JP2005190978A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高容量化および高エネルギー密度化が可能な非水電解質二次電池を提供することである。
【解決手段】 非水電解質二次電池は、硫黄単体を含む正極と、リチウムを吸蔵したシリコンを含む負極と、融点が60℃以下の室温溶融塩を含む非水電解質とを備える。非水電解質は、環状エーテル、鎖状エーテルおよびフッ素化されたカーボネートから選択される少なくとも1種の溶媒をさらに含んでもよい。非水電解質は、融点が60℃以下の室温溶融塩および硫黄の還元生成物を含んでもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、正極、負極および非水電解質からなる非水電解質二次電池に関する。
近年、高出力および高エネルギー密度を有する二次電池の1つとして、非水電解質を用い、リチウムの酸化および還元を利用した高起電力の非水電解質二次電池が利用されるようになった。
現在実用化されているリチウム二次電池においては、正極材料にコバルト酸リチウム(LiCoO2 )またはマンガン酸リチウム(LiMn2 4 )が用いられ、負極材料に炭素材料が用いられている。また非水電解質として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒にLiBF4 、LiPF6 等のリチウム塩からなる電解質を溶解させたものが使用されている。
しかしながら、携帯機器等においてはさらに長時間使用可能な二次電池が求められており、リチウム二次電池におけるさらなる高容量化および高エネルギー密度化が求められている。
リチウムを吸蔵および放出し、高い容量を示す負極材料として、負極集電体上に堆積して形成したシリコン薄膜を用いることを提案している(特許文献1および2参照)。このような負極材料によれば、3000〜4000mAh/gあるいはそれ以上の負極容量を得ることができる。
特開2001−266851号公報 特開2002−83594号公報 特開平4−267073号公報 特開平8−115724号公報
しかしながら、このようなシリコン材料を負極とし、コバルト酸リチウムを正極としてリチウム二次電池を作製した場合、正極容量と負極容量とのバランスをとるため、正極活物質層の厚みをかなり厚くしなければならない。その結果、製造工程において正極活物質層中に電解質が浸み込みにくくなり、また充放電サイクルにおいて正極活物質層中の電解質が不足するなどの問題を生じ、充放電サイクル特性の低下を生じるおそれがあった。このため、高い負極容量に見合う高い正極容量を有する正極材料の開発が必要となる。
近年においては、高容量で高エネルギー密度が得られる正極の材料として、DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)等の有機ジスルフィド化合物を用いることが提案されたが、このような有機ジスルフィド化合物を正極材料に使用した場合、60℃以上の高温でしかリチウムと可逆的に反応せず、一般の非水電解質二次電池として利用することが困難であった。
さらに、近年においては、上記のDMcT等の有機ジスルフィド化合物をポリアニリン等の導電性高分子と複合させた正極材料を用いて、常温で充放電反応が行えるようにしたもの等が提案されている(特許文献3および4参照)。
しかし、上記のように正極材料に有機ジスルフィド化合物を用いた場合、充放電反応に関与する部分はジスルフィド結合の部分であり、それ以外の炭素や水素の部分は反応に寄与しないため、単位重量当たりの容量をさらに高めることは困難であった。
本発明の目的は、高容量化および高エネルギー密度化が可能な非水電解質二次電池を提供することである。
第1の発明に係る非水電解質二次電池は、正極、負極および非水電解質とを備え、正極は硫黄単体を含み、負極はリチウムを吸蔵したシリコンを含むものである。
本発明に係る非水電解質二次電池においては、硫黄単体を含む正極とリチウムを吸蔵したシリコンを含む負極とを組み合わせることにより、比較的低い温度で正極の硫黄単体および負極のシリコンをリチウムと可逆的に反応させることができる。この場合、リチウムを吸蔵したシリコンを用いることにより高い負極容量を得ることができる。また、正極に硫黄単体を用いることができるので、有機ジスルフィド化合物を用いた場合に比べて単位重量当たりの容量を高めることができる。したがって、負極容量と正極容量とのバランスを容易にとることができ、高容量および高エネルギー密度を実現することが可能となる。
非水電解質は、融点が60℃以下の室温溶融塩を含んでもよい。この場合、常温においても、容易に負極におけるシリコンおよび正極における硫黄単体が可逆的にリチウムと反応し、常温での充放電反応を容易に行うことができる。融点が60℃以下の室温溶融塩は、イオンのみからなる液体であり、蒸気圧がなく難燃性であるため、過充電等の異常な操作時においても分解したり、燃えたりすることがなく、保護回路等を設けなくても安全に使用することができる。
非水電解質は、第4級アンモニウム塩を含んでもよい。この場合、常温においても、負極におけるシリコンおよび正極における硫黄単体が可逆的にリチウムと容易に反応し、常温での充放電反応を容易に行うことができる。
非水電解質は、環状エーテル、鎖状エーテルおよびフッ素化されたカーボネートよりなる群から選択される少なくとも1種の溶媒をさらに含んでもよい。この場合、常温においても、さらに容易に負極におけるシリコンおよび正極における硫黄単体が可逆的にリチウムと反応し、常温での充放電反応をさらに容易に行うことができる。
第2の発明に係る非水電解質二次電池は、正極、負極および非水電解質を備え、負極はリチウムを吸蔵したシリコンを含み、非水電解質は、融点が60℃以下の室温溶融塩および硫黄単体の還元生成物を含むものである。
本発明に係る非水電解質二次電池においては、非水電解質が60℃以下の融点を有する室温溶融塩および硫黄単体の還元生成物を含むことにより、常温においても、負極におけるシリコンが可逆的にリチウムと容易に反応し、常温での充放電反応を容易に行うことができる。したがって、高容量および高エネルギー密度を実現することが可能となる。
正極は硫黄単体を含んでもよい。この場合、硫黄単体を含む正極とリチウムを吸蔵したシリコンを含む負極とを組み合わせることにより、常温で正極の硫黄単体および負極のシリコンをリチウムと可逆的に反応させることができる。この場合、負極にリチウムを吸蔵したシリコンを用いることにより高い負極容量を得ることができるともに、正極に硫黄単体を用いることにより高い正極容量を得ることができる。したがって、負極容量と正極容量とのバランスを容易にとることができ、より高容量および高エネルギー密度を実現することが可能となる。
硫黄単体の還元性生物は、融点60℃以下の室温溶融塩および有機電解質中において硫黄単体を還元させたものであってもよい。この場合、常温においても、さらに容易に負極におけるシリコンおよび正極における硫黄単体が可逆的にリチウムと反応し、常温での充放電反応をさらに容易に行うことができる。
シリコンは、非晶質シリコン薄膜または微結晶シリコン薄膜であってもよい。この場合、より高い負極容量を得ることができる。
室温溶融塩は、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C8 17)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (Allyl)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C6 13)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C2 5 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (Allyl)(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C3 7 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 4 + (CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 3 + (CH3 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )N- (SO2 2 5 2 )、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )N- (SO2 CF3 2 )、1−エチルー3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )BF4 -)および1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ペンタフルオロボレート((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )PF6 -)よりなる群から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
第4級アンモニウム塩は、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド、テトラメチルアンモニウム・テトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウム・ヘキサフルオロフォスフェート、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボレート、およびテトラエチルアンモニウム・ヘキサフルオロフォスフェートよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
環状エーテルは、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオールおよびクラウンエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでもよく、鎖状エーテルは、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびテトラエチレングリコールジメチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでもよく、フッ素化されたカーボネートは、トリフルオロプロピレンカーボネートおよびフルオロエチルカーボネートよりなる群から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
正極に導電剤が添加されていてもよい。それにより、正極の導電性を高めることができる。その結果、充放電特性を向上させることができる。
また、非水電解質は、γ―ブチロラクトンを含んでもよい。この場合にも、常温において、負極におけるシリコンおよび正極における硫黄単体が可逆的にリチウムと容易に反応し、常温での充放電反応を容易に行うことができる。
本発明に係る非水電解質二次電池によれば、硫黄単体を含む正極とリチウムを吸蔵したシリコンを含む負極とを組み合わせることにより、負極容量と正極容量とのバランスを容易にとることができ、高容量および高エネルギー密度を実現することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る非水電解質二次電池について説明する。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池は、負極、正極および非水電解質により構成される。
正極は、硫黄単体、導電剤および結着剤を混合した正極活物質を有する。導電剤としては、例えば、導電性の炭素材料等を用いることができる。なお、導電性の炭素材料の添加量が少ないと、正極における導電性を十分に向上させることができない一方、その添加量が多くなり過ぎると、正極における硫黄単体の割合が少なくなって高い容量が得られなくなる。したがって、炭素材料の量は、正極活物質の全体の5〜84重量%の範囲とし、好ましくは5〜54重量%の範囲とし、より好ましくは5〜20重量%の範囲とする。
