JP4985959B2 - 有機固体電解質及びこれを用いた2次電池 - Google Patents

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Description

本発明は電池、エレクトロクロミック素子、センサー、アクチュエーター等に有用な高イオン伝導性を有する固体電解質、特にはシアノ基を有するモノマーを重合又は共重合して得られる高分子物質を用いた有機固体電解質及びこれを用いた2次電池に関する。
近年、電池、特に2次電池、即ちバッテリーへの関心が高まっている。その用途は、携帯電話、ポータブルビデオカメラ、ポータブルコンピューター、電気自動車等広範囲に亘っている。特にリチウムイオン2次電池は、従来からあるNi−MH電池、Ni−Cd電池、H2SO4−Pb電池等の水系電解液を用いるバッテリーより、高い電圧とエネルギー密度を持っている点で有利であるため、使用されている。しかし、リチウムイオン2次電池は有機系の電解液を用いることから、引火、爆発等の安全性に関する問題を有している。
一方、電解液を用いない電池、即ちイオン導電性固体からなる電解質を用いた電池の研究が行われている。一例として、ポリエチレンオキシドに過塩素酸リチウムが溶解すること(特許文献1:特開平2−56870号公報)が挙げられる。しかし、イオン導電率が十分ではなく、更に正極と負極との接触抵抗が高いため、実用性はなかった。しかしながら、それ以来、イオン伝導性高分子物質に関する研究が盛んに行われている。
有機物は、無機物に比較して、比重が軽い、成形が容易である、柔軟で薄いフィルムが容易に得られる等の利点がある。一方、高分子物質固体電解質を含めた一般的な固体電解質としての要求特性は、(1)成形性、(2)高イオン伝導性、(3)安定性、即ち電気化学的活性物質と反応しないことであり、重要度は(2)、(3)、(1)の順である。従来研究されている有機物としては、上記の経緯からポリエチレン誘導体が多く、誘電体ではポリフッ化ビニリデンやポリアクリロニトリルに添加物を加えた系で、伝導率σ=10-7〜10-5(S/cm)のものが挙げられる。これら従来の高分子物質は、有機固体電解質として、応用が期待される上記電池等の実用目的を満足できる程、上記要求特性を十分に満たしていなかった。例えばポリエチレンオキサイド誘導体には低温で結晶化するという問題があり、誘電体ではポリフッ化ビニリデンの比誘電率が9.2、ポリアクリロニトリルが8.0というように、いずれも高誘電率とは言い難く、電解質を多量に含有できないことからキャリヤーイオン数が少なく、イオン伝導性の高い固体電解質は得られていない。
更に、シアノ基を有する誘電体を固体電解質として応用するものとして、特許文献2(特開平4−363869号公報)が例示される。これには、ポリビニルアルコール、多糖類及びこれらの誘導体をシアノエチル基で置換した高分子物質等が示されており、リチウムイオンを用いた系で比較的高いイオン導電性が示されている。また、特許文献3(特開平9−50824号公報)にはシアノ基を有する誘電体を用いたゲル電解質が示されており、やはりリチウムイオンを用いた系で比較的高いイオン導電性が示されている。これらシアノ基を有する誘電体は、上記した(1)を十分満足し、(2)をある程度満足するものであるが、(3)の電気化学的活性物質と反応しないという要求特性が不十分であった。これらシアノ基を有する誘電体は、骨格となる高分子物質が全て水酸基を有する物質であり、その水酸基をシアノエチル基に置換することによって得られているが、その水酸基を全てシアノエチル基に置換することは現状では難しく、一定割合の水酸基が残存してしまう。また、これらシアノ基を有する誘電体をリチウムイオン2次電池の材料として使用した場合、水酸基とリチウムイオンとのアルコラート反応に起因すると推定されるガスの発生が避けられなかった。
また、特許文献4(特開平3−74419号公報)には、ビニルエーテル類とシアノエチルアクリレート(下記式(1))又はシアノエチルメタクリレート(下記式(2))のラジカル共重合体が例示されているが、十分な重合度のものが得られ難い。
特開平2−56870号公報 特開平4−363869号公報 特開平9−50824号公報 特開平3−74419号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、電気化学的活性物質と反応しない高イオン伝導性の有機固体電解質及びこれを用いた2次電池を提供することを目的とするものである。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、有機固体電解質を構成する有機物質として、水酸基を持たないシアノ基含有化合物を用いると、良好なイオン伝導性を示すと共に、電気化学的活性物質と反応しない有機固体電解質が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、以下の有機固体電解質及びこれを用いた2次電池を提供する。
