JP2005071698A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、正極活物質としてイオウ単体を用いることにより高い放電容量を得ることができ、かつ漏液等を生じることなく安全に使用することができる非水電解質二次電池を得る。
【解決手段】 正極活物質としてイオウ単体を含み、非水電解質が、融点60℃以下の室温溶融塩を含み、かつ高分子により複合化されゲル状または固体状であることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、リチウム二次電池などの非水電解質二次電池に関するものである。
近年、高出力及び高エネルギー密度の二次電池の1つとして、非水電解質を用い、リチウムの酸化及び還元を利用した非水電解質二次電池が用いられている。現在実用化されているリチウム二次電池においては、正極材料としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)またはマンガン酸リチウム(LiMn24)が用いられ、負極材料として炭素材料が用いられている。また、非水電解質として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒に、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩からなる電解質を溶解させたものが使用されている。しかしながら、携帯機器等においては、さらに長時間使用可能な二次電池が求められており、リチウム二次電池におけるさらなる高容量化及び高エネルギー密度が求められている。
理論容量が大きい正極材料として、イオウ(理論容量:1675mAh/g)が知られている。しかしながら、正極材料としてイオウ単体を用いた場合、リチウムと可逆的に反応させるためには非常に高い温度にしなければならず、一般の非水電解質二次電池として利用することはできなかった。
近年においては、高容量で高エネルギー密度が得られる正極材料として、DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)等の有機ジスルフィド化合物を用いることが提案されている。しかしながら、このような有機ジスルフィド化合物を正極材料に使用した場合においても、60℃以上の高温でなければリチウムと可逆的に反応させることができず、一般の非水電解質二次電池として利用することが困難であった。
さらに、近年においては、特許文献1及び特許文献2等において、上記のDMcT等の有機ジスルフィド化合物をポリアニリン等の導電性高分子と複合化させた正極材料を用いて、常温で充放電反応が行えるようにしたものが提案されている。
一方、理論容量が大きい負極材料としては、負極集電体上に堆積して形成したケイ素薄膜を用いることが提案されている(特許文献3及び4など)。このような負極材料を用いれば、3000〜4000mAh/gあるいはそれ以上の負極容量を得ることができる。
特開平4−267073号公報 特開平8−115724号公報 特開2001−266851号公報 特開2002−83594号公報 特開2002−367675号公報
正極材料として有機ジスルフィド化合物を用いた場合、充放電反応に関与する部分はジスルフィド結合の部分であり、それ以外の炭素及び水素の部分は反応に寄与しない。このため、単位重量あたりの容量をさらに高めることは困難であった。また、上記公報において開示されている電池の電解質に用いられている物質は、可燃性物質であり、また漏液するなど電池の安全性において問題があった。
上述のように、イオウ単体は大きな容量を有する正極材料であるため、このようなイオウ単体を正極活物質とし、炭素材料を負極活物質としてリチウム二次電池を作製した場合、正極容量と負極容量のバランスをとるため、負極活物質層の厚みをかなり厚くしなければならない。その結果、製造工程において負極活物質中に電解質がしみ込みにくくなり、また充放電サイクルにおいて負極活物質層中の電解質が不足するなどの問題を生じ、充放電サイクル特性の低下を生じるおそれがある。このため、高い正極容量に見合う高い負極容量を有する負極材料を用いる必要がある。
本発明の目的は、正極活物質としてイオウ単体を用いることにより高い放電容量を得ることができ、かつ漏液等を生じることなく安全に使用することができる非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、正極活物質としてイオウ単体を含み、非水電解質が、融点60℃以下の室温溶融塩を含み、かつ高分子により複合化されゲル状または固体状であることを特徴としている。
本発明においては、正極活物質としてイオウ単体を用いているので、高い放電容量を得ることができる。また、非水電解質として、融点60℃以下の室温溶融塩を含んでいる。室温溶融塩は、蒸気圧がなく、難燃性であるので、過充電などの異常な操作時においても、分解したり、燃えたりすることがない。このため、保護回路を設けなくても安全に使用することができる。
また、本発明においては、室温溶融塩を含む非水電解質を、高分子により複合化し、ゲル状または固体状にしている。このため、漏液等の問題を生じることなく安全に使用することができる。
