明細書
非水電解質二次電池 技術分野
この発明は、 正極と、 負極と、 非水電解液とを備えた非水電解質二次電池に係 り、 特に、 上記の正極に用いる材料と非水電解液との組み合わせによって、 非常 に高いエネルギー密度の非水電解質二次電池が得られるようにした点に特徴を有 するものである。 背景技術
従来より、 高工ネルギ一密度の二次電池として、 非水電解液を使用し、 リチウ ムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにした非水電解質二 次電池が利用されている。
そして、 このような非水電解質二次電池として、 従来においては、 一般に正極 に L i C o 0 2 等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いると共に、 負極にリチウ ム金属やリチウム合金やリチウムの吸蔵■放出が可能な炭素材料を用い、 また非 水電解液として、 エチレンカーボネートゃジェチルカ一ボネート等の有機溶媒に L i B F 4 や L i P F 6 等のリチウム塩からなる電解質を溶解させたものが使用 されている。
また、 近年においては、 このような非水電解質二次電池が様々な携帯用機器の 電源等として使用されるようになり、 さらに高いエネルギー密度の非水電解質二 次電池が要望されている。
しかし、 従来の非水電解質二次電池において、 その正極に使用されている L i C 0 0 2 等のリチウム遷移金属複合酸化物は重量が大きく、 反応電子数も少ない ため、 単位重量当たりの容量を充分に高めることが困難であった。
また、 従来においては、 理論容量が大きな正極材料としてィォゥが知られてい たが、 正極にィォゥ単体を用いた場合、 リチウムと可逆的に反応させるためには
非常に高い温度にしなければならず、 一般の非水電解質二次電池として利用する ことはできなかった。
このため、 近年においては、 高容量で高エネルギー密度が得られる正極の材料 として、 D M c T ( 2 , 5ージメルカプト一 1 , 3 , 4ーチアジアゾ一ル) 等の 有機ジスルフイ ド化合物を用いることが提案されたが、 このような有機ジスルフ ィ ド化合物を正極材料に使用した場合においても、 6 0 °C以上の高温でしかリチ ゥムと可逆的に反応せず、 一般の非水電解質二次電池として利用することが困難 であった。
さらに、 近年においては、 特開平 4 - 2 6 7 0 7 3号公報ゃ特開平 8— 1 1 5 7 2 4号公報等において、 上記の D M c T等の有機ジスルフィ ド化合物をポリァ ニリン等の導電性高分子と複合させた正極材料を用いて、 常温で充放電反応が行 えるようにしたもの等が提案されている。
しかし、 上記のように正極材料に有機ジスルフイ ド化合物を用いた場合、 充放 電反応に関与する部分はジスルフィ ド結合の部分であり、 それ以外の炭素や水素 の部分は反応に寄与しないため、 単位重量当たりの容量をさらに高めることは困 難であった。 発明の開示
この発明は、 正極と、 負極と、 非水電解液とを備えた非水電解質二次電池にお ける上記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、 この発明においては、 非水電解質二次電池の正極にィォゥを用いた 場合においても、 常温で充放電反応が行えて、 非常に高いエネルギー密度が得ら れるようにすることである。
そして、 この発明における第 1の非水電解質二次電池においては、 正極と、 負 極と、 非水電解液とを備え、 上記の正極がィォゥを含むと共に、 上記の非水電解 液が、 融点が 6 0 °C以下の室温溶融塩とを含んでいる。
また、 この発明における第 2の非水電解質二次電池においては、 正極と、 負極
と、 非水電解液とを備え、 上記の非水電解液が融点が 6 0 °C以下の室温溶融塩と ィォゥの還元生成物とを含んでいる。
また、 この発明における第 3の非水電解質二次電池においては、 正極と、 負極 と、 非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、 上記の正極がィォゥを 含むと共に、 上記の非水電解液が、 環状エーテル, 鎖状エーテル, フッ素化され たカーボネートから選択される少なくとも 1種の溶媒と、 融点が 6 0 °C以下の室 温溶融塩とを含んでいる。
また、 この発明における第 4の非水電解質二次電池においては、 正極と、 負極 と、 非水電解液とを備え、 上記の正極がィォゥを含むと共に、 上記の非水電解液 が τ一プチロラクトンを含んでいる。
また、 この発明における第 5の非水電解質二次電池においては、 正極と、 リチ ゥムを吸蔵 '放出する材料を用いた負極と、 非水電解液とを備え、 上記の正極が ィォゥを含むと共に、 上記の非水電解液が、 第 4級アンモニゥム塩とリチウム塩 とを含んでいる。 '
そして、 上記の第 1 , 第 3 , 第 4及び第 5の非水電解質二次電池のように、 正 極にィォゥを用いた場合において、 融点が 6 0 °C以下の室温溶融塩を含む非水電 解液や、 融点が 6 0 °C以下の室温溶融塩とリチウム塩とを含む非水電解液や、 環 状エーテル, 鎖状エーテル, フッ素化されたカーボネートから選択される少なく とも 1種の溶媒と、 融点が 6 0 °C以下の室温溶融塩とを含む非水電解液や、 了 一 プチロラクトンを含む非水電解液や、 第 4級アンモニゥム塩とリチウム塩とを含 む非水電解液を用いると、 常温においても、 正極におけるィォゥがリチウムと可 逆的に反応して、 常温で充放電反応が行えるようになる。
また、 上記の第 2の非水電解質二次電池のように、 融点が 6 0 °C以下の室温溶 融塩とィォゥの還元生成物とを含む非水電解液を用いた場合には、 常温において も正極においてィォゥがリチウムと可逆的に反応して、 常温で充放電反応が行え るようになり、 またィォゥを含む正極を使用した場合にも、 同様に充放電が行え るようになる。
また、 上記の各非水電解液をポリエチレンォキシドゃポリアクリロニトリル等 のポリマ一電解質に含浸させたゲル状電解質として用いることもできる。 さらに、 L i Iや L i 3 N等の無機固体電解質を用いることもできる。
また、 リチウム以外のカルシウム、 マグネシウム、 ナトリウム、 カリウム等の アル力リ金属やアル力リ土類金属を用いた非水電解質電池においても、 上記のよ うな非水電解液を用いることにより、 常温においても、 正極におけるィォゥが上 記のアル力リ金属やアル力リ土類金属と可逆的に反応して、 常温で充放電反応が 行えるようになると考えられる。
そして、 この発明における非水電解質二次電池において、 正極にィォゥを使用す ると、 有機ジスルフイ ド化合物を用いる場合よりも、 さらに単位重量当たりの容量 を高めることができる。
また、 上記のようにィォゥを用いた正極において、 その導電性を高めて充放電特 性を.向上させるためには、 正極に導電剤を添加させることが好ましく、 このような 導電剤としては、 例えば、 導電性の炭素材料等を用いることができる。 なお、 この ように導電性の炭素材料を添加させるにあたり、 その添加量が少ないと、 正極にお ける導電性を充分に向上させることができない一方、 -その添加量が多くなり過ぎる と、 正極におけるィォゥの割合が少なくなつて高い容量が得られなくなるため、 炭 素材料の量が全体の 5〜 8 4重量%の範囲、 好ましくは 5〜 5 4重量%の範囲、 よ り好ましくは 5〜2 0重量%の範囲になるようにする。
また、 この発明における非水電解質二次電池において、 上記のように融点が 6 0 °C以下の室温溶融塩を用いた場合、 この室温溶融塩はイオンのみからなる液体で、 蒸気圧がなく難燃性であるため、 過充電等の異常な操作時においても分解したり、 燃えたりするということがなく、 保護回路等を設けなくても安全に使用できるよう になる。 なお、 上記のように室温溶融塩にリチウム塩等を加えた場合、 その融点は 2種の塩単独の融点より低下すると考えられ、 これらは液体状態で保たれる。
ここで、 上記の室温溶融塩としては、 広い温度範囲で液体であることが必要であ り、 一般には、 一 2 0 °C〜 6 0 °Cの範囲で液体であれば使用することができ、 また
導電率が 1 0— 4S/cm以上であることが望ましい。
そして、 このような室温溶融塩としては、 例えば、 第 4級アンモニゥム塩ゃイミ ダゾリゥム塩を用いることができる。
ここで、 室温溶融塩として用いる上記の第 4級アンモニゥム塩としては、 例えば、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S〇2C F3) 2、 トリメチルォクチルアンモニゥ ム . ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C8H17) N 一 (S 02 C F 3) 2、 トリメチルァリルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチル スルホニル) イミド (CH3) 3N+ (A 1 1 y 1 ) N— (S〇2 C F3) 2、 トリメ チルへキシルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CI-I 3) 3N+ ( C 6 H J 3 ) N一 (S02C F3) 2、 トリメチルェチルアンモニゥム - 2 , 2, 2—トリフルオロー N— (トリフルォロメチルスルホニル) ァセトアミ ド (C H3) 3N+ (C 2H5) (C F 3CO) N— (S〇2 C F3) 、 トリメチルァリルアン モニゥム · 2, 2, 2—トリフルオロー N— (トリフルォロメチルスルホニル) ァ セトアミ ド (CH3) 3N+ (A 1 1 y 1 ) (C F3 CO) N- (S 02 C F3) 、 トリ メチルプロピルアンモニゥム · 2, 2, 2—トリフルオロー N— (トリフルォロメ チルスルホニル) ァセトアミ ド (CH3) 3N+ (C3H7) (C F3CO) N— (S O
2 C F 3) 、 テトラェチルアンモニゥム · 2 , 2 , 2—トリフルオロー N— (トリ フルォロメチルスルホニル) ァセ卜アミ ド (C2H5) 4N+ (C F 3 C O) N— (S O 2 C F 3) 、 トリェチルメチルアンモニゥム · 2 , 2, 2— トリフルオロー N—
(トリフルォロメチルスルホニル) ァセトアミ ド ( C 2 H 5 ) 3N+ (CH3) (C F
3 CO) N— (S 02 C F 3) から選択される少なくとも 1種を用いることができる。 また、 室温溶融塩として用いる上記のイミダゾリゥム塩としては、 例えば、 1一 ェチル— 3—メチルイミダゾリウム · ビス (ペンタフルォロェチルスルホニル) ィ ミ ド (C2H5) (C3H3N2) + ( C H a ) N- (S 02 C 2 F 5) 2、 1ーェチルー 3—メチルイミダゾリウム · ビス (卜リフルォロメチルスルホニル) イミ ド (C 2 H5) (C 3H3N2) + (CH3) N— (S O C F 3) 2 1—ェチル一3—メチル
イミダゾリゥム 'テトラフルォロボレ一卜 (C2H5) (C3H3N2) + (CH3) B F 4 -、 1ーェチルー 3—メチルイミダゾリゥム · へキサフルオロフ才スフエー ト (C2H5) ( C 3 H 3 N 2 ) + (CH3) P F 6—から選択される少なくとも 1種を 用いることができる。
なお、 上記の非水電解液においては、 このような室温溶融塩の他に、 エチレン力 ーポネート、 ジェチルカーポネート、 ジメチルカーボネート、 プロピレンカーボネ ート、 環状エーテル、 鎖状エーテル、 フッ化力一ボネ一ト等の有機溶媒を含んでい てもよい。
ここで、 上記の環状ェ一テルとしては、 例えば、 1, 3—ジォキソラン、 4—メ チルー 1, 3—ジォキソラン、 テトラヒドロフラン、 2—メチルテ卜ラヒドロフラ ン、 プロピレンォキシド、 1 ' 2一ブチレンォキシド、 1, 4一ジォキサン、 1, 3, 5—トリオキサン、 フラン、 2—メチルフラン、 1, 8—シネオール、 クラウ ンェ一テルから選択される少なくとも 1種を用いることができる。
また、 鎖状エーテルとしては、 例えば、 1, 2—ジメトキシェタン、 ジェチルェ —テル、 ジプロピルエーテル、 ジイソプロピルェ一テル、 ジブチルエーテル、 ジへ キシルエーテル、 ェチルビニルエーテル、 プチルビニルエーテル、 メチルフエニル ェ一テル、 ェチルフエニルエーテル、 ブチルフエニルエーテル、 ペンチルフエ二ル エーテル、 メトキシトルエン、 ベンジルェチルエーテル、 ジフエニルエーテル、 ジ ベンジルェ一テル、 0-ジメトキシベンゼン、 1 , 2—ジェトキシエタン、 1, 2一 ジブトキシェタン、 ジエチレングリコールジメチルエーテル、 ジエチレングリコ一 ルジェチルエーテル、 ジエチレングリコールジブチルエーテル、 1, 1ージメ トキ シメタン、 1, 1一ジェトキシェ夕ン、 卜リエチレンダリコールジスチルエーテル、 テトラエチレングリコールジメチルェ一テルから選択される少なくとも 1種を用い ることができる。
また、 フッ素化されたカーボネートとしては、 例えば、 トリフルォロプロピレン カーボネートやフルォロエチレンカーボネートから選択される少なくとも 1種を用 いることができる。
画 2/13405
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また、 上記の第 5の非水電解質二次電池において、 非水電解液に用いる第 4級 アンモニゥム塩としては、 上記の室温溶融塩として用いる第 4級アンモニゥム塩 の他に、 テトラメチルアンモニゥム ·テトラフルォロボレ一 1、 ( C H 3 ) 4 + B F4、 テトラメチルアンモニゥム ' へキサフルオロフォスフェート (CH3) 4 + P F6、 テトラェチルアンモニゥム 'テトラフルォロボレート (C2H5) 4N + BF4、 テトラェチルアンモニゥム · へキサフルォロフォスフエ一ト (C2H5) 4N+P F 6等を用いることができる。
