JP2007115986A - 薄膜デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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康哲 中西
Hisahiro Tamura
壽宏 田村
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Abstract

【課題】リーク電流の流れにくい耐電圧性に優れた薄膜デバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】第一の電極と、絶縁膜もしくは誘電膜と、第二の電極との積層構造を含み、前記第一の電極と絶縁膜もしくは誘電膜との間に、前記第一の電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を備えたことを特徴とする薄膜デバイスにより上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜デバイス及びその製造方法に関する。更に詳しくは、電極と絶縁膜もしくは誘電膜との間に、電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を備えた薄膜デバイス及びその製造方法に関する。
近年、半導体デバイス分野における有機材料による貢献度は急激に増してきている。現在、半導体デバイスの膜材料としては無機材料、中でもシリコン系材料が中心であるが、近年のデバイス分野において更なる高機能化、小型化、高集積化等の高い技術的要素が求められている。その中で、シリコン系材料デバイスでは小型化、薄膜化によるリーク電流の増加、高機能化に伴って要求される微細加工技術の難しさ等重大な問題を抱えている。また製造工程においても真空プロセスを必須とするので、近年の液晶ディスプレイに代表されるような基板サイズの大型化により設備投資が増大し、製造コストが高くなるという事態が深刻化している。こういったシリコン系材料デバイスの問題点の改善に当たり、機能設計性に優れ、なお且つ脱真空条件でもデバイス作製が可能な有機材料が大きな脚光を浴びている。
有機材料を使用した有機薄膜デバイスにおける有機薄膜の形成方法としては、真空蒸着法や溶液塗布法等が広く知られている。これらの製膜方法は、比較的温和な温度条件で行なうことができるので、材料による制限も少なく、なおかつ低コストの生産プロセスを実現できる。
有機薄膜デバイスの1つである有機薄膜トランジスタの例が、特開2003−258265号公報(特許文献1)等に記載されている。この公報に記載された有機薄膜トランジスタの構造を図1に示す。図1は、基板1上に、ゲート電極2、ゲート絶縁膜3、ソース・ドレイン電極(5、6)及び半導体層(有機薄膜)7を有するTFTが記載されている。このTFTは、基板1上の一部にゲート電極2を設け、ゲート電極2及び基板1をゲート絶縁膜3により覆い、ゲート絶縁膜3上であってゲート電極2に対応する領域を挟むようにソース・ドレイン電極(5、6)を設け、ソース・ドレイン電極(5、6)及びゲート絶縁膜3を半導体層7により覆うことで得られている。
一般的に有機薄膜トランジスタの動作は次のように考えられている。ゲート電極に電圧を印加した場合、その電圧はゲート電極のフェルミ準位変化を通じて、ゲート絶縁膜の界面側の半導体層にバンドの曲がりを引き起こす。このバンドの曲がりは、ソース・ドレイン電極から多数のキャリアである正電荷の注入を引き起こし、ゲート絶縁膜界面側の半導体層に高い表面電荷密度領域、すなわちキャリアの蓄積層を形成させる。このキャリア蓄積層は、ゲート絶縁膜界面から10数nmまでの領域に形成されると言われている。一方、ゲート電極への逆バイアス印加によって、ゲート絶縁膜界面側の半導体層に電荷を排除した空乏層が形成される。有機薄膜トランジスタは、こうしたゲート電極への電圧の印加によるチャネルのコンダクタンス制御によって、ソース電極とドレイン電極間を流れる電流値を変化させることにより動作させる。
このように、有機薄膜トランジスタのキャリア移動は、ゲート絶縁膜と有機薄膜の界面付近、特に界面から10nm程までの領域が重要な役割を担っている。しかしながら、一般的な有機薄膜トランジスタの例では、SiO2のような無機酸化物をゲート絶縁膜として用いて、そのゲート絶縁膜上にペンタセンのような有機半導体材料を蒸着することで、半導体層を形成している場合が多い。このときに、ゲート絶縁膜と半導体層との界面の不均一性や密着不良等のために有機半導体材料の特性を十分に発揮ができないということがある。
上記問題を解決するための方法として、ゲート絶縁膜と半導体層との間にオクタデシルトリクロロシラン(OTS)からなる緩衝膜を挟んだとの報告がある(IEEE Electron Device Lett.,18,606,1997:非特許文献1)。半導体層側のゲート絶縁膜の表面を有機材料の緩衝膜で処理することで、有機半導体材料の均一性や界面との接合性を高めて、効率よく電界をかけることができ、また余分なリーク電流が流れるのを防ぐことができる。また、ソース・ドレイン電極と半導体層との界面に有機ケイ素化合物の単分子膜を挟むことで該界面のエネルギー障壁を緩和し、特性を改善する方法が提案されている(2004 IEEE International Solid-State Circuits Conference 715〜718:非特許文献2)。
また、コンデンサにおいて、モバイル電子機器等への搭載のために小型化や薄膜化を実現しながらも大容量で高周波領域でのインピーダンスの劣化や容量の劣化が少ない安定した性能が求められている。コンデンサ特性を高めるために誘電膜と電極との間に有機薄膜を挟むことにより、誘電膜内部の酸素が電極へ透過することを阻止する試みがなされた例が、特開2005−26402号公報(特許文献2)で報告されている。
特開2003−258265号公報 特開2005−26402号公報 IEEE Electron Device Lett.,18,606,1997 2004 IEEE International Solid-State Circuits Conference 715〜718
有機デバイスの薄膜化、特性向上のためには、電圧印加に対する絶縁膜及び誘電膜の耐圧性が要求される。効果的に電界を与えるためには電極間の膜をできる限り薄層化することが必要だが、薄くすると絶縁性の確保が難しくなってくる。特に絶縁膜表面が不均一で凹凸が激しいと電界を均一に効率的にかけることができず、部分的に強い電界がかかり絶縁膜や有機薄膜に損傷を与え、リーク電流を増加させる原因となる。
有機薄膜トランジスタにおいては、ゲート絶縁膜上部に当たるソース・ドレイン電極とゲート絶縁膜との界面に有機緩衝膜を挿入する試みは上記に述べたようにすでに行なわれている。一方で、ゲート電極とゲート絶縁膜とは通常直接的に接しており、界面を均一にする処理は何も施されていない。その結果、ゲート電極とゲート絶縁膜との接触状態の不整合性や界面の不均一性により、リーク電流が増加したり、電界効果の効率低下によって低電圧駆動が妨げられたりする。
