JP2021057330A - 二次電池用電解液および二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温条件下における良好なサイクル特性を実現する二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一態様に係る二次電池用電解液は、リチウム塩、イオン液体、ハイドロフルオロエーテル、および化学式(1)で示されるグライムとを含有し、前記グライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が0.1〜1.9である含有することを特徴とする。[化1](化学式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基である。xは、2〜4である。)【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池用電解液および二次電池に関する。
二次電池は、高いエネルギー密度を実現できることから携帯電話、ノートパソコン用電源、また大型の電力貯蔵用電源や自動車用電源としても注目されている。二次電池用の電解液溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどのカーボネート類が汎用されている。しかし、これらの有機溶媒は可燃性物質として発火しやすく、安全性に脆弱であるという短所を有している。このような短所を解決するために、電解液の溶媒内に難燃材料であるフッ素系化合物を添加させることが可能である。また、イオン液体を電解液として用いることも試みられている。イオン液体とは常温で液体を呈し、揮発性がなく、分解温度が高い特徴を有する。特許文献1および特許文献2は、有機溶媒としてのグライムにリチウム塩を添加して安定な錯体を形成させ、その電解液に難燃材料であるハイドロフルオロエーテルを添加する電解液が提案されている。
WO2012/011507号広報 特開2013−225496号公報
しかしながら、それらの電解液組成では、高温条件下でサイクル評価を行うと、ハイドロフルオロエーテルが電解液中で気化してしまい、サイクル特性が不十分であった。
本発明の一態様においては、前記状況を鑑みて、非水電解液に難燃剤を含み、かつ、高温条件下での良好なサイクル特性を実現する二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、リチウム塩、イオン液体、ハイドロフルオロエーテル及び化学式(1)で示されるグライムを用いる場合、得られた二次電池用電解液を用いる二次電池が良好なサイクル特性を実現することができることを見出した。すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1]イオン液体と、リチウム塩と、化学式(1)で示されるグライムと、ハイドロフルオロエーテルと、を含有し、グライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が、0.1〜1.9で含有されている二次電池用電解液が提供される。
Figure 2021057330
(化学式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基である。xは、2〜4である。)
[2] 二次電池用電解液中のリチウム塩の濃度が1.5mol/L以上である二次電池用電解液が提供される。
[3] イオン液体のカチオンが化学式(2)で示されるピロリジニウムカチオン、または化学式(3)で示されるピペリジニウムカチオンのいずれかである二次電池用電解液が提供される。
Figure 2021057330
Figure 2021057330
(化学式(2)、(3)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜5であって、且つ直鎖状又は分岐状であって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアルキレンアルコキシ基のいずれかである。)
[4]イオン液体のカチオンが化学式(4)で示されるイミダゾリウムカチオン、または化学式(5)で示されるピリジニウムカチオンのいずれかである、二次電池用電解液。
Figure 2021057330
Figure 2021057330
(化学式(4)、(5)中、R、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、且つ直鎖状又は分岐状であって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシメチル基、またはアルコキシエチル基のいずれかである。)
[5]リチウム塩のアニオンが化学式(6)で示されるアニオンである二次電池用電解液が提供される。
Figure 2021057330
(化学式(6)中、R11、R12はそれぞれ独立にハロゲン、またはフッ化アルキルのいずれかである。)
[6]グライムが、ジグライム、トリグライム、テトラグライムの群から選ばれる1つであるか、または前記群から選ばれる少なくとも2つの混合物である、二次電池用電解液が提供される。
[7] [1]〜[6]に記載の二次電池用電解液を有する二次電池が提供される。
かかる構成によれば、イオン液体にハイドロフルオロエーテルを添加することで、難燃効果を高めることができる。また、グライムの酸素原子は負電荷を帯びやすいため、リチウムカチオンと前記酸素原子が相互作用し、安定な錯体を形成することができる。さらにハイドロフルオロエーテルを添加することで、ハイドロフルオロエーテルのフッ素原子は負電荷を帯びやすいため、前記フッ素原子と前記錯体が相互作用することで、ハイドロフルオロエーテルの気化が抑制され、電解液不足が解消されることとなる。その結果、高温条件下で良好なサイクル特性を実現することができる。
本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。 化学式(1)が負電荷を帯びやすい酸素原子とリチウムカチオンと錯体を形成する様子を示す概念図である。 ハイドロフルオロエーテルの負電荷を帯びやすいフッ素原子と上記錯体とが相互作用する様子を示す概念図である。 グライムの分子内にある全ての酸素原子が単一のリチウムカチオンに配位して安定な錯体を形成し、ハイドロフルオロエーテルの負電荷を帯びやすいフッ素原子と相互作用しない様子を示す概念図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本実施形態の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[リチウム二次電池]
図1は、本実施形態にかかるリチウム二次電池の断面模式図である。図1に示すリチウム二次電池100は、主として積層体40、積層体40を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体40に接続された一対のリード60、62を備えている。また図示されていないが、積層体40とともに電解液が、ケース50内に収容されている。
積層体40は、正極20と負極30とが、セパレータ10を挟んで対向配置されたものである。正極20は、板状(膜状)の正極集電体22上に正極活物質層24が設けられたものである。負極30は、板状(膜状)の負極集電体32上に負極活物質層34が設けられたものである。