また、 この発明における非水電解質二次電池において、 非水電解液に加えるリチ ゥム塩としては、 従来の非水電解液二次電池において電解質として一般に使用され ているものを用いることができ、 例えば、 L i B F4、 L i P F6、 L i C F3 S O 3、 L i C4 F9 S〇3、 L i N (CF3 S02 ) 2、 L i N (C2 F5 S02 ) 2、 L i N (C F3 S 02 ) (CO C F3 ) 、 L i As F6から選択される少なくとも 1種 を用いることができる。
また、 この発明における上記の各非水電解質二次電池において、 その負極に用い るリチウムを吸蔵 ·放出する材料としては、 従来の非水電解液二次電池において一 般に使用されているものを用いることができ、 リチウム金属や、 リチウム合金や、 黒鉛等の炭素材料を使用することができるが、 高いエネルギー密度の非水電解質二 次電池を得るためには、 本出願人の先の出願である特願 2000— 321200号 及び特願 2000— 32120 1号に示したように、 容量の大きなケィ素を用いる ことが望ましい。
なお、 この発明における非水電解質二次電池においては、 充放電反応に関与する リチウムを上記の正極と負極との何れかに保持させるようにする。 図面の簡単な説明
第 1図は、 この発明の実施例 1〜 20及び比較例 1〜 5において作製した試験 セルの概略説明図である。
第 2図は、 実施例 1の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正極
のサイリックボルタンメトリーを示した図である。
第 3図は、 比較例 1の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正極 のサイリックボル夕ンメトリーを示した図である。
第 4図は、 実施例 1の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 5図は、 実施例 1の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において、 各サイクルにおける放電容量及び充放電効率を示した図である。
第 6図は、 実施例 2の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正極 のサイリックポルタンメトリ一を示した図である。
第 7図は、 実施例 3の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正極 のサイリックボルタンメトリーを示した図である。
第 8図は、 比較例 2の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正極 のサイリックポル夕ンメトリーを示した図である。
第 9図は、 実施例 4の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正極 のサイリックポル夕ンメトリ一を示した図である。
第 1 0図は、 実施例 4の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 1 1図は、 実施例 5の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正 極のサイリックポルタンメトリーを示した図である。
第 1 2図は、 実施例 6の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正 極のサイリックポルタンメトリーを示した図である。
第 1 3図は、 実施例 6の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 1 4図は、 実施例 7の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正 極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。
第 1 5図は、 実施例 7の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 1 6図は、 実施例 8の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正 極のサイクリックボルタンメトリ一を示した図である。
第 1 7図は、 実施例 8の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 1 8図は、 実施例 9の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正
極のサイクリックポルタンメトリーを示した図である。
第 1 9図は、 実施例 9の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 2 0図は、 実施例 1 0の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックボルタンメトリ一を示した図である。
第 2 1図は、 実施例 1 0の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 2 2図は、 実施例 1 1の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックボル夕ンメトリーを示した図である。
第 2 3図は、 実施例 1 1の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 2 4図は、 比較例 3の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正 極のサイクリックポルタンメトリーを示した図である。
第 2 5図は、 比較例 3の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 2 6図は、 実施例 1 2の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックポルタンメトリーを示した図である。
第 2 7図は、 実施例 1 2の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 2 8図は、 実施例 1 3の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックポルタンメトリーを示した図である。
第 2 9図は、 実施例 1 3の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 3 0図は、 比較例 4の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正 極のサイクリックポルタンメトリーを示した図である。
第 3 1図は、 比較例 4の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 3 2図は、 実施例 1 4の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。
第 3 3図は、 実施例 1 4の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 3 4図は、 実施例 1 5の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックポルタンメトリーを示した図である。
第 3 5図は、 実施例 1 5の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 3 6図は、 比較例 5の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した正
極のサイクリックボル夕ンメトリーを示した図である。
第 37図は、 比較例 5の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 38図は、 実施例 1 6の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。
第 3 9図は、 実施例 1 7の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックポルタンメトリ一を示した図である。
第 40図は、 実施例 1 8の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックボルタンメトリ一を示した図である。
第 41図は、 実施例 1 9の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックポルタンメトリ一を示した図である。
第 42図は、 実施例 1 9の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 第 43図は、 実施例 2 0の試験セルにおいて、 正極の電位を走査させて測定した 正極のサイクリックボルタンメトリ一を示した図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 この発明に係る非水電解質二次電池においては、 正極にィォゥを用いた場 合においても、 室温で充放電が適切に行われ、 非常に高いエネルギー密度の非水電 解質二次電池が得られることを実施例を挙げて明らかにする。 なお、 この発明にお ける非水電解質二次電池は、 下記の実施例に示したものに限定されず、 その要旨を 変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例 1 )
実施例 1においては、 非水電解液として、 室温溶融塩であるトリメチルプロピル アンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S02C F3) 2に、 リチウム塩として L i N (C F3 S02 ) 2 を 0. 3mo 1 / 1の濃度になるように溶解させたものを用いた。
また、 正極としては、 ィォゥを 20重量部、 導電剤のアセチレンブラックを 7 0 重量部、 結着剤のポリテ卜ラフルォロエチレンを 1 0重量部の割合にして混練し、
乳鉢で 3 0分間らいかいした後、 これを成形器に入れ 1 5 0 k g/c ni2の圧力で 5秒間プレスして直径が 1 0. 3 mmの円板状に成形し、 これをアルミニウム製の 網で包んだものを用いた。
そして、 第 1図に示すように、 試験セル容器 1 0内に上記の非水電解液 1 4を注 液させると共に、 作用極に上記の正極 1 1を使用する一方、 対極となる負極 1 2と、 参照極 1 3とにそれぞれリチウム金属を用いて、 実施例 1の試験セルを作製した。 (比較例 1 )
比較例 1においては、 非水電解液として、 エチレンカーボネートとジェチルカ一 ポネ一卜とを 1 : 1の体積比で混合させた混合溶媒に、 リチウム塩として L i P F 6を l mo 1 / 1の濃度になるように溶解させたものを用いるようにし、 それ以外 については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 比較例 1の試験セル を作製した。
次いで、 上記のように作製した実施例 1の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対す る正極 1 1の電位走査範囲を 1〜 5 V (v s . L i /L i 1 ) 、 電位走査速度を 0. 5mV/ sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 9 V (v s . L i /L i + ) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 2サイ クル行って、 各サイクルにおけるサイリックボル夕ンメトリーを測定し、 その結果 を第 2図に示した。
また、 上記のように作製した比較例 1の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する 正極 1 1の電位走査範囲を 1〜4. 2 V (v s . L i / L i ÷ ) 、 電位走査速度を 0. 5 mVZ sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 3. 0 V (v s . L i ZL ) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作 を 2サイクル行って、 各サイクルにおけるサイリックポル夕ンメ トリーを測定し、 その結果を第 3図に示した。
この結果、 実施例 1の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s . L i /L i + ) 以下で急激に還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されてい ると考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 6〜 3. 9 V (v s .
L i /L i + ) に酸化ピークが存在し、 この電位範囲において、 上記のように還元 されたィォゥが酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目においても同様の結 果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
