによって薄膜を形成する方法である。
まず、有機ケイ素化合物をヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素等の非水系溶媒に溶解させる。有機ケイ素化合物は主骨格であるπ電子共役系分子の側鎖に疎水基を含むため、非水系溶媒への溶解性が高められている。その結果、比較的容易に非水系溶媒に溶解できる。つづいて得られた非水系溶液を水溶液表面に滴下する。有機ケイ素化合物は同一分子中に親水基(シリル基)と疎水基を持っているため、水面上に展開したときに親水基を水面に向けて配向させることができる。また、隣接分子間の分子間相互作用によって、有機ケイ素化合物からなる薄膜には、水面上に特に高い配向性をもたせることができる。その後、一定の表面圧を水面に加えながら基板を引き上げることによって薄膜を形成できる。
ここで、上記有機ケイ素化合物は、シロキサン結合を形成するためのシリル基を少なくとも1つ有している。例えば、式(1)では、R1及び/又はR2の位置にシリル基が形成されている。
なお、通常、π電子共役系が広がった分子を含む化合物の多くは非水系溶媒にすら難溶性を示す。これに対し上記有機ケイ素化合物は、末端に含まれる疎水基の存在によって非水系溶媒への溶解性が高められているため、溶液プロセスで薄膜を形成できる。また、親水基として、シリル基を含むため、化合物全体の界面活性が向上する。従って、例えば親水性基板に本発明の有機ケイ素化合物からなる薄膜を形成する場合、シリル基と基板との相互作用により、分子がすべて同じ向きに並んで効率よく基板上に吸着する。そのため、反応時間の短縮化や薄膜の配向性を向上できる。
シリル基は、式(1)の場合、R1及び/又はR2の位置に存在し、SiX123で表すことができる。ここで、X1〜X3は、同一又は異なって、O(CH2mCH3(m=0〜9)で表されるアルコキシ基あるいはハロゲン原子であることが好ましい。中でも、炭素数1〜4の官能基が特に好ましく、具体的なアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、硫黄原子等が挙げられる。
上記有機ケイ素化合物は、前記構造式A〜Fから選択されるπ電子共役系分子又はその誘導体にグリニヤール反応により疎水基を導入する工程と、ケイ素化合物とグリニヤール反応させることによりシリル基を導入する工程とにより合成できる。
反応温度は、例えば、−100〜150℃が好ましく、より好ましくは−20〜100℃が挙げられる。反応時間は、例えば、0.1〜48時間程度である。反応は、通常、反応に影響のない非水系溶媒中で行われる。反応に悪影響のない非水系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、これらは単独で又は混合液として用いることが出来る。なかでも、ジエチルエーテル、THFが好適である。反応は、任意に触媒を用いてもよい。触媒としては、白金触媒、パラジウム触媒、ニッケル触媒等、触媒として公知のものを用いることができる。
例えば、式(1)に対応する有機ケイ素化合物において、疎水基を2つ有する有機ケイ素化合物は、以下の方法により合成できる。
まず、式(1−1)
Figure 0004612443
(式中、nは式(1)と同義である。)
にて表されるナフタレン誘導体とR3−Br(R3は式(1)中の疎水基と同義である)とをグリニヤール反応を用いて、反応させることによって式(1−2)
Figure 0004612443
(式中、nは式(1)と、R3は式(1)中の疎水基と同義である。)
にて表される中間体を形成する第一の工程と、
前記中間体のR3のα炭素をブロモ化させたのちに、R4−Br(R4は式(1)中の疎水基と同義である)とグリニヤール反応させることによって、式(1−3)
Figure 0004612443
(式中、nは式(1)と、R3及びR4は式(1)中の疎水基と同義である。)
を形成する第二の工程と、
式(1−3)にて表される中間体をブロモ化させた式(1−4)
Figure 0004612443
(式中、nは式(1)と、R3及びR4は式(1)中の疎水基と同義である。)
あるいは式(1−5)
Figure 0004612443
(式中、nは式(1)と、R3及びR4は式(1)中の疎水基と同義である。)
にて表される中間体を得る第三の工程と、
式(1−4)及び(1−5)で表される中間体と、H−SiX123(ただし、X1〜X3は式(1)と同義である。)で表されるケイ素化合物とを反応させる第四の工程によって式(1)に対応する有機ケイ素化合物を合成できる。
式(1)のアセン骨格の具体的な合成方法を下記する。なお、これらの合成方法は一例であり、他にも公知の合成方法が適用できる。
アセン骨格の合成方法としては、例えば(1)原料化合物の所定位置の2つの炭素原子に結合する水素原子をエチニル基で置換した後に、エチニル基同士を閉環反応させ工程を繰り返す方法、(2)原料化合物の所定位置の炭素原子に結合する水素原子をトリフラート基で置換し、フラン又はその誘導体と反応させ、続いて酸化させる工程を繰り返す方法等が挙げられる。これらの方法を用いたアセン骨格の合成法の一例を以下に示す。
方法(1)
Figure 0004612443
方法(2)
Figure 0004612443
また、上記方法(2)では、アセン骨格のベンゼン環を一つずつ増やす方法であるため、例えば原料化合物の所定部分に反応性の小さな官能基あるいは保護基が含まれていても同様に有機ケイ素化合物を合成できる。この場合の例を以下に示す。
Figure 0004612443
なお、Ra、Rbは、炭化水素基やエーテル基等の反応性の小さな官能基あるいは保護基であることが好ましい。
また、上記方法(2)の反応式中、2つのアセトニトリル基及びトリメチルシリル基を有する出発化合物を、これら基が全てトリメチルシリル基である化合物に変更してもよい。また、上記反応式中、フラン誘導体を使用した反応後、反応物をヨウ化リチウム及びDBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)下で、還流させることで、出発化合物よりベンゼン環数が1つ多く、かつヒドロキシル基が2つ置換した化合物を得ることができる。更に、この化合物のヒドロキシル基を公知の方法でブロモ化し、ブロモ基をグリニヤール反応に付せば、ブロモ基の位置に疎水基を導入することができる。
アセナフテン骨格及びペリレン骨格も、上記方法(1)のアセン骨格の製法に準じて合成できる。製法の一例を下記する。
Figure 0004612443
また、側鎖として、窒素原子が2個の芳香族環基で置換された2級アミノ基をペリレン骨格に挿入する手法としては、あらかじめ側鎖の挿入部分をハロゲン化させた後に、金属触媒存在下で上記2級アミノ基をカップリングさせる手法が挙げられる。例えば上記ペリレン分子の場合、例えば以下の手法により2級アミノ基を挿入できる。
Figure 0004612443
また、上記合成例で使用した原料は、汎用の試薬であり、試薬メーカーより入手、利用できる。例えばテトラセンは東京化成より純度97%以上で入手できる。また、ペリレンは例えばキシダ化学より純度99%で入手できる。
このようにして得られる有機ケイ素化合物は、公知の手段、例えば転溶、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から単離、精製できる。