正極活物質層24及び負極活物質層34は、セパレータ10の両側にそれぞれ接触している。正極集電体22及び負極集電体32の端部には、それぞれリード62、60が接続されており、リード60、62の端部はケース50の外部にまで延びている。図1では、ケース50内に積層体40が一つの場合を例示したが、複数積層されていてもよい。
「二次電池用電解液」
本実施形態にかかる二次電池用電解液((以下、単に「電解液」という。)は、イオン液体とリチウム塩と化学式(1)で示されるグライムとハイドロフルオロエーテルとを含有し、グライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が、0.1〜1.9で含有されていること、化学式(1)で示されるグライムのxが2〜4であることを特徴としている。これにより、高温条件下でのサイクル特性に優れる二次電池を提供することができる。
Figure 2021057330
(化学式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基である。xは、2〜4である。)
こうした効果が得られる理由は、以下のように推測される。
ハイドロフルオロエーテルは揮発しやすい性質を持っているため、高温条件下でサイクル評価を行うと、ハイドロフルオロエーテルが電解液中で気化し、電解液が全体的に足りなくなることで液枯れが発生し、サイクル特性が悪化する。
しかし、化学式(1)で示されるグライムがx=2〜4の時、グライムの酸素原子は負電荷を帯びやすいため、図2に示されるように、リチウムカチオンと前記酸素原子が相互作用し、安定な錯体を形成することができる。さらに、ハイドロフルオロエーテルを添加することで、ハイドロフルオロエーテルのフッ素原子は負電荷を帯びやすいため、図3に示されるように、前記フッ素原子と上記錯体が相互作用する。その結果、ハイドロフルオロエーテルが揮発せず、サイクル特性が改善される。
一方、化学式(1)で示されるグライムがx=1の時、リチウムカチオンと錯体を形成する前にグライムが揮発してしまい、リチウムカチオンと錯体を形成することができない。その結果、上記効果を奏しない。また、グライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が0.1〜1.9の範囲を超えると、つまり2.0〜10程度で含有すると、図4に示されるように、グライムの分子内にある全ての酸素原子が単一のリチウムカチオンに配位し、安定な錯体を形成する。その結果、負電荷を帯びやすいフッ素原子とリチウムカチオンは相互作用することができず、上記効果を奏しない。
(イオン液体)
イオン液体とは、常温で液体のイオン化合物のことであり、カチオン成分とアニオン成分とからなっている。カチオン成分としては、含窒素化合物カチオンからなる4級アンモニウム系、含リン化合物カチオンからなる4級ホスホニウム系などを用いることができる。
含窒素化合物カチオンからなる4級アンモニウム系カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピロリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、チアゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
テトラアルキルアンモニウムカチオンとしては化学式(7)で示され、R13、R14、15、R16はそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基を表し、それぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。ジエチルメチルメトキシエチルアンモニウムカチオン、トリメチルエチルアンモニウムカチオン、トリメチルプロピルアンモニウムカチオン、トリメチルへキシルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021057330
ピロリジニウムカチオンとしては化学式(2)で示され、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基を表し、それぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021057330
ピペリジニウムカチオンとしては化学式(3)で示され、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基を表し、それぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021057330
イミダゾリウムカチオンとしては化学式(4)で示され、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基を表し、それぞれ同一でもよく、異なっていても良い。1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムカチオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021057330
ピリジニウムカチオンとしては化学式(5)で示され、Rは直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシメチル基、アルコキシエチル基を表す。1−エチルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2021057330
ピラゾリウムカチオンとしては、1,2‐ジメチルピラゾリウムカチオン、1−エチル−2‐メチルピラゾリウムカチオン、1−プロピル−2‐メチルピラゾリウムカチオン、1−ブチル−2‐メチルピラゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピロリニウムカチオンとしては、1,2−ジメチルピロリニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピロリニウムカチオン、1−プロピル−2‐メチルピロリニウムカチオン、1−ブチル−2−メチルピロリニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
チアゾリウムカチオンとしては、エチルジメチルチアゾリウムカチオン、ブチルジメチルチアゾリウムカチオン、ヘキサジメチルチアゾリウムカチオン、メトキシエチルチアゾリウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
含リン化合物カチオンからなる4級ホスホニウム系としては、化学式(8)で示される骨格を有するホスホニウムカチオンが挙げられる。化学式(8)において、R17、R18、R19、R20はそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキレンアルコキシ基を表し、それぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。また、5員環、6員環等の環状構造を有してもよい。
Figure 2021057330