コンデンサにおいては、酸素による腐食を防ぐために電極と誘電膜の界面にエチレン重合膜等の有機膜を導入している。この有機膜は、誘電膜内部の酸素透過防止においては効果を発揮するが、電極と直接結合しているわけではなく、有機膜を構成する分子の配向は期待できない。また、この有機膜は、与えられている電界の影響を低下させていると考えられる。
かくして本発明によれば、第一の電極と、絶縁膜もしくは誘電膜と、第二の電極との積層構造を含み、前記第一の電極と絶縁膜もしくは誘電膜との間に、前記第一の電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を備えたことを特徴とする薄膜デバイスが提供される。
更に、本発明によれば、上記薄膜デバイスの製造方法であって、前記緩衝膜が、CVD法、LB法あるいは浸漬法により形成されることを特徴とする薄膜デバイスの製造方法が提供される。
本発明によって、例えば、図2のゲート電極2とゲート絶縁膜4、そして図3の下部電極8と誘電膜10の界面の接触性がよくなり、効率よく薄膜デバイスに電界を伝えることが可能になる。それにより均一に電界の影響を与えることができ、変調しやすい薄膜デバイスを実現することができる。
また、第一の電極と絶縁膜又は誘電体との界面の凹凸粗さが緩和されることにより、部分的に強い電界がかかって絶縁膜及び誘電体が損傷しにくく、リーク電流の流れにくい耐電圧性に優れた薄膜デバイスを実現することができる。
(薄膜デバイス構成と駆動原理)
本発明は、有機薄膜トランジスタ(有機TFT)に適用できる。図2は有機TFTの一例の概略図である。図2の有機TFTはボトムゲート及びボトムコンタクト型の構造である。図2に示すように、ゲート電極2とゲート絶縁膜4とが緩衝膜3を介して形成されることが本発明の有機TFTの特徴である。図2中、1は基板、5、6はソース・ドレイン電極、7は有機薄膜を意味する。なお、有機TFTの構造は図2に限定されるものではなく、ゲート電極とゲート絶縁膜との界面を平滑化し、電界が効率よくかかるようにする目的で挿入された有機化合物による緩衝膜を有してさえいればよい。
図2以外の構造としては、例えば、
(1)基板上に有機薄膜、ソース・ドレイン電極をこの順で備え、ソース・ドレイン電極間の有機薄膜上にゲート絶縁膜、緩衝膜及びゲート電極をこの順で備えた構成(有機薄膜の上面を一表面とし、一表面側にソース・ドレイン電極が形成された例)
(2)基板上にゲート電極、緩衝膜、ゲート絶縁膜、有機薄膜及びソース・ドレイン電極をこの順で備えた構成(有機薄膜の下面を一表面とし、有機薄膜の上面である他表面側にソース・ドレイン電極が形成された例)
(3)基板上にソース・ドレイン電極を備え、ソース・ドレイン電極を覆うように有機薄膜及びゲート絶縁膜をこの順で備え、ゲート絶縁膜上に緩衝膜を介してゲート電極を備えた構成(有機薄膜の上面を一表面とし、有機薄膜の下面である他表面側にソース・ドレイン電極が形成された例)
が挙げられる。
これらすべての構成において、ゲート電極とゲート絶縁膜との間に有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を挟み込むことでゲート電極からの電界作用を有効に与えることができる。
また、ゲート絶縁膜と有機薄膜との間にも有機ケイ素化合物からなる第二の緩衝膜を同時にとりつけることで、各界面部分の絶縁性をより一層高めて、リーク電流の低減や電界印加効率向上による低電圧駆動を実現することができる。
有機TFTの特性に大きく関わるキャリア移動が生じる領域は、絶縁膜と有機薄膜の界面十数nmであることを考えると、この領域でいかにスムーズなキャリアの流れを実現するかが、キャリア移動度の向上、しいてはデバイス全体の特性向上につながる。そのためには、ゲート絶縁膜と有機薄膜の間の界面処理は言うまでもなく、ゲート電極とゲート絶縁膜の間の界面の平滑化、安定化も有機薄膜にかかる電界を安定化しキャリアを効率的に移動する同様の効果を有するものである。
以下、本発明の有機TFTの構成要素を具体的に説明する。
(ゲート、ソース・ドレイン電極)
ゲート、ソース・ドレイン電極材料は、特に限定されず、当該分野で公知の材料をいずれも使用できる。具体的には、金、白金、銀、銅、アルミニウム等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;高融点金属とのシリサイド、ポリサイド等;p型又はn型ハイドープシリコン;ITO、NESA等の導電性金属酸化物;PEDOTのような導電性高分子が挙げられる。この内、表面に酸化膜を形成可能な材料が好ましく、そのような材料して、チタン、タンタルが挙げられる。
膜厚は、特に限定されるものではなく、通常トランジスタに使用される膜厚(例えば30〜60nm)に適宜調整することができる。
これら電極の製造方法は、電極材料に応じて適宜選択できる。例えば、蒸着、スパッタ、塗布等が挙げられる。
(ゲート絶縁膜)
ゲート絶縁膜は、特に限定されず、当該分野で公知の膜をいずれも使用できる。具体的には、シリコン酸化膜(熱酸化膜、低温酸化膜:LTO膜等、高温酸化膜:HTO膜)、シリコン窒化膜、SOG膜、PSG膜、BSG膜、BPSG膜等の絶縁膜;PZT、PLZT、強誘電体又は反強誘電体膜;SiOF系膜、SiOC系膜もしくはCF系膜又は塗布で形成するHSQ(hydrogen silsesquioxane)系膜(無機系)、MSQ(methyl silsesquioxane)系膜、PAE(polyarylene ether)系膜、BCB系膜、ポーラス系膜もしくはCF系膜又は多孔質膜等の低誘電体膜等が挙げられる。この内、緩衝膜との接触性に優れた膜が好ましく、そのような膜として、シリコン酸化膜や窒化膜が挙げられる。
膜厚は、特に限定されるものではなく、通常トランジスタに使用される膜厚(例えば100〜500nm)に適宜調整することができる。
ゲート絶縁膜の製造方法は、その種類に応じて適宜選択できる。例えば、蒸着、スパッタ、塗布等が挙げられる。
(緩衝膜)
緩衝膜材料としては、絶縁性を確保し、効率よく電界効果を与えるために高配向性を実現でき、第一の電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物であればよい。ここで、直接結合とは、親水化した電極表面上の酸素原子とのSi−O結合等を意味する。
有機ケイ素化合物としては、例えば、式(1)
1−SiZ123・・・(1)
(R1は、ベンゼンを2〜8個繰り返した1価の基、チオフェンを2〜8個繰り返した1価の基、2〜6個のベンゼン環を縮合させたアセンからなる1価の基、及びそれらの組み合わせから選択されたπ電子共役系分子を含み、Z1〜Z3は、同一又は異なって、ハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基である)
にて表される化合物が使用できる。
1〜Z3中、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(構造異性体を含む)、ブトキシ基(構造異性体を含む)、ペントキシ基(構造異性体を含む)が挙げられる。
