JP2001266884A - レドックス活性可逆電極およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

レドックス活性可逆電極およびそれを用いたリチウム二次電池

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JP2001266884A
JP2001266884A JP2000077060A JP2000077060A JP2001266884A JP 2001266884 A JP2001266884 A JP 2001266884A JP 2000077060 A JP2000077060 A JP 2000077060A JP 2000077060 A JP2000077060 A JP 2000077060A JP 2001266884 A JP2001266884 A JP 2001266884A
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昇 小山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】充放電の初期段階から室温付近でも実用に見合
う大電流充放電が可能な可逆性に優れたレドックス活性
可逆電極を提供する。 【解決手段】導電性基体(11)の表面に、レドックス
活性硫黄系物質とπ電子共役系導電性高分子と平均粒径
0.4ないし100nmの導電性超微粒子とを含むレド
ックス活性薄膜(12)を備えたことを特徴とするレド
ックス活性可逆電極である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池、エレクトロ
クロミック表示素子、センサ等の電気化学素子に使用さ
れるレドックス活性(酸化還元活性)可逆電極およびそ
れを用いたリチウム二次電池に係り、特には、迅速な電
子および電荷移動反応を行い得るレドックス活性薄膜を
導電性基体上に有するレドックス活性可逆電極およびそ
れを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池の正極材料として、実
用化されているコバルト酸リチウム(LiCoO2 )材
料や、実用化の一歩手前のLiMn2 O4 やLiMnN
iO2等の無機金属系酸化物をあげることができる。し
かし、これらの材料が有する理論容量は100〜150
Ah/kg程度であり、負極材料(炭素材料:370〜
800Ah/kg)に比べて3倍以上も小さい。したが
って、これら正極材料を用いても大幅な容量の向上は期
待できないので、高性能な電池システムを構築するため
に新しい正極材料の開発が急務となっている。
【0003】これまで、有機系正極材料の研究対象とな
ってきたのは、π共役系導電性高分子であるポリピロー
ルとポリアニリンであった。これらの酸化還元可能なπ
電子共役系導電性高分子化合物は、高い電子伝導性を示
すとともに電荷貯蔵能力も有している。これらの導電性
高分子化合物は、材料として、柔軟であり、薄膜等へ容
易に成型することができ、安価である。さらに、使用後
も焼却や化学処理により簡単に処理ができ、環境汚染を
起こしにくい。また、置換基の導入等により分子レベル
でのデザインも可能である。このため、近年、酸化還元
可能な導電性高分子化合物を用いたレドックス活性電極
の研究開発が行われ、これまでにリチウム二次電池用の
正極としてポリアニリン電極が実用化された。しかしな
がら、これらの材料では、体積あたりのエネルギー密度
は低く、また、陰イオンをドープ、脱ドープさせるため
多量の電解液を必要とするので、反応系全体として高い
エネルギー密度は達成されない。このため、広く普及し
なかった。
【0004】一般に硫黄化合物は、レドックス活性で高
いエネルギー密度の蓄積能力をもっている。硫黄元素
は、酸化数が−2から+6となる多くの化合物を形成す
る。その中でLi2 Sのような物質は、2電子数の酸化
が可能であり,この場合に硫黄は−2価と0価との間で
可逆的に電子をやり取りできる。この反応を充放電反応
に用いることができれば、その容量値が1675Ah/
kgであることから超高エネルギー密度の容量が得られ
ることになる。ただし、硫黄化合物はSの形の単独では
存在せず、S3 、S4 やS8 などのオリゴマーになるこ
とが多い。また、室温では電子移動反応も遅く、そのま
までは正極材料として用いることはできない。
【0005】一方、チオレートのような硫黄部位は電気
化学的、すなわちレドックス活性なことが多い。この場
合には、硫黄から電子1個が可逆的にやり取りされる。
特にチオレート基(−SLi、−SH)を1つの分子内
に2つ以上含む有機化合物は、ジスルフィド化合物と呼
ばれ、(SRS)2-と表す。これを酸化するとS−S結
合を介して高分子化し、生成したポリジスルフィド[−
(SRS)n −]は還元により元の(SRS)2-モノマ
ーに戻る性質をもっている。例えば、2,5−ジメルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール(DMcT)のよう
な化合物では、ジスルフィド結合1つ当たり2個の電荷
を蓄えることができるので、DMcTを正極材科として