具体例としては、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、トリエチルメチルホスホニウムカチオン、トリメチルエチルホスホニウムカチオン、ジメチルジエチルホスホニウムカチオン、トリメチルプロピルホスホニウムカチオン、トリメチルブチルホスホニウムカチオン、ジメチルエチルプロピルホスホニウムカチオン、メチルエチルプロピルブチルホスホニウムカチオン等が挙げられるが、これらに限定するものではない。
カチオンとしては、ピロリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、またはピリジニウムカチオンが好ましい。これらカチオンを有するイオン液体はイオン伝導性が高く、更に良好なサイクル特性を実現することができる。
イオン液体のアニオンとしては、ClO 、PF 、BF 、AsF 、B(C 、CFSO 、Cl、Br、I等が挙げられ、そのうちBF の少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したBF(CF、BF(C、BF(C、BF(CF 、BF(CF)(Cや、PF の少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したPF(CF、PF(C、PF(C、PF(CF 、PF(CF)(C、PF(CF 等を用いてもよい。
また、化学式(6)で示される化学構造式を含むアニオン等も挙げられる。化学式(6)におけるR11、R12はハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R11、R12はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。具体例としては、N(FSON(CFSON(CSON(CFSO)(CSO)である。
Figure 2021057330
またアニオンとしては、化学式(9)で示される化学構造式を含むアニオン等も挙げられる。化学式(9)におけるR21、R22、R23はハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R21、R22、R23はそれぞれ同一でもよく、異なっていてもよい。具体例としては、C(CFSOC(CSO等が挙げられる。
Figure 2021057330
本実施形態では、これらのカチオンやアニオンを構成要素とするイオン液体を用いることができる。しかし、アニオンは親水性を示すBF やPF 等のアニオンより、化学式(6)のようなイミドアニオンを用いたイオン液体を用いるほうがリチウム塩の溶解性向上の観点からより好ましい。
(ハイドロフルオロエーテル)
本実施形態におけるハイドロフルオロエーテルとしては、下記化学式(10)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2021057330
ここで化学式(10)におけるR24及びR25は、それぞれ独立にアルキル基または含フッ素アルキル基であり、R24及びR25の少なくとも一方が含フッ素アルキル基である。また、R24及びR25に含まれる水素原子の数は合計1以上であり、かつR24及びR25に含まれる炭素原子の数は合計3以上10以下で表される化合物である。具体例としては、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン、エチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、エチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、メチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、メチル1,1,2,2,3,3,3−オクタフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、エチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、メチル1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルエーテル、メチル1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル等が挙げられる。化学式(1)との相溶性の点から、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、あるいは2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテルがより好ましい。
(グライム)
本実施形態におけるグライムとしては、下記化学式(1)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2021057330
化学式(1)において、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基である。
及びRのアルキル基がそれぞれ炭素数1〜3であることで、グライムとリチウム塩の相溶性が向上するため好ましい。R及びRのアルキル基の炭素数がこの範囲外となることでグライムとリチウム塩との相溶性が低下するという懸念がある。
xは2〜4で表され、ジグライム(G2、x=2)、トリグライム(G3、x=3)、及びテトラグライム(G4、x=4)が挙げられる。xが2〜4であるグライムの場合、沸点が高く、揮発性が抑えられるためより好ましい。
グライムは、1種で用いてもよく、複数の化合物の混合で用いもよい。
(リチウム塩)
本実施形態におけるリチウム塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12、LiB(C、LiCFSO、LiCl、LiBr、LiI等が挙げられ、LiBFの少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiBF(CF)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiBF(CF、LiBF(CF)(C)や、LiPFの少なくとも一つのフッ素原子をフッ化アルキル基で置換したLiPF(CF)、LiPF(C)、LiPF(C)、LiPF(CF、LiPF(CF)(C)、LiPF(CF等を用いてもよい。
また、リチウム塩として、化学式(11)で示される化学構造式を含む化合物からなる塩も挙げられる。化学式(11)におけるR26、R27はハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R26、R27は異なったものでもよい。具体例としては、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)である。
Figure 2021057330
また、リチウム塩として、化学式(12)で示される化学構造式を含む化合物からなる塩も挙げられる。化学式(12)におけるR28、R29、R30はハロゲン、フッ化アルキルからなる群から選ばれる。また、R28、R29、R30は異なったものでもよい。具体例としては、LiC(CFSO、LiC(CSO、が挙げられる。これらの中でも、化学式(11)で示されるリチウム塩は溶解性を高くすることが可能であるためより好ましい。