負極としては、リチウムを吸蔵したシリコンを用いる。たとえば、表面を電解処理した銅箔等の集電体上に非結晶シリコン薄膜(アモルファスシリコン膜膜)または微結晶シリコン膜を形成する。非結晶シリコンおよび微結晶シリコンが混在した薄膜を用いてもよい。成膜方法としては、スパッタ法、プラズマCVD法(化学蒸着法)等を用いることができる。特に、特開2001−266851号公報および特開2002−83594号公報(またはWO01/029912号)に提案されるように、容量の大きなシリコンを用いることが好ましい。例えば、集電体に粗面化箔を用いるケイ素負極、柱状構造を有するケイ素負極もしくは銅(Cu)が内部に拡散したケイ素負極、またはこれらのうち少なくとも1つの特徴を有するケイ素負極を用いることが好ましい。それにより、高いエネルギー密度の非水電解質二次電池を得ることができる。また、シリコン薄膜の代わりにシリコン粉末を結着剤を用いて成形して用いてもよい。
非水電解質としては、融点が60℃以下の室温溶融塩およびリチウム塩を含む非水電解質を用いることができる。室温溶融塩は、イオンのみからなる液体であり、蒸気圧がなく難燃性であるため、過充電等の異常な操作時においても分解したり、燃えたりすることがなく、保護回路等を設けることなく安全に使用することができる。
室温溶融塩は、広い温度範囲で液体であることが必要であり、一般には、−20℃〜60℃の範囲で液体であれば使用することができる。また、室温溶融塩の導電率は10-4S/cm以上であることが望ましい。
なお、室温溶融塩にリチウム塩を加えた場合、その融点は2種の塩単独の融点より低下すると考えられ、これらは液体状態で保たれる。
また、非水電解質として、第4級アンモニウム塩およびリチウム塩を含む非水電解質を用いてもよい。
さらに、非水電解質として、融点60℃以下の室温溶融塩および硫黄単体の還元生成物を含む非水電解質を用いてもよい。硫黄単体の還元生成物は、融点60℃以下の室温溶融塩および有機電解質中において硫黄単体を還元させたものであってもよい。
また、非水電解質として、γ―ブチロラクトンを用いてもよい。
室温溶融塩としては、例えば、第4級アンモニウム塩またはイミダゾリウム塩を用いることができる。具体的には、室温溶融塩として、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C8 17)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (Allyl)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C6 13)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C2 5 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (Allyl)(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C3 7 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 4 + (CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 3 + (CH3 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )N- (SO2 2 5 2 )、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )N- (SO2 CF3 2 )、1−エチルー3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )BF4 -)、1−エチルー3−メチルイミダゾリウム・ペンタフルオロボレート((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )PF6 -)等から選択される少なくとも1種を用いることができる。
第4級アンモニウム塩としては、上記の室温溶融塩として用いる第4級アンモニウム塩の他に、テトラメチルアンモニウム・テトラフルオロボレート((CH3 4 + BF4 -)、テトラメチルアンモニウム・ヘキサフルオロフォスフェート((CH3 4 + PF6 -)、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボレート((C2 5 4 + BF4 -)、テトラエチルアンモニウム・ヘキサフルオロフォスフェート((C2 5 4 + PF6 -)等から選択される1種以上を用いることができる。
なお、上記の非水電解質は、室温溶融塩または第4級アンモニウム塩の他に、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、環状エーテル、鎖状エーテル、フッ素化されたカーボネート等の有機溶媒を含んでいてもよい。
環状エーテルとしては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等から選択される少なくとも1種を用いることができる。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等から選択される少なくとも1種を用いることができる。フッ素化されたカーボネートとしては、トリフルオロプロピレンカーボネート、フルオロエチルカーボネート等から選択される少なくとも1種を用いることができる。
非水電解質に加えるリチウム塩としては、一般の非水電解質二次電池において電解質として使用されているものを用いることができ、例えば、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiN(C2 5 SO2 2 、LiN(CF3 SO2 )(COCF3 )、LiAsF6 等から選択される少なくとも1種を用いることができる。
また、非水電解質をポリエチレンオキサイド(PEO)等によりゲル化して硫黄単体の溶出を防ぎ、硫黄単体を可逆的に反応することができるようにすることも考えられる。さらに、非水電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル等のポリマー電解質に電解質塩を含浸したゲル状ポリマー電解質、LiI、Li3N等の無機固体質電解質
を用いてもよい。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池においては、硫黄単体を含む正極とリチウムを吸蔵したシリコンを含む負極とを組み合わせることにより、比較的低い温度で正極の硫黄単体および負極のシリコンをリチウムと可逆的に反応させることができる。この場合、リチウムを吸蔵したシリコンを用いることにより高い負極容量を得ることができる。また、正極に硫黄単体を用いることができるので、有機ジスルフィド化合物を用いた場合に比べて単位重量当たりの容量を高めることができる。したがって、負極容量と正極容量とのバランスを容易にとることができ、高容量および高エネルギー密度を実現することが可能となる。
非水電解質として、融点が60℃以下の室温溶融塩、第4級アンモニウム塩、硫黄単体の還元生成物またはγ―ブチロラクトンを含む場合には、常温においても、容易に負極におけるシリコンおよび正極における硫黄単体が可逆的にリチウムと反応し、常温での充放電反応を容易に行うことができる。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池においては、正極に硫黄単体を用い、負極にシリコン材料を用いた場合においても、室温で充放電が適切に行われ、非常に高いエネルギー密度の非水電解質二次電池が得られることを実施例を挙げて明らかにする。なお、本発明における非水電解質二次電池は、下記の実施例に限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
以下に説明する実施例1〜20および比較例1〜5では、図1に示す試験セルを作製し、硫黄単体を含む正極およびシリコン材料を含む負極の評価を行った。
図1に示すように、試験セル容器10内に非水電解質14が注入され、非水電解質14内に作用極11、対極12および参照極13が浸漬される。
実施例1,3,5,7,9,11,13,15,17,19および比較例1〜5では、硫黄単体を活物質とする正極を評価し、実施例2,4,6,8,10,12,14,16,18,20では、シリコン材料からなる負極を評価した。
表1および表2に実施例1〜20および比較例1〜5の試験セルの構成について要約する。
Figure 2005190978
Figure 2005190978
(実施例1)
実施例1においては、非水電解質として、室温溶融塩であるトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )に、リチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.3mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。
正極としては、硫黄単体を20重量%、導電剤のアセチレンブラックを70重量%、結着剤のポリテトラフルオロエチレンを10重量%の割合にして混練し、乳鉢で30分間らいかいした後、これを成形器に入れ150kg/cm2 の圧力で5秒間プレスして直径が10.3mmの円板状に成形し、これをアルミニウム製の網で包んだものを用いた。
図1に示すように、試験セル容器10内に上記の非水電解質14を注液させるとともに、作用極11に上記の正極を使用する一方、対極12となる負極と、参照極13とにそれぞれリチウム金属を用いて、実施例1の試験セルを作製した。
(比較例1)
比較例1においては、非水電解質として、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを1:1の体積比で混合させた混合溶媒に、リチウム塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いるようにし、それ以外については、上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、比較例1の試験セルを作製した。
(評価1)
上記のように作製した実施例1の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11(正極)の電位走査範囲を1.0〜5.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を0.5mV/sにし、参照極13に対する正極11の初期の電位である2.9V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を2サイクル行って、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図2に示した。
また、上記のように作製した比較例1の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11(正極)の電位走査範囲を1.0〜4.2V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を0.5mV/sにし、参照極13に対する作用極11(正極)の初期の電位である3.0V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を2サイクル行って、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図3に示した。