用いた場合、DMcT1kg当たり362Ah/kgの
理論容量が得られ、LiCoO2 の容量137Ah/k
gの2倍以上の高い蓄積容量が期待できる。
【0006】しかしながら、DMcTをはじめジスルフ
ィド化合物の酸化還元反応も室温では非常に遅いため、
ナトリウム−硫黄電池の流れをくむ高温作動型の二次電
池用正極材料として研究されてきたに過ぎなかった。し
たがって、室温で使用するためには、硫黄系物質の酸化
還元反応の速度を速めることが必要である。
【0007】また硫黄系物質は、酸化体、および還元体
ともに絶縁体であるために、電極材料として用いるため
には、導電性の物質と組み合わせることも必要である。
【0008】この課題を解決した例として、ポリアニリ
ンと2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ルからなる複合体をリチウム二次電池の正極材科として
用いた例をあげることができる。この場合、有機硫黄化
合物の酸化還元反応が導電性高分子化合物により促進さ
れ、室温で800Wh/kg−正極を越える非常に高い
エネルギー密度が得られることが報告されている[Nobo
ru Oyama et al., Nature, vol. 373, p. 598-600(199
5)]。
【0009】さらに、この複合体正極を銅の集電体と組
み合わせることにより、炭素電極と組み合わせた場合と
比較して、より安定した放電電圧が得られ、1Cレート
(1時間での充放電)の高速充放電も可能になり、さら
に、繰り返しの充放電における安定性にも優れている。
これらの効果は、銅の一部が溶出して有機硫黄化合物と
錯体を形成し、この錯体がより速い電子移動反応を示す
ものと推測されている。例えば、1Cのレートで室温
(20℃)において、200Ah/kg−正極以上のエ
ネルギー密度で出力電圧が3.2〜3.4Vを示し、こ
の特性は、200回以上の充放電の繰り返しでも維持さ
れるが、ついには還元状態にあるDMcTの電解質層へ
の溶解により容量が徐々に減少する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、10
〜20μmの膜厚のDMcTおよびポリアニリンからな
るレドックス活性薄膜を用いて、レートを0.1Cから
3Cまで変化させ実験を行っている。この時、どの充放
電レートの実験でも、初期段階においては充電容量と比
べ放電容量は小さかった。サイクルを重ねるごとに放電
容量が増加し、やがて10〜20サイクルを超えた時点
で、ほぼ充電容量と等しい放電容量が得られた。したが
って、解決課題として、(1)この初期段階での充放電
特性を改善することが望まれていた。この初期段階にお
ける正極膜の状態変化を詳しく調べた結果、初期段階の
充電電流の一部は集電体銅の銅イオンへの溶出反応に使
用され、その結果、銅−DMcT錯体を集電体界面に形
成することがわかった。このことから、類似金属錯体を
集電体表面にあらかじめ形成することにより初期特性が
改善されるのではないかという結論に至った。次に銅箔
を正極集電体として用いた場合、初期の充電過程で表面
が溶解する。したがって、正極の集電体としては、用い
られる電位範囲で(2)アルミニウム箔やカーボンシー
トのようにそれ自身は化学反応しないが、銅のように界
面抵抗が低く、電子が高速で界面を移動できることが望
まれていた。
【0011】次に、DMcTおよびポリアニリンから成
る正極薄膜は、その厚さを30、50、100μm、と
順に厚くするに従い、1Cのような高いレートで、充電
深度80%のような条件下で高い充放電効率を維持する
ことは難しくなる。すなわち、このことを解決するため
に、(3)薄膜内での電子移動反応の高速化を計ること
が望まれていた。また、電極薄膜構成物質の一つである
スルフィド化合物の還元体は、電解質として用いられる
有機溶媒に対し溶解性をもつことから、(4)その防止
策を見いだすことが望まれていた。
【0012】従って、本発明の目的は、充放電の初期段
階から室温付近でも実用に見合う大電流充放電が可能な
可逆性に優れたレドックス活性可逆電極を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によれば、導電性基体の表面に、レドックス
活性硫黄系物質とπ電子共役系導電性高分子と平均粒径
0.4ないし100nmの導電性超微粒子とを含むレド
ックス活性薄膜を備えたことを特徴とするレドックス活
性可逆電極が提供される。
【0014】一般に、粉体を微粒化すると、単位重量あ
たりの表面積や表面自由エネルギーが増大し、粉体はそ
れだけで活性となり、余分なエネルギーを表面に保有す
ることになる。すなわち、微細化が増大すると原子の持
つ結合の不飽和数は増大する。例えば、粒径が1〜10
nmの粒体では、原子の直径を0.1nm、密度を1g
/cm3 として計算すると、表面の過剰エネルギーは粒
子全体の結合エネルギーの数〜十数%にもなり、各種物
性への影響は大きくなる。すなわち、融点の低下、焼結
性や付着性の著しい増大を引き起こす。例えば、粒径1
0nmの銀の超微粒子の焼結は60℃前後で開始する。
また、反応性や触媒活性も不飽和度に密接に関係する。
