JPH10209459A - 有機薄膜トランジスタ及びその製造方法並びに液晶素子と有機発光素子 - Google Patents

有機薄膜トランジスタ及びその製造方法並びに液晶素子と有機発光素子

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JPH10209459A
JPH10209459A JP9012178A JP1217897A JPH10209459A JP H10209459 A JPH10209459 A JP H10209459A JP 9012178 A JP9012178 A JP 9012178A JP 1217897 A JP1217897 A JP 1217897A JP H10209459 A JPH10209459 A JP H10209459A
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formula
semiconductor layer
active semiconductor
thin film
film transistor
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Withdrawn
Application number
JP9012178A
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English (en)
Inventor
Akio Takimoto
昭雄 滝本
Kazunori Komori
一徳 小森
Hisanori Sugiura
久則 杉浦
Kazuhiro Nishiyama
和廣 西山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10209459A publication Critical patent/JPH10209459A/ja
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having a potential-jump barrier or a surface barrier
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型ディスプレイ装置において、良好な画質
を得るための特性の良好な有機薄膜トランジスタと、そ
れを用いた液晶素子及び有機発光素子を得ることを目的
とする。 【解決手段】 ゲート電極2、ソース電極6、ドレイン
電極5の3端子及び活性半導体層4からなる薄膜トラン
ジスタにおいて、ゲート絶縁膜3と活性半導体層4が
(化2)と(化1)の高分子からなり、それらが連続し
て成膜される。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は大型ディスプレイ素
子を駆動する有機薄膜トランジスタと、この有機薄膜ト
ランジスタを用いた特に大型の液晶素子と、この有機薄
膜トランジスタを用いた特に大型の有機発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】直視型の大画面ディスプレイには、液晶
素子、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)の開
発が盛んである。例えば、液晶素子では10インチクラ
ス以上のaーSiTFT直視パネルが主流となってい
る。またPDPは40インチクラスを目指して開発が進
んでいる。他の大型表示素子の方法としてプラズマアド
レス型の液晶素子も、このPDPと同レベルの大きさの
ディスプレ素子の実現を目指している。この方式は大画
面の液晶素子を駆動するトランジスタの代わりにプラズ
マを利用するものである。
【0003】これらの素子は、大画面化に伴って様々な
課題に直面する。液晶素子では、駆動素子にプラズマC
VD法によるaーSiを用いており、大型化対応の製造
装置の開発が必要となり、製造コストの大幅な増加があ
る。これに対して有機物で薄膜トランジスタを形成する
ことが可能になれば、塗布法または低温の蒸着法などで
大型化が容易になるという考えがある。研究段階ではあ
るが有機薄膜トランジスタの開発が盛んになってきた。
【0004】例えば、A.Dodabalapur等は、有機の活性
半導体層として、蒸着法によって成膜するチオフェンオ
リゴマ膜(重合度6)を用いて、電界効果移動度0.0
1〜0.03cm2-1s-1、トランジスタの電流オン/
オフ比は6〜7桁を得ている(「サイエンス」第268
巻270頁〜第271頁(SCIENCE、VOL.2
68,p.270〜271))が、但し、電流値は他の
トランジスタに比べて小さい。
【0005】また、スイッチングに必要なゲート電圧と
ドレイン電圧が数十Vと高いのが欠点である。この性能
は現行のaーSiの電界効果移動度0.1〜0.5cm
2V-1s-1、及び電流のオン/オフ比の7桁に近い。
【0006】更に低温p-Siの電界効果移動度50c
2V-1s-1、及び電流のオン/オフ比は7桁であり、高
温p-Siの電界効果移動度100cm2V-1s-1、及びオ
ン/オフ比は7桁である。最も性能の良い単結晶Siに
なると、その電界効果移動度1500cm2V-1s-1、及
び電流のオン/オフ比は9桁以上である。
【0007】しかし、いずれのトランジスタも大型化対
応が非常に困難である。前出の有機薄膜トランジスタ
は、この大型ディスプレイ素子でも直視型の液晶素子の
駆動素子として有力視されている。
【0008】バックライトが必要な液晶素子に対して発
光型の大画面ディスプレイデバイスへの要望がある。前
出のPDPが代表例であるが、有機薄膜の発光素子の開
発も近年盛んである。モノマ分子の蒸着法による素子
と、ポリフェニレンビニレン(PPV)を初めとする高
分子材料を塗布形成する素子が有望である。
【0009】これらの有機発光材料を用いてカラー表示
素子を作製する場合、液晶素子の開発の歴史から推測さ
れるように、近い将来、トランジスタによるアクティブ
型駆動が主流になるであろう。単純なマトリックス電極
配線によって発生する輝度傾斜を防ぐためである。現状
ではトランジスタの性能が不足するために、アクティブ
駆動が困難でパシブ駆動の延長となってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】有機薄膜トランジスタ
の性能の第1の課題は、電界効果移動度が0.01〜
0.03cm2V-1s-1とaーSiの電界効果移動度0.