本発明において、負極活物質としては、非水電解質二次電池に用いることができるものであれば特に制限されることなく用いることができるが、正極活物質として高い容量を有するイオウ単体を用いているので、高い容量を有する負極活物質が好ましく用いられる。このような観点からは、リチウム金属、またはリチウムを吸蔵したケイ素が好ましく用いられる。ケイ素は、集電体上にCVD法、スパッタリング法、蒸着法などにより堆積した非晶質シリコン薄膜または微結晶シリコン薄膜が好ましく用いられる。
本発明において、非水電解質は、融点60℃以下の室温溶融塩を含んでいる。本発明において、室温溶融塩とは、60℃以下において少なくとも一部が液状である塩をいう。
融点60℃以下の室温溶融塩としては、例えば、第4級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(C37)N-(SO2CF32)、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(C817) N−(SO2CF32)、トリチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチスルホニル)イミド((CH33+(Allyl) N-(SO2CF32)、トリチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH33+(C613) N-(SO2CF32)、トリメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH33+(C25) (CF3CO)N-(SO2CF3))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH33+(Allyl) (CF3CO)N-(SO2CF3))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH33N+(CH3)(CF3CO)N-(SO2CF3))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C254+(CF3CO)N-(SO2CF3))、トリルエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C253+(CF3CO)N-(SO2CF3))などが挙げられる。
イミダゾリウム塩としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド((C25)(C332+(CH3) N-(SO2C252)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((C25)(C332+(CH3) N-(SO2CF32)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート((C25)(C332+(CH3) BF4 - )、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ペンタフルオロボレート((C25)(C332+(CH3) PF6 -)などが挙げられる。
また、上記以外の常温溶融塩としては、テトラメチルアンモニウム・テトラフルオロボレート((CH34+BF4 -)、テトラメチルアンモニウム・ヘキサフルオロフォスフェート((CH34+PF6 -)、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボレート((C254+BF4 -)、テトラエチルアンモニウム・ヘキサフルオロフォスフェート((C254+PF6 -)などが挙げられる。
また、特許文献5においては、負極材料として炭素材料を用い、常温溶融塩を非水電解質に用いた非水電解質電池が開示されているが、ここに用いられている常温溶融塩は、本発明における室温溶融塩として用いることができるものである。
本発明における非水電解質においては、上記室温溶融塩の他に、有機溶媒が含まれていてもよい。このような有機溶媒としては、環状エーテル、鎖状エーテル、フッ素化されたカーボネート、γ−ブチロラクトン、環状カーボネート、鎖状カーボネートなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフライン、1,8−シネオール、及びクラウンエーテルなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、及びテトラエチレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
フッ素化されたカーボネートとしては、トリフルオロプロピレンカーボネート及びフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
本発明において、非水電解質中における室温溶融塩の含有割合は、非水電解質中の全溶媒に対して0.001〜100体積%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜100体積%であり、さらに好ましくは40〜100体積%であり、さらに好ましくは60〜100体積%であり、特に好ましくは80〜100体積%である。室温溶融塩の含有割合が少なすぎると、蒸気圧がなく難燃性であるという室温溶融塩の特性が十分に発揮されず、安全に使用することができるという本発明の効果が得られない場合がある。