請求項1:
下記式(1)で示されるモノマー及び/又は下記式(2)で示されるモノマーを重合又は共重合して得られる高分子物質と、無機イオン塩とからなり、上記高分子化合物と無機イオン塩とを複合させてなることを特徴とする有機固体電解質。
CH2=CHCOO−(CH22−CN (1)
CH2=C(CH3)COO−(CH22−CN (2)
請求項2:
前記高分子物質における式(1)及び(2)のモル比率が、100:0〜50:50である請求項1記載の有機固体電解質。
請求項3:
前記無機イオン塩が、Li元素を含有する少なくとも1種の無機イオン塩を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の有機固体電解質。
請求項4:
請求項1〜3のいずれか1項記載の有機固体電解質を正極及び負極の間に配置した2次電池。
本発明の有機固体電解質は、イオン導電率が高いだけでなく、水酸基を持たない高分子物質を用いていることから、例えば2次電池に利用した際、実質的にガスの発生を伴わない2次電池を提供することができ、工業的価値が大きい。
本発明の有機固体電解質は、シアノ基を有する高分子物質を含むため、通常の高分子物質を含む有機材料に比較して、比誘電率が非常に高く、無機イオンの静電エネルギーの緩和に役立ち、電解質の解離が促進され、多量に複合することができ、高いイオン伝導率を有する有機固体電解質となり得るものである。
具体的には、下記式(1)で示されるモノマー及び/又は下記式(2)で示されるモノマーを重合又は共重合して得られ、ジメチルホルムアミドを溶媒とする20質量%濃度の20℃における粘度が30〜8000mPa・sである高分子物質である。
CH2=CHCOO−(CH22−CN (1)
CH2=C(CH3)COO−(CH22−CN (2)
上記高分子物質は、上記式(1)で示されるモノマー及び/又は上記式(2)で示されるモノマーをラジカル重合開始剤を用いて、ラジカル重合することにより製造される。
ここで、ラジカル重合開始剤としては通常用いられるものでよいが、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ系や、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物系触媒等が挙げられる。
本発明に係る高分子物質は、その分子構造中にシアノ基を有することが必須であることから、特にラジカル重合開始剤としてはニトリル基を有するアゾ系重合開始剤が好ましい。重合開始剤の添加量は、モノマー全量のモル数に対するモル数比として、0.005〜0.02である。重合開始剤の添加量がこれより少なすぎると、ラジカルの失活等により重合が十分進まないことがあり、多すぎると重合反応の制御が困難となる他、得られる高分子物質の重合度が非常に大きく溶剤に不溶になる等、その後の使用に供することが難しい場合がある。
また、重合反応を制御するために、ラウリルメルカプタン等の連鎖移動剤を用いることも可能である。この場合、連鎖移動剤の添加量は、重合開始剤のモル数に対するモル数比として、0.05〜1.0である。連鎖移動剤の添加量がこれより少ないと、重合開始剤の添加量によっては重合反応の制御が困難になる等の不都合を生じ、これより多いと重合反応が十分に進まない場合がある。
重合方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等、通常一般的に知られている方法を用いることができる。溶液重合の場合の重合溶媒としては、アセトン、N,N’−ジメチルホルムアミド、エステル類、エーテル類等が例示されるが、モノマーを溶解することができる溶媒で、重合反応を阻害しない溶媒であれば、特に限定されない。重合反応後の精製工程を考慮すると、晶出溶剤との混和性及び水との混和性がある溶媒が好ましく、この点においてアセトン、N,N’−ジメチルホルムアミド等が好ましい。また、重合溶媒中のモノマー濃度も特に制限されないものの、重合反応を溶液重合として行う場合、重合溶媒中のモノマー濃度があまり希薄であると、重合反応が十分に進まないことがあるため、10質量%以上が好ましい。なお、重合溶媒を使用しない場合は、塊状重合となる。
式(1)のシアノエチルアクリレートの単独重合物は、比誘電率が高く軟化温度が低い傾向を示すが、式(2)のシアノエチルメタクリレートの単独重合物は、シアノエチルアクリレートの単独重合物に比較して、比誘電率が低く軟化温度が高い傾向を示す。比誘電率に関しては、モノマーとして、シアノエチルアクリレートとシアノエチルメタクリレートを比較した場合、双極子基であるシアノエチル基の分子内含量はシアノエチルアクリレートの方がシアノエチルメタクリレートより高いことによる。一方、軟化温度に関しては、アクリレート単独重合物とメタクリレート単独重合物を比較した場合、一般にメタクリレート単独重合物の方が高いことは周知の事実であり、シアノエチル系モノマーの重合物であっても同様である。