この結果、実施例1の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.3V(vs.Li/Li+ )以下で急激に還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.6〜3.9V(vs.Li/Li+ )に酸化ピークが存在し、この電位範囲において、上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。また、2サイクル目においても同様の結果が得られ、硫黄単体が可逆的に反応していると考えられる。
これに対して、比較例1の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.4V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられるが、酸化方向への走査においては、酸化ピークが存在せず、上記のように還元された硫黄単体が酸化される反応が起こらなかったと考えられる。また、2サイクル目においては、還元方向への走査において、約2.4V(vs.Li/Li+ )以下で少しの還元電流が流れたが、これは先の反応において還元されずに残った硫黄単体が還元されたためであると考えられる。
実施例1の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位2.7V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図4に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例1の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が約654mAh/gであり、理論容量密度の1675mAh/gより低くなっていたが、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると、放電容量密度が著しく高くなっていた。また、初期における硫黄単体1g当たりの充電容量密度も約623mAh/gと大きな値を示し、硫黄単体が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例1の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位2.7V(vs.Li/Li+ )まで充電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、下記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図5において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
充放電効率=(Qb /Qa )×100
この結果、この実施例1の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約490mAh/gになって一定しており、充放電効率も約100%で安定していた。
ここで、この実施例1の試験セルにおいては、平均放電電圧が約2Vであり、硫黄単体1g当たりのエネルギー密度は約980mWh/gになり、一般に正極に使用されているLiCoO2 1g当たりのエネルギー密度(約540mWh/g)に比べて、エネルギー密度が著しく高くなっていた。
(実施例2)
実施例2においては、非水電解質として、上記実施例1と同様のものを用いた。また、作用極11としては、表面を電解処理した銅箔上にスパッタ法によりアモルファスシリコン薄膜を形成し、大きさ2cm×2cmに成形したものを用いた。
DCパルススパッタリング装置を用いた。雰囲気ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを用い、ターゲットとして99.999%のシリコン単結晶を用いた。アルゴン流量を60sccmとし、スパッタリング雰囲気の圧力を2×10-1Paとした。スパッタリング電力を2000W(6.7W/cm2 )とした。
また、初期の基板温度を25℃に設定した。最高到達温度は約100℃であった。
図1に示すように、試験セル容器10内に上記の非水電解質14を注液させるとともに、上記の作用極11を使用する一方、対極12と、参照極13とにそれぞれリチウム金属を用いて、実施例2の試験セルを作製した。
(評価2)
実施例2の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図6に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例2の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度が3417mAh/g、放電容量密度が2989mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例2の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、下記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図7において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例2の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約3243mAh/gになって一定しており、充放電効率も約94%で安定していた。
(実施例3)
実施例3においては、非水電解質として、テトラフルオロプロピレンカーボネートと第4級アンモニウム塩であるトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを1:1の体積
比で混合させた混合溶媒に、リチウム塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いるようにし、それ以外については、上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例3の試験セルを作製した。
(比較例2)
比較例2においては、非水電解質として、テトラフルオロプロピレンカーボネートに、リチウム塩としてLiPF6 を1mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いるようにし、それ以外については、上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、比較例2の試験セルを作製した。
(評価3)
このように作製した実施例3および比較例2の各試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜4.7V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である3.34V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を、実施例3の試験セルでは4サイクル、比較例2の試験セルでは3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、実施例3の試験セルの結果を図8に、比較例2の試験セルの結果を図9に示した。
この結果、実施例3の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.3V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、2.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )に酸化ピークが存在し、この電位範囲において、上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。また、2サイクル目においても同様の結果が得られ、硫黄単体が可逆的に反応していると考えられる。
これに対して、比較例2の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.2V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられるが、酸化方向への走査においては、酸化ピークが約4.0V(vs.Li/Li+ )付近に存在し、エネルギー効率が非常に悪く、また2サイクル目以降においては、酸化ピークの大きさや還元電流の大きさが急激に減少しており、可逆性に乏しい結果になっていた。
上記の実施例3の試験セルの結果から求められる硫黄単体の放電電位は約2.0V(vs.Li/Li+ )であり、硫黄単体の理論容量密度の1675mAh/gから換算されるエネルギー密度は3350mWh/gになり、一般に正極に使用されているLiCoO2 のエネルギー密度(約540mWh/g)に比べて、エネルギー密度が著しく高くなっている。
(実施例4)
実施例4においては、非水電解質として上記実施例3と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例3の試験セルを作製した。
(評価4)
実施例4の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図10に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例4の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は3380mAh/g、放電容量密度は3695mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例4の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa(mAh/g)と放電容量Qb(mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図11において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例4の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約3897mAh/gになって一定しており、充放電効率も約97%で安定していた。
(実施例5)
実施例5においては非水電解質として、室温溶融塩であるトリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 3 + (CH3 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))に、リチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外については、上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例5の試験セルを作製した。
(評価5)
このように作製した実施例5の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜4.7V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である3.0V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図12に示した。
この結果、実施例5の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.3V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられる。