1〜0.5cm2V-1s-1に対して1桁以上小さいことで
ある。
【0011】第2の課題は、駆動電圧がゲート電圧、ド
レイン電圧共に数十Vと高いことである。但し、プラズ
マアドレス型液晶素子の場合、データ電圧100V(ゲ
ート電圧に相当)、放電電圧350V(ドレイン電圧に
相当)であり、必ずしも欠点とはならない。液晶素子の
駆動は通常5V以下でなされるが、液晶モードによって
は15V以上の高駆動電圧が必要になることもある。
【0012】本発明は有機薄膜トランジスタにおいて電
界効果移動度を向上させることと、駆動電圧を低減させ
ることである。
【0013】液晶素子の大型化に伴って視野角の広い特
性が望まれる。視野角の広い液晶表示モードである垂直
配向の負の誘電異方性を持つ液晶の場合、駆動電圧が高
く、通常のaーSiトランジスタでは駆動が困難であ
る。また大型化に伴って、動作時に液晶配向を保持する
ために各画素に導入される補助容量を形成することが困
難になる。本発明は液晶素子において、視野角特性の良
い大型ディスプレイを得ることである。
【0014】有機発光素子を形成する場合、発光層は正
孔輸送層と連続で透明電極上に数百オングスオロームと
極薄く成膜される。これに画素毎に駆動用のトランジス
タを設ける場合、通常トランジスタを基板面に設けてお
いてから、発光層を設ける。このため開口率が低い。本
発明は大型発光素子において、開口率が大きく明るいデ
ィスプレイを得ることである。
【0015】既に、電界効果移動度の課題を解決するた
めに、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3端子
及び活性半導体層からなる薄膜トランジスタにおいて、
活性半導体層が繰り返し単位を持つ有機物であり、その
繰り返し単位が5以上のオリゴマ分子を備えたものであ
ることを見いだした。
【0016】更に、駆動電圧の課題を解決するために、
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3端子及び活
性半導体層からなる薄膜トランジスタにおいて、活性半
導体層が有機物からなり、ソース電極及びドレイン電極
と前記活性半導体層の間に有機物からなる電子輸送層ま
たは正孔輸送層を備えたものであることも、見いだし
た。
【0017】しかし、トランジスタの基本特性は、活性
層の有機薄膜の結晶領域の拡大が必要である。また、活
性層とゲート絶縁膜との間に存在する界面トラップを如
何に減少させるかが重要である。可能な限り活性層とゲ
ート絶縁層の間の異種間接合を、結晶構造を変えずに連
続で行えるホモエピタキシャル接合が望まれる。
【0018】無機半導体では移動度の大幅な向上を量子
井戸構造の導入で行っている。GaAs/nーAlGa
Asのシングルヘテロ構造における2次元電子ガスを利
用した高電子移動度トランジスタ(HEMT)が超格子
を用いた電子デバイスとして成功している。結晶構造と
結晶格子がほぼ同じものを単原子層レベルで接続するこ
とで、格子歪の影響を無視できるほどにして、結晶欠陥
のない界面を作り出すことに成功した。これを可能にす
るのは、分子線エピタキシー法によって精密に制御した
結晶成長である。
【0019】有機半導体においてもバンド幅の異なる分
子構造を連続して接合できれば、狭い層に2次元電子ガ
スを閉じこめて、移動度の大幅な向上が期待できる。無
機半導体では分子線エピタキシー法であったが、有機物
で構成する場合は、無機物ではできない選択的な化学反
応を使った分子・原子レベルでの制御が可能となるはず
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の有機薄膜トラン
ジスタは、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3
端子及び活性半導体層と絶縁層からなり、活性半導体層
が(化1)で表される高分子であり、絶縁層が(化2)
で表される高分子であり、活性半導体層と絶縁層が連続
して結合したものである。
【0021】また、ゲート電極、ソース電極、ドレイン
電極の3端子及び活性半導体層と絶縁層からなる薄膜ト
ランジスタにおいて、活性半導体層が(化1)で表され
る高分子と(化2)で表される高分子が交互に結合した
ものである。
【0022】本発明の有機薄膜トランジスタの製造方法
は、真空加熱蒸着法において、(化3)で表される化合
物と(化4)または(化5)で表されるジアミン化合物
を交互に蒸発させることによって、基板面に(化1)ま