本発明における非水電解質に添加するリチウム塩としては、従来より非水電解質二次電池における電解質に添加するリチウム塩として一般に使用されているものを用いることができ、例えば、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiN(CF3SO22、LiN(CF3SO2)(COCF3)、LiAsF6から選択される少なくとも1種を用いることができる。
本発明における非水電解質は、高分子により複合化されゲル状または固体状であることを特徴としている。ゲル状の電解質は、例えば、高分子化合物に液状の電解質を保持させたものである。高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子あるいはアクリレート系高分子、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレンの共重合体などのフッ素系高分子が挙げられる。これらのうちのいずれか1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。酸化還元安定性の観点からは、フッ素系高分子が好ましく用いられる。
上記高分子化合物は、高分子化合物に保持させる液状の電解質に対し、0.1〜50重量%となるように用いることが好ましい。高分子化合物の割合が少ないと、ゲル状にできない場合があり、高分子化合物の割合が多すぎると、導電率が低下する場合がある。
なお、高分子化合物は、モノマーの状態で用意し、これを電解液に添加することでゲル前駆体とし、このゲル前駆体を二次電池の容器内に入れた後加熱して重合体とすることによりゲル状としてもよい。このようなモノマーとしては、アルキル基またはメタクリル基を有し、アルキレンオキサイド基を有するモノマーなどが挙げられる。
固体状の電解質としては、例えば、イオン導電性を有する高分子化合物に電解質塩を分散させたものが挙げられる。例えば、加熱することにより固体状になるリチウムイオン伝導性ポリマーに、リチウム塩を溶解させた上記の電解質溶液を添加した後、これを加熱することにより固体状のリチウムイオン伝導性を有する高分子化合物とすることができる。
本発明によれば、正極活物質としてイオウ単体を用いることにより高い放電容量を得ることができ、かつ漏液等を生じることなく安全に使用することができる非水電解質二次電池とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
〔正極の作製〕
イオウ粉末を60重量%、導電剤としてのアセチレンブラックを35重量%、カルボキシメチルセルロースを1重量%の割合で乳鉢で30分間らいかいして混合し、さらに結着剤としてのスチレンブタジエンラバーを4重量%加えた後、さらに乳鉢で5分間らいかいしたものに分散媒である水を添加して正極スラリーを作製した。この正極スラリーを、電解アルミニウム箔の上にドクターブレード法で塗布することにより正極を作製した。
〔電解質の作製〕
ゲル状電解質を作製するため、以下の物質を用いた。
モノマー:トリプロピレングリコールジアクリレート
重合抑制剤:2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
重合開始剤:t−ヘキシルパーオキシピバレート
トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドに、0.3モル/リットルとなるようにLiN(SO2CF32を溶解した溶液を調製した。この溶液12gに上記モノマー1gと上記重合抑制剤2.6mgを加え、2時間放置した後、上記重合開始剤0.065gを添加し、撹拌したものをゲル前駆体溶液とした。
〔試験セルの作製〕
上記の正極及びゲル前駆体溶液を用いて、図1に示す試験セルを作製した。図1において、試験セル容器10内には、ゲル前駆体溶液14が入れられており、この溶液内に正極11、負極12、及び参照極13が浸漬されている。正極11としては、上記正極を用い、負極12及び参照極13としては、リチウム金属を用いた。このセルを60℃で30分間加温し、ゲル前駆体溶液14中のモノマーを重合してゲル状の電解質とした。
〔充放電特性の評価〕
上記のようにして作製したセルについて、充放電特性を評価した。放電電流0.05mA/cm2で放電終止電圧1.5V(vs.Li/Li+)まで放電を行った後、充電電流0.05mA/cm2で充電終止電圧2.8V(vs.Li/Li+)まで充電を行い、初期の充放電特性を評価した。評価結果を図2に示す。なお、図2において、放電時における電位とイオウ1gあたりの容量密度との関係を示す放電曲線を実線で、充電時における電位とイオウ1gあたりの容量密度との関係を示す充電曲線を破線で示している。
図2から明らかなように、実施例1の試験セルにおいては、初期におけるイオウ1gあたりの放電容量密度は約181mAh/gであり、理論容量密度である1675mAh/gより低くなっているが、一般に正極に用いられるLiCoO2に比べると、放電容量密度が高くなっている。また、初期におけるイオウ1gあたりの充電容量密度も約99mAh/gであり、イオウが可逆的に反応することもわかった。
(実施例2)
電解質以外は、実施例1と同様にしてセルを作製した。
〔電解質の作製〕
ゲル状電解質を作製するため、以下の物質を用いた。
モノマー:トリプロピレングリコールジアクリレート