また、酸化方向への走査においては、約3.8V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。また、2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、硫黄単体が可逆的に反応していると考えられる。
実施例5の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.5V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図13に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例5の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1138mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。
(実施例6)
実施例6においては、非水電解質として上記実施例5と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例6の試験セルを作製した。
(評価6)
このように作製した実施例6の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を0.0〜2.75V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.6V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図14に示した。
この結果、実施例6の試験セルの場合、還元方向への走査において、約0.03V(vs.Li/Li+ )で還元ピークが存在し、また、酸化方向への走査においては、約0.7V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在した。この電位付近においてシリコンへのリチウムの挿入脱離が起こっていると考えられる。また、2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、シリコンとリチウムが可逆的に反応していると考えられる。
(実施例7)
実施例7においては非水電解質として、室温溶融塩であるトリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C6 13)N- (SO2 CF3 2 )に、リチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外については、上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例7の試験セルを作製した。
(評価7)
このように作製した実施例7の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜4.7V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.8(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図15に示した。
この結果、実施例7の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.3V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.6V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。また、2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、硫黄単体が可逆的に反応していると考えられる。
また、実施例7の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.5V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図16に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例7の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が588mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。
(実施例8)
実施例8においては、非水電解質として上記実施例7と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例8の試験セルを作製した。
(評価8)
また、実施例8の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図17に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例8の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は3282mAh/g、放電容量密度は2778mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例8の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図18において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例8の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約3243mAh/gになって一定しており、充放電効率も約98%で安定していた。
(実施例9)
実施例9においては非水電解質として、1,3−ジオキソランを50体積%、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )を50体積%混合したものにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例9の試験セルを作製した。
(評価9)
このように作製した実施例9の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.4V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図19に示した。
この結果、実施例9の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.3V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ始め、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.6V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。また、2サイクル目以降においても同様の結果が得られ、硫黄単体が可逆的に反応していると考えられる。
また、実施例9の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図20に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、実施例9の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が2230mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。さらに、1,3−ジオキソランとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを混合することにより、下記の比較例3に示すように、電解質として1,3−ジオキソラン単独で用いた場合に比べて約2.0V(vs.Li/Li+ )以上での放電における容量密度が大きくなり、また、実施例1で示すように、電解質としてトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独で用いた場合に比べても放電容量密度が大きくなった。
(実施例10)
実施例10においては、非水電解質として上記実施例9と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例10の試験セルを作製した。
(評価10)
また、実施例10の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図21に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、実施例10の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は約4260mAh/g、放電容量密度は約3852mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例10の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa(mAh/g)と放電容量Qb(mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図22において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例10の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約2837mAh/gになって一定しており、充放電効率も約89%で安定していた。
(実施例11)
実施例11においては非水電解質として、1,3−ジオキソランを25体積%、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )を75体積%混合したものにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例11の試験セルを作製した。
(評価11)
このように作製した実施例11の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.3V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.4V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図23に示した。
この結果、実施例11の試験セルの場合、還元方向への走査において、約1.9V(vs.Li/Li+ )で還元ピークが現れており、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.4V(vs.Li/Li+ )付近で酸化ピークが現れ、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。2サイクル目以降においても、還元方向の走査において、約1.5V(vs.Li/Li+ )付近に還元ピークが存在し、酸化方向への走査において、約2.4V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、硫黄単体が可逆的に反応しているものと考えられる。
また、実施例11の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図24に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、実施例11の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が2291mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。さらに、1,3−ジオキソランとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを混合することにより、下記の比較例3に示すように、電解質として1,3−ジオキソラン単独で用いた場合に比べて、約2.0V(vs.Li/Li+ )以上での放電における容量密度が大きくなり、また、実施例1で示すように、電解質としてトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独で用いた場合に比べて放電容量密度が大きくなった。