有機基R1に対するシリル基(SiZ123)の結合位置は、特に限定されず、結合することができる限りどこの位置でもよい。
1としては、直鎖アルキル基又はπ電子共役系分子を含む基が挙げられる。
直鎖アルキル基としては、配向性を持たせるためには炭素数6〜30のものが好ましく、間に多重結合部位、カルボニル基、カルボキシル基、エステル基等があっても構わない。また、水素原子が一部ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等に置換してもよい。また、これら置換基の内、立体障害による分子間の配向性を阻害しないものであることが好ましい。
直鎖アルキル基を有する有機ケイ素化合物で好適なものとしては、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)、オクタデシルトリエトキシシラン(OTES)、ヘキサメチルジシラサン(HMDS)等が挙げられる。
π電子共役系分子を含む基は、導電性を制御可能な基(ユニット)を少なくとも1つ含むことが好ましい。例えば、単環の芳香族化合物、縮合芳香族化合物、単環の複素環化合物、縮合複素環化合物に由来する基から選択された基が挙げられる。
単環の芳香族化合物としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン等が挙げられる。縮合芳香族化合物としては、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、オクタセン、ノナセン、アズレン、フルオレン、ピレン、アセナフテン、ペリレン、アントラキノン等が挙げられる。単環の複素環化合物としては、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリミジン等が挙げられる。縮合複素環化合物としては、インドール、キノリン、アクリジン、ベンゾフラン等が挙げられる。
まず、単環の芳香族化合物、単環の複素環化合物としては、ベンゼン及び/又はチオフェンに由来するユニットからなる化合物が好ましい。このユニットは、2〜8個結合して化合物を構成することが好ましい。上記ユニットは、結合している場合、収率、経済性、量産化を考慮すると、2〜6個結合していることがより好ましい。
これらユニットは、複数個、分岐状に結合していてもよいが、直線状に結合していることが好ましい。また、化合物は、同じユニットが結合していてもよいし、すべて異なるユニットが結合していてもよいし、複数種類のユニットが規則的に又はランダムな順序で結合していてもよい。また、結合の位置は、ユニットの構成分子がチオフェンの場合には、2,5−位、3,4−位、2,3−位、2,4−位等のいずれでもよいが、なかでも、2,5−位が好ましい。ベンゼンの場合には、1,4−位、1,2−位、1,3−位等のいずれでもよいが、なかでも、1,4−位が好ましい。
例えば、非縮合系芳香族化合物として、下記一般式(2);
Figure 2007115986
(式中、mは1〜8、好ましくは1〜6の整数である)で表されるベンゼン化合物が挙げられる。フェニレン基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
また、非縮合系芳香族複素環式化合物として、下記一般式(3);
Figure 2007115986
(式中、nは1〜8、好ましくは1〜6の整数である)で表されるチオフェン化合物が挙げられる。チオフェンジイル基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
より具体的には、単環の芳香族化合物及び/又は単環の複素環化合物が2個以上結合した化合物の具体例として、式2、式3で表されるビフェニル、ビチオフェニル、ターフェニル、ターチエニル、クォーターフェニル、クォーターチオフェン、クインケフェニル、クインケチオフェン、ヘキシフェニル、ヘキシチオフェンの化合物、チエニル−オリゴフェニレン(式4の化合物参照)、フェニル−オリゴチエニレン(式5の化合物参照)、ブロックコオリゴマー(式6又は7の化合物参照)、ビス(ジチオフェニルビニル)フェニル(式8の化合物参照)に由来の基が挙げられる。
Figure 2007115986
(式中、nは1〜6、mは1〜3、a+bは2〜6であり、a及びbはa+b=2〜6を満たす0より大きい整数である。)
更に、縮合芳香族化合物としては、下記式9〜11
Figure 2007115986
から選択される化合物(nは0〜4)が挙げられる。式9は、アセン骨格を含む化合物であり、式10は、アセナフテン骨格を含む化合物であり、式11は、ペリレン骨格を含む化合物である。
上記式9のアセン骨格を含む化合物を構成するベンゼン環の数は2〜8個であることが好ましい。特に、合成の工程数や生成物の収率を考慮すると、ベンゼン環の数が2〜6であるナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセンが特に好ましい。
なお、上記式9では、ベンゼン環が直線状に縮合している化合物を形式上示しているが、例えば、フェナントレン、クリセン、ピセン、ペンタフェン、ヘキサフェン、ヘプタフェン、ベンゾアントラセン、ジベンゾフェナントレン、アントラナフタセン等のように非直線状に縮合している分子も式9の化合物に含まれる。
また、縮合複素環化合物としては、下記式12〜17
Figure 2007115986
から選択される化合物が挙げられる。
式12中、X1は炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子であり、X2は炭素原子又は窒素原子である(ただし、X1及びX2が同時に炭素原子の場合は除く);n1は0〜4の整数である。
式13中、X3は窒素原子、酸素原子又は硫黄原子である;n2及びn3は0≦n2+n3≦2を満たす整数である。
式14中、X4及びX5はそれぞれ独立して炭素原子又は窒素原子である(ただし、X4及びX5が同時に炭素原子の場合は除く);n4は0〜4の整数である。
式15中、X6及びX7はそれぞれ独立して炭素原子又は窒素原子である(ただし、X6及びX7が同時に炭素原子の場合は除く);n5は0〜4の整数である。
式16中、X8及びX9はそれぞれ独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子である(ただし、X8及びX9が同時に炭素原子の場合は除く);n6及びn7は0≦n6+n7≦2を満たす整数である。
式17中、X10及びX11はそれぞれ独立して炭素原子又は窒素原子である(ただし、X10及びX11が同時に炭素原子の場合は除く);n8及びn9は0≦n8+n9≦2を満たす整数である。
特に好ましい有機基R1は、単環の芳香族化合物及び/又は単環の複素環化合物が2個以上結合した化合物又はアセン骨格を含む化合物に由来する基である。