これに対して、 比較例 1の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 4 V (v s . L i /L i ÷ ) 以下で還元電流が流れ始め、 ,ィォゥが還元されている と考えられるが、 酸化方向への走査においては、 酸化ピークが存在せず、 上記のよ うに還元されたィォゥが酸化される反応が起こらなかったと考えられる。 また、 2 サイクル目においては、 還元方向への走査において、 約 2. 4 V (v s. L i ZL i + ) 以下で少しの還元電流が流れたが、 これは先の反応において還元されずに残 つたィォゥが還元されたためであると考えられる。
また、 実施例 1の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 SmAZc m2で放電終止 電位 1 V (v s. L i /L i + ) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13mA/c m2で充電終止電位 2. 7 V (v s . L i /L i + ) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 4図に示した。 なお、 放電時における電位とィォゥ 1 g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位とィ ォゥ 1 g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 1の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 g当たり の放電容量密度が約 654mAh/gであり、 理論容量密度の 1 675mAhZg より低くなつていたが、 一般に正極に用いられている L i C o02 に比べると、 放 電容量密度が著しく高くなつていた。 また、 初期におけるィォゥ 1 g当たりの充電 容量密度も約 623mAh/gと大きな値を示し、 ィォゥが可逆的に反応すること もわかった。
さらに、 この実施例 1の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/cm2で放 電終止電位 IV (v s . L i /L i + ) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3m AZ cm2 で充電終止電位 2. 7 V (v s . L i /L i f ) まで充電を行う操作を 繰り返して行い、 各サイクルにおける充電容量 Q a (mAhZg) と放電容量 Qb (mA /g) とを測定すると共に、 下記の式により各サイクルにおける充放電効
率 (%) を求め、 第 5図において、 各サイクルにおける放電容量 (mAh/g) を 〇と実線で示すと共に、 各サイクルにおける充放電効率 (%) を△と破線で示した。 充放電効率 = (Qb/Q a) X I 00
この結果、 この実施例 1の試験セルにおいては、 3サイクル目以降の放電容量が 約 49 OmAhZgになって一定しており、 充放電効率も約 100 %で安定してい た。
ここで、 この実施例 1の試験セルにおいては、 平均放電電圧が約 2 Vであり、 ィ ォゥ 1 g当たりのエネルギー密度は約 98 OmWhZgになり、 一般に正極に使用 されている L i C o 02 1 g当たりのエネルギー密度 (約 540 mWh/g) に比 ベて、 エネルギー密度が著しく高くなつていた。
(実施例 2 )
実施例 2においては、 非水電解液として、 ァ.,一プチロラクトンに L i P F6 を 1 mo 1 Z Iの濃度になるように溶解させたものを用いるようにし、 それ以外につい ては、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 2の試験セルを作製 した。
次いで、 このように作製した実施例 2の試験セルを使用し、 参照極 13に対する 正極 1 1の電位走査範囲を;!〜 4. 7 V (v s . L i /L i + ) 、 電位走査速度を 1. OmV/sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 3. 34 V (v s . L i /L i + ) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作 を 3サイクル行って、 各サイクルにおけるサイリックボルタンメトリーを測定し、 その結果を第 6図に示した。
この結果、 実施例 2の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s . L i /L i + ) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されていると考 えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5〜3. 6 V (v s . L i /L i + ) に酸化ピークが存在し、 この電位範囲において、 上記のように還元され たィォゥが酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目においても同じような結 果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。 なお、 この実施例では、
非水電解液の溶媒にァープチロラクトンを用いた場合を示したが、 ァープチロラク トン以外のァ一バレロラク卜ン等の環状エステルを用いた場合においても同様の効 果が得られると考えられる。
(実施例 3 )
実施例 3においては、 非水電解液として、 フッ素化されたカーボネートであるテ トラフルォロプロピレンカーボネートと、 第 4級アンモニゥム塩であるトリメチル プロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S〇2CF3) 2とを 1 : 1の体積比で混合させた混合溶媒に、 リチウム塩として L i PF6を lmo 1 / 1の濃度になるように溶解させたものを 用いるようにし、 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様に して、 実施例 3の試験セルを作製した。
(比較例 2)
比較例 2においては、 非水電解液として、 テトラフルォロプロピレンカーボネー 卜に、 リチウム塩として L i PF6 を lmo 1 Z 1の濃度になるように溶解させた ものを用いるようにし、 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と 同様にして、 比較例 2の試験セルを作製した。
次いで、 このように作製した実施例 3及び比較例 2の各試験セルを使用し、 参照 極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1〜4. 7 V (v s . L i /L i + ) 、 電位走査速度を lmVZsにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 3. 34 V (v s . L i /L i ÷ ) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査 させる操作を、 実施例 3の試験セルでは 4サイクル、 比較例 2の試験セルでは 3サ ィクル行い、 各サイクルにおけるサイリックポルタンメトリ一を測定し、 実施例 3 の試験セルの結果を第 7図に、 比較例 2の試験セルの結果を第 8図に示した。
この結果、 実施例 3の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s . L i /L i ÷ ) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されていると考 えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 2. 0〜3. 0 V (v s. L i / L i + ) に酸化ピークが存在し、 この電位範囲において、 上記のように還元された
ィォゥが酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目においても同様の結果が得 られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
これに対して、 比較例 2の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 2 V (v s. L i /L i 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されている と考えられるが、 酸化方向への走査においては、 酸化ピークが約 4 V (v s. L i /L i ÷ ) 付近に存在し、 エネルギー効率が非常に悪く、 また 2サイクル目以降に おいては、 酸化ピークの大きさや還元電流の大きさが急激に減少しており、 可逆性 に乏しい結果になっていた。
また、 上記の実施例 3の試験セルの結果から求められるィォゥの放電電位は約 2. 0 V (v s. L i/L i + ) であり、 ィォゥの理論容量密度の 1 675 mAh/g から換算されるエネルギー密度は 335 OmWh/gになり、 一般に正極に使用さ れている L i C o〇2のエネルギー密度 (約 54 OmWh/g) に比べて、 ェネル ギ一密度が著しく高くなつている。
(実施例 4 )
実施例 4においては、 上記の実施例 1の場合と同様に、 室温溶融塩である卜リメ チルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH 3) 3N+ (C3H7) N— (S02CF3) 2に、 リチウム塩として L i N (CF3 S 02 ) 2 を0. 3mo l / lの濃度になるように溶解させた非水電解液を調製した 後、 この非水電解液中においてィォゥとリチウムとを接触させてィォゥの還元生成 物を合成し、 その後、 未反応のィォゥとリチウムとを回収し、 上記のィォゥの還元 生成物を含む非水電解液を用いるようにした。
そして、 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 4の試験セルを作製した。
次いで、 このように作製した実施例 4の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する 正極 1 1の電位走査範囲を 1〜4. 7 V (v s . L i /L P ) 、 電位走査速度を 1. 0 mVZ sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 7 V (v s . L i ZL i + ) から酸化方向に走査させた後、 還元方向に走査させる操作
0213405
16 を 3サイクル行い、 各サイクルにおけるサイリックポル夕ンメトリーを測定し、 そ の結果を第 9図に示した。
この結果、 実施例 4の試験セルの場合、 最初の酸化方向の走査において、 還元さ れたィォゥの酸化に対するピークは現れなかったが、 還元方向への走査において、 約 2. 4 V (v s . L i /L i + ) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元され ていると考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 2〜3. 9 V (v s. L i /L i + ) に酸化ピークが存在し、 この電位範囲において、 上記のよ うに還元されたィォゥが酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目以降におい ても同様の結果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
また、 この実施例 4の試験セルにおいて、 放電電流 0. 13mA cm2で放電 終止電位 I V (v s . L i /L i + ) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3 mA /cm2 で充電終止電位 3. 5 V (v s . L i /L i + ) まで充電を行って、 初期 の充放電特性を調べ、 その結果を第 1 0図に示した。 なお、 放電時における電位と ィォゥ 1 g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電 位とィォゥ 1 g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 4の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 g当たり の放電容量密度が約 749mAh gであり、 理論容量密度の I S Y SmAhZg より低くなつていたが、 一般に正極に用いられている L i C o 02 に比べると、 放 電容量密度が著しく高くなつていた。 また、 上記の実施例 1の試験セルと比べた場 合においても、 非水電解液中にィォゥの還元生成物を含有させた実施例 4の試験セ ルの方が放電容量密度が高くなつていた。
(実施例 5 )
実施例 5においては、 上記の実施例 4の場合と同様にして調製した非水電解液を 用いるようにした。
また、 正極としては、 導電剤のアセチレンブラックを 80重量部、 結着剤のポリ テトラフルォロエチレンを 20重量部の割合にして混練し、 乳鉢で 30分間らいか いした後、 これを成形器に入れ 1 50 kg/ cm2 の圧力で 5秒間プレスして直径
が 10. 3mmの円板状に成形し、 これをアルミニウム製の網で包んだものを用い た。
そして、 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 5の試験セルを作製した。