(実施例12)
実施例12においては、非水電解質として上記実施例11と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例12の試験セルを作製した。
(評価12)
また、実施例12の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図25に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例12の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は約3756mAh/g、放電容量密度は約3300mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例12の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図26において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例12の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約3789mAh/gになって一定しており、充放電効率も約99%で安定していた。
(比較例3)
比較例3においては非水電解質として、1,3−ジオキソランにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、比較例3の試験セルを作製した。
(評価13)
このように作製した比較例3の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.2V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図27に示した。
この結果、比較例3の試験セルの場合、還元方向への走査において、約1.8V(vs.Li/Li+ )付近で還元ピークが現れ、約1.2V(vs.Li/Li+ )以下で大きな還元電流が流れており、硫黄単体が還元されているものと考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.6V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
また、比較例3の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図28に示した。
なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この比較例3の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1677mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていたが、放電電位は約1.2V(vs.Li/Li+ )と低いものになっていた。
(評価14)
トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )と1,3−ジオキソランを混合すると、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独の電解質と比べて、電解質の粘度が小さくなるので、電解質として用いると好ましいものになると考えられる。
(評価15)
また、実施例1、実施例9、実施例11および比較例3の結果から、硫黄単体を含む正極を用いた場合、放電における約2V(vs.Li/Li+ )以上の放電容量密度を比較すると、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )あるいは1,3−ジオキソランを単独で用いるよりも、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )に1,3−ジオキソランを混合するのがよく、1,3−ジオキソランは0.1体積%〜99.9体積%の範囲、好ましくは1,3−ジオキソランの割合が0.1体積%〜50体積%の範囲、さらに好ましくは0.1体積%〜25体積%の範囲になるようにする。
(実施例13)
実施例13においては非水電解質として、テトラヒドロフランを50体積%、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )を50体積%混合したものにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例13の試験セルを作製した。
(評価16)
このように作製した実施例13の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.5V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図29に示した。
この結果、実施例13の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.0V(vs.Li/Li+ )と1.5V(vs.Li/Li+ )で還元ピークが現れており、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.2V(vs.Li/Li+ )以上で酸化電流が流れ、この電位範囲において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
また、実施例12の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図30に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例13の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1479mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。さらに、テトラヒドロフランとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを混合することにより、下記の比較例4に示すように、電解質としてテトラヒドロフラン単独で用いた場合に比べて、約2.0V(vs.Li/Li+ )以上での放電における容量密度が大きくなり、また、実施例1で示すように、電解質としてトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独で用いた場合に比べて放電容量密度が大きくなった。
(実施例14)
実施例14においては、非水電解質として上記実施例13と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例14の試験セルを作製した。
(評価17)
また、実施例14の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図31に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例14の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は4126mAh/g、放電容量密度は3619mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例14の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図32において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例14の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が3515mAh/gになって一定しており、充放電効率も約98%で安定していた。
(実施例15)
実施例15においては非水電解質として、テトラヒドロフランを25体積%、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )を75体積%混合したものにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例15の試験セルを作製した。
(評価18)
このように作製した実施例15の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.6V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図33に示した。
この結果、実施例15の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.4V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.5V(vs.Li/Li+ )付近で酸化ピークが現れ、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
実施例15の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図34に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例14の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1547mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。さらに、テトラヒドロフランとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを混合することにより、下記の比較例4に示すように、電解質としてテトラヒドロフラン単独で用いた場合に比べて、約2.0V(vs.Li/Li+ )以上での放電における容量密度が大きくなり、また、実施例1で示すように、電解質としてトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独で用いた場合に比べて放電容量密度が大きくなった。
(実施例16)
実施例16においては、非水電解質として上記実施例15と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例16の試験セルを作製した。
(評価19)
実施例16の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図35に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例16の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は約4495mAh/g、放電容量密度は約3786mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例16の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図36において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例16の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約2873mAh/gになって一定しており、充放電効率も約93%で安定していた。