Figure 2021057330
ここで、前記グライムの、エーテル酸素を[O]としたとき、[O]/前記リチウム塩(モル比)は、好ましくは0.1〜1.9、より好ましくは1.0である。[O] / 前記リチウム塩(モル比)が、0.1〜1.9の範囲を超えると、つまり2.0〜10程度で含有すると、グライムの分子内にある全ての酸素原子が単一のリチウムカチオンに配位し、安定な錯体を形成する。その結果、負電荷を帯びやすいフッ素原子とリチウムカチオンは相互作用することができない。
また、電解液には、機能を向上させるために、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、たとえば、従来公知のその他の溶媒、過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、特性改善助剤等が挙げられる。
(その他の溶媒)
本実施形態の電解液は、該電解液が相分離しない範囲内であれば、前記リチウム塩、前記イオン液体、前記ハイドロフルオロエーテル、前記化学式(1)で示されるグライム以外にその他の溶媒が含まれていてもよい。
その他の溶媒としては、たとえば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、3−フルオロプロピルメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート等の炭酸エステル、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等のカルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、プロパンサルトン等の環状スルホン酸エステル、スルホン酸アルキルエステル等が挙げられる。
前記その他の溶媒の含有量は、該電解液に用いる全溶媒量を100体積%としたとき、10体積%以下であることが好ましく、5体積%以下であることがより好ましい。
(その他の成分)
また、本実施形態の電解液は、機能を向上させるために、必要に応じて他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、たとえば、従来公知の過充電防止剤、脱水剤、脱酸剤、高温保存後の容量維持特性を改善するための特性改善助剤が挙げられる。
過充電防止剤としては、たとえば、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン、t−アミルベンゼン、ジフェニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2−フルオロビフェニル、o−シクロヘキシルフルオロベンゼン、p−シクロヘキシルフルオロベンゼン等の前記芳香族化合物の部分フッ素化物;2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソールおよび2,6−ジフルオロアニソール等の含フッ素アニソール化合物が挙げられる。過充電防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液が過充電防止剤を含有する場合、電解液中の過充電防止剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。電解液に過充電防止剤を0.1質量%以上含有させることにより、過充電による二次電池の破裂・発火を抑制することがさらに容易になり、二次電池をより安定に使用できる。
脱水剤としては、たとえば、モレキュラーシーブス、芒硝、硫酸マグネシウム、水素化カルシウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、塩化カルシウム、金属ナトリウム等が挙げられる。本実施形態の電解液に用いる溶媒は、前記脱水剤で脱水を行った後に精留を行ったものを使用することが好ましい。また、精留を行わずに前記脱水剤による脱水のみを行った溶媒を使用してもよい。
特性改善助剤としては、たとえば、フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート、スピロ−ビス−ジメチレンカーボネート等のカーボネート化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、スルホラン、スルホレン、ジメチルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジブチルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド、N,N−ジエチルメタンスルホンアミド等の含硫黄化合物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオライド等の含フッ素芳香族化合物が挙げられる。これら特性改善助剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液が特性改善助剤を含有する場合、電解液中の特性改善助剤の含有量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。
「正極」
(正極活物質層)
正極活物質層24は、正極活物質、正極用バインダー、及び、必要に応じた量の正極用導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質層24に用いる正極活物質は、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンとリチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能な電極活物質を用いることができる。
例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極活物質層24における正極活物質の構成比率は、質量比で80%以上90%以下であることが好ましい。また正極活物質層24における導電助剤の構成比率は、質量比で0.5%以上10%以下であることが好ましく、正極活物質層24におけるバインダーの構成比率は、質量比で0.5%以上10%以下であることが好ましい。
(正極バインダー)
バインダーは、活物質同士を結合すると共に、活物質と正極集電体22とを結合する。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂が挙げられる。
また、上記の他に、バインダーとして、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFPTFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴムを用いてもよい。
また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等の高分子化合物にリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。
(正極集電体)
正極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤は、正極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
「負極」