更に、ユニット間には、ビニレン基が位置していてもよい。ビニレン基を与える炭化水素としては、アルケン、アルカジエン、アルカトリエン等が挙げられる。アルケンとしては、炭素数2〜4の化合物、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等が挙げられる。なかでも、エチレンが好ましい。アルカジエンとしては、炭素数4〜6の化合物、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン等が挙げられる。アルカトリエンとしては、炭素数6〜8の化合物、例えば、ヘキサトリエン、ヘプタトリエン、オクタトリエン等が挙げられる。
更に、有機基R1を得るための化合物は、縮合芳香族化合物に由来するユニットが2以上結合した化合物であってもよく、縮合芳香族化合物に由来するユニットと単環の芳香族化合物及び/又は単環の複素環式化合物に由来するユニットとが結合した化合物であってもよい。
これら有機基は、末端に官能基を有していてもよい。この官能基の役割は材料の溶解性の向上、電極上に薄膜として形成したときに絶縁膜を介した上部半導体層への電子吸引性あるいは電子供与性の付与が挙げられる。具体的な官能基としては、ヒドロキシル基、置換もしくは無置換のアミノ基、ニトロ基、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の芳香族複素環基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、又は、カルボキシル基、エステル基、トリアルコキシシリル基等が挙げられる。
また、官能基は、5員環及び/又は6員環で構成される縮合環数2〜8の縮合複素環化合物に由来する1価の基であってもよい。縮合複素環化合物としては、以下の一般式(a)〜(f)の化合物が挙げられる。
一般式(a);
Figure 2007115986
(式中、X1、X2、n1は同上)
一般式(b);
Figure 2007115986
(式中、X3、n2、n3は同上)
一般式(c);
Figure 2007115986
(式中、X4、X5、n4は同上)
一般式(d);
Figure 2007115986
(式中、X6、X7、n5は同上)
一般式(e);
Figure 2007115986
(式中、X8、X9、n6、n7は同上)
一般式(f);
Figure 2007115986
(式中、X10、X11、n8、n9は同上)
また、有機基R1は、側鎖を有していてもよい。ここで側鎖としては、隣接分子と反応しない基であることが好ましい。側鎖としては、置換又は無置換のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ジアリールアミノ基、ジ又はトリアリールアルキル基、アルコキシ基、オキシアリール基、ニトリル基、ニトロ基、エステル基、トリアルキルシリル基、トリアリールシリル基、フェニル基、アセン基が挙げられる。中でも、有機薄膜材料として使用することを考え、隣接分子との分子間相互作用を大きく作用させることを考慮すると、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキル基でシリル基を置換したトリアルキルシリル基、炭素数1〜4のアルキル基を有する2級及び3級炭化水素、ベンゼン環数が1〜4のフェニル基、ナフタレン及びアントラセン、炭素数1〜4のアルキル基を含む3級アミノ基等が好ましい。
有機ケイ素化合物の特に好適な例を下記する。
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
Figure 2007115986
以下に有機ケイ素化合物の合成方法を説明する。
有機ケイ素化合物は上記の有機基R1を含有する分子にシリル基を導入することによって合成可能である。
有機基R1含有分子のシリル化は、種々の公知の手法によって達成可能である。例えば、(1)対応する臭素や、塩素、又はヨウ素等のハロゲン原子を有する化合物から得られるグリニヤール試薬やリチウム試薬とハロゲンやアルコキシを有する有機ケイ素化合物との反応、(2)対応する炭素−炭素多重結合を有する化合物と少なくとも一つの水素をケイ素原子上に有する有機ケイ素化合物とを塩化白金酸等の触媒存在下で加熱攪拌することによるハイドロサイレーション反応、(3)パラジウム触媒を用い、対応するビニルホウ素化合物と有機ハロゲン化シラン化合物をクロスカップリングさせて、置換オレフィンを合成する反応を利用できる。
より具体的には(1)の方法としての以下の方法を利用できる。
(式) R1−MgX (i)
(式中、R1は上記参照、Xはハロゲン原子である)で示される化合物と、
(式) Y1−SiZ123 (ii)
(式中、Y1はハロゲン原子であり、Z1〜Z3は上記と同じ)で示される化合物(例えば、テトラクロロシラン、トリエトキシハロゲノシラン)とを反応させて、
(式) R1−SiZ123(iii)
有機ケイ素化合物を得る方法が挙げられる。上記方法中、ハロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
上記合成時の反応温度は、例えば、−100〜150℃が好ましく、より好ましくは−20〜100℃である。反応時間は、工程毎に、例えば、0.1〜48時間程度である。反応は、通常、無水条件下、反応に影響のない有機溶媒中で行われる。反応に悪影響のない有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン等脂肪族又は芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素系炭化水素等が挙げられ、これらは単独で又は混合液として用いることができる。なかでも、ジエチルエーテルとTHFが好適である。反応は、任意に触媒を用いてもよい。触媒としては、白金触媒、パラジウム触媒、ニッケル触媒等、触媒として公知のものを用いることができる。
次に、有機基R1の前駆体として好適な、単環の芳香族化合物及び/又は単環の複素環化合物が2個以上結合した化合物又はアセン骨格を含む化合物の合成方法の一例を記載する。
(1)単環の芳香族化合物及び/又は単環の複素環化合物が2個以上結合した化合物
単環の芳香族化合物であるベンゼン又は複素環化合物であるチオフェンに由来するユニットから構成される化合物の合成方法としては、まず、ベンゼン又はチオフェンの反応部位をハロゲン化させた後に、グリニヤール反応を利用する方法が有効である。この方法を使用すれば、ベンゼン又はチオフェンの数を制御した化合物を合成することができる。また、グリニヤール試薬を適用する方法以外にも、適当な金属触媒(Cu、Al、Zn、Zr、Sn等)を利用したカップリングによっても合成することができる。
更に、チオフェンについては、グリニヤール試薬を利用する方法以外に、下記合成方法を利用することができる。