(比較例4)
比較例4においては非水電解質として、テトラヒドロフランにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、比較例4の試験セルを作製した。
(評価20)
このように作製した比較例4の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.3V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図37に示した。
この結果、比較例4の試験セルの場合、還元方向への走査において、約1.6V(vs.Li/Li+ )付近で還元ピークが現れ、また、約1.2V(vs.Li/Li+ )以下で大きな還元電流が流れており、硫黄単体が還元されているものと考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.5V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
また、比較例4の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.3V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図38に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この比較例4の試験セルにおいては、初期のおける硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1065mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていたが、放電電位は約1.2V(vs.Li/Li+ )と低いものになっていた。
(評価21)
トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とテトラヒドロフランを混合すると、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独の電解質と比べて、電解質の粘度が小さくなるので、電解質として用いるのに好ましいものになる考えられる。
(評価22)
また、実施例1、実施例13、実施例17および比較例4の結果から、硫黄単体を含む正極を用いた場合、放電特性における約2V(vs.Li/Li+ )以上のプラトーの部分の放電容量密度を比較すると、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )あるいはテトラヒドロフランを単独で用いるよりも、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )にテトラヒドロフランを混合するのがよく、テトラヒドロフランは0.1体積%〜99.9体積%の範囲、好ましくはテトラヒドロフランの割合が0.1体積%〜50体積%の範囲、さらに好ましくは0.1体積%〜25体積%の範囲になるようにする。
(実施例17)
実施例17においては、非水電解質として、1,2−ジメトキシエタンを50体積%、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )を50体積%混合したものにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例17の試験セルを作製した。
(評価23)
このように作製した実施例17の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.8V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図39に示した。
この結果、実施例17の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.0V(vs.Li/Li+ )で還元ピークが現れており、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.2V(vs.Li/Li+ )以上で酸化電流が流れ、この電位範囲において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
また、実施例17の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図40に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例17の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1919mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2 に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。さらに、テトラヒドロフランとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを混合することにより、下記の比較例5に示すように、電解質としてテトラヒドロフラン単独で用いた場合に比べて、約1.5V(vs.Li/Li+ )以上での放電における容量密度が大きくなり、また、実施例1で示すように、電解質としてトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独で用いた場合に比べて放電容量密度が大きくなった。
(実施例18)
実施例18においては、非水電解質として上記実施例17と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例18の試験セルを作製した。
(評価24)
実施例18の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図41に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例18の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は約4050mAh/g、放電容量密度は約3580mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例18の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図42において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例18の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約2930mAh/gになって一定しており、充放電効率も約95%で安定していた。
(実施例19)
実施例19においては非水電解質として、1,2−ジメトキシエタンを25体積%、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )を75体積%混合したものにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、実施例19の試験セルを作製した。
(評価25)
このように作製した実施例19の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.3V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.4V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図43に示した。
この結果、実施例19の試験セルの場合、還元方向への走査において、約2.4V(vs.Li/Li+ )以下で還元電流が流れ、硫黄単体が還元されていると考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.5V(vs.Li/Li+ )付近で酸化ピークが現れ、この電位範囲において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
また、実施例19の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図44に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例19の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1636mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。さらに、1,2−ジメトキシエタンとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )とを混合することにより、下記の比較例5に示すように、電解質として1,2−ジメトキシエタン単独で用いた場合に比べて、約1.5V(vs.Li/Li+ )以上での放電における容量密度が大きくなり、また、実施例1で示すように、電解質としてトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独で用いた場合に比べて放電容量密度が大きくなった。
(実施例20)
実施例20においては、非水電解質として上記実施例19と同様のものを用いた。それ以外については、上記の実施例2の試験セルの場合と同様にして、実施例20の試験セルを作製した。
(評価26)
また、実施例20の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図45に示した。なお、充電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、放電時における電位と活物質1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この実施例20の試験セルにおいては、初期における活物質1g当たりの充電容量密度は約3984mAh/g、放電容量密度は約3526mAh/gであり、一般に負極に用いられている炭素材料に比べると、充放電容量密度が著しく高くなっていた。また、シリコン薄膜が可逆的に反応することもわかった。
さらに、この実施例20の試験セルにおいて、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位0.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位2.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa(mAh/g)と放電容量Qb(mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図46において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○と実線で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を△と破線で示した。
この結果、この実施例20の試験セルにおいては、3サイクル目以降の放電容量密度が約3713mAh/gになって一定しており、充放電効率も約96%で安定していた。
(比較例5)
比較例5においては非水電解質として、1,2−ジメトキシエタンにリチウム塩としてLiN(CF3 SO2 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた
。それ以外は上記の実施例1の試験セルの場合と同様にして、比較例5の試験セルを作製した。
(評価27)