また、上記有機ケイ素化合物は、アセン骨格、アセナフテン骨格又はペリレン骨格に疎水基及び親水基(シリル基)が結合しているため、有機ケイ素化合物の薄膜を親水性の基板上に形成する場合、基板の親水基と化合物の親水基が結合しやすくなり、薄膜の基板への吸着性を高めることができる。すなわち、π電子共役系分子を含む有機ケイ素化合物と親水性の基板との反応部位であるシリル基以外の部分の親油性もしくは疎水性を高めることによって、基板との反応性を向上させるという効果を有する。更に、疎水基を有することで、有機ケイ素化合物の非水系溶液への溶解性を向上させることもできるので、溶液プロセスに容易に適用できる。
続いて、本発明の有機TFTの構成を述べる。本発明の有機TFTには、上記機能性有機薄膜が用いられる。すなわち、本発明の有機TFTは、例えば基板上に、直接に又は間接に形成された上記機能性有機薄膜と、前記基板上に、間接に又は直接に形成されたゲート電極と、前記機能性有機薄膜の一表面側又は他表面側に形成されたソース電極・ドレイン電極と、前記ゲート電極と前記ソース電極・ドレイン電極との間に形成されたゲート絶縁膜とを備えている。
以下に本発明の有機薄膜トランジスタの構成をより具体的に説明する。
まず本発明の有機TFTは、基板と、上記機能性有機薄膜からなる有機半導体層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、ソース/ドレイン電極とから構成される。TFTは、スタガ型、逆スタガ型又はこれらの変形等の種々の形態を採ることができる。
例えば、スタガ型の場合には、基板上に上記機能性有機薄膜からなる有機半導体層を形成し、その上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を配置し、ゲート電極の両側であって、ゲート電極とは分離され、有機半導体層に接触したソース/ドレイン電極を配置する形態が挙げられる。また、基板上にゲート電極を形成し、ゲート電極上に、ゲート絶縁膜を介して有機半導体層を形成し、有機半導体層上にゲート電極とはオーバーラップしないように有機半導体層に接触するソース/ドレイン電極を配置する逆スタガ型の形態であってもよい。
逆スタガ型の有機TFTの一例を図4に示す。図4は、ゲート電極5を介して上記機能性有機薄膜からなる有機半導体層9を基板4の上部に備え、その両側にソース電極7及びドレイン電極8を備えたものである。
また、ゲート電極、ソース/ドレイン電極としては、通常、TFT等に使用される導電材料からなる層が挙げられる。例えば、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;高融点金属とのシリサイド、ポリサイド等;等の単層又は積層層等が挙げられる。この際の膜厚は、特に限定されるものではなく、通常トランジスタに使用される膜厚に適宜調整することができる。
ゲート絶縁膜としては、通常TFTに使用される絶縁材料からなる膜が挙げられる。例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等が挙げられる。
本発明の有機TFTは、種々の用途、例えば、メモリ、論理素子又は論理回路等の半導体装置として、パーソナルコンピュータ、ノート、ラップトップ、パーソナル・アシスタント/発信機、ミニコンピュータ、ワークステーション、メインフレーム、マルチプロセッサー・コンピュータ又は他のすべての型のコンピュータシステム等のデータ処理システム;CPU、メモリ、データ記憶装置等のデータ処理システムを構成する電子部品;電話、PHS、モデム、ルータ等の通信機器;ディスプレイパネル、プロジェクタ等の画像表示機器;プリンタ、スキャナ、複写機等の事務機器;センサ;ビデオカメラ、デジタルカメラ等の撮像機器;ゲーム機、音楽プレーヤ等の娯楽機器;携帯情報端末、時計、電子辞書等の情報機器;カーナビゲーションシステム、カーオーディオ等の車載機器;動画、静止画、音楽等の情報を記録、再生するためのAV機器;洗濯機、電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、食器洗い機、掃除機、エアコン等の電化製品;マッサージ器、体重計、血圧計等の健康管理機器;ICカード、メモリカード等の携帯型記憶装置等の電子機器への幅広い応用が可能である。
このとき、有機TFTの製造方法として、例えば以下の4つの工程を挙げることができる。すなわち、基板上に、直接に又は間接に機能性有機薄膜を形成する工程(A)と前記基板上に、間接に又は直接にゲート電極を形成する工程(B)と、前記機能性有機薄膜の一表面側又は他表面側にソース電極・ドレイン電極を形成する工程(C)と、前記ゲート電極と前記ソース電極・ドレイン電極との間にゲート絶縁膜を形成する工程(D)である。ここで、前記工程(A)は、基板上に、ケイ素原子及び酸素原子により形成された網目状構造部を介して、疎水基を有するπ電子共役系分子を含む有機シラン化合物を結合させる第2の工程とを含む工程である。なお、上記工程(A)(B)(C)(D)はこの順序に限定されるものではなく、得ようとする形態のトランジスタ構造に応じて工程順序を自由に組み変えることができる。
以下に、本発明のπ電子共役系分子を含む有機ケイ素化合物の製造方法に関する実施例を述べる。以下、直鎖アルキルユニットを、その炭素数で表す。例えばオクタデシル基はC18と示す。また、式(1)の化合物をR1[R2]Pn[R3]R4と示す。また、中間体の名称を記述する上で、ペンタセンの各反応部位の番号を、下記式のようにする。従って、例えばSi(OCH33[H]P5[H]C18は、2−(トリメトキシシラノ)−14−オクタデシル−ペンタセンと標記される。
Figure 0004612443
以下ではまず、実施例1〜5にて合成する有機シラン化合物の前駆体であるブロモ化物の合成方法を示す。
合成例1 9−ブロモテトラセン、9,10−ジブロモペンタセンの合成
9−ブロモテトラセンは以下の手法により合成した。まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに四塩化炭素50mLに溶解させたテトラセン1mM及びNBS(N−ブロモスクシンイミド)を加え、AIBN(2,2'−アゾビスイソブチロニトリル)存在下で1.5時間反応させた。未反応物及びHBrをろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、1箇所のみがブロモ化された貯留物を取り出すことにより、表記の9−ブロモテトラセンを得た。
合成例2 9,10−ジブロモペンタセン
9,10−ジブロモペンタセンは以下の手法により合成した。まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに溶解させたテトラセン1mM及びNCSを加え、AIBN存在下で10時間反応させた。未反応物及びHBrをろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、4箇所が塩素化された貯留物を取り出すことにより、2,3,9,10−テトラクロロテトラセンを得た。
続いて、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた200mlガラスフラスコに、マグネシウム0.4M、HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide)100mL、THF20mL及びI2(触媒)、2,3,9,10−テトラクロロテトラセン0.1Mを加えた後、温度80℃にて、クロロトリメチルシラン0.4Mを滴下し、30分間攪拌した後、130℃にて4日間還流させることにより、2,3,9,10−テトラ(トリメチルシリル)テトラセンを合成した。