たは(化2)の高分子を重合させる。
【0023】また、本発明の液晶素子は、前記有機薄膜
トランジスタを用いて画素電極を構成したものである。
【0024】また、本発明の有機発光素子は、前記有機
薄膜トランジスタを用いた有機発光素子であって、透明
な共通電極が被覆された透明基板上に有機薄膜からなる
電界発光層、及び正孔輸送層が積層され、その上にマト
リックス状に分離された画素電極が形成され、各画素電
極上には、ソース電極を介して前記有機トランジスタが
配置されている。
【0025】
【発明の実態の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図7を用いて説明する。
【0026】(実施の形態1)図2は本発明の逆スタガ
ー構造の有機薄膜トランジスタの断面を示す。図2にお
いて、1はガラスを代表とする電気絶縁性基板であり、
2はゲート電極である。3はゲート絶縁層で、本発明の
(化2)で表される高分子であり、具体的な構造式の例
は(化7)である。4は活性半導体層であり、本発明の
(化1)で表される高分子であり、具体的な構造式の例
は(化6)である。
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】このゲート絶縁層3と活性半導体層4は、
真空加熱蒸着法によって連続して成膜する。5及び6は
それぞれドレイン電極とソース電極である。ゲート電極
2は金を、ドレイン電極5とソース電極6はアルミニウ
ムを用いた。チャネル長は12μmとした。
【0030】ゲート絶縁層3と活性半導体層4それぞれ
の高分子層の結晶粒の大きさは、成膜時の基板温度と蒸
着速度によって制御される。最適条件で最大約10cm
2V-1s-1の電界効果移動度を得た。またオン/オフ電流
比はおよそ7桁と良好な結果である。aーSiの性能に
匹敵する結果が得られた。
【0031】図1は基板面での高分子のゲート絶縁層
3、活性半導体層4の配向状態を模式的に示したもので
ある。ゲート絶縁層3は繰り返し単位を20層積層して
およそ400オングストローム、活性半導体層4は10
層積層して200オングストロームとした。図3の構造
を持つ多源真空蒸着装置を用いて、以下の成膜手順に従
って成膜した。
【0032】(1)ゲート絶縁層3の(化7)をゲート
電極上に成膜する。ゲート電極2上にラングミュア・ブ
ロジェット法によって、側鎖末端にアミノ基を有するア
ルキル基を結合するシランカップリング材を予め単分子
層だけ展開しておくと良い。高分子の主鎖軸方向が基板
面に垂直になるようにするため、(化3)の化合物を坩
堝を加熱してシャターを開けて蒸着する。シランカップ
リング材のアミノ基とは(化3)は選択的に化学反応
し、1層の成長で止まる。次に、基板温度を200度以
上に保ち、(化5)のジアミンを坩堝を加熱してシャタ
ーを開けて蒸着する。
【0033】基板面では全面を覆う(化3)と(化5)
のイミド化反応によって1層だけ(化5)が選択的に成
長する。基板温度が高いことにより、全面が反応完了す
れば余分の(化5)は堆積せずに再蒸発する。従って、
それ以上の成長はない。
【0034】次に再び(化3)を基板温度を高温に保っ
て蒸着する。この段階においても1層だけ選択的に反応
することで、成長する。この後、次々とこのステップで
蒸着源を(化3)と(化5)を交互に交換することで、
高分子(化7)が高分子の主鎖軸を基板に垂直に保ちな
がら成長する。(化3)と(化5)の1回の成長でおよ
そ20オングストローム成長する。従って20回連続し
てシャッターを開けることで400オングストローム堆
積する。
【0035】(2)ゲート絶縁層3の成長を(化3)の
蒸着で完了させる。その後(化5)に変えて(化4)の
ジアミンを蒸着する。先のステップと同様に(化3)と
(化4)を交互に蒸着することで活性半導体層4に相当
する高分子(化6)を成膜する。ゲート絶縁層3と活性
半導体層4は連続で切り替わることになる。従って界面
はホモエピタキシャル的に成長する。(化3)と(化
4)の1回の成長はやはり20オングストロームであ
り、10回連続して200オングストローム堆積する。
【0036】以上の方法で成膜したゲート絶縁層3と活
性半導体層4は図1のようになる。膜厚は数十オングス
トロームから数千オングストロームである。尚、両者の
高分子構造は、カルコゲン原子が酸素とイオウといった
違いだけであり、結晶構造はほぼ同じである。従って、
界面では格子定数のミスマッチは起こさず、連続して
(化2)と(化1)は結晶成長が可能である。即ち、ホ