次いで、 このように作製した実施例 5の試験セルを使用し、 参照極 13に対する 正極 1 1の電位走査範囲を 1〜4. 7 V .( V s . L i / L i + ) 、 電位走査速度を 1. OmV/ sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 3 V (v s. L i/L i + ) から酸化方向に走査させた後、 還元方向に走査させる操作 を 3サイクル行い、 各サイクルにおけるサイリックボルタンメトリーを測定し、 そ の結果を第 11図に示した。
この結果、 実施例 5の試験セルの場合、 最初の酸化方向への走査において、 還元 されたィォゥの酸化に対応するピークはほとんど現れなかったが、 還元方向への走 査において、 約 2. 3 V (v s . L i /L i 1 ) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォ ゥがさらに還元されていると考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 3〜3. 4 V (v s . L i /L i ÷ ) に酸化ピークが存在し、 この電位範囲に おいて、 上記のように還元されたィォゥが酸化されると考えられる。 また、 2サイ クル目以降においても同様の結果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考え られる。
(実施例 6 )
実施例 6においては、 室温溶融塩であるトリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド ( C H a ) a N+ ( C 3 H 7 ) N- (S 02 C F 3) 2にリチウム塩を加えず、 そのまま非水電解液として使用し、 それ以外に ついては、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 6の試験セルを 作製した。
そして、 このように作製した実施例 6の試験セルを使用し、 参照極 13に対する 正極 1 1の電位走査範囲を 1〜4. 7 V (v s. L i /L i + ) 、 電位走査速度を 1. OmV/ sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 3 V
(v s . L i /L i + ) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作 を 3サイクル行い、 各サイクルにおけるサイリックボル夕シメトリーを測定し、 そ の結果を第 12図に示した。
この結果、 実施例 6の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2 V ( V s . L i /L i + ) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されていると考えら れる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 4V (v s . L i /L i + ) 付近に 酸化ピークが存在し、 この電位付近において、 上記のように還元されたィォゥが酸 化されると考えられる。 また、 2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
また、 この実施例 6の試験セル ίこおいて、 放電電流 0· 13mAZcm2で放電 終止電位 1 V (v s . L i /L i + ) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3 mA /cm2で充電終止電位 4. 5 V (v s . L i /L i + ) まで充電を行って、 初期 の充放電特性を調べ、 その結果を第 13図に示した。 なお、 放電時における電位と ィォゥ 1 g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電 位とィォゥ 1 g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 6の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 g当たり の放電容量密度が約 366mAhZgであり、 理論容量密度の 1675mAhZg より低くなつていたが、 一般に正極に用いられている L i C 002 に比べると、 放 電容量密度が著しく高くなつていた。
なお、 この実施例 6の結果から、 非水電解液中にリチウム塩が存在しなくてもィ ォゥが充放電することがわかった。 このことから、 負極に用いる材料がリチウムィ オンを吸蔵 ·放出するものだけに限らず、 カチオンを吸蔵 '放出する材料であれば ィォゥは充放電できるものと考えられる。 このカチオンとして、 カルシウムイオン、 マグネシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、 ナトリウムイオン、 カリウム イオンなどのアルカリ金属イオン等が考えられる。 また、 この場合、 非水電解液中 に、 カルシウム塩、 マグネシウム塩等のアルカリ土類塩や、 ナトリウム塩、 力リウ ム塩等のアル力リ金属塩を含んでいてもよい。
(実施例 7 )
実施例 7においては、 非水電解液として、 室温溶融塩であるトリヱチルメチルァ ンモニゥム . 2, 2 , 2—トリフルオロー N— (トリフルォロメチルスルホニル) ァセトアミ ド (C2H5) 3N+ (CH3) (CF3CO) N- (S02CF3) に、 リ チウム塩として L i N (CF3S02) 2を 0. 5mo l / lの濃度になるように溶 解させたものを用いた。 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と 同様にして、 実施例 7の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 7の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1 の電位走査範囲を 1〜4. 7 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. 0 mV /sにし、 参照極 13に対する正極 11の初期の電位である 3. 0 V (v s. L i/ L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイクル行 レ 、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリ一を測定し、 その結果を第 1 4図に示した。
この結果、 実施例 7の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s. L i/L i +) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されていると考え られる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 3. 8 V (v s. L i/L i +) 付 近に酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが 酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
また、 実施例 7の試験セルにおいて、 放電電流 0. 13mA/c m2で放電終止電 位 1. 0V (v s . L i /L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13mA/c m2で充電終止電位 3. 5 V (v s . L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充放 電特性を調べ、 その結果を第 1 5図に示した。 なお、 放電時における電位とィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位とィ ォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 7の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあたり の放電容量密度が 1 138mAh "gであり、 一般に正極に用いられている L i C
002に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。
(実施例 8 )
実施例 8においては、 非水電解液として、 室温溶融塩であるトリメチルへキシル アンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 6H13) N— (S02CF3) 2に、 リチウム塩として L i N (C F3S02) 2を 0. 5mo 1 / 1の濃度になるように溶解させたものを用いた。 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 8の試験セルを作製した。 このように作製した実施例 8の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1 の電位走査範囲を 1〜4. 7 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. OmV /sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 8 (v s. L i/L
1 +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイクル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポルタンメトリ一を測定し、 その結果を第 1 6図 に示した。
この結果、 実施例 8の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s . L i/L i +) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されていると考え られる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 6 V (V s . L i/L i +) 付 近に酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが 酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
また、 実施例 8の試験セルにおいて、 放電電流 0. 13mA/cm2で放電終止電 位 1. OV (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3mA/c m2で充電終止電位 3. 5 V (v s . L i /L i +) まで充電を行って、 初期の充放 電特性を調べ、 その結果を第 17図に示した。 なお、 放電時における電位とィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位とィ ォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 8の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあたり の放電容量密度が 588 mAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i C o
02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。
(実施例 9)
実施例 9においては、 正極として、 硫化銅 C u Sを 90重量部、 導電剤のァセチ レンブラックを 5重量部、 結着剤のポリテトラフルォロエチレンを 5重量部の割合 にして混練し、 乳鉢で 30分らいかいした後、 これを成型器に入れ 1 50 k g/c m2の圧力で 5秒間プレスして直径が 1 0. 3mmの円盤状に形成し、 これを銅製 の網で包んだものを用いた。 それ以外については、 上記の実施例 1の試験セルの場 合と同様にして、 実施例 9の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 9の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1 の電位走査範囲を 1〜3. 7 V (v s. L i /L i +) 、 電位走査速度を 1. OmV /sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 3 V (v s . L i/ L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイクル行 レ 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメ トリ一を測定し、 その結果を第 1 8図に示した。
この結果、 実施例 9の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s. L i/L i +) 以下で還元電流が流れ始め、 硫化銅が還元されていると考え られる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 8 V ( V s . L i /L i +) 付 近に酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元された硫化銅が 酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、 硫化銅が可逆的に反応していると考えられる。