これら超微粒子を含有する複合材料の触媒、吸着、接
着、導電性、レドックス(酸化・還元)性、反応性など
の物理的・化学的機能は、加えられた充填剤の分散状態
に左右される。
【0015】本発明では、この物性変化を利用するた
め、粒径の大きさが0.4nm〜100nmの電子伝導
性のある超微粒子を集電体基板上および/またはレドッ
クス活性薄膜内に均一に分布させてなる正極材料を提供
する。この電極は、充放電の初期の段階から室温付近で
も実用に見合う大電流、例えば0.1〜1mA/cm2
の電流を取り出すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳しく説明す
る。
【0017】本発明のレドックス活性可逆電極は、導電
性基体の表面にレドックス活性薄膜を有する。本発明の
レドックス活性薄膜を支持する基体(集電体)は、少な
くともレドックス活性薄膜と接する表面において導電性
を示す導電性基体である。この基体は、金属、導電性金
属酸化物、カーボン等の導電性材料で形成することがで
きるが、銅、カーボン、白金、金、アルミニウムまたは
それらの合金で形成することが好ましい。あるいは、他
の材料で形成された基体本体をこれら導電性材料で被覆
したものでもよい。また、基体は、その表面に凹凸を有
していてもよく、あるいは網状であってもよい。
【0018】導電性基体の表面に形成されるレドックス
活性薄膜は、レドックス活性硫黄系物質とπ電子共役系
導電性高分子と平均粒径0.4ないし100nmの導電
性超微粒子とを含む。
【0019】レドックス活性硫黄系物質としては、レド
ックス活性を有するものであればいずれの硫黄系物質を
用いてもよい。そのような硫黄系物質には、無機系物質
と有機系物質が含まれる。無機系硫黄物質は、(S)x
m-で表すことができる(ここで、xは、1〜8であり、
mは、0〜2xである)。有機系硫黄物質の例を挙げる
と、(SCS)n (ここで、nは、1〜10)等のカー
ボンジスルフィド化合物、2−メルカプトエチルエーテ
ル、2−メルカプトエチルスルフィド、1,2−エタン
ジチオール、テトラチオエチレンジアミン、N,N’−
ジチオ−N,N’−ジメチルエチレンジアミン、トリチ
オシアヌル酸、2,4−ジチオピリジン、4,5−ジア
ミノ−2,6−ジメチルメルカプトピリミジン、N,
N’−ジメルカプトピペラジン、2,5−ジメルカプト
−1,3,4−チアジアゾール(DMcT)等である。
さらには、下記化2で示される化合物も使用することが
できる。
【0020】
【化2】
【0021】これら硫黄化合物は、単体で、またはポリ
マーの形態で使用することができる。
【0022】これらの硫黄系物質のうち、2,5−ジメ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾール(DMcT)を
用いた形成されたレドックス活性可逆電極をリチウム二
時電池に組み込んだ場合、特に優れた充放電サイクル特
性を与える。
【0023】π電子共役系導電性高分子としては、ポリ
アニリン系高分子および/またはポリピロール系高分子
を好ましく用いることができる。ポリアニリン系高分子
には、ポリアニリン、およびアニリン単量体あたり1〜
4個のチオール基もしくはメルカプトアルキル基が結合
したポリアニリンが含まれる。メルカプトアルキル基の
アルキル部位は、1ないし3個の炭素原子を有すること
が好ましい。ポリピロール系高分子には、ポリピロー
ル、およびピロール単量体あたり1〜4個のチオール基
もしくはメルカプトアルキル基が結合したポリピロール
が含まれる。この場合も、メルカプトアルキル基のアル
キル部位は、1ないし3個の炭素原子を有することが好
ましい。
【0024】レドックス活性硫黄系物質は、π電子共役
系高分子とレドックス活性硫黄系物質との合計重量の3
0〜80%の割合で配合することが好ましい。
【0025】導電性超微粒子は、電子伝導性を有する材
料から形成される。電子伝導性材料の例を挙げると、
銅、鉄、銀、ニッケル、パラジウム、金、白金、インジ
ウム、タングステン等の金属、酸化インジウム、酸化ス
ズ等の導電性金属酸化物、カーボン等である。これら導
電性超微粒子は、好ましくは、銀、パラジウム、金また
は銅から形成され、異種導電性超微粒子の混合物も使用
することができる。本発明において、導電性超微粒子
は、0.4nm〜100nmの平均粒径を有し、より好
ましくは2から20nmの平均粒径を有する。導電性超
微粒子の平均粒径は、レーザードプラー式粒子径測定法
により測定することができる。
【0026】π電子共役系導電性高分子とレドックス活
性硫黄系物質とを混合した材料に超微粒子を含めると、
スルフィド系化合物のレドックス反応に対し電子移動反
応の促進作用により、レドックス活性薄膜内およびレド
ックス活性薄膜と集電体界面での迅速な電子移動反応を
達成できる。これは、膜内での超微粒子の存在により電
子伝導性が向上すること、またチオール基の酸化反応に
よるジチオエーテル結合(−S−S−)の生成反応、お
よびジチオエーテル結合の還元的解離反応に対する促進
効果があり、さらにその反応表面積が増大することによ
る。また、集電体表面積の増大により電極界面での不均
一電子移動反応(電極反応)が促進される。さらに、粘