続いて、200mLナスフラスコに、i−PrNH20mM、PhI(OAc)2((diacetoxyiodo)benzene)50mM、ジクロロメタン50mLを加えた後、0℃にてCF3CO2H(TfOH)50mMを滴下し、2時間攪拌した。続いて前記2,3,9,10−テトラ(トリメチルシリル)テトラセン50mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、室温にて2時間攪拌することにより、phenyl[2,3,9−tris(trimethylsilyl)tetracenyl]iodonium Triflateを合成した。さらに続いて、50mLナスフラスコに、Bu4NF2.0MのTHF溶液を仕込み、前記phenyl[2,3,9−tris(trimethylsilyl)tetracenyl]iodonium Triflate5mM及び3,4−ジ(オキシトリメチルシリル)フラン10mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ジクロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行うことで、1,4−dihydro−1,4−epoxypentacene誘導体を合成した。その後、前記1,4−dihydro−1,4−epoxypentacene誘導体をヨウ化リチウム1mM,DBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)10mMを含むTHF溶液10mLを、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた50mlガラスフラスコに仕込み、前記1,4−dihydro−1,4−epoxypentacene誘導体1mMを加えた後、窒素雰囲気下にて3時間還流させることで、反応を進行させた。反応終了後、抽出及びMgSO4による水分除去を行うことで、9,10−ジヒドロキシペンタセンを合成した。さらに、前記9,10−ジヒドロキシペンタセン0.1mM及びNBSを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた50mlガラスフラスコに仕込み、AIBNを加え、2時間撹拌することにより、表記の9,10−ジブロモペンタセンを合成した。
合成例3 11,12−ジブロモヘプタセンの合成
11,12−ジブロモヘプタセンは合成例2における2,3,9,10−テトラ(トリメチルシリル)テトラセンを出発原料として、以下の手法により合成した。すなわち、まず、3,4−ジ(オキシトリメチルシリル)フランを使用する代わりに、3,4−ジ(トリメチルシリル)フランを使用することを除き、合成例2における2,3,9,10−テトラ(トリメチルシリル)テトラセンから9,10−ジヒドロキシペンタセンを合成する手法と同様の手法を2回適用することにより、2,3,10,11−テトラ(トリメチルシリル)ヘキサセンを合成した。さらに、合成例2における2,3,9,10−テトラ(トリメチルシリル)テトラセンから9,10−ジブロモペンタセンを合成する手法と同様の手法を1回適用することにより、11,12−ジブロモヘプタセンを得た。
合成例4 13,14−ジブロモノナセンの合成
13,14−ジブロモノナセンは、合成例2における2,3,9,10−テトラ(トリメチルシリル)テトラセンから9,10−ジヒドロキシペンタセンを合成する手法と同様の手法を2回ではなく、4回適用することを除き、合成例3と同様の手法を適用することにより合成した。
実施例1(参考例) Si(OC253[H]P4[H]C18の合成及び前記化合物を用いた薄膜の形成
Si(OC253[H]P4[H]C18は、以下の手法により合成した。
まず、所定量の1−ブロモオクタデカンを含む、例えばクロロホルム溶液中に、マグネシウムを加えることによって、グリニヤール試薬を形成させた。続いて、前記合成例1の9−ブロモテトラセンのクロロホルム溶液をゆっくりと加えることによって、9−オクタデシルテトラセンを形成した。つづいて、例えばNBSを用いて前記中間体をブロモ化した後に、3位以外がブロモ化された化合物を抽出により除去することによって、3−ブロモ−9−オクタデシルテトラセンを得た。更に、H−Si(OC253をクロロホルム中に溶解させ、その溶液を、前記3−ブロモ−9−オクタデシルテトラセンを含むクロロホルム溶液に加えることによって反応させ、Si(OC253[H]P4[H]C18を合成した(収率10%)。
得られた化合物について、赤外吸収測定を行ったところ、波長1050nmにSi−O−Cの吸収が見られた。このことより、得られた化合物にシリル基が含まれることが確認された。化合物を含むクロロホルム溶液の紫外−可視吸収スペクトル測定を行ったところ、波長481nmに吸収が観測された。この吸収は、分子に含まれるテトラセン骨格のπ→π*遷移に起因しており、化合物がテトラセン骨格を含むことが確認できた。
更に、化合物の核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
7.80ppm〜7.30ppm(m)
(20H 芳香族由来)
2.80ppm〜1.30ppm(m)
(52H メチレン及びメチル基由来(オクタデシル基及びエチル基に含まれる水素原子))
これらの結果から、この化合物がSi(OC253[H]P4[H]C18であることを確認した。
続いて、化学吸着法を用いて、Si(OC253[H]P4[H]C18を用いた機能性有機薄膜を形成した。
まず、石英基板を過酸化水素と濃硫酸との混合溶液(混合比3:7)中において、1時間浸漬し、石英基板表面を親水化処理した。その後、得られた基板を不活性雰囲気下において、Si(OC253[H]P4[H]C18を2mM含む非水系溶媒(例えばトルエン)に10分間浸漬させ、ゆっくりと引き上げ、溶媒洗浄を行うことによって、石英基板上にSi(OC253[H]P4[H]C18の機能性有機薄膜を形成した。形成した機能性有機薄膜の原子間力顕微鏡(AFM)測定により、高低差が約32.5nmであることが確認された。また、AFM測定や電子線回折(ED)測定により、薄膜上に上記化合物の周期構造が観測され、前記化合物の配向性薄膜が形成されていることが確認できた。
実施例2 Si(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18合成及び前記化合物を用いた薄膜の形成
Si(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18は、実施例1と同様に以下の手法により合成した。