すなわち、まず、チオフェンの2位又は5位をハロゲン化(例えば、ブロモ化、クロロ化)させる。ハロゲン化させる方法としては、例えば、1当量のN−クロロスクシンイミド(N−Chlorosuccinimide:NCS)又はN−ブロモスクシンイミド(N−Bromosuccinimide:NBS)処理や、オキシ塩化燐(phosphorus oxychloride:POCl3)処理が挙げられる。このときの溶媒としては、例えばクロロホルム・酢酸(AcOH)混合液、DMF、四塩化炭素が使用できる。又はハロゲン化したチオフェン同士を、DMF溶媒中でトリス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(tris(triphenylphosphine)Nickel:(PPh3)3Ni)を触媒として反応させることによって、結果的にハロゲン化させた部分でチオフェン同士を直接結合できる。
更に、ハロゲン化したチオフェンに対して、ジビニルスルホンを加え、カップリングさせることにより1,4−ジケトン体を形成させる。続いて、乾燥トルエン溶液中で、ローウェッソン剤(Lawesson Reagent:LR)又はP410を加え、前者の場合一晩、後者の場合3時間程度還流させることによって、閉環反応を起こさせる。その結果、カップリングしたチオフェンの合計数よりもひとつチオフェンの数が多い化合物を合成できる。
チオフェンの上記反応を利用して、チオフェン環の数を増加させることができる。
なお、上記化合物は、その合成に使用した原料と同じく、末端をハロゲン化させることができる。そのため、化合物をハロゲン化させた後、例えばSiCl4と反応させることによって、末端にシリル基を有し、かつベンゼン又はチオフェンに由来するユニットのみからなる有機残基を備えたシラン化合物(単純ベンゼン又は単純チオフェン化合物)を得ることができる。
更に、ベンゼン又はチオフェンのみからなる化合物(A)〜(C)の合成例を以下に示す。なお、下記チオフェンのみからなる化合物(A)と(B)の合成例では、チオフェンの3量体から6又は7量体への反応のみを示した。しかし、ユニット数の異なるチオフェンと反応させれば、前記6又は7量体以外の化合物を形成できる。例えば、2−クロロチオフェンをカップリングした後にNCSによりクロロ化させた2−クロロビチオフェンに下記と同様の反応をさせることによって、チオフェン4又は5量体を形成できる。更に、チオフェン4量体をNCSによりクロロ化させれば更にチオフェン8又は9量体も形成することができる。
Figure 2007115986
所定数のチオフェンとベンゼン由来のユニットがそれぞれ結合した単位を直接結合することにより、ブロック型の化合物を得る方法としては、例えば、グリニヤール反応を使用する方法がある。この場合の合成例としては、以下の方法が適用できる。
まず、単純ベンゼン又は単純チオフェン化合物の所定位置をハロゲン化(例えば、ブロモ化)した後に、n−BuLi、B(O−iPr)3を付与することによって脱ブロモ化及びホウ素化できる。このときの溶媒は、エーテルが好ましい。また、ホウ素化させる場合の反応は、2段階であり、初期は反応を安定化させるために、1段階目は−78℃で行い、2段階目は−78℃から室温に徐々に温度を上昇させることが好ましい。一方で、両端にハロゲン基(例えば、ブロモ基)を有するベンゼン又はチオフェンを用いてグリニヤール反応からブロック型化合物の中間体を作製しておく。
この状態で、未反応のブロモ基と上記のホウ素化された化合物を、例えばトルエン溶媒中に展開させ、Pd(PPh34、Na2CO3の存在下、85℃の反応温度にて、反応を完全に進行させれば、カップリングを起こさせることが可能である。結果的に、ブロック型の化合物を合成することができる。
このような反応を用いた化合物(D)及び(E)の合成例を以下に示す。
Figure 2007115986
ベンゼン又はチオフェンに由来するユニットとビニル基が交互に結合される化合物の合成方法としては、例えば以下の方法が適用できる。すなわち、ベンゼン又はチオフェンの反応部位にメチル基を有する原料を準備した後に、その両端を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)及びNBSを用いてブロモ化させる。この後、ブロモ体にPO(OEt)3を反応させ、中間体を形成させる。つづいて、末端にアルデヒド基を有する化合物と、中間体とを、例えばDMF溶媒中でNaHを用いて反応させることによって、上記の化合物は形成できる。なお、得られた化合物は、末端にメチル基を有するため、例えばこのメチル基を更にブロモ化させ、上記合成ルートを再度適用すれば、更にユニット数の多い化合物を形成できる。
このような反応を用いて長さの異なる化合物(F)〜(H)の合成例を以下に示す。
Figure 2007115986
いずれの化合物についても、所定の位置に側鎖(例えばアルキル基)を有する原料を用いることもできる。すなわち、例えば、原料として2−オクタデシルターチオフェンを用いれば、上記の合成ルートにより化合物(A)として2−オクタデシルセクシチオフェンを得ることができる。同様に、所定の位置にあらかじめ可能基や側鎖を有する原料を用いれば、上記(A)〜(H)のいずれの化合物でかつ、官能基や側鎖を有する化合物を得ることができる。
また、上記合成例で使用した原料は、汎用の試薬であり、試薬メーカーより入手、利用できる。以下の表1に原料のCASナンバー、及び、試薬メーカーとして例えばキシダ化学より入手した場合の試薬の純度を示しておく。
Figure 2007115986
なお、上記単環の芳香族化合物及び/又は単環の複素環化合物が2個以上結合した化合物の合成方法に準じて、縮合芳香族化合物及び縮合複素環化合物も、単環の芳香族化合物、単環の複素環化合物、縮合芳香族化合物及び縮合複素環化合物と結合させることができる。
(2)アセン骨格、アセナフテン骨格、ペリレン骨格を含む化合物
アセン骨格を含む化合物の合成方法としては、例えば(1)原料化合物の所定位置の2つの炭素原子に結合する水素原子をエチニル基で置換した後に、エチニル基同士を閉環反応させ工程を繰り返す方法、(2)原料化合物の所定位置の炭素原子に結合する水素原子をトリフラート基で置換し、フラン又はその誘導体と反応させ、続いて酸化させる工程を繰り返す方法等が挙げられる。これらの方法を用いたアセン骨格を有する化合物(I)〜(J)の合成例を以下に示す。
方法(1)
Figure 2007115986
方法(2)
Figure 2007115986
また、上記方法(2)では、アセン骨格のベンゼン環を一つずつ増やす方法であるため、例えば原料化合物の所定部分に反応性の小さな側鎖又は保護基が含まれていても同様にアセン骨格を含む化合物(K)を合成できる。この場合の合成例を以下に示す。
Figure 2007115986
また、上記方法(2)の反応式中、2つのアセトニトリル基及びトリメチルシリル基を有する出発化合物を、これら基が全てトリメチルシリル基である化合物に変更してもよい。また、上記反応式中、フラン誘導体を使用した反応後、反応物をヨウ化リチウム及びDBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)下で、還流させることで、出発化合物よりベンゼン環数が1つ多く、かつヒドロキシル基が2つ置換した化合物を得ることができる。
アセナフテン骨格及びペリレン骨格を有する化合物(L)〜(M)は、例えば以下のように合成できる。
Figure 2007115986