(負極活物質層)
負極は、負極活物質層を有する。負極活物質層は、負極活物質を有し、必要に応じて負極バインダーと負極用導電助剤とをさらに有する。
(負極活物質)
負極活物質はリチウムイオンを吸蔵・放出可能な化合物であればよく、公知のリチウム二次電池用の負極活物質を使用できる。負極活物質としては、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等の炭素材料、リチウム金属と合金可能なM2(例えば、Si、Sn、Al、Bi、Mg)、またはリチウム金属とM2との合金であるLi− M2合金、SiOx(0<x<2)、二酸化スズ等の酸化物を主体とする非晶質の化合物、チタン酸リチウム(LiTi12)等を含む粒子が挙げられる。
負極活物質が金属リチウムの場合、充電時には集電体の表面に金属リチウムが析出し、放電時には表面に析出した金属リチウムが溶出する。すなわち、充電時には集電体と金属リチウムとを含むものが負極30となり、放電時には集電体が負極30となる。また、充放電に寄与するリチウム量が不足することに備えて、充放電前の初期状態から集電体の一面にリチウム箔を設けてもよい。
負極活物質がリチウムと合金化可能な金属M2またはLi−M2合金の場合、充電時にはリチウムとM2との間でLi−M2合金化が進行し、放電時にはLi−M2合金からリチウムが溶出する。すなわち、充電時には集電体と金属リチウムとM2あるいはLi−M2合金とを含むものが負極30となり、放電時には集電体とM2あるいはLi−M2合金とを含むものが負極30となる。この場合の充電中に、負極に到達するリチウムイオンの量がM2と合金化が可能なリチウムの量を超えた場合、リチウムは、Li−M2合金の表面またはLi−M2合金における粒界の界面にリチウム金属として析出する。この場合、放電中では、リチウム金属の溶出とLi−M2合金からのリチウムの溶出との両方が生じる。
(負極集電体)
負極集電体32は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル箔の金属薄板を用いることができる。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤としては、例えば、カーボンブラック類等のカーボン粉末、カーボンナノチューブ、炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極バインダー)
負極に用いるバインダーは正極と同様のものを使用できる。またこの他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等を用いてもよい。
負極活物質層34中の負極活物質、導電助剤及びバインダーの含有量は特に限定されない。負極活物質層34における負極活物質26の構成比率は、質量比で70%以上98%以下であることが好ましい。また負極活物質層34における導電助剤の構成比率は、質量比で1%以上20%以下であることが好ましく、負極活物質層34におけるバインダーの構成比率は、質量比で1%以上10%以下であることが好ましい。
負極活物質とバインダーの含有量を上記範囲とすることにより、得られた負極活物質層34において、バインダーの量が少なすぎて強固な負極活物質層を形成できなくなる傾向を抑制できる。また、電気容量に寄与しないバインダーの量が多くなり、十分な体積エネルギー密度を得ることが困難となる傾向も抑制できる。
「セパレータ」
セパレータ10は、電気絶縁性の多孔質構造から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いはセルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
「ケース」
ケース50は、その内部に積層体40及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウム二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。
例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミ箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が好ましい。
「リード」
リード60、62は、アルミ等の導電材料から形成されている。リード60、62を正極集電体22、負極集電体32にそれぞれ溶接し、正極20の正極活物質層24と負極30の負極活物質層34との間にセパレータ10を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールする。
[二次電池の製造方法]
本実施形態にかかるリチウム二次電池100の製造方法について説明する。
まず正極活物質、バインダー及び溶媒を混合する。必要に応じ導電助剤を更に加えても良い。溶媒としては例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。正極活物質、導電助剤、バインダーの構成比率は、質量比で80wt%〜98wt%:0.1wt%〜10wt%:0.1wt%〜10wt%であることが好ましい。これらの質量比は、全体で100wt%となるように調整される。
塗料を構成する成分の混合方法は特に制限されず、混合順序もまた特に制限されない。上記塗料を、正極集電体22に塗布する。塗布方法としては、特に制限はなく、通常電極を作製する場合に採用される方法を用いることができる。例えば、スリットダイコート法、ドクターブレード法が挙げられる。負極についても、同様に負極集電体32上に塗料を塗布する。
続いて、正極集電体22及び負極集電体32上に塗布された塗料中の溶媒を除去する。除去方法は特に限定されない。例えば、塗料が塗布された正極集電体22及び負極集電体32を、80℃〜150℃の雰囲気下で乾燥させればよい。
そして、このようにして正極活物質層24、負極活物質層34が形成された電極を必要に応じ、ロールプレス装置等によりプレス処理を行う。ロールプレスの線圧は用いる材料によって異なるが、正極活物質層24の密度が所定の値となるように調整する。正極活物質層24の密度と線圧との関係は、正極活物質層24を構成する材料比率との関係を踏まえた事前検討により求めることができる。
次いで、正極活物質層24を有する正極20と、負極活物質層34を有する負極30と、正極と負極との間に介在するセパレータ10と、電解液と、をケース50内に封入する。
例えば、正極20と、負極30と、セパレータ10とを積層し、予め作製した袋状のケース50に、積層体40を入れる。
最後に本実施態様の電解液をケース50内に注入し、ケース50を真空封止することにより、リチウム二次電池が作製される。なお、ケースに電解液を注入するのではなく、積層体40を電解液に含浸させてもよい。正極活物質層24は所定の密度に調整されているため、電解液は正極活物質層24内に形成される空隙内に充分含浸する。
以上、本発明の1つの実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本実施形態の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