まず、実施例1と同様に所定量の1−ブロモオクタデカンを含む例えばクロロホルム溶液中にマグネシウムを加えることによって、グリニヤール試薬を形成させた。続いて、前記合成例2の9,10−ジブロモペンタセンのクロロホルム溶液をゆっくりと加えることによって、9,10−ジオクタデシルペンタセンを形成した。つづいて、例えばNBSを用いて前記中間体をブロモ化した後に、2,3位以外がブロモ化された化合物を抽出により除去することによって、2,3−ジブロモ−9,10−ジオクタデシルペンタセンを得た。更に、H−Si(OC253をクロロホルム中に溶解させ、その溶液を前記2,3−ジブロモ−9,10−ジオクタデシルペンタセンのクロロホルム溶液に加えることによって反応させ、Si(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18を合成した(収率7%)。
また、実施例1と同様の評価により、得られた化合物がSi(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18であることを確認した。
続いて、LB法を用いた前記化合物の有機薄膜の形成方法について記述する。
まず、上記Si(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18を例えばクロロホルム溶媒に溶解させ、2mMの試料溶液を作製した。続いてトラフ中の水面上に、試料溶液を所定量(例えば100μl)滴下し、水面上に前記化合物の単分子膜(L膜)を形成させた。この状態で水面上に圧力を加えて、所定の表面圧(例えば30mN/cm2)とした後に、水中に浸漬させていた基板を一定速度で引き上げることによってLB膜を形成させた。
形成させたSi(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18の薄膜のAFM測定により、高低差が約36.2nmであることが確認された。また、AFM測定やED測定により、薄膜上に上記化合物の周期構造が観測された。その結果、前記化合物の配向性薄膜が形成されていることが確認できた。
実施例3
Si(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18の薄膜を有機半導体層として用いた有機TFTの作製
まず、マイカからなる基板4上にクロムを蒸着し、ゲート電極5を形成した。次に、プラズマCVD法により例えば、チッ化シリコン膜によるゲート絶縁膜6を堆積した後、クロム、金の順に蒸着を行い、通常のリソグラフィー技術によりソース電極7及びドレイン電極8を形成した。続いて、得られた基板上に、実施例2で得たSi(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18を用いて、実施例3と同様にして有機半導体層9を形成することで、図4に示す有機TFTを得た。
得られた有機半導体層9は、π電子共役系分子が化学結合を介して基板と結合しており、かつ、上部がアルキル基によって保護されているために、耐久性が高いことが特徴である。従って、TFT自体の耐久性も高くなる。
得られた有機TFTの特性を図5に示す。この結果より、実施例4の有機TFTは、電界効果移動度が2.1×10-1cm2/Vsで、オン/オフ比が約6桁であり、良好な性能を有していた。
実施例4
Si(OC253[Si(OC253]P7[C15]C15を用いた有機薄膜トランジスタの作製
合成例2のジブロモペンタセンの代わりに合成例3のジブロモヘプタセンを使用すること以外は、実施例2と同様にして、Si(OC253[Si(OC253]P7[C15]C15を得た。上記有機ケイ素化合物を使用すること以外は、実施例3と同様にして、有機TFTを得た。
得られた有機TFTの特性を図6に示す。この結果より、実施例4の有機TFTは、電界効果移動度が2.3×10-1cm2/Vsで、オン/オフ比が約6桁であり、良好な性能を有していた。
実施例5
Si(OCH33[Si(OCH33]P9[C21]C21を用いた有機薄膜トランジスタの作製
合成例2のジブロモペンタセンの代わりに合成例4のジブロモノナセンを使用し、1−ブロモオクタデカンの代わりに1−ブロモヘニコセンを使用し、H−Si(OC253の代わりにH−Si(OCH33を使用すること以外は、実施例2と同様にして、Si(OCH33[Si(OCH33]P9[C21]C21を得た。上記有機ケイ素化合物を使用すること以外は、実施例3と同様にして、有機TFTを得た。
得られた有機TFTの特性を図7に示す。この結果より、実施例5の有機TFTは、電界効果移動度が2.7×10-1cm2/Vsで、オン/オフ比が約6桁であり、良好な性能を有していた。
実施例6(参考例) 2−(tert−ブチル)8−トリクロロシリルペリレンの合成及び前記化合物を用いた有機薄膜トランジスタの作製
2−(tert−ブチル)8−トリクロロシリルペリレンは以下の手法により合成した。まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに四塩化炭素50mLに溶解させたペリレン20mM、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより2,8−ジブロモペリレンを合成した。続いて、前記2,8−ジブロモペリレン及び(CH33CMgBrを、ジエチルエーテル30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、5時間還流することで、2−(tert−ブチル)8−ブロモペリレンを合成した。さらに、窒素雰囲気下にて、200mlナスフラスコに乾燥THF5ml、前記2−(tert−ブチル)8−ブロモペリレン5mM、マグネシウムを加えた後、1時間攪拌することにより、グリニヤール試薬を形成したのち、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコにテトラクロロシラン5mM、THF30mlを仕込み、氷冷したのち、前記グリニヤール試薬を加え、30℃にて2時間成熟を行った。次いで、反応液を減圧にてろ過し、塩化マグネシウムを除いた後、ろ液からTHF及び未反応のクロロジ(tert−ブチル)メトキシシランをストリップすることにより標記の2−(tert−ブチル)8−トリクロロシリルペリレンを15%の収率で得た。
合成した2−(tert−ブチル)8−トリクロロシリルペリレンについて、赤外吸収測定、紫外−可視吸収測定、NMR測定を行った。得られた化合物を直接測定することは、化合物の反応性が高いことより不可能であるため、化合物をエタノールと反応させ(塩化水素の発生を確認した)、末端の塩素をエトキシ基に変換した後、測定を行った。その結果、赤外吸収測定より、波長1030cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、紫外−可視吸収スペクトル測定より、波長380nmのπ→π*遷移吸収を得た。NMR測定結果については、以下の結果を得た。
(8.0ppm〜7.8ppm)(m)(2H:ペリレン骨格由来)
(7.5ppm〜7.3ppm)(m)(8H:ペリレン骨格由来)
(3.8ppm〜3.6ppm)(m)(6H;シリル基のエチル基由来)
(1.5ppm〜1.4ppm)(m)(18H;シリル基のメチル基およびtert―ブチル基由来)
これらの結果から、この化合物が2−(tert−ブチル)8−トリクロロシリルペリレンであることを確認した。
上記有機ケイ素化合物を使用すること以外は、実施例3と同様にして、有機TFTを得た。
得られた有機TFTの特性を図8に示す。この結果より、実施例6の有機TFTは、電界効果移動度が1.1×10-1cm2/Vsで、オン/オフ比が約6桁であり、良好な性能を有していた。
実施例7