また、側鎖として、窒素原子が2個の芳香族環基で置換された2級アミノ基をペリレン骨格に挿入する手法としては、あらかじめ側鎖の挿入部分をハロゲン化させた後に、金属触媒存在下で上記2級アミノ基をカップリングさせる手法が挙げられる。例えば上記ペリレン分子の場合、例えば以下の手法により2級アミノ基を挿入できる。
Figure 2007115986
また、上記合成例で使用した原料は、汎用の試薬であり、試薬メーカーより入手、利用できる。例えばテトラセンは東京化成より純度97%以上で入手できる。
有機ケイ素化合物は、公知の手段、例えば転溶、濃縮、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から単離、精製することができる。
π電子共役系分子を含む有機ケイ素化合物のうちで特に好適な例は、クオーターチオフェントリクロロシラン、クインケチオフェントリエトキシシラン、アントラセントリエトキシシラン、2−メチルヘプタチオフェントリクロロシラン等が挙げられる。
緩衝膜の形成方法は、特に限定されないが、分子間配向した薄膜を形成することができる方法であることが好ましい。緩衝膜表面の均一性を考慮すると、LB法、浸漬法、CVD法の順に均一性の高い膜を形成することができる。また、蒸着法を用いてもよい。なお、上記のLB法、浸漬法、CVD法、蒸着法の定義を下記する。
LB法は、Langmuir−Blodgett法の略であり、水面上に疎水基と親水基のバランスのとれた両親媒性の物質を水面上に展開し、単分子膜といわれる分子一層の膜を作製、更にそれを基板に転写する手法である。
浸漬法(ディップ法)は、ある溶液に対して、基板を漬け、次いで引上げることで膜を形成する方法であり、結晶性を有する材料の場合、特有の構造の結晶を成長させることができる。
CVD法は、密閉容器や密閉空間内で、溶液を加熱/蒸発させ、気化された分子を基板表面に気相で吸着させる方法を意味する。
蒸着法は、原料を加熱することにより蒸気とし、それを所望の領域に堆積させる方法であり、例えば有機半導体材料の場合には、抵抗加熱による蒸着法が使用できる。
緩衝膜の形成方法として、例えば、有機ケイ素化合物をヘキサン、クロロホルム、四塩化炭素等の無水の有機溶媒に溶解する。得られた溶液(例えば、1mM〜100mM程度の濃度)中に、ゲート電極を取り付けた基板を浸漬して、引き上げる。得られた溶液を基板表面に塗布してもよい。その後、非水系有機溶媒で洗浄し、水洗し、放置するか加熱することにより乾燥して、ゲート絶縁膜、ソース・ドレイン電極、有機薄膜を取り付けることにより有機TFTを作製する。該有機薄膜は、そのまま有機薄膜として用いてもよいし、更に電解重合等の処理を施して用いてもよい。
また、隣り合う式(1)におけるSiがそのまま、又は酸素原子を介して架橋する場合には、例えば、Si−O−Siネットワークに制御されて、隣り合うユニット間距離が小さく、かつより高度に結晶化される。特に、ユニットが、直線状に配置されている場合には、隣り合うユニット同士は結合せずに、隣り合うユニット間距離を最小限にして、高度に結晶化された材料を得ることができる。このようなユニットの配向により、特定の方向にキャリア移動機能を示す緩衝膜を得ることができる。言い換えると、ユニットの配置方向に対して、垂直方向と表面方向で、電気特性が異なる電気的異方性を有する緩衝膜を得ることができる。
緩衝膜を形成した後は、非水系溶媒を用いて緩衝膜から未反応の有機ケイ素化合物を洗浄除去することが好ましい。
緩衝膜の厚さは、0.5〜3nmが好ましい。
(有機薄膜)
有機薄膜の材料は、当該分野で公知の材料や上記有機ケイ素化合物からシリル基を除いた化合物を使用できる。有機薄膜材料としては、トランジスタ駆動又は材料供給を考慮すると以下の低分子化合物ならびに高分子化合物が好ましい。
低分子化合物としては、分子量1,000未満の化合物が好ましく、具体的には、3〜10個のベンゼン環を縮合させたアセン、チオフェンを3〜10個繰り返したオリゴチオフェン、ベンゼンを3〜10個繰り返したオリゴフェニレン、ベンゼン及びビニレンを1〜10個繰り返したオリゴフェニレンビニレン、ベンゼン及びチオフェンを1〜10個繰り返したオリゴフェニレンチオフェンが挙げられる。
高分子化合物としては、数平均分子量1,000以上の化合物が好ましく、繰り返しユニットが、チオフェン系、フェニレンビニレン系、アセン系である化合物が挙げられる。中でもナフタセン、ペンタセン、ペリレン、ルブレン、クインケチオフェン(α−5T)、セクシチオフェン(α−6T)、セクシフェニレン、ユニット数3のオリゴフェニレンビニレン、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリフェニレンビニレン(PPV)及びそれらの誘導体が特に好ましい。
更に、フラーレン(C60)、C60−フューズド ピロリジン−メタ−C12フェニル(C60MC12)、[6、6]−フェニルC61−ブタン酸メチルエステル(PCBM)等のフラーレン系化合物も使用できる。
有機薄膜の製造方法としては、SAM法(例えば、LB法、蒸着、浸漬、キャスト、CVD法等)のような有機薄膜を形成しうる一般的な手法がすべて適用できるが、材料・量産のコストを勘案して適宜設定される。
なお、SAM法とは、Self−Assembled Monolayerの略であり、自己組織化可能な材料を用いて膜を形成する手法を指しており、LB法/浸漬法(ディップ法)/キャスト法/CVD法いずれの方法も含まれる。キャスト法は、所望の領域に対して原料を含む溶液を滴下、乾燥することにより膜を形成する方法を意味し、インクジェットも含まれる。
なお、有機TFTの製造方法としては、ゲート電極を緩衝膜で覆い、該緩衝膜上にゲート絶縁膜を形成する工程を含みさえすれば特に限定されない。一例として、基板上にゲート電極を形成する工程、該ゲート電極に親水化処理を施した後に有機ケイ素化合物の緩衝膜を形成する工程、該緩衝膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上に有機ケイ素化合物から形成されキャリア移動機能を有する単分子膜からなる第二の緩衝膜を形成する工程と、該第二の緩衝膜上にソース・ドレイン電極を形成する工程と、該ソース・ドレイン電極間の前記第二の緩衝膜上に有機薄膜を形成する工程とを含む製造方法が挙げられる。
第二の緩衝膜は、上記緩衝膜と同じ材料、形成方法及び膜厚を適用できる。
(コンデンサ)
本発明は薄膜コンデンサにも適用できる。
図3は薄膜コンデンサの一例の概略図である。図3に示すように、基板上の下部電極8と誘電膜10との間に有機化合物からなる緩衝膜9を介していることが本発明の特徴である。図3中、1は基板、11は上部電極を意味する。なお、薄膜コンデンサの構造について、図3はあくまでその一例であり、電極と誘電膜との界面の均一性を高め、効率よく電界がかかることと合わせリーク電流を低減できる目的で有機化合物の緩衝膜を備えたものであればよい。
薄膜コンデンサにおいて電極の材料及び製膜方法や緩衝膜の材料及び製膜方法については、上記有機薄膜トランジスタで記述した内容と同様の材料及び成膜方法を適用できる。