モエピタキシャル的成長が可能になる。
【0037】高分子(化1)と(化2)では結晶状態で
エネルギー幅がそれぞれ1.85eV、2.33eVで
ある。この差は結晶状態における高分子の電子状態に起
因するものである。キャリア移動度も(化1)が(化
2)に比べて5桁以上大きい。更に(化1)はキャリア
移動に異方性があり、その移動方向は高分子の主鎖軸に
対して直交する方向である。図2のトランジスタはキャ
リアを膜厚方向に対して直交する方向に伝達することで
機能する。従って高分子の主鎖軸がゲート電極面に垂直
に成長する構造で矛盾なく機能させることができる。
【0038】トランジスタ特性の向上にとってゲート絶
縁膜と活性半導体層との間のトラップによる局斉準位を
減少させることが重要である。本構造ではゲート絶縁膜
と活性半導体層とが(化2)と(化3)に相当して、し
かもそれらの高分子が連続して成長するため理想的な界
面を形成することになる。
【0039】(実施の形態2)図4は本発明の高分子
(化1)と(化2)によって形成される量子井戸構造を
活性層7に用いた逆スタガ構成のトランジスタ構造であ
る。図4において、1はガラスを代表とする電気絶縁性
基板であり、2はゲ−ト電極である。3はゲート絶縁層
で本発明の(化2)で表される高分子である。7は活性
半導体層であり、上記した高分子の量子井戸構造層であ
る。5及び6はそれぞれドレイン電極とソース電極であ
る。ゲート電極2は金を、ドレイン電極5とソース電極
6はアルミニウムを用いた。チャネル長は12μmとし
た。
【0040】図5に量子井戸構造を形成するときの(化
1)と(化2)の条件を示す。キャリア濃度を高めるエ
ネルギーギャップの狭い層は(化1)で形成する。PS
mの繰り返し単位mと連続して成膜する層数xで決ま
る。ほぼ1.9eVである。
【0041】一方、エネルギー障壁を形成するエネルギ
ーギャップの広い層は(化2)で形成する。POnの繰
り返し単位nと連続して成膜する層数yで決まる。ほぼ
2.3eVである。更に、全膜厚は層数xと層数yの交
互の繰り返し数zで決まる。(化1)と(化2)の層
は、代表的にはx=y=3で、およそ60オングストロ
ームづつとした。
【0042】量子井戸構造層の成膜方法は、前記実施の
形態1と同じ方法で成膜する。即ち(化2)でゲート絶
縁層を形成した後、最終層を(化3)の蒸着とする。引
き続き(化4)と(化3)を交互にそれぞれx回成膜し
(化1)層を形成する。最終はやはり(化3)とし、引
き続き(化5)と(化3)を用いて交互にそれぞれy回
成膜し(化2)層を形成する。再び(化1)層にもど
る。この繰り返しをz回することで量子井戸構造層を完
成させる。
【0043】そのトランジスタの特性評価を行ったとこ
ろ、最大約100cm2V-1s-1の電界効果移動度を得た。ま
たオン/オフ電流比はおよそ10桁と良好な結果であ
る。この性能は高温ポリシリコントランジスタに匹敵す
るものであり、従来1インチ程度の小さな石英基板でし
か実用されなかったものである。本実施例によれば大型
基板でも同等の性能が得られることになる。
【0044】成膜過程は実施の形態1に比べて工程数は
大幅に増加するが、単純な繰り返し回数の増加だけであ
る。
【0045】(実施の形態3)図6は逆スタガー構造の
本発明の有機薄膜トランジスタと有機絶縁性薄膜からな
る静電容量を構成する蓄積容量電極を持つ液晶素子の断
面図である。ガラス基板1上にトランジスタを構成する
ゲート電極2、実施の形態1で示したゲート絶縁膜3、
活性層4、及びドレイン電極5、ソース電極6、透明な
画素電極8が形成される。
【0046】更に蓄積容量を形成するための蓄積容量電
極9と11、有機絶縁性薄膜10を設ける。液晶を配向
させるための配向膜12を全面に設ける。対向基板1は
透明電極13が全面に形成される。液晶層14は両基板
の配向膜12によって配向される。具体的なプロセスを
説明する。
【0047】(1)対角25インチ(縦横比4:3)の
ガラス基板1上に画素電極8としてインジウム・チタン
・酸化物(ITO)をスパッタ法によって形成し、正方
配列で画素電極8をパターン形成する。画素ピッチは横
方向に200μmとして画素数は800×3=2400
個、縦方向には620μmとして画素数は600個並
べ、全画素数を144万画素形成した。これはカラーS
VGAクラスの表示画素である。更にゲート電極2と蓄
積容量電極9としてクロム電極をスパッタ法で成膜しパ
ターン形成する。
【0048】(2)全面にポリオルガノシロキサンを塗