合成例5 下記式(a)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、0.1Mのカルバゾール(CAS 86−74−8)を含む四塩化炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、5時間還流させることにより6,7−ジブロモカルバゾールを合成した。続いて、0.05Mの前記6,7−ジブロモカルバゾール及び0.1MのCH3(CH27MgBrを、ジエチルエーテル30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、5時間還流することで、6,7−ジオクチルカルバゾールを合成した。続いて、前記6,7−ジオクチルカルバゾールを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより3−ブロモ−6,7-ジオクチルカルバゾールを形成した後、更に0.02Mのトリメトキシクロロシランを加え、6時間還流することで標記の2−トリメトキシシリル−6,7−ジオクチルカルバゾールを合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1030cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
8.5ppm (1H:カルバゾール Nに直接結合する水素由来)
7.4ppm (3H:カルバゾール由来)
7.2ppm (1H:カルバゾール由来)
7.0ppm (1H:カルバゾール由来)
3.6ppm (9H:シリル基のメチル基由来)
2.6ppm (4H:オクチル基由来)
1.6ppm (4H:オクチル基由来)
1.3ppm (16H:オクチル基由来)
1.2ppm (6H:オクチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例6 下記式(b)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、0.1Mのジベンゾフラン(CAS 132−64−9)を開始材料とし、カルバゾールを使用する代わりにジベンゾフランを使用すること、(CH3)(CH27MgBrの代わりにCH3(CH217MgBrを使用することを除き、合成例5と同様の手法を適用することで、6,7−ジオクタデシル−ジベンゾフランを合成した。続いて、前記6,7−ジオクタデシル−ジベンゾフランを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、7時間還流させることにより2,3−ジブロモ−6,7−ジオクタデシル−ジベンゾフランを形成した後、更に0.04Mのトリエトキシクロロシランを加え、6時間還流することで標記の2−トリエトキシシリル−6,7−ジオクタデシル−ジベンゾフランを合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1020cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
7.4ppm (2H:ジベンゾフラン由来)
7.2ppm (2H:ジベンゾフラン由来)
3.8ppm (12H:シリル基のメチレン基由来)
2.6ppm (4H:オクタデシル基由来)
1.6ppm (4H:オクタデシル基由来)
1.3ppm (56H:オクタデシル基由来)
1.2ppm (24H:オクタデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例7 下記構造式(c)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、0.1Mのフルオレン(CAS 86−73−7)を含む四塩化炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより6−ブロモフルオレンを合成した。続いて、0.05Mの前記6−ブロモフルオレン及び0.05MのCH3(CH217MgBrを、ジエチルエーテル30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、5時間還流することで、6−オクタデシルフルオレンを合成した。続いて、前記6−オクタデシルフルオレンを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより3−ブロモ−6−オクタデシルフルオレンを形成した後、更に0.01Mのトリメトキシクロロシランを加え、4時間還流することで標記の2−トリメトキシシリル−6−オクタデシルフルオレンを合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1025cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
7.6ppm (4H:フルオレン由来)
7.4ppm (2H:フルオレン由来)
3.8ppm (10H:シリル基のメチレン基及びフルオレン由来)
2.6ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.6ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.3ppm (30H:オクタデシル基由来)
1.2ppm (3H:オクタデシル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例8 下記構造式(d)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。
まず、フルオレンの代わりにジベンゾチオフェン(CAS 132−65−0)を用いることを除き、合成例7と同様の手法により6-ブロモジベンゾチオフェンならびに2−ブロモ-6−オクタデシル-ジベンゾチオフェンを合成した。
続いて、前記6-ブロモジベンゾチオフェンの四塩化炭素溶液を金属マグネシウムがあらかじめ入った100mlナスフラスコに加え、2時間還流することでグリニヤール試薬を形成した後、2−ブロモ-6−オクタデシル-ジベンゾチオフェンの四塩化炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、窒素雰囲気下で5時間還流することで2量体を合成した。更に、前記2量体を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることによりブロモ化させた後、0.01Mのトリメトキシクロロシランを加え、4時間還流することで標記の化合物を合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1020cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
8.0ppm (2H:ジベンゾチオフェン基由来)
7.8ppm (5H:ジベンゾチオフェン基由来)
7.5ppm (3H:ジベンゾチオフェン基由来)
7.2ppm (2H:ジベンゾチオフェン基由来)
3.6ppm (9H:シリル基のメチル基由来)
2.6ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.6ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.3ppm (30H:オクタデシル基由来)