薄膜コンデンサの製造方法としては、第一の電極を形成する工程の次工程として緩衝膜を形成する工程を含みさえすれば、特に限定されない。また、第二の電極を形成する前工程に緩衝膜を形成する工程を含ませてもよい。一例として、第一の電極を形成する工程と、該電極に緩衝膜を形成する工程、誘電膜を形成する工程、第二の電極を形成する工程を含む製造工程が挙げられる。また、誘電膜と第二の電極との間に第二の緩衝膜を介在させてもよい。
緩衝膜及び第二の緩衝膜の厚さは、0.5〜3nmが好ましい。
(誘電膜)
誘電膜は、特に限定されず、当該分野で公知の膜をいずれも使用できる。具体的には、シリコン酸化膜(熱酸化膜、低温酸化膜:LTO膜等、高温酸化膜:HTO膜)、AL34、SrSiO3、BaTiO3、PbTiO3からなる金属酸化膜、ポリピロールからなる有機膜等高誘電体膜等が挙げられる。これにより誘電率が大きく、しかもリーク電流の小さな絶縁耐圧に優れたコンデンサを提供することが可能である。
膜厚は、特に限定されるものではなく、通常コンデンサに使用される膜厚(例えば100〜500nm)に適宜調整することができる。
誘電膜の製造方法は、その種類に応じて適宜選択できる。例えば、蒸着、スパッタ、塗布等が挙げられる。
具合的な有機TFTの製造方法やその特性、及び薄膜コンデンサの製造方法やその特性については以下の実施例にて示す。
実施例1
図2に示す有機TFTを作製するために、まず、シリコンからなる基板1上にタンタルを厚さ50nmで蒸着することでゲート電極2を形成した。
有機溶剤で基板1をリンスしてからゲート電極2表面を酸素・プラズマアッシングを印加出力100W、約5分間の条件で親水化処理した後、得られた基板とオクタデシルトリクロロシラン(OTS)を耐圧容器内に入れて、100℃で1時間密閉加熱することで基板をOTS雰囲気にさらし、厚さ約2nmの緩衝膜3を形成した。
次に、プラズマCVD法によりチッ化シリコン膜からなる厚さ200nmのゲート絶縁膜4を堆積した後、クロム(厚さ10nm)、金(厚さ50nm)の順に蒸着を行い、通常のリソグラフィー技術によりソース・ドレイン電極(5、6)を形成した。
続いて、得られた基板を、過酸化水素と濃硫酸の混合溶液(混合比3:7)中において1時間浸漬し、ゲート絶縁膜4表面を親水化処理した。
そして、上記基板を真空中に導入し、真空度1×10-6Torr、蒸着速度10Å/minの条件でペンタセン薄膜を100nm蒸着して有機薄膜7を形成することで、有機TFTを形成した。
上記で得られた有機TFTは、電界効果移動度が1.6×10-1cm2/Vsで、オン/オフ比が約6桁であり、このときのゲートリークの最大電流値は550pAで、良好な性能が得られた。
実施例2
実施例1と同様に、基板1上にタンタルからなるゲート電極2を形成後、得られた基板を嫌気条件(酸素非含有雰囲気下)において、以下の合成法により得られたクインケチオフェントリエトキシシランを非水系溶媒(例えば、n−ヘキサデカン)に溶解した20mM溶液に5分間浸漬させ、ゆっくりと引き上げ、溶媒洗浄を行って、厚さ約3nmの緩衝膜3を形成した。
次に、プラズマCVD法により厚さ200nmのチッ化シリコン膜からなるゲート絶縁膜4を堆積した後、クロム(厚さ10nm)、金(厚さ50nm)の順に蒸着を行い、通常のリソグラフィー技術によりソース・ドレイン電極(5、6)を形成した。
続いて、得られた基板を、過酸化水素と濃硫酸の混合溶液(混合比3:7)中において1時間浸漬し、ゲート絶縁膜4の表面を親水化処理した。
続いて、上記基板を真空中に導入し、真空度1×10-6Torr、蒸着速度10Å/minの条件でペンタセン薄膜を100nm蒸着して有機薄膜7を形成することで、有機TFTを形成した。
また、上記で得られた有機TFTは、電界効果移動度が1.5×10-1cm2/Vsで、オン/オフ比が約6桁であり、このときのゲートリークの最大電流値は260pAで、良好な性能が得られた。
比較例1
緩衝膜3を製造しないこと以外は実施例1と同様にして薄膜TFTを得た。
上記で得られた有機TFTは電界効果移動度が8.7×10-2cm2/Vsで、オン/オフ比が約5桁で、このときのゲートリークの最大電流値は4.6nAであった。
実施例3
図3に示すコンデンサを作製するために、シリコン基板1上にタンタルを厚さ50nmで蒸着することで下部電極8を形成した。下部電極形成後、有機溶剤による表面洗浄、及び実施例1と同様の酸素・プラズマアッシングによる親水化処理を施してから、処理した基板とオクタデシルトリクロロシラン(OTS)を耐圧容器内に入れて、100℃で1時間密閉加熱することで基板をOTS雰囲気にさらし、厚さ約2nmの緩衝膜9を形成した。そして、SiO2誘電膜10をスパッタにより300nm堆積した後に、クロム(厚さ10nm)、金(厚さ50nm)の順に蒸着を行ない、上部電極11を形成することで図3の構造のコンデンサを作成した。
上記で得られたコンデンサに対して特性評価を行った。なお、測定周波数は1kHzで、電極面積は1mm2である。その結果、比誘電率εrは3.7で、10V電圧印加時のリーク電流は1.2nAであり、緩衝膜を挟まない構造のコンデンサよりも誘電率が大きく、なおかつリーク電流の小さな絶縁性に優れた性能が得られた。
実施例4
図3に示すコンデンサに更に誘電膜4と上部電極11の間に第二の緩衝膜を備えたコンデンサを以下のようにして作製した。
まず、SiO2誘電膜10の形成までは実施例3と同様にした。次に、下部電極8上の緩衝膜9と同様の方法で、厚さ約2nmのOTSからなる第二の緩衝膜を形成した。その後、実施例3と同様にして上部電極11を形成することで誘電膜の両側にOTSからなる緩衝膜を備えたコンデンサを作成した。
上記で得られたコンデンサに対して特性評価を行った。なお、測定周波数は1kHzで、電極面積は1mm2である。その結果、比誘電率εrは4.1で、10V電圧印加時のリーク電流は860pAであり、誘電膜の両側に緩衝膜を付与したコンデンサにおいて誘電率が大きく、なおかつリーク電流の小さな絶縁性に優れた性能が得られた。
比較例2
緩衝膜9を製造しないことを以外は実施例3と同様にしてコンデンサを得た。
上記で得られたコンデンサに対して特性評価を行った。なお、測定周波数は1kHzで、電極面積は1mm2である。その結果、比誘電率εrは3.4で、10V電圧印加時のリーク電流は3.1nAであった。
合成例1クインケチオフェントリエトキシシランの合成
まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた500mlガラスフラスコに、ビチオフェン1.0モルを四塩化炭素に溶解させた後、NBS、AIBNを加え、2.5時間攪拌した後に減圧濾過することによって、ブロモビチオフェンを得た。
続いて、同様の合成工程で、ビチオフェンをターチオフェンに代えることによって、ブロモターチオフェンを得た。
