JP2005158313A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 可逆的な充放電反応が行われるとともに良好なサイクル性能および充放電効率が得られ、高容量化および高エネルギー密度化が可能な非水電解質二次電池を提供することである。
【解決手段】 正極は、硫黄単体、導電剤および結着剤を混合した正極活物質を有する。負極としては、リチウムを吸蔵および放出可能な黒鉛等の炭素材料、ケイ素、リチウム金属、リチウム合金等が用いられる。非水電解質は、環状エーテルおよび鎖状エーテルよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第1の溶媒と融点が60℃以下の常温溶融塩からなる第2の溶媒とを99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含み、かつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、負極、正極および非水電解質を備えた非水電解質二次電池に関する。
現在、高エネルギー密度の二次電池として、非水電解液を使用し、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うようにした非水電解質二次電池が利用されている。
このような非水電解質二次電池として、一般に正極にLiCoO2 等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いるとともに、負極にリチウム金属、リチウム合金またはリチウムの吸蔵および放出が可能な炭素材料を用い、非水電解質として、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等の有機溶媒にLiBF4 、LiPF6 等のリチウム塩からなる電解質を溶解させたものが使用されている。
近年においては、このような非水電解質二次電池が様々な携帯用機器の電源等として使用されるようになり、さらに高いエネルギー密度の非水電解質二次電池が要望されている。
しかし、従来の非水電解質二次電池において、正極に使用されているLiCoO2 等のリチウム遷移金属複合酸化物は重量が大きく、反応電子数も少ないため、単位重量当たりの容量を充分に高めることが困難であった。
このため、高容量で高エネルギー密度が得られる正極材料の開発が必要不可欠である。近年、硫黄単体を正極材料に用いた研究が行われている。硫黄単体は1675mAh/gという大きな理論容量を有しており、次世代二次電池の有望な正極材料の1つである。
これらの研究では、エーテル系の非水電解質を用い、硫黄単体の充放電特性について検討している。一部、非水電解質にポリマーを用いたものも報告されているが、基本的にはエーテル系の有機溶媒をポリマー化したものを用いており、基本的な特性はエーテル系の非水電解質を用いたものと同じである。
エーテル系の非水電解質を用いた場合、硫黄単体は比較的可逆性よくリチウムと反応するが、硫黄単体が放電時に非水電解質に溶出し、充電時に電極に析出するという反応機構となる。この場合、硫黄単体のすべてが非水電解質に溶出することはなく、また、溶出した硫黄イオンは非水電解質中で拡散し、電極から離れる。そのため、充放電時におけるサイクル性能があまり良好でなく、また、充放電効率が悪いという課題が挙げられる。このため、硫黄単体からなる正極を実用化するためにはこれらの課題を解決する必要がある。
特開2003−123840号公報 国際公開第03/054986号パンフレット
特許文献1には、有機陽イオンを有するソルトを含むリチウム−硫黄電池用電解液が提案されている。しかしながら、この電解液を用いたリチウム−硫黄電池では、最初の数サイクルで容量が大きく減少するという課題がある。
一方、本出願人らは、特許文献2に開示したように、常温溶融塩を非水電解質に用いた場合においても、室温において硫黄が可逆的に反応することを見い出した。さらに、常温溶融塩にエーテルを混合した非水電解質を用いた場合でも、硫黄が可逆的に反応することを見い出した。しかし、このような常温溶融塩を用いた非水電解質は十分に最適化された非水電解質であるとは言えず、より高性能な非水電解質二次電池を実現するためには、さらなる非水電解質の最適化を行う必要があった。
本発明の目的は、可逆的な充放電反応が行われるとともに良好なサイクル性能および充放電効率が得られ、高容量化および高エネルギー密度化が可能な非水電解質二次電池を提供することである。
本発明に係る非水電解質二次電池は、硫黄単体を含む正極と、リチウムを吸蔵および放出可能な材料を含む負極と、非水電解質とを備え、非水電解質は、環状エーテルおよび鎖状エーテルよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第1の溶媒と融点が60℃以下の常温溶融塩からなる第2の溶媒とを99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含み、かつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含むことを特徴とする。
本発明に係る非水電解質二次電池においては、非水電解質が上記の第1の溶媒および上記の第2の溶媒を99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含みかつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含むことにより、可逆的な充放電反応が行われるとともに良好なサイクル性能および充放電効率が得られる。それにより、非水電解質二次電池の高容量化および高エネルギー密度化が可能となる。