重合抑制剤:2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
重合開始剤:t−ヘキシルパーオキシピバレート
トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド:4−メチル−1,3−ジオキソランを、体積比で90:10の割合で混合した溶媒に、LiN(SO2CF32を0.5モル/リットルとなるように混合した溶液を調製した。この溶液12gに、上記モノマー1gと上記重合抑制剤2.6mgを加え、2時間放置した後、上記重合開始剤0.065gを添加し、撹拌してゲル前駆体溶液とした。
〔試験セルの作製〕
上記のゲル前駆体溶液を用いる以外は、上記実施例1と同様にして試験セルを作製した。
〔充放電特性の評価〕
上記のようにして作製した試験セルについて、実施例1と同様にして充放電試験を行い、その結果を図3に示した。
図3から明らかなように、この実施例2の試験セルにおいては、初期におけるイオウ1gあたりの放電容量密度は約787mAh/gであった。また、初期におけるイオウ1gあたりの充電容量密度も約592mAh/gであり、イオウが可逆的に反応することもわかった。
さらに、この試験セルについて上記充放電条件で充放電を繰り返し、各サイクルにおける充電容量Qa(mAh/g)と放電容量Qb(mAh/g)を測定するとともに、以下の式により各サイクルにおける充放電効率(%)を求め、図4に示した。図4において、●で示す実線は、各サイクルにおける放電容量(mAh/g)を示しており、▲で示す破線は、各サイクルにおける充放電効率(%)を示している。
充放電効率(%)=(Qb/Qa)×100
図4から明らかなように、この実施例2の試験セルにおいては、10サイクル目の放電容量が約578mAh/gになって一定しており、充放電効率も約100%で安定していた。
また、実施例2の試験セルにおいては、10サイクル時において、平均放電電圧が約2Vであり、イオウ1gあたりのエネルギー密度は約1150mWh/gであった。これは、一般に正極に使用されているLiCoO21gあたりのエネルギー密度(約540mWh/g)に比べ著しく高い値である。
(実施例3)
本実施例においては、非水電解質として、上記実施例2と同様のものを用いた。また、負極としては、表面を電解処理した銅箔上にスパッタリング法によりアモルファスシリコン薄膜を形成し、大きさ2cm×2cmに成形したものを用いた。この負極は、予めリチウムを吸蔵させるため、上記実施例2で用いた、モノマー、重合抑制剤及び重合開始剤を添加する前のリチウム塩を溶解させた溶液中に浸漬し、リチウムをシリコン薄膜と反応させた。
以上のようにして作製した負極を用いる以外は、上記実施例2と同様にして試験セルを作製した。
以上のようにして作製した試験セルについて、上記実施例と同様にして充放電特性を評価した。評価結果を図5に示す。
図5において、充放電時におけるイオウの電位(vs・Li/Li+)とイオウ1gあたりの容量密度との関係を実線で示し、負極と正極との電位(電池電圧)とイオウ1gあたりの容量密度との関係を破線で示している。
図5から明らかなように、この実施例3の試験セルにおいては、初期におけるイオウ1gあたりの放電容量密度が約621mAh/gであった。また、初期におけるイオウ1gあたりの充電容量密度も約556mAh/gであり、イオウと、リチウムを吸蔵したケイ素とがそれぞれ可逆的に反応することがわかった。
本発明に従う実施例において作製した試験セルを示す概略図。 実施例1の試験セルにおける初期の充放電特性を示す図。 実施例2の試験セルにおける初期の充放電特性を示す図。 実施例2の試験セルを用いて充放電を繰り返し行った場合における充電容量及び充放電効率を示す図。 実施例3の試験セルにおける初期の充放電特性を示す図。
符号の説明
10…試験セル容器
11…正極(作用極)
12…負極(対極)
13…参照極
14…非水電解質

Claims (5)

  1. 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えた非水電解質二次電池において、前記正極活物質としてイオウ単体を含み、前記非水電解質が、融点60℃以下の室温溶融塩を含み、かつ高分子により複合化されゲル状または固体状であることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記負極活物質として、リチウムを吸蔵したケイ素を含む材料を用いることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記非水電解質が、環状エーテル、鎖状エーテル、フッ素化されたカーボネート及びγ−ブチロラクトンから選ばれる少なくとも1種の溶媒を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記室温溶融塩が、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、及びトリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記室温溶融塩が、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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