また、 実施例 9の試験セルにおいて、 放電電流 0. 13mA/c m2で放電終止電 位 1. OV (v s. L i /L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. l 3mA/c m2で充電終止電位 2. 7 V (v s. L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充放 電特性を調べ、 その結果を第 19図に示した。 なお、 放電時における電位と硫化銅 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と硫 化銅 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 9の試験セルにおいては、 初期における硫化銅 1 gあたり
の放電容量密度が 129mAh/gであった。
(実施例 10 )
実施例 10においては、 非水電解液として、 1, 3—ジォキソランを 50体積%、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C3H7) N— (S02CF3) 2を 50体積%の割合で混合したも のに、 リチウム塩として L i N (C F a S O 2) 2を 0· 5mo 1/ 1の濃度になる ように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と 同様にして、 実施例 10の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 10の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0~3. 0 V (v s . L i /L i +) 、 電位走査速度を 1 - OmV/sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 4 V (v s. L i /L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポル夕ンメトリーを測定し、 その結果を 第 20図に示した。
この結果、 実施例 10の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 3 V (v s. L i/L i +) 以下で還元電流が流れ始め、 ィォゥが還元されていると考 えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 6 V (v s. L i /L i +) 付近に酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥ が酸化されると考えられる。 また、 2サイクル目以降においても同様の結果が得ら れ、 ィォゥが可逆的に反応していると考えられる。
また、 実施例 10の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/cm2で放電終止 電位 O V (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s . L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 21図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 10の試験セルにおいては、 初期におけるィ才ゥ 1 gあた
りの放電容量密度が 223 OmAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i C o02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 1, 3—ジォ キソランと卜リメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニ ル) イミ ド (CH3) 3N+ (C3H7) N— (S〇2CF3) 2とを混合することによ り、 下記の比較例 3に示すように、 非水電解液の溶媒として、 1, 3—ジォキソラ ンを単独で用いた場合に比べて、 約 2. 0 V (v s. L i/L i +) 以上での放電に おける容量密度が大きくなり、 また上記の実施例 1で示すように、 トリメチルプロ ピルアンモニゥム . ビス (卜リフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N +
(C3H7) N— (S02CF3) 2を単独で用いた場合に比べても放電容量密度が大 きくなつた。
(実施例 1 1 )
実施例 1 1においては、 非水電解液として、 1, 3—ジォキソランを 25体積%、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3 + (C 3H7) N— (S02CF3) 2を 75体積%の割合で混合したも のに、 リチウム塩として L i N (C F 3 S O 2) 2を 0. 5mo l Z lの濃度になる ように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と 同様にして、 実施例 1 1の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 1 1の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0〜3. 3 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. OmV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 4 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリ一を測定し、 その結果を 第 22図に示した。
この結果、 実施例 1 1の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 9 V (v s. L i /L i +) で還元ピークが現れており、 ィォゥが還元されていると考 えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 4 V (v s. L i /L i +) 付近で酸化ピークが現れ、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが
酸化されると考えられる。 2サイクル目以降においても、 還元方向の走査において、 約 1. 5V (v s. L i/L i +) 付近に還元ピ一クが存在し、 酸化方向への走査に おいて、 約 2. 4 V (v s . L i/L i +) 付近に酸化ピークが存在し、 ィォゥが可 逆的に反応しているものと考えられる。
また、 実施例 1 1の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3 m A/cm2で放電終止 電位 1. 0V (v s. L i /L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s . L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 23図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 1 1の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあた りの放電容量密度が 229 ImAhZgであり、 一般に正極に用いられている L i Co02に比べると、 放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 1, 3—ジ ォキソランとトリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホ ニル) イミド (CH3) 3N+ (C 3H7) N一 (S O 2 C F 3) 2とを混合することに より、 下記の比較例 3に示すように、 非水電解液の溶媒として、 1, 3—ジォキソ ランを単独で用いた場合に比べて、 約 2. 0 V (v s. L i/L i +) 以上での放電 における容量密度が大きくなり、 また上記の実施例 1で示すように、 トリメチルプ 口ピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3 N+ (C3H7) N- (S02CF3) 2を単独で用いた場合に比べても放電容量密度 が大きくなつた。
(比較例 3)
比較例 3においては、 非水電解液として、 1, 3—ジォキソランにリチウム塩と して L i N (C F 3 S 02) 2を 0. 5mo l / lの濃度になるように溶解させたも のを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 比較例 3の試験セルを作製した。
このように作製した比較例 3の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 11
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25 の電位走査範囲を 1. 0〜3. 0 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. 0 mV/sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 2 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、 その結果を 第 24図に示した。
この結果、 比較例 3の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 8V (v s . L i /L i +) 付近で還元ピークが現れ、 約 1. 2 V (v s . L i /L i + ) 以下で大きな還元電流が流れており、 ィォゥが還元されているものと考えられ る。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 6 V (v s. L i/L i +) 付近に 酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが酸化 されると考えられる。
また、 比較例 3の試験セルにおいて、 放電電流 0. 13 mA/ c m 2で放電終止電 位 1. 0 V (V s . L i /L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3mA/c m2で充電終止電位 3. 0 V (v s. L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充放 電特性を調べ、 その結果を第 25図に示した。 なお、 放電時における電位とィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位とィ ォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。 · この結果、 この比較例 3の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあたり の放電容量密度が 1677 mAhZgであり、 一般に正極に用いられている L i C o 02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていたが、 放電電位は約 1. 2 V (v s. L i/L i+) と低いものになっていた。
また、 上記の実施例 10及び実施例 1 1に示すように、 トリメチルプロピルアン モニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C3H 7) N— (S02CF3) 2と 1, 3—ジォキソランとを混合させると、 トリメチルプ 口ピルアンモニゥム . ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3 N+ ( C 3 H 7 ) N— (S02CF3) 2を単独で使用する場合に比べて、 非水電解液 の粘度が小さくなつて好ましいと考えられる。 また、 実施例 1, 実施例 10、 実施
例 1 1及び比較例 3の結果から、 正極にィォゥを用いた場合、 放電における約 2 V (v s. L i/L i +) 以上の放電容量密度を比較すると、 トリメチルプロピルアン モニゥム . ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド ( C H 3 ) 3N+ (C3H 7) N— (S02CF3) 2や 1, 3—ジォキソランを単独で用いるよりも、 トリメチ ルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH 3) 3N+ (C 3H7) N— (S02CF3) 2と 1, 3—ジォキソランとを混合させて 用いることが好ましく、 1, 3—ジォキソランが 0. 1体積%~99. 9体積%の 範囲、 好ましくは 0. 1体積%〜 50体積%の範囲、 さらに好ましくは 0. 1体 積%〜25体積%の範囲になるようにする。
(実施例 12 )
実施例 1 2においては、 非水電解液として、 テトラヒドロフランを 50体積%、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S 02 C F3) 2を 50体積%の割合で混合したも のにリチウム塩として L i N (C F a S 02) 2を 0. 5mo l / lの濃度になるよ うに溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同 様にして、 実施例 12の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 12の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0~3. 0 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. 0 mV/sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 5 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、 その結果を 第 26図に示した。