エーテル系非水電解質を用いた場合、硫黄単体が放電時に非水電解質中に溶出し、充電時に電極に析出するという反応機構が生じることとなるため、充放電におけるサイクル性能があまり良好ではない。
また、非水電解質が常温溶融塩のみからなる場合、サイクル性能および充放電効率は良好となるが、常温溶融塩は粘性が高く、電解質が電極内部に含浸しにくいので、硫黄の利用率が低くなる。
これに対して、非水電解質が第1の溶媒および第2の溶媒を99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含む場合、サイクル性能および充放電効率が向上するとともに、硫黄の利用率が高くなる。
さらに、非水電解質中にリチウムポリサルファイドを溶解させない場合、放電時に電極から硫黄単体がポリサルファイドとなって溶解し、電解液中に拡散する。電極から遠くに拡散したポリサルファイルドイオンは、それ以上放電反応に関与できなくなり、充放電効率およびサイクル性能が低下する。
これに対して、リチウムポリサルファイドを非水電解質中に予め飽和状態で溶解させておくと、非水電解質中にリチウムポリサルファイド(Li2 x )が溶解しており、非水電解質中にS8 2-、S6 2-、S4 2-、S2 2-、S2-等のポリサルファイドイオン(Sx 2-)が存在する。この場合、ポリサルファイドイオンは非水電解質中に均一に分散しており、電極から溶解したポリサルファイドイオンの拡散が抑制され、また電極近傍のポリサルファイドイオンが放電反応に関与できるので、充放電効率およびサイクル性能が向上する。
第1の溶媒と第2の溶媒との体積比は99:1〜90:10の範囲であることが好ましい。それにより、サイクル性能および充放電効率がさらに向上するとともに、硫黄の利用率がさらに高くなる。
融点が60℃以下の常温溶融塩は融点が60℃以下の第4級アンモニウム塩を含むことが好ましい。第4級アンモニウム塩は、イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩等のその他の常温溶融塩と比べると、耐還元性が優れており、また、リチウム金属と反応しないということが知られている。一方、イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩等のその他の常温溶融塩は耐還元性が高くなく、リチウム金属と反応しやすい。
したがって、常温溶融塩として第4級アンモニウム塩を用いることにより、さらに良好なサイクル性能および充放電効率が得られる。
第2の溶媒は、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを含んでもよい。それにより、サイクル性能および充放電効率が十分に向上する。
第1の溶媒は、トリエチレングリコールジメチルエーテルまたはテトラエチレングリコールジメチルエーテルを含んでもよい。それにより、サイクル性能および充放電効率が十分に向上する。
正極は導電剤をさらに含んでもよい。硫黄単体は導電性が高くないので、正極に導電剤を混合することにより、正極の導電性を向上させることができる。
このような導電剤として、例えば、導電性の炭素材料等を用いることができる。なお、このように導電性の炭素材料を添加するにあたり、その添加量が少ないと、正極における導電性を充分に向上させることができない一方、その添加量が多くなり過ぎると、正極における硫黄の割合が少なくなって高い容量が得られなくなるため、炭素材料の量が全体の5〜84重量%の範囲、好ましくは5〜54重量%の範囲、より好ましくは5〜20重量%の範囲になるようにする。
リチウムを吸蔵および放出可能な材料は、リチウム金属、リチウム合金、ケイ素および炭素よりなる群から選択された少なくとも1つを含んでもよい。この場合、負極にリチウムが容易に吸蔵および放出されることにより、充放電が行われる。
本発明に係る非水電解質二次電池によれば、非水電解質が第1の溶媒と第2の溶媒とを99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含みかつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含むことにより、可逆的な充放電反応が行われるとともに良好なサイクル性能および充放電効率が得られる。それにより、非水電解質二次電池の高容量化および高エネルギー密度化が可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る非水電解質二次電池について説明する。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池は、負極、正極および非水電解質により構成される。
正極は、硫黄単体、導電剤および結着剤を混合した正極活物質を有する。導電剤としては、例えば、導電性の炭素材料等を用いることができる。なお、導電性の炭素材料の添加量が少ないと、正極における導電性を十分に向上させることができない一方、その添加量が多くなり過ぎると、正極における硫黄単体の割合が少なくなって高い容量が得られなくなる。したがって、炭素材料の量は、正極活物質の全体の5〜84重量%の範囲とし、好ましくは5〜54重量%の範囲とし、より好ましくは5〜20重量%の範囲とする。
また、正極の集電体として、導電性を高めるために発泡アルミニウム、発泡ニッケル等を用いることも可能である。