着性の強い超微粒子は、導電性高分子のポリアニリンお
よびスルフィド化合物のDMcTと物理的および化学的
に安定なミクロ構造を形成し、充放電過程でのレドック
ス反応によって誘起されるレドックス活性点のアグリゲ
ーションを防止し、初期段階からの充放電応答特性の安
定化に寄与し、DMcTの電解質層への溶解も抑える。
【0027】本発明のレドックス活性可逆電極を製造す
るために、(1)導電性高分子と硫黄系物質をN−メチ
ル−2−ピロリドン(NMP)等の溶媒に溶解した溶液
中に、導電性超微粒子分散液を加えた後、これを集電体
に適用し、次に溶媒を除去する方法、(2)予め集電体
上に作製しておいた導電性高分子と硫黄系物質との複合
薄膜に前記超微粒子の分散液を塗布し、溶媒を除去する
方法、(3)集電体上に塗布しておいた超微粒子層(固
体あるいは液体状態)に、導電性高分子と硫黄系物質を
溶解した液を塗布し、溶媒を除去する方法、(4)超微
粒子分散液に硫黄系物質の粉末を溶解し、次に導電性高
分子を溶解した液を集電体上に塗布し、溶媒を除去する
方法、(5)超微粒子分散液に導電性高分子を溶解し、
次にスルフィド化合物を溶解した液を集電体上に塗布
し、溶媒を除去する方法等を採用することができる。
【0028】本発明において、レドックス活性薄膜は、
10〜100μmの厚さを有することが特に好ましい。
【0029】本発明のレドックス活性可逆電極の代表的
な構成を図1および図2に示す。図1に示す電極は、導
電性基体11の上に形成されたレドックス活性薄膜12
が、基体11の上に層状に形成された導電性超微粒子層
121とその上に適用された活性硫黄系物質とπ電子共
役系導電性高分子との混合物からなる層122により構
成されている。この構成の電極は、例えば、上記方法
(3)により調製することができる。
【0030】図2に示す電極は、導電性基体11の上に
形成されたレドックス活性薄膜12が、活性硫黄系物質
とπ電子共役系導電性高分子との混合物122とその中
に均一に分散された導電性超微粒子121からなる。こ
の構成の電極は、例えば、上記方法(1)、(2)、
(3)、(4)または(5)の方法により調製すること
ができる。
【0031】本発明のレドックス活性可逆電極は、電
池、エレクトロクロミック表示素子、センサ等の電気化
学素子に好適に使用することができる。特にリチウム二
次電池の正極として用いることが好ましい。
【0032】リチウム二次電池は、正極とリチウム系負
極を備え、それらの間に電解質層が配置されている。本
発明のリチウム二次電池において、正極は本発明のレド
ックス活性可逆電極により構成される。リチウム系負極
は、リチウム金属リチウムやリチウム合金(例えば、L
i−Al合金)のようなリチウム系金属材料、またはリ
チウムインターカレーション炭素材料により構成するこ
とができる。リチウム系金属材料は、箔の形態で使用す
ることが電池の軽量化の上で好ましい。
【0033】正極と負極との間に介挿される電解質層
は、電解質の溶液を含むポリマーゲルで構成すること
(ポリマーゲル電解質)が好ましい。
【0034】上記ポリマー電解質に含まれる電解質とし
ては、CF3 SO3 Li、C4 9SO3 Li、(CF
3 SO2 2 NLi、(CF3 SO2 3 CLi、Li
BF 4 、LiPF6 、LiClO4 、LiAsF6 等の
リチウム塩を使用することができる。
【0035】これら電解質を溶解する溶媒は非水溶媒で
あることが好ましい。そのような非水溶媒には、鎖状カ
ーボネート、環状カーボネート、環状エステル、ニトリ
ル化合物、酸無水物、アミド化合物、ホスフェート化合
物、アミン化合物等が含まれる。非水溶媒の具体例を挙
げると、プロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、
γ−ブチロラクトン、n−メチルピロリジノン、N,
N’−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート
とジメトキシエタンとの混合物、スルホランとテトラヒ
ドロフランとの混合物等である。
【0036】ポリマーゲルとしては、アクリロニトリル
とアクリル酸メチルもしくはメタアクリル酸との共重合
体を用いることが好ましい。(I)共重合可能なビニル
基を1つ有する少なくとも1種のモノマーから誘導された
単位と、(II)(II−a)2つのアクリロイル基とオキ
シエチレン基とを持つ化合物、(II−b)1つのアクリ
ロイル基とオキシエチレン基とを持つ化合物および(II
−c)グリシジルエーテル化合物の中から選択された少
なくとも1種の化合物から誘導された単位とを含むポリ
マーゲルも好適に使用することができる。この場合、
(I)のモノマーと(II)の化合物(特に(II−a)の
架橋性化合物)は、合計100モル%として、前者が8
5〜99.5モル%、後者が15〜0.5モル%の割合
であることが好ましい。あるいは、ポリマーゲルとし
て、(A)共重合可能なビニル基を1つ有する少なくと
も1種のモノマーから誘導された単位と、(B)2つの
アクリロイル基とオキシエチレン基とを持つ化合物から
誘導された単位と、(C)重合性基を有する可塑化化合
物から誘導された単位を含むポリマーゲルも好適に使用