この結果、 実施例 12の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 0 V (v s . L i /L i +) と 1. 5 V (v s . L i /L i +) で還元ピークが現れて おり、 ィォゥが還元されていると考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 2 V (v s. L i/L i +) 以上で酸化電流が流れ、 この電位以上において上 記のように還元されたィォゥが酸化されると考えられる。
また、 実施例 12の試験セルにおいて、 放電電流 0. 13mA/cm2で放電終止 電位 1. 0V (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s. L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 27図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 12の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあた りの放電容量密度が 1479 mAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i C o02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 テトラヒド 口フランとトリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニ ル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N- (S 02 C F 3) 2とを混合したものを用 いることにより、 下記の比較例 4に示すように、 非水電解液の溶媒としてテトラヒ ドロフランを単独で用いた場合に比べて、 約 2. 0 V (v s. L i/L i +) 以上で の放電における容量密度が大きくなり、 また上記の実施例 1で示すように、 トリメ チルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH 3) 3N+ (C3H7) N— (S〇2CF3) 2を単独で用いた場合に比べても放電容量 密度が大きくなつた。
(実施例 13 )
実施例 1 3においては、 非水電解液として、 テトラヒドロフランを 25体積%、 トリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) - (S02CF3) 2を 7 5体積%の割合で混合したも のに、 リチウム塩として L i N (C F 3 S O 2) を 0. 5mo l Z lの濃度になる ように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と 同様にして、 実施例 13の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 1 3の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1 の電位走査範囲を 1. 0〜 3. 0 V (v s. L i /L i +) 、 電位走査速度を 1. 0 mV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 6 V (v s .
L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメ トリーを測定し、 その結果を 第 28図に示した。
この結果、 実施例 13の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 4 V (v s . L i/L i +) 以下で還元電流が流れ、 ィォゥが還元されていると考えら れる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5 V (v s. L i/L i +) 付近 で酸化ピークが現れ、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが酸化 されると考えられる。
また、 実施例 13の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/c m2で放電終止 電位 0V (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s. L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 29図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 13の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあた りの放電容量密度が 1 547 mAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i C o 02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 テトラヒド 口フランとトリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニ ル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (SOzCF3) 2とを混合させたものを 用いることにより、 下記の比較例 4に示すように、 非水電解液の溶媒として、 テト ラヒドロフランを単独で用いた場合に比べて、 約 2. 0 V (v s. L i/L i +) 以 上での放電における容量密度が大きくなり、 また上記の実施例 1で示すように、 ト リメチルプロピルアンモニゥム · ビス (卜リフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3 + (C 3H7) N— (S 02 C F 3) 2を単独で用いた場合に比べても放 電容量密度が大きくなつた。
(比較例 4)
比較例 4においては、 非水電解液として、 テトラヒドロフランにリチウム塩とし
て L i N (CF3S02) 2を 0. 5mo l Z lの濃度になるように溶解させたもの を用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 比較例 4 の試験セルを作製した。
このように作製した比較例 4の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の 電位走査範囲を 1. 0〜3. 0 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. Om V/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 3 V (v s. L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイクル 行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、 その結果を第 30図に示した。
この結果、 比較例 4の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 6V (v s. L i /L i +) 付近で還元ピークが現れ、 また、 約 1. 2 V (v s . L i/ L i +) 以下で大きな還元電流が流れており、 ィォゥが還元されているものと考え られる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5 V (V s . L i /L i +) 付 近に酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが 酸化されると考えられる。
また、 比較例 4の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3 mA/c m2で放電終止電 位 1. OV (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13 mA/c m2で充電終止電位 3. 3 V (v s . L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充放 電特性を調べ、 その結果を第 31図に示した。 なお、 放電時における電位とィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位とィ ォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この比較例 4の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあたり の放電容量密度が 1 065 mAhZgであり、 一般に正極に用いられている L i C o02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていたが、 放電電位は約 1. 2 V (v s . L i/L i +) と低いものになっていた。
また、 上記の実施例 12及び実施例 13に示すように、 トリメチルプロピルアン モニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C3H
7) N— (S02CF3) 2とテトラヒドロフランとを混合させると、 卜リメチルプロ ピルアンモニゥム . ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N +
( C a H 7 ) N— (S02CF3) 2を単独で使用する場合に比べて、 非水電解液の粘 度が小さくなつて好ましいと考えられる。 また、 実施例 1, 実施例 1 2、 実施例 1 3及び比較例 4の結果から、 正極にィォゥを用いた場合、 放電における約 2 V ( V s . L i /L i +) 以上の放電容量密度を比較すると、 トリメチルプロピルアンモニ ゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド ( C H a ) 3N+ ( C 3 H 7 ) N 一 (S02CF3) 2ゃテトラヒドロフランを単独で用いるよりも、 トリメチルプロ ピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド ( C H 3 ) 3N +
(C 3H7) N— (S〇2CF3) 2とテトラヒドロフランとを混合させて用いること が好ましく、 テトラヒドロフランが 0. 1体積%〜99. 9体積%の範囲、 好まし くは 0. 1体積%〜50体積%の範囲、 さらに好ましくは 0. 1体積%〜2 5体 積%の範囲になるようにする。
(実施例 14 )
実施例 14においては、 非水電解液として、 1, 2—ジメ トキシェタンを 50体 積%、 トリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S02CF3) 2を 50体積%の割合で混合 したものに、 リチウム塩として L i N (CF3S02) 2を 0. 5mo l /lの濃度 になるように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの 場合と同様にして、 実施例 14の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 14の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0〜3. 0 V (v s . L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. 0 mV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 8 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリ一を測定し、 その結果を 第 32図に示した。
この結果、 実施例 14の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 0
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V (v s. L i/L i +) で還元ピークが現れており、 ィォゥが還元されていると考 えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 2 V (v s. L i/L i +) 以上で酸化電流が流れ、 この電位以上において上記のように還元されたィォゥが酸 化されると考えられる。