負極としては、例えば、リチウム(Li)を吸蔵および放出可能な黒鉛等の炭素材料、リチウム金属、リチウム合金等が用いられる。
高いエネルギー密度の非水電解質二次電池を得るためには、負極として、容量の大きなケイ素を用いることが望ましい。特に、特開2001−266851号公報および特開2002−83594号公報(またはWO01/029912号)に提案されるように、集電体に粗面化箔を用いるケイ素負極、柱状構造を有するケイ素負極もしくは銅(Cu)が内部に拡散したケイ素負極、またはこれらのうち少なくとも1つの特徴を有するケイ素負極を用いることが好ましい。
非水電解質としては、環状エーテルおよび鎖状エーテルよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第1の溶媒と融点が60℃以下の常温溶融域からなる第2の溶媒とを99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含み、かつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含むものを用いる。
環状エーテルとしては、1,3ジオキソラン、2−メチル−1,3ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテル等が挙げられる。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
第1の溶媒として、上記の環状エーテルおよび鎖状エーテルから選択される1種または2種以上を用いることができる。
融点が60℃以下の常温溶融塩として、融点が60℃以下の第4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。
第4級アンモニウム塩としては、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C3 7 )N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルオクチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C8 17 )N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルアリルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (Allyl)N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルヘキシルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (C6 13 )N- (SO2 CF3 2 )、メトキシメチルトリメチルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド((CH3 3 + (CH2 OCH3 )N- (SO2 CF3 2 )、トリメチルエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C2 5 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルアリルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (Allyl)(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリメチルプロピルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((CH3 3 + (C3 7 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、テトラエチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 4 + (CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))、トリエチルメチルアンモニウム・2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド((C2 5 3 + (CH3 )(CF3 CO)N- (SO2 CF3 ))等が挙げられる。
第2の溶媒として、上記の融点が60℃以下の第4級アンモニウム塩のうち1種または2種以上を用いることができる。
なお、イミダゾリウム塩、ピラゾリウム塩等のその他の常温溶融塩は、第4級アンモニウム塩と比べて耐還元性が低く、リチウム金属と反応しやすいが、第2の溶媒として用いることもできる。
第1の溶媒と第2の溶媒との体積比が99:1〜90:10の範囲であることが好ましい。それにより、サイクル性能および充放電効率がさらに向上する。
例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテルまたはテトラエチレングリコールジメチルエーテルとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとを99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含む非水電解質にリチウムポリサルファイドを飽和させることが好ましい。また、トリエチレングリコールジメチルエーテルまたはテトラエチレングリコールジメチルエーテルとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとを99:1〜90:10の範囲の体積比で含む非水電解質にリチウムポリサルファイドを飽和させることがより好ましい。