することができる。この場合、(A)のモノマーと
(B)の架橋性化合物と(C)の可塑化化合物は、合計
100モル%として、(A)+(C)が85〜99.5
モル%、(B)が15〜0.5モル%であり、かつ
(A)+(C)を100モル%として(A)が75〜9
9モル%、(C)が25〜1モル%であることが好まし
い。
【0037】上記(I)または(A)のモノマーとして
は、(メタ)アクリロニトリル、(α−アルキル)アク
リル酸またはそのアルキルエステル、(α−アルキル)
アクリル酸含フッ素アルキルエステル、(α−含フッ素
アルキル)アクリル酸含フッ素アルキルエステル、ビニ
ルエステル、ビニルアルキルエーテル、アリルアルキル
エーテル、アリルエステル、酢酸ビニル、ビニルアルコ
ール、ビニルクロライド、ビニリデンクロライド、環状
オレフィン等を使用することができる。
【0038】上記(II−a)または(B)の化合物とし
ては、下記式(1)または(2)で表される化合物を用
いることができる。
【0039】 H2C=C(R)COO(CH2CH2O)n-COC(R)=CH2 (1) (式(1)において、nは1〜23の数であり、RはC
m 2m+1であり、mは1〜4の数である) H2C=C(R)COO[(CH2CH2O)p-(CH2CH(R1)O)q-(X)r- −(CH2CH2O)p]COC(R)=CH2 (2) (式(2)において、RはCm 2m+1であり、mは1〜
4の数であり、R1 はHまたはCH3 であり、Xはビス
フェノール基であり、p≦16、q≦34であり、rは0ま
たは1である)上記(II−b)の化合物としては、下記
式(3)、(4)または(5)で表される化合物の中か
ら選択された少なくとも1種の化合物を使用することが
できる。
【0040】 H2C=C(R)COO(CH2CH(R1)O)s-R2 (3) (式(3)において、RはCm 2m+1であり、mは0〜
4の数であり、R1 およびR2 はHまたはCH3であ
り、sは1〜100の数である) H2C=CHCH2O-(CH2CH2O)x-(CH2CH(R1)O)y-R3 (4) (式(4)において、R1 はHまたはCH3 であり、R
3 はHまたはアルキル基であり、xおよびyは、x+y
=100としたモル百分率を表し、x=100、y=0
または、xは50以下であり、yは50以上である。) H2C=CHCOO(CH2CH2O)x-(CH2CH(R1)O)y-R2 (5) (式(5)において、R1 およびR2 はHまたはCH3
であり、xおよびyは、x+y=100としたモル百分
率を表し、x=0、y=100または、xは50以上、
yは50以下である。)。
【0041】上記(II−c)のグリシジルエーテル化合
物としては、例えばメチレングリシジルエーテル、エチ
ルグリシジルエーテル、またはアルキル−、アルケニル
−、アリール−またはアルキルアリール−ポリエチレン
グリコールグリシジルエーテルを使用することができ
る。
【0042】上記(C)の化合物としては、上記(II−
b)の化合物、またはメタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸イソボルニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
ベンジルクロライド塩、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロラ
イド塩、メタクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル
酸シクロヘキシル、フタル酸2−メタクリロイルオキシ
エチル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロイルオキ
シエチル、エポキシステアリン酸ブチル、もしくはエポ
キシヘキサヒドロフタル酸ジオクチルを使用することが
できる。
【0043】なお、上記ポリマーゲル電解質は、上記ポ
リマーを電解質溶液中に浸漬することによって、または
電解質溶液の存在下で上記ポリマーの構成成分(モノマ
ー/化合物)を重合させることによって得ることができ
る。
【0044】図3は、本発明のレドックス活性可逆電極
を用いたコイン型リチウム二次電池の構成を概略的に示
す断面図である。このコイン型リチウム二次電池の構造
自体は当該技術分野においてよく知られているものであ
る。図3において、本発明のレドックス活性可逆電極に
より構成される正極は、符号21で示され、負極は符号
22で示され、電解質層兼セパレータは、符号23で示
されている。さらに、このコイン型リチウム二次電池
は、正極ケース24、負極ケース25およびガスケット
26を備えている。
【0045】図4は、アルミラミネーション外装を用い
たシート型リチウム二次電池の構成を概略的に示す一部
破断斜視図である。このシート型リチウム二次電池の構
成自体は当該技術分野においてよく知られているもので
ある。図4において、本発明の本発明のレドックス活性
可逆電極により構成される正極は、符号311で示さ
れ、負極は符号312で示され、電解質層は符号313
で示されている。これらにより構成される電池31は、