本発明の高分子物質がイオン導電性固体電解質として機能するのは双極子基であるシアノエチル基によると考えられることから、比誘電率が高い方がイオン導電率が高くなると考えられる。また、軟化温度が高すぎると駆動中における固体電解質層の柔軟性が劣り安定した性能を示さないことがあることから、上記高分子物質における式(1)と(2)のモル比率は100:0〜50:50、好ましくは90:10〜50:50が好ましい。式(2)のモル比率がこれより多いと、軟化温度が高くなり比誘電率が低下する場合がある。
本発明の有機固体電解質は、上記高分子物質の他に無機イオン塩を複合させることにより得られる。この無機イオン塩には、イオン導電性金属塩として通常の電気化学素子に用いるものであれば特に制限はないが、Li、Na、K、Cs、Ag、Cu及びMgのうちの少なくとも1種の元素を含むものである。具体的にはLiClO4、LiI、LiSCN、LiBF4、LiAsF5、LiCF3SO3、LiPF4、NaI、NaSCN、NaBr、NaPF5、KI、KSCN、KPF5、KAsF5、CsSCN、CsPF5、AgNO3、CuC12Mg(ClO42、Rb41.75Cl3.25、Li(CF3SO22N、Li(C25SO22N、Li(CF3SO22C、Li(C25SO23C等が挙げられ、これらはその1種又は2種以上の組み合わせで使用される。
また、無機イオン塩の添加量は、高分子物質の質量に対して0.01〜50質量%、特に0.1〜30質量%が好ましい。無機イオン塩の添加量がこれよりも少ない場合はイオン濃度が低すぎて実用上の導電性が得られなく、多すぎると高分子物質中にイオンが溶解できず析出する場合がある。
本発明の高分子物質の少なくとも一種と無機イオン塩との複合方法は特に制限はなく、例えば本発明の重合体及び共重合体の少なくとも一種と無機イオン塩とを必要に応じてアセトン等の溶媒に溶解して均一混合し、製膜して乾燥する方法、本発明に示す重合体及び共重合体の少なくとも一種と無機イオンとを常温又は加熱下に機械的に混練する方法等任意に選択することができる。また、溶液法で製膜する場合、減圧下で加熱して固体電解質膜を得ることができるが、一般的なリチウムイオン2次電池に使用される液体電解液、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等の非水系電解液に溶解して行うこともできる。この際、減圧下で加熱して乾固した固体電解質膜を得ることもできるが、適切な任意の量の溶媒を残留させることにより、本発明の高分子物質に対するイオン導電性金属塩の溶解量を増加させたり、高分子物質中に溶解した金属イオンの移動性を向上させることもできる。
更に、乾燥して得られた固体電解質膜に後から上記の非水系電解液の適切な量を加えて含浸させることによっても、同様の効果を得ることができる。また、ポリエステル等一般的な高分子物質の体積固有抵抗値が1015(Ω・cm)以上と高いことが知られていることから、比較的比誘電率が高いポリフッ化ビニリデンでさえも1014(Ω・cm)程度であるのに対し、本発明の高分子物質の体積固有抵抗値は1012(Ω・cm)程度と低く、正極及び負極の構成材料として使用した場合、その接触抵抗を低減する効果が期待される。
次に、本発明の2次電池について説明する。
本発明の2次電池は、上記有機固体電解質を正極及び負極の間に配置することによって形成される。
正極に使用される正極活物質としては、CuO、Cu2O、Ag2O、CuS、CuSO2、TiS、SiO2、SnO、V25、V613、VOx、Nb25、Bi23,CrO3、Cr23、MoO3、MoS2、WO3、SeO2、MnO2、Mn24、Fe23、FeO、Fe34、Ni23、NiO、CoO2等の金属化合物や、ポリピロール、ポリアセン等の導電性高分子物質も例示されるが、これらに限定されるものではない。
負極に使用される負極活物質としては、アルカリ金属、アルカリ合金、上記正極活物質で示した化合物及び炭素材料を挙げることができる。アルカリ金属及びアルカリ合金としては、Li、Li−Al、Li−Mg、Li−Al−Ni等のLi系が特に好ましい。更に、正極及び負極を作製する場合、結着剤や導電剤等を添加することが一般的であり、その使用される物質等は特に限定されない。
以下、本発明の具体的実施態様を実施例及び比較例に基づいて更に詳細に説明する。
[実施例1]