非水電解液にリチウム塩を加えてもよい。非水電解質に加えるリチウム塩としては、一般の非水電解質二次電池において電解質として使用されているものを用いることができ、例えば、LiBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiC4 9 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiN(C2 5 SO2 2 、LiAsF6 、下記の構造式で示されるジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウム等が挙げられる。
Figure 2005158313
上記のリチウム塩のうち1種を用いてもよく、あるいは2種以上を組み合せて用いてもよい。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池によれば、非水電解質が第1の溶媒および第2の溶媒を含むことにより、可逆的な充放電反応が行われるとともに良好なサイクル性能および充放電効率が得られる。それにより、非水電解質二次電池の高容量化および高エネルギー密度化が可能となる。
以下、本発明によれば、正極に硫黄単体を用いた場合においても、室温で充放電が適切に行われ、充放電時におけるサイクル性能が良好で、かつ充放電効率が高い非水電解質二次電池が得られることを実施例を挙げて明らかにする、なお、本発明における非水電解質二次電池は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1)
実施例1においては、トリエチレングリコールジメチルエーテルとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとを90:10の体積の割合で混合し、これに1.0Mのビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウムを溶解させ、さらに硫化リチウム(Li2S)と硫黄単体(S)とを過剰に加え、ポリサルファイドを飽和させたものを非水電解質として用いた。
また、正極は以下のようにして作製した。活物質である硫黄単体を正極全体の60重量%、導電剤のケッチェンブラックを正極全体の35重量%になるようにし、ボールミル混合を行った。その後、この混合物に結着剤のスチレンブタジエンラバー(SBR)を4重量%、増粘剤のカルボキシメチルセルロース(CMC)を1重量%の割合で混合し、スラリーを作製した。作製したスラリーをドクターブレード法を用いて電解アルミ箔上に塗布し、ホットプレートを用いて50℃で乾燥させた。これを2cm×2cmのサイズに切り取り、さらに50℃で真空乾燥させたものを正極として用いた。
図1に示すように、不活性雰囲気下において、試験セル容器10内に上記の非水電解質5を注液させるとともに、作用極1に上記の正極を使用し、対極2となる負極と、参照極3とにそれぞれリチウム金属を用い、実施例1の試験セルを作製した。
実施例1の試験セルにおいて、放電電流0.05mA/cm2 で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行った。さらに、充電電流0.1mA/cm2 で充電終止電位2.8V(vs.Li/Li+ )まで充電を行った後、放電電流0.1mA/cm2 で放電終止電位1.5V(vs.Li/Li+ )まで放電を行う操作を繰り返して行い、サイクル試験を行った。
(実施例2)
実施例2においては、テトラエチレングリコールジメチルエーテルとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとを95:5の体積の割合で混合し、これに1.0Mのビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウムを溶解させ、さらに硫化リチウムと硫黄単体とを過剰に加え、ポリサルファイドを飽和させたものを非水電解質として用いた。非水電解質以外は実施例1と同様にして、実施例2の試験セルを作製した。また、実施例1と同様の方法でサイクル試験を行った。
(実施例3)
実施例3においては、トリエチレングリコールジメチルエーテルと1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドとを90:10の体積の割合で混合し、これに1.0Mのビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウムを溶解させ、さらに硫化リチウムと硫黄単体とを過剰に加え、ポリサルファイドを飽和させたものを非水電解質として用いた。非水電解質以外は実施例1と同様にして、実施例3の試験セルを作製した。また、実施例1と同様の方法でサイクル試験を行った。
(実施例4)
実施例4においては、トリエチレングリコールジメチルエーテルとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとを80:20の体積の割合で混合し、これに1.0Mのビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウムを溶解させ、さらに硫化リチウムと硫黄単体とを過剰に加え、ポリサルファイドを飽和させたものを非水電解質として用いた。非水電解質以外は実施例1と同様にして、実施例4の試験セルを作製した。また、実施例1と同様の方法でサイクル試験を行った。