このように作製した比較例5の試験セルを使用し、参照極13に対する作用極11の電位走査範囲を1.0〜3.0V(vs.Li/Li+ )、電位走査速度を1.0mV/sにし、参照極13に対する作用極11の初期の電位である2.4V(vs.Li/Li+ )から還元方向に走査させた後、酸化方向に走査させる操作を3サイクル行い、各サイクルにおけるサイクリックボルタンメトリーを測定し、その結果を図47に示した。
この結果、比較例5の試験セルの場合、還元方向への走査において、約1.8V(vs.Li/Li+ )付近で還元ピークが現れ、また、約1.2V(vs.Li/Li+ )以下で大きな還元電流が流れており、硫黄単体が還元されているものと考えられる。また、酸化方向への走査においては、約2.5V(vs.Li/Li+ )付近に酸化ピークが存在し、この電位付近において上記のように還元された硫黄単体が酸化されると考えられる。
また、比較例5の試験セルにおいて、放電電流0.13mA/cm2 で放電終止電位1.0V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.13mA/cm2 で充電終止電位3.0V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図48に示した。なお、放電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位と硫黄単体1g当たりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示した。
この結果、この比較例5の試験セルにおいては、初期における硫黄単体1g当たりの放電容量密度が1921mAh/gであり、一般に正極に用いられているLiCoO2に比べると放電容量密度が著しく高くなっていた。しかしながら、放電特性において約2V(vs.Li/Li+ )以上の容量密度は小さく、大部分の放電電位は約1.2V(vs.Li/Li+ )と低いものになっていた。
(評価28)
トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )と1,2−ジメトキシエタンを混合すると、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )単独の電解質と比べて、電解質の粘度が小さくなるので、電解質として用いるのに好ましいものになると考えられる。
(評価29)
また、実施例1、実施例17、実施例19および比較例5の結果から、硫黄単体を含む正極を用いた場合、放電特性における約1.5V(vs.Li/Li+ )以上の放電容量密度を比較すると、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )あるいは1,2−ジメトキシエタンを単独で用いるよりも、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )に1,2−ジメトキシエタンを混合するのがよく、1,2−ジメトキシエタンは0.1体積%〜99.9体積%の範囲、好ましくは1,2−ジメトキシエタンの割合が0.1体積%〜50体積%の範囲、さらに好ましくは0.1体積%〜25体積%の範囲になるようにする。
次に説明する実施例21,22では、硫黄単体を含む正極およびシリコン材料を含む負極を用いた試験セルを作製し、充放電特性を測定した。表3に実施例21,22の試験セルの構成について要約する。
Figure 2005190978
(実施例21)
実施例21においては、正極として、硫黄単体を60重量%、導電剤のアセチレンブラックを35重量%、カルボキシメチルセルロースを1重量%の割合にして乳鉢で30分間らいかいし、さらに結着剤のスチレンブタジエンラバーを4重量%加えた後、乳鉢で5分間らいかいしたものを粗面化アルミ箔にドクターブレード法で塗布し、大きさ2cm×2cmに成形したものを用いた。
また、負極を次のように作製して用いた。表面を電解処理して銅箔上にスパッタ法によりアモルファスシリコン薄膜を形成し、大きさ2.5cm×2.5cmに成形した。トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )と4−メチル−1,3−ジオキソランとを90:10(体積%)で含む混合溶液に、リチウム塩としてLiN(SO2 CF3 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させた。この溶液中でアモルファスシリコン薄膜が形成された銅箔をリチウム金属と反応させ、SiLi4.4 を作製した。
さらに、非水電解質として、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )と4−メチル−1,3−ジオキソランとを90:10(体積%)で含む混合溶液に、リチウム塩としてLiN(SO2 CF3 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。
このように、実施例21の試験セルでは、負極がアモルファスシリコン薄膜からなるので、リチウム(Li)をアモルファスシリコン薄膜に含ませてSiLi4.4 を作製した後に、充放電を行なった。
(評価30)
上記のように作製した実施例21の試験セルにおいて、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図49に示した。なお、充放電時における電位は、上記で作製した正極と負極との電位であり、また、正極と負極の合剤の合計値において1g当たりの容量密度と電池電圧との関係を示した。
この結果、この実施例21の試験セルにおいては、平均電圧が1.55Vであり、正極と負極の合剤の合計1g当たりの値における放電容量密度は302mAh/gであった。この値より、この試験セルのエネルギー密度は、468Wh/Kgであり、現在市販されているLiCoO2 を正極活物質として用いる電池(約200Wh/Kg)より大きな値を示した。
さらに、この実施例21の試験セルにおいて、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+ )まで充電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、下記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図50において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を□で示した。
充放電効率=(Qb /Qa )×100
この実施例21の試験セルの10サイクル時においては、平均電圧が1.59Vであり、正極と負極の合剤の合計1g当たりの値における放電容量密度は207mAh/gであった。この値より、この試験セルのエネルギー密度は、329Wh/Kgであった。また、充放電効率も約90%以上で安定していた。
(実施例22)
正極は実施例21と同様に作製し、負極を次のように作製した。表面を電解処理した銅箔上にスパッタ法によりアモルファスシリコン薄膜を形成し、大きさ2.5cm×2.5cmに成形した。トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )と4−メチル−1,3−ジオキソランとを80:20(体積%)で含む混合溶液に、リチウム塩としてLiN(SO2 CF3 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させた。この溶液中でアモルファスシリコン薄膜が形成された銅箔をリチウム金属と反応させ、SiLi4.4 を作製した。
また、非水電解質として、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )と4−メチル−1,3−ジオキソランとを80:20(体積%)で含む混合溶液に、リチウム塩としてLiN(SO2 CF3 2 を0.5mol/lの濃度になるように溶解させたものを用いた。
このように、実施例22の試験セルでは、負極がアモルファスシリコン薄膜からなるので、リチウム(Li)をアモルファスシリコン薄膜に含ませてSiLi4.4 を作製した後に、充放電を行なった。
(評価31)
上記のように作製した実施例22の試験セルにおいて、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電圧1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0,05mA/cm2 で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+ )まで充電を行って、初期の充放電特性を調べ、その結果を図51に示した。なお、充放電時における電位は、上記で作製した正極と負極との電位であり、また、正極と負極の合剤の合計値における1g当たりの容量密度と電池電圧との関係を示した。
この結果、この実施例22の試験セルにおいては、平均電圧が1.69Vであり、正極と負極の合剤の合計1g当たりの値における放電容量密度は378mAh/gであった。この値より、この試験セルのエネルギー密度は、639Wh/Kgであり、現在市販されているLiCoO2 を正極活物質として用いる電池(約200Wh/Kg)より大きな値を示した。
さらに、この実施例22の試験セルにおいて、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った後、充電電流0.05mA/cm2 で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+ )まで充電を行う操作を繰り返して行い、各サイクルにおける充電容量Qa (mAh/g)と放電容量Qb (mAh/g)とを測定するとともに、上記の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図52において、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を○で示すとともに、各サイクルにおける充放電効率(%)を□で示した。
この実施例22の試験セルの10サイクル時においては、平均電圧が1.59Vであり、正極と負極の合剤の合計1g当たりの値における放電容量密度は213mAh/gであった。この値より、この試験セルのエネルギー密度は、372Wh/Kgであった。また、充放電効率も約90%以上で安定していた。
(評価結果)
以上の結果から、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 +(C8 17)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (Allyl)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C6 13)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C2 5 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (Allyl)(CF3 CO)N-(SO2 CF3 ))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C3 7 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 4 + (CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C25 3 + (CH3 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))等の4級アンモニウム塩あるいは1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )N- (SO2 2 5 2 )、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )N- (SO2 CF3 2 )、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )BF4 -)、1−エチルー3−メチルイミダゾリウム・ペンタフルオロボレート((C2 5 )(C3 3 2 + (CH3 )PF6 -)等のイミダゾリウム塩等の融点が60℃以下の室温溶融塩にトリフルオロプロピレンカーボネート、フルオロエチルカーボネート等のフッ素化された環状カーボネート、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等の環状エーテル、あるいは1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の鎖状エーテルから選ばれる少なくとも1種類以上の有機溶媒を混合することにより、より大きな放電容量密度が得られることがわかった。また、融点が60℃以下の常温溶融塩は2種類以上混合したものであってもよいのは言うまでもない。