冷却管及び撹拌機を持つ3つ口フラスコ(500ml)を窒素置換した後、通常の減圧蒸留法で蒸留した2−シアノエチルアクリレートモノマーを70g加えた。次いで重合溶媒として脱水処理を行ったアセトンを163g、モノマーに対するモル数比が0.01となるようラジカル開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを加え、更に連鎖移動剤として0.001モルのラウリルメルカプタンを加えた。窒素導入管を接続し、反応温度60℃で反応時間300分の条件で反応を行った。終了後、室温まで冷却し、過剰量のメタノールへ反応液を析出させ、更に析出物をアセトンに溶解し、過剰量のメタノールで析出することを数回繰り返した後、精製された析出物を乾燥し、ジメチルホルムアミドを溶媒とする20質量%の20℃における粘度が305mPa・s、40℃/1kHzの比誘電率が約18、軟化温度が約30℃のポリ(2−シアノエチルアクリレート)を約63g得た。
得られたポリ(2−シアノエチルアクリレート)2gを10gのアセトンに溶解し、これに0.8gのLiClO4を溶解した3gのアセトンを加えて均一に混合した。この溶液をテフロン(登録商標)製の板上に流延し、試料を室温で24時間静置して過剰の溶媒を除去した後、60℃/24時間減圧乾燥して、厚さ約50μmのイオン導電性固体電解質膜を得た。得られた膜は透明でLiClO4を均一に混合していた。
この膜を直径10mm円盤状に切り出し、両面にステンレス極板を挟んで電極を形成し、周波数5Hz〜5MHzの交流インピーダンス測定装置マルチフリクエンシーLCRメーターモデル4192A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて、複素インピーダンス表示をコンピューター処理してイオン伝導度を算出した。その結果、25℃で1.1×10-3(S/cm)の値を得た。
正極は、LiCoO2とケッチェンブラックの質量比率が90:1になるよう混合したものと、ポリ(2−シアノエチルアクリレート)2gを10gのアセトンに溶解した液とを、質量比1:2で混合した。この混合物をアルミニウムからなる正極集電板上にキャストし、窒素雰囲気下、加熱乾燥して作製した。負極は、リチウム金属をステンレス集電板に圧着して作製した。
得られたイオン導電性固体電解質膜を作製した正極及び負極で挟み込み、イオン導電性固体電解質膜の厚みが25μmになるように窒素雰囲気下、80℃で加熱圧着した。
上記の手順で作製した2次電池をステンレス製の耐圧容器に入れ、窒素置換した後、常圧の状態で封印した。次に、0.1mA/cm2の電流を用いて電池電圧が4.2Vになるまで充電し、電圧が2.75Vになるまで0.1mA/cm2の電流で放電することを300回繰り返したところ、容器中の内圧の上昇は認められなかった。
[実施例2]
2−シアノエチルアクリレートモノマーと2−シアノエチルメタアクリレートモノマーをモル比率が1:1になるようにして合計で73.92gとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、ジメチルホルムアミドを溶媒とする20質量%の20℃における粘度が355mPa・s、40℃/1kHzの比誘電率が約15、軟化温度が約50℃の共重合体を約66g得た。
得られた共重合体を用いる以外は実施例1と同様に行い、25℃で0.9×10-3(S/cm)のイオン伝導度値を得た。また、実施例1と同様に電池を入れた耐圧容器内の内圧上昇は認められなかった。
[比較例1]
イオン導電性高分子物質として、シアノエチルポリビニルアルコール(信越化学工業株式会社製 CR−V)を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。使用したシアノエチルポリビニルアルコールは、40℃/1kHzの比誘電率が約23、軟化温度が約30℃であり、分子内に約20モル%の水酸基を有するものである。
イオン伝導率値は、25℃で8×10-5(S/cm)と低く、実施例1と同様に電池を入れた耐圧容器内の圧力は約5%の上昇が認められた。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で示されるモノマー及び/又は下記式(2)で示されるモノマーを重合又は共重合して得られる高分子物質と、無機イオン塩とからなり、上記高分子化合物と無機イオン塩とを複合させてなることを特徴とする有機固体電解質。
    CH2=CHCOO−(CH22−CN (1)
    CH2=C(CH3)COO−(CH22−CN (2)
  2. 前記高分子物質における式(1)及び(2)のモル比率が、100:0〜50:50である請求項1記載の有機固体電解質。
  3. 前記無機イオン塩が、Li元素を含有する少なくとも1種の無機イオン塩を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の有機固体電解質。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の有機固体電解質を正極及び負極の間に配置した2次電池。
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