(比較例1)
比較例1においては、トリエチレングリコールジメチルエーテルに1.0Mのビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウムを溶解させ、さらに硫化リチウムと硫黄単体とを過剰に加え、ポリサルファイドを飽和させたものを非水電解質として用いた。非水電解質以外は実施例1と同様にして、比較例1の試験セルを作製した。また、実施例1と同様の方法でサイクル試験を行った。
(比較例2)
比較例2においては、トリエチレングリコールジメチルエーテルとトリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドとを70:30の体積の割合で混合し、これに1.0Mのビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドリチウムを溶解させ、さらに硫化リチウムと硫黄単体とを過剰に加え、ポリサルファイドを飽和させたものを非水電解質として用いた。非水電解質以外は実施例1と同様にして、比較例2の試験セルを作製した。また、実施例1と同様の方法でサイクル試験を行った。
(評価)
表1に実施例1,2,3,4および比較例1,2の非水電解質二次電池のそれぞれについて、5サイクル後の容量維持率の測定結果を示した。
Figure 2005158313
なお、5サイクル後の容量維持率は以下の式により求めた。
5サイクル後の容量維持率=5サイクル時の放電容量/1サイクル時の放電容量
表1に示したとおり、鎖状エーテルと融点が60℃以下の常温溶融塩とを含みかつポリサルファイドを飽和させた非水電解質を用いた実施例1,2,3,4の非水電解質二次電池では、鎖状エーテルのみを含みかつポリサルファイドを飽和させた非水電解質を用いた比較例1の非水電解質二次電池に比べて、より高い容量維持率を示すことがわかった。
特に、融点が60℃以下の常温溶融塩として第4級アンモニウム塩を含む非水電解質を用いた実施例1,2の非水電解質二次電池では、融点が60℃以下の常温溶融塩としてイミダゾリウム塩を含む非水電解質を用いた実施例3の非水電解質二次電池に比べて、高い容量維持率を示すことがわかった。
また、鎖状エーテルと融点が60℃以下の常温溶融塩とをそれぞれ90:10、95:5および80:20の体積の割合で含む非水電解質を用いた実施例1,2,4の非水電解質二次電池では、鎖状エーテルと融点が60℃以下の常温溶融塩とを70:30の体積の割合で含む非水電解質を用いた比較例2の非水電解質二次電池に比べて、より高い容量維持率を示すことがわかった。
これらの結果から、非水電解質が第1の溶媒および第2の溶媒を99.9:0.1〜80:20の体積比の範囲で含みかつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含むことにより、サイクル特性および充放電効率が改善されることがわかった。
特に、第2の溶媒として融点が60℃以下の第4級アンモニウム塩を用いることがより好ましいことがわかった。
本発明に係る非水電解質二次電池は、携帯用電源、自動車用電源等の種々の電源として利用することができる。
実施例1,2,3,4および比較例1,2において作製した試験セルの概略説明図である。
符号の説明
1 正極
2 負極
3 参照極
4 セパレータ
5 非水電解質
10 セル容器

Claims (7)

  1. 硫黄単体を含む正極と、
    リチウムを吸蔵および放出可能な材料を含む負極と、
    非水電解質とを備え、
    前記非水電解質は、環状エーテルおよび鎖状エーテルよりなる群から選択される少なくとも1種からなる第1の溶媒と融点が60℃以下の常温溶融塩からなる第2の溶媒とを99.9:0.1〜80:20の範囲の体積比で含み、かつリチウムポリサルファイドを飽和状態で含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 前記融点が60℃以下の常温溶融塩は融点が60℃以下の第4級アンモニウム塩を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記第1の溶媒と前記第2の溶媒との体積比は99:1〜90:10の範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記第2の溶媒は、トリメチルプロピルアンモニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の非水電解質二次電池。
  5. 前記第1の溶媒は、トリエチレングリコールジメチルエーテルまたはテトラエチレングリコールジメチルエーテルを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  6. 前記正極は導電剤をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
  7. 前記リチウムを吸蔵および放出可能な材料は、リチウム金属、リチウム合金、リチウム酸化物、ケイ素、炭素およびフッ化炭素よりなる群から選択された少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池。
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