以下に示す手順により、実施例1〜91として、実施形態で説明したイオン液体、ハイドロフルオロエーテル、グライム及びグライムのエーテル酸素を[O]としたときの[O]/リチウム塩のモル比の変更や、リチウム塩及びリチウム塩濃度を変更したリチウム二次電池を作製した。また、比較のために、比較例1〜10を作製し、同様にサイクル評価を行った。
「二次電池のサイクル特性の評価方法」
<充放電評価>
二次電池のサイクル特性の評価を、以下に示す方法により行う。
作成したラミネートセル型二次電池を用いて充放電評価を行った。60℃の恒温槽において、0.1Cに相当する定電流で4.4Vまで充電し、0.1Cに相当する定電流で3.0Vまで放電することで行った。1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合を求め、「50サイクル後の放電容量維持率」とした。
「二次電池電解液と評価用二次電池の作製と評価」
(実施例1)
<電解液の作製>
リチウム塩として、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、LiFSAと略記する:分子量187.07)を準備し、テトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が1.0となるようテトラグライムを添加した。そこへイオン液体として1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、P13FSAと略記する)とハイドロフルオロエーテルとして1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテルを1:2のモル比で混合した溶媒を準備し、LiFSA濃度が1.5mol/L(1.5M)となるよう前記溶媒で希釈することで電解液を調整した。
正極活物質としてNCA(組成式:Li1.0Ni0.78Co0.19Al0.03)、導電材としてカーボンブラック、バインダーとしてPVDFを準備した。これらを溶媒中で混合し、塗料を作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布した。正極活物質と導電材とバインダーの質量比は、95:2:3とした。塗布後に、溶媒は除去した。その後正極活物質層の密度が3.0g/cmになるようにプレスして正極シートを作製した。これから、直径12mmΦの正極を作製した。
負極活物質としての人造黒鉛と、負極用の結着剤としてのスチレンブタジエンゴムとを95:5(人造黒鉛:スチレンブタジエンゴム)の質量比で混合し、CMC(カルボキシメチルセルロース)を1wt%水に溶解したものを溶媒として、負極スラリーを作製した。負極スラリーを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体上に均一に塗布した後に乾燥した。これから、直径13mmΦの負極を作製した。
<評価用二次電池の作製>
上記で作製した直径12mmΦの正極および直径13mmΦの負極と、それらの間にポリプロピレンセパレータを挟んでラミネートケースに入れ、このケースに、上記で調整した電解液を注入後、真空シールし、評価用のラミネート型セル型リチウムイオン二次電池を作製した。
<二次電池のサイクル特性の評価>
前述の評価方法を用いて、サイクル特性の評価を行った。評価結果を表1および表2に示す。
(実施例2〜23)
ハイドロフルオロエーテルとして 2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカンフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン、エチル−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、エチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、メチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、メチル1,1,2,2,3,3,3−オクタフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、エチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、メチル1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルエーテル、メチル1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテルにそれぞれ変更すること以外は、実施例1と同様に、実施例2〜23の電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表1に示す。
(実施例24〜27)
グライムとしてジグライム、トリグライム、エチルジグライム、プロピルジグライムにそれぞれ変更すること以外は、実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表1に示す。
(実施例28〜31)
リチウム塩としてLiFSAを1.0mol/L(1.0M)2.0mol/L(2.0M)、3.0mol/L(3.0M)、4.0mol/L(4.0M)にそれぞれ変更すること以外は、実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例32〜34)
イオン液体のカチオンとして1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(以下、P14と略記する)、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン(以下、P12と略記する)、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン(以下、PP13と略記する)にそれぞれ変更すること以外は、実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例35)
イオン液体のカチオンとしてジエチル(メチル)プロピルアンモニウムカチオン(以下、DEMPAと略記する)、アニオンとしてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(以下、TFSAと略記する)に変更すること以外は、実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例36)
イオン液体のカチオンとしてトリエチルペンチルホスホニウムカチオン(以下、P2225と略記する)に変更すること以外は、実施例35と同様に電解液を作製し、評価用のリチウムイオン二次電池を調整した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例37〜38)
イオン液体のアニオンとしてTFSA、フルオロスルホニル(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(以下、FTAと略記する)にそれぞれ変更すること以外は実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例39)