アルミラミネートフィルム包装材32で外装され、さら
にプラスチックカバー33に収容されている。いうまで
もなく、アルミラミネートフィルム包装材32は、内側
にシール性プラスチック層、外側にプラスチック層を有
し、それらの間にアルミニウム薄層が設けられている。
【0046】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0047】各実施例における電極材料は以下の各々の
超微粒子分散液を用いて作製された。すなわち、レーザ
ードプラー式粒子径測定法で求められた粒径が、それぞ
れ13nm、10nm、および11nmである銀、金、
およびパラジウムの超微粒子をそれぞれクエン酸を安定
剤とした蒸留水に均一になるように分散させ、これを超
微粒子分散液(I)、(II)、および(III)とした。
これらの分散液中での各々の超微粒子の濃度は、重量百
分率で5.6%、0.5%、および4.0%であった。
また、粒径の異なる分散液として、それぞれ7nm、お
よび9nmである銀およびパラジウムの分散液(IV)お
よび(V)を作製した。分散液(IV)の濃度は重量百分
率で4.1%であり、分散液(V)は4.4%である。
また、非水溶液系の分散液として、粒径がそれぞれ17
nmおよび28nmの銀およびパラジウム超微粒子のジ
アセチルアルコール分散液を調製し、それぞれ分散液
(VI)および(VII)とした。これらの分散液中での各
々の超微粒子の濃度は、重量百分率で0.9%および
1.1%であり、第三成分の安定剤は入っていない。
【0048】実施例1 本発明による電極を製造するには、まず前記の超微粒子
の分散液(I)、(II)、および(III)の適量をN−
メチルピロリドンに溶解し溶液Aを調製した。次に、別
のN−メチルピロリドンに有機ジスルフィド化合物であ
る2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
(以下、DMcTと略す。)を溶解し溶液Bを調製し
た。この溶液Bにポリアニリン粉末(以下、PAnと略
す。)をDMcTと重量比で等量混合して溶解し、溶液
Cを得た。溶液Aと溶液Cとを混合し、得られた溶液を
導電性基体である白金箔(4mm(横)×5mm(縦)
×0.1mm(厚さ))の片面に塗布した後、真空中で
50〜80℃の熱を4時間加えた。得られた電極の厚さ
は白金箔を含めて120μmであった。レドックス活性
薄膜中の超微粒子の含有量は、混合する溶液Aの量を変
え乾燥後の薄膜の全重量に対し0.3から15%まで変
化させた。このようにして、本発明のレドックス活性可
逆電極を得た。この電極の酸化還元(レドックス)応答
はサイクリックボルタンメトリー(CV)により調べら
れた。CV測定に用いられる電解液は、プロピレンカ−
ボネ−ト(PC)を溶媒として用い、過塩素酸リチウム
(LiClO4 )を濃度0.10モル/リットル(0.
10M)になるように溶かしたものである。この電解液
に本発明の電極を浸し動作電極とした。対極には白金線
を用い、水分の混在を防ぐため基準電極として銀線を用
いた。電極膜中に銀、金およびパラジウム超微粒子を
4.7%含有した電極で観察された典型的なサイクリッ
クボルタモグラムをそれぞれ図5の(a)、(b)およ
び(c)に示す。ただし、電位の掃引速度は10mV/
秒である。いずれの場合も可逆的な応答を示した。
【0049】比較例1 電極上の薄膜がポリアニリンを含まないこと以外は、実
施例1と同様に作製した電極、すなわちDMcTと超微
粒子を固定した白金箔電極を同じ電解液に浸しサイクリ
ックボルタモグラムを測定した。観察されたボルタモグ
ラムの例を図6の(a)、(b)および(c)に示す。
いずれの場合も酸化波のピーク電位値と還元波のピーク
電位値が500mV以上と大きく異なることから、超微
粒子はレドックス反応に対し促進作用を持たないことが
わかった。
【0050】実施例2 粒径が7nmの銀の超微粒子を含んだ分散液(IV)の適
量をN−メチルピロリドンに溶解し溶液Dを調製した。
この溶液Dと実施例1に記した溶液Cとを混合し、得ら
れた溶液を実施例1と同じサイズの導電性基板(白金
箔)の片面に塗布した後、実施例1と同じ方法で電極を
作製した。得られた電極の厚さは白金箔を含めて120
μmであった。レドックス活性薄膜中での銀の超微粒子
の含有量は、溶液Cと混合する溶液Dの量を変えて調製
した。超微粒子の含有量は重量百分率で0から15%ま
で変化させた。銀の含有量0%の薄膜は、溶液Cのみを
用いて調製されたものである。このようにして作製され
た本発明電極の特性は、実施例1と同じ方法、および測
定条件下で観察されたサイクリックボルタモグラムから
評価された。その結果を図7および図8に示す。図7中
のCV(a)および(b)は、電位の掃引速度が10m
V/秒の下で、40回の電位掃引後に得られたものであ
る。CV(a)と比べCV(b)の電流値は増大してお
り、かつ酸化波のピーク電位値と還元波のピーク電位値
の差が100mV以下と著しく小さくなっていることが
わかる。ここでCV(a)は銀の超微粒子を含んでいな
い薄膜電極であり、CV(b)は5%含有している薄膜
電極であることから、銀の超微粒子がDMcTおよびP
Anの複合膜の酸化と還元の両方向のレドックス応答を