また、 実施例 14の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/cm2で放電終止 電位 1. 0 V (v s . L i /L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s . L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 33図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 14の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあた りの放電容量密度が 1919mAhZgであり、 一般に正極に用いられている L i C 0〇2に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 1, 2—ジメ 卜キシェタンとトリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスル ホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S O 2 C F 3) 2とを混合したもの を用いることにより、 下記の比較例 5に示すように、 非水電解液の溶媒として 1, 2—ジメトキシェタンを単独で用いた場合に比べて、 約 1· 5 V (v s. L i/L i +) 以上での放電における容量密度が大きくなり、 また上記の実施例 1で示すよ うに、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C3H7) N— (S O 2 C F 3) 2を単独で用いた場合に比べ ても放電容量密度が大きくなつた。
(実施例 1 5 )
実施例 1 5においては、 非水電解液として、 1, 2—ジ トキシェタンを 25体 積%、 卜リメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C3H7) N— (S〇2CF3) 2を 75体積%の割合で混合 したものに、 リチウム塩として L i N (CF3S02) 2を 0. 5mo l / lの濃度 になるように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの
場合と同様にして、 実施例 1 5の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 15の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0〜3. 3 V (v s . L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. OmV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 4 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポルタンメトリ一を測定し、 その結果を 第 34図に示した。
この結果、 実施例 15の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 2. 4 V (v s . L i /L i +) 以下で還元電流が流れ、 ィォゥが還元されていると考えら れる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5 V (v s. L i/L i +) 付近 で酸化ピークが現れ、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが酸化 されると考えられる。
また、 実施例 1 5の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/cm2で放電終止 電位 1. OV (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s . L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 35図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 1 5の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあた りの放電容量密度が 1 636 mAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i C o02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 1, 2—ジ メトキシェタンとトリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルス ルホニル) イミ ド (CH3) 3 + (C 3H7) N— (S02C F3) 2とを混合したも のを用いることにより、 下記の比較例 5に示すように、 非水電解液の溶媒として 1 , 2—ジメ トキシェタンを単独で用いた場合に比べて、 約 1. 5 V (v s . L i/L i +) 以上での放電における容量密度が大きくなり、 また上記の実施例 1で示すよ うに、 1、リメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル)
イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S〇2CF3) 2を単独で用いた場合に比べ ても放電容量密度が大きくなつた。
(比較例 5 )
比較例 5においては、 非水電解液として、 1, 2—ジメ トキシェタンにリチウム 塩として L i N (C F3 S 02) 2を 0. 5 mo 1 / 1の濃度になるように溶解さ せたものを用いた。 それ以外は上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 比 較例 5の試験セルを作製した。
このように作製した比較例 5の試験セルを使用し、 参照極 13に対する正極 1 1 の電位走査範囲を 1. 0〜3. 0 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. 0 mV/sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 4 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポル夕ンメトリ一を測定し、 その結果を 第 36図に示した。
この結果、 比較例 5の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 8V (v s . L i /L i +) 付近で還元ピークが現れ、 また、 約 1. 2 V (V s . L i/ L i +) 以下で大きな還元電流が流れており、 ィォゥが還元されているものと考え られる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5 V (v s. L i/L i +) 付 近に酸化ピークが存在し、 この電位付近において上記のように還元されたィォゥが 酸化されると考えられる。
また、 比較例 5の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/cm2で放電終止電 位 1. 0 V (v s . L i/L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 13mA/c m2で充電終止電位 3. 0 V (v s . L Γ/L i +) まで充電を行って、 初期の充放 電特性を調べ、 その結果を第 37図に示した。 なお、 放電時における電位とィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位とィ ォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この比較例 5の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあたり の放電容量密度が 1 92 1 mAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i
C o 02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 しかしながら、 放電特 性において約 1. 5 V (v s . L i /L i +) 以上の容量密度は小さく、 大部分の放 電電位は約 1. 2 V (v s . L i /L i +) と低いものになっていた。
また、 上記の実施例 1 4及び実施例 1 5に示すように、 卜リメチルプロピルアン モニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3 + (C 3H 7) N— (S 02 C F3) 2と 1 , 2—ジメトキシェタンとを混合させると、 トリメチ ルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH 3) 3N+ (C 3H7) N一 (S 02C F 3) 2を単独で使用する場合に比べて、 非水電 解液の粘度が小さくなつて好ましいと考えられる。 また、 実施例 1 , 実施例 1 4、 実施例 1 5及び比較例 5の結果から、 正極にィォゥを用いた場合、 放電における約 1. 5 V (v s . L i /L i +) 以上の放電容量密度を比較すると、 トリメチルプロ ピルアンモニゥム . ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミド ( C H 3 ) 3N + (C3H7) N— (S 02 C F 3) 2や 1 , 2—ジメ トキシェタンを単独で用いるより も、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) ィ ミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) - (S 02 C F 3) 2と 1 , 2—ジメ トキシェタン とを混合させて用いることが好ましく、 1 , 2—ジメトキシェタンが 0. 1体積% 〜 9 9. 9体積%の範囲、 好ましくは 0. 1体積%〜 5 0体積%の範囲、 さらに好 ましくは 0. 1体積%〜2 5体積%の範囲になるようにする。
(実施例 1 6 )
実施例 1 6では、 非水電解液として、 1 , 3—ジォキソランを 1 0体積%、 テト ラヒドロフランを 1 0体積%、 トリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフル ォロメチルスルホニル) イミド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S O 2 C F 3) 2を 8 0体積%の割合で混合したものに、 リチウム塩として L i N (C F 3 S 02) 2を 0. 5mo 1 / 1の濃度になるように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記 の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 1 6の試験セルを作製した。 このように作製した実施例 1 6の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0〜 3. 0 V (v s . L i /L i +) 、 電位走査速度を 1 -
OmV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 8 V (v s.
L i/L'i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポルタンメトリ一を測定し、 その結果を 第 38図に示した。
この結果、 実施例 16の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 9 V (v s. L i/L i +) 付近で還元ピークが現れており、 ィォゥが還元されている と考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 4 V (v s . L i/L i +) 付近で酸化ピ一クが現れており、 この電位付近において上記のように還元さ れたィォゥが酸化されると考えられる。 そして、 2サイクル目以降も同様の結果が 得られ、 ィォゥが約 2 V (v s . L i /L i +) 付近で可逆的に反応することがわか つた。
ここで、 上記のように 1, 3—ジォキソランと、 テトラヒドロフランと、 トリメ チルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH 3) 3N+ (C3H7) N— (S02CF3) 2とを混合させるにあたっては、 トリメチ ルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ドの割合を 0. 1体積%〜99. 9体積%の範囲、 好ましくは 50体積%〜99. 9体積%の 範囲、 より好ましくは 80体積%〜99. 9体積%の範囲になるようにする。
(実施例 17 )
実施例 1 7においては、 非水電解液として、 1, 3—ジォキソランを 10体積%、 1, 2—ジメトキシェタンを 10体積%、 1、リ チルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S O a CF3) 2を 80体積%の割合で混合したものに、 リチウム塩として L i N (CF3 S 02) 2を 0. 5mo 1 Z 1の濃度になるように溶解させたものを用いた。 それ 以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 1 7の試験セルを 作製した。
このように作製した実施例 17の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0~3. 0 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1.