1.2ppm (3H:オクタデシル基由来
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
準備例1 ペンタフェンの合成
合成例9にて使用するペンタフェンは以下の手法により合成した。
まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに溶解させたフェナントレン(CAS 85−01−8)1mM及びNCS(N−クロロスクシンイミド)を加え、AIBN存在下で10時間反応させた。未反応物及びHBrをろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、4箇所が塩素化された貯留物を取り出すことにより、2,3,6,7−テトラクロロフェナントレンを得た。
続いて、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた200mlガラスフラスコに、マグネシウム0.4M、HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide)100mL、THF20mL及びI2(触媒)、2,3,9,10−テトラクロロフェナントレン0.1Mを加えた後、温度80℃にて、クロロトリメチルシラン0.4Mを滴下し、30分間攪拌した後、130℃にて4日間還流させることにより、2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)フェナントレンを合成した。
続いて、200mLナスフラスコに、i−PrNH40mM、PhI(OAc)2((diacetoxyiodo)benzene)100mM、ジクロロメタン100mLを加えた後、0℃にてCF3CO2H(TfOH)100mMを滴下し、2時間攪拌した。続いて前記2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)フェナントレン50mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、室温にて2時間攪拌することにより、トリフラート体を合成した。更に続いて、50mLナスフラスコに、Bu4NF2.0MのTHF溶液を仕込み、前記トリフラート体5mM及び3,4−ジ(オキシトリメチルシリル)フラン20mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、2時間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ジクロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行ったのち、更に、ヨウ化リチウム1mM,DBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)10mMを含むTHF溶液10mL含む攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた50mlガラスフラスコ中に1mM導入し、窒素雰囲気下にて3時間還流させることで、反応を進行させた。反応終了後、抽出及びMgSO4による水分除去を行うことで、ペンタフェンを合成した。
合成例9 下記構造式(e)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は準備例1で合成したペンタフェンを用い、以下の手法により合成した。
まず、フルオレンの代わりにペンタフェンを用いることを除き、合成例7と同様の手法により10−オクタデシルペンタフェン、3−ブロモ−10−オクタデシルペンタフェンを合成した。更に、合成例8と同様にトリエトキシクロロシランと反応させることで、標記の化合物を合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1020cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
8.3ppm (4H:ペンタフェン由来)
7.9ppm (5H:ペンタフェン由来)
7.4ppm (2H:ペンタフェン由来)
7.2ppm (1H:ペンタフェン由来)
3.8ppm (6H:シリル基のメチレン基由来)
2.6ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.6ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.3ppm (30H:オクタデシル基由来)
1.2ppm (12H:オクタデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例10 下記構造式(f)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。0.1Mフェナントレンを含む四塩化炭素溶液を、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより2−ブロモフェナントレンを合成した。続いて、0.05Mの前記2−ブロモフェナントレン及び0.05MのCH3(CH211MgBrを、ジエチルエーテル30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、5時間還流することで、2−ブロモフェナントレンを合成した。続いて、前記2−ブロモフェナントレンの四塩化炭素溶液を金属マグネシウムが入った100mlナスフラスコに加え、2時間還流することでグリニヤール試薬を形成した後、更に実施例11の中間体である10−ブロモ-ペンタフェンの四塩化炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、窒素雰囲気下で5時間還流することで2量体化させた。更に、前記2量体を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることによりブロモ化させた後、0.01Mのトリエトキシクロロシランを加え、4時間還流することで標記の化合物を合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1020cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
8.5ppm (2H:フェナントレン基由来)
8.3ppm (5H:フェナントレン基及びペンタフェン基由来)
8.1ppm (3H:ペンタフェン基由来)
7.9ppm (3H:フェナントレン基及びペンタフェン基由来)
7.7ppm (3H:フェナントレン基及びペンタフェン基由来)
7.6ppm (1H:ペンタフェン基由来)
7.4ppm (2H:ペンタフェン基由来)
3.8ppm (6H:シリルのメチレン基由来)
2.6ppm (2H:ドデシル基由来)
1.6ppm (2H:ドデシル基由来)
1.3ppm (18H:ドデシル基由来)