本発明に係る非水電解質二次電池は、携帯用電源、自動車用電源等の種々の電源として利用することができる。
この発明の実施例1〜23および比較例1〜6において作製した試験セルの概略説明図である。 実施例1の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 比較例1の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例1の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例1の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例2の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例2の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例3の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 比較例2の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例4の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例5の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例5の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例5の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例6の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例7の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例7の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例8の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例8の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において、各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例9の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例9の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例10の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例10の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において、各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例11の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例11の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例12の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例12の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において、各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 比較例3の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 比較例3の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例13の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例13の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例14の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例14の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例15の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例15の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例16の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例16の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 比較例4の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 比較例4の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例17の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例17の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例18の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例18の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例19の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 実施例19の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例20の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例20の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において各サイクルにおける放電容量および充放電効率を示した図である。 比較例5の試験セルにおいて作用極の電位を走査させて測定した作用極のサイクリックボルタンメトリーを示した図である。 比較例5の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例21の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例21の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において、各サイクルにおける正極と負極の合剤の合計1g当たりの放電容量および充放電効率を示した図である。 実施例22の試験セルにおける初期の充放電特性を示した図である。 実施例2の試験セルを用いて充放電を繰り返して行った場合において、各サイクルにおける正極と負極の合剤の合計1g当たりの放電容量および充放電効率を示した図である。
符号の説明
10 試験セル容器
11 作用極
12 対極
13 参照極
14 非水電解質

Claims (12)

  1. 正極、負極および非水電解質とを備え、
    前記正極は硫黄単体を含み、前記負極はリチウムを吸蔵したシリコンを含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記非水電解質は、融点が60℃以下の室温溶融塩を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記非水電解質は、第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記非水電解質は、環状エーテル、鎖状エーテルおよびフッ素化されたカーボネートよりなる群から選択される少なくとも1種の溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項2または3記載の非水電解質二次電池。
  5. 正極、負極および非水電解質を備え、
    前記負極はリチウムを吸蔵したシリコンを含み、
    前記非水電解質は、融点が60℃以下の室温溶融塩および硫黄単体の還元生成物を含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  6. 前記正極は硫黄単体を含むことを特徴とする請求項5記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記硫黄単体の還元性生物は、融点60℃以下の室温溶融塩および有機電解質中において硫黄単体を還元させたものであることを特徴とする請求項5または6記載の非水電解質二次電池。
  8. 前記シリコンは、非晶質シリコン薄膜または微結晶シリコン薄膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  9. 前記室温溶融塩は、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドおよびトリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項2または5〜7のいずれかに記載の非水電界質二次電池。
  10. 前記第4級アンモニウム塩は、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドおよびトリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミドよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項3記載の非水電解質二次電池。
  11. 前記環状エーテルは、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロフランよりなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記鎖状エーテルは、1,2−ジメトキシエタンを含み、前記フッ素化されたカーボネートは、トリフルオロプロピレンカーボネートを含むことを特徴とする請求項4記載の非水電解質二次電池。
  12. 前記正極に導電剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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