OmV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 7 V (v s. L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポルタンメ トリ一を測定し、 その結果を 第 39図に示した。
この結果、 実施例 1 7の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 9 V (v s . L i/L i +) 付近で還元ピークが現れており、 ィォゥが還元されている と考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5 V (v s . L i/L i +) 付近で酸化ピークが現れており、 この電位付近において上記のように還元さ れたィォゥが酸化されると考えられる。 そして、 2サイクル目以降も同様の結果が 得られ、 ィォゥが約 2 V (v s. L i/L i+) 付近で可逆的に反応することがわか つた。
ここで、 上記のように 1, 3—ジォキソランと、 1, 2—ジメ トキシェタンと、 トリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミド (CH3) 3N+ (C3H7) N— (S02CF3) 2とを混合させるにあたっては、 ト リメチルプロピルアンモニゥム . ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ドの 割合を 0. 1体積%〜99. 9体積%の範囲、 好ましくは 50体積%〜 99 · 9体 積%の範囲、 より好ましくは 80体積%〜99. 9体積%の範囲になるようにする。 (実施例 18 )
実施例 18においては、 非水電解液として、 1, 3—ジォキソランとテトラヒド □フランと 1 , 2—ジメ トキシェタンとトリメチルプロピルアンモニゥム ' ビス (トリフルォロメチルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N- (S02 CF3) 2とを 6. 7 : 6. 7 : 6. 7 : 80の体積比で混合したものに、 リチウ ム塩として L i N (C F 3 S 02) 2を 0. 5mo 1 / 1の濃度になるように溶解さ せたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 18の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 18の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0〜3. 0 V (v s . L i/L i +) 、 電位走査速度を 1.
OmV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 85 V ( v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サ ィクル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、 その結 果を第 40図に示した。
この結果、 実施例 18の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 9 V (v s. L i/L i +) 付近で還元ピークが現れており、 ィォゥが還元されている と考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 5 V (v s . L i/L i +) 付近で酸化ピークが現れており、 この電位付近において上記のように還元さ れたィォゥが酸化されると考えられる。 そして、 2サイクル目以降も同様の結果が 得られ、 ィォゥが約 2 V (v s. L i/L i +) 付近で可逆的に反応することがわか つた。
ここで、 上記のように 1, 3—ジォキソランと、 テトラヒドロフランと、 1, 2 ージメトキシェタンと、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメ チルスルホニル) イミ ド (CH3) 3N+ (C 3H7) N— (S02C F3) 2とを混合 させるにあたっては、 トリメチルプロピルアンモニゥム · ビス (トリフルォロメチ ルスルホニル) イミ ドの割合を 0. 1体積%〜99. 9体積%の範囲、 好ましくは 50体積%〜99. 9体積%の範囲、 より好ましくは 80体積%〜99. 9体積% の範囲になるようにする。
(実施例 19)
実施例 19においては、 非水電解液として、 1, 3—ジォキソランを 50体積%、 1ーェチルー 3—メチルイミダゾリゥム · ビス (ペン夕フルォロェチルスルホニ ル) イミド (C2H5) (C3H3N2) + (CH3) N— (S O 2 C 2 F 5) 2を 50体 積%の割合で混合したものに、 リチウム塩として L i N (CF3S02) 2を 0· 5 mo 1 / 1の濃度になるように溶解させたものを用いた。 それ以外は、 上記の実施 例 1の試験セルの場合と同様にして、 実施例 19の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 1 9の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0〜3. 0 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1.
OmV/sにし、 参照極 13に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 3 V (v s . L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、 その結果を 第 41図に示した。
この結果、 実施例 19の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 8 V (v s. L i/L i +) 付近に還元ピ一クが現れ、 ィォゥが還元されていると考え られる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 2. 7 V (v s. L i/L i +) 付 近で酸化ピークが現れ、 この電位付近において、 上記のように還元されたィォゥが 酸化されると考えられる。
また、 実施例 19の試験セルにおいて、 放電電流 0. 1 3mA/cm2で放電終止 電位 1. 0 V (V s . L i /L i +) まで放電を行った後、 充電電流 0. 1 3 mA/ cm2で充電終止電位 3. 0 V (v s. L i/L i +) まで充電を行って、 初期の充 放電特性を調べ、 その結果を第 42図に示した。 なお、 放電時における電位とィォ ゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、 充電時における電位と ィォゥ 1 gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、 この実施例 19の試験セルにおいては、 初期におけるィォゥ 1 gあた りの放電容量密度が 741 mAh/gであり、 一般に正極に用いられている L i C o02に比べると放電容量密度が著しく高くなつていた。 さらに、 1 , 3—ジォ キソランと 1ーェチルー 3—メチルイミダゾリゥム · ビス (ペンタフルォロェチル スルホニル) イミド (C2H5) (C3H3N2) + ( C H 3 ) N— (S 02 C 2 F 5) 2 とを混合することにより、 1, 3—ジォキソラン単独で用いた場合に比べて、 約 2.
0 V (v s . L i /L i +) 以上での放電における容量密度が大きくなつた。
しかし、 上記の実施例 1 0, 1 1のものと比べると、 放電容量密度は小さくな つていた。
(実施例 20 )
実施例 20においては、 非水電解液として、 エチレンカーボネートとジェチルカ —ボネートとを 1 : 1の体積比で混合させた混合溶媒に、 第 4級アンモニゥム塩と
してテトラメチルアンモニゥム ' テトラフルォロボレ一ト (CH3) 4N + B F4 - を lmo l / l、 リチウム塩として L i P F6を lmo l / の濃度になるように 溶解させたものを用いるようにし、 それ以外は、 上記の実施例 1の試験セルの場合 と同様にして、 実施例 20の試験セルを作製した。
このように作製した実施例 20の試験セルを使用し、 参照極 1 3に対する正極 1 1の電位走査範囲を 1. 0~4. 7 V (v s. L i/L i +) 、 電位走査速度を 1. OmV/sにし、 参照極 1 3に対する正極 1 1の初期の電位である 2. 7 V (v s. L i/L i +) から還元方向に走査させた後、 酸化方向に走査させる操作を 3サイク ル行い、 各サイクルにおけるサイクリックポルタンメトリ一を測定し、 その結果を 第 43図に示した。
この結果、 実施例 20の試験セルの場合、 還元方向への走査において、 約 1. 6 V (v s. L i /L i +) 付近で還元ピークが現れており、 ィォゥが還元されている と考えられる。 また、 酸化方向への走査においては、 約 4. 4 V (v s . L i/L i +) 付近で酸化ピークが現れており、 この電位付近において上記のように還元さ れたィォゥが酸化されると考えられる。 そして、 2サイクル目及び 3サイクル目は、 1サイクル目に比べ、 酸化 '還元ピークが小さくなつたが、 同様に酸化 '還元ピー クが現れており、 ィォゥが可逆的に反応しているものと考えられる。 産業上の利用可能性
以上詳述したように、 この発明における非水電解質二次電池においては、 正極 にィォゥを用いた場合において、 融点が 60 °C以下の室温溶融塩を含む非水電解 液や、 融点が 60°C以下の室温溶融塩とリチウム塩とを含む非水電解液や、 環状 エーテル, 鎖状エーテル, フッ素化されたカーボネートから選択される少なくと も 1種の溶媒と、 融点が 60°C以下の室温溶融塩とを含む非水電解液や、 r—ブ チロラク トンを含む非水電解液や、 第 4級アンモニゥム塩とリチウム塩とを含む 非水電解液を用いると、 常温においても、 正極におけるィォゥがリチウムと可逆 的に反応して、 常温で充放電反応が行えるようになった。
また、 融点が 6 0 以下の室温溶融塩とィォゥの還元生成物とを含む非水電解 液を用いた場合には、 常温においても、 正極においてィォゥがリチウムと可逆的 に反応して、 常温で充放電反応が行えるようになり、 またィォゥを含む正極を使 用した場合にも、 常温で充放電が行えるようになった。
そして、 この発明における非水電解質二次電池において、 正極にィォゥを使用す ると、 有機ジスルフイ ド化合物を用いる場合よりも、 さらに単位重量当たりの容量 を高めることができた。