1.2ppm (12H:ドデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例11 下記構造式(g)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。まず、0.1Mのフルオランテン(CAS 206−44−0)を含む四塩化炭素溶液を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、5時間還流させることにより8−ブロモフルオランテンを合成した。続いて、0.05Mの前記8−ブロモフルオランテン及び0.1MのCH3(CH211MgBrを、ジエチルエーテル30mLに溶解させ、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加えた後、窒素雰囲気下、5時間還流することで、8−ジドデシルフルオランテンを合成した。続いて、前記8−ジドデシルフルオランテンを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより5−ブロモ−8−ドデシルフルオランテンを形成した後、更に0.02Mのトリエトキシクロロシランを加え、6時間還流することで標記の3−トリエトキシシリル−6−ドデシルフルオランテンを合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1040cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。また、NMR測定結果については以下の結果を得た。
7.8ppm (3H:フルオランテン由来)
7.6ppm (2H:フルオランテン由来)
7.3ppm (3H:フルオランテン由来)
3.6ppm (6H:シリル基のメチレン基由来)
2.5ppm (2H:ドデシル基由来)
1.5ppm (2H:ドデシル基由来)
1.3ppm (24H:ドデシル基由来)
1.2ppm (12H:ドデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、合成した化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例12 下記構造式(h)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。まず、ベンゾフルオランテン(CASNO.207−08−9)を50mM含む四塩化炭素溶液中に100mMNBS及びAIBNを加え、N2雰囲気下で60℃2時間反応させたのち、未反応物をろ過により除去した後、カラムクロマトグラフを用いて、1箇所のみがブロモ化された貯留物を取り出すことにより、9−ブロモ−ベンゾフルオランテンを合成した。続いて、CH3(CH217MgBr20mMを含むTHF溶液中に前記9−ブロモ−ベンゾフルオランテン20mMを加え、20℃4時間反応させることによって、9−オクタデシルベンゾフルオランテンを合成した。続いて、前記9−オクタデシルベンゾフルオランテンを攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることにより5−ブロモ−9−オクタデシルベンゾフルオランテンを形成した後、更に0.02Mのトリメトキシクロロシランを加え、6時間還流することで標記の5−トリメトキシシリル−9−オクタデシルベンゾフルオランテンを合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1045cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。
また、NMRについては以下の結果を得た。
8.1ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
8.0ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7.9ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7.8ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7.7ppm (5H ベンゾフルオランテン基由来)
7.6ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7.3ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
3.6ppm (9H メトキシ基メチル基由来)
2.5ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.5ppm (2H:オクタデシル基由来)
1.3ppm (30H:オクタデシル基由来)
1.2ppm (3H:オクタデシル基由来)
以上の結果より、上記化合物が標記の化合物であることを確認した。
合成例13 下記構造式(i)にて表される有機ケイ素化合物の合成
Figure 0004612443
上記化合物は以下の手法により合成した。まず、合成例12の中間体である9-ブロモベンゾフルオランテンの四塩化炭素溶液を金属マグネシウムが入った100mlナスフラスコに加え、2時間還流することでグリニヤール試薬を形成した後、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに導入し、更に合成例11の中間体である3−ブロモ−6−ドデシルフルオランテンの四塩化炭素溶液をに加え、窒素雰囲気下で5時間還流することで2量体を合成した。続いて、前記2量体を攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに加え、NBSを仕込み、AIBNを加えた後、2.5時間還流させることによりブロモ化させた後、0.01Mのトリエトキシクロロシランを加え、4時間還流することで標記の化合物を合成した。
標記の化合物の赤外吸収測定より、波長1045cm-1にSi−O−Cの吸収が見られた。
また、NMRについては以下の結果を得た。
8.1ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
8.0ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7.9ppm (1H ベンゾフルオランテン基由来)
7.8ppm (4H ベンゾフルオランテン基及びフルオランテン基由来)
7.7ppm (5H ベンゾフルオランテン基由来)
7.6ppm (3H ベンゾフルオランテン基及びフルオランテン基由来)
7.3ppm (4H ベンゾフルオランテン基及びフルオランテン基由来)
3.6ppm (6H:シリル基のメチレン基由来)
2.5ppm (2H:ドデシル基由来)
1.5ppm (2H:ドデシル基由来)
1.3ppm (24H:ドデシル基由来)
1.2ppm (12H:ドデシル基及びシリル基のメチル基由来)
以上の結果より、上記化合物が標記の化合物であることを確認した。
上記合成例5〜13にて合成した材料を半導体層として実施例3と同様の手法にて有機TFTデバイスを形成した。形成した有機TFTデバイスの特性を表1に示す。
Figure 0004612443
表1の結果より、いずれの材料を用いた有機TFTデバイスにおいても、TFT特性を有することが確認できた。