リチウム塩としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、LiTFSAと略記する)に変更すること以外は実施例37と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例40)
リチウム塩としてリチウムフルオロスルホニル(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(以下、LiFTAと略記する)に変更すること以外は実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例41)
ハイドロフルオロエーテルとして2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、リチウム塩としてLiFSAを3.0mol/L(3.0M)の濃度に変更すること以外は実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例42)
ハイドロフルオロエーテルとして、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、リチウム塩としてLiFSAを2.5mol/L(2.5M)の濃度に変更すること以外は実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(実施例43〜46)
グライムとしてテトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が0.1、0.5、1.5、1,9にそれぞれ変更すること以外は実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表1に示す。
(実施例47)
リチウム塩として、LiFSAを準備し、テトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が1.0となるようテトラグライムを添加した。そこへイオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(以下、EMImFSAと略記する)とハイドロフルオロエーテルとして1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテルを1:2のモル比で混合した溶媒を準備し、LiFSA濃度が1.5mol/L(1.5M)となるよう前記溶媒で希釈することで電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を調整した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例48〜68)
ハイドロフルオロエーテルとして 2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカンフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン、エチル−1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、エチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテル、メチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、メチル1,1,2,2,3,3,3−オクタフルオロプロピルエーテル、メチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、エチル1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルエーテル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、メチル1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルエーテル、メチル1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロピルエーテル、ジフルオロメチル2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル1,1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルエーテルにそれぞれ変更すること以外は、実施例47と同様に、実施例48〜68の電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表2に示す。
(実施例69〜70)
グライムとしてジグライム、トリグライムにそれぞれ変更すること以外は、実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表2に示す。
(実施例71〜74)
リチウム塩としてLiFSAを1.0mol/L(1.0M)、2.0mol/L(2.0M)、3.0mol/L(3.0M)、4.0mol/L(4.0M)にそれぞれ変更すること以外は、実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例75〜82)
イオン液体のカチオンとして1−プロピル−3−メチルイミダゾリウカチオン(以下、PMImと略記する)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(以下、BMImと略記する)、1−エチルピリジニウムカチオン(以下、EPyと略記する)、1−ブチルピリジニウムカチオン(以下、BPyと略記する)、1−メトキシメチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(以下、MOMMImと略記する)、1−エトキシメチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン(以下、EOMMImと略記する)、1−メトキシエチルピリジニウムカチオン(以下、MOEPyと略記する)、1−エトキシエチルピリジニウムカチオン(以下、EOEPyと略記する)、にそれぞれ変更すること以外は、実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例83〜84)
イオン液体のアニオンとしてTFSA、FTAにそれぞれ変更すること以外は実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例85)
リチウム塩としてLiTFSAに変更すること以外は実施例83と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例86)
ハイドロフルオロエーテルとして2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル、リチウム塩としてLiFSAを3.0mol/L(3.0M)の濃度に変更すること以外は実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例87)
ハイドロフルオロエーテルとして、ジフルオロメチル2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル、リチウム塩としてLiFSAを2.5mol/L(2.5M)の濃度に変更すること以外は実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(実施例88〜91)
グライムとしてテトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が0.1、0.5、1.5、1,9にそれぞれ変更すること以外は実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。それぞれの結果を表2に示す。
(比較例1)
ハイドロフルオロエーテルを含まないこと、グライムとしてテトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)を5.0に変更すること以外は、実施例29と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
グライムとしてテトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)を5.0に変更すること以外は、実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
イオン液体のカチオンとしてN,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエトキシエチル)アンモニウムカチオン(以下、DEME2と略記する)、リチウム塩としてLiTFSAを0.3mol/L(0.3M)の濃度に変更すること以外は、比較例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
イオン液体を含まないこと、リチウム塩としてLiTFSAを2.0mol/L(2.0M)の濃度に変更すること以外は比較例2と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
イオン液体のアニオンとしてTFSA、リチウム塩としてLiTFSAを1.7mol/L(1.7M)の濃度に変更すること以外は比較例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(比較例6)
グライムとしてモノグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)を1.0に変更すること以外は実施例1と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表1に示す。
(比較例7)
ハイドロフルオロエーテルを含まないこと、グライムとしてテトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)を5.0に変更すること以外は、実施例72と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(比較例8)
グライムとしてテトラグライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)を5.0に変更すること以外は、実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(比較例9)
イオン液体のアニオンとしてTFSA、リチウム塩としてLiTFSAを1.7mol/L(1.7M)の濃度に変更すること以外は比較例7と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
(比較例10)
グライムをモノグライムに変更すること以外は実施例47と同様に電解液を調整し、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。実施例1と同様の方法で、得られたリチウムイオン二次電池を評価した。結果を表2に示す。
表1に、実施例1〜46および比較例1〜6を、表2に実施例47〜91及び比較例7〜10の二次電池のサイクル特性の評価結果をまとめた。
表1、表2に示すように、実施例1〜91の二次電池は、比較例1〜10の二次電池よりもサイクル特性に優れる。
Figure 2021057330
Figure 2021057330
10…セパレータ、20…正極、22…正極集電体、24…正極活物質層、30…負極、32…負極集電体、34…負極活物質層、40…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウム二次電池。

Claims (7)

  1. イオン液体と、
    リチウム塩と、
    化学式(1)で示されるグライムと、
    ハイドロフルオロエーテルと、を含み、
    前記グライムのエーテル酸素を[O]としたとき、[O]/リチウム塩(モル比)が0.1〜1.9である、二次電池用電解液。
    Figure 2021057330
    (化学式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基である。xは、2〜4である。)
  2. 二次電池用電解液中の前記リチウム塩の濃度が1.5mol/L以上である、請求項1に記載の二次電池用電解液。
  3. 前記イオン液体のカチオンが、化学式(2)で示されるピロリジニウムカチオン、または化学式(3)で示されるピペリジニウムカチオンのいずれかである、請求項1または2に記載の二次電池用電解液。
    Figure 2021057330
    Figure 2021057330
    (化学式(2)、(3)中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、炭素数1〜5であって、且つ直鎖状又は分岐状であって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、またはアルキレンアルコキシ基のいずれかである。)
  4. 前記イオン液体のカチオンが化学式(4)で示されるイミダゾリウムカチオン、または化学式(5)で示されるピリジニウムカチオンのいずれかである、請求項1または2に記載の二次電池用電解液。
    Figure 2021057330
    Figure 2021057330
    (化学式(4)、(5)中、R、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜5であって、且つ直鎖状又は分岐状であって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシメチル基、またはアルコキシエチル基のいずれかである。)
  5. 前記リチウム塩のアニオンが化学式(6)で示されるアニオンである、請求項1〜3の何れか一項に記載の二次電池用電解液。
    Figure 2021057330
    (化学式(6)中、R11、R12はそれぞれ独立に、ハロゲンまたはフッ化アルキルのいずれかである。)
  6. 前記グライムが、ジグライム、トリグライム、テトラグライムの群から選ばれる1つであるか、または前記群から選ばれる少なくとも2つの混合物である、請求項1〜4の何れか一項に記載の二次電池用電解液。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の二次電池用電解液を有する二次電池。
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