布、乾燥した後、400度で加熱硬化させる。その後、
フォトリソグラフ工程によって補助容量を形成する有機
絶縁性薄膜10を設ける。
【0049】(3)実施の形態1に示した真空蒸着法に
よって(化3)のカルボン酸化合物と(化4)、(化
5)のジアミン化合物によって、ゲート絶縁層3を(化
2)の高分子で活性層4を(化1)の高分子で形成す
る。
【0050】(4)ドレイン電極5、ソース電極6及び
蓄積容量電極11をアルミニウムで同時に成膜、パター
ン形成する。
【0051】(5)全面をポリイミドの配向膜12で覆
う。 (6)液晶素子の対向基板となるITOの透明電極13
付きガラス基板1上に配向膜12を塗布し、トランジス
タの構成された基板とをそれぞれラビング処理する。こ
の1組の基板をビーズを介して接着し、真空注入装置に
よって液晶14を注入し、封じすることで素子が完成す
る。
【0052】液晶表示モードは用いる液晶材料と配向膜
材料で決まる。1例としてツイストネマチックモードと
他の例として垂直配向モードの素子を、それぞれ作製し
た。前者のツイストネマチックモードには正の誘電異方
性を持つネマチック液晶とプレチルト角〜2度のポリイ
ミド配向膜を使った。後者の垂直配向モードには負の誘
電異方性を持つネマチック液晶とプレチルト角87度の
ポリイミド配向膜を使った。
【0053】それぞれの素子でのドレイン駆動電圧は、
前者が5Vで、後者が7Vである。視野角依存性を評価
したところコントラスト100を維持する角度が前者が
上下20度に対して、後者が上下60度と後者の方が優
れている。対角25インチの大型液晶パネルのSVGA
フルカラー表示を実現した。
【0054】(実施の形態4)図7に透明な共通電極1
3が被覆された透明基板1上に有機薄膜からなる電界発
光層15、及び正孔輸送層16が積層され、その上にマ
トリックス状に分離された画素電極17があり、各画素
電極17上には、ソース電極6を介してトランジスタが
配置される有機発光素子の断面図を示した。
【0055】発光面の開口率は、発光面をトランジスタ
の大きさに依存せずに配置することができるために高
い。また層間絶縁層18は平坦化層としての働きもあ
る。フルカラー素子を構成する場合、各画素上のトラン
ジスタは平坦な層の上に構成することができる。具体的
な製造方法を説明する。
【0056】(1)対角25インチ(縦横比4:3)の
ガラス基板1上に全面をスパッタ法により透明電極13
としてITOを1000オングストローム成膜する。こ
の基板を真空蒸着装置に設置し、有機発光層15と電荷
輸送層16を連続成膜する。それぞれ代表例としてアル
ミニウムキノリンを100オングストローム及びトリフ
ェニルジアミンを1000オングストロームとした。
【0057】(2)画素電極17を電子ビーム蒸着法ま
たはスパッタ法によってアルミニウム1000オングス
トローム成膜する。マトリックス状に分離するために
は、成膜時にマスクするか、全面に成膜後フォトリソグ
ラフィによって分離するかは、いずれの方法でもよい。
画素ピッチは横方向に200μmとして画素数は800
×3=2400個、縦方向には620μmとして画素数
600個並べ、全画素数を144万画素形成した。これ
はカラーSVGAの表示画素である。画素の開口率は8
0%以上である。
【0058】(3)層間絶縁層18として、アクリル系
のレジストを用いて約2μm成膜する。フォトリソグラ
フィによって各画素電極とのコンタクトホールを形成す
る。層間絶縁膜18上にフォトリソグラフィによってゲ
ート電極2を形成し、ゲート絶縁膜3と活性半導体層4
を実施の形態2の方法によって量子井戸構造をもった有
機膜とした。
【0059】(4)ドレイン電極5、ソース電極6をア
ルミニウムで同時に成膜、パターン形成する。最後に全
面をパシベーション膜19で覆う。
【0060】このようにして製造した有機トランジスタ
駆動によるアクティブ型の有機発光素子は、ドレイン駆
動電圧10V、ゲート電圧10Vで発光輝度1万cd/
2と明るい。また動画表示も可能である。
【0061】更にカラー表示対応の素子を作製するため
有機発光層を赤色発光層、緑色発光層、青色発光層をス
トライプ状に並べて形成する。電荷輸送層は共通とでき
る。このカラー素子をドレイン駆動電圧10V、ゲート
電圧10Vで動画表示したところ、発光輝度5000c
d/m2と明るく応答速度も1msec以下と良好な特性を
得た。実施の形態3と同じ25インチの大画面素子を発
光素子で実現できた。
【0062】なお、以上の実施の形態1から4の説明