実施例1及び2では、Si(OC253[H]P4[H]C18及びSi(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18からなる機能性有機薄膜の形成方法を示した。実施例3〜6では、Si(OC253[Si(OC253]P5[C18]C18、Si(OC253[Si(OC253]P7[C15]C15、Si(OCH33[Si(OCH33]P9[C21]C21、2−(tert−ブチル)8−トリクロロシリルペリレンを用いた有機TFTを示した。実施例7では合成例5〜13にて合成した材料を半導体層とした有機TFTを示した。
しかし、本発明は、上記化合物のみに限定されるわけではなく、実施例1及び2以外の有機ケイ素化合物も実施例1及び2と同様の方法により薄膜とすることができる。また、実施例3〜7以外の本発明の有機ケイ素化合物もこれら実施例と同様の方法により有機TFTとすることができる。
更に、上記実施例2の通り、本発明の機能性有機薄膜は高い配向性を有しており、また、導電性を発揮するアセン骨格同士が基板表面と平行方向に結合していない。そのため、実施例3のように有機TFTの半導体層として使用することが可能であり、その場合、高い移動度を有し、かつ、リーク電流を押さえられる高い特性を持った有機TFTが得られる。
本発明の有機ケイ素化合物を用いた薄膜の分子レベルの概略図である。 本発明の別の有機ケイ素化合物を用いた薄膜の分子レベルの概略図である。 図2を別の視点から見たときの分子レベルの概略図である。 本発明の有機ケイ素化合物を用いた有機薄膜トランジスタの分子レベルの概略図である。 実施例3における有機薄膜トランジスタの特性図である。 実施例4における有機薄膜トランジスタの特性図である。 実施例5における有機薄膜トランジスタの特性図である。 実施例6における有機薄膜トランジスタの特性図である。 分子間距離と分子間力との関係を説明するための図である。
符号の説明
1 基板
2 ケイ素原子及び酸素原子から構成されるネットワーク
3 π電子共役系分子
4 基板
5 ゲート電極
6 ゲート絶縁膜
7 ソース電極
8 ドレイン電極
9 有機半導体層
10 ケイ素原子及び酸素原子から構成されるネットワーク
11 π電子共役系分子
12 直鎖炭化水素基

Claims (11)

  1. 基板上に形成された有機半導体薄膜としての機能性有機薄膜からなり、機能性有機薄膜が、下記一般式(I)
    x−Ry(I)
    (Rxは炭素数1〜30の直鎖アルキル基からなる疎水基であり、Ryは下記構造式A、B、D、E又は
    Figure 0004612443
    (nは3〜10、n1とn2は合計して2〜10かつそれぞれ1以上、n3は1〜10の整数、Yは炭素、酸素、硫黄原子より選択される原子、又はこれら原子のいずれかを含む有機残基である)
    から選択されるπ電子共役系分子又はその誘導体である)
    にて表される有機化合物を、前記 y に結合したシロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜であることを特徴とする機能性有機薄膜。
  2. 基板上に形成された有機半導体薄膜としての機能性有機薄膜からなり、機能性有機薄膜が、下記一般式(II)
    x−Ry−Ry(II)
    (式中Rx、Ryは請求項1と同義である)
    にて表される有機化合物を、前記末端R y に結合したシロキサン結合を介して基板に結合させた薄膜であることを特徴とする機能性有機薄膜。
  3. 前記機能性有機薄膜が、構造式Aのπ電子共役系分子を有し、かつ下記式(1)
    Figure 0004612443
    (式中、nは3〜10であり、R1及びR2は、少なくとも一方が、下記
    Figure 0004612443
    のシロキサン結合から構成されるネットワークを構成し、かつシロキサン結合を介して基板に結合し(ただし、R1、R2が同時に水素原子の場合は含まず、どちらか一方のみがシロキサン結合である場合、他方は水素原子である)、R3及びR4は、ともに前記疎水基又は前記疎水基と水素原子である)
    で表される薄膜である請求項1又は2に記載の機能性有機薄膜。
  4. 前記nが3〜7である請求項1〜3のいずれか1つに記載の機能性有機薄膜。
  5. 前記機能性有機薄膜が、構造式Dのπ電子共役系分子を有し、かつ下記式(3)
    Figure 0004612443
    (式中R7及びR8は同一又は異なって、請求項3のR1及びR2と同義であり、YはC(R112,O,Sから選択され(ここで、 11 水素原子である)、R9及びR10は、前記疎水基又は水素原子である(ただし、R9、R10が同時に水素原子の場合は含まない))
    にて表される請求項1又は2に記載の機能性有機薄膜。
  6. 前記機能性有機薄膜が、構造式Eのπ電子共役系分子を有し、かつ下記式(4)
    Figure 0004612443
    (式中R13は請求項4のR1及びR2中のシロキサン結合と同義であり、R14〜R16は同一又は異なって前記疎水基又は水素原子であり(ただし、R14〜R16が同時に水素原子の場合は含まない)、n1'及びn2'は合計して0〜8かつそれぞれ0以上の整数である)
    にて表される請求項1又は2に記載の機能性有機薄膜。
  7. 前記機能性有機薄膜が、構造式Fのπ電子共役系分子を有し、かつ下記式(5)
    Figure 0004612443
    (式中R17−R20は下記2つの条件のいずれかを満たす:
    条件1 R17及びR18は同一又は異なって、請求項3のR1及びR2と同義であり、R19,R20は同一又は異なって水素原子あるいは前記疎水基である(ただし、R19、R20が同時に水素原子の場合は含まない)
    条件2 R19及びR20は同一又は異なって、請求項3のR1及びR2と同義であり、R17,R18は同一又は異なって水素原子あるいは前記疎水基である(ただし、R17、R18が同時に水素原子の場合は含まない)
    式中、n 3' は0〜6の整数である
    にて表される請求項1又は2に記載の機能性有機薄膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の機能性有機薄膜を化学吸着法により基板上に形成することを特徴とする機能性有機薄膜の製造方法。
  9. 前記化学吸着法が、LB法である請求項8に記載の機能性有機薄膜の製造方法。
  10. 基板と、請求項1〜7のいずれか1つに記載の機能性有機薄膜と、該機能性有機薄膜の表面にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の両側であって、前記機能性有機薄膜の表面又は裏面に接触して形成されたソース/ドレイン電極とを備えたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  11. 請求項10に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、基板上に、直接に又は間接に請求項1〜7のいずれか1つに記載の機能性有機薄膜を形成する工程(A)と、前記基板上に、間接に又は直接にゲート電極を形成する工程(B)と、前記機能性有機薄膜の表面側又は裏面側にソース電極・ドレイン電極を形成する工程(C)と、前記ゲート電極と前記ソース電極・ドレイン電極との間にゲート絶縁膜を形成する工程(D)とを含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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