促進していることがわかる。図8は、同一測定条件の下
でサイクリックボルタモグラムの酸化波および還元波の
電流値の積分値、すなわち電気容量値を、CV(a)で
得られたものに対し規格化したものである(比)。この
ことから、電極上薄膜で一定時間内に出し入れ出来る電
気容量は、銀の超微粒子により加速できることがわか
る。ただし、銀の促進効果には含有量の適量が存在し、
本実施例の材料の組み合わせでは、図8より5%前後で
あることがわかる。また、サイクリックボルタモグラム
の応答は極めて安定であり、500回以上の電位掃引の
繰り返しを行っても電流の大きさは減少しなかった。
【0051】実施例3 電極上での超微粒子の形態、および実施例1で作製した
超微粒子を含有したDMcTとPAnからなる複合膜に
ついての表面形態を走査型トンネル顕微鏡(STM)を
用いて観察し、本発明の電極の耐久性をビジュアルに調
べた。STMの観察のため、電極基体として高配向化さ
れたピロリティックグラファイト電極(HOPG)が用
いられた。図9の(a)は、HOPG上の粒径7nmの
分散液(IV)から塗布され、乾燥された銀の超微粒子で
ある。銀はほぼ均一に基体に付着していることが観察さ
れた。電極基体をHOPGから、金および白金箔に変え
ても類似のSTM像が観察された。また、この電極を用
いて実施例1と同じ電解液および電解条件で電位掃引を
10回程度繰り返しても、超微粒子は電極に固定されて
いた。分散液(IV)と実施例1に示した溶液Cとを混合
し、その溶液を白金箔基板の表面に塗布して乾燥させた
薄膜表面についてのSTM像を図9の(b)に示す。滑
らかな表面像が観察された。この電極を実施例1と同じ
電解液に浸し、同じ電気化学測定の条件下でサイクリッ
クボルタンメトリーによる電位掃引を100回繰り返し
た後に、薄膜表面についてのSTM像を観察した。得ら
れた結果を図9の(c)に示すが、この図より電位掃引
後も掃引前と同様のSTM像が得られていることがわか
る。このことから、電極上の薄膜の表面形態は、超微粒
子の含有により極めて安定化されていることがわかる。
【0052】実施例4 実施例2と同様にして白金箔上にレドックス活性薄膜
(複合正極)を形成した。ただし、この場合DMcTと
PAnとの混合の重量比は2:1であった。この薄膜中
には銀の超微粒子は重量百分率で5%含有されていた。
この薄膜電極上に以下で作製したポリマーゲル電解質を
被着し、さらにその上にリチウム金属箔を被着し、電池
を構成した。
【0053】すなわち、まずプロピレンカーボネート1
0gとジメトキシエタン10gを混合した溶液を調製
し、この溶液20gに四フッ化ホウ酸リチウム1.9g
を溶解して電解液とした。これに、アクリロニトリルと
メタクリル酸メチルの共重合ポリマー(PAN−A:東
洋紡製)を3g溶解し、アセトニトリルを5g加えてよ
く攪拌して溶液Aを調製した。また、9gの溶液Aを直
径90mmのガラスシャーレに流延し、真空下で60℃
に4時間保ちアセトニトリルを除去することによって、
厚さ0.2mm〜0.4mmのゲル電解質膜を得た。前
記の方法で作られた複合正極とゲル電解質とLi金属負
極からなる電池(図3に示したコイン型電池)を構成
し、特性評価を行った。一定電流で3.6Vと2.6V
の間で充電・放電の繰り返し試験を行ったところ、平坦
な放電電圧を有する放電カーブが得られ、2サイクル目
の放電では、得られた容量は、充電時の容量の85%と
高く、50回目でも80%の容量が維持されていた。さ
らに、3.5Vと2.0Vの間で充電と放電を繰り返し
たところ、初期の容量が1回目の放電で50%、2回目
の放電で85%、3回目以降で95%以上の充放電効率
を得た。その結果を図10の曲線(a)に示す。なお、
50回目でも95%の容量が維持されていた。
【0054】比較例2 実施例4と全く同じ条件下で、比較のための電池を作製
した。この場合、正極に銀の超微粒子を含んでいない。
この正極で得られた充放電特性の結果を図10の曲線
(b)に示す。この図から、正極薄膜が超微粒子を含ん
でいない場合、1〜10回目のサイクルでは初期の容量
は理論値の30〜80%と低い。
【0055】なお、負極については実施例では金属リチ
ウムを用いているが、金属リチウムの他に、Li−Al
などのリチウム合金や、リチウムインターカレーション
カーボン材料を用いてもよい。
【0056】以上説明したように本実施例によれば、室
温で十分なイオン伝導率が得られ、大電流による充放電
が可能となった。また、実質的な接触面積が格段に増大
され、ほぼ100%に近い正極容量を得ることができ
た。また、サイクル特性も安定した。本発明のレドック
ス電池は室温で1mA/cm2以上の大電流での充放電
が可能で、正極の利用率を向上させ、かつ、サイクル寿
命を改善することができた。
【0057】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、硫
黄系物質とπ電子共役系導電性高分子からなる複合薄膜
に金属超微粒子を含ませているので、高エネルギー密度
を有するという特徴を損なわずに、室温でも大電流充放
電が可能で可逆性に優れた電池を提供し得るレドックス