得られたブロモターチオフェン0.5モルを、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた500mlガラスフラスコに、金属マグネシウム0.5モル、THF(テトラヒドロフラン)300mlを仕込み、前記ブロモターチオフェン0.5モルを50〜60℃にて滴下ロートから2時間かけて滴下し、滴下終了後65℃にて2時間成熟させ、グリニヤール試薬を調製した。更に前記ブロモビチオフェン0.5モルを加え、50℃4時間反応させることで、クインケチオフェンを合成した。続いて、前記クインケチオフェン0.2モルをAIBN存在下でNBSと反応させることでブロモクインケチオフェンを合成した。この後、金属マグネシウムと反応させ、グリニヤール試薬を合成し、更に、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1リットルガラスフラスコにトリエトキシクロロシラン1.5モル、トルエン300mlを仕込み、氷冷し、内温20℃以下にて、前記グリニヤール試薬を2時間かけて加え、滴下終了後30℃にて1時間成熟を行った。
次いで、反応液を減圧にてろ過し、塩化マグネシウムを除いた後、ろ液よりトルエン及び未反応物をストリップし、この溶液を蒸留して、標題化合物を45%の収率で得た。
得られた化合物について、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、1050cm-1にSiC由来の吸収が観測され、化合物がSiC結合を有することが確認できた。
更に化合物の核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
7.3ppm(m) (2H チオフェン環由来)
6.6ppm(m) (8H チオフェン環由来)
3.8ppm(m) (6H エトキシ基メチレン由来)
1.2ppm(m)(9H エトキシ基メチル基由来)
これらの結果から、この化合物が標記の化合物であることを確認した。
従来の有機TFTの構成概略図である。 本発明の有機TFTの構成概略図である。 本発明のコンデンサの構成概略図である。
符号の説明
1 基板
2 ゲート電極
3、9 緩衝膜
4 ゲート絶縁膜
5、6 ソース・ドレイン電極
7 半導体層(有機薄膜)
8 下部電極
10 誘電膜
11 上部電極

Claims (15)

  1. 第一の電極と、絶縁膜もしくは誘電膜と、第二の電極との積層構造を含み、前記第一の電極と絶縁膜もしくは誘電膜との間に、前記第一の電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を備えたことを特徴とする薄膜デバイス。
  2. 前記有機ケイ素化合物が、直鎖状アルキル基を含む有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜デバイス。
  3. 前記有機ケイ素化合物が、式(1)
    1−SiZ123・・・(1)
    (R1は、ベンゼンを2〜8個繰り返した1価の基、チオフェンを2〜8個繰り返した1価の基、2〜6個のベンゼン環を縮合させたアセンからなる1価の基、及びそれらの組み合わせから選択されたπ電子共役系分子を含み、Z1〜Z3は、同一又は異なって、ハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基である)
    にて表されることを特徴とする請求項1に記載の薄膜デバイス。
  4. 前記有機ケイ素化合物が、式(1)
    1−SiZ123・・・(1)
    (R1は、チオフェンを2〜8個繰り返した1価の基からなるπ電子共役系分子を含み、Z1〜Z3は同一又は異なってハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基である)
    にて表されることを特徴とする請求項3に記載の薄膜デバイス。
  5. 前記有機ケイ素化合物が、式(1)
    1−SiZ123・・・(1)
    (R1は、2〜6個のベンゼン環を縮合させたアセンからなる1価の基からなるπ電子共役系分子を含み、Z1〜Z3は、同一又は異なって、ハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルコキシ基である)
    にて表されることを特徴とする請求項3に記載の薄膜デバイス。
  6. 有機薄膜と、該有機薄膜の一表面に前記絶縁膜としてのゲート絶縁膜を介して形成された前記第一の電極としてのゲート電極と、該ゲート電極の両側にあって、前記有機薄膜の一表面又は他表面に接触して形成されたソース・ドレイン電極と、前記ゲート電極とゲート絶縁膜の間に、前記ゲート電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を備えた有機薄膜トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜デバイス。
  7. 前記ゲート電極が、表面に酸化膜形成が可能な金属からなることを特徴とする請求項6に記載の薄膜デバイス。
  8. 前記絶縁膜が、有機ケイ素化合物からなる緩衝膜との接触性に優れた材料からなる請求項6に記載の薄膜デバイス。
  9. 更に、前記ソース・ドレイン電極とゲート絶縁膜との間に、前記ソース・ドレイン電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる第二の緩衝膜を備えたことを特徴とする請求項6に記載の薄膜デバイス。
  10. 前記第一の電極、誘電膜及び第二の電極とからなり、前記第一の電極と誘電膜との間に、前記第一の電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を備えた薄膜コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜デバイス。
  11. 更に、前記誘電膜と第二の電極の間に、前記第二の電極と直接結合を形成できる有機ケイ素化合物からなる第二の緩衝膜を備えたことを特徴とする請求項10に記載の薄膜デバイス。
  12. 前記第一の電極が、表面に酸化膜形成が可能な金属からなることを特徴とする請求項10に記載の薄膜デバイス。
  13. 請求項1に記載の薄膜デバイスの製造方法であって、前記緩衝膜が、CVD法、LB法あるいは浸漬法により形成されることを特徴とする薄膜デバイスの製造方法。
  14. 請求項6に記載の薄膜デバイスの製造方法であって、ゲート電極を形成する工程と、該ゲート電極上に有機ケイ素化合物からなる緩衝膜を形成する工程と、該緩衝膜上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上に有機薄膜を形成する工程と、該有機薄膜を形成する前に前記ゲート絶縁膜上にソース・ドレイン電極を形成するか又は前記有機薄膜上にソース・ドレイン電極を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜デバイスの製造方法。
  15. 前記有機薄膜が、溶液塗布法により形成されることを特徴とする請求項14に記載の有機デバイスの製造方法。
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