は、有機トランジスタの構成を逆スタガ型の例を説明し
たが、プレーナ型についても同様に実施可能である。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、高移動度
を持つ有機トランジスタをスイッチング素子として組み
込むことで大面積の液晶表示素子または有機発光素子が
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるゲート絶縁層と半
導体活性層の高分子の結合状態を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1による有機薄膜トランジ
スタを示す断面図
【図3】本発明の実施の形態1による真空蒸着装置の概
略図
【図4】本発明の実施の形態2による量子井戸構造の半
導体活性層を持つ有機薄膜トランジスタを示す断面図
【図5】本発明の実施の形態2による量子井戸構造の半
導体活性層の高分子の結合状態を示す模式図
【図6】本発明の実施の形態3による有機薄膜トランジ
スタを持つ液晶素子の断面図
【図7】本発明の実施の形態4による有機薄膜トランジ
スタを持つ単色有機発光素子の断面図
【符号の説明】 1 透明絶縁性基板 2 ゲート電極 3 ゲート絶縁膜 4 有機薄膜(活性半導体層) 5 ドレイン電極 6 ソース電極 7 有機多層膜 8 画素電極 9 蓄積容量電極 10 有機絶縁性薄膜 11 蓄積容量電極 12 配向膜 13 透明電極 14 液晶層 15 電界発光層 16 正孔輸送層 17 画素電極 18 層間絶縁膜 19 パシベーション膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 51/00 H01L 29/28 21/336 29/78 617T 618E 618A (72)発明者 西山 和廣 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の
    3端子及び活性半導体層と絶縁層からなる薄膜トランジ
    スタにおいて、前記活性半導体層が(化1)で現される
    高分子であり、前記絶縁層が(化2)で現される高分子
    であり、前記活性半導体層と前記絶縁層が連続して結合
    されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】活性半導体層の(化1)において、nの値
    が3〜7の奇数、絶縁層の(化2)において、mの値が
    3〜7の奇数であることを特徴とする請求項1記載の有
    機薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の
    3端子及び活性半導体層と絶縁層からなる薄膜トランジ
    スタにおいて、前記活性半導体層が(化1)で現される
    高分子と(化2)で現される高分子が交互に結合された
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  4. 【請求項4】活性半導体層の(化1)において、nの値
    が3〜7の奇数、(化2)において、mの値が3〜7の
    奇数であることを特徴とする請求項3記載の有機薄膜ト
    ランジスタ。
  5. 【請求項5】真空加熱蒸着法において、(化3)で表さ
    れる化合物と(化4)または(化5)で表されるジアミ
    ン化合物を交互に蒸発させることによって、基板面に
    (化1)、(化2)の高分子を重合させる有機薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。 【化3】 【化4】 【化5】
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜
    トランジスタを用いて画素電極を構成したことを特徴と
    する液晶素子。
  7. 【請求項7】請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜
    トランジスタを用いた有機発光素子であって、透明な共
    通電極が被覆された透明基板上に有機薄膜からなる電界
    発光層、及び正孔輸送層が積層され、その上にマトリッ
    クス状に分離された画素電極が形成され、各画素電極上
    には、ソース電極を介して前記有機トランジスタが配置
    された有機発光素子。
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