活性可逆電極が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレドックス活性可逆電極の一例を示す
概略断面図。
【図2】本発明のレドックス活性可逆電極の他の例を示
す概略断面図。
【図3】本発明の一実施の形態に係るコイン型電池の構
成図。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るアルミラミネー
ション外装を用いたシート型リチウム電池の構成図。
【図5】実施例1で作製した電極で観察された典型的な
サイクリックボルタモグラム。
【図6】比較例1で作製された電極で観察されたサイク
リックボルタモグラム。
【図7】実施例2で作製した電極で観察されたサイクリ
ックボルタモグラム。
【図8】実施例2で作製した電極についてレドックス活
性薄膜中に含まれる銀含有率と電気容量の関係を示すグ
ラフ。
【図9】種々の条件における銀の超微粒子の形態を示す
STM写真。
【図10】本発明のリチウム二次電池の電池特性を比較
例の電池特性とともに示すグラフ。
【符号の説明】
11…導電性基体 12…レドックス活性薄膜 121…導電性超微粒子 122…レドックス活性硫黄系物質とπ電子共役系導電
性高分子との混合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ02 AK01 AK15 AK16 AL06 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ03 DJ07 DJ08 DJ16 EJ01 EJ04 EJ05 HJ01 HJ02 HJ05 5H050 AA02 BA16 BA17 CA02 CA19 CA20 CB07 CB12 DA02 DA04 DA10 EA02 EA08 EA12 FA17 FA18 HA01 HA02 HA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体の表面に、レドックス活性硫
    黄系物質とπ電子共役系導電性高分子と平均粒径0.4
    ないし100nmの導電性超微粒子とを含むレドックス
    活性薄膜を備えたことを特徴とするレドックス活性可逆
    電極。
  2. 【請求項2】 硫黄系物質が、無機硫黄系物質または有
    機硫黄系物質であることを特徴とする請求項1に記載の
    電極。
  3. 【請求項3】 硫黄系物質が、(S)x m-(ここで、x
    は、1〜8であり、mは、0〜2xである)、(SC
    S)n (ここで、nは、1〜10)で示されるカーボン
    ジスルフィド化合物、2−メルカプトエチルエーテル、
    2−メルカプトエチルスルフィド、1,2−エタンジチ
    オール、テトラチオエチレンジアミン、N,N’−ジチ
    オ−N,N’−ジメチルエチレンジアミン、トリチオシ
    アヌル酸、2,4−ジチオピリジン、4,5−ジアミノ
    −2,6−ジメチルメルカプトピリミジン、N,N’−
    ジメルカプトピペラジン、2,5−ジメルカプト−1,
    3,4−チアジアゾール(DMcT)、下記化1で示さ
    れる化合物、およびそれらのポリマーから選ばれる少な
    くとも1種である請求項1または2に記載の電極。 【化1】
  4. 【請求項4】 導電性高分子が、ポリアニリン、アニリ
    ン単量体あたり1〜4個のチオール基もしくはメルカプ
    トアルキル基を有するポリアニリン、ポリピロールおよ
    び/またはピロール単量体あたり1〜4個のチオール基
    もしくはメルカプトアルキル基を有するポリピロールで
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の電極。
  5. 【請求項5】 導電性超微粒子が、金属、金属酸化物も
    しくはカーボンからなることを特徴とする請求項1ない
    し4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 【請求項6】 レドックス活性薄膜が、導電性超微粒子
    を1ないし15重量%の割合で含むことを特徴とする請
    求項1ないし5のいずれか1項に記載の電極。
  7. 【請求項7】 レドックス活性薄膜が、導電性基体表面
    に形成された層の形態で導電性超微粒子を含むことを特
    徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電
    極。
  8. 【請求項8】 レドックス活性薄膜が、硫黄系物質と導
    電性高分子との混合物中に分散された形態で導電性超微
    粒子を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれ
    か1項に記載の電極。
  9. 【請求項9】 正極と、リチウム系負極と、該正極と負
    極との間に配置された電解質層を含み、該正極が請求項
    1ないし8のいずれか1項に記載のレドックス活性可逆
    電極により構成されることを特徴とするリチウム